JP2010231891A - 熱陰極蛍光ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】長寿命な蛍光ランプを提供する。
【解決手段】両端が封止された管10の両端にそれぞれ一対配置された導入線30,31と、一対の導入線30,31に支持されたコイルフィラメント20と、コイルフィラメントの所定の範囲を被覆するエミッタ21とを有する熱陰極蛍光ランプである。コイルフィラメント20に所定の間隔で対向する位置には、略リング状の導体線1が配置され、略リング状の導体線1は放電電流が供給される側の導入線30に接続用導体線2によって接続されている。リング状の導体線1の電位は放電電流が供給される側の導入線30とほぼ同電位になるため、電子流を広げる作用が得られる。これにより、コイルフィラメント20の特定個所に電子流が集中するのを防止できる。
【選択図】図10

Description

本発明は、長寿命な熱陰極蛍光ランプに関する。
近年の液晶テレビは、性能の向上だけでなく、価格の低減が重要となっている。現在32インチクラスの液晶テレビで冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamps)を20本程度使っているが、価格低減のために本数を減らすことが望まれている。
1台の液晶テレビの冷陰極蛍光ランプの本数を減らすためには、冷陰極蛍光ランプの輝度向上が必要である。その対策として例えば、蛍光体、ガス圧、ガラス管壁の厚さ等の最適化が考えられる。しかしながら、一般的な冷陰極蛍光ランプの蛍光体の量子効率は95%近辺なので、改善の余地は残されているものの、ランプ本数を削減するまでには至らない。ガス圧を低下させて水銀蒸気圧をコントロールすることにより輝度を向上させる方法も知られているが、ガス圧を低くすると電極の耐力が弱くなり、寿命が短くなるという問題がある。ガラス管壁を薄くし、輝度透過率を向上させることも考えられるが、せいぜい数%程度の輝度向上であり、ランプ本数を低減させるまでには至らない。以上のように、冷陰極蛍光ランプの輝度向上策は容易ではないのが実情である。
そこで、ランプ一本あたりの光量が多い熱陰極蛍光ランプをバックライトとして使うことが考えられる。熱陰極蛍光ランプの光量があれば、冷陰極蛍光ランプよりも少ない本数で液晶テレビのバックライトを構成することができる。また、一般的に使われている熱陰極蛍光ランプは安価でもある。
しかしながら、熱陰極蛍光ランプは、液晶テレビ用バックライトとして用いるには、寿命の点で課題がある。熱陰極蛍光ランプはエミッタが消耗により消失した時点が寿命になる。一般照明用熱陰極蛍光ランプの寿命は、実点灯時間で平均10,000時間程度である。液晶テレビ用のバックライト用途では、1台のテレビに複数本(例えば8本)の蛍光ランプが配置され、その中の一本でも短寿命のものがあると画面上に明暗が生じ、商品価値が損なわれてしまうため、安定的な長寿命が必要である。一例として最低寿命30,000時間、平均で60,000時間が望ましいと言われている。
熱陰極蛍光ランプの長寿命を得るためには単純にエミッタの量を多くすれば良いが、より薄型であることが望まれるバックライト用の熱陰極蛍光ランプの管径は、一例としては16mm程度以下であることが望まれる。管径が小さいとコイルフィラメントの全長も短くなり、必要とされる寿命を達成するための十分な量のエミッタを塗布することができない。また、コイルフィラメントをその軸が熱陰極蛍光ランプの軸方向になるように配置することにより、コイルフィラメントの全長を長くすることが考えられるが、非発光部分が増え、液晶テレビの画面の縁に非表示領域が増えてしまうため好ましくない。
同じエミッタ量で長寿命を得るためには、エミッタの温度を下げることが好ましい。例えば、非特許文献1には、蛍光ランプが数十kHz以上で点灯される場合の平均電極温度は、低周波点灯の場合よりも低くなるため、より長寿命化が可能であることが開示されている。高周波点灯ではちらつきも低減できるためバックライトの光源としては都合が良い。
