JP2010232223A - 絶縁物被覆軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子 - Google Patents

絶縁物被覆軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子 Download PDF

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Abstract

【課題】表面を絶縁物で被覆してなり、長期にわたって渦電流損失が小さい圧粉磁心を製造可能な絶縁物被覆軟磁性粉末、この粉末を用いて製造された低損失の圧粉磁心、およびこの圧粉磁心を備えた低損失の磁性素子を提供すること。
【解決手段】複合粒子1は、軟磁性材料で構成された粒子状のコア部2と、コア部2を覆うように設けられた絶縁性材料で構成された被覆層3とを有し、被覆層3は、コア部2に対して、コア部2より小径の絶縁性材料の粒子を機械的に固着させて形成されたものであり、かつ、コア部2は、その投影像の円形度(コア部2の投影像の面積と同じ面積の真円の周長/コア部2の投影像の周長)の平均値が、0.8〜1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁物被覆軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子に関するものである。
近年、ノート型パソコンのようなモバイル機器の小型化・軽量化が顕著である。また、ノート型パソコンの性能は、デスクトップ型パソコンの性能と遜色ない程度まで向上が図られつつある。
このように、モバイル機器の小型化および高性能化を図るためには、スイッチング電源の高周波数化が必要となる。このため、スイッチング電源の駆動周波数は、数100kHz程度まで高周波数化が進んでいる。また、それに伴い、モバイル機器に内蔵されたチョークコイルやインダクター等の各種磁性素子の駆動周波数も高周波数化への対応が必要となる。
しかしながら、これらの磁性素子の駆動周波数が高周波数化した場合、各磁性素子が備える磁心において、渦電流によるジュール損失(渦電流損失)が著しく増大するという問題が発生する。
かかる問題を解決するため、前述のような磁性素子が備える磁心として、軟磁性粉末とバインダーとの混合物を加圧・成形した圧粉磁心が使用されている。このような圧粉磁心では、軟磁性粉末の粒子間が絶縁性のバインダーによって絶縁されるため、磁心に発生する渦電流がこの粒子間で分断されることとなる。このため、たとえ高い周波数で使用されたとしても、渦電流によるジュール損失、すなわち渦電流損失の低減を図ることができる。
ところが、このような圧粉磁心においては、混合物を高い圧力で加圧・成形した際に、軟磁性粉末の粒子同士間に存在するバインダーが断ち切れてしまい、この粒子間の絶縁性が低下するという問題が知られている。かかる問題が生じると、渦電流損失を低減することが困難になる。
上記問題を解決するため、軟磁性粉末の粒子の表面に、無機材料の表面層を形成する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、粒径20〜100μmの磁性粉と、シリカ系ゾルを主体とする無機結合剤とを混合したのち、加熱して、前記磁性粉の表面を前記シリカ系ゾルの膜で被覆し、次いで、得られた磁性粉を成形したのち、得られた成形体を焼結することを特徴とする圧粉磁心の製造方法が提案されている。
ところが、このような方法で製造された圧粉磁心では、シリカ系ゾルの膜と磁性粉との密着強度が小さいため、これらの密着界面が剥離し易い。このため、高温・高湿等の過酷な環境下では、磁性粉の粒子同士の絶縁性を長期にわたって維持することができず、渦電流損失が徐々に増大してしまうという問題がある。
また、特に、磁性粉が構成成分としてクロムやアルミニウム等を含んでいる場合、磁性粉の表面には化学的に安定な不働態被膜が形成されているため、磁性粉とシリカゾル系の膜との密着性がさらに低下する。
特開2001−196217号公報
本発明の目的は、表面を絶縁物で被覆してなり、長期にわたって渦電流損失が小さい圧粉磁心を製造可能な絶縁物被覆軟磁性粉末、この粉末を用いて製造された低損失の圧粉磁心、およびこの圧粉磁心を備えた低損失の磁性素子を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末は、軟磁性材料で構成された粒子状のコア部と、該コア部を覆うように設けられた絶縁性材料で構成された被覆層とを有し、
前記被覆層は、前記コア部に対して、前記コア部より小径の前記絶縁性材料の粒子を機械的に固着させて形成されたものであり、
前記コア部は、その投影像の円形度(前記コア部の投影像の面積と同じ面積の真円の周長/前記コア部の投影像の周長)の平均値が、0.8〜1であることを特徴とする。
これにより、表面を絶縁物で被覆してなり、長期にわたって渦電流損失が小さい圧粉磁心を製造可能な絶縁物被覆軟磁性粉末が得られる。
本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末では、前記コア部のタップ密度は、前記コア部の真密度に対して、45%以上であることが好ましい。
これにより、コア部の流動性が高くなり、コア部の転動容易性が高くなる。その結果、コア部表面の全体にわたって絶縁性材料の粒子を均一に固着させ、均一な被覆層を成膜することができる。
本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末では、前記コア部の平均粒径は、3〜50μmであることが好ましい。
これにより、当該絶縁物被覆軟磁性粉末を用いて圧粉磁心を製造した場合に、粉末の充填性が低下するのを防止しつつ、渦電流が流れる経路を特に短くすることができる。このため、渦電流損失が小さく、かつ透磁率および機械的特性に優れた圧粉磁心を製造することができる。
本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末では、前記絶縁性材料の粒子の平均粒径は、前記コア部の平均粒径の1〜60%であることが好ましい。
これにより、当該絶縁物被覆軟磁性粉末は、十分な絶縁性を有するとともに、この粉末を用いて圧粉磁心を製造した場合には、その圧粉磁心の透磁率および磁束密度が著しく低下するのを防止することができる。
