JP2010232017A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010232017A
JP2010232017A JP2009078369A JP2009078369A JP2010232017A JP 2010232017 A JP2010232017 A JP 2010232017A JP 2009078369 A JP2009078369 A JP 2009078369A JP 2009078369 A JP2009078369 A JP 2009078369A JP 2010232017 A JP2010232017 A JP 2010232017A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
electrode
layer
dielectric material
precursor layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009078369A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoi Hatanaka
基 畑中
Shuzo Tsuchida
修三 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2009078369A priority Critical patent/JP2010232017A/ja
Publication of JP2010232017A publication Critical patent/JP2010232017A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

【課題】誘電体層形成後に生じ得る沿電極方向クラックを効果的に防止または軽減できるPDP製造法を提供すること。
【解決手段】基板上に表示電極と誘電体層と保護層とが形成された前面板を有して成るプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、表示電極が、透明電極とバス電極とから成る電極が対となった電極対を複数有して成ることにより構成されており、誘電体層の形成が、(i)ガラス成分および有機溶剤を含んで成る誘電体原料を調製する工程、(ii)誘電体原料をバス電極間のみに供給し、供された誘電体原料から有機溶剤を減じて第1誘電体前駆層を形成する工程、(iii)誘電体原料を第1誘電体前駆層の上に供給し、供された誘電体原料から有機溶剤を減じて第2誘電体前駆層を形成する工程、ならびに、(iv)第1誘電体前駆層および第2誘電体前駆層を熱処理に付して、誘電体層を形成する工程を含むことを特徴とする製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に関し、特にプラズマディスプレイパネルの前面板側の誘電体層の製造方法に関する。
高品位テレビジョン画像を大画面で表示するためのディスプレイ装置として、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPとも称す)を用いたディスプレイ装置への期待は高まっている。
PDP(例えば3電極面放電型PDP)は、映像を見る人から見て表面側となる前面板とその裏側の背面板とを対向配置して、それらの周辺部を封着部材で封着した構造を有している。前面板と背面板との間に形成された放電空間にはネオンおよびキセノンなどの放電ガスが封入されている。前面板は、ガラス基板の一方の面に形成された走査電極と維持電極とから成る表示電極対と、これらの電極を覆う誘電体層と保護層とを備えている。背面板は、ガラス基板に上記表示電極対と直交する方向にストライプ状に形成された複数のアドレス電極と、これらのアドレス電極を覆う下地誘電体層と、アドレス電極毎に放電空間を区画する隔壁と、隔壁の側面および下地誘電体層上に塗布された赤色・緑色・青色の蛍光体層とを備えている。
表示電極対とアドレス電極とは直交していて、その交差部が放電セルを成している。これらの放電セルはマトリクス状に配列されており、表示電極対の方向に並ぶ赤色・緑色・青色の蛍光体層を有する3個の放電セルがカラー表示のための画素となる。このようなPDPでは、順次、走査電極とアドレス電極間、および走査電極と維持電極間に所定の電圧が印加されてガス放電を発生させている。そして、かかるガス放電で生じる紫外線により蛍光体層を励起して可視光を発光させることによってカラー画像表示を実現している。
近年では、PDPの高精細化に伴って放電セルが微細化してきている(例えば、高精細化に伴って背面側の隔壁を約100μmピッチで形成する必要がある)。放電セルのサイズが小さくなると、発光輝度が低下し、消費電力が増大するという問題がある。これは、開口率の減少、画素数の増加に伴う1画素当りの発光時間の減少、発光効率の低下などに起因する。発光輝度を高める方法として、背面板の隔壁の幅を細くすることにより開口率の増加を図る方法があるが、それだけでは発光輝度が依然不足しており、更なる改善が必要である。
発光輝度を高める他の方法として、前面板における誘電体層の誘電率を下げて放電時の無効電力を低減し、発光効率を高める方法がある。現行のPDP製造方法において前面板側の誘電体層は、数μmの大きさのガラス粉末と有機バインダと溶媒を含むガラス材料をスクリーン印刷やダイコートなど公知の方法を用いてガラス板上に塗布している。その後、乾燥工程、脱バインダ工程(300〜400℃)、焼成工程(500〜600℃)を経て誘電体層を形成している。しかしながら現行の誘電体材料はガラス粉末を低温で溶融させるため、ガラスの融点を低下させる材料(一般的にBiなど)を添加する必要がある(例えば、特許文献1を参照)。この低融点ガラス材料は純度が低く、比誘電率が10以上と高い。また、他の物質(一般的にアルカリ金属など)を添加することで比誘電率を低下させることも可能であるものの、PDPの電極には銀などの高導電性金属が主成分として用いられているので、イオンマイグレーションによる銀の拡散およびコロイド化が促進され、誘電体に黄変現象が発生してしまう。これはPDPの光学特性に対して大きく悪影響を及ぼす。
そこで誘電体層の誘電率を下げることで発光輝度を高めるためには、現行のガラスペーストに変わる新しい低誘電率材料およびその材料を用いた誘電体層の形成方法の開発が必要となる。高純度の酸化物誘電体層を形成する方法としては、固体酸化物を真空下でスパッタリングして基板に堆積させる方法(スパッタリング蒸着法)や、原料をプラズマにより分解し、堆積させる方法(化学蒸着法)などがある。これらの方法により高純度で低誘電率の誘電体層を形成できるものの、高価な真空設備を必要とし、成膜レートが毎分数100nm程度と小さい。また、必要とする膜厚は絶縁耐圧などの関係上、一般的には10μm以上は必要であり、生産性を高めながら誘電体層を形成するには、設備台数が増えてしまうといった問題がある。
別法にて、純度の高いシリカを溶融させることが考えられるが、1000℃以上の高温を必要とするために現実的ではない。
一方、生産性を確保しながら、低誘電率の誘電体を形成する方法としてゾルゲル法がある。この方法では、溶媒中の金属アルコキシドを加水分解してシリコン化合物を得た後、加熱に付して縮重合処理することによって、酸化ケイ素を主成分とする膜を形成している。例えばシリコン化合物が水酸化ケイ素(Si(OH))の場合、下記のような縮重合反応によって、−Si−O−Si−のネットワークが形成され、誘電体層となる固体のSiOが形成される:

nSi(OH)→nSiO+2nH
(n:1以上の整数)

また、シリコン化合物がシロキサンの場合では、下記のような縮重合反応によって誘電体層が形成される:

