JPH10188907A - 熱陰極低圧放電灯および熱陰極低圧放電灯装置 - Google Patents

熱陰極低圧放電灯および熱陰極低圧放電灯装置

Info

Publication number
JPH10188907A
JPH10188907A JP34978096A JP34978096A JPH10188907A JP H10188907 A JPH10188907 A JP H10188907A JP 34978096 A JP34978096 A JP 34978096A JP 34978096 A JP34978096 A JP 34978096A JP H10188907 A JPH10188907 A JP H10188907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot cathode
pressure discharge
discharge lamp
glass tube
lamp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP34978096A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Watanabe
昭男 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP34978096A priority Critical patent/JPH10188907A/ja
Publication of JPH10188907A publication Critical patent/JPH10188907A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Discharge Lamps And Accessories Thereof (AREA)
  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)
  • Discharge Lamp (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな絶対光量が安定的に得られ、かつ長期
間の使用に耐える熱陰極低圧放電灯と、この熱陰極低圧
放電灯を光源に利用した低圧放電灯装置の提供。 【解決手段】 熱陰極低圧放電灯の発明は、内壁面に蛍
光体層2が設けられ、かつ少なくともAr−Neの混合ガス
を含む放電媒体を封有するガラス管1、および前記ガラ
ス管1の両端部にそれぞれ封装された一対の熱陰極を有
する熱陰極低圧放電灯10であって、前記放電媒体の封入
圧中の少なくとも50%(分圧比)をNeガスが占めるとと
もに、前記熱陰極に点灯中も予熱電流を流す予熱回路4
を付設したことを特徴とする熱陰極低圧放電灯である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱陰極低圧放電灯に
係り、さらに詳しくは相対光量の増大化および長寿命化
を図った熱陰極低圧放電灯に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばOA機器類の省電力などに伴っ
て、たとえば読取り用光源として、消費電力が小さく、
発光効率の高い水銀蒸気低圧放電灯としての蛍光ランプ
が、一般的に使用されている。特に、複写機の読取り用
光源は、ハロゲンランプの代りに、電力消費の少ないこ
とや放熱量も小さく始動電圧も低い熱陰極形蛍光ランプ
が使用されている。
【0003】ここで、熱陰極は、たとえば W製のフィラ
メントに、電子放射物質(Ca,Sr,Baなどの酸化物)を
塗布して成る構成を採っており、この熱陰極に導入(リ
ード)線を介して通電して加熱したとき生じる熱電子が
一対の熱陰極間に印加された電界により加速され、ガラ
ス管内で放電が開始する。そして、この放電エネルギー
で励起された水銀原子の共鳴遷移によって紫外線が放射
され、ガラス管内壁面の蛍光体膜で、可視光に変換され
て低圧放電灯として機能する。
【0004】また、複写機の読取り用光源などにおいて
は、点灯開始から一定の安定した光量に達するまでの所
要時間が短いことが望まれる。