本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末では、前記軟磁性材料は、Fe系合金であることが好ましい。
これにより、透磁率、磁束密度等の磁気特性や、コスト等の生産性に優れた絶縁物被覆軟磁性粉末が得られる。
本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末では、前記絶縁性材料は、無機材料であることが好ましい。
これにより、有機系材料に比べて化学的安定性および絶縁性に優れており、長期にわたって高い絶縁性を維持し得る被覆層が得られる。
本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末では、前記ガラス材料の軟化点は、100〜500℃であることが好ましい。
これにより、コア部に対して絶縁性材料の粒子を機械的に固着させる際に、絶縁性材料の粒子の表面が軟化し、この粒子をコア部の表面に隙間なく固着させることができる。その結果、被覆層とコア部との間に隙間が生じず、長期耐久性および磁気特性に優れた絶縁物被覆軟磁性粉末が得られる。
本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末では、前記コア部は、水アトマイズ法により製造されたものであることが好ましい。
これにより、極めて微小な粉末を効率よく製造することができる。また、得られる粉末の各粒子の形状が真球に近くなるため、コア部の転動容易性が向上し、コア部表面の全体にわたって絶縁性材料の粒子を均一に固着させ、均一な被覆層を成膜することができる。
本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末では、前記機械的な固着は、前記コア部と前記絶縁性材料の粒子との混合物を、同一の容器内で、加圧しつつ撹拌することにより行われたものであることが好ましい。
これにより、コア部に対する絶縁性材料の粒子の機械的な固着を効率よく生じさせることができる。
本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末では、前記被覆層は、前記絶縁性材料の粒子がその原型を維持しつつ、該粒子の表面が、前記コア部の表面に融合してなるものであることが好ましい。
これにより、被覆層は、部分的に薄くなったりすることなく、均一な厚さになり易い。
本発明の圧粉磁心は、本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末とバインダーとの混合物を、加圧・成形して成形体を得た後、該成形体中の前記バインダーを硬化させてなることを特徴とする。
これにより、長期にわたって低損失の圧粉磁心が得られる。
本発明の磁性素子は、本発明の圧粉磁心を備えたことを特徴とする。
これにより、長期にわたって低損失の磁性素子が得られる。
本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末の一粒子の実施形態を示す縦断面図である。 粉末被覆装置の構成を示す縦断面図である。 チョークコイルの構成を示す模式図(平面図)である。 チョークコイルの構成を示す模式図(透過斜視図)である。
以下、本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子について、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。
[絶縁物被覆軟磁性粉末]
まず、本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末について説明する。
図1は、本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末の一粒子の実施形態を示す縦断面図である。
図1に示す絶縁物被覆軟磁性粉末の一粒子である複合粒子1は、軟磁性材料で構成された粒子状のコア部2と、コア部2の表面を覆う絶縁性の被覆層3とを有するものである。
このような絶縁物被覆軟磁性粉末では、表面が被覆層3で覆われていることにより、粒子間の絶縁性が確保されている。このため、このような複合粒子1をバインダーとともに所定の形状に加圧・成形することにより、例えば長期にわたって渦電流損失が小さい圧粉磁心を製造することができる。
以下、図1に示す複合粒子1を製造する方法について詳述する。
この製造方法は、コア部2に対して、それより粒径の小さい絶縁性材料の粒子(以下、省略して「絶縁粒子」という。)を機械的に固着させて、被覆層3を形成し、複合粒子1を製造する方法である。
以下、この方法を順次説明する。
[1]まず、コア部2および絶縁粒子30を用意する。
コア部2は、軟磁性材料で構成された金属粉末の一粒子である。
かかる軟磁性材料としては、例えば、純鉄、ケイ素鋼(Fe−Si系合金)、パーマロイ(Fe−Ni系合金)、パーメンジュール(Fe−Co系合金)、センダストのようなFe−Si−Al系合金、Fe−Cr−Si系合金等の各種Fe系合金の他、各種Ni系合金、各種Co系合金、各種アモルファス合金などが挙げられる。このうち、透磁率、磁束密度等の磁気特性や、コスト等の生産性の観点から、各種Fe系合金が好ましく用いられる。
Fe系合金の中でもケイ素鋼は、Siを3〜6質量%程度の割合で含むFe系の軟磁性材料である。ケイ素鋼は、透磁率が高く、かつ安価であるため、軟磁性材料として好適に用いられる。
また、パーマロイは、Niを35〜82質量%程度の割合で含むFe系の軟磁性材料である。パーマロイは、前述の範囲内でFeとNiとの組成比を設定したり、添加物を加えたりすることによって、種々の軟磁気特性をもたらすことができるが、全体として透磁率および磁束密度が高い。このため、コア部2の透磁率および磁束密度を高めることができる。
また、パーメンジュールは、Coを40〜50質量%程度の割合で含むFe系の軟磁性材料である。なお、必要に応じて、V(バナジウム)を1〜3質量%程度添加してもよい。パーメンジュールは、磁束密度が高いことから、コア部2の磁束密度の向上を図ることができる。
また、Fe−Si−Al系合金としては、特に、Siを5〜11質量%程度の割合で含み、かつAlを3〜8質量%程度の割合で含むセンダストが好ましく用いられる。センダストは、透磁率が高く、かつ硬度が高いため、コア部2の透磁率および硬度の向上を図ることができる。