この方法によれば、原料ペーストの塗布に既存の設備を利用できるので安価な製造コストと短いタクトとの両立が可能となるだけでなく、ガラスを溶融させる過程を経ないので低温で誘電体層を形成できる。しかしながら、縮合重合反応に起因した体積収縮によって誘電体層にクラックが発生することがあり(図7参照)、厚膜を形成することが一般に困難である(一般的には100nm程度の厚さの誘電体層を形成するのは困難である)。
これに対処するために、酸または塩基の触媒を用い、体積収縮を抑制するために金属アルコキシドにフェニル基やアクリル基などの有機官能基を付与することで厚膜化を実現する方法がある(例えば、特許文献2を参照)。この方法では、調製された誘電体材料を、公知の方法によって塗布し、熱または紫外線により処理することでPDP誘電体層を形成している。しかしながら、この方法で調製された材料では、400℃程度の高温の大気雰囲気下にて、付与された有機物の分解が促進されることが考えられる。その結果、体積収縮に起因してクラックが発生することになり、数μm程度の厚膜化しか実現できない。
特開2002−053342号公報 特開2005−108691号公報
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものである。つまり、本発明の課題は、誘電体層形成後に生じ得る沿電極方向クラックを効果的に防止または軽減できるPDP製造法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、誘電体層の形成時に生じ得る“段差”に着目した。具体的には、基板の電極パターン上に塗布した誘電体原料ペーストを乾燥させる際、図8または図9(c)に示すような“段差”が生じる現象に着目した。この“段差”は、原料ペーストが塗布される基板面に“電極形成領域”と“電極非形成領域”とが存在することに起因している(それゆえ、“段差”を“電極段差”とも称すことができる)。図8に示すように、“電極形成領域”にて基板表面から誘電体前駆層の表面までの距離をD1、“電極非形成領域”にて基板表面から誘電体前駆層の表面までの距離をD2、電極厚さをD3とすると、誘電体前駆層の段差のサイズD4はD4=D1−D2で表される。本発明者らは、誘電体層形成時に発生する応力を有限要素法により解析した結果、“段差”に応力が集中しやすいことを見出した(図10(a)参照)。特に、図10(c)を参照すると分かるように、“段差”のサイズD4が大きくなると、応力が大きくなりクラックが生じやすくなることを見出した。特定の理論に拘束されるわけではないが、“段差”が存在すると、電極端部での誘電体膜厚が小さいので、乾燥時および焼成時などの熱負荷がかかると、電極材料と誘電体材料との熱膨張係数の違いによって電極端部領域にて応力が発生し易くなるからであると考えられる。
このような検討を通じて、本発明者らは、誘電体層の沿電極方向クラックを効果的に防止または軽減できるPDP製造法の発明を完成させた。かかる本発明は、基板上に表示電極と誘電体層と保護層とが形成された前面板を有して成るプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
表示電極が、透明電極とバス電極とから成る電極が対となった電極対を複数有して成ることにより構成されており、
前面板側の誘電体層の形成が、
(i)ガラス成分および有機溶剤(または有機溶媒)を含んで成る誘電体原料を調製する工程、
(ii)誘電体原料をバス電極間のみに供給し、供された誘電体原料から有機溶剤を減じて第1誘電体前駆層を形成する工程、
(iii)誘電体原料を第1誘電体前駆層の上に供給し、供された誘電体原料から有機溶剤を減じて第2誘電体前駆層を形成する工程、ならびに
(iv)第1誘電体前駆層および第2誘電体前駆層を熱処理に付して、それらから誘電体層を形成する工程
を含んで成ることを特徴とする製造方法を提供する。
本発明の製造方法は、バス電極間のみに第1誘電体前駆層を局所的に形成した後に、第2誘電体前駆層を全体的に形成することを特徴としている。好ましくは、第1誘電体前駆層は、バス電極と面一となるように形成する。このような本発明の製造方法を用いると、“誘電体前駆層の段差”を減じることができ、結果的に“クラック”を防止または軽減できる。
本明細書において、「前面板」とは、映像を見る人から見て表面側となるパネル基板を指しており、実質的には、蛍光体層および隔壁が存在していない側のパネル基板を指している(換言すれば、蛍光体層および隔壁が存在する“背面板”と対向配置されるパネル基板が“前面板”であるといえる)。
ある好適な態様では、電極対の対を成す2つのバス電極間Aの距離をLxとし、電極対と隣り合う電極対との間において隣接する2つのバス電極間Bの距離をLyとすると、バス電極間Aに供給する誘電体原料の供給量Qxおよびバス電極間Bに供給する誘電体原料の供給量Qyが、式1の関係式を満たしている。
(式1)
Qx/Lx:Qy/Ly=1:0.5〜1:2
工程(ii)では第1誘電体前駆層を複数層から成る層として形成してよく、第1誘電体前駆層を構成する各々の層が、供された誘電体原料から有機溶剤を減じて得られる層であってよい。
更なる好適な態様では、工程(i)で調製される誘電体原料のガラス成分がシリカ粒子を含んで成り(最終的に得られる誘電体層重量に対して好ましくは10〜90重量%程度)、工程(ii)で供される誘電体原料に含まれるシリカ粒子の平均サイズが工程(iii)で供される誘電体原料に含まれるシリカ粒子の平均サイズよりも小さくなっている。つまり、第1誘電体前駆層に含まれるシリカ粒子の平均サイズが、第2誘電体前駆層に含まれるシリカ粒子の平均サイズよりも小さくなっている。ここでいう「平均サイズ」とは、シリカ粒子が球形状の場合、その直径を実質的に意味しており、シリカ粒子が球形状でない場合には、同一体積を保持したままシリカ粒子を球形状とした場合の直径を実質的に意味している。
表示電極(特にバス電極)に“エッジカール”が存在している場合、工程(i)で調製される誘電体原料の基板または透明電極に対する接触角が「エッジカール下部の隙間により形成される角度」(即ち、「バス電極端部と基板とが成す角度」)よりも小さいことが好ましい。
本発明の製造方法では、誘電体層の形成に際して、第1誘電体前駆層を実質的にバス電極と面一となるように形成した後に、第2誘電体前駆層を形成している。これにより、誘電体原料の1回塗布により誘電体層を得る従来の場合と比べて“誘電体前駆層の段差”を小さくすることができる。その結果、誘電体前駆層の熱処理時において電極端部近傍の誘電体前駆層または誘電体層に生じ得る応力を低減ないしは回避できるので、沿電極方向クラックを効果的に防止または軽減することができる。
クラック等のような物理的欠陥を防止できると、得られるPDPは、高精細化に対応可能な優れた耐絶縁性能を有することになり(即ち、高電圧の印加時における誘電体層の絶縁破壊が防止されることになり)、パネル寿命が伸びる。
また、本発明の製造方法は、クラック発生を懸念することなくゾルゲル法で誘電体層を形成できるので、誘電体層の厚膜化が可能となるだけでなく、比誘電率5以下(23℃および1MHzでの比誘電率の値)の誘電体層を形成できる。このように、本発明では、低誘電率化が可能であり、それゆえ、高い発光効率を達成することができ、低消費電力のPDPを実現できる。換言すれば、本発明の製造方法では、低誘電率化に有利なゾルゲル法を利用しつつも、そのようなゾルゲル法を利用する際の不都合な点(つまり、縮合反応時の体積収縮に起因して生じるクラック)が解消または抑制されている点で非常に有益といえる。
以下にて、図面を参照して、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法を詳細に説明する。尚、図面に示す各種の要素は、本発明の理解のために模式的に示したにすぎず、寸法比や外観などは実物と異なり得ることに留意されたい。
プラズマディスプレイパネルの構成
まず、本発明の製造方法を経ることによって最終的に得られるプラズマディスプレイパネルを簡単に説明する。図1(a)に、PDPの構成を断面斜視図により模式的に示す。