【0005】しかし、最大定格ランプ電流 400μA 以下
の熱陰極低圧放電灯の場合、一定の安定した光量への到
達時間が30 sec程度かかり、点灯直後 1〜 2 secで大き
な光量を必要とする複写機の読取り用光源としては適さ
ない。従来のOA機器では、最大定格ランプ電流(たとえ
ば 600μA )で数 100msec点灯し、素早くランプ光量を
立ち上がらせた後、ランプ電流を最大定格電流の半分程
度(たとえば 300μA )に下げ、ランプ光量をランプ点
灯後、数 100msecから光量一定に制御する方法が用いら
れている。このため、熱陰極低圧放電灯の発光面に近接
させて、光センサを配置しておき、この光センサでの検
出光量によって点灯回路を制御する構成が採られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、熱陰極低圧放
電灯の絶対的光量は、一般的に、ハロゲンランプに比べ
低レベルであるため、実用に当たっては、さらなる発光
光量の向上が望まれ、そのための試みもいろいろなされ
ている。たとえば、ガラス管内壁面の蛍光体層(膜)を
3波長形の蛍光体で形成して輝度を上げること、あるい
は高周波点灯方式の採用などもが知られているが、十分
な対応策が開発されているとはいえない。 本発明者
は、熱陰極低圧放電灯を形成するガラス管内に、Arガス
と衝突断面積の大きいNeガスとの混合ガスを放電媒体と
して封有する一方、数 100mA以上のランプ電流を流せる
熱陰極ランプを封有した構成とすることによって、絶対
光量を向上させることを見出した。しかし、さらなる絶
対光量アップのため、前記Ar−Ne混合ガス中のNe混合比
を増やすと、次のような事由によって、熱陰極が低寿命
化し、ランプ寿命が極端に短くなるという不都合があ
る。
【0007】Neは拡散係数が大きいため、Arを含む混
合ガス系では、通常、電極のスポットに流入するべき準
安定順位のNe原子・Neイオンがスポットに戻らない。し
たがって、スポットが広がり、スポット温度が熱電子放
出に必要な適正温度よりも下がり、二次電子放出による
ランプ電流が増加するため、エミッターのスパッターが
増加する。
【0008】Neの準安定順位のエネルギーは、約15eV
であり、Arの10eVに比べて高いため、陰極降下電圧が上
がり、Neイオンによってエミッターのスパッターが発生
する。 なお、一般的に、蛍光ランプにおけるフィラメ
ントイオン衝撃に基づく断線、結果的には蛍光ランプの
寿命低下に対しては、フィラメントを予熱しながら点灯
する方式も知られている(特開平4-212258号公報)が、
絶対光量の点で問題がある。
【0009】本発明は、上記問題を解決するものであ
り、絶対光量を大きくするとともに、ランプ寿命を長く
した熱陰極低圧放電灯と、この熱陰極低圧放電灯を光源
に利用した低圧放電灯装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内壁
面に蛍光体層が設けられ、かつ少なくともAr−Neの混合
ガスを含む放電媒体を封有するガラス管、および前記ガ
ラス管の両端部にそれぞれ封装された一対の熱陰極を有
する熱陰極低圧放電灯であって、前記放電媒体の封入圧
中の少なくとも50%をNeガスが占めるとともに、前記熱
陰極に点灯中も予熱電流を流す回路を付設したことを特
徴とする熱陰極低圧放電灯である。
【0011】この請求項1および以下の請求項において
示す、Ar−Neの混合比率(%)はいずれも分圧比を示
す。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載の熱陰極
低圧放電灯において、Ar−Neの混合ガスは、Arガスが 2
〜30%、Neガスが98〜70%であることを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、請求項1もしくは請求
項2記載の熱陰極低圧放電灯において、Ar−Neの混合ガ
スの封入圧は、 1〜5 Torrであることを特徴とする。
【0014】すなわち、熱陰極低圧放電灯の発明は、内
壁面に蛍光体層が設けられたガラス管内に、少なくとも
Ar−Neの混合ガスを含む放電媒体を封有し、かつ電子放
