以下に、添付の図面を参照して、この発明にかかる操作者判別装置および車載機器制御装置の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる操作者判別装置を備えた車載機器制御装置の機能的構成の例を示すブロック図、図2は同車載機器制御装置が搭載された車両の車室内の例を示す説明図である。図1および図2に示すように、操作者判別装置を内蔵した車載機器制御装置100は、車両1に搭載され、第1静電容量センサ部10および第2静電容量センサ部20と、制御部50とを備えて構成されている。
車載機器90は、例えばカーナビゲーション装置、エアコンディショナー装置、カーオーディオ装置、ウィンドウ開閉コントロール装置などであり、ここでは表示部30および操作部32を備えている。これら表示部30および操作部32は、例えば制御部50に接続されるとともに、制御部50には、第1および第2静電容量センサ部10,20と車両状態判定部80とがさらに接続されている。
そして、制御部50は、内部に操作者判定部60と操作制御部70とを備え、車両状態判定部80と接続されている。これにより、制御部50は、第1および第2静電容量センサ部10,20、操作部32および車両状態判定部80からの情報に基づいて、車載機器90の表示部30の表示画面上に各種情報を表示したり、車載機器90の動作モードを制御したりすることができるように構成されている。
第1および第2静電容量センサ部10,20は、車両の運転席2とその他の席(ここでは、説明の便宜上助手席とする。)3との間に設けられた車載機器90の操作部32と、これら運転席2および助手席3との間にそれぞれ設けられたセンサ電極を有し、検知対象物として人体を検知する。これら第1および第2静電容量センサ部10,20は、具体的には人体の上肢における前腕先端の手を検知する。
制御部50は、第1および第2静電容量センサ部10,20からの情報に基づき、操作者判定部60によって車載機器90の操作部32に対する操作者の位置を判別し、どの座席(シート)からの操作者であるかを判定するとともに、操作制御部70によって、この判定結果に基づいた車載機器90の動作モードを制御する。
表示部30は、例えばディスプレイ装置やタッチパネル装置からなり、車載機器90により処理される各種情報を乗員に対して視認可能に表示する。操作部32は、各種ボタン、スイッチ、ノブ等からなり、操作者による車載機器90への操作入力を受け付ける。車両状態判定部80は、車両1に搭載された各種センサ等からの情報に基づいて、車両1の状態(具体的には、走行状態)を判定する。
このように構成された車載機器制御装置100は、第1および第2静電容量センサ部10,20からの情報に基づき制御部50の操作者判定部60によって、それぞれのセンサ電極上の検知範囲内に手があるか否か(または手が操作部32に触れるために通過したか否か)を判定して操作者の位置を判別する。
そして、この判別結果および車両状態判定部80からの情報に応じて、操作制御部70によって、例えば車両走行中の運転席2からの操作者である判定された場合は車載機器90を操作できないように制御したり、助手席3からの操作者であると判定された場合は車両1の走行状態にかかわらず操作できるように制御したりする。これにより、運転手(ドライバ)による車載機器90の車両走行中の操作に伴う危険回避や事故防止などを図ることができる。
なお、車載機器制御装置100は、第1静電容量センサ部10または第2静電容量センサ部20のいずれかのみを備える構成であってもよい。この場合は、次のように車載機器90の動作モードを制御すればよい。すなわち、例えば第1静電容量センサ部10のみが配置されている場合は、手を検知したときに車載機器90を操作できるようにし、第2静電容量センサ部20のみが配置されている場合は、車両走行中に手を検知したときに車載機器90を操作できないようにする。このようにしても、運転手による車載機器90の車両走行中の操作に伴う危険回避や事故防止などを図ることが可能となる。
図3は、同車載機器制御装置の静電容量センサ部および操作者判定部の全体構成の例を示す説明図、図4は同車載機器制御装置の検知動作時における動作概念を説明するための説明図である。また、図5は、同車載機器制御装置の検知動作時における検知対象物と電気力線との関係を説明するための説明図、図6は同車載機器制御装置の検知動作時における動作概念を説明するための説明図である。
図3に示すように、車載機器制御装置100の第1および第2静電容量センサ部10,20は、例えば運転席2および助手席3と操作部32との間の車載機器90の表面に設置されたり、内蔵されたりして設けられる。これら第1および第2静電容量センサ部10,20は、矩形(長方形)平板状に形成されたセンサ電極11と、このセンサ電極11の裏面側に形成されたシールド電極12と、センサ電極11と同一平面上に形成されセンサ電極11を囲うようなロの字状に形成された補助電極13とをそれぞれ備えて構成されている。
各センサ電極11および補助電極13は、それぞれ互いに絶縁された状態で配置されている。また、シールド電極12は、裏面側のセンサ感度を減少させるために、センサ電極11よりも大きいことが好ましい。
センサ電極11は、検知面側の検知領域にある(存する)手を検知する。シールド電極12は、センサ電極11の裏面側にて手が検知されないようにシールドする。補助電極13は、センサ電極11の検知面側における等静電容量線(面)を可変せしめ、第1および第2静電容量センサ部10,20に指向性を持たせるためのものである。なお、シールド電極12は、上述した態様とともに併せて例えば補助電極13の外周側に設けられていてもよい。
操作者判定部60は、第1および第2静電容量センサ部10,20とそれぞれ独立して(別系統で)接続され、例えばセンサ電極11に直接接続されたC−V変換回路21と、A/D変換器22と、CPU23とを備え、ここではシールド駆動回路24をさらに備えて構成され、補助電極13の接続をC−V変換回路21とシールド駆動回路24とに切り替える切替スイッチSWが設けられている。
C−V変換回路21は、センサ電極11によって、またはセンサ電極11および補助電極13によって、それぞれ検知された静電容量(Capacitance)を電圧(Voltage)に変換する。A/D変換器22は、C−V変換回路21からの電圧を示すアナログ信号をディジタル信号に変換する。
CPU23は、操作者判別装置全体の制御を司るとともに切替スイッチSWの動作を制御したり、検知領域における検知対象物(手)の検出(有無)を判定したりする。シールド駆動回路24は、例えばシールド電極12や補助電極13をセンサ電極11と同等の電位に駆動する。
なお、操作者判定部60は、CPU23の一時記憶領域として利用されるRAMやデータ格納用のROM等の記憶手段(図示せず)を備えて構成される。第1および第2静電容量センサ部10,20は、例えば図示しない基板上に形成されている。この基板としては、例えばフレキシブルプリント基板、リジッド基板またはリジッドフレキシブル基板のいずれの基板も採用することができる。また、操作者判定部60は、第1および第2静電容量センサ部10の少なくとも一方が形成された基板の同一面側または裏面側に実装されて一体的に設けられてもよい。
センサ電極11、シールド電極12および補助電極13は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ガラスエポキシ樹脂、またはセラミック等の絶縁体からなる基板上にパターン形成された銅、銅合金またはアルミニウムや鉄等の金属部材(導電材)や電線などで構成することができる。