このようなコア部2は、いかなる方法で製造されたものでもよいが、例えば、アトマイズ法(例えば、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、高速回転水流アトマイズ法等)、還元法、カルボニル法、粉砕法等の各種粉末化法により製造されたものである。
このうち、コア部2には、アトマイズ法により製造されたものが好ましく用いられる。アトマイズ法によれば、極めて微小な粉末を効率よく製造することができる。また、得られる粉末の各粒子の形状が真球に近くなるため、コア部2の転動容易性が向上し、後述するような効果が生じる。
一方、絶縁粒子30は、絶縁性材料で構成された粉末の一粒子である。
かかる絶縁性材料としては、無機系の絶縁性材料が挙げられ、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、硫酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラスのような各種ガラス材料等を主成分とする材料が挙げられる。このようなガラス材料は、有機系材料に比べて化学的安定性および絶縁性に優れていることから、長期にわたって高い絶縁性を維持し得る被覆層3を形成することができる。このうち、好ましく用いられるガラス材料は、その軟化点が650℃以下のものであり、より好ましく用いられるガラス材料は、その軟化点が100〜500℃程度のものである。
軟化点が100〜500℃程度のガラス材料としては、例えば、酸化鉛を含有するホウ酸塩系ガラス(PbO・B)や、これに酸化亜鉛または酸化ケイ素を混合した三元系ガラス材料、酸化スズを含有するリン酸塩系ガラス(SnO・P)等が挙げられる。
[2]次に、コア部2に対して、絶縁粒子30を機械的に固着させる。これにより、コア部2の表面に被覆層3を形成する。
この機械的な固着は、コア部2の表面に絶縁粒子30を高い圧力で押圧することで生じる。具体的には、複合粒子1は、図2に示すような粉末被覆装置100を用いて上述した機械的な固着を生じさせることで製造される。
図2は、粉末被覆装置の構成を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図2中の上側を「上」、下側を「下」という。
コア部2および絶縁粒子30に対して機械的な圧縮と摩擦作用とを生じさせる装置として、ハンマーミル、ディスクミル、ローラーミル、ボールミル、遊星ミル、ジェットミル等の各種粉砕機や、オングミル(登録商標)、高速楕円型混合機、ミックスマラー(登録商標)、ヤコブソンミル、メカノフュージョン(登録商標)、ハイブリダイゼーション(登録商標)等の各種摩擦混合機等が挙げられるが、ここでは、一例として、容器110と、その内側で容器の内壁に沿って回転するチップ140とを有する図2に示す粉末被覆装置100(摩擦混合機)について説明する。このような粉末被覆装置100は、コア部2に対する絶縁粒子30の機械的な固着を効率よく生じさせることができる。
粉末被覆装置100は、円筒状をなす容器110と、その内部に、径方向に沿って設けられた棒状のアーム120とを有している。
容器110は、ステンレス鋼等の金属材料で構成され、その内部に投入されたコア部2および絶縁粒子30の混合物に対して、機械的な圧縮と摩擦作用とを与える。
また、アーム120の長手方向の中心には回転軸130が挿通されており、アーム120は、この回転軸130を回転中心として回転自在に設けられている。なお、回転軸130は、容器110の中心軸と一致するように設けられている。
また、アーム120の一方の端部には、チップ140が設けられている。このチップ140は、凸状の湾曲面とこれに対向する平面とを有する蒲鉾状をなしており、湾曲面が容器110の内壁に臨み、かつこの湾曲面と容器110との離間距離が所定の長さになるよう設定されている。これにより、チップ140は、アーム120の回転に伴って容器110の内壁と一定の距離を維持しつつ、内壁に沿って回転することができる。
また、アーム120の他方の端部には、スクレーパー150が設けられている。このスクレーパー150は、板状の部材であり、チップ140と同様、スクレーパー150と容器110との離間距離が所定の長さになるよう設定される。これにより、スクレーパー150は、アーム120に回転に伴って容器110の内壁付近を掻き取ることができるようになっている。
なお、回転軸130は、容器110の外部に設けられた図示しない回転駆動装置に接続されており、これによりアーム120を回転させることができる。
また、容器110は、粉末被覆装置100の駆動中、封止状態を維持することができ、内部を減圧(真空)状態または各種ガスで置換した状態を維持することができる。なお、好ましくは、容器110中は窒素、アルゴン等の不活性ガスで置換される。
次に、粉末被覆装置100を用いて複合粒子1を製造する方法について説明する。
まず、コア部2と絶縁粒子30とを容器110内に投入する。次いで、容器110を封止し、アーム120を回転させる。
ここで、図2(a)は、チップ140が上方に位置し、スクレーパー150が下方に位置するときの粉末被覆装置100の状態を示しており、一方、図2(b)は、チップ140が下方に位置し、スクレーパー150が上方に位置するときの粉末被覆装置100の状態を示している。
コア部2および絶縁粒子30は、スクレーパー150により図2(a)に示すように掻き取られる。これにより、コア部2および絶縁粒子30は、アーム120の回転とともに上方に持ち上げられ、その後落下することで撹拌される。
一方、図2(b)に示すように、チップ140が降下すると、チップ140と容器110との隙間に、コア部2および絶縁粒子30が侵入し、これらはアーム120の回転とともにチップ140から圧縮作用と摩擦作用とを受ける。
これらの撹拌と圧縮摩擦作用とが高速で繰り返されることにより、コア部2の表面に絶縁粒子30が固着する。この固着は、種々のメカニズムで生じると考えられるが、その1つとしては、機械的な圧縮による粒子表面同士の融合が挙げられる。そして、粒径の小さい絶縁粒子30は、複数個が集まってコア部2の表面を覆うように固着し、最終的には固着した絶縁粒子30同士が連結されてコア部2の表面を被覆する被覆層3を形成する。このようにして複合粒子1が製造される。なお、形成された被覆層3では、絶縁粒子30の粒子としての原型はほぼ維持した状態になっている。このため、被覆層3は、部分的に薄くなったりすることなく、均一な厚さになり易い。