射性物質を塗布した熱陰極を備えた構成において、点灯
時しながら熱陰極を予熱する予熱回路を付設したことを
骨子としている。
【0015】ここで、内壁面に蛍光体層が設けられたガ
ラス管(発光管)の形状は、たとえば直管形が一般的で
あるが、環状形、U字形、蛇行形など出も実現可能であ
る。そして、ガラス管は、一般的に、ガラス管長 300mm
程度以上であって、定格ランプ電流 500〜 800 A程度、
管壁負荷 120〜 200 W/cm2 程度で点灯される。
【0016】また、前記ガラス管内両端部に封装された
一対の熱陰極は、たとえば W製フィラメントなど数 100
mA以上のランプ電流を流せる材質で形成され、かつCa,
Sr,Baの酸化物の少なくとも1種の電子放射性物質を塗
布・担持したものである。なお、前記熱陰極を支持する
ステムは、たとえば真鍮、ステンレス鋼、Cu、Tiまたは
Feなどの金属にCrメッキを施した材料製が望ましい。
【0017】さらに、前記ガラス管内に封有する放電媒
体は、少なくともAr−Ne混合系ガスを含み、かつその混
合ガス封入圧中の少なくとも50%をNeガスが占めている
必要がある。すなわち、所要量の水銀およびAr−Ne系混
合ガスから成る放電媒体中、前封入ガス圧に対し、Ar−
Ne混合系ガス中のNeガス圧が50%以上、好ましくは70〜
98%占めている構成とし、これによって絶対光量の増大
化が図られる。たとえば、ランプ管長 360mm,ランプ管
径15.5mm,定格ランプ電流 600mA,封入ガス(放電媒体
ガス)圧 3Torrの構成で、封入ガス(Ar−Ne系混合ガ
ス)の組成比による相対光度との関係を試験・評価した
ところ、図1に示すような結果が確認された。
【0018】さらにまた、点灯時に、熱陰極を予熱する
予熱回路の付設は、各熱陰極に対する一対の導入線を兼
用する形である。つまり、点灯用のランプ電流に予熱用
の電流が上乗せさる方式が採られる。ここで、熱陰極に
対する点灯用のランプ電流に、上乗せする予熱用の電流
(電圧)は、熱陰極低圧放電灯の規格や品種などによっ
て選択・設定するが、たとえばランプ管長 360mm,ラン
プ管径15.5mm,定格ランプ電流 600mA,放電媒体ガス 5
%Ar−95%Ne混合系、封入ガス圧 3Torrの構成の場合、
点灯ランプ電流に対する予熱用の電流(電圧)の最適範
囲は図2において斜線で示す範囲になる。
【0019】請求項4の発明は、内壁面に蛍光体層が設
けられ、かつ放電媒体の封入圧中の少なくとも50%をNe
ガスが占めるAr−Ne系混合ガスを封有するガラス管、お
よび前記ガラス管の両端部にそれぞれ封装された一対の
熱陰極を有する熱陰極低圧放電灯と;前記熱陰極低圧放
電灯の熱陰極に点灯中も予熱電流を流す回路を付設した
点灯回路と;を有することを特徴とする熱陰極低圧放電
灯装置である。
【0020】請求項5の発明は、内壁面に蛍光体層が設
けられ、かつ放電媒体の封入圧中の少なくとも50%をNe
ガスが占めるAr−Ne系混合ガスを封有するガラス管、お
よび前記ガラス管の両端部にそれぞれ封装された一対の
熱陰極を有する熱陰極低圧放電灯と;前記熱陰極低圧放
電灯の熱陰極に点灯中も予熱電流を流す回路、およびラ
ンプ電流に応じて予熱電流を調整する調光回路を付設し
た点灯回路と;を有することを特徴とする熱陰極低圧放
電灯装置である。
【0021】請求項6の発明は、請求項5記載の熱陰極
低圧放電灯装置において、熱陰極低圧放電灯は、ガラス
管外径15.5mm,定格ランプ電流 600〜 800mAであること
を特徴とする。
【0022】請求項7の発明は、請求項4ないし請求項
6いずれか一記載の熱陰極低圧放電灯装置において、Ar
−Neの混合ガスはArガスが 2〜30%、Neガスが98〜70%
であることを特徴とする。
【0023】封入ガスとして、Ne 100%のガスを使用し
た場合、ランプ点灯電圧の極端な上昇、ランプ電圧の極
端な上昇が起こるため、Neガスに対して 2%以上のArガ
スを封入する必要がある。
【0024】請求項8の発明は、請求項7記載の熱陰極
低圧放電灯装置において、Ar−Neの混合ガスの封入圧は
1〜5 Torrであることを特徴とする。
【0025】ここで、封入ガス圧が 1Torr以下の場合、