次に、このように構成された車載機器制御装置100の操作者判別装置による検知動作について説明する。まず、CPU23の制御により、切替スイッチSWがシールド駆動回路24側に接続された場合の動作(動作1)について説明する。この動作1の場合、第1および第2静電容量センサ部10,20のセンサ電極11、シールド電極12および補助電極13の制御部20との接続状態は、図3に示すようになる。
すなわち、C−V変換回路21にはセンサ電極11のみが接続され、シールド電極12および補助電極13はシールド駆動回路24に接続されるので、センサ電極11のみによって検知対象物A,Bとの静電容量がC−V変換回路21によって検出される。このとき、センサ電極11の裏面側は、シールド駆動回路24に接続されたシールド電極12によって覆われた状態であるため、センサ電極11の裏面側のセンサ感度はほぼないに等しくなり、これは後述する動作2の場合も同様である。
また、両検知対象物A,Bはセンサ電極11からほぼ等しい距離に存するが、シールド駆動回路24に接続された補助電極13の影響によって、上述した等静電容量線(面)Mが図4に示すような状態となり、検知対象物Bに対するセンサ感度が検知対象物Aに対するセンサ感度よりも低下する。
この場合、図5(a)に示すように、センサ電極11の中心部上付近に存する検知対象物Aに対するセンサ電極11からの電気力線P1は、補助電極13からの電気力線P2(シールド)の影響が小さいといえるが、図5(b)に示すように、センサ電極11に対して外側に存する検知対象物Bに対するセンサ電極11からの電気力線P1は、補助電極13からの電気力線P2(シールド)の影響を受けやすいといえる。
このため、動作1においては、両検知対象物A,Bはセンサ電極11から同一距離に存するが、C−V変換回路21によって検出される静電容量値は検知対象物Aの方が検知対象物Bに比べて大きくなる。なお、このような動作1のときに検出された第1の静電容量値C1をCPU23によって記憶手段に記憶しておく。
この動作1の場合、補助電極13をシールド駆動回路24に接続することによって、センサ電極11の中心部のセンサ感度に対して、センサ電極11の電極端(補助電極13側の端部)のセンサ感度を下げることができ、第1および第2静電容量センサ部10,20に僅かな指向性を持たせることが可能となる。
ただし、この動作1においては、センサ電極11の電極端のセンサ感度が僅かに低下する程度であるので、例えば図5(b)に示す検知対象物Bよりはセンサ電極11に近い位置に存する検知対象物C(図4参照)の静電容量値は、検知対象物Aの静電容量値とほぼ等しくなってしまい、等静電容量線(面)Mが図4に示すような状態となってしまう。このため、検知対象物A,Cの違いを判別することができず、より強い指向性を持たせることができない状態であるといわざるを得ない。
次に、CPU23の制御により、切替スイッチSWがC−V変換回路21側に接続された場合の動作(動作2)について説明する。この動作2の場合、第1および第2静電容量センサ部10,20のセンサ電極11、シールド電極12および補助電極13の制御部20との接続状態は、図6に示すようになる。
すなわち、C−V変換回路21にセンサ電極11および補助電極13が接続されるので、これらセンサ電極11および補助電極13によって検知対象物A,Bとの静電容量がC−V変換回路21によって検出される。このとき、上述したようにセンサ電極11の裏面側のセンサ感度はほぼないに等しいが、センサ電極11の検知面側(表面側)における等静電容量線(面)Mは図6に示す状態となり、検知面側の180°の範囲で指向性がない状態といえる。
このため、動作2においては、センサ電極11からほぼ等しい距離に存する両検知対象物A,Bについては、ほぼ同等の静電容量値が検出される。そして、このような動作2のときに検出された第2の静電容量値C2を、第1の静電容量値C1と同様にCPU23によって記憶手段に記憶しておく。
このように、上述した動作1および動作2により、センサ電極11による検知面側の等静電容量線(面)Mを可変せしめ、センサ電極11の検知面側において僅かに指向性がある場合に検出された第1の静電容量値C1と、センサ電極11の検知面側において指向性がない場合に検出された第2の静電容量値C2とを取得する。
その後、本例の車載機器制御装置100の操作者判別装置においては、次のような動作が行われる。まず、CPU23によって記憶手段に記憶しておいた第1の静電容量値C1と第2の静電容量値C2とを比較する。例えば、上述した動作2の場合においては両検知対象物A,Bから検出された静電容量値はともにほぼ同等の値であるため、検知対象物A,Bはセンサ電極11からほぼ等しい距離にあることが判明する。
次に、動作1の場合では検知対象物Aに対して検知対象物Bの静電容量値が小さくなるため、検知対象物Bは検知対象物Aよりもセンサ電極11に対して外側に存することが判明する。これらを踏まえて、CPU23においては、第1の静電容量値C1に対する第2の静電容量値C2の値を比較することにより、検知対象物がセンサ電極11の中心部に対してどの程度外側に存するのか(すなわち、検知対象物が少なくともセンサ電極11の検知面と対向する領域を含む所定の範囲内(以下、「検知範囲内」と略記することがあるとする。)にあるか否か)を判定することができる。
図7は、同車載機器制御装置100による手の検知イメージを説明するための説明図である。上述したように構成され動作する車載機器制御装置100によれば、図7に示すように、例えば第1静電容量センサ部10によって、車載機器90の表面上に形成された検知範囲Z1内に助手席3側の操作者の手91があるか否かを判定することができる。同様に、例えば第2静電容量センサ部20によって、車載機器90の表面上に形成された検知範囲Z2内に運転席2側の操作者の手92があるか否かを判定することができる。
これら車載機器90の表面上(具体的には、センサ電極11上)の検知範囲Z1,Z2は、設定された指向性によりその範囲が決定するため、検知範囲Z1,Z2を各センサ電極11上の狭い領域に設定すれば、これらの手91,92を誤検知することは皆無となる。こうして手91,92があるか否かを判定した判定結果に基づいて、車載機器制御装置100は、手91がある場合には上述したように車載機器90の操作をできるように制御したり、手92があって車両走行中である場合には上述したように車載機器90の操作ができないように制御したりする。ここで、操作制御処理について説明する。
図8は、上記車載機器制御装置100による操作制御処理手順の例を示すフローチャートである。なお、以降において、既に説明した部分と重複する箇所には同一の符号を付して説明を割愛することがあるとする。図7に示すように、まず、車載機器制御装置100は、例えば車両1のイグニッションキーがアクセサリーやONとなることをトリガとして、処理が開始されるまで待つ(ステップS101のN)。
そして、処理が開始されたら(ステップS101のY)、制御部50における操作者判定部60のCPU23の制御によって、切替スイッチSWによる補助電極13の接続状態を上述した第1および第2の接続状態に切り替えて、静電容量値(第1および第2の静電容量値C1,C2)を検出し(ステップS102)、例えば第1静電容量センサ部10からの静電容量値に基づくものであるか否かを判断する(ステップS103)。
第1静電容量センサ部10からの静電容量値に基づくものであると判断された場合(ステップS103のY)は、これらの静電容量値C1,C2を比較して第1静電容量センサ部10における比較値1を算出し(ステップS104)、第1の静電容量値C1または第2の静電容量値C2に基づいて検知対象物(手91)が車載機器90のセンサ電極11上に近接しているか否かを判定するとともに(ステップS106)、算出した比較値1が、例えばあらかじめ設定された所定のしきい値以上(あるいは所定のしきい値以下や所定のしきい値未満等)であるか否かを判定する(ステップS107)。
