JP2010234473A - 鋼材の切断方法および切断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱間圧延で製造される形鋼のうち、極厚H形鋼のような大断面の鋼材やTMCP仕様のように仕上げ圧延後急冷される高強度の鋼材に関して、製造ラインの下流に位置する熱間鋸断工程における鋸刃の磨耗、摩滅により鋸断不能となる問題を解消する。
【解決手段】長尺のH形鋼23を、回転しながら水平面内でH形鋼23の幅方向へ進行する鋸刃18を用いて、H形鋼23の長手方向の所定の位置で、この所定の位置の近傍の位置を鋸刃18進行方向と反対方向、および上方向の2方向へ向けて押圧しながら、幅方向へ切断する際に、これら2方向への押圧力を独立して制御しながらH形鋼23を切断する。
【選択図】図2

Description

本発明は、鋼材の切断方法およびそのために用いる切断装置に関し、例えば、圧延ラインで圧延されたH形鋼等の複雑な断面形状を有する形鋼をその幅方向に熱間で、回転する円形の鋸刃により切断するための切断方法及び切断装置に関する。
H形鋼に代表される形鋼の熱間圧延による製造ラインでは、圧延ラインの下流に設置された、形鋼をその幅方向へ切断する切断装置により、圧延された形鋼を所定の位置で切断することが行われている。
この形鋼の切断は、形鋼の搬送方向に直交する方向へ向けて配置された、回転する円形の鋸刃によって形鋼を幅方向へ切断することによって、行われる。鋸刃が形鋼に接触して切断が開始されると、形鋼の内部応力等により形鋼はその長手方向に逆への字状に変形するため、鋸刃の両面に形鋼の二つの切断完了面が強く接触する。このため、鋸刃の寿命の低下や、切れ味の低下に起因した切断バリの発生等が誘発され、鋸刃の交換等のためのライン停止を余儀なくされ、ライン停止による弊害がもたらされる。
特に最近では、形鋼に求められる仕様、とりわけ機械的性質に対する要求がいっそう厳しくなっている。このため、形鋼の機械的性質の向上を目的として圧延中に水冷を行うことによって組織制御を行うTMCP(Thermo Mechanical Control Process)材の割合が増加しつつある。TMCP材の形鋼は、その形状やサイズ毎に冷却条件が異なるため、アズロール材ではあまり発生しなかった反り等の変形が発生し易い。
特に、近年需要が増加している、例えばウェブ厚が20〜70mmであってフランジ厚が
40〜80mmといった極厚H形鋼は、仕上圧延終了後に水冷装置を通過させることにより急冷される。このため、切断装置の鋸刃により切断される際の極厚H形鋼の温度は非水冷のH形鋼の温度よりもかなり低下し、熱間での鋸刃による切断の限界温度とされる600℃を下回る場合もある。さらに、極厚H形鋼は、その断面積が大きく且つ反りも大きいことも原因となって、切断時の鋸刃の負荷が益々高まっている。
上述した極厚H形鋼のように、低温化による切断抵抗の増加と大型化による断面積の増加は、鋸刃の寿命の低下の要因になるのみならず、熱間で鋸刃により切断できない場合には一旦オフラインしてからバンドソー等で改めて切断する必要があることから、極厚H形鋼の生産効率を著しく低下させる要因にもなる。
鋸刃による鋼材の切断時の問題を解決するための発明が、これまでにも多数提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2には、回転する鋸刃によるH形鋼の切断時に切断抵抗の変化に応じて鋸刃の進行速度(切込み速度)を制御する発明が開示されている。しかし、これらの発明は、切断抵抗の変化に対処するものであり、切断抵抗そのものを抑制するものではない。
特許文献3には、形鋼の切断部を鋸刃方向に押圧して切断面を長さ方向に広げて切断すること、すなわち形鋼の切断部を形鋼のパスラインの上方へ10mm程度持ち上げて切断することによって、切断される形鋼の内部応力を除去して形鋼の切断完了面が切断時に鋸刃を締め付けることを防止若しくは緩和する方法に係る発明が開示されている。
特許文献4には、圧延ラインで圧延された棒状体鋼材を鋸刃によりその幅方向に熱間で切断する際に、鋸刃に対して鋼材の長さ方向に前後してそれぞれ配置された鋼材支持装置を、鋼材の鋸断部の反り量に応じて上昇して制御することにより、鋼材の切断部近傍を支持しながら切断する方法および装置に係る発明が開示されている。
図11(a)および図11(b)は、それぞれ、特許文献5により開示された、被切断材であるH形鋼1の切断部1aに引張応力を付与した状態で切断する方法を示す側面図および上面図である。図11(a)および図11(b)に示すように、特許文献5には、H形鋼1の切断部1aに引張応力を付与した状態で切断する切断方法の実施例として、例えばフリクションソー5を有する場合について、水平部2aおよび垂直部2bを有するクランプガイド2、テーパースライドベース3およびクランプシリンダー4を備え、H形鋼1に対して、下方からの押し上げと側方からの押し曲げとを同時に行う装置6を用いる発明が開示されている。
