JP2010235707A - ポリオレフィン微多孔膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜幅方向の厚みの均一性が良好であり、捲回体とした後の膜幅変動も抑制されたポリオレフィン微多孔膜の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン微多孔膜の製造方法であって、(A)ポリオレフィンと可塑剤とを混練し、混練物を形成する工程、(B)前記混練物をシート化し、前記可塑剤を抽出後、可塑剤が抽出された微多孔シートを延伸して延伸膜を形成する工程、を有し、前記(B)工程直後の延伸膜温度を、(微多孔シートの融点−75)℃〜(微多孔シートの融点−40)℃にすることを特徴とする製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイス(リチウムイオンキャパシタ、非水系リチウム蓄電素子などと呼ばれるものも含む)の開発が活発に行われている。蓄電デバイスには通常、微多孔膜(セパレータ)が正負極間に設けられている。このようなセパレータは、正負極間の接触を防ぎ、イオンを透過させる機能を有する。
ここで、セパレータの厚みが均一でないと、電池を製造する工程においてセパレータと電極シートとを重ねて捲回する際(捲回工程)に、巻きズレ等のトラブルの原因となる。
このような事情のもと、例えば特許文献1には、混練物をシート化する工程において、バンク(樹脂溜まり)の幅とキャストされる混練物の全幅との関係を規定することにより、高強度、低収縮で厚みの均一性が高いポリオレフィン微多孔膜を実現する、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法が開示されている。
特開2006−056929号公報
しかしながら、膜幅方向の厚みの均一性をより向上させることは、電池生産時のトラブル低減に寄与し得ることから、今なお産業界から望まれている。
また、ポリオレフィン微多孔膜は一般に捲回体として市場に流通するが、流通の際の膜幅等の変動は、低減されていることが望ましい。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、膜幅方向の厚みの均一性が良好であり、捲回体とした後の膜幅変動も抑制されたポリオレフィン微多孔膜の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記事情に鑑み鋭意検討の結果、延伸膜を形成する工程直後の延伸膜の温度を所定の温度領域に制御することで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
ポリオレフィン微多孔膜の製造方法であって、以下の(A)、(B)の各工程、
(A)ポリオレフィンと可塑剤とを混練し、混練物を形成する工程、
(B)前記混練物をシート化し、前記可塑剤を抽出後、可塑剤が抽出された微多孔シートを延伸して延伸膜を形成する工程、
を有し、
前記(B)工程直後の延伸膜温度を、(微多孔シートの融点−75)℃〜(微多孔シートの融点−40)℃にすることを特徴とする製造方法。
[2]
前記(B)工程直後の延伸膜温度を、温度制御機構により温度制御する[1]記載の製造方法。
本発明によれば、膜幅方向の厚みの均一性が良好であり、捲回体とした後の膜幅変動も抑制されたポリオレフィン微多孔膜の製造方法が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の製造方法は、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法であって、以下の(A)、(B)の各工程、
(A)ポリオレフィンと可塑剤とを混練し、混練物を形成する工程、
(B)前記混練物をシート化し、前記可塑剤を抽出後、可塑剤が抽出された微多孔シートを延伸して延伸膜を形成する工程、
を有し、
前記(B)工程直後の延伸膜温度を、(微多孔シートの融点−75)℃〜(微多孔シートの融点−40)℃にすることを特徴とする。
前記(A)工程において用いられるポリオレフィンとしては、一種のポリオレフィンからなっても、数種のポリオレフィンを含むポリオレフィン組成物であってもよい。
ポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられ、これらを2種類以上ブレンドして用いても良い。
尚、以下、ポリエチレンを「PE」、ポリプロピレンを「PP」と略記することがある。
ポリオレフィンの粘度平均分子量としては、好ましくは5万〜300万、より好ましくは15万〜200万である。
また、ポリオレフィンの融点(複数種のポリオレフィンが用いられる場合にはその混合物の融点)としては、好ましくは100〜150℃、より好ましくは110〜140℃である。なお、融点はDSC測定における融解ピークの温度(複数種のポリオレフィンが用いられる場合には、融解ピーク面積の最も大きいピークの温度)として測定される。