手91が近接していると判定され(ステップS106のY)、かつ比較値1が所定のしきい値以上であると判定された場合(ステップS107のY)は、手91を検知と判定して(ステップS108)、操作制御を行う(ステップS109)。この場合の操作制御においては、助手席3側からの手91であることが操作者判定部60によって判定されたため、操作制御部70によって車載機器90の操作部32に対するすべての操作入力に応じた車載機器90の動作が実行可能な状態となる動作モード(通常モード)が実行される。
手91が近接していないと判定された場合(ステップS106のN)や、比較値1が所定のしきい値以上でないと判定された場合(ステップS107のN)は、手91を非検知と判定する(ステップS111)。
一方、第1静電容量センサ部10からの静電容量値に基づくものでないと判断された場合(ステップS103のN)は、第2静電容量センサ部20からの静電容量値に基づくものであるため、これらの静電容量値C1,C2を比較して第2静電容量センサ部20における比較値2を算出し(ステップS105)、第1の静電容量値C1または第2の静電容量値C2とに基づいて検知対象物(手92)が車載機器90のセンサ電極11上に近接しているか否かを判定するとともに(ステップS106)、算出した比較値2が、例えばあらかじめ設定された所定のしきい値以上(あるいは所定のしきい値以下や所定のしきい値未満等)であるか否かを判定する(ステップS107)。
手92が近接していると判定され(ステップS106のY)、かつ比較値2が所定のしきい値以上であると判定された場合(ステップS107のY)は、手92を検知と判定して(ステップS108)、操作制御を行う(ステップS109)。この場合の操作制御においては、運転席2側からの手92であることが操作者判定部70によって判定されたため、さらに車両状態判定部80からの情報に基づき車両1が走行中である場合は操作制御部70によって車載機器90の操作部32に対するすべての操作入力に応じた車載機器90の動作が実行不可能、あるいは一部動作が実行可能となる動作モード(制限モード)が実行される。
手92が近接していないと判定された場合(ステップS106のN)や、比較値2が所定のしきい値以上でないと判定された場合(ステップS107のN)は、手92を非検知と判定する(ステップS111)。
このように操作制御処理すれば、車載機器90の操作部32に対する操作者の位置に応じて車載機器90の操作部32に対する操作入力に応じた動作モードを適宜採用することができる。これにより、運転席2以外の他の席の乗員による車載機器90の操作の利便性を損なうことなく、運転手による車載機器90の車両走行中の操作に伴う危険回避や事故防止などを図ることができる。
なお、ステップS109の操作制御の後やステップS111にて非検知と判定した後は、例えば車両1のイグニッションキーがOFFとなることをトリガとして、処理が終了されるか否かを判断する(ステップS110)。処理が終了されると判断された場合(ステップS110のY)は、本フローチャートによる一連の操作制御処理を終了する。処理が終了されないと判断された場合(ステップS110のN)は、上記ステップS102に移行して、各静電容量センサ部10,20の第1および第2の静電容量値C1,C2を検出し、以降の処理を繰り返す。
ここで、具体的には、例えばステップS106においては、第1の静電容量値C1が所定のしきい値としての任意のしきい値Th1よりも大きい場合は手91,92がセンサ電極11に近接したと判定可能に設定しておく。また、このとき、例えばステップS107においては、比較値α=(a×C1)−(b×C2)あるいは比較値β=d×C1/C2などの計算式によって算出した比較値αや比較値βが、あらかじめ設定された所定のしきい値としての任意のしきい値Th2よりも小さい場合は検知範囲Z1,Z2外であると判定可能に設定しておく。
これにより、手91,92が近接している場合であっても(ステップS106のY)、上記ステップS107に移行して、比較値1,2がしきい値Th2よりも小さい場合(ステップS107のN)は、手91,92は検知範囲Z1,Z2外であると認識され、手91,92は非検知と判定される(ステップS111)。
そして、手91,92が近接している場合であって(ステップS106のY)、かつ比較値1,2がしきい値Th2以上の場合にのみ(ステップS107のY)、手91,92が検知と判定される(ステップS108)ように構成することができる。このように、本例の車載機器制御装置100によれば、車載機器90の表面上の(センサ電極11上の)検知範囲Z1,Z2内への手91,92の近接を正確に検知して、例えば車載機器90の操作部32に対する操作者の位置を判別して、操作者に応じた車載機器90の動作モードを実行するための操作制御が可能となる。
なお、上述した比較値α,βにおける、係数a,b,cや比較値α,βの計算式およびしきい値Th1,Th2の値や比較値α,βの計算式などは、第1および第2静電容量センサ部10,20のセンサ形状、設置周辺環境、検知対象物の特性などの要因により変化するものであるので、これらの各要因が決まった時点でプロファイルを取りながら逐次設定すればよい。
また、上述した例では、第1の静電容量値C1を第2の静電容量値C2で除算した値を用いて比較することで手91,92の近接を判定したが、例えば第1の静電容量値C1を第1の静電容量値C1と第2の静電容量値C2との和の値で除算した値を用いて比較したり、その他の計算方法を用いたりして近接を判定するようにしてもよい。
このように、本例の車載機器制御装置100によれば、例えばしきい値Th2が大きい場合は第1および第2静電容量センサ部10,20のセンサ感度の指向性の強度が高く、小さい場合は低いとすることができる。したがって、指向性を任意に調節して車載機器90に配置された第1静電容量センサ部10の表面上などに指向性を任意に調整して検知範囲Z1,Z2を任意に設定することができ、所望の指向性をもたせた検知範囲Z1,Z2内センサ電極11上にある手91,92を、簡単な構成で確実かつ正確に検知することができるようになる。
なお、上述した操作者判定部60のC−V変換回路21は、例えば抵抗とコンデンサにより出力パルスのデューティー比が変化する周知のタイマーICを利用するものであるが、これに限定されるものではない。
すなわち、例えば正弦波を印加して静電容量値による電圧変化あるいは電流値から直接インピーダンスを測定する方式、測定する静電容量値を含めて発振回路を構成して発振周波数を測定する方式、RC充放電回路を構成して充放電時間を測定する方式、既知の電圧で充電した電荷を既知の容量に移動してその電圧を測定する方式、または未知の容量に既知電圧で充電し、その電荷を既知容量に移動させることを複数回行い、既知容量が所定電圧に充電されるまでの回数を測定する方式などがあり、検出した静電容量値にしきい値を設け、または静電容量の波形を解析して該当する静電容量波形になったときにトリガとするなどの処理を行ってもよい。
また、操作者判定部60のC−V変換回路21が静電容量を電圧に変換することを前提としたが、電気的にあるいはソフトウェアとして扱いやすいデータに変換できればよく、例えば静電容量をパルス幅に変換したり、直接ディジタル値に変換したりしてもよい。