アーム120の回転数は、容器110内に投入される粉末の量に応じて若干異なるものの、1分間に300〜1200回程度とするのが好ましい。
また、チップ140が粉末を圧縮する際の押圧力は、チップ140の大きさによって異なるが、一例として30〜500N程度であるのが好ましい。
ここで、このような圧縮摩擦作用の繰り返しにより複合粒子を得る方法は、粒子表面のコーティング技術として一般に知られていた。しかしながら、コア部の表面を覆う被覆層の状態を制御することは困難であった。このため、被覆層が途中で途切れたり、孔が開くなどの問題が生じ、絶縁機能の低下を招いていた。特に、コア部の表面に不働態被膜が形成されている場合には、コア部と被覆層との密着性が著しく低下し、剥離等の不具合が生じていた。
そこで、本発明者は、複合粒子1が上述したような圧縮摩擦作用の繰り返しで製造されるため、コア部2の形状が最終的に得られる複合粒子1の状態を大きく左右する可能性が高いことに着目した。そして、コア部2の表面に均一な被覆層3を確実に成膜するためには、コア部2の形状の中でも、コア部2の円形度が強く関わっていることを見出し、この円形度の最適条件を見出すことにより本発明を完成するに至った。
具体的には、複合粒子1の製造に供されるコア部2は、その投影像について下記式で定義される円形度の平均値が0.8〜1であることを特徴とする。
円形度=(コア部2の投影像の面積と同じ面積の真円の周長)/(コア部2の投影像の周長)
なお、上記投影像とは、コア部2の形状を平面上に投影した二次元投影像である。
上記のような条件を満たすコア部2は、投影像の円形度が高いことから、比較的真球に近いと言える。このため、このようなコア部2の流動性は高くなり、上述した圧縮摩擦作用において、チップ140の回転とともに、容易に転動することができるものとなる。すなわち、チップ140と容器110との隙間に入り込んだコア部2は、チップ140の移動とともに容易に回転することができる。
この回転に伴って、コア部2の表面の全体にわたって均一な圧縮摩擦作用が生じ、その結果、コア部2の表面全体に均一な被覆層3を成膜することができる。
また、コア部2の形状が真球に近ければ、コア部2の破壊、摩耗に対する耐久性を高めることができる。すなわち、コア部2の形状が異形状である場合、コア部2に圧縮摩擦作用が加わった際に、一部に応力が集中し易く、その部位に欠損や摩耗を生じるおそれがあるが、コア部2の形状が真球に近ければ、上述した応力集中が緩和され、欠損や摩耗が防止される。その結果、複合粒子1を製造する過程で、コア部2の形状や粒径が変化するのを防止し、目的とする粉末特性が失われるのを防止することができる。
さらに、被覆層3は、コア部2の表面に絶縁粒子30を機械的に固着させたものであるため、コア部2の表面の状態によらず、密着性が極めて高い。このため、被覆層3の剥離を長期にわたって防止することができる。
また、上述したような被覆層3の成膜は、水溶液を用いた塗布法などと異なり、乾燥下で行うことができ、しかも不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。このため、成膜プロセス中にコア部2と被覆層3との間に水分等が介在するおそれがなくなり、複合粒子1の長期耐久性をさらに高めることができる。
さらには、コア部2の表面に異物や不働態被膜等が付着していて、被覆層3の成膜が阻害される場合でも、圧縮摩擦作用により異物等を除去したり、不働態被膜を破壊することができる。これにより、被覆層3を確実に成膜することができる。
また、コア部2の円形度は0.8〜1とされるが、好ましくは0.9〜1、より好ましくは0.93〜1とされる。このような円形度のコア部2は、統計的に形状を近似したとすると、五角形以上の多角形である確率が高いと言え、したがって、鋭角の内角を有する凸部をほとんど含まないものとなる。このような凸部は、コア部2の転動を阻害する要因となるが、コア部2の円形度が前記範囲内であれば、そのような凸部を含む確率が低くなり、コア部2の転動容易性を飛躍的に高めることができる。
なお、コア部2の円形度が前記下限値を下回った場合、コア部2の転動容易性が低下し、均一な被覆層3を成膜することができないおそれがある。
また、このように円形度の高いコア部2は、例えば前述したような各種アトマイズ法により製造することが可能である。
また、コア部2の転動容易性を高める観点からは、コア部2の流動性に関わるタップ密度が高いことが好ましい。
具体的には、コア部2の真密度に対するタップ密度の割合は、45%以上であるのが好ましく、55%以上であるのがより好ましい。このようなコア部2は、流動性が比較的高いと言えるため、結果的に転動容易性の高いものとなる。
また、コア部2の平均粒径は、特に限定されないが、3〜50μm程度であるのが好ましく、5〜30μm程度であるのがより好ましく、8〜20μm程度であるのがさらに好ましい。このように平均粒径が小さいコア部2を用いて圧粉磁心を製造した場合、渦電流が流れる経路を特に短くすることができる。このため、圧粉磁心の渦電流損失のさらなる低減を図ることができる。
なお、コア部2の平均粒径が前記下限値を下回った場合、コア部2の充填性が低下するため、得られる圧粉磁心の密度が低下し、これにより、圧粉磁心の透磁率および機械的特性が低下するおそれがある。一方、コア部2の平均粒径が前記上限値を上回った場合、圧粉磁心中で渦電流が流れる経路が長くなるため、渦電流損失が急激に増大するおそれがある。
また、前記工程においてコア部2とともに容器110内に投入される絶縁粒子30の平均粒径は、前述したコア部2より小さく、具体的には、絶縁粒子30の平均粒径は、コア部2の平均粒径の1〜60%程度であるのが好ましく、10〜50%程度であるのがより好ましい。絶縁粒子30の平均粒径を前記範囲内に設定することにより、コア部2の表面に対して絶縁粒子30が効率的に固着する。その結果、均一な被覆層3を確実に成膜することができる。
なお、上記範囲は、前述した圧縮摩擦作用により、絶縁粒子30に対して圧縮力が確実に伝達されるために適した粒径であり、かつ、圧縮摩耗作用の下では、コア部2に比べて著しく大きな粒径の複合粒子1は製造できないということに基づく範囲である。
すなわち、絶縁粒子30の平均粒径が前記下限値を下回った場合、絶縁粒子30に対して圧縮摩擦作用が十分に伝わらず、コア部2の表面に絶縁粒子30を固着させることができないおそれがある。一方、絶縁粒子30の平均粒径が前記上限値を上回った場合、絶縁粒子30が仮にコア部2の表面に一旦固着したとしても、その後の圧縮摩擦作用で、絶縁粒子30とコア部2との間に大きな圧縮力が付与され、両者が分離してしまう。その結果、複合粒子1を製造することが困難になるおそれがある。