封入ガス圧のバラツキが、ランプ特性に大きく影響を与
えるため実用的でない。また、封入ガス圧が5 Torrを超
えると光量が減少する。したがって、封入ガス圧の範囲
は 1〜5 Torrが適正である。請求項1〜3の発明では、
点灯中、常時熱陰極を予熱する構成としたことにより、
スポット温度が熱電子放出に適正な温度に保たれるた
め、Neイオンによるエミッターのスパッターが抑制され
る。つまり、Ar−Ne混合ガス系のNe混合率の増大によっ
て絶対光量の向上を図った場合でも、エミッターのスパ
ッターが抑制され、熱陰極が長寿命化するために、長期
間に亘って熱陰極低圧放電灯として機能する。
【0026】請求項4ないし8の発明では、絶対光量の
向上が図られた長寿命化な熱陰極低圧放電灯を光源とし
たことに伴って、OA機器の読取り用もしくは液晶表示装
置のバックライトユニットなどとして、鮮明な画像表示
などが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図3ないし図10を参照して
実施の形態例を説明する。
【0028】第1の実施形態例 図3は、冷陰極低圧放電灯の要部構成を示す断面図であ
る。図3において、1は内壁面に紫外線による刺激で発
光する蛍光体層2が設けられ、かつ放電媒体が封入され
たガラス管、3は前記ガラス管1の両端部にそれぞれ封
装された一対の熱陰極、4は熱陰極3側にそれぞれ電気
的に接続し、ランプ点灯時に各熱陰極3を予熱する予熱
回路である。ここで、ガラス管(発光管)1は、管長 3
60mm、管径15.5mm、定格ランプ電流 600mAで、内壁面の
蛍光体層2が3波長発光型の蛍光体で形成されている。
【0029】また、ガラス管の両端部に封入された一対
の熱陰極3は、ガラス管1端部を封止するステム5を介
して封止・導入された一対のリード線6a,6bに電気的に
接続・支持された W製のフィラメントに、たとえば BaO
などの電子放射性物質を塗布して形成されている。さら
に、放電媒体として水銀の他、Ar 100%(比較例1)、
Ar:Ne=50%:50%(実施例1)、Ar:Ne= 5%:95%
(実施例2)をガス圧3Torrに封入した構成を採ってい
る。なお、前記熱陰極3をランプ点灯時に予熱する予熱
回路4は、口金7に植設された端子ピン7a,7bを介して
点灯用ランプ電流とともに予熱電圧を印加できるように
構成されている。
【0030】図4は、上記熱陰極低圧放電灯を点灯回路
に組み込んだ点灯装置の回路図である。この点灯装置
は、2石プッシュブル方式の一般的なインバータを備え
ており、トランジスターの交互のオン・オフによりトラ
ンス8の一次側に、正弦波の電圧を発生させ、トランス
二次側の回路9によって、上記熱陰極低圧放電灯10を点
灯させる。ここで、トランス二次側の回路9中にスイッ
チがある。そして、このスイッチは、点灯始動時の最初
はオフ状態にあり、予熱回路 11a, 11bによって両熱陰
極3を予熱し、その後スイッチがオンとなることで、熱
陰極低圧放電灯10が点灯されるようになっている。
【0031】なお、前記スイッチは、たとえば図5に示
す回路構成のスイッチ回路が使用される。すなわち、ス
イッチ開閉の電源にRC次定数回路を用い、コンデンサ充
電中においては、中性点12がHighの状態にあるので、ト
ランジスタ Q2 がオンの状態となる。したがって、トラ
ンジスタ Q1 に供給されるべきベース電流は、トランジ
スタ Q2 のコレクタ電流として流れため、トランジスタ
Q1 がオフとなり、スイッチがオフの状態となる。次
に、コンデンサが十分に充電されて中性点12が Lowの状
態になると、トランジスタ Q2 がオフとなり、トランジ
スタ Q1 がオンの状態となる。
【0032】このスイッチ回路による予熱時の周波数
は、トランスの一次インダクタンス、一次側のコンデン
サ容量、二次側の予熱用コンデンサ容量、トランスの巻
線数、予熱用回路4の巻線数に支配される。また、熱陰
極低圧放電灯10が点灯されるときの周波数は、点灯回路
部の巻数、ランプ電流制限用コンデンサ容量に支配され
る。そして、この点灯回路装置の構成では、熱陰極3の
予熱時の予熱電流が大きく、点灯中の予熱電流が小さく
なり、また、スイッチのオンからオフに至るまでの時間