特開2000−278978号公報 特開2008−296346号公報 特開昭54−120486号公報 特開2000−246541号公報 特開2000−263323号公報
特許文献3により開示された発明は、反り量が大きく、且つ、断面積の大きな極厚H形鋼を切断する場合には、回転する鋸刃が形鋼に接触して切断を始めると、形鋼の内部応力等により切断完了面が鋸刃を締め付けることを防止できず、鋸刃の寿命延長効果が得られないばかりか、高い頻度で切断不能になることが発生する。
特許文献4により開示された発明は、鋼材の上下方向の反りのみを問題としており、鋼材の幅方向に対する反り、とくに鋸刃による切断に伴って鋸刃を鋼材に押付けることによる鋼材の反りや、それによる鋼材の切断面による鋸刃の挟込みによる切断抵抗の増加を解消することはできない。
さらに、特許文献5により開示された発明は、クランプガイド2を用いてH形鋼1に対して下方からの押し上げと側方からの押し曲げとを同時に行うため、H形鋼1の上昇および押し曲げは、H形鋼1の断面形状に関わらず常に一定に行われる。しかし、H形鋼1の切断では、H形鋼1の種類の変更に伴うH形鋼1の断面形状の変化や、H形鋼1の切断中における未切断面形状の変化が不可避的に発生する。このため、特許文献3により開示された発明では、これらの変化に応じてH形鋼1の上昇および押し曲げを適切に設定することができず、H形鋼1の切断完了面が鋸刃を締めつけることを確実に防止することは難しい。
本発明は、従来の技術が有するこのような課題に鑑みてなされたものであり、鋼材の様々な断面形状に合わせて、極厚H形鋼のような大断面の鋼材や合金鋼の添加量の多い高強度鋼材、さらには温度が低下した鋼材、とりわけTMCP型H形鋼のような仕上圧延後水冷された高強度の鋼材を、回転する鋸刃を用いて、鋸刃の寿命の延長を実現しながら熱間で確実に切断することができる鋼材の切断方法および切断装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、熱間圧延終了後に急冷されることから高強度および高靭性といった優れた機械特性を得られるTMCP型極厚H形鋼のような鋼材を、圧延ラインの下流に設置された切断装置によって、その幅方向へ所定の位置で切断する際に、例えば特許文献5により開示された、切断時の鋼材の上昇および押し曲げを独立して行うことによって、極厚H形鋼のような大断面の鋼材や合金鋼の添加量の多い高強度鋼材、さらには温度が低下した鋼材であっても、鋸刃を用いて熱間で確実に切断することが可能になり、これにより、鋸刃の磨耗や摩滅により切断不能となることを防止でき、鋸刃の寿命の延長を実現できることを知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
本発明は、鋼材を、回転しながら水平面内で鋼材の幅方向へ進行する鋸刃を用いて、鋼材の長手方向の所定の位置で、この所定の位置の近傍の位置を鋸刃の進行方向と反対方向、および上方向の2方向へ向けて押圧しながら、幅方向へ切断する際に、これら2方向への押圧力または押圧量を独立して制御することを特徴とする鋼材の切断方法である。
本発明に係る鋼材の切断方法では、上述した2方向の押圧力または押圧量は、(a)鋸刃による切断位置における鋼材の断面形状、(b)鋸刃による切断位置における鋼材の切断中の変形量、または(c)鋸刃による切断位置において鋼材が切断中に鋸刃から受ける負荷のうちの少なくとも一つに基づいて、制御されることが望ましい。
別の観点からは、本発明は、鋼材をその長手方向の所定の位置で、回転しながら水平面内で鋼材の幅方向へ進行することによって切断する鋸刃と、この所定の位置の近傍の位置で鋼材を鋸刃の進行方向と反対方向へ向けて押圧する第1の押圧機構と、所定の位置の近傍で鋼材を上方向へ向けて押圧する第2の押圧機構と、第1の押圧機構および第2の押圧機構それぞれによる鋼材に対する押圧力または押圧量を独立して制御する制御機構とを備えることを特徴とする鋼材の切断装置である。
本発明に係る鋼材の切断装置では、制御機構は、(d)鋸刃による切断位置における鋼材の、切断開始前および/または切断中に定める断面形状、(e)鋸刃による切断位置における鋼材の切断中の変形量、または(f)鋸刃による切断位置において鋼材が切断中に鋸刃から受ける負荷のうちの少なくとも一つに基づいて、第1の押圧機構および第2の押圧機構それぞれによる鋼材に対する押圧力または押圧量を制御することが望ましい。
これらの本発明では、鋼材がH形鋼であることが例示され、この場合に、H形鋼は、ウェブ高さ方向が水平方向を指向するとともにフランジ幅方向が鉛直方向を指向するように配置されることが望ましい。H形鋼としては、ウェブ厚が20〜70mmであってフランジ厚が40〜80mmの極厚H形鋼、引張強度が490MPa以上の高強度のH形鋼、あるいは切断時の温度が600℃以下であるH形鋼が例示される。
これらの本発明では、鋼材が山形鋼または溝形鋼である場合にも、水平方向(左右)に対称な断面形状となるように配置されることが望ましい。