PDP(100)の前面板(1)では、平滑で透明かつ絶縁性の基板(10)(例えばガラス基板)上に、走査電極(12)と維持電極(13)とから成る表示電極(11)が複数形成されており、その表示電極(11)を覆うように誘電体層(15)が形成され、更に、その誘電体層(15)上に保護層(16)(例えば、MgOから成る保護層)が形成されている。特に、表示電極(11)は、図1(b)に示すように、透明電極(12a,13a)とバス電極(12b、13b)とから成る電極が対となった電極対(11)を複数有して成ることにより構成されている。透明電極(12a,13a)は、酸化インジウム(ITO)または酸化スズ(SnO)などから成る透明な導電膜であり、好ましくは50〜500nm程度の厚さ寸法を有している。一方、バス電極(12b、13b)は、銀を主成分とした黒色を帯びた電極であり、好ましくは1〜10μm程度の厚さ寸法を有していると共に、好ましくは10〜200μmの幅寸法、より好ましくは50〜100μmの幅寸法を有している。
前面板(1)に対向配置される背面板(2)では、絶縁性の基板(20)上にアドレス電極(21)が複数形成され、このアドレス電極(21)を覆うように誘電体層(22)が形成されている。そして、かかる誘電体層(22)上のアドレス電極(21)間に対応する位置に隔壁(23)が設けられ、誘電体層(22)の表面上の隣接する隔壁(23)の間には、赤、緑、青の各色の蛍光体層(25)がそれぞれ設けられている。
表示電極(11)とアドレス電極(21)とが直交し、且つ、放電空間(30)が形成されるように、前面板(1)と背面板(2)とは、隔壁(23)を挟んで対向して配置されている。放電空間(30)には、放電ガスとして、ヘリウム、ネオン、アルゴンまたはキセノンなどの希ガスが封入される。このような構成を有するPDP(100)では、隔壁(23)によって仕切られ、表示電極(11)とアドレス電極(21)とが交差する放電空間(30)が放電セル(32)として機能することになる。
PDPの一般的な製造法
次に、このようなPDP(100)の典型的な製造方法について簡単に説明する。PDP(100)の製造は、前面板(1)の形成工程と背面板(2)の形成工程とに分かれている。まず、前面板(1)の形成工程においては、ガラス基板(10)上に、例えばスパッタ法などで透明電極を形成すると共に焼成法等でバス電極を形成することによって表示電極(11)を形成する。次いで、表示電極(11)を覆うように誘電体原料をガラス基板(10)上に塗布して加熱処理して誘電体層(15)を形成する。次いで、この誘電体層(15)上に、電子ビーム蒸着(EB蒸着)法などでMgOなどの膜を形成することで保護層(16)を形成し、前面板(1)を得ている。尚、保護層(16)は、MgO(酸化マグネシウム)に限定されず、BeO(酸化ベリリウム)、CaO(酸化カルシウム)、SrO(酸化ストロンチウム)、BaO(酸化バリウム)などからなるものであってもよい。
背面板(2)の形成工程においては、ガラス基板(20)上に、例えば焼成法等でアドレス電極(21)を形成し、その上に誘電体原料を塗布して誘電体層(22)を形成する。次いで、所定のパターンで低融点ガラスから成る隔壁(23)を形成し、その隔壁(23)の間に蛍光体材料を塗布して焼成することによって蛍光体層(25)を形成する。次いで、基板の周縁部に例えば低融点フリットガラス材料(即ち、「パネル封着に用いる封着用材料」)を塗布し、焼成を行うことで封着部材(図1(a)には図示せず)を形成し、背面板(2)を得ている。
得られた前面板(1)と背面板(2)とを対向するように位置合わせし、その状態で固定したまま加熱して封着部材を軟化させることによって、前面板(1)と背面板(2)とを気密に接合する、いわゆるパネル封着を実施する。引き続いて、加熱しながら放電空間(30)内のガスを排気する、いわゆる排気ベーキングを実施した後、放電空間(30)内に放電ガスを封入することによって、PDP(100)を完成させる。
本発明の製造方法
本発明の方法は、かかるPDP製造に際して、特に前面板に設けられる誘電体層の製造に関している。本発明の方法は、前面板の誘電体層の形成に際して、バス電極間のみに局所的に第1誘電体前駆層を形成した後に、第2誘電体前駆層を全体的に形成することを特徴としている。
図2を参照して、本発明の実施形態を説明していく。本発明の実施に際して、まず、図2(a)に示すように表示電極(11)が形成された基板(10)を用意すると共に、工程(i)として誘電体原料の調製を行う。
「表示電極が形成された基板」は、基板(10)上に「走査電極(12)と維持電極(13)とから構成される表示電極(11)」が形成されたものである。基板(10)は、ソーダライムガラスや高歪み点ガラス、各種セラミックスからなる絶縁基板であることが好ましく、厚さは1.0mm〜3mm程度であることが好ましい。表示電極(11)の走査電極(12)および維持電極(13)には、それぞれ、厚さ50〜500nm程度の酸化インジウム(ITO)や酸化スズ(SnO)等から成る透明電極(12a、13a)が形成されていると共に、表示電極の抵抗値を下げるべく透明電極上に、銀を含んで成る厚さ1〜10μm程度のバス電極(12b、13b)が形成されている(図1(b)および図2(a)参照)。具体的には、透明電極を薄膜プロセスなどで形成した後に、バス電極を焼成プロセスなどを経て形成する。特に、バス電極の形成に際しては、まず、銀を主成分とした導電性ペーストをスクリーン印刷法によりストライプ状に形成する。また、バス電極は銀を主成分とした感光性ペーストをダイコート法や印刷法により塗布した後に、100℃〜200℃で乾燥した後、露光・現像するフォトリソグラフィー法によりパターンニングすることによってストライプ状に形成してもよい。別法にてディスペンス法やインクジェット法を用いてもよい。そして、最終的には乾燥に付した後、400℃〜600℃の焼成に付すことによって、バス電極を得ることができる。
工程(i)として行う誘電体原料の調製では、ガラス成分および有機溶剤を含んで成るペースト状の原料(以下では、調製された誘電体原料を「誘電体原料ペースト」とも称する)を作製する。この誘電体原料ペーストは、実質的にはシリコン化合物と有機溶剤とを含んで成るものである。必要に応じて、誘電体原料ペーストは、バインダ樹脂(有機バインダ成分)および/またはシリカ粒子を含んでいてもよい。シリコン化合物を含んで成るガラス成分は、より好ましくは「シロキサン結合(またはシロキサン骨格)を有する化合物」を含んでなる成分である。この「シロキサン結合(またはシロキサン骨格)を有する化合物」は、“−Si−O結合”を有する低分子量〜高分子量の化合物であってよい。
ガラス成分(即ち、シリコン化合物を含んで成る成分)は、好ましくは、ゾルゲル法の実施過程で有機溶剤と前駆体材料とから得られるペースト状またはゾル状の流動性材料である。特に、ガラス成分の「シロキサン結合(−Si−O−)を有する化合物」は、前駆体材料(例えばシリコンアルコキシド)と有機溶剤とを混和して、水や触媒などを添加することによって調製できる。より具体的にいえば、「シロキサン結合(−Si−O−)を有する化合物」は、例えば、シリコンアルコキシドを有機溶剤に混和し、常温または加温条件化において、攪拌しながら水と触媒とを少量ずつ均等に添加し、加水分解や縮重合させることによって作製できる。
上述のシリコン化合物の前駆体となる材料は、特に制限はなく、例えば、メチルシリケートやエチルシリケート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジフルオロジメトキシシラン、ジフルオロジエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、炭化ケイ素(SiC)、他のアルコキシド系有機シリコン化合物(Si(OR))、例えば、テトラターシャリーブトキシシラン(t−Si(OC)、テトラセコンダリーブトキシシランsec−Si(OCおよびテトラターシャリーアミロキシシランSi[OC(CHのようなアルキル基を含むポリアルキルシロキサンなどから成る群から選択される少なくとも1種類以上の前駆体材料であって良い。
有機溶剤は、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2-プロパノール、ヘキサノール、シクロヘキサノールを含むアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールを含むグリコール類、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンを含むケトン類、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオールを含むテルペン類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、および、モノアルキルセロソルブ類などから成る群から選択される少なくとも1種類以上の溶剤であってよい。尚、複数種の有機溶剤を混ぜて用いることで、工程(ii)および工程(iii)で行う有機溶剤を減じる操作を緩やかに実施することができ、誘電体前駆層または誘電体層に発生する応力を小さくすることができる(例えば、乾燥などの熱処理により有機溶剤を減じる場合では、穏やかな乾燥速度が得られ、乾燥時に発生する応力が小さくなる)。