前記(A)工程において用いられる可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル(以下、「DOP」と略記することがある。)、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジブチルのようなフタル酸エステル;アジピン酸エステルやグリセリン酸エステル等の有機酸エステル類;リン酸トリオクチル等のリン酸エステル類;流動パラフィン;固形ワックス;ミネラルオイル等が挙げられる。これらは単独で使用しても混合物として使用してもよい。中でも、ポリエチレンとの相溶性を考慮するとフタル酸エステルが特に好ましい。
また、前記(A)工程では、ポリオレフィンと可塑剤とフィラーとを混練し、混練物を形成しても良い。用いられるフィラーとしては、有機微粒子、無機微粒子のいずれを用いることもできる。
有機微粒子としては、例えば、変性ポリスチレン微粒子、変性アクリル酸樹脂粒子などが挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ(珪素酸化物)、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄などの酸化物系セラミックス、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレー、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂等のセラミックス、ガラス繊維などが挙げられる。
(A)工程におけるポリオレフィンと可塑剤とフィラーのブレンド比は特に限定されるものではない。前記ポリオレフィンが混練物中に占める割合としては、得られる微多孔膜の強度と製膜性の面から、25〜50質量%が好ましい。また、可塑剤が混練物中に占める割合としては、押出しに適した粘度を得る観点から、30〜60質量%が好ましい。更に、前記フィラーが混練物中に占める割合としては、得られる微多孔膜の孔径の均一性を向上させる観点から10質量%以上が好ましく、製膜性の面から40質量%以下が好ましい。
なお、前記混練物には必要に応じて、フェノール系やリン系やイオウ系等の酸化防止剤;ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類;紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色顔料等の各種添加剤を混合して使用できる。
前記(A)工程における混練方法に特に制限は無い。ポリオレフィン、可塑剤、必要に応じてフィラーのうちの二成分または三成分を、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、プロシェアミキサー、リボンブレンダー等の一般的な混合機を用いて、予め混合したものを混練しても良いし、同時に混練しても良い。
また、混練方法としても特に制限は無い。例えば、押出機、ニーダー等の溶融混練装置を用いて混練することができる。
前記(B)工程において、前記混練物は、例えば、Tダイスを用いた溶融成形によりシート状に成形される。この場合、ギアーポンプを介して成形するのが、寸法安定性の面で好ましく、特にギアーポンプ前圧力を一定に制御して成形するのが、寸法安定性の面で好ましい。
また、(B)工程では、混練物をシート化する際にシートを冷却することが好ましい。冷却方法としては、例えば、エアーにて冷却する方法、Tダイス吐出樹脂温度より20〜120℃低く温調したロールにて接触させて冷却する方法、Tダイス吐出樹脂温度より20〜120℃低いカレンダーロールにて圧延成形してシート状に成形しながら冷却する方法が挙げられる。
中でも、Tダイス吐出樹脂温度より20〜120℃低いカレンダーロールにて圧延成形してシート状に成形しながら冷却する方法が、膜厚み均一性の面で好ましい。より好ましいTダイス吐出樹脂温度とカレンダーロール温度の差は40〜80℃である。この場合において、ロールを使用する際、Tダイスとロールのシートとの接点の距離は5〜500mmの範囲にて成形するのが好ましい。
なお、当該シートの膜厚としては、好ましくは10〜1000μm、より好ましくは50〜200μmである。
(B)工程では、シート化された混練物から可塑剤、及び必要に応じてフィラーが抽出される。
可塑剤の抽出に用いられる溶剤としては、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、アセトン等の有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等、を使用することができる。これらは単独あるいは混合して用いることも出来る。
一方、フィラーの抽出に用いられる溶剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ水溶液が好適に用いられる。
(B)工程では、前記可塑剤が抽出された微多孔シートが少なくとも一軸方向に延伸され、延伸膜が形成される。