が長いほど、点灯始動に時間を要するので、ランプ電流
に対して予熱電流(電圧)を適正に選ぶことが望まし
い。
【0033】上記構成の熱陰極低圧放電灯(実施例1,
2,比較例1)を、それぞれ10個用意し、上記点灯回路
装置を構成して、ランプ電流 600mAで点灯した時の光量
を測定した。そして、比較例1の光量を基準として、相
対光量を平均値で比較した結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 また、比較例1および実施例1,2の冷陰極低圧放電灯
に、熱陰極3のフィラメントの平均温度が約 650℃にな
るように予熱回路4に予熱電圧を印加して点灯を行った
場合と、予熱電圧を印加しないで点灯を行った場合とに
ついて、不点灯に至るまでの点灯時間(寿命)を試験・
評価した結果の平均値を表2に示す。
【0035】
【表2】 上記表1および表2から分かるように、Ar−Ne混合ガス
中のNeガス混合率を高めることが、大きな光量を得る上
で効果的であり、また、Neガス混合率を高めたときは、
常時予熱点灯方式をとることにより、実用上十分な寿命
を確保できる。なお、上記冷陰極低圧放電灯(実施例
1,2,比較例1)の製造工程において、いわゆるエー
ジング点灯(定格ランプ電流)を、それぞれ10分間以上
行って得たた場合でも、前記の相対光量および点灯寿命
については、同様の結果が得られた。 上記実施形態に
おいて、図6に図示するように、トランスの一次側回路
にデューテイ信号発振回路13をさらに付設した点灯回路
と組み合わせた点灯回路装置の場合は、ランプ電流に応
じて熱陰極の予熱電流を自動的に制御し、熱陰極の予熱
量を適正に維持できるので、さらに効率的な光源として
機能する。
【0036】第2の実施形態例 第1の実施形態例におけるエージング点灯(定格ランプ
電流)を角度を換えて、検討した例を説明する。
【0037】たとえばガラス管は、管径15.5mm,ガラス
管長 360mm,熱陰極の高さ(ガラス管端からの)28〜40
mm程度で形成され、水銀約数mg,封入ガス 3Torr程度が
封入され、ガラス管内壁面には3波長発光形蛍光体から
なる蛍光体層が形成されており、定格ランプ電流を 600
mAとして熱陰極低圧放電灯を複数種類用意した。ここ
で、熱陰極の高さを、通常の20mm程度に比べて、長いフ
レアステムを用い28〜40mm程度と高く設定したのは、絶
対光量を挙げるのにランブ電流を増やしても、最冷部温
度を適正に保持する保つためである。
【0038】また、OA機器用蛍光ランプの場合、殊に読
取り用蛍光ランプの場合絶対光量が大きいランプ管軸に
沿った光量分布の均一度が高く、点灯時間内のランプ光
量の安定度の高い、加えて光量立ち上がりの速いことが
必須である。本発明者は、熱陰極低圧放電灯の製造工程
でのエージング点灯を長く設定することで、上記の問題
が解決することを見出した。すなわち、この種の熱陰極
低圧放電灯では、その製造工程で高々 1分程度のエージ
ング点灯が行われるに過ぎないが、このエージング点灯
を10分間以上行うと、放電媒体や断局の高さに拘らず、
上記問題点が改善されることを見出した。
【0039】さらに、これらの冷陰極低圧放電灯は、そ
の製造工程でのエージング点灯前(比較例2)、製造工
程でのて定格ランプ電流によるエージング点灯を数分間
行った場合(比較例3)、製造工程でのて定格ランプ電
流によるエージング点灯を10分間以上行った場合(実施
例3)である。
【0040】先ず、実施例3の冷陰極低圧放電灯を複写
機の読取り光源として組み込み、実施例3の冷陰極低圧
放電灯を定格ランプ電流で点灯した場合、冷陰極低圧放
電灯軸に沿った配光分布は、図7に示すごとく均一な分
布となっており、複写機に組み込んだとき、原稿面で均
一な照度が得られる。つまり、読取りエラーを発生する
恐れが全面的に解消される。
【0041】一方、比較例2の定格ランプ電流で点灯し
た場合、熱陰極低圧放電灯軸に沿った配光分布は、図8
に示すごとく不均一な分布となっており、原稿面で均一
な照度が得られなかった。つまり、読取りエラーを発生
する恐れがある。
【0042】また、比較例3の冷陰極低圧放電灯を複写
機の読取り光源として組み込み、定格ランプ電流で点灯