誘電体層のクラックをより効果的に防止するために、誘電体原料ペーストにシリカ粒子(ガラス成分)を付加的に加えてもよい。シリカ粒子の形状には特に制限はないが、可視光の波長が400nm〜800nmであるため、可視光の透過率を高めるために平均サイズは400nm以下であることが望ましく、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは40nm以下である。平均サイズが40nm以下であると、可視光波長の1/10以下となるため、レイリー散乱の領域となり、粒子による可視光の散乱強度が著しく低下する点で好ましい。また、シリカ粒子径は、D90(体積累計が90%の際の粒径)が400nm以下であることが好ましく、より好ましくは最大サイズが400nm以下である。また、シリカ粒子は必ずしも単一サイズである必要はなく、2種類以上のサイズを含んで成るものであってもよい。2種類以上の粒子サイズを含む場合、得られる誘電体層中のシリカ粒子充填率を上げることが可能となり、クラックの発生をより効果的に防止できる。使用するシリカ粒子は非晶質(アモルファス)が望ましい。また、使用するシリカ粒子は乾燥粉末状のものであってもよく、あるいは、予め水や有機溶剤に分散されたゾル状のものであってもよい。尚、シリカ粒子の表面状態、多孔度などについては特に制限はなく、市販されているシリカ粒子をそのまま用いることが可能である。シリカ粒子の添加は、ゾル状誘電体原料の調製前に添加しても、それを調製した後に添加してもよい(但し、添加した場合はシリカ粒子が良く分散されていることが一般に必要とされる)。
誘電体原料ペーストの塗布性を向上させるために、誘電体原料にバインダ樹脂を加えてもよい。加えるバインダ樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレート樹脂およびセルロース系樹脂などを挙げることができ、これらを単独または2種類以上組み合わせて用いてもよい。誘電体原料ペーストは有機溶剤の気化に起因して高い温度領域(200〜400℃程度)で重量減少を呈することになるが、バインダ樹脂の添加によりペースト材料全体の重量減少の速度を緩和し、応力集中をより小さくできる。更には、バインダ樹脂は、より高温領域においてシリカ粒子同士の接着力を助力するといった効果も有し得る。
上述したような成分から調製される誘電体原料は、好ましくはペースト形態を有している。誘電体原料ペーストの粘度は、例えば室温(25℃)にて、好ましくは1mPa・s〜50Pa・s程度である。かかる範囲に粘度を有すると、塗布領域における誘電体原料の濡れ広がりをより効果的に防止できる。
本発明の製造方法で用いる誘電体原料の各種成分の割合は、典型的なPDP誘電体層を得る際に用いられる一般的な割合であれば、特に制限はない(より具体的には、いわゆる“ゾルゲル法”を利用して誘電体層を形成する際に一般的に採用される割合であれば特に問題はない)。付言しておけば、本発明の効果をより引き出すためには、誘電体原料の固形分濃度が5重量%〜60重量%であることが好ましく、15重量%〜35重量%であることが更に好ましい。ここでいう「固形分濃度」は、誘電体原料の全重量に対する「ガラス成分重量+バインダ樹脂重量」の割合を意味している。かかる固形分濃度が15重量%を下回ると収縮が大きくなり、前駆層の表層部の“段差”が大きくなり得るために望ましくない。また、誘電体層厚さを大きくするにはウェット状態での膜厚を大きくしなければならないが、固形分濃度が15重量%を下回ると多量のペーストを使用することになるので、材料コストが高くなる。一方、固形分濃度が35重量%よりも上回ると、ガラス成分同士(例えばポリアルキルシロキサンオリゴマー同士)の距離が近くなり、凝集を起こしやすくなるために望ましくない。好適に調製された誘電体原料ペーストを用いると、ダイコート法やスクリーン印刷法など公知の塗布法で均一に誘電体原料を塗布できる。
工程(i)に引き続いて、工程(ii)を実施する。つまり、誘電体原料をバス電極間のみに供給し、供された誘電体原料から有機溶剤を減じて第1誘電体前駆層を形成する。より具体的には、図2(b)に示すようにバス電極間の基板上ないしは透明電極上に誘電体原料を塗布した後、誘電体原料から有機溶剤を減じることによって第1誘電体前駆層(15a’)を形成する(図2(c)参照)。工程(ii)で誘電体原料が供給される「バス電極間」とは、図3に示すように、「電極対の対を成す2つのバス電極間A」および「電極対と隣り合う電極対との間において隣接する2つのバス電極間B」を実質的に意味している。
誘電体原料の塗布には、例えばディスペンス法(またはディスペンサ法)を用いることが好ましい。ディスペンス法とは、小径ノズルを備えた円筒形容器に誘電体原料ペーストを仕込み、ノズルと反対側の開口部より空気圧を加えて誘電体原料ペーストを吐出する方法である。このディスペンス法では、「空気圧」と「空気圧の加圧時間」とを調整することによって、誘電体原料ペーストの吐出量を制御でき、また、ノズル先端が小さいので局所的に誘電体原料ペーストを供給するのに適している。図2(b)に示すように、誘電体原料ペーストを吐出しながら、アレイ状に並べられた複数の小径ノズル60を備えたディスペンサをバス電極間に沿って動かすことによって、複数のバス電極間に一括して塗布できる。ディスペンサを動かす代わりに、「表示電極が形成された基板」(より具体的には、かかる基板を吸着したステージ)の方を動かしてもよい。尚、図3に示すように、バス電極間Aの寸法Lxとバス電極間Bの寸法Lyとが異なる場合(即ち、塗布領域の面積が異なる場合)では、ディスペンサの「空気圧」および「ノズル先端径」を変えることで、各々のバス電極間に応じて吐出量を調整できるので、塗布領域の面積が異なっても同じ厚さで原料ペーストを塗布できる。
また、別法にて、誘電体原料の塗布にダイコート法を用いてもよい。ダイコート法とは、ダイヘッドのスリットからペーストを吐出すると共に、ダイヘッドもしくは「表示電極が形成された基板」を塗布方向に動かして塗膜を形成する方法である。誘電体原料ペーストは、タンクなどの密閉された容器に仕込んで使用する。タンク内を加圧することでタンクから配管を通して、誘電体原料ペーストをシリンジポンプなどに供給し、シリンジポンプなどの機械的な圧送によりダイヘッドに誘電体原料ペーストを供給する。塗布膜厚が安定化するように、ペーストの圧送による内圧を塗布幅方向に均一化するためのマニホールドをダイヘッド内に設置することが好ましい。また、塗布開始時における始端部では、誘電体原料がダイヘッドのスリットから吐出されるまでの内圧がダイレクトに伝わらないため、塗布速度を部分的に調整して膜厚および形状を調節するとともに、塗布終了時の終端部では、シリンジポンプなどの機械的な圧送を停止することでペーストの供給を停止して膜厚および形状を調節する。なお、終端部での膜厚調整において、機械的圧送を停止しても、ペーストの内圧はすぐには無くならないため、配管の途中に内圧を開放する弁を設けると共に、ペーストのせん断応力により誘電体原料を切って終端部の形状を安定化させるべく、終端部の塗布完了直後にダイヘッドを上昇させることが好ましい。尚、別法にて、誘電体原料ペーストの塗布に印刷法、フォトリソグラフィー法等を用いてもよいことを理解されよう。
上述でも触れたことであるが、「誘電体原料をバス電極間のみに供給する」とは、「電極対の対を成す2つのバス電極間A」および「電極対と隣り合う電極対との間において隣接する2つのバス電極間B」に誘電体原料を供給することを実質的に意味している。ここで、電極対の対を成す2つのバス電極間Aの距離をLxとし、電極対と隣り合う電極対との間において隣接する2つのバス電極間Bの距離をLyとすると、バス電極間Aに供給する誘電体原料の供給量Qxおよびバス電極間Bに供給する誘電体原料の供給量Qyが、式1の関係式を満たすことが好ましい(図3参照)。