さらに、上述した車載機器制御装置100では、第1および第2静電容量センサ部10,20のセンサ電極11とシールド電極12および補助電極13とを車載機器90の操作部32と運転席2および助手席3との間にそれぞれ配置して、センサ電極11のみの第1の静電容量値C1と、センサ電極11および補助電極13の第2の静電容量値C2とを比較して手91,92の検出を判定する例を挙げて説明したが、例えば次のようなものであってもよい。
図9は、本発明の一実施形態にかかる車載機器制御装置の静電容量センサ部および操作者判定部の全体構成の他の例を示す説明図である。この例の車載機器制御装置100は、センサ電極11の他にダミーのセンサ電極(ダミー電極)19を配置した構成を有し、操作者判定部60のC−V変換回路21が差動動作するものとして構成されている。
具体的には、図9に示すように、例えば差動増幅回路のプラス側入力端にセンサ電極11を接続し、マイナス側入力端にダミー電極19を接続して静電容量Caの値から静電容量Cbの値を減算し、その出力値をコンパレータなどでしきい値と比較して手91,92を検出するようにしたものである。
このようなC−V変換回路21の動作としては、例えばスイッチS1がオープン(OFF)で、スイッチS2が接地(GND)され、スイッチS3がクローズ(ON)となっているときに、スイッチS3をオープン(OFF)にし、スイッチS2をVrに切り替え、スイッチS1をオペアンプの反転入力に接続すると、静電容量CaとCfにCaVrが充電され、静電容量CbとCfにCbVrが充電される。
次に、スイッチS1をオープン(OFF)およびスイッチS2を接地(GND)した後に、スイッチS1を接地(GND)したときの出力電圧Vを測定する。このときの電圧は、V/Vr={(Cf+Ca)/Cf}−{(Cf+Cb)/Cf}となり、静電容量Caと静電容量Cbの割合に応じた電圧が出力される。
このように、C−V変換回路21を差動動作する構成(差動回路)とすることにより、回路の温度特性を相殺したりコモンモードノイズを低減したりすることができる。そして、このとき、例えば差動増幅回路のマイナス側入力端にはダミー電極19を接続するが、このダミー電極19が手91,92と静電容量結合するとセンサ自体の感度が低くなるので、センサ電極11に対してダミー電極19の面積を十分に小さく形成するか、ダミー電極19と手91,92との間に同電位である他のシールド電極48を設けて手91,92との静電容量結合を小さくする必要がある。
なお、上述したシールド駆動回路24は、C−V変換回路21が静電容量Cに応じてデューティー比が変化するものである場合は、センサ電極11の出力波形は測定される静電容量によって変化するので、オペアンプなどによるボルテージフォロワやFETによるソースフォロワなどで1倍の増幅回路を構成し、センサ電極11の電圧を入力してその出力をシールド電極12などに接続するように構成してもよい。
また、シールド駆動回路24は、C−V変換回路21が差動動作するものである場合は、センサ電極11の出力波形は電圧がVrとGNDの矩形波で周波数はスイッチの切替周波数になるため、静電容量値によって変動しないので、図9に示したオペアンプの非反転入力をシールド電極12などに接続するように構成してもよい。ただし、駆動電流が必要な場合は、高出力電流のオペアンプなどを介したり、VrとGNDの矩形波を別途生成するようにすればよい。
さらに、上述した実施形態では、センサ電極11をC−V変換回路21に接続し、シールド電極12をシールド駆動回路24に接続して、補助電極13を切替スイッチSWを介してシールド駆動回路24またはC−V変換回路21に接続するように構成したが、例えばC−V変換回路21が差動動作するものである場合は、図9に示したマイナス側入力端にセンサ電極11を接続し、シールド電極12をシールド駆動回路24に、また補助電極13をプラス側入力端にそれぞれ接続するように構成してもよい。
この場合、上述した動作2のときは補助電極13がセンサ電極11と接続され指向性がほとんどない状態となるが、上述した動作1のときは補助電極13と手91,92との静電容量結合分の値はセンサ電極11の静電容量値から差し引かれるので、結果的に緩い指向性を持つこととなる。そして、上述した場合と同様に動作1および動作2のときの検出値を比較すれば同様の効果を得ることが可能となる。
さらにまた、上述した実施形態では、切替スイッチSWにより補助電極13について、動作1のときはシールド駆動回路24に接続し、動作2のときはC−V変換回路21に接続可能と構成し、動作1と動作2のときで等静電容量線(面)Mを可変させるように構成したが、補助電極13について、例えば動作1のときはシールド駆動回路24に接続し、動作2のときは開放、接地または所定の電位に接続可能に構成したり、また例えば、動作1のときは開放、接地または所定の電位に接続し、動作2のときはC−V変換回路21に接続可能に構成しても同様の効果を得ることが可能である。このように、補助電極13は、切替スイッチSWによって開放に接続されたり、接地や他の電位(例えば、接地と同等の電位や、パルス、充電電圧、正弦波などを含む)に接続されたりしてもよい。
なお、切替スイッチSWは、電気的な接続を切り替えられる構造であればよく、例えばFETやフォトMOSリレーなどの電子回路スイッチでも、接点切替器などの機械的なスイッチでも採用することができる。また、センサ電極11の形状は、上述したものの他、円形、長方形、多角形などの各種形状を採用することができ、センサ電極11の裏面側も検知範囲Z1,Z2にする場合には、シールド電極12を設置しなければよい。
そして、補助電極13は、センサ電極11の周囲全体を囲む状態で配置したが、検知範囲Z1,Z2を設定できるものであれば、一部を囲むような状態であったり、隣接する一部に配置されたりしてもよく、例えばセンサ電極11を囲む状態であるときは、センサ電極11と同心(中心を同一)状態に配置されるとよい。
次に、本発明の他の実施形態にかかる静電容量センサ部および操作者判定部について、図10〜図12を参照して説明する。上述した実施形態にかかる車載機器制御装置100においては、操作者判定部60のC−V変換回路21からの出力は、センサ電極11および補助電極13により検知された静電容量を示す第2の静電容量値C2か、センサ電極11のみにより検知された静電容量を示す第1の静電容量値C1のいずれかとなる。
このため、センサ電極11(を含む第1および第2静電容量センサ部10,20)の設置場所の周囲の構造等により検出される静電容量値が異なる場合がある。このような場合、これら第1および第2の静電容量値C1,C2を比較した比較結果がセンサ電極11が設置される場所の周囲の構造等に依存して変化してしまうことがある。このような状況を回避するために、操作者判定部60の内部構成を、さらに例えば次のようにしてもよい。
図10は、本発明の他の実施形態にかかる車載機器制御装置の静電容量センサ部および操作者判定部の全体構成の例を示す説明図、図11は同車載機器制御装置による操作制御処理手順の例を示すフローチャート、図12は同車載機器制御装置の静電容量センサ部および操作者判定部の全体構成の他の例を示す説明図である。なお、以降において、既に説明した部分と重複する箇所には同一の符号を付して説明を省略し、本発明と特に関連のない部分については明記しないことがあるとする。
図10に示すように、本例の操作者判定部20は、上述したC−V変換回路21、シールド駆動回路24の他に、例えばCPUなどからなる判定回路25と、手91,92が接近していないときの静電容量値(初期容量)を記憶する初期容量記憶装置26と、切替スイッチSWの切り替え動作を制御するスイッチ制御回路27と、バッファ28とを備えて構成されている。