延伸方法としては、ロール延伸でも、テンターを用いた延伸でもよい。また延伸方法としては、高強度と薄膜化を考えると二軸延伸が好ましい。
延伸倍率は強度向上のため面倍率で8倍以上が好ましく、更に好ましくは8.5倍以上である。二軸延伸する場合は、逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもどちらでも構わないが、大孔径の膜を得るためには逐次二軸延伸が好ましい。延伸は一枚でも複数枚重ねても構わないが、強度向上の面から、二枚以上重ねて延伸することが好ましい。
ここで、機械方向(樹脂の吐出方向、或いは膜の長さ方向。以下、「MD」と略記することがある。)の延伸倍率と、この機械方向と直交する方向(膜幅方法。以下、「TD」と略記することがある。)の延伸倍率との比(MD/TD比)としては、1.5倍以上3.0倍以下であることが好ましい。
また、延伸工程を複数有する場合、最終の延伸工程では、TDが拘束されている状態でTD延伸が行われることが好ましい。
本実施形態において、前記(B)工程直後の延伸膜温度としては、(微多孔シートの融点−75)℃以上、(微多孔シートの融点−40)℃以下の範囲である。そして、これにより、膜幅方向の厚みの均一性が良好であり、捲回体とした後の膜幅変動も抑制されたポリオレフィン微多孔膜が実現される。
なお、前記(B)工程直後の延伸膜温度としては、微多孔シートの融点を基準として、より好ましくは−70℃以上である。一方、上限としては、延伸工程前のポリオレフィン微多孔膜の融点を基準として、より好ましくは−55℃以下、更に好ましくは−60℃以下である。
ここで、前記(B)工程直後の延伸膜温度を適切に制御する観点から、前記(B)工程を実行する延伸装置の後段に、温度制御機構を設けることが好ましい。
このような温度制御機構としては、延伸膜が接する雰囲気の気体の温度、流路及び流量を制御できることが好ましい。より具体的には、例えば延伸膜が接する雰囲気を覆い、対流をTDに均一化することが可能なカバーや、温度制御風を送るノズルと温度センサーとを備える送風機構、等が挙げられる。これらは併設することも可能である。このような温度制御機構により、延伸膜表面のTDの温度ムラを低減することが可能となるため好ましい。
本実施形態の製造方法により得られる微多孔膜は、膜幅方向の厚みの均一性が良好であり、捲回体とした後の膜幅変動も抑制されているため、生産性良く蓄電デバイスを製造することが可能である。このような蓄電デバイスは、電気自動車やハイブリッド自動車、電気二重層キャパシタ用として特に有用である。特に、リチウムイオン電池用セパレータとして有用である。
なお、上述した各種パラメータについては特に断りの無い限り、下記実施例における測定方法に準じて測定される。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の物性は以下の方法により測定した。
(1)粘度平均分子量
ポリエチレンの粘度平均分子量は、溶剤としてデカリンを用い、測定温度135℃で測定した粘度[η]から、次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67(Chiangの式)
(2)延伸膜温度
(B)工程直後、即ち、延伸膜の拘束を把持具が解除した直後の把持具の温度を、(B)工程直後の延伸膜温度として測定した(把持具の温度に延伸膜温度が反映されている)。赤外線温度計で測定した。
(3)微多孔シートの融点(mp)
ポリオレフィンと可塑剤とが混練され、シート化され、可塑剤が抽出された後の、延伸工程前の微多孔シートをサンプリングし、DSC測定を行った。測定機は島津製作所社製DSC60を使用した。3mgを測定サンプルとして用い、これを直径5mmmのアルミ製オーブンサンプルパンに敷き詰め、クランピングカバーを乗せサンプルシーラーでアルミパン内に固定した。窒素雰囲気下、昇温速度10m/minで30℃から200℃まで測定した。mpは、融解ピーク面積の最も大きいピークの温度とした。
(4)膜厚(μm)
微小測厚器(東洋精機製 タイプKBM)を用いて室温23℃で測定した。
(5)公差R(μm)、幅方向の膜厚分布安定性
幅方向の膜厚分布の安定性は、捲回体(ここでは延伸工程後に巻き取られたロール)の有効幅について、幅方向の膜厚分布で判断される。有効幅とは、延伸工程直後の膜幅から、両端把持部を含む製品としない部分を除いた幅のことであり、延伸工程直後の把持具間膜幅の85%とする。
有効幅について、幅方向に10mm間隔で膜厚を測定し、測定した点の最大値と最小値の差(公差R)が8.0μm以下であれば、「○」と評価した。
(6)膜幅収縮率(%)、膜幅安定性
得られたポリオレフィン微多孔膜を捲回した直後の最外層の膜幅で、捲回した直後の最外層の膜幅と3日後の捲回体最外層の膜幅との差(収縮量)を除して算出した。膜幅収縮率が0.5%未満であれば、「○」と評価した。
[実施例1]
