JP2010234984A - タイヤレバー、及びタイヤ取り外し方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】略L字形状のタイヤレバー40の第2の部分46を、下側のビード部52とリムの上側のリムフランジ32との間にタイヤ下側から上側に向けて挿入し、第2の部分46が下方にずれないように第2の部分46の突起48をマウンティングヘッド11の上端に引っ掛ける。第1の部分42を把持してタイヤレバー40を起こすと、第2の部分46は突起部分を支点として上方へ移動し、第2の部分46によって下側のビード部52が上方へ持ち上げられて下側のビード部52が上側のリムフランジ32の上側に外される。タイヤチェンジャー10にてリムを回転させると、マウンティングヘッド11がリムフランジを順次周方向に相対移動し、これにより、下側のビード部全体が上側のリムフランジ32の上側に外され、リム30からタイヤ50が完全に外される。
【選択図】図6
Description
タイヤチェンジャーでは、リムをタイヤチェンジャーのチャックに固定するようになっている。
なお、タイヤレバーを用いてリムからタイヤを取り外す方法は、例えば特許文献1に記載されている。
また、少数ではあるが、タイヤレバー全体が側面視で湾曲させたものもある(図8参照)。
(1) 従来のタイヤレバーを使用した場合、特にタイヤ幅が広い場合、下側のビード部をリムから外す場合、作業性が極めて悪くなったり、作業が出来なくなったりする場合があった。
(2) 先ず、タイヤの上側のビード部とリムの上側のリムフランジ部との隙間にタイヤレバーを差し込む工程においては、タイヤの中央の穴の上からタイヤレバーをビード部とリムフランジ部との間の隙間に挿入するが、タイヤ幅が広いような場合には、従来のようなタイプのタイヤレバーでは、タイヤの上側からタイヤレバーが、ビード部とリムフランジ部との間の隙間まで届き難く、差込み難い(幅の広いタイヤでは、タイヤ上面の位置が作業者に対して高くなるため)。
(4) また、タイヤとタイヤレバーと一緒に持ち上げた後も、上手く支えていないとタイヤとタイヤレバーがずり落ちてしまうことがある。
(6) また、タイヤ径の小さなタイヤでは、タイヤレバーを引き起こす途中で、ビード部がリムフランジ部を乗り越える前にタイヤレバーが上側のビード部(差込み側とは反対側の部分)に当たってしまい、引き起こし作業自体が出来なくなるという問題がある。
先ず最初に、空気入りタイヤの装着されたリムを横向きにしてタイヤチェンジャーに固定する。次に、タイヤチェンジャーのマウンティングヘッドを上側のリムフランジに当接するまで下降させる。
なお、ここまでの工程は従来通りである。
これにより、タイヤレバーの第2の部分が下方へずれないように下側のビード部と上側のリムフランジとの間に保持することができる。
この状態で、タイヤチェンジャーにてリムを回転させると、マウンティングヘッドがリムフランジを順次周方向に相対移動し、これにより、下側のビード部全体が上側のリムフランジの上側に外され、リムからタイヤが完全に外される。
第1の部分と前記第2の部分とのなす角度が70°未満になると、第2の部分を上側のリムフランジと下側のビード部との間に差し込んだときに、第1の部分がタイヤのサイドウォール、あるいはトレッド部に当たってしまい作業が出来なくなる場合がある。
先ず、準備工程では、タイヤの装着されたリムが横向きにされてタイヤチェンジャーに固定され、タイヤチェンジャーのマウンティングヘッドが上側のリムフランジに配置される。
上側ビード部持ち上げ工程では、マウンティングヘッドと上側のビード部との間にタイヤレバーの第1の部分が差し込まれ、タイヤレバーが引き起こされて上側のビード部が上側のリムフランジよりも上側へ持ち上げられる。
上側ビード部外し工程では、リムが回転され、マウンティングヘッドにより上側のビード部全体が上側のリムフランジの上側に外される。
(2) また、タイヤレバーの形状を略L字形状とすることで、タイヤレバーを差し込んだ後に、タイヤレバーでタイヤを保持できるようになる(従来のように、タイヤと、レバーとを別々に保持する必要がない。)。
(4) また、タイヤレバーをマウンティングヘッドに引っ掛けられるので、タイヤレバーの引き起こし作業も大きく改善される。
請求項3に記載のタイヤレバーによれば、タイヤの取り外し作業性が確保できる。