(式1)
Qx/Lx:Qy/Ly=1:0.5〜1:2
(例えば、一例を挙げるとQx/Lx:Qy/Ly=1:1)

Qx/Lx:Qy/Ly=1:0.5未満となると、第1誘電体前駆層の厚さが小さくなりすぎて“段差”が大きくなってしまう可能性がある一方、Qx/Lx:Qy/Ly=1:2よりも大きくなると、第1誘電体前駆層の厚さが大きくなりすぎて第1誘電体前駆層がバス電極間で盛り上がる形態となってしまう可能性がある。それゆえ、式1を満たすような条件で誘電体原料を供給すれば、好ましい厚さの第1誘電体前駆層を得ることができる(例えば、バス電極と面一になるように第1誘電体前駆層を形成できる)。尚、一般的なPDPでは、クロストークを小さくするために、Lx(電極対の対を成す2つのバス電極間Aの距離)よりもLy(電極対と隣り合う電極対との間において隣接する2つのバス電極間B)の方が大きくなっていることが多く、例えば、Lxは50〜150μmであり、Lyは150〜300μmとなっているので、それに応じて供給量Qxと供給量Qyとの比(Qx:Qy)が決定されることになる。
バス電極間のみに塗布された誘電体原料は、その後、含まれる有機溶剤が減じられる。これにより第1誘電体前駆層が形成される。有機溶剤を減じるには、有機溶剤を気化させる必要がある。従って、塗布された誘電体原料を乾燥に付してもよく、あるいは、塗布された誘電体原料を減圧下または真空下に置いてもよい。乾燥を行う場合では、例えば、塗布された誘電体原料を大気圧下で50〜200℃程度の乾燥温度条件下に0.1〜2時間程度付すことが好ましい。また、減圧下または真空下に置く場合では、塗布された誘電体原料を、例えば7〜0.1Paの減圧下または真空下に置くことが好ましい。必要に応じて「減圧下または真空下」と「熱処理」とを組み合わせてもよい。
第1誘電体前駆層は、バス電極間に形成されることになる限り特に制限はないものの、第1誘電体前駆層の厚さが好ましくはバス電極端部の表面レベル±5μm以内となるように形成する。より好ましくは、第1誘電体前駆層はバス電極と面一に形成される。即ち、図2(c)に示すように、第1誘電体前駆層の表面aとバス電極の表面bとが実質的に同一平面内に収まるように形成される(換言すれば、表面電極端部の膜厚と同じ厚さの第1誘電体前駆層を形成する)。これにより、最終的に形成される誘電体層において“段差”を小さくできるのでクラックの発生をより効果的に防止できるだけでなく、誘電体層の厚さが全体的に均一になるので放電ムラを極小化できる。かかる“面一”の態様では、第1誘電体前駆層の厚さは、表示電極の厚さ(=「透明電極厚さ」+「バス電極厚さ」)に実質的に相当するので、例えば1μm〜11μm程度となり得る。
工程(ii)に引き続いて、工程(iii)を実施する。即ち、誘電体原料を第1誘電体前駆層の上に供給し、供された誘電体原料から有機溶剤を減じて第2誘電体前駆層を形成する。より具体的には、第1誘電体前駆層(15a’)を覆うように全体的に誘電体原料を塗布した後、有機溶剤を減じることによって第2誘電体前駆層(15b’)を形成する(図2(d)参照)。
工程(iii)で用いられる誘電体原料は、工程(ii)で用いられる誘電体原料と同じであってもよい。つまり、工程(iii)の誘電体原料は、ガラス成分と有機溶剤とを含んで成るものである。誘電体原料につき、具体的なガラス成分および有機溶剤ならびに粘度などは既に上述しているので重複を避けるべく省略する。
工程(iii)で行う塗布操作および有機溶剤の低減処理は、工程(ii)と同様に行ってよい。つまり、工程(iii)で行う誘電体原料の塗布操作には、「ダイコート法」や「ディスペンス法」を用いてよく、また、工程(iii)で行う有機溶剤の低減処理に際しては、塗布した誘電体原料を乾燥に付してもよく、あるいは、塗布した誘電体原料を減圧下または真空下に置いてもよい。
工程(iii)で形成される第2誘電体前駆層は、その厚さが5〜60μm程度であることが好ましく、更に好ましくは10〜40μmである。
工程(iii)に引き続いて、工程(iv)を実施する。つまり、第1誘電体前駆層および第2誘電体前駆層を熱処理に付すことによって、それらから一体的に誘電体層を形成する。この工程(iv)では、第1誘電体前駆層および第2誘電体前駆層が加熱されることに起因して、第1誘電体前駆層および第2誘電体前駆層において縮重合反応が進行して最終的に誘電体層(15)が形成される。工程(iv)における加熱温度は、縮重合反応に必要とされる熱量の他、前駆層に残存し得る有機溶剤の沸点および含有量などによって決定され得るが、一般的にいえば500〜600℃程度の範囲である。また、かかる加熱温度の条件に付す時間も、縮重合反応に要する熱量、前駆層に残存し得る有機溶剤の沸点や含有量などを総合的に考慮して決定され、誘電体原料の種類によって変わるものであるが、一般的には0.5〜2時間程度である。工程(iv)の熱処理手段としては、焼成炉のような加熱チャンバーを用いてよい。この場合、加熱チャンバー内に「工程(iii)から得られた『表示電極、誘電体前駆層を備えた基板』」を供することによって、誘電体前駆層(第1誘電体前駆層および第2誘電体前駆層)を全体的に熱処理できる。
以上の工程(i)〜(iv)を通じて、前面板の誘電体層を得ることができる。かかる誘電体層は、沿電極方向に沿ったクラックが実質的に防止または低減されている。従って、最終的に得られるPDPは、高精細化に対応可能な優れた耐絶縁性能を有し、パネル寿命が伸びることになる。
尚、付言しておけば、本発明の製造方法で最終的に得られるPDPは、前面板側の誘電体層が第1誘電体層と第2誘電体層とから構成されていることを特徴としている。好ましくは、第1誘電体層と表示電極とは面一状態となっている。特に本発明では、前面板側の誘電体層をいわゆるゾルゲル法を利用して形成するので、PDP前面板の誘電体層の比誘電率は低い値となっている。このように誘電体層の誘電率が低いと、紫外線の発生効率が向上するので、低電力なPDPとなる。
次に、本発明の製造方法の変更態様又はより好適な実施態様について説明する。
(複数層から成る第1誘電体層)
工程(ii)の実施に際しては、第1誘電体前駆層を複数の層から成るものとして形成してもよい。より具体的には、図4(a)および図4(b)に示すように、複数のサブ誘電体前駆層(15a'1、 15a'2、 15a'3、・・・)を形成することによって、第1誘電体前駆層を構成してもよい。第1誘電体前駆層(15a')を構成する各々の層は、供された誘電体原料から有機溶剤を減じることによって形成される。このように、第1誘電体前駆層を複数の層から成るものとして形成すると、誘電体原料に求められる物性的要求を軽減できるので有利である。換言すれば、第1誘電体前駆層を1回塗布で形成する場合、一般的にはウェット膜厚(即ち、塗布した時点での誘電体原料の膜厚)を比較的大きくする必要があり、誘電体原料の固形分濃度の増大、ペースト材料の高粘度化および高接触角化が必要とされ得る(これが実現されないと、第1誘電体前駆層の厚さが電極端部の膜厚よりも小さくなる傾向があり、最終的には“段差”を完全に解消できない場合がある)。その点、複数のサブ誘電体前駆層から第1誘電体前駆層を構成する場合では、誘電体原料の固形分濃度の増大、ペースト材料の高粘度化および高接触角化などといった物性的要求を低減できる。サブ誘電体前駆層(15a'1、 15a'2、 15a'3、・・・)の数は、誘電体原料の種々の物性値、表示電極厚さ等に応じて変わり得るものの、例えば2〜5程度であることが好ましい。
(誘電体原料の濡れ性)