本発明によれば、被切断材である鋼材に対する上昇と側方からの押し曲げとを、例えば製品の寸法の変更に伴う鋼材の断面形状の変化や鋼材の切断中の未切断面形状の変化といった鋼材の形状変化に応じて、適切に設定することが可能になる。
このため、本発明によれば、H形鋼や山形鋼さらには溝形鋼等といった熱間圧延で製造される形鋼のうち、極厚H形鋼のような大断面の鋼材や、TMCP仕様材のように仕上げ圧延後急冷される高強度の鋼材、さらには高合金化された高強度の鋼材を熱間切断工程で切断する際に、鋸刃の磨耗や摩滅により鋸断不能となることを解消でき、従来から切断トラブルの発生により量産することが困難であった大断面、高強度、高靭性の鋼材を、高能率で量産することが可能になるとともに、切断時間の一層の短縮による製造能率の向上と、鋸刃のさらなる寿命向上による工具原単位の向上と、それによる鋼材の製造コストの削減とを図ることができる。
図1は、H形鋼の熱間製造工程の一例を模式的に示す説明図である。 図2は、本発明に係る鋼材の切断装置を、一部を省略または簡略化して示す斜視図である。 図3は、本発明に係る鋼材の切断装置の主要部を抽出して示す上面図である。 図4は、本発明に係る鋼材の切断装置の主要部を抽出して示す正面図である。 図5は、第1の押圧機構によりH形鋼を押圧しながら切断する状況を示す説明図である。 図6は、本発明に係るH形鋼の切断装置における第2の押圧機構の別の例を示す正面図である。 図7は、第2の押圧機構によりH形鋼を押圧しながら切断する状況を示す説明図である。 図8(a)は大断面のH形鋼の切断時に鋸刃からH形鋼が受ける力を示す説明図であり、図8(b)は小断面のH形鋼の切断時に鋸刃からH形鋼が受ける力を示す説明図である。 図9は、本発明に係るH形鋼の切断装置の制御機構による制御を示す説明図である。 図10は、H形鋼の変形量の検出機構として、H形鋼の変形量(δ1、δ2)を変位センサーにより直接測定する場合を示す説明図である。 図11(a)および図11(b)は、特許文献5により開示された、被切断材であるH形鋼の切断部に引張応力を付与した状態で切断する方法を示す側面図および上面図である。
本発明を実施するための形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明では、本発明における形鋼がH形鋼である場合を例にとるが、本発明はH形鋼に限定されるものではなく、山形鋼さらには溝形鋼等といった熱間圧延により製造される形鋼に等しく適用可能である。
図1は、H形鋼の熱間製造工程10の一例を模式的に示す説明図である。
図1に示すように、H形鋼は、連続鋳造されたスラブあるいはビームブランク(粗形鋼片)を素材とし、この素材を、加熱炉11で1250℃以上1350℃以下の温度に加熱し、加熱炉11から抽出し、粗圧延機12による粗圧延と、粗ユニバーサルミル13aおよびエッジャーミル13bからなる中間圧延機13による中間圧延と、仕上圧延機14による仕上圧延とを行って、H形鋼に造形する。
仕上圧延機14による仕上圧延を行われた後のH形鋼は、必要に応じて水冷装置15により所定の温度に水冷された後、第1の定寸機17−1および第2の定寸機17−2と、熱間鋸断機(ホットソー)である第1の切断装置16−1および第2の切断装置16−2とにより所定の製品長に切断され、その後、冷却床に搬送され常温まで放冷された後、矯正工程および検査工程を経て最終製品とされる。
図1に示す熱間製造工程10では、切断装置16−1、16−2と定寸機17−1、17−2は各々2基設置されるが、これは、第1の切断装置16−1および第1の定寸機17−1を用いて熱間圧延された長尺のH形鋼を製品長の2倍あるいは3倍程度の長さに切断した後に第2の切断装置16−2および第2の定寸機16−2を用いて所定の製品長に切断することによって切断能率の向上を図るためである。
図2は、本発明に係るH形鋼の切断装置16−1を、一部を省略または簡略化して示す斜視図であり、図3は、本発明に係るH形鋼の切断装置16−1の主要部を抽出して示す上面図であり、さらに、図4は、本発明に係るH形鋼の切断装置16−1の主要部を抽出して示す正面図である。なお、以降の説明では、図1における第1の切断装置16−1に本発明を適用した場合を例にとるが、第2の切断装置16−2についても同様に適用可能である。
この切断装置16−1は、鋸刃18と、第1の押圧機構19と、第2の押圧機構20と、検出機構21と、制御機構22とを備えるので、これらについて順次説明する。
[鋸刃18]
鋸刃18は、円形の外形を有し、略上半分をカバー24により覆われているとともに、モーター25により駆動回転するように構成される。また、鋸刃24は適宜機構(図2に示す例ではサーボモーター26により駆動されるボールネジ27)によって、水平面内でH形鋼23の幅方向へ進行自在に配置される。
このように構成されることにより、鋸刃18は、圧延を終了した長尺のH形鋼23をその長手方向の所定の位置(図2においてハッチングにより示す位置)で、回転しながら水平面内でH形鋼23の幅方向(H形鋼23のウェブ23aの高さ方向)へ前進することによって、切断する。