請求項4に記載のタイヤの取り外し方法によれば、請求項1〜3の何れか1項に記載のタイヤレバーを用いているので、幅の広いタイヤや、タイヤ径の小さなタイヤであっても、通常のタイヤと同様にリムから容易に取り外すことが可能となる。なお、その他の効果は、請求項1のタイヤレバーの効果と同様である。
(タイヤチェンジャー)
図1を参照してタイヤチェンジャー10の構成を説明すると、11はマウンティングヘッド、11Aはマウンティングバー、12はセットスクリュウ、13はスイングアーム、14はスピンドルロックレバー、16はマスト、17はタイヤクリームホルダー、18はクランピングジョーおよびスライドシュー(別名チャック)、19aはタイヤブレークゴムパッド、20はドライブペダル、21はクランピングペダル、22はビードブレークペダル、23はボディフレーム、24はビードブレークアーム、25はビードブレークシューであり、これらは、図示の如く組み立てられており、公知のタイヤチェンジャーを構成している。
次に、図2にしたがって、本発明の一実施形態に係るタイヤレバー40を説明する。
図2に示すように、本実施形態のタイヤレバー40は、鋼等の金属部材で形成されており、一定幅、及び一定厚みで直線状に形成された長尺の第1の部分42の図面矢印R方向側の端部に同じく一定幅、及び一定厚みで直線状に形成された第2の部分46が一体的に設けられている。なお、第2の部分46は、第1の部分42よりも短く形成され、第1の部分42と第2の部分46とは交差する方向に延びているため、タイヤレバー40全体の形状は、略L字形状となっている。
第2の部分46は、本実施形態では200mmであるが、乗用車、及びレーシングタイヤ用の場合、120〜250mmの範囲内が好ましい。
また、タイヤレバー40を側面視したときの、第1の部分42と第2の部分46との成す角度(内角)θは、作業性を考慮すると70°〜140°の範囲内が好ましい。
次に、タイヤチェンジャー10、及びタイヤレバー40を用いてリム30から空気入りタイヤを取り外す手順を説明する。
(1) 先ず最初にタイヤ50の装着されたリム30をタイヤチェンジャー10に固定する。
因みに、図5において、符号34はビードシート部、符号36はハンプ、符号38はドロップ部である。
なお、ここまでの工程は、従来通りである。
タイヤ全体を上側に移動し、タイヤレバー40の第1の部分42がトレッド部のタイヤ径方向外側に位置する向きで、第2の部分46を、タイヤ50の下側のビード部52と上側のリムフランジ32との間にタイヤ50の下側から上側に向けて挿入し、第2の部分46の突起48をマウンティングヘッドの上端に引っ掛ける(図6(A)参照。本発明の引掛工程)。
これにより、タイヤレバー40は、第2の部分46が下方へずれないように下側のビード部52と上側のリムフランジ32との間に保持される。
これにより、第2の部分46は、図6(B)に示すように、突起部分を支点として第1の部分42との連結側が上方へ移動し、第2の部分46によって下側のビード部52が上方へ持ち上げられて下側のビード部52が上側のリムフランジ32の上側に外される(本発明の下側ビード部持ち上げ工程)。
また、タイヤレバー40をマウンティングヘッド11に引っ掛けられるので、タイヤレバー40の引き起こし作業も大きく改善された。
なお、第1の部分42の長さが300mm未満になると、握っている手をタイヤのサイド部が当たる可能性が高くなる。一方、第1の部分42が長すぎると作業性が悪化する。したがって、作業性を考えると、第1の部分42の長さは300mm〜600mmの範囲内が好ましい。
また、第2の部分46の長さが120〜250mmの範囲内が好ましい理由は、先ず、乗用車用リムの場合、リム幅がほとんど5〜10インチ付近(約120〜250mm)であことと、リム幅がこれより幅が広い場合(例えば、レース用13.7インチ)でも、タイヤを持ち上げてからレバーを挿入可能であるためである。
第2の部分46の長さが120mm未満では、リムに届き難くい。一方、第2の部分46の長さが250mmを超えると、作業性が悪化する。
上記実施形態では、第2の部分46をマウンティングヘッド11に引っ掛けるために第2の部分46に突起48を設けたが、第2の部分46がマウンティングヘッド11に引っ掛かるものであれば突起形状に限定されず、例えば、図9に示すように、第2の部分46の一部分を屈曲させて段部54を設けても良く、図10に示すように、第2の部分46の一部分を屈曲させて凹部56を設けても良い。