一般に、熱陰極蛍光ランプは、アーク放電後の安定時に電流集中によりエミッタに輝点が形成され、エミッタが蒸発により消耗することが知られている(特許文献1および2)。製造直後のエミッタがほとんど消耗していないランプでは、通常、輝点はコイルフィラメントのエミッタが被着されている部分の放電電流が供給される側の端部に生じる。輝点の位置でエミッタが蒸発すると、輝点は徐々に逆側の端部の方向に移動し、すべてエミッタが蒸発するとランプの寿命となる。
一方、インバータ方式の高周波点灯装置においては調光機能を備えるものもあり、一般的にはランプ電流を低くした場合には、それに応じてコイルフィラメント加熱電流を多くする制御が行われる。ランプ電流が低く、コイルフィラメント加熱電流が高いほど、輝点は明確でなくなり、コイルフィラメント全体の温度が上昇するような状態になり、エミッタ全体から蒸発が生じる。
特開平10-255991号公報 特開平08-102284号公報 Y.Watanabe and S.Murayama,"Cathodefall characteristic of fluorescent lamps under HF operation",Jpn.J.Appl.Phys.Vol.32(1993)pp.3593-3600
同じエミッタ量で熱陰極蛍光ランプを長寿命化するためには、エミッタの温度を必要最低限とすることが望ましい。具体的には、エミッタに形成される輝点が明確な場合にはその輝点の温度、輝点が明確でない場合にはエミッタ全体の温度が、電子放出が確保できる必要最低限になるように、精密な点灯条件制御を行うことが望ましい。
しかしながら、輝点移動によりエミッタが半分蒸発している状態で点灯した場合、エミッタに覆われていないコイルフィラメントの温度が上がり、同時にエミッタの輝点の温度が低下してエミッタの電子放出が低下し、スパッタ現象により飛散したエミッタが管壁に付着して早期に管壁黒化が現れることがある。このような場合は蛍光ランプの寿命が短くなる。また、エミッタに覆われていないコイルフィラメントの高温部から放電が起こり、タングステンが異常蒸発し早期管壁黒化が現れたり、コイルフィラメントの断線が生じることもある。
また、輝点が明確に現れないように低ランプ電流と高コイルフィラメント電流で長寿命を狙って点灯させた場合でも、ある程度点灯時間が経過すると、コイルフィラメントの放電電流供給側に輝点が生成し、エミッタの消耗目標の寿命よりも短寿命になることがある。
これらは、ランプの陽極半サイクル(対象の電極が陽極となる半サイクル)時に、コイルフィラメントの放電電流供給側に放電の電子流が集中することに起因する現象と考えられる。すなわち、コイルフィラメントの特定個所に電子流が集中するとエミッタの温度が目標とする温度から外れ、エミッタのスパッタや異常蒸発によるエミッタ消耗が起こり結果として短寿命になる。またコイルフィラメントのエミッタが消耗して剥き出しになった部分に輝点が生成され、コイルフィラメント断線が起こる。
本発明の目的は、長寿命な熱陰極蛍光ランプを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では以下のような熱陰極蛍光ランプが提供される。すなわち、両端が封止された管と、管の両端にそれぞれ一対配置された導入線と、一対の導入線に支持されたコイルフィラメントと、コイルフィラメントの所定の範囲を被覆するエミッタとを有する熱陰極蛍光ランプであって、管内の両端には、コイルフィラメントに所定の間隔で対向する位置に配置された略リング状の導体線と、略リング状の導体線を一対の導入線のうち放電電流が供給される側の導入線に接続する接続用導体線とがそれぞれ配置されている。このようにリング状の導体線を配置し、放電電流が供給される側の導入線に接続することにより、リング状の導体線の電位が放電電流が供給される側の導入線とほぼ同電位になるため、電子流を広げる作用が得られる。これにより、コイルフィラメントの特定個所に電子流が集中するのを防止できる。
略リング状の導体線とコイルフィラメントとの間隔は、3mmより大きく12mmより小さい距離に設定されていることが望ましい。