圧延を終了したH形鋼23は、図2に示すように、ウェブ高さ方向が水平方向を指向するとともにフランジ幅方向が鉛直方向を指向するように配置される。
鋸刃18は、この種のものとして当業者にとって周知慣用のものであればよいので、鋸刃23に関するこれ以上の説明は省略する。
[第1の押圧機構19]
第1の押圧機構19は、押圧板28a、28bと、押圧板28a、28bをH形鋼23の側へ向けて押す油圧シリンダー29a、29bとを備え、H形鋼23の長手方向の所定の位置(図2ではハッチングにより示される位置)の近傍の位置でH形鋼23の一方のフランジ23bの外面下部を、鋸刃18の進行方向と反対方向へ向けて押圧するものである。
押圧板28a、28bは、鋸刃18によるH形鋼23の切断時に、H形鋼23に鋸刃18の進行方向に鋸刃18から作用する負荷に抗して、H形鋼23を鋸刃18の方向へ押付け、かつ鋸刃18側に撓ませるに十分なパワーを有する油圧シリンダーや空圧シリンダーによって、支持されることが望ましい。
図2〜4に示す例は、押圧板28a、28bを、鋸刃18を挟んでH形鋼23の長手方向に2個所設けるものであるが、1個所だけに設けるようにしてもよいし、逆に必要により、3個所以上の複数箇所に設けるようにしてもよい。ただし、鋸刃18の両面に位置する切断されたH形鋼23に均一な曲げモーメントを付与するためには、図2〜4に示すように、鋸刃18を挟んでH形鋼23の長手方向に2個所設けることが望ましい。
押圧板28a、28bは、油圧シリンダー29a、29bが動作することにより、鋸刃18によるH形鋼23の切断が開始される前に、H形鋼23に向けて前進してH形鋼23の一方のフランジ23bの外面下部を支持および押圧し、切断時には、H形鋼23の一方のフランジ23bの外面下部を支持および押圧し続けるとともに、切断終了後H形鋼23の搬送開始前に、後退してH形鋼23の一方のフランジ23bから離反する。
また、この切断装置16−1では、H形鋼23を鋸刃18で切断する際には、H形鋼23を挟んで押圧板28a、28bの設置側と反対側に設置されて、H形鋼23の他方のフランジ23bの外面下部を支持する支持板30a、30bと、支持板30a、30bをH形鋼23の側へ押す油圧シリンダー31a、31bとにより、H形鋼23を支持する。なお、図3、4における符号32はH形鋼23を案内するために固定配置されるサイドガイドを示す。図2ではこのサイドガイド32は省略している。
この例では、支持板30a、30bは、油圧シリンダー31a、31bが動作することにより、鋸刃18によるH形鋼23の切断開始前に、H形鋼23に向けて前進してH形鋼23の他方のフランジ23bの外面下部を支持し、切断時には、H形鋼23の他方のフランジ23bの外面下部を支持し続けるとともに、切断終了後H形鋼23の搬送開始前に、後退してH形鋼23の他方のフランジ23bから離反する可動式とした。しかし、この例とは異なり、支持板30a、30bは、鋸刃18による切断の前後におけるH形鋼23の搬送に支障をきたさないように、例えば支持板30a、30bのH形鋼23の他方のフランジ23bとの当接面を、H形鋼23の搬送方向へ向けて傾斜させることにより、サイドガイド32に固定して取付けてもよい。
図5は、第1の押圧機構19によりH形鋼23を押圧しながら切断する状況を示す説明図である。なお、図5の上部のグラフは、H形鋼23に作用する曲げモーメントの分布を示す。
第1の押圧機構19の押圧板28a、28bによりH形鋼23の一方のフランジ23bの外面下部を押圧するとともに、支持板30a、30bのH形鋼23の他方のフランジ23bの外面下部を支持することによって、H形鋼23の切断位置の両側には曲げモーメントM1、M2が作用し、これにより、H形鋼23の鋸刃18による切断開口部(図5中に破線で囲む部分)を拡げられるので、鋸刃18による切断位置の近傍では、H形鋼23の切断面と、鋸刃18の側面との摩擦が抑制され、切断抵抗が低減される。
このように、第1の押圧機構19を構成する押圧板28a、28bは、支持板30a、30bと共働することによって、鋸刃18によるH形鋼23の切断時に、H形鋼23の鋸刃18による切断開口部を拡げる曲げモーメントがH形鋼23に作用するように、H形鋼23を押圧する作用を奏するものである。第1の押圧機構19は、このような作用を奏することができる構造を有していればよく、特定の構造には限定されない。
[第2の押圧機構20]
第2の押圧機構20は、H形鋼23の長手方向の所定の位置(図2ではハッチングにより示す位置)の近傍でH形鋼23を上方向へ向けて押し上げることによって、H形鋼23を押圧するものである。
この切断装置16−1では、上述した第1の押圧機構19により、鋸刃18によるH形鋼23の切断時にH形鋼23の鋸刃18による切断開口部を拡げる曲げモーメントがH形鋼23に作用するように、H形鋼23を押圧するのに併せて、H形鋼23を搬送するために並設されたテーブルローラー33a〜33cの下方に、H形鋼23の長手方向に関して鋸刃18を挟むようにして鋸刃18の近傍に設置された二基の第2の押圧機構20を用いて、H形鋼23の切断前にH形鋼23を所定位置まで押し上げて、H形鋼23を押圧する。