このように構成された操作者判定部60を有する車載機器制御装置100の検知動作の概要としては、例えば第1および第2静電容量センサ部10,20を車載機器90に設置した後、手91,92が第1および第2静電容量センサ部10,20に接近していないときの動作1と動作2とにおける静電容量値(初期容量)をスイッチ制御回路27の制御により切替スイッチSWを切り替えてそれぞれ検出する。
そして、初期容量記憶装置26にてこれらの値を記憶しておき、判定回路25にて上述した実際の動作1,2のときの第1および第2の静電容量値C1,C2から初期容量記憶装置26に記憶されたこれらの初期容量を差し引いて比較し、比較結果に基づいて手91,92が車載機器90の表面上の検知範囲Z1,Z2内に存するか否かを判定する。
具体的には、上記初期容量は、スイッチ制御回路27の制御により、切替スイッチSWがシールド駆動回路24側に接続された場合の上記動作1のときのものを第1の初期容量とし、切替スイッチSWがC−V変換回路21側に接続された場合の上記動作2のときのものを第2の初期容量として初期容量記憶装置26に記憶される。
そして、実際の動作1のときは、判定回路25によって、検出された第1の静電容量値C1から初期容量記憶装置26に記憶しておいた第1の初期容量を差し引いて第1の検出値(検出値1)とし、動作2のときは、検出された第2の静電容量値C2から初期容量記憶装置26に記憶しておいた第2の初期容量を差し引いて第2の検出値(検出値2)とする。
すなわち、図11に示すように、まず、車載機器制御装置100は、例えば車両1のイグニッションキーがアクセサリーやONとなることをトリガとして、処理が開始されるまで待って(ステップS201のN)、処理が開始されたら(ステップS201のY)、上述したような第1の検出値と第2の検出値とを算出し(ステップS202)、例えば第1静電容量センサ部10からの静電容量値に基づくものであるか否かを判断する(ステップS203)。
第1静電容量センサ部10からの静電容量値に基づくものであると判断された場合(ステップS203のY)は、判定回路25にてこれらの検出値1,2を比較して比較値1を算出し(ステップS204)、算出した比較値1と第1の検出値または第2の検出値とに基づいて検知対象物(手91)が近接しているか否かを判定するとともに(ステップS206)、第1の検出値と第2の検出値の比較値1が、例えばあらかじめ設定された所定のしきい値以上(あるいは所定のしきい値以下や所定のしきい値未満等)であるか否かを判定する(ステップS207)。
つまり、ここでは検出値1,2と、その比較結果とにより検知範囲Z1内に手91があるか否かを判定する。なお、センサ電極11および補助電極13がC−V変換回路21に接続されている上記動作2のときの検出値2は、センサ感度の指向性がない状態での検出値であり、手91の第1静電容量センサ部10への接近に依存した出力となる。
手91が近接している判定され(ステップS206のY)、かつ比較値1が所定のしきい値以上であると判定された場合(ステップS207のY)は、手91を検知と判定して(ステップS208)、上述したような通常モードの操作制御を行う(ステップS209)。
手91が近接していると判定されるが(ステップS206のY)、比較値1が所定のしきい値以上でないと判定された場合(ステップS207のN)は、手91を非検知と判定して(ステップS211)、例えば指向性を持たせたときの検知範囲Z1内に手91が存在しないことを示すディセーブル信号である非検知信号A(例えば、ハイインピーダンスや所定の電圧等)を判定出力として出力する。
また、例えば第1または第2の検出値(あるいは第1または第2の静電容量値C1,C2)に基づき、手91は近接しているか否かを判定し(ステップS206)、手91は近接していないと判定された場合(ステップS206のN)は、上記ステップS211に移行して手91を非検知と判定して、例えば手91がセンサ電極11上の検知範囲Z1内にないことを示すディセーブル信号である非検知信号B(非検知信号Aとは異なる信号)を判定出力として出力する。
一方、第1静電容量センサ部10からの静電容量値に基づくものでないと判断された場合(ステップS203のN)は、第2静電容量センサ部20からの静電容量値に基づくものであるため、判定回路25にてこれらの検出値1,2を比較して第2静電容量センサ部20における比較値2を算出し(ステップS205)、算出した比較値2と第1または第2の検出値とに基づいて検知対象物(手92)が近接しているか否かを判定するとともに(ステップS206)、第1の検出値と第2の検出値の比較値2が、例えばあらかじめ設定された所定のしきい値以上(あるいは所定のしきい値以下や所定のしきい値未満等)であるか否かを判定する(ステップS207)。
つまり、ここでは検出値1,2と、その比較結果とにより検知範囲Z2内に手92があるか否かを判定する。なお、センサ電極11および補助電極13がC−V変換回路21に接続されている上記動作2のときの検出値2は、センサ感度の指向性がない状態での検出値であり、手92の第2静電容量センサ部20への接近に依存した出力となる。
手92が近接していると判定され(ステップS206のY)、比較値2が所定のしきい値以上であると判定された場合(ステップS207のY)は、手92を検知と判定して(ステップS208)、上述したような制限モードの操作制御を行う(ステップS209)。
手92が近接していると判定されるが(ステップS206のY)、比較値2が所定のしきい値以上でないと判定された場合(ステップS207のN)は、手92を非検知と判定して(ステップS211)、例えば指向性を持たせたときの検知範囲Z2内に手92が存在しないことを示すディセーブル信号である非検知信号A(例えば、ハイインピーダンスや所定の電圧等)を判定出力として出力する。
また、例えば第1または第2の検出値(あるいは第1または第2の静電容量値C1,C2)に基づき、手92は近接しているか否かを判定し(ステップS206)、手92は近接していないと判定された場合(ステップS206のN)は、上記ステップS211に移行して手92を非検知と判定して、例えば手92がセンサ電極11上の検知範囲Z2内にないことを示すディセーブル信号である非検知信号B(非検知信号Aとは異なる信号)を判定出力として出力する。
手91,92の検知を判定して操作制御を行った後、または非検知を判定した後(ステップS209またはステップS211の後)、例えば車両1のイグニッションキーがOFFとなることをトリガとして、処理が終了されるか否かを判定して(ステップS210)、処理が終了されると判定された場合(ステップS210のY)は、本フローチャートによる一連の操作制御処理を終了する。処理が終了されないと判定された場合(ステップS210のN)は、上記ステップS202に移行して以降の処理を繰り返す。
このように、判定回路25の出力を判定結果によって、例えばイネーブル信号、ディセーブル信号とすることで、手91,92が車載機器90の表面上の検知範囲Z1,Z2内にあるときはイネーブル信号がバッファ28に入力され、このバッファ28から検出値1が出力される。また、手91,92が車載機器90の表面上の検知範囲Z1,Z2内にないときはディセーブル信号として判定出力が接地電圧や基準電圧などの所定の電圧に固定されるか、ハイインピーダンスの出力となる。
なお、手91,92がセンサ電極11上の検知範囲Z1,Z2内にあるときは、検出値1の他に、検出値2や、第1あるいは第2の静電容量値C1,C2が出力されてもよい。なお、これら検出値1、検出値2、第1および第2の静電容量値C1,C2は、手91,92のセンサ電極11までの距離に応じた値を示すものである。