略リング状の導体線のリング径は、コイルフィラメントのエミッタにより被覆されている範囲のコイル径以上であって、コイルフィラメントのエミッタにより被覆されている範囲の長さ以下であることが望ましい。
略リング状の導体線と前記接続用導体線とは一体に構成することが可能である。
本実施形態の熱陰極蛍光ランプの全体構成を示すブロック図。 図1の熱陰極蛍光ランプのコイルフィラメントの側面図。 図1の熱陰極蛍光ランプのコイルフィラメント20および補助電極60の斜視図。 (a)および(b)本実施形態の補助リング電極60の一例の斜視図。 本実施形態の熱陰極蛍光ランプの断面図。 比較例のL字型の補助電極を備えた熱陰極蛍光ランプの側面図。 比較例のI字型の補助電極を備えた熱陰極ランプの(a)コイルフィラメントの正面図、(b)コイルフィラメントの側面図。 本実施形態の熱陰極蛍光ランプの別の例の全体構成を示すブロック図。 本実施形態の熱陰極蛍光ランプの(a)先行予熱時のコイルフィラメントとエミッタを示す側面図、(b)安定時の輝点が形成された状態のコイルフィラメントとエミッタを示す側面図、(c)輝点が移動しエミッタが部分的に消耗した状態を示す側面図。 実施例において蛍光ランプの黒化状況を観察した領域を示す説明図。
本発明の一実施形態の熱陰極蛍光ランプについて説明する。
まず、本実施形態の熱陰極蛍光ランプの全体構造を図1を用いて説明する。図1のように、熱陰極蛍光ランプは、両端がガラスビード等の所定形状のガラス製封止部11によってそれぞれ封止されたガラス管10と、封止部11を気密を保って貫通する平行な2本の導入線30、31と、ガラス管10の内部の導入線の先端に両端が継線されたコイルフィラメント20とを備えている。
コイルフィラメント20は、図2に示すように、タングステン線を所定径に巻き回して形成したコイル(1次コイル)をさらに所定径に巻き回して(2次コイル)構成した二重コイル2aの周りに、エミッタ量を多く保持するために、さらに別の細いタングステン2bを周回させた構造である(トリプルコイルフィラメントと呼ばれる場合もある)。コイルフィラメント20の所定範囲はエミッタ21により被覆されている。
ガラス管10の一端に配置された導入線30,31間には、図1のようにコイルフィラメント20に予熱電流を供給し、熱電子が放出される温度まで加熱するための予熱装置40が接続されている。他端に配置された導入線30,31間にも同様に予熱装置40が接続されている。
また、ガラス管10の一端の導入線30と、他端の導入線30との間には、点灯装置50が接続されている。点灯装置50は、両端の導入線30に交流の放電電流を供給する。これにより、対向するコイルフィラメント20間での放電による熱電子の移動が生じる。
本実施形態では、図1および図3に示すように、両端のコイルフィラメント20から放電方向に所定の距離に略リング状の導電性の線(以下、リング状導体線)1をそれぞれ配置し、リング状導体線1と放電電流が供給される側の導入線30とを導電性の線(以下、接続用導体線)2でそれぞれ接続している。リング状導体線1および接続用導体線2は、例えば、ニッケル、ニッケルメッキ鉄等により構成する。
リング状導体線1と接続用導体線2は、図4(a),(b)のように一体に構成されている。リング状導体線1のリング形状は、図4(a)のようにリングが完全に閉じていない形状であってもよい。また、図4(b)のようにリングの一部が二重以上になっていてもよい。
リング状導体線1は、コイルフィラメント20の上端から3mmより大きく12mmより小さい距離だけ離れた位置に配置する。リング状導体線1とコイルフィラメント20の上端との間隔が、5mm以上6mm以下である場合には特に好ましい。
リング状導体線1のリング径は、図5に示したように、コイルフィラメント20のコイル径(二次コイル径)以上であって、コイルフィラメント20のエミッタ塗布長さ以下であることが望ましい。