した場合、点灯後 3分程度の時点で、一旦、光量が大き
く減少し、冷陰極低圧放電灯軸に沿った配光分布は、図
9に示すような分布となっており、点灯から 4分程度経
過後でないと、安定な読取りを行うことができない。比
較例2,3についての上記現象は、点灯・消灯の繰り返
し都度に起こるので、複写機の性能に大きく影響する。
そして、このような現象は、冷陰極低圧放電灯の製造工
程において、水銀をガラス管の一端側から封入すること
に起因すると考えられる。すなわち、冷陰極低圧放電灯
の製造直後はガラス管内に水銀が局在しており、冷陰極
低圧放電灯が熱平衡に達するまでのガラス管温度の変化
に伴って、ガラス管内の水銀移動がおこる。そして、冷
陰極低圧放電灯が熱平衡なる間、ガラス管内の水銀蒸気
圧(水銀蒸気分布)が刻々と変化するために、光量が変
化すると推定される。
【0043】これに対して、実施例3の場合は、エージ
ング点灯を比較的長く設定したので、ガラス管の一端側
から封入された水銀が予め全体的に分散封入された状態
を容易に採り、点灯・消灯の繰り返し都度において、同
じ光量の立上がり・光量分布を採ることができるといえ
る。
【0044】なお、複写機の読取り光源としては、冷陰
極低圧放電灯が所要の高い光量を立上がり速く、かつ安
定的に発光することが前提になる。つまり、高い光量を
立上がり速くするため、点灯直後において比較的大きな
ランプ電流を流す一方、組み込まれた狭い領域でも、点
灯時における最冷部温度を十分に確保する、冷陰極のガ
ラス管封止部から離し(高さを高くする)た構成を採る
必要がある。
【0045】本発明者の実験によると、管壁負荷 120〜
200W/ m2 ,ランプ管長さ 300mm以上,定格ランプ電流
500〜 800mAの冷陰極低圧放電灯の構成において、冷陰
極のガラス管封止部からの距離(高さ)を20〜45mmに設
定し、安定的に、かつ所要の光量が得られる範囲は、図
10に示すような関連が認められた。そして、歩留まりや
安定性などを考慮すると、冷陰極のガラス管封止部から
の距離(高さ)は、28〜40mmが適正な範囲である。
【0046】第3の実施形態例 第1の実施形態例において、ガラス管長さ 201mm,管径
8.1mm、ガラス管端部を封止するステム5の材質をCrメ
ッキした真鍮(実施例4)もしくはCrメッキしたステン
レス鋼(実施例5)、NiメッキFe(比較例4)などと
し、放電媒体として水銀の他にArもしくはNeの封入量を
12Torrとし、さらに予熱点灯方式を採らなかった外は同
じ条件で、定格ランプ電流60mAの冷陰極低圧放電灯を製
造した。なお、いずれの場合も、一方の熱陰極にはエミ
ッターを塗布・担持させ、他方の熱陰極にはエミッター
を塗布・担持させず疑似的にエミッターが全て消費され
た寿命末期の電極状態とした。
【0047】上記冷陰極低圧放電灯(各10個)をそれぞ
れランプ点灯電圧(インバータ2次解放電圧) 450Vrms
で点灯し、各冷陰極低圧放電灯について点灯後、不点灯
になるまでの半波放電の時間を測定した結果の平均値を
表3に示す。
【0048】
【表3】 上記表3から分かるように、二次電子放出係数の小さい
材質をステム材質とした冷陰極低圧放電灯(実施例4,
5)の場合は、寿命末期におけるいわゆる半波放電時間
が極端に短縮し、冷陰極低圧放電灯の異常発熱、インバ
ータ回路の異常発熱、また、これらに伴う発煙・発火な
ども容易に回避することができ、安全性や信頼性の高い
冷陰極低圧放電灯として機能する。
【0049】本発明は上記実施例に限定されるものでな
く、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採
ることができる。たとえば、ガラス管の内径,外径,長
さ、冷陰極(円筒状金属部材や導電性金属棒)の素材や
寸法など、用途などによって使い分けしてもよい。
【0050】
【発明の効果】請求項1〜3の発明によれば、点灯中、
スポット温度が熱電子放出に適正な温度に保たれるた
め、Neイオンによるエミッターのスパッターが抑制され
る。つまり、Ar−Ne混合ガス系のNe混合率の増大によっ
て絶対光量の向上を図った場合でも、エミッターのスパ
ッターが抑制され、長期間に亘って高い絶対光量を維持