このように、上記構成の操作者判定部60によれば、手91,92が検知範囲Z1,Z2内にあるときはその距離に応じた検出値が出力され、検知範囲Z1,Z2内にないときは所定の電圧等の出力となるので、検知範囲Z1,Z2内に手91,92があるか否か、またあるとすればどのくらいの距離であるかを判別することが可能となる。すなわち、第1および第2静電容量センサ部10,20のセンサ感度の指向性の強度をより高くしたり、指向性をより詳細に設定したりすることが可能となる。
また、第1および第2静電容量センサ部10,20が設置される場所の周囲の構造等に依存することを回避する方法の他の例として、次のように基準電圧を調整することでこれらを保持することも可能となる。すなわち、図12に示すように、この例の操作者判定部60は、C−V変換回路21およびシールド駆動回路24の他に、基準電圧調整回路40および減算回路31を備えて構成されている。
基準電圧調整回路40は、上述したような第1および第2の初期容量の初期容量測定時に、C−V変換回路21の出力が基準電位になるように調整するものであり、ここでは、コンパレータ41と、制御回路42と、レジスタ43と、D/A変換器44と、調整部45とを備えて構成されている。
この基準電圧調整回路40は、例えばC−V変換回路21の出力をコンパレータ41のプラス側入力端から入力し、基準電圧(Reference Voltage:RV)をマイナス側入力端から入力して両者を比較し、この比較結果に基づく制御回路42の制御によりレジスタ43の設定値を変化させる。
そして、レジスタ43の出力をD/A変換器44にてディジタル信号からアナログ信号に変換した後、調整部45にて電圧調整を行い、この調整部45からの出力によってC−V変換回路21の入力を調整する。このようにして、手91,92が第1および第2静電容量センサ部10,20に近接していないときの動作1において、C−V変換回路21からの出力が基準電位に最も近くなったところでレジスタ43の設定値を固定して第1の初期容量の出力を基準電圧とし、そのときの設定値(設定値1)を記憶する。
これとともに、手91,92が第1および第2静電容量センサ部10,20に近接していないときの動作2において、C−V変換回路21からの出力が基準電位に最も近くなったところでレジスタ43の設定値を固定して第2の初期容量の出力を基準電圧とし、そのときの設定値(設定値2)を記憶する。
そして、実際の動作1のときは、レジスタ43を設定値1に固定したときのC−V変換回路21の出力を、例えば減算回路31のプラス側入力端に入力するとともに、基準電圧RVをマイナス側入力端に入力して、出力を基準電圧RVで減算して検出値1とする。また、実際の動作2のときは、レジスタ43を設定値2に固定したときのC−V変換回路21の出力を、例えば減算回路31のプラス側入力端に入力するとともに、基準電圧RVをマイナス側入力端に入力して、出力を基準電圧RVで減算して検出値2とする。
そして、これら検出値1と検出値2を比較することにより同様にセンサ電極11上の検知範囲Z1,Z2内に手91,92があるか否か、またあるとすればどのくらいの距離であるかを判別する。なお、C−V変換回路21への入力の調整は、例えば入力に接続した固定コンデンサ等からなる調整部45にD/A変換器44の電圧を加えることで、入力する静電容量を増減させることにより実現することができる。
図13は、本発明のさらに他の実施形態にかかる車載機器制御装置100の静電容量センサ部および操作者判定部の全体構成の例を示す説明図、図14は同車載機器制御装置100の検知動作時における動作概念を説明するための説明図、図15〜図17は同車載機器制御装置の第1検知動作時(動作3)における検知対象物と電気力線との関係を説明するための説明図である。
また、図18〜図20は、同車載機器制御装置100の第2検知動作時(動作4)における検知対象物と電気力線との関係を説明するための説明図である。なお、上述した実施形態にて既に説明した部分と重複する説明は割愛することがあるとする。
図13に示すように、本実施形態にかかる車載機器制御装置100は、上述した実施形態にかかる車載機器制御装置100と同様の構成であるとともに、第1および第2静電容量センサ部10,20と、操作者判定部60とを備えて構成されている。第1および第2静電容量センサ部10,20は、センサ電極11と、シールド電極12と、上記補助電極13と同様にセンサ電極11を囲うようなロの字状に形成された補助電極13Aとを備えて構成されている。
センサ電極11は、主に検知面側の検知領域に存する手91,92を検知するために設けられている。シールド電極12は上述した作用を有する。補助電極13Aは、主にセンサ電極11の検知面側における等静電側における等静電容量線(面)を可変せしめるために設けられている。
操作者判定部60は、センサ電極11または補助電極13Aに接続されるC−V変換回路21と、A/D変換器22と、CPU23と、シールド電極12に直接接続されるとともにセンサ電極11または補助電極13Aに接続されるシールド駆動回路24とを備えて構成されている。
また、操作者判定部60は、センサ電極11からの入力をC−V変換回路21またはシールド駆動回路24に切り替える第1切替スイッチSW1と、補助電極13Aからの入力をシールド駆動回路24またはC−V変換回路21に切り替える第2切替スイッチSW2とを備えて構成されている。なお、これら第1および第2切替スイッチSW1,SW2は、それぞれA側およびB側(図13など参照)に切り替え可能に構成されている。
C−V変換回路21は、センサ電極11によって、または補助電極13Aによって、それぞれ検知された静電容量を電圧に変換する。A/D変換器22は上記と同様に動作する。CPU23は、操作者判別装置全体の制御を司るとともに、例えば第1および第2切替スイッチSW1,SW2のオルタネイト接続(A側あるいはB側への二者択一的な接続)の動作を制御したり、検知領域における検知対象物(手)の検出(手の近接や有無)を判定したりする。シールド駆動回路24は、シールド電極12と、補助電極13Aまたはセンサ電極11とを、センサ電極11と同等の電位に駆動する。
第1および第2静電容量センサ部10,20や、操作者判定部60の構造や構成、および各電極11〜13Aの構造や構成は、上述した実施形態にて既に説明したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、第1切替スイッチSW1は、例えばセンサ電極11がC−V変換回路21に接続されていないときにセンサ電極11を開放、接地または所定の電位に接続可能に構成され、第2切替スイッチSW2は、センサ電極11がC−V変換回路21に接続されているときに補助電極13Aを開放、接地または所定の電位に接続可能に構成されていてもよい。
また、シールド駆動回路24は、補助電極13Aにセンサ電極11と同等の電位を与える、またはセンサ電極11に補助電極13Aと同等の電位を与えるように構成され、第1切替スイッチSW1は、センサ電極11がC−V変換回路21に接続されていないときにセンサ電極11をシールド駆動回路24に接続可能に構成され、第2切替スイッチSW2は、センサ電極11がC−V変換回路21に接続されているときに補助電極13Aをシールド駆動回路24に接続可能に構成されていてもよい。
さらに、シールド駆動回路24は、補助電極13Aにセンサ電極11と同等の電位を与えるように構成され、第1切替スイッチSW1は、センサ電極11がC−V変換回路21に接続されていないときに補助電極13Aを開放、接地または所定の電位に接続可能に構成され、第2切替スイッチSW2は、センサ電極11がC−V変換回路21に接続されているときに補助電極13Aをシールド駆動回路24に接続可能に構成されていてもよい。