図2〜4に示す第2の押圧機構20は、傾斜面を有するスライダー34と、スライダー34をその長手方向へ駆動する油圧シリンダー35と、スライダー34の傾斜面と摺動する傾斜面を有する傾斜部材36と、傾斜部材36の上面に固定されるとともにH形鋼23を支持する支持部材37とにより構成される。
油圧シリンダー35によりスライダー34をその長手方向へ駆動することにより、固定された傾斜部材36および支持部材37を昇降することができるので、支持部材37により支持されるH形鋼23の高さを所望の高さに調整することができる。
図6は、本発明に係るH形鋼の切断装置16−1における第2の押圧機構20の別の例20−1を示す正面図である。
この第2の押圧機構20−1は、スライダー34、油圧シリンダー35および傾斜部材36に替えて、竪型の油圧シリンダー38を二基用いるものである。これにより、第2の押圧機構20−1の構造を簡素化することができる。
第2の押圧機構20、20−1のいずれにおいても、その駆動源としては、鋸刃18によるH形鋼23の切断時に、鉛直下方向に鋸刃18から作用する負荷に抗してH形鋼23を確実に所定量持ち上げ、かつ鋸刃18側に撓ませるに十分なパワーを有する油圧シリンダー35、38や空圧シリンダーを用いることが望ましい。
なお、図2〜4に示す例では、H形鋼23の長手方向に関して鋸刃18を挟んで第2の押圧機構20を2基設ける例を示したが、1基設けるようにしてもよいし、逆に必要により、3基以上の複数基設けるようにしてもよい。ただし、鋸刃18の両面に位置するH形鋼23について均一な曲げモーメントを付与するためには、図2〜4に示すように、鋸刃18を挟んで2基設けることが望ましい。
また、図2〜4に示す例では、第1の押圧機構19の押圧板28a、28bがH形鋼23に当接する位置と、第2の押圧機構20の支持部材37がH形鋼23を支持する位置とを、H形鋼23の長手方向に若干ずらせているが、押圧板28a、28bおよび支持部材37が相互に干渉しなければ、H形鋼23の長手方向の同一地点に位置するようにしてもよい。
図7は、第2の押圧機構20によりH形鋼23を押圧しながら切断する状況を示す説明図である。なお、図7の上部のグラフは、H形鋼23に作用する曲げモーメントの分布を示す。
第2の押圧機構20によりH形鋼23を押圧することにより、H形鋼23の切断位置の両側には曲げモーメントM3、M4が作用し、これにより、H形鋼23の鋸刃18による切断開口部を拡げられるので、鋸刃18による切断位置の近傍では、H形鋼23の切断面と、鋸刃18の側面との摩擦が抑制され、切断抵抗が低減される。
このように、第2の押圧機構20は、鋸刃18によるH形鋼23の切断時に、H形鋼23の鋸刃18による切断開口部を拡げる方向の曲げモーメントがH形鋼23に作用するようにH形鋼23を持ち上げることができる構造を有すればよく、第2の押圧機構20の構造は特定の構造には限定されない。
[検出機構21]
検出機構21は、第1の押圧機構19および第2の押圧機構20それぞれによるH形鋼23に対する押圧力等の必要なデータを検出するものである。
本発明に係るH形鋼の切断装置16−1では、検出機構21として、(I)第1の押圧機構19によるH形鋼23の押圧力または押圧量を検出する第1の検出機構21−1と、(II)第2の押圧機構20によるH形鋼23の押圧力または押圧量を検出する第2の検出機構21−2と、(III)H形鋼23の変形量の検出機構21−3と、(IV)切断摩擦力や切り込み力を検出することによって切断負荷を検出するための検出機構21−4と、(V)サーボモーター26の回転位置を検出することにより鋸刃18の位置を検出するための検出機構21−5とを用いる。
各検出機構21−1〜21−5には、この種の検出機構として当業者にとって周知慣用のものを用いればよく、特定の型式のものには制限されない。例えば、H形鋼23の変形量の検出機構21−3としては、図10に示すような変位センサーを用いて、H形鋼23の変形量を検出することが例示される。
各検出機構21−1〜21−5の検出値s1〜s5は、後述する制御機構22に送られ、制御装置22は、これらの検出値s1〜s5に基づいて演算を行い、第1の押圧機構19およ第2の押圧機構20それぞれを独立して制御する制御信号p1、p2を出力する。
[制御機構22]
制御装置22が、第1の押圧機構19および第2の押圧機構20それぞれによるH形鋼23に対する押圧力を独立して制御する理由を説明する。
図8(a)は大断面のH形鋼23−1の切断時に鋸刃18からH形鋼23−1が受ける力を示す説明図であり、図8(b)は小断面のH形鋼23−2の切断時に鋸刃18からH形鋼23−1が受ける力を示す説明図である。図8(a)および図8(b)のいずれも、鋸刃18によるH形鋼23−1、23−2の切断開始時に長手方向から見たH形鋼23−1、23−2と鋸刃18との接触状態を模式的に示す。