粘度平均分子量30万の線状共重合ポリエチレン30質量%、粘度平均分子量15万の線状低密度ポリエチレン40質量%、粘度平均分子量100万の超高分子量ポリエチレン20質量%、粘度平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン10質量%からなるポリマー組成物34質量部に対し、DOP45質量部、微粉シリカ21質量部、酸化防止剤0.3質量部をヘンシェルミキサーで混合して造粒した。その後、Tダイスを装着した二軸押出機にて200℃で混練・押出し、140℃に冷却されたカレンダーロールにて厚さ100μmのシート状に成形した。該成形物から塩化メチレンにてDOPを、水酸化ナトリウムにて微粉シリカを抽出し、微多孔膜とした。該微多孔膜を2枚重ねて120℃に加熱された延伸ロールでMDに5倍延伸した後、最大温度128.0℃のテンター内でTD方向に2倍延伸した。延伸工程前の微多孔シートの融点は128℃であり、延伸膜温度は75℃であった。
得られた微多孔膜について諸物性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2、比較例1、比較例2]
表1に示す延伸膜温度条件以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜について諸物性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
粘度平均分子量25万の線状共重合ポリエチレン40質量%、粘度平均分子量100万の超高分子量ポリエチレン60質量%からなるポリマー組成物32質量部に対し、DOP48質量部、微粉シリカ20質量部、酸化防止剤0.3質量部をヘンシェルミキサーで混合して造粒した。その後、Tダイスを装着した二軸押出機にて200℃で混練・押出し、140℃に冷却されたカレンダーロールにて厚さ100μmのシート状に成形した。該成形物から塩化メチレンにてDOPを、水酸化ナトリウムにて微粉シリカを抽出し、微多孔膜とした。該微多孔膜を2枚重ねて120℃に加熱された延伸ロールでMDに5倍延伸した後、最大温度128.0℃のテンター内でTD方向に2倍延伸した。延伸工程前の微多孔シートの融点は133℃であり、延伸工程出口から1mの間、下に凹のコの字型の覆いで、延伸膜を覆うことで膜表面のTD温度ムラをなくし、製造した。延伸膜温度は80℃であった。
得られた微多孔膜について諸物性を評価した。結果を表1に示す。
[比較例3、比較例4]
表1に示す延伸膜温度条件以外は実施例3と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜について諸物性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
粘度平均分子量15万の線状共重合ポリエチレン40質量%、粘度平均分子量100万の超高分子量ポリエチレン60質量%からなるポリマー組成物32質量部に対し、DOP48質量部、微粉シリカ20質量部、酸化防止剤0.3質量部をヘンシェルミキサーで混合して造粒した。その後、Tダイスを装着した二軸押出機にて200℃で混練・押出し、140℃に冷却されたカレンダーロールにて厚さ100μmのシート状に成形した。該成形物から塩化メチレンにてDOPを、水酸化ナトリウムにて微粉シリカを抽出し、微多孔膜とした。該微多孔膜を2枚重ねて120℃に加熱された延伸ロールでMDに5倍延伸した後、最大温度128.0℃のテンター内でTD方向に2倍延伸した。微多孔シートの融点は130℃であり、延伸膜温度は77℃とした。
得られた微多孔膜について諸物性を評価した。結果を表1に示す。
[比較例5]
表1に示す延伸膜温度条件以外は実施例4と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜について諸物性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2010235707
表1の結果から、実施例の製造方法では、延伸膜温度を制御することにより、幅方向の膜厚分布安定性と捲回体とした後の膜幅収縮率とのバランスを両立させる微多孔膜が得られた。
本発明によれば、膜幅方向の厚みの均一性が良好であり、捲回体とした後の膜幅変動も抑制されたポリオレフィン微多孔膜の製造方法が提供される。得られたポリオレフィン微多孔膜は、特に、リチウムイオン電池用セパレータとして有用である。

Claims (2)

  1. ポリオレフィン微多孔膜の製造方法であって、以下の(A)、(B)の各工程、
    (A)ポリオレフィンと可塑剤とを混練し、混練物を形成する工程、
    (B)前記混練物をシート化し、前記可塑剤を抽出後、可塑剤が抽出された微多孔シートを延伸して延伸膜を形成する工程、
    を有し、
    前記(B)工程直後の延伸膜温度を、(微多孔シートの融点−75)℃〜(微多孔シートの融点−40)℃にすることを特徴とする製造方法。
  2. 前記(B)工程直後の延伸膜温度を、温度制御機構により温度制御する請求項1記載の製造方法。
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