前面板の表示電極においては、実際にはその電極端部(特にバス電極端部)に図5に示すように“エッジカール”(70)が存在している場合ある。かかる“エッジカール”は、電極の形成過程、具体的には焼成過程で生じ得るものである(“エッジカール”の発生原因については例えば特開2008−282707を参照のこと)。このような“エッジカール”が存在する場合では、誘電体原料の基板および/または透明電極に対する接触角θ1がエッジカール下部の隙間により形成される角度θ2よりも小さいことが好ましい(即ち、θ1<θ2であることが好ましい)。「誘電体原料の基板および/または透明電極に対する接触角θ1」とは、図5(a)に示すように、誘電体原料を基板上または透明電極上に塗布した際、誘電体原料側から見た基板表面または透明電極表面と誘電体原料上面との成す角度のことを実質的に意味している。また、「エッジカール下部の隙間により形成される角度θ2」、即ち、「バス電極端部と基板とが成す角度θ2」とは、図5(b)に示すように、エッジカール部の下面と基板表面または透明電極表面との成す角度のことを実質的に意味している(一般的には0°<θ2<90°となり得る)。
ここで、接触角θ1が角度θ2よりも大きい場合(即ち、θ1>θ2)では、図5(c)に示すように、塗布された誘電体原料がエッジカール下部の隙間を満たすように浸透せず、エッジカール下部領域に気泡(80)が存在してしまうことになり得る。この点、接触角θ1が角度θ2よりも小さい場合(即ち、θ1<θ2)では、塗布された誘電体原料がエッジカール下部領域に速やかに浸透できるので(図5(d)参照)、エッジカール下部領域の気泡(80)を低減でき、結果的に、クラックの抑制効果が高まることになる。尚、誘電体原料の基板または透明電極に対する接触角を小さくすると、一般的には、基板面または透明電極面での濡れ広がりが顕著となり、塗布膜の流れやウェット膜厚を大きくできないなどの問題が生じ得る。しかしながら、本発明はバス電極間のみに誘電体原料ペーストを塗布するものであるので、バス電極自体が誘電体原料ペーストの濡れ広がりをせき止めるように働くことになり、その点で上記問題が回避されている。
(誘電体原料中のシリカ粒子)
上述で触れたことであるが、誘電体層のクラックをより効果的に防止するために、工程(i)で調製される誘電原料にはシリカ粒子が好適に加えられる。かかる場合、工程(ii)で供される誘電体原料に含まれるシリカ粒子の平均サイズが工程(iii)で供される誘電体原料に含まれるシリカ粒子の平均サイズよりも小さくなっていることが好ましい。つまり、第1誘電体前駆層に含まれるシリカ粒子の平均サイズが、第2誘電体前駆層に含まれるシリカ粒子の平均サイズよりも小さくなっていることが好ましい。
例えば、工程(ii)で供される誘電体原料に含まれるシリカ粒子の平均サイズが10〜100nmであるのに対して、工程(iii)で供される誘電体原料に含まれるシリカ粒子の平均サイズが50〜200nmとなっていることが好ましい(但し、平均粒子径は、工程(ii)<工程(iii)である)。工程(ii)で供される誘電体原料に含まれるシリカ粒子の平均サイズが10nmより小さい場合、ガラス基板上でも微小なクラックが多数発生してクラック耐性が著しく低下し得、100nmより大きい場合、透過率が著しく低下し得る。工程(iii)で供される誘電体原料に含まれるシリカ粒子の平均サイズが50nmより小さい場合、クラック耐性が低下し得、200nmより大きい場合、透過率が低下し得る。
第1誘電体前駆層に含まれるシリカ粒子の平均サイズが比較的小さいと、バス電極間を透過する可視光の透過率が向上することになる。また、バス電極は黒色を帯びた電極であり、かかるバス電極の上方領域というものは、そもそも光が透過することができない領域である。従って、かかる本発明の態様では「光が透過できないバス電極の上方領域」を含んだ第2誘電体前駆層において、透過率の点では望ましくないとされる比較的サイズの大きいシリカ粒子が含まれている。この比較的大きいサイズのシリカ粒子はクラック発生の抑制効果が大きいので、応力集中に対して強く、クラック発生をより効果的に防止できる。つまり、「第1誘電体前駆層に含まれるシリカ粒子の平均サイズが、第2誘電体前駆層に含まれるシリカ粒子の平均サイズよりも小さくなっている」ことによって、透過率向上とクラック抑制との双方の効果が見込まれることになる。
尚、かかる態様では、最終的に得られるPDPにつき、前面板の誘電体層の第1誘電体層に含有されるシリカ粒子の平均サイズが、その第2誘電体層に含有されるシリカ粒子の平均サイズよりも小さくなっている特徴を有していることを理解されよう。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の改変がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
例えば、上述の本発明の製造方法では、工程(iii)において、第1誘電体前駆層および第2誘電体前駆層を一括して熱処理に付すことによって誘電体層を形成していたが、必ずしもかかる態様に限定されない。つまり、第1誘電体前駆層および第2誘電体前駆層を一括して熱処理に付さずに、個々の誘電体前駆層ごとに熱処理を行ってもよい。具体的には、第1誘電体前駆層を形成した後に熱処理して第1誘電体層を形成し、その後、第1誘電体層の上に第2誘電体前駆層を形成して熱処理を行って第2誘電体層を形成してもよい。このような態様は、換言するならば、工程(ii)と工程(iii)との間で第1誘電体前駆層を熱処理に付して第1誘電体層を形成し、工程(iii)で第1誘電体層と第2誘電体前駆層を熱処理に付すことによって誘電体層を形成する態様であるといえる。同様に、第1誘電体前駆層を複数のサブ誘電体前駆層から構成する場合であっても、複数のサブ誘電体前駆層(15a'1、 15a'2、 15a'3、・・・)を一括して熱処理に付すことに限定されず、それぞれのサブ誘電体前駆層ごとに熱処理を施して第1誘電体層を構成してもよい。
また、上述の本発明の製造方法では、工程(ii)および(iii)で乾燥により有機溶剤を減じて得られた前駆層を工程(iv)で熱処理に付して縮重合反応を進行させているが、必ずしもかかる態様に限定されない。つまり、工程(ii)および(iii)で行う乾燥に際して縮重合反応が部分的に開始または進行していてもよい。この場合であっても、本発明の効果の点では実質的に変わりはなく“誘電体前駆層の段差”を減じることができ、結果的に“クラック”を防止または軽減できる。更に言えば、工程(ii)および(iii)で誘電体原料ペーストから有機溶剤を気化させているが、必ずしも全ての有機溶剤を気化させる必要がなく、所望の誘電体前駆層を形成できるのであれば有機溶剤が残存していてもよい。
更にいえば、上述の本願発明の説明に際して参照した図面(例えば図1(b)、図2および図3)では、走査電極(12)および維持電極(13)の全体としての並びが、「・・・走査電極(12)−維持電極(13)−維持電極(13)−走査電極(12)・・」となっているが、必ずしもかかる態様に限定されない。つまり、走査電極(12)および維持電極(13)が交互に配置される形態、即ち、「・・・走査電極(12)−維持電極(13)−走査電極(12)−維持電極(13)・・」となる態様であってもかまわない。
実施例として、前面板の誘電体層を作製した。尚、本実施例により、本発明の範囲が限定されるものではない。
(誘電体ペースト材料)
誘電体原料ペーストとして、ガラス成分と有機溶剤とバインダ樹脂とを含んで成るものを調製した。それぞれの成分比(誘電体原料ペースト基準)は、ガラス成分:有機溶剤:バインダ樹脂=約20重量%:約79重量%:約1重量%である。また、調製された誘電体原料ペーストの粘度は約50mPa・sであり、ガラス板(即ち、前面板の基板)に塗布した際の接触角θ1は約20°であった。
・ガラス成分:
(1)ポリアルキルシロキサンオリゴマーと平均サイズ約100nmの球状アモルファスシリカ粒子との混合物
(2)ポリアルキルシロキサンオリゴマーと平均サイズ約100nmおよび約50nmの球状アモルファスシリカ粒子との混合物
・有機溶剤成分:アルコール類とセロソルブ類との混合物
(前面板基板)
・ガラス基板(日本電気硝子製ソーダライムガラス、厚さ1.8mm)
・透明電極(ITO原料、電極幅:約120μm、厚さ:約100nm)
・バス電極(銀ペースト原料、電極幅:約100μm、電極中央部厚さ:6〜8μm、電極端部厚さ:8〜10μm、バス電極間Aの距離Lx:約80μm、バス電極間Bの距離Ly:約200μm、電極端部と基板とが成す角度θ2:約30°)
(誘電体層の形成)