なお、本発明において、「平均粒径」とは、対象となる粉末の粒度分布において、体積の累積で50%の部分に分布する粉末の粒径を指す。
また、絶縁粒子30を構成するガラス材料として、軟化点が100〜500℃のものを用いることにより、上記の圧縮摩擦作用に伴って、絶縁粒子30の表面が軟化し、絶縁粒子30をコア部2の表面に隙間なく固着させることができる。これにより、被覆層3とコア部2との間に隙間が生じず、長期耐久性および磁気特性に優れた複合粒子1が得られる。
このようにして形成された被覆層3は、その平均膜厚が、コア部2の平均粒径の0.1〜20%程度であるのが好ましく、0.3〜10%程度であるのがより好ましい。被覆層3の平均膜厚が前記範囲内であれば、複合粒子1(絶縁物被覆軟磁性粉末)は、十分な絶縁性を有するとともに、この複合粒子1の集合物を加圧・成形して圧粉磁心を製造した場合には、圧粉磁心の密度の著しい低下が防止され、結果的に、圧粉磁心の透磁率および磁束密度が著しく低下するのを防止することができる。すなわち、渦電流損失が小さく、かつ、透磁率および磁束密度に優れた圧粉磁心を製造可能な複合粒子1が得られる。
なお、このようにして得られた複合粒子1に対し、必要に応じて、分級を行ってもよい。分級の方法としては、例えば、ふるい分け分級、慣性分級、遠心分級のような乾式分級、沈降分級のような湿式分級等が挙げられる。
また、粉末被覆装置100に投入する前に、コア部2および絶縁粒子30を撹拌機または混合機等により、撹拌(混合)するようにしてもよい。
[圧粉磁心および磁性素子]
本発明の磁性素子は、チョークコイル、インダクター、ノイズフィルター、リアクトル、モーター、発電機のように、磁心を備えた各種磁性素子(電磁気部品)に適用可能である。すなわち、本発明の圧粉磁心は、これらの磁性素子が備える磁心に適用可能である。
以下、磁性素子の一例として、2種類のチョークコイルを代表に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の磁性素子の第1実施形態を適用したチョークコイルについて説明する。
図3は、チョークコイルの構成を示す模式図(平面図)である。
図3に示すチョークコイル10は、リング状(トロイダル形状)の圧粉磁心11と、この圧粉磁心11に巻き回された導線12とを有する。このようなチョークコイル10は、一般に、トロイダルコイルと称される。
圧粉磁心11は、複合粒子1(本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末)とバインダーと有機溶媒とを混合し、得られた混合物を成形型に供給するとともに、加圧・成形して得られたものである。
圧粉磁心11の作製に用いられるバインダーの構成材料としては、例えば、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等の有機バインダー、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸カドミウムのようなリン酸塩、ケイ酸ナトリウムのようなケイ酸塩(水ガラス)等の無機バインダー等が挙げられるが、特に、熱硬化性ポリイミドまたはエポキシ系樹脂が好ましい。これらの樹脂材料は、加熱されることによって容易に硬化するとともに、耐熱性に優れたものである。したがって、圧粉磁心11の製造容易性および耐熱性を高めることができる。
また、複合粒子1に対して混合するバインダーの割合は、作製する圧粉磁心11の目的とする磁束密度や、許容される渦電流損失等に応じて若干異なるが、0.5〜5質量%程度であるのが好ましく、1〜3質量%程度であるのがより好ましい。これにより、複合粒子1の各粒子同士をより確実に絶縁しつつ、圧粉磁心11の密度をある程度確保して、圧粉磁心11の透磁率および磁束密度が著しく低下するのを防止することができる。その結果、透磁率および磁束密度が高く、かつ低損失の圧粉磁心11が得られる。
また、有機溶媒としては、バインダーを溶解し得るものであれば特に限定されないが、例えば、トルエン、クロロホルム、酢酸エチル等の各種溶媒が挙げられる。
なお、前記混合物中には、必要に応じて、任意の目的で各種添加剤を添加するようにしてもよい。
以上のようなバインダーにより、複合粒子1の集合物は、成形時の形状を保持し、圧粉磁心11として機能する。
このようにして製造された圧粉磁心11では、コア部2の表面を覆う被覆層3と、複合粒子1の隙間に行き渡ったバインダーとにより、コア部2同士が確実に絶縁されることとなる。その結果、圧粉磁心11に高周波数で変化する磁場を付与しても、この磁場変化に対する電磁誘導で発生する起電力に伴う誘導電流は、粒子単位の比較的狭い領域にしか及ばない。このため、この誘導電流によるジュール損失を小さく抑えることができる。
また、このジュール損失は、圧粉磁心11の発熱を招くこととなるため、ジュール損失を抑えることにより、チョークコイル10の発熱量を減らすこともできる。
なお、コア部2は、前述したように比較的真球に近い球形状をなしているため、このようなコア部2を含む複合粒子1の集合物をバインダーとともに加圧・成形した際に、複合粒子1同士の間に存在するバインダーが、加圧に伴う複合粒子1同士の接近により、断ち切られてしまう現象を最小限に抑えることができる。これは、複合粒子1の表面が滑らかな湾曲面で構成されており、著しい凸部等がほとんど存在しないからである。その結果、成形により得られた圧粉磁心11では、複合粒子1同士の間にバインダーが行き渡り、複合粒子1間を確実に絶縁することができる。
一方、導線12の構成材料としては、導電性の高い材料が挙げられ、例えば、Cu、Al、Ag、Au、Ni等の金属材料、またはかかる金属材料を含む合金等が挙げられる。
なお、導線12の表面に、絶縁性を有する表面層を備えているのが好ましい。これにより、圧粉磁心11と導線12との短絡をより確実に防止することができる。
かかる表面層の構成材料としては、例えば、エナメル等の各種樹脂材料等が挙げられる。
次に、圧粉磁心11およびチョークコイル10の製造方法について説明する。
まず、複合粒子1と、バインダーと、各種添加剤と、有機溶媒とを混合し、混合物を得る。
次いで、得られた混合物を乾燥させて塊状の乾燥体を得た後、この乾燥体を粉砕することにより、造粒粉を形成する。