図8(a)および図8(b)に示すように、切断中のH形鋼23−1、23−2が鋸刃18から受ける力には、切込み力F1と鋸断摩擦力(=鋸断抵抗)F2とがあり、切込み力F1は鋸刃18の進行方向に作用し、鋸断摩擦力F2は鋸刃18の回転方向(周方向)に作用し、これらの合力F3が、H形鋼23−1、23−2が実際に鋸刃18から受ける力に相当する。
この合力F3の方向、すなわち合力が水平線となす角度を、図8(a)に示す場合にθ1とするとともに図8(b)に示す場合にθ2とすると、図8(a)に示す場合に比べて図8(b)に示す場合のほうが鋸断摩擦力F2の方向がより水平方向に近づくため、θ1<θ2となることは、図8(a)および図8(b)からも明白である。
したがって、図2〜4に示すH形鋼23が鋸刃18から受ける力F3とその方向は、鋸刃18の切込み力F1(切込み速度)や鋸刃18の回転速度が一定であったとしても、切断中のH形鋼23の断面形状に応じて刻々と変化する。
さらに、鋸断摩擦力F2については、H形鋼23の材質や温度、鋸刃18の回転数(周速)、鋸刃18の磨耗具合、鋸刃18の側面にH形鋼23から作用する摩擦力によっても変化するため、H形鋼23が鋸刃18から受ける力F1とその方向は、常時変化することになる。これにより、H形鋼23が鋸刃18から受ける力F3の水平分力および垂直分力は、いずれも、鋸刃18によるH形鋼23の切断条件の変化に応じて、変化することになる。
以上のことから、鋸刃18によるH形鋼23の切断中に鋸刃18から受ける力に起因するH形鋼23の変形の大きさや方向は、鋸刃18によるH形鋼23の切断条件により常時変化することになるので、これらH形鋼23の変形を抑制するための押圧力は、水平方向と鉛直方向に独立して作用させる構造とすることが必要である。
以上の理由により、本発明に係るH形鋼の切断装置16−1の制御機構22は、第1の押圧機構19および第2の押圧機構20それぞれによるH形鋼23に対する押圧力を独立して制御する。
図9は、本発明に係るH形鋼の切断装置16−1の制御機構22による制御を示す説明図である。
図2および図9に示すように、プロセスコンピューター38は、H形鋼23の情報(切断温度、材質、形状)s6と、鋸刃18の情報(形状、切断履歴)s7と、切断条件情報(鋸刃18の回転数、送り速度)s8とを、制御機構22に出力する。
制御機構22は、これらの情報s6〜s8と、各検出機構21−1〜21−5から入力される検出値s1〜s5とに基づいて演算を行い、第1の押圧機構19および第2の押圧機構20それぞれによるH形鋼23に対する押圧力を独立して制御するための信号p1、p2を、第1の押圧機構19の駆動系39、第2の押圧機構20の駆動系40に出力する。
鋸刃18による切断中のH形鋼23の変形に抗すべくH形鋼23に対して第1の押圧機構19および第2の押圧機構20により作用させる力は、切断中のH形鋼23の変形量あるいはH形鋼23が鋸刃18から受ける力(負荷)を計測して時々刻々変化させるオンライン制御方式とすることが望ましいが、これらの変形量や力(負荷)の時間変化が僅かであれば、切断条件から予め推定した切断中のH形鋼23の変形量に応じて、第1の押圧機構19および第2の押圧機構20それぞれにより設定する押圧力を切断開始前に予め定めておき、切断中はこの押圧力でH形鋼23を押圧するセットアップ制御方式を採用してもよい。さらに、オンライン制御方式およびセットアップ制御方式を併用してもよいことはいうまでもない。
なお、オンライン制御方式の場合に用いる、第1の押圧機構19および第2の押圧機構20により作用させる力を求める関数は、例えば、第1の押圧機構19および第2の押圧機構20によりH形鋼に作用させる力を各々P1、P2とすると、これらは以下の関数形で表される。
P1=f(F3・cosθ)=f(F1、F2、θ) ・・・・・(1)
P2=g(F3・sinθ)=g(F1、F2、θ) ・・・・・(2)
ここで、関数fは、第1の押圧機構19の設置位置(押圧位置の鋸刃18および支持板30a、30bからの距離)、切込み力F1、鋸断摩擦力(=鋸断抵抗)F2、およびこれらの合力F3が水平面となす角度θによって求まる関数である。
関数gは、第2の押圧機構20の設置位置(押圧位置の鋸刃18からの距離)、切込み力F1、鋸断摩擦力(=鋸断抵抗)F2、およびこれらの合力F3が水平面となす角度θによって求まる関数である。
なお、これら関数fや関数gの関数形は、様々な断面形状のH形鋼23の鋸断中に実測した切込み力F1と鋸断摩擦力F2の値、鋸刃18とH形鋼23との接触点(鋸刃回転方向から見た鋸刃18とH形鋼23の接触開始位置)から幾何学的に求まる角度θと、鋸断中に第1の押圧機構19および第2の押圧機構20の位置で各々の押圧板28a及び28b、支持部材37が逆にH形鋼23から受ける力を実測し、これらの関係を解析(例えば多変量解析)することにより、実験的に求めることができる。