このように、コイルフィラメント20から放電方向に距離3mmより大きく12mmより小さい距離にリング状導体線1を配置し、これを接続用導体線2で放電電流供給側の導入線30に接続した構造(以下、リング状導体線1と接続用導体線2を合わせてリング状補助電極60とも呼ぶ)をランプの両側に設けたことにより、コイルフィラメント20の望ましくない部分への輝点生成やエミッタ21の温度低下を防止することができ、スパッタや異常蒸発を防止し、長寿命化することができる。
この効果は、リング補助電極60に電子流拡散作用があるために生じると推定される。すなわち、リング状補助電極60を放電電流が供給される側の導入線30と接続しているため、陽極半サイクル時(蛍光ランプを点灯装置50により交流駆動している場合に、片側のコイルフィラメント20が陽極になっている半周期)に、放電の陽極側のコイルフィラメント20とリング状導体線1とが、ほぼ等しい電位になる。このため、リング状導体線1が、陰極側のコイルフィラメント20から飛来する電子流を拡散させる電位的効果が生じるものと推定される。
リング状導体線1は、線で構成されているため、電子流の一部は線1により捕捉されるが、その量はそれほど多くなく、発光への影響は少ない。
リング状導体線1は、コイルフィラメント20からの距離が近すぎると電子電流の拡散効果が薄れ、逆に遠すぎると拡散した後再び集中してコイルフィラメント20に届くため、コイルフィラメント20上端からの間隔が3mmより大きく12mmより小さい範囲に配置することが望ましい。リング状導体線1とコイルフィラメント20との間隔が、5mm以上6mm以下である場合には電子拡散の効果が大きく特に好ましい。
また、リング状導体線1は、リング径が大きすぎても、小さすぎても適切な電子拡散効果が得られないため、コイルフィラメント20のコイル径(二次コイル径)以上であって、コイルフィラメント20のエミッタ塗布範囲の長さ以下であることが望ましい。リング状ではなく、図6のようなL字型、図7(a)、(b)のようなI字型の線1とした場合には電子拡散効果がほとんどない。よって、適切な電子拡散効果を得るためには、リング状であることが望ましい。
また、図8のようにコイルフィラメント20をランプ軸に対して斜めに配置することも可能である。この場合も、コイルフィラメントとリング状電極の間隔は、3mmより大きく12mmより小さい範囲内にあるのが望ましい。
リング補助電極60はシンプルな構造であるため、従来のようにコイルフィラメントにエミッタ21を多く塗布するために特別な構造(例えば、楕円断面を持つランプ)にする場合と比較して、安価に長寿命化することができる。
ここで、本実施形態の熱陰極蛍光ランプを点灯させる際の各部の動作について説明する。まず、予熱装置40は、先行予熱として一対のコイルフィラメント20にそれぞれ通電し、コイルフィラメント20を例えば1000K程度まで加熱する。これにより、エミッタ21はコイルフィラメント20により加熱され、熱電子を放射する状態となる(図9(a))。この状態で、点灯装置50から、両端の導入線30間に放電電圧を印加すると、コイルフィラメント20は、グロー放電を開始し、アーク放電に移行し安定する。安定時には電流の集中によりエミッタ陰極輝点91が形成され(図9(b))、その部分は温度が高いためエミッタ21は主に蒸発によって消耗する。
製造後それほど点灯していない蛍光ランプ、つまりエミッタ21が殆ど消耗していない蛍光ランプにおいて、エミッタ21が塗布されている範囲の温度分布が比較的均一な場合は、通常、輝点91はコイルフィラメントのエミッタ21塗布範囲の放電電流供給側(導入線30側)の端部に生成される。これはこの場所が電位的に放電し易い(電子放出し易い)箇所に相当するためである。
もう少し詳しく述べると、先行予熱直後の陰極動作時において、コイルフィラメント20は先行予熱により温度が上がった状態にあり、コイルフィラメント20の材質(例えばタングステン)の抵抗も上がった状態である。もし、エミッタ21塗布範囲の放電電流供給側とは逆側の端部で、輝点が生成し電子放出が始まったと仮定すると、放電電流はフィラメント20を通って流れるため、放電電流が供給される側の端部と比べると、逆側の端部は、フィラメント20の抵抗×ランプ電流分だけ電圧が上昇することになる。このような状態よりもフィラメント20の抵抗が少ない側、つまり電圧上昇が少ない放電電流供給側の端部に輝点91が生成するのが普通である。実際の放電開始時には、小電流時のエミッタ21の全体が発光している状態から、電流の上昇と共に輝点91が放電電流供給側に生成される様子が観察できる。