次に、この造粒粉を、作製すべき圧粉磁心の形状に成形し、成形体を得る。
この場合の成形方法としては、特に限定されないが、例えば、プレス成形、押出成形、射出成形等の方法が挙げられる。
なお、この成形体の形状寸法は、以後の成形体を加熱した際の収縮分を見込んで決定される。
次に、得られた成形体を加熱することにより、成形体中のバインダーを硬化させ、圧粉磁心11を得る。
このときの加熱温度は、バインダーの組成等に応じて若干異なるものの、バインダーが有機バインダーで構成されている場合、好ましくは100〜250℃程度とされ、より好ましくは120〜200℃程度とされる。
また、加熱時間は、加熱温度に応じて異なるものの、0.5〜5時間程度とされる。
次いで、圧粉磁心11の外周面に導線12を巻き回すことにより、チョークコイル10が得られる。
なお、上述したチョークコイル10では、複合粒子1の粒子同士をバインダーで結着することにより圧粉磁心11を得ているが、複合粒子1の各粒子が絶縁性の高い被覆層3を備えていることから、複合粒子1の各粒子同士を焼結させることにより、各複合粒子1の被覆層3同士を固着させ、圧粉磁心11を得るようにしてもよい。
以下、複合粒子1の各粒子同士を焼結させることにより圧粉磁心11を得る方法について説明する。
まず、複合粒子1と、バインダーと、各種添加剤と、有機溶媒とを混合し、混合物を得る。
ここで用いるバインダーとしては、熱分解するものであればよく、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、エチレンビスステアロアミド、エチレンビニル共重合体、パラフィン、ワックス、アルギン酸ソーダ、寒天、アラビアゴム、レジン、しょ糖等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
次いで、得られた混合物を乾燥させて塊状の乾燥体を得た後、この乾燥体を粉砕することにより、造粒粉を形成する。
次に、この造粒粉を、作製すべき圧粉磁心の形状に成形し、成形体を得る。
この場合の成形方法としては、特に限定されないが、例えば、プレス成形、押出成形、射出成形等の方法が挙げられる。
なお、この成形体の形状寸法は、以後の成形体を加熱した際の収縮分を見込んで決定される。
次に、得られた成形体を加熱することにより、成形体中のバインダーを分解・除去(脱脂)し、脱脂体を得る。
このときの加熱温度は、バインダーの組成等に応じて若干異なるものの、300〜900℃程度であるのが好ましく、400〜700℃程度であるのがより好ましい。
また、加熱時間は、特に限定されず、例えば0.5〜10時間程度とされる。
次に、得られた脱脂体を加熱することにより、成形体中の複合粒子1の各粒子に含まれた被覆層3同士が焼結し、固着する。その結果、バインダーをほとんど含まない、特に高密度の圧粉磁心11が得られる。このような圧粉磁心11は、透磁率および磁束密度が特に高いものとなる。
また、複合粒子1の各粒子同士の間にバインダーを介していないので、圧粉磁心11の内部に隙間が生じ難くなる。このため、圧粉磁心11の機械的特性が向上するとともに、圧粉磁心11内の隙間に大気中の水分等を取り込むおそれがなくなるので、圧粉磁心11の耐久性がより向上する。
このときの加熱温度は、被覆層3を構成する絶縁物の焼結温度以上であればよく、例えば、800〜1200℃程度であるのが好ましく、900〜1100℃程度であるのがより好ましい。
また、加熱時間は、特に限定されず、例えば0.5〜10時間程度とされる。
以上のような方法でも、圧粉磁心11を製造することができる。
このようにして得られた圧粉磁心(本発明の圧粉磁心)11は、低損失で、耐久性の高いものとなる。このため、かかる圧粉磁心11の外周面に沿って導線12を巻き回してなるチョークコイル(本発明の磁性素子)10は、優れた高周波数特性を長期にわたって維持することができる。また、チョークコイル10の小型化や定格電流の増大を図ることができ、発熱量の低減を容易に実現することができる。
<第2実施形態>
まず、本発明の磁性素子の第2実施形態を適用したチョークコイルについて説明する。
図4は、チョークコイルの構成を示す模式図(透過斜視図)である。
以下、第2実施形態にかかるチョークコイルについて説明するが、それぞれ、前記第1実施形態にかかるチョークコイルとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態にかかるチョークコイル20は、図4に示すように、コイル状に成形された導線22を、圧粉磁心21の内部に埋設してなるものである。すなわち、チョークコイル20は、導線22を圧粉磁心21でモールドしてなるものである。
このような形態のチョークコイル20は、比較的小型かつ薄型のものが容易に得られる。そして、このような小型のチョークコイル20を製造する場合、透磁率および磁束密度が高く、かつ、損失の小さい圧粉磁心21が、その作用・効果をより有効に発揮する。すなわち、より小型であるにもかかわらず、大電流に対応可能な低損失・低発熱のチョークコイル20が得られる。
また、導線22が圧粉磁心21の内部に埋設されているため、導線22と圧粉磁心21との間に隙間が生じ難い。このため、圧粉磁心21の磁歪による振動を抑制し、この振動に伴う騒音の発生を抑制することもできる。
以上のような本実施形態にかかるチョークコイル20を製造する場合、まず、成形型のキャビティ内に導線22を配置するとともに、キャビティ内を複合粒子1で充填する。すなわち、導線22を包含するように、複合粒子1を充填する。
次に、導線22とともに、複合粒子1およびバインダーを加圧して成形体を得る。
次いで、前記第1実施形態と同様に、この成形体に熱処理を施す。これにより、チョークコイル20が得られる。
以上、本発明の絶縁物被覆軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、本発明の磁性素子としてチョークコイルを例に説明したが、圧粉磁心を備える他の磁性素子においても、上記と同様の作用・効果が得られる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.圧粉磁心および磁性素子の製造
(実施例1)
[1]まず、水アトマイズ法により製造されたFe−Cr−Si系合金の軟磁性粉末(コア部)を用意した。この軟磁性粉末は、Crを4.5質量%、Siを3.5質量%の割合でそれぞれ含むFe基合金粉末である。なお、この軟磁性粉末の粉末特性は以下のとおりである。