そこで、第1の押圧機構19によりH形鋼23に作用させる力P1、第2の押圧機構20によりH形鋼23に作用させる力P2のオンライン制御においては、時々刻々変化する切込み力F1、鋸断摩擦力F2の実測値、ならびに鋸刃18とH形鋼23の相対位置(鋸刃回転方向から見た鋸刃18とH形鋼23の接触開始位置)から幾何学的に算出した角度θをもとに、各々上記(1)式および(2)式から、第1の押圧機構19によりH形鋼23に作用させる力P1、第2の押圧機構20によりH形鋼23に作用させる力P2を時々刻々算出し、第1の押圧機構19および第2の押圧機構20により、切込み力F1、鋸断摩擦力F2によるH形鋼23の変形を打消すような力をH形鋼23に作用させればよい。
一方、オフライン制御方式の場合に用いる、第1の押圧機構19および第2の押圧機構20により切断開始前に作用させる力を求める関数は、例えば、第1の押圧機構19および第2の押圧機構20によりH形鋼23に作用させる力を各々P1’、P2’とすると、これらは以下の関数形で表される。
P1’=f’(T、M、Sm、Sc、Sh、Nc、Vc) ・・・・・(3)
P2’=g’(T、M、Sm、Sc、Sh、Nc、Vc) ・・・・・(4)
ここで、関数f’は、H形鋼23の温度T、材質M、形状Sm、鋸刃18の形状Sc、鋸刃18の切断履歴Sh、鋸刃18の回転数Nc、鋸刃18の送り速度Vcによって求まる関数である。また、関数g’も同様に、H形鋼23の温度T、材質M、形状Sm、鋸刃18の形状Sc、鋸刃18の切断履歴Sh、鋸刃18の回転数Nc、鋸刃18の送り速度Vcによって求まる関数である。
なお、これら関数f’や関数g’の関数形は、鋸断開始時におけるH形鋼23の温度T、材質M、形状Sm、鋸刃18の形状Sc、鋸刃18の切断履歴Sh、鋸刃18の回転数Nc、鋸刃18の送り速度Vcの各実測値と、鋸断開始時に第1の押圧機構19および第2の押圧機構20の位置で各々の押圧板28a及び28b、支持部材37が逆にH形鋼23から受ける力を実測し、これらの関係を解析(例えば多変量解析)することにより実験的に求めることができる。
そこで、第1の押圧機構19によりH形鋼23に作用させる力P1’第2の押圧機構20によりH形鋼23に作用させる力P2’のオフライン制御においては、鋸断開始前のH形鋼23の温度T、材質M、形状Sm、鋸刃18の形状Sc、鋸刃18の切断履歴Sh、鋸刃18の回転数Nc、鋸刃18の送り速度Vcの各実測値をもとに、各々上記(3)式および(4)式から第1の押圧機構19によりH形鋼23に作用させる力P1’第2の押圧機構20によりH形鋼23に作用させる力P2’を算出し、鋸断開始前に第1の押圧機構19および第2の押圧機構20によりH形鋼23に所定の押圧力を作用させればよい。
このように、制御機構22は、鋸刃18による切断位置におけるH形鋼23の、切断開始前および/または切断中に定めるH形鋼23の断面形状、鋸刃23による切断位置におけるH形鋼23の切断中の変形量、または、鋸刃18による切断位置においてH形鋼23が切断中に鋸刃18から受ける負荷のうちの少なくとも一つに基づいて、第1の押圧機構19および第2の押圧機構20それぞれによるH形鋼23に対する押圧力または押圧量を制御することが望ましい。
本発明に係るH形鋼の切断装置16−1は、以上のように構成される。次に、この切断装置16−1によりH形鋼23の切断を行う状況を説明する。
本発明では、特許文献5により開示された発明と同様に、長尺のH形鋼23を、回転しながら水平面内でH形鋼23の幅方向へ進行する鋸刃18を用いて、H形鋼23の長手方向の所定の位置(図2においてハッチングにより示す位置)で、第1の押圧機構19および第2の押圧機構20によって、この所定の位置の近傍の位置を鋸刃18の進行方向と反対方向、および上方向の2方向へ向けて押圧しながら、幅方向へ切断する。
この際に、本発明では、制御装置22により、これら2方向への押圧力を、(a)鋸刃18による切断位置におけるH形鋼23の断面形状、(b)鋸刃18による切断位置におけるH形鋼23の切断中の変形量、または(c)鋸刃18による切断位置においてH形鋼23が切断中に鋸刃18から受ける負荷のうちの少なくとも一つに基づいて、独立して制御する。
このため、本発明によれば、H形鋼23に対する上昇と側方からの押し曲げとを、例えば製品の寸法の変更に伴うH形鋼23の断面形状の変化やH形鋼23の切断中の未切断面形状の変化といったH形鋼23の形状変化に応じて、適切に設定することが可能になる。
したがって、本発明によれば、H形鋼や山形鋼さらには溝形鋼等といった熱間圧延で製造される形鋼のうち、ウェブ厚が20〜70mmであってフランジ厚が40〜80mmの極厚H形鋼、引張強度が490MPa以上の高強度のH形鋼、あるいは切断時の温度が600℃以下であるH形鋼を熱間切断工程で鋸刃18により切断する際に、鋸刃18の磨耗や摩滅により鋸断不能を解消でき、従来量産することが不可能であった大断面、高強度、高靭性のH形鋼を高能率で量産することが可能になる。
また、本発明によれば、切断時間の一層の短縮による製造ラインの能率向上と、鋸刃18のさらなる寿命向上による工具原単位の向上と、それによるH形鋼の製造コストの削減が可能になる。