また、シールド駆動回路24は、センサ電極11に補助電極13Aと同等の電位を与えるように構成され、第1切替スイッチSW1は、センサ電極11がC−V変換回路21に接続されていないときに補助電極13Aをシールド駆動回路24に接続可能に構成され、第2切替スイッチSW2は、センサ電極11がC−V変換回路21に接続されているときに補助電極13Aを開放、接地または所定の電位に接続可能に構成されていてもよい。
次に、このように構成された車載機器制御装置100の操作者判別装置による検知動作について説明する。まず、CPU23の制御により、第1および第2切替スイッチSW1,SW2がともにA側に切り替えられ、センサ電極11がC−V変換回路21に接続されるとともに、シールド電極12および補助電極13Aがシールド駆動回路24に接続された場合の動作(動作3)について説明する。
この動作3の場合、センサ電極11やシールド電極12および補助電極13Aの制御部20との接続状態は、図14に示すようなものとなる。すなわち、上述したようにC−V変換回路21にはセンサ電極11のみが接続され、シールド電極12および補助電極13Aはシールド駆動回路24に接続されるので、センサ電極11のみによって検知対象物X,Y,Wとの静電容量CがC−V変換回路21によって検出される。
なお、各静電容量センサ部10,20のセンサ電極11の裏面側は、シールド電極12によって覆われた状態であるため、センサ電極11の裏面側のセンサ感度は、センサ電極11の表面(検知面)から回り込んだ電気力線のみを検出することになるので、表面側と比較するとかなり小さい。ここでは、検知対象物Xを検知範囲Z1,Z2内に存する検知対象物として、また検知対象物Y,Wを検知範囲Z1,Z2外に存する検知対象物として説明する。
図15に示すように、検知対象物Xに対するセンサ電極11からの電気力線P1は、補助電極13Aからの電気力線P2(シールド)の影響が小さい。
一方、図16に示すように、検知対象物Xとほぼ等しい距離にある検知対象物Yに対するセンサ電極11からの電気力線P1は、補助電極13Aからの電気力線P2(シールド)の影響を受けて、検知対象物Xに対する場合と比較して減少する。このため、検知対象物Yは、検知対象物Xと比較して、センサ電極11との静電容量結合が弱いこととなる。
これにより、動作3のときの検知対象物X,Yの識別(すなわち、検知範囲Z1,Z2内であるか検知範囲Z1,Z2外であるかの区別)は容易に行うことが可能となる。しかし、図17に示すように、検知対象物Yよりもセンサ電極11に近い検知対象物Wでは、センサ電極11からの電気力線P1が図15における検知対象物Xに対するものと同じであるため、C−V変換回路21からの出力は同じとなる。
つまり、検知対象物Xと検知対象物Wは、図14における等電位面(線)M上にあることになり、動作3での検出値(静電容量値)は同じである。このため、検知対象物Wが検知範囲Z1,Z2内に存するか検知範囲Z1,Z2外に存するかの識別は、この動作3のみでは困難となる。なお、この実施形態においても上述した実施形態と同様に、動作3だけでは判定しないで、動作3のときのC−V変換回路21にて検出された第1の静電容量値としての静電容量値C1をCPU23によって記憶手段に記憶しておく。
次に、CPU23の制御により、第1および第2切替スイッチSW1,SW2がともにB側に切り替えられ、補助電極13AがC−V変換回路21に接続されるとともに、シールド電極12およびセンサ電極11がシールド駆動回路24に接続された場合の動作(動作4)について説明する。
なお、この動作4の場合の車載機器制御装置100の操作者判別装置におけるセンサ電極11やシールド電極12および補助電極13Aの操作者判定部60との接続状態を示す図14に対応する構成は、図14における各切替スイッチSW1,SW2をB側に切り替えたものであるため、ここでは図示および説明を省略する。
この動作4の場合、C−V変換回路21には補助電極13Aのみが接続され、シールド電極12およびセンサ電極11はシールド駆動回路24に接続されるので、補助電極13Aのみによって検知対象物X,Y,Wとの静電容量CがC−V変換回路21によって検出される。なお、検知対象物X,Y,Wの各静電容量センサ部10,20に対する配置位置などの諸条件は、動作3のときと同様であるとする。
そして、この動作4の場合は、図18に示すように、検知対象物Xに対するセンサ電極11からの電気力線P2(シールド)は、補助電極13Aからの電気力線P1に対して影響が大きい。このため、検知対象物Xは、補助電極13Aとの静電容量結合が弱いこととなり、C−V変換回路21によって検出される静電容量値は動作3における検知対象物Xに対する場合と比較して小さくなる。
一方、図19に示すように、検知対象物Yに対するセンサ電極11からの電気力線P2(シールド)は、検知対象物Xに対する場合と比較して減少し、補助電極13Aからの電気力線P1は、検知対象物Xに対する場合と比較して増加する。このため、動作4の場合においては、検知対象物Yは、補助電極13Aとの静電容量結合が強いこととなり、C−V変換回路21によって検出される静電容量値は動作3における検知対象物Yに対する場合と比較して大きくなる。
また、図20に示すように、検知対象物Wに対する補助電極13Aからの電気力線P1は、図18における検知対象物Xに対する補助電極13Aからの電気力線P1と比較して多く、しかもセンサ電極11からの電気力線P2(シールド)の影響も小さいため、動作4においては、検知対象物WにおけるC−V変換回路21からの出力は検知対象物Xにおけるものよりも大きい。そして、このような動作4のときにC−V変換回路21にて検出された第2の静電容量値としての静電容量値C2をCPU23によって記憶手段に記憶しておく。
このようにして第1および第2の静電容量値C1,C2を検出したら、次に、CPU23にて記憶手段に記憶しておいたこれらの静電容量値C1,C2を比較する。例えば、上述した検知対象物Xでは、動作3での第1の静電容量値C1が動作4での第2の静電容量値C2と比較して大きくなるが、検知対象物Yでは、動作3での第1の静電容量値C1が動作4での第2の静電容量値C2と比較して小さくなる。そして、検知対象物Wでは、動作3での第1の静電容量値C1と動作4での第2の静電容量値C2が同程度となる。
このように、CPU23においては、静電容量値C1に対する静電容量値C2の値を比較することによって、検知対象物がセンサ電極11の中心部に対してどの程度外に存するのかを判定することが可能となる。このとき、静電容量値C1とC2の比較値が、例えばあらかじめ設定された所定のしきい値以上(あるいは所定のしきい値以下や所定のしきい値未満等)となれば、センサ電極11上の検知範囲Z1,Z2内であると判定可能なように設定しておけば、任意に指向性を持たせることが可能となる。
なお、図14から図20に示す説明図では、検知対象物Xでは動作3での検出値が動作4での検出値より大きくなり、検知対象物Yでは動作3での検出値が動作4での検出値より小さくなり、さらに検知対象物Wでは動作3での検出値と動作4での検出値が同程度となる例を挙げて説明したが、センサ電極11および補助電極13Aの配置形状や配置面積などの諸条件が変わると、検知対象物X,Y,Wにおける動作3と動作4の上下関係は変わることとなる。