<軟磁性粉末の粉末特性>
・平均粒径 :12μm
・投影像の円形度 :0.94
・タップ密度 :4.3g/cm
・真密度 :7.6g/cm
・真密度に対するタップ密度の割合:57%
・保磁力 :14.2Oe(1130A/m)
・質量磁化率 :190emu/g(3×10−6Hm/kg)
また、酸化スズを含むリン酸塩系ガラスの粉末(絶縁粒子)を用意した。この粉末は、SnO−P−MgO系ガラス(SnO:62モル%、P:33モル%、MgO:5モル%)の粉末である。
<ガラス粉末の粉末特性>
・平均粒径 :3μm
・ガラス材料の軟化点 :404℃
また、リン酸塩系ガラス粉末の平均粒径は、軟磁性粉末の平均粒径の25%であった。
[2]次に、図2に示す粉末被覆装置100の容器110内に、軟磁性粉末とリン酸塩系ガラス粉末とを投入した。そして、粉末被覆装置100を稼働させ、軟磁性粉末の周囲にリン酸塩系ガラス粉末が固着してなる複合粒子(絶縁物被覆軟磁性粉末)を得た。
なお、得られた複合粒子の被覆層の平均厚さは2μmであり、絶縁層の平均厚さの軟磁性粉末の平均粒径に対する割合は17%であった。なお、この絶縁層の平均厚さは、他の実施例および各比較例においてもほぼ同様であった。
[3]次に、得られた複合粒子と、エポキシ樹脂(有機バインダー)と、トルエン(有機溶媒)とを混合して混合物を得た。なお、エポキシ樹脂の添加量は、軟磁性粉末に対して2質量%とした。
[4]次に、得られた混合物を撹拌したのち、温度60℃で1時間加熱して乾燥させ、塊状の乾燥体を得た。次いで、この乾燥体を目開き500μmのふるいにかけ、乾燥体を粉砕して造粒粉末を得た。
[5]次に、得られた造粒粉末を成形型に充填し、下記の成形条件に基づいて成形体を得た。
<成形条件>
・成形方法 :プレス成形
・成形体の形状:リング状
・成形体の寸法:外径28mm、内径14mm、厚さ5mm
・成形圧力 :6t/cm(588MPa)
[6]次に、成形体を大気雰囲気中において、温度150℃で1時間加熱して、エポキシ樹脂を硬化させた。これにより、圧粉磁心を得た。
[7]次に、次に、得られた圧粉磁心を用い、以下の作製条件に基づいて、図3に示すチョークコイル(磁性素子)を作製した。
<コイル作製条件>
・導線の構成材料 :Cu
・導線の線径 :0.5mm
・巻き数(透磁率測定時):7ターン
・巻き数(鉄損測定時) :1次側30ターン、2次側30ターン
(実施例2)
以下に示す粉末特性のガラス粉末を用いるようにした以外は、前記実施例1と同様にして圧粉磁心およびチョークコイルを作製した。なお、以下に示す粉末特性は、実施例1との相違点である。
<ガラス粉末の粉末特性>
・平均粒径 :5μm
・軟磁性粉末の平均粒径に対するガラス粉末の平均粒径の割合:42%
(実施例3)
以下に示す粉末特性のガラス粉末を用いるようにした以外は、前記実施例1と同様にして圧粉磁心およびチョークコイルを作製した。なお、以下に示す粉末特性は、実施例1との相違点である。
<ガラス粉末の粉末特性>
・平均粒径 :7μm
・軟磁性粉末の平均粒径に対するガラス粉末の平均粒径の割合:58%
(実施例4)
水アトマイズ法における条件を変更することにより得られた、以下の粉末特性の軟磁性粉末を用いるようにした以外は、前記実施例2と同様にして圧粉磁心およびチョークコイルを作製した。なお、以下に示す粉末特性は、実施例2との相違点である。
<軟磁性粉末の粉末特性>
・投影像の円形度 :0.92
(実施例5)
水アトマイズ法における条件を変更することにより得られた、以下の粉末特性の軟磁性粉末を用いるようにした以外は、前記実施例4と同様にして圧粉磁心およびチョークコイルを作製した。なお、以下に示す粉末特性は、実施例4との相違点である。
<軟磁性粉末の粉末特性>
・投影像の円形度 :0.90
・タップ密度 :4.2g/cm
・真密度に対するタップ密度の割合:55%
(実施例6)
以下に示す粉末特性のガラス粉末を用いるようにした以外は、前記実施例5と同様にして圧粉磁心およびチョークコイルを作製した。なお、以下に示す粉末特性は、実施例5との相違点である。
<ガラス粉末の粉末特性>
・平均粒径 :7μm
(実施例7)
以下に示す粉末特性のガラス粉末を用いるようにした以外は、前記実施例5と同様にして圧粉磁心およびチョークコイルを作製した。なお、以下に示す粉末特性は、実施例5との相違点である。
<ガラス粉末の粉末特性>
・組成 :ホウ酸塩系ガラス
・ガラス材料の軟化点 :600℃
(実施例8)
水アトマイズ法における条件を変更することにより得られた、以下の粉末特性の軟磁性粉末を用いるようにした以外は、前記実施例2と同様にして圧粉磁心およびチョークコイルを作製した。なお、以下に示す粉末特性は、実施例2との相違点である。
<軟磁性粉末の粉末特性>
・投影像の円形度 :0.86
・タップ密度 :4.0g/cm
・真密度に対するタップ密度の割合:52%
(比較例1)
水アトマイズ法における条件を変更することにより得られた、以下の粉末特性の軟磁性粉末を用いるようにした以外は、前記実施例2と同様にして圧粉磁心およびチョークコイルを作製した。なお、以下に示す粉末特性は、実施例2との相違点である。
<軟磁性粉末の粉末特性>
・投影像の円形度 :0.78
・タップ密度 :3.7g/cm
・真密度に対するタップ密度の割合:49%
(比較例2)
カルボニル反応法により製造された、以下の粉末特性の軟磁性粉末を用いるようにした以外は、前記実施例2と同様にして圧粉磁心およびチョークコイルを作製した。なお、以下に示す粉末特性は、実施例2との相違点である。
<軟磁性粉末の粉末特性>
・投影像の円形度 :0.67
・タップ密度 :3.0g/cm
・真密度に対するタップ密度の割合:39%
(比較例3)
まず、水中に軟磁性粉末を分散させ、懸濁液を得た。次いで、この懸濁液に水ガラス(ケイ酸ソーダ)を添加し、撹拌した。なお、水ガラスの添加量は、軟磁性粉末に対して1質量%とした。
その後、得られた懸濁液を濾過・水洗・乾燥することにより、軟磁性粉末が水ガラスの被膜で被覆されてなる複合粒子が得られた(塗布法)。得られた複合粒子における水ガラスの被膜の平均厚さは、約2μmであった。
次いで、この複合粒子を用い、前記実施例1と同様にして圧粉磁心およびチョークコイルを作製した。
(比較例4)
複合粒子の被覆層の成膜を省略した以外は、前記実施例1と同様にして圧粉磁心およびチョークコイルを作製した。