(変形例)
以上の説明では、H形鋼に対して作用させる押圧力を制御対象とする場合を例にとったが、本発明はこれに限定されるものではなく、押圧量を制御対象としてもよい。
図10は、H形鋼23の変形量の検出機構21−3として、H形鋼23の変形量(δ1、δ2)を変位センサー41、42により直接測定する場合を示す説明図である。
この場合には、押圧力ではなく押圧量を制御対象にすることがより好適である。
なお、H形鋼23の変形量の検出機構21−3として、H形鋼23に対して水平および鉛直方向に作用する負荷の測定が可能なロードセルを用いる場合には、上述したように押圧力や押上力を制御対象とすることがより望ましい。
また以上の説明においては、切断対象の鋼材がH形鋼である場合を例にとったが、鋼材はH形鋼に限らず、例えば山形鋼さらには溝形鋼といったように如何なる形状であってもよく、また形鋼の材質についてもどのようなものであってもよい。
1 H形鋼
1a 切断部
2 クランプガイド
2a 水平部
2b 垂直部
3 テーパースライドベース
4 クランプシリンダー
5 フリクションソー
6 切断装置
10 H形鋼の熱間製造工程
11 加熱炉
12 粗圧延機
13 中間圧延機
13a 粗ユニバーサルミル
13b エッジャーミル
14 仕上圧延機
15 水冷装置
16−1 第1の切断装置
16−2 第2の切断装置
17−1 第1の定寸機
17−2 第2の定寸機
18 鋸刃
19 第1の押圧機構
20、20−1 第2の押圧機構
21、21−1〜21−5 検出機構
22 制御機構
23、23−1、23−2 H形鋼
23a ウェブ
23b フランジ
24 カバー
25 モーター
26 サーボモーター
27 ボールネジ
28a、28b 押圧板
29a、29b 油圧シリンダー
30a、30b 支持板
31a、31b 油圧シリンダー
32 サイドガイド
33a〜33d テーブルローラー
34 スライダー
35、38 油圧シリンダー
36 傾斜部材
37 支持部材
38 プロセスコンピューター
39 第1の押圧機構の駆動系
40 第2の押圧機構の駆動系
41、42 変位センサー

Claims (8)

  1. 長尺の鋼材を、回転しながら水平面内で前記鋼材の幅方向へ進行する鋸刃を用いて、該鋼材の長手方向の所定の位置で、前記所定の位置の近傍の位置を前記鋸刃の進行方向と反対方向、および上方向の2方向へ向けて押圧しながら、幅方向へ切断する際に、
    前記2方向への押圧力または押圧量を独立して制御すること
    を特徴とする鋼材の切断方法。
  2. 前記2方向の押圧力または押圧量は、前記鋸刃による切断位置における前記鋼材の断面形状に応じて、制御されることを特徴とする請求項1に記載された鋼材の切断方法。
  3. 前記2方向の押圧力または押圧量は、前記鋸刃による切断位置における前記鋼材の切断中の変形量に応じて、制御される請求項1または請求項2に記載された鋼材の切断方法。
  4. 前記2方向の押圧力または押圧量は、前記鋸刃による切断位置において前記鋼材が切断中に該鋸刃から受ける負荷に応じて、制御される請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された鋼材の切断方法。
  5. 長尺の鋼材をその長手方向の所定の位置で、回転しながら水平面内で前記鋼材の幅方向へ進行することによって切断する鋸刃と、
    前記所定の位置の近傍の位置で前記鋼材を前記鋸刃の進行方向と反対方向へ向けて押圧する第1の押圧機構と、
    前記所定の位置の近傍で前記鋼材を上方向へ向けて押圧する第2の押圧機構と、
    前記第1の押圧機構および前記第2の押圧機構それぞれによる前記鋼材に対する押圧力または押圧量を独立して制御する制御機構と
    を備えることを特徴とする鋼材の切断装置。
  6. 前記制御機構は、前記鋸刃による切断位置における前記鋼材の、切断開始前および/または切断中に定める断面形状に基づいて、前記第1の押圧機構および前記第2の押圧機構それぞれによる前記鋼材に対する前記押圧力または押圧量を制御する請求項5に記載された鋼材の切断装置。
  7. 前記制御機構は、前記鋸刃による切断位置における前記鋼材の切断中の変形量に基づいて、前記第1の押圧機構および前記第2の押圧機構それぞれによる前記鋼材に対する前記押圧力または前記押圧量を制御する請求項5または請求項6に記載された鋼材の切断装置。
  8. 前記制御装置は、前記鋸刃による切断位置において前記鋼材が切断中に前記鋸刃から受ける負荷に基づいて、前記第1の押圧機構および前記第2の押圧機構それぞれによる前記鋼材に対する前記押圧力または前記押圧量を制御する請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載された鋼材の切断装置。
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