するので、複写機の読取り光源などに適する熱陰極低圧
放電灯が提供される。
【0051】請求項4ないし8の発明によれば、OA機器
もしくは液晶表示装置などにおいて、鮮明な画像表示な
どの可能に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】放電媒体として封入するAr−Ne混合ガスの組成
比と相対光量との関係例を示す特性図。
【図2】第1の実施形態例の熱陰極低圧放電灯における
ランプ電流に対する予熱電圧の適正範囲例を示す特性
図。
【図3】第1の実施形態例の熱陰極低圧放電灯の要部構
成を拡大して示す断面図。
【図4】第1の実施形態例の熱陰極低圧放電灯点灯装置
の回路構成を示す回路図。
【図5】図4に図示した回路図におけるスイッチ回路
図。
【図6】第2の実施形態例の熱陰極低圧放電灯点灯装置
の回路構成を示す回路図。
【図7】第2の実施形態例の熱陰極低圧放電灯の点灯時
間と相対光量との関係を示す特性図。
【図8】エージング点灯前における熱陰極低圧放電灯の
点灯時間と相対光量との関係を示す特性図。
【図9】通常のエージング点灯後における熱陰極低圧放
電灯の点灯時間と相対光量との関係を示す特性図。
【図10】第2の実施形態例の熱陰極低圧放電灯におけ
る熱陰極の高さと光量との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1……ガラス管 2……蛍光体層 3……熱陰極 4, 11a, 11b……予熱回路 7……口金 8……点灯回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内壁面に蛍光体層が設けられ、かつ少な
    くともAr−Neの混合ガスを含む放電媒体を封有するガラ
    ス管、および前記ガラス管の両端部にそれぞれ封装され
    た一対の熱陰極を有する熱陰極低圧放電灯であって、 前記放電媒体の封入圧中の少なくとも50%をNeガスが占
    めるとともに、前記熱陰極に点灯中も予熱電流を流す回
    路を付設したことを特徴とする熱陰極低圧放電灯。
  2. 【請求項2】 Ar−Neの混合ガスは、Arガスが 2〜30
    %、Neガスが98〜70%であることを特徴とする請求項1
    記載の熱陰極低圧放電灯。
  3. 【請求項3】 Ar−Neの混合ガスの封入圧は、 1〜5 To
    rrであることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記
    載の熱陰極低圧放電灯。
  4. 【請求項4】 内壁面に蛍光体層が設けられ、かつ放電
    媒体の封入圧中の少なくとも50%をNeガスが占めるAr−
    Ne系混合ガスを封有するガラス管、および前記ガラス管
    の両端部にそれぞれ封装された一対の熱陰極を有する熱
    陰極低圧放電灯と;前記熱陰極低圧放電灯の熱陰極に点
    灯中も予熱電流を流す回路を付設した点灯回路と;を有
    することを特徴とする熱陰極低圧放電灯装置。
  5. 【請求項5】 内壁面に蛍光体層が設けられ、かつ放電
    媒体の封入圧中の少なくとも50%をNeガスが占めるAr−
    Ne系混合ガスを封有するガラス管、および前記ガラス管
    の両端部にそれぞれ封装された一対の熱陰極を有する熱
    陰極低圧放電灯と;前記熱陰極低圧放電灯の熱陰極に点
    灯中も予熱電流を流す回路、およびランプ電流に応じて
    予熱電流を調整する調光回路を付設した点灯回路と;を
    有することを特徴とする熱陰極低圧放電灯装置。
  6. 【請求項6】 熱陰極低圧放電灯は、ガラス管外径15.5
    mm,定格ランプ電流600〜 800mAであることを特徴とす
    る請求項5記載の熱陰極低圧放電灯装置。
  7. 【請求項7】 Ar−Neの混合ガスは、Arガスが 2〜30
    %、Neガスが98〜70%であることを特徴とする請求項4
    ないし請求項6いずれか一記載の熱陰極低圧放電灯装
    置。
  8. 【請求項8】 Ar−Neの混合ガスの封入圧は、 1〜5 To
    rrであることを特徴とする請求項7記載の熱陰極低圧放
    電灯装置。
JP34978096A 1