ケース1(本発明の製造方法)
本発明の製造方法として、バス電極間のみに第1誘電体前駆層を局所的に形成した後に、第2誘電体前駆層を全体的に形成した。具体的には以下の操作によって誘電体層を形成した。
まず、バス電極間に誘電体原料ペーストをディスペンス法により塗布した。次いで、ホットプレートを用いて80℃の乾燥温度条件下で原料ペーストから有機溶剤を減じることによって、第1誘電体前駆層を形成した。尚、バス電極間Aに塗布する誘電体原料ペーストの塗布量Qxとバス電極間Bに塗布する誘電体原料ペーストの塗布量Qyの比が概ね1:2.5(Qx/Lx:Qy/Ly=1:1)となるように塗布した。尚、かかる第1誘電体前駆層は、2つのサブ誘電体前駆層、即ち、第1サブ誘電体前駆層および第2サブ誘電体前駆層から構成した(各々の層をホットプレートを用いて80℃の乾燥温度条件下で形成した)。第1誘電体前駆層を形成した後、その上に第2誘電体前駆層を形成した。第2誘電体前駆層は、第1誘電体前駆層の全面にアプリケータ(GAPマージン:50μm、塗布速度:1m/秒)により原料ペーストを塗布した後、ホットプレートを用いて80℃の乾燥温度条件下で原料ペーストから有機溶剤を減じることによって形成した。