安定点灯時において、輝点91の温度は、電流の集中によりエミッタ21の他の部分に比べて高いため、輝点91はエミッタ21の蒸発が多い。安定点灯時に輝点91の部分のエミッタ21が蒸発により失われると、図9(c)のように隣接するエミッタ被着部分に輝点91が移動する。つまり点灯時間の経過と共に、コイルフィラメント20のエミッタ21が被着されている部分の輝点91は、放電電流が供給される側(導入線30側)から他端(導入線31側)に向って移動する。輝点91が、放電電流が供給される側と反対側の端に達するとエミッタ21が消失し、寿命となる。
エミッタ21が蒸発すると、むき出しになるコイルフィラメント20の部分が生じ、放電の電子流がむき出しのコイルフィラメントに集中した場合には、エミッタの温度が目標温度から外れ、エミッタのスパッタ現象や異常蒸発が生じたり、むき出しのコイルフィラメント20が放電して断線等することがある。
本実施形態では、上述のようにコイルフィラメント20とほぼ同電位のリング状導体線1を所定の位置に配置したことにより、放電の電子流がむき出しのコイルフィラメント20に集中する現象を防止することができる。リング状導体線1が、陰極側のコイルフィラメント20から飛来する電子流を拡散させる電位的効果が働くと推測される。
本実施形態では、長寿命化のために、エミッタ温度を必要最低限に維持するという精密な点灯制御を行わなくても、長寿命化が可能になる。
また、エミッタの温度を必要最低限よりも高い温度で点灯する条件に設定した場合でも、エミッタの温度はリング補助電極がない場合よりも低く抑えることができる。よって、大電流化による高輝度化という選択も可能である。
本発明はバックライト用熱陰極蛍光ランプに限られるものではなく、一般照明用の蛍光ランプでも長寿命化のニーズはあり、本発明を適用することができる。また、紫外線を利用する熱陰極低圧放電ランプは蛍光体を塗布していないが、他の構成は熱陰極蛍光ランプと同様の構成であるため、同様に本発明を適用することができる。
本発明の実施例について説明する。
本実施例では、図1の構造の熱陰極蛍光ランプを製造し、評価を行った。
製造した熱陰極蛍光ランプは、下記の表1に示したように、補助電極60のリング状導体線1のリング径を3mm、5mm、8mmの3種類とし、それぞれについて、線1とコイルフィラメント20との間隔を2〜3mm、5〜6mm、12〜13mmに設定した蛍光ランプを製造した。また、比較例として、補助電極60の線1の形状を図6および図7(a),(b)に示したように、L字状、I字状にした蛍光ランプを用意した。さらに比較例として、補助電極60を備えない蛍光ランプを用意した。
なお、エミッタ21が塗布されている部分のコイル径は2 mm、エミッタ21が塗布されている範囲の長さは5 mmとした。
これら実施例および比較例の蛍光ランプを、コイルフィラメント20を輝点91が明確に現れない温度に設定する点灯モードで、3000時間の連続高周波点灯させる実験を行った。実験後の蛍光ランプについて、図10に示すように、コイルフィラメント(電極部)20の周辺102と、補助電極60周辺101のガラス管10の内壁の黒化状況を調べた。黒化度(黒化の量)の評価は、目視で6段階に分類した。その結果を表1に数字で示す。数字が大きいほど黒化度が大であることを示している。
Figure 2010231891
コイルフィラメント20の周辺102の黒化は、黒化が多いほどエミッタ21の消耗が早くランプの寿命が短い、すなわち、コイルフィラメント20の周辺102の黒化は、エミッタ21の消耗に深く関わり、寿命の指標として見ることができる。一方、補助電極60の周辺101の黒化は、エミッタ21の消耗と直接的には関係せず、寿命にはほとんど影響を与えないが、光束の面では少ない方が望ましい。