ただし、動作3における第1の静電容量値C1に対する動作4における第2の静電容量値C2の割合(C2/C1)は常に検知対象物X<検知対象物Y(または検知対象物W)であるため、区別することが可能である。したがって、条件ごとに動作3と動作4の比較式の値を変えれば、検知対象物X,Y,Wを判別することが可能となる。なお、比較式や比較値、各種係数や所定のしきい値(Th1,Th2)などは、上述した実施形態にて説明したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
また、条件によっては数式で表現できない場合があるが、検知対象物(手)の位置における静電容量値C1,C2の値をあらかじめ測定してプロファイルしておき、各プロファイルと実際の検出値とを比較するようにすればよい。
このように、この車載機器制御装置100によれば、例えば上記所定のしきい値Th2が大きい場合には第1および第2静電容量センサ部10,20のセンサ感度の指向性の強度が高く、小さい場合は指向性の強度が低いとすることができるので、センサ感度の指向性を任意に設定してセンサ電極11上の検知範囲Z1,Z2を任意に定めることができ、簡単な構成で確実に検知対象物(手)を検知することができるようになる。
なお、操作者判定部60のC−V変換回路21の各種構成や作用は、上述した実施形態にて説明したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。また、本実施形態にかかる車載機器制御装置100では、センサ電極11とシールド電極12および補助電極13Aとを配置して、センサ電極11の静電容量値C1と補助電極13Aの静電容量値C2とを比較して検知対象物の検出を判定するものを例に挙げて説明したが、上述した実施形態にて図9を用いて説明したように、ダミー電極19を配置し、C−V変換回路21が差動動作するように構成してもよい。これについても上述したものと各種構成や作用は同様であるため、ここでは説明を省略する。
また、シールド駆動回路24の変形例や、第1および第2切替スイッチSW1,SW2の変形例などについても、各種構成や作用は上述した実施形態にて説明したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
なお、本実施形態にかかる車載機器制御装置100では、補助電極13Aがセンサ電極11の周囲全体を囲むような状態で配置されているため、各静電容量センサ部10,20はセンサ電極11の検知面の全方向に同様な指向性を持つ(すなわち、検知範囲Z1,Z2がセンサ電極11に対するどの方向でも同様)が、指向性を持たせたくない方向が存在する場合は、例えば次のようにすればよい。
すなわち、指向性を持たせたくない方向に補助電極13Aを配置せずに、補助電極13Aの形状を、例えばコの字状やC字型、L字型や半円形などにして、補助電極13Aのない方向の指向性を低減させることも可能である。
また、上述した操作者判定部60のC−V変換回路21からの出力は、第1の静電容量値C1か第2の静電容量値C2かのいずれかとなるため、センサ電極11(を含む静電容量センサ部10,20)の設置場所の周囲の構造等により検出される静電容量値が異なる場合がある。
すると、これら第1および第2の静電容量値C1,C2を比較した比較結果が、センサ電極11が設置される場所の周囲の構造等に依存して変化してしまうことがある。このような状況を回避するために、操作者判定部60の構成を、さらに例えば次のようにしてもよい。
図21は、本発明のさらに他の実施形態にかかる車載機器制御装置100の静電容量センサ部および操作者判定部の全体構成の例を示す説明図、図22は同車載機器制御装置100の静電容量センサ部および操作者判定部の全体構成の他の例を示す説明図である。なお、上述した実施形態において、既に説明した部分と重複する箇所には同一の符号を付して説明を割愛する。
図21に示すように、操作者判定部60は、C−V変換回路21、シールド駆動回路24、判定回路25、上述した初期容量を記憶する初期容量記憶装置26、各切替スイッチSW1,SW2の切り替え動作を制御するスイッチ制御回路27、バッファ28を備えて構成されている。
このような操作者判定部60を有する車載機器制御装置100の操作者判別装置の検知動作の概要としては、例えば第1および第2静電容量センサ部10,20を所定の設置場所に設置した後、手91,92が第1および第2静電容量センサ部10,20に接近していないときの静電容量値(初期容量)をスイッチ制御回路27の制御により各切替スイッチSW1,SW2を切り替えてそれぞれ検出し、初期容量記憶装置26にてこれらの値を記憶しておく。
そして、判定回路25にて上述した実際の動作3,4のときの第1および第2の静電容量値C1,C2から初期容量記憶装置26に記憶された各初期容量を差し引いて比較し、比較結果に基づいて手91,92がセンサ電極11上の検知範囲Z1,Z2内に存するか否かを判定する。
具体的には、上記初期容量は、スイッチ制御回路27の制御により、各切替スイッチSW1,SW2がA側に接続された場合の上記動作3のときのものを第1の初期容量とし、各切替スイッチSW1,SW2がB側に接続された場合の上記動作4のときのものを第2の初期容量として初期容量記憶装置26に記憶される。
そして、実際の動作3のときは、判定回路25によって、検出された第1の静電容量値C1から初期容量記憶装置26に記憶しておいた第1の初期容量を差し引いて第1の検出値(検出値1)とし、動作4のときは、検出された第2の静電容量値C2から初期容量記憶装置26に記憶しておいた第2の初期容量を差し引いて第2の検出値(検出値2)とする。
その後、判定回路25にてこれら検出値1と検出値2とを比較して、その比較結果により検知範囲Z1,Z2内に手91,92があるか否かを判定する。例えば、上記動作3のときの検出値1は、手91の第1静電容量センサ部10への接近に依存した出力となる。その後の動作や作用および効果等は、上述した実施形態にて説明したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
また、上述した第1および第2の初期容量は、例えば初期容量測定時の電圧をA/D変換器等でディジタル変換して、レジスタやメモリ等に保持するようにしてもよいが、次のように基準電圧を調整することでこれらを保持することも可能となる。すなわち、図22に示すように、操作者判定部60は、C−V変換回路21、シールド駆動回路24、基準電圧調整回路40、および減算回路31を備えて構成される。
基準電圧調整回路40は、上述したような第1および第2の初期容量の初期容量測定時に、C−V変換回路21の出力が基準電位になるように調整するものであり、ここでは、コンパレータ41と、制御回路42と、レジスタ43と、D/A変換器44と、調整部45とを備えて構成されている。これらの構成や作用等も、上述した実施形態にて説明したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
基準電圧調整回路40によって、第1および第2の初期容量の出力を基準電圧とし、このように基準電圧にされたC−V変換回路21の出力を、例えば減算回路31のプラス側入力端に入力し、基準電圧RVをマイナス側入力端に入力して、出力を基準電圧RVで減算して第1および第2の初期容量を差し引き、同様に検知範囲Z1,Z2内に手91,92があるか否か、またあるとすればどのくらいの距離であるかを判別することができる。
以上述べたように、上述した実施形態にかかる操作者判別装置によれば、安価に構成可能で操作者を正確かつ確実に判別することができ、この操作者判別装置を備える車載機器制御装置100によれば、運転席2以外の操作者の車載機器90の操作の利便性を損なうことなく、運転手による車載機器90の車両走行中の操作に伴う危険回避や事故防止などを図ることができる。