2.評価
2.1 絶縁抵抗値の測定・評価
各実施例および各比較例で得られた圧粉磁心について、それぞれの直流電圧100V〜800V印加時の絶縁抵抗値を、絶縁耐圧測定機(KIKUSUI ELECTRONICS製、TOS9000)を使用して測定した。そして、測定した絶縁抵抗値を、以下の評価基準にしたがって相対的に評価した。なお、測定機の端子間距離は5mmとした。
<絶縁抵抗値の評価基準(500V印加時)>
◎:絶縁抵抗値が特に高い(1GΩ以上)
○:絶縁抵抗値がやや高い(500MΩ以上1GΩ未満)
△:絶縁抵抗値がやや低い(100MΩ以上500MΩ未満)
×:絶縁抵抗値が特に低い(100MΩ未満)
2.2 損失(コアロス)および透磁率の測定・評価
各実施例および各比較例で得られたチョークコイルについて、それぞれの損失(コアロス)および透磁率を以下の測定条件に基づいて測定した。
<測定条件>
・測定周波数 :10〜200kHz
・最大磁束密度:50mT
・測定装置 :交流磁気特性測定装置(岩通計株式会社製、B−HアナライザSY8258)
そして、得られた損失および透磁率を、それぞれ、以下の評価基準にしたがって相対的に評価した。
<損失および透磁率の評価基準>
×:透磁率が低く、かつ、損失が大きいもの
△:透磁率が高いが損失が大きいもの、または、透磁率が低いが損失が小さいもの
○:透磁率が高く、かつ、損失が小さいもの
◎:上記○のうち、透磁率が特に高いか、または、損失が特に小さいもの
2.3 耐食性の測定・評価
各実施例および各比較例で得られたチョークコイルについて、それぞれの高温高湿環境下での絶縁抵抗値の変化を測定(加速試験)することにより、チョークコイルの耐食性・安定性を評価した。
なお、加速試験は恒温恒湿機(大研理化学器械株式会社製)で行い、試験環境は、以下の駆動環境に示すように、温度85℃、湿度90%とした。絶縁抵抗値の測定は、絶縁耐圧測定機(KIKUSUI ELECTRONICS製、TOS9000)を使用し、100V印加時の絶縁抵抗値を測定した。そして、加速試験前(駆動開始直後)の初期の絶縁抵抗値Rと、100日(2400時間)経過後の絶縁抵抗値R100とをそれぞれ測定した。
<チョークコイルの駆動環境>
・温度 :80℃
・湿度 :90%R.H.
・圧力 :2気圧(203kPa)
次いで、それぞれのチョークコイルにおいて、初期の絶縁抵抗値Rを100としたとき、100日経過後の絶縁抵抗値R100の相対値を求めた。そして、この相対値を、以下の評価基準にしたがって評価した。
<絶縁抵抗値の評価基準>
◎:R100が90以上100以下である
○:R100が70以上90未満である
△:R100が50以上70未満である
×:R100が50未満である
また、100日経過後の圧粉磁心の外観を目視にて観察し、以下の評価基準にしたがって評価した。
<外観の評価基準>
◎:錆が全く認められない
○:1〜10個の点状の錆が認められる
△:11〜50個の点状の錆が認められる
×:50個以上の点状の錆、または、1個以上の面状の錆が認められる
次いで、絶縁抵抗値と外観とを以下の評価基準にしたがって評価することにより、耐食性を総合的に評価した。
<耐食性の総合評価基準>
◎:絶縁抵抗値と外観の両方が◎
○:絶縁抵抗値と外観の両方が○、または、一方が○で他方が◎
△:絶縁抵抗値と外観の両方が△、または、一方が△で他方が◎か○
×:絶縁抵抗値と外観の少なくとも一方が×
以上、2.1〜2.3の測定結果を表1に示す。
Figure 2010232223
表1から明らかなように、各実施例では、いずれも、磁気特性に優れる(高透磁率および低損失である)とともに、長期の耐食性に優れた圧粉磁心およびチョークコイルを得ることができた。
これに対し、各比較例で得られたチョークコイルは、それぞれ、磁気特性または耐食性のいずれか一方または双方が劣っていた。
1……複合粒子 2……コア部 3……被覆層 30……絶縁粒子 100……粉末被覆装置 110……容器 120……アーム 130……回転軸 140……チップ 150……スクレーパー 10、20……チョークコイル 11、21……圧粉磁心 12、22……導線

Claims (12)

  1. 軟磁性材料で構成された粒子状のコア部と、該コア部を覆うように設けられた絶縁性材料で構成された被覆層とを有し、
    前記被覆層は、前記コア部に対して、前記コア部より小径の前記絶縁性材料の粒子を機械的に固着させて形成されたものであり、
    前記コア部は、その投影像の円形度(前記コア部の投影像の面積と同じ面積の真円の周長/前記コア部の投影像の周長)の平均値が、0.8〜1であることを特徴とする絶縁物被覆軟磁性粉末。
  2. 前記コア部のタップ密度は、前記コア部の真密度に対して、45%以上である請求項1に記載の絶縁物被覆軟磁性粉末。
  3. 前記コア部の平均粒径は、3〜50μmである請求項1または2に記載の絶縁物被覆軟磁性粉末。
  4. 前記絶縁性材料の粒子の平均粒径は、前記コア部の平均粒径の1〜60%である請求項1または2に記載の絶縁物被覆軟磁性粉末。
  5. 前記軟磁性材料は、Fe系合金である請求項1ないし4のいずれかに記載の絶縁物被覆軟磁性粉末。
  6. 前記絶縁性材料は、無機材料である請求項1ないし5のいずれかに記載の絶縁物被覆軟磁性粉末。
  7. 前記ガラス材料の軟化点は、100〜500℃である請求項6に記載の絶縁物被覆軟磁性粉末。
  8. 前記コア部は、水アトマイズ法により製造されたものである請求項1ないし7のいずれかに記載の絶縁物被覆軟磁性粉末。
  9. 前記機械的な固着は、前記コア部と前記絶縁性材料の粒子との混合物を、同一の容器内で、加圧しつつ撹拌することにより行われたものである請求項1ないし8のいずれかに記載の絶縁物被覆軟磁性粉末。
  10. 前記被覆層は、前記絶縁性材料の粒子がその原型を維持しつつ、該粒子の表面が、前記コア部の表面に融合してなるものである請求項1ないし9のいずれかに記載の絶縁物被覆軟磁性粉末。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の絶縁物被覆軟磁性粉末とバインダーとの混合物を、加圧・成形して成形体を得た後、該成形体中の前記バインダーを硬化させてなることを特徴とする圧粉磁心。
  12. 請求項11に記載の圧粉磁心を備えたことを特徴とする磁性素子。
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