本発明の効果を確かめるために、従来のタイヤレバー2種(L1,L2)、本発明の適用されたタイヤレバー(L3)、タイヤを4種(T1〜T4)、リムを4種、タイヤチェンジャーを2種(C1,C2)用意し、タイヤの取り外し作業を行い、作業性の比較を行った。
T1:195/65R15 一般構造タイヤ(リムサイズ;15×6.5J)
T2:305/30ZR19 一般構造タイヤ(リムサイズ;19×11J)
T3:330/40R18 レーシング用タイヤ (リムサイズ;18×11J)
T4:325/45R13 レーシング用タイヤ (リムサイズ;13×13.7J)
なお、T2,T3は、タイヤ幅が広く、T4はタイヤ幅が広くかつタイヤ径が小さいタイヤで、リム解きし難いタイヤである。
C1:小野谷機工製タイヤチェンジャー
C2:CORGHI社製タイヤチェンジャー
C1,C2共に市場での一般的な形式の機種である。
L1:一般のタイヤレバー(図7参照。全体が真っ直ぐなタイプのもの)
L2:一般のタイヤレバー(図8参照。一般にウェーブタイヤレバーと呼ばれるタイプ)
L3:本発明のタイヤレバー(実施形態品:図2,3参照)
なお、L1は、市場での一般的な形式のものである。
先ず、引き起こし時のタイヤ及びタイヤレバーの挙動を確認した。挙動は、レバー挿入時、レバー引き起こし初期、レバー引き起こし後期について確認した。
評価は作業性レベルのランクを評価したもので、以下の評点付けをした。
A:問題なく作業ができる。
B:作業はできるものの、作業性が悪く、タイヤにダメージを与える場合もある。
C:極めて作業性が悪く、熟練者以外では作業が継続できない。また、タイヤへのダメージも回避することが難しい。
11 マウンティングヘッド
30 リム
32 リムフランジ
40 タイヤレバー
42 第1の部分
46 第2の部分
48 突起(係合部)
50 タイヤ
52 ビード部
54 段部(係合部)
56 凹部(係合部)
θ 角度
Claims (4)
- リム組みされたタイヤをリムから取り外すためのタイヤチェンジャーと共に用いられ、前記リムと前記タイヤとの間の隙間に一部分を挿入してタイヤ径方向内側へ揺動させることで、前記タイヤのビード部を前記リムから離脱させるタイヤレバーであって、
第1の方向に延びる第1の部分と、
前記第1の部分の一端から前記第1の方向とは交差する方向に延びる第2の部分と、
前記第2の部分に設けられ、前記タイヤチェンジャーのマウンティングヘッドに引っ掛かる係合部と、
を有するタイヤレバー。 - 前記係合部は、突起である、請求項1に記載のタイヤレバー。
- 前記第1の部分と前記第2の部分とのなす角度が70°〜140°の範囲内に設定されている、請求項1または請求項2に記載のタイヤレバー。
- タイヤチェンジャー、及び請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のタイヤレバーを用いてリムからタイヤを取り外すタイヤの取り外し方法であって、
前記タイヤの装着された前記リムを横向きにしてタイヤチェンジャーに固定し、前記タイヤチェンジャーのマウンティングヘッドを上側のリムフランジに配置する準備工程と、
前記マウンティングヘッドと上側のビード部との間に前記タイヤレバーの第1の部分の先端側を差し込み、前記タイヤレバーを引き起こして前記上側のビード部を前記上側のリムフランジよりも上側へ持ち上げる上側ビード部持ち上げ工程と、
前記リムを回転させて前記マウンティングヘッドにより前記上側のビード部全体を前記上側のリムフランジの上側に外す上側ビード部外し工程と、
タイヤ全体を上側に移動し、前記タイヤレバーの第1の部分が前記タイヤのトレッド部のタイヤ径方向外側に位置する向きで、前記第2の部分を前記タイヤの下側のビード部と前記リムの上側のリムフランジとの間にタイヤ下側から上側へ向けて挿入し、係合部を前記マウンティングヘッドの上端に引っ掛ける引掛工程と、
前記第2の部分が前記係合部分を支点として前記第1の部分との連結側が上方へ移動するように前記タイヤレバーを起こして、前記下側のビード部を前記上側のリムフランジの上側に持ち上げる下側ビード部持ち上げ工程と、
前記リムを回転させて前記マウンティングヘッドにより前記下側のビード部全体を前記上側のリムフランジの上側に外す下側ビード部外し工程と、
を有するタイヤの取り外し方法。
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