ケース2(従来技術の製造方法)
従来技術の製造方法として、図9に示すような工程により誘電体層を形成した。つまり、アプリケータ(GAPマージン:100μm、塗布速度:1m/秒)でもって基板上の表示電極を覆うように誘電体原料ペーストを全体的に基板上に1回塗布することを通じて誘電体層を形成した。誘電体原料ペースト条件や乾燥条件などはケース1と同様にした。
(形成された誘電体前駆層)
形成された誘電体前駆層の各種寸法は次の通りであった:

ケース1(本発明の製造方法)
・第1誘電体前駆層
第1サブ誘電体前駆層(80℃乾燥後に得られた膜厚):約4μm
第2サブ誘電体前駆層(80℃乾燥後に得られた膜厚):約8μm
・第2誘電体前駆層(80℃乾燥後に得られた膜厚):約13μm
・乾燥後の“段差”:約3μm

ケース2(従来技術の製造方法)
・誘電体前駆層(80℃乾燥後に得られた膜厚):約13μm
・乾燥後の“段差”:約6.5μm

※“段差”はケース1およびケース2ともにTENCOR製の接触式大版段差計FP−20(スキャン速度:50μm/秒、サンプリング周波数:100Hz、測定荷重5mg)を用いて測定した。
(誘電体前駆層の熱処理)
ケース1およびケース2の双方とも、約30℃/分の昇温速度にて約30分昇温、500℃にて約20分間維持、そして、約2℃/分の降温速度にて約5時間の降温を行う温度プロファイルによって大気圧下で誘電体前駆層の加熱処理を実施した。この加熱処理には遠赤外線加熱式バッチ炉(日本ガイシ製)を使用した。
(得られた誘電体層および結果)
熱処理後に得られる誘電体層の表面を走査型電子顕微鏡S−4000(HITACHI製)を用いて2000倍で観察した。図6(a)に示すケース1のように段差の小さい場合は、沿電極方向のクラックが発生しなかったが、図6(b)に示すケース2のように段差の大きい場合は、沿電極方向の長さ10〜20μm程度のクラックが発生していることが分かった(尚、乾燥後の段差と加熱処理後の段差は同じ値となっている)。以上の結果を踏まえると、本発明の製造方法は段差の小さい誘電体層を形成することができ、それによってクラック発生を効果的に防止できることが理解できるであろう。
本発明の製造方法を通じて最終的に得られるPDPは、消費電力が低いだけでなく、誘電体層クラックを防止できており信頼性の高いものであるので、一般家庭向けのプラズマテレビおよび商業用プラズマテレビとして好適に用いることができる他、その他の各種表示デバイスとしても好適に用いることができる。
PDPの構造を模式的に示す斜視図 PDP前面板の構成を模式的に示す断面図 本発明の製造方法の工程を模式的に示す斜視断面図 バス電極間を模式的に示す断面図 複数層から成る第1誘電体前駆層の態様を模式的に示す断面図 電極端部のエッジカールと誘電体原料の濡れ性との関係を模式的に示す図 実施例の結果を示す電子顕微鏡写真図 誘電体層に発生し得るクラックを模式的に表した斜視図 誘電体前駆層または誘電体層に発生し得る段差を模式的に表した図 従来技術の製造方法の工程を模式的に示す斜視断面図 誘電体層形成時に発生する応力を解析した結果を表すグラフおよび図
1 前面板
2 背面板
10 前面板側の基板
11 前面板側の電極(表示電極)
12 走査電極
12a 透明電極
12b バス電極
13 維持電極
13a 透明電極
13b バス電極
14 ブラックストライプ(遮光層)
15 前面板側の誘電体層
15’誘電体原料
15a' 第1誘電体前駆層
15a'1,2,3… 第1誘電体前駆層を構成するサブ第1誘電体前駆層
15b' 第2誘電体前駆層
15'' 従来技術における誘電体前駆層(1回塗布により形成された誘電体前駆層)
15''' 従来技術における誘電体層(1回塗布により形成された誘電体層)
16 保護層
20 背面板側の基板
21 背面板側の電極(アドレス電極)
22 背面板側の誘電体層
23 隔壁
25 蛍光体層
30 放電空間
32 放電セル
50 クラック
60 ノズル
70 エッジカール
80 気泡
100 PDP

Claims (6)

  1. 基板上に表示電極と誘電体層と保護層とが形成された前面板を有して成るプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記表示電極が、透明電極とバス電極とから成る電極が対となった電極対を複数有して成ることにより構成されており、
    前記誘電体層の形成が、
    (i)ガラス成分および有機溶剤を含んで成る誘電体原料を調製する工程、
    (ii)誘電体原料をバス電極間のみに供給し、供された誘電体原料から有機溶剤を減じて第1誘電体前駆層を形成する工程、
    (iii)誘電体原料を第1誘電体前駆層の上に供給し、供された誘電体原料から有機溶剤を減じて第2誘電体前駆層を形成する工程、ならびに
    (iv)第1誘電体前駆層および第2誘電体前駆層を熱処理に付して、誘電体層を形成する工程
    を含んで成ることを特徴とする製造方法。
  2. バス電極と面一となるように第1誘電体前駆層を形成することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 電極対の対を成す2つのバス電極間Aの距離をLxとし、電極対と隣り合う電極対との間において隣接する2つのバス電極間Bの距離をLyとすると、バス電極間Aに供給する誘電体原料の供給量Qxおよびバス電極間Bに供給する誘電体原料の供給量Qyが、式1の関係式を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
    (式1)
    Qx/Lx:Qy/Ly=1:0.5〜1:2
  4. 前記工程(ii)では第1誘電体前駆層を複数層から成る層として形成し、
    第1誘電体前駆層を構成する各々の層が、供された誘電体原料から有機溶剤を減じて得られる層であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記工程(i)で調製される誘電体原料の基板に対する接触角が、バス電極端部と基板とが成す角度よりも小さいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記工程(i)で調製される誘電体原料のガラス成分がシリカ粒子を含んで成り、
    前記工程(ii)で供される誘電体原料に含まれるシリカ粒子の平均サイズが、前記工程(iii)で供される誘電体原料に含まれるシリカ粒子の平均サイズよりも小さいことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
JP2009078369A 2009-03-27 2009-03-27 プラズマディスプレイパネルの製造方法 Pending JP2010232017A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009078369A JP2010232017A (ja) 2009-03-27 2009-03-27 プラズマディスプレイパネルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009078369A JP2010232017A (ja) 2009-03-27 2009-03-27 プラズマディスプレイパネルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010232017A true JP2010232017A (ja) 2010-10-14

Family

ID=43047657

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009078369A Pending JP2010232017A (ja) 2009-03-27 2009-03-27 プラズマディスプレイパネルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010232017A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012147250A1 (ja) * 2011-04-27 2012-11-01 パナソニック株式会社 プラズマディスプレイパネル

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012147250A1 (ja) * 2011-04-27 2012-11-01 パナソニック株式会社 プラズマディスプレイパネル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5006203B2 (ja) 金属酸化膜の形成方法、金属酸化膜及び光学電子デバイス
US20010005115A1 (en) Plasma display device and method of manufacturing a plasma display device comprising a dielectric layer
JP4851554B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP4372807B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP4542595B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP4755705B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2010232017A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP5007268B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの誘電体層の製造方法
JP4589980B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP4853336B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP5243469B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2011108468A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2011238467A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2009224103A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法及びプラズマディスプレイパネル
JP4017816B2 (ja) プラズマディスプレイの製造方法
JP2003338248A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2011243443A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JPH11329254A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2007294138A (ja) プラズマディスプレイパネルとその製造方法
JP2013093304A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2013235662A (ja) 表示装置の製造方法
WO2012101694A1 (ja) 封着材、プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2008288133A (ja) プラズマディスプレイパネルの誘電体層の製造方法
JP2014035796A (ja) プラズマディスプレイ製造方法およびプラズマディスプレイ用インク
JP2013125725A (ja) プラズマディスプレイパネル