表1の結果より、以下のことが明らかになった。
補助電極60がない比較例の蛍光ランプは、コイルフィラメント(電極部)20の周辺102の黒化が顕著で短寿命であった。
補助電極60の線1の形状は、リング形状である実施例のものが、比較例の形状(L、I形状)のものよりもコイルフィラメント(電極部)20の周辺102の黒化が少なく長寿命であった。
補助電極60の線1のリング径3 mmおよび5 mmの蛍光ランプは、リング径8 mmの蛍光ランプよりもコイルフィラメント(電極部)20の周辺102の黒化が少なく長寿命であった。
リング状導体線1とコイルフィラメント20上端との間隔は、5〜6 mmに設定した蛍光ランプが、2〜3 mmおよび12〜13 mmの蛍光ランプよりも長寿命であった。
リング状導体線1とコイルフィラメント20との距離を5〜6 mmに設定した蛍光ランプは、2〜3 mmおよび12〜13 mmの蛍光ランプよりも補助電極60の周辺部101の黒化が少なく、光の出射領域が広く確保できた。これは、補助電極60のリング径および補助電極の形状にかかわらず、同様であった。
同様の実施例および比較例の蛍光ランプを用いて、エミッタ21に輝点が明確に現れるように電流制御をして、実験を行ったところ、得られた結果は表1と同様であった。
これらのことから、次の条件を満たす補助電極60が長寿命化に対して有効であることがわかった。
補助電極60の線1の形状はリング形状であることが好ましい。補助電極60のリング状の線1とコイルフィラメント20との間隔は、3mmより大きく12mmより小さいことが好ましい。特に、5mm以上6mm以下であることが望ましい。
線1のリング径は、エミッタ塗布範囲のコイル径≦リング径≦エミッタ塗布範囲の長さ、の関係を満たすことが好ましい。補助電極60は、コイルフィラメント20の放電電流供給側の導入線30に接続することが好ましい。
10…ガラス管、11…封止部、20…コイルフィラメント、21…エミッタ、30,31…導入線、40…予熱装置、50…点灯装置、60…補助電極。

Claims (4)

  1. 両端が封止された管と、該管の両端にそれぞれ一対配置された導入線と、前記一対の導入線に支持されたコイルフィラメントと、前記コイルフィラメントの所定の範囲を被覆するエミッタとを有し、
    前記管内の両端には、前記コイルフィラメントに所定の間隔で対向する位置に配置された略リング状の導体線と、該略リング状の導体線を前記一対の導入線のうち放電電流が供給される側の導入線に接続する接続用導体線とがそれぞれ配置されていることを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。
  2. 請求項1に記載の熱陰極蛍光ランプにおいて、前記略リング状の導体線と前記コイルフィラメントとの間隔は、3mmより大きく12mmより小さいことを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。
  3. 請求項1または2に記載の熱陰極蛍光ランプにおいて、前記略リング状の導体線のリング径は、前記コイルフィラメントのエミッタにより被覆されている範囲のコイル径以上であって、前記コイルフィラメントのエミッタにより被覆されている範囲の長さ以下であることを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱陰極蛍光ランプにおいて、前記略リング状の導体線と前記接続用導体線とは一体に構成されていることを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016197524A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 株式会社東通研 放電管点灯装置及び放電管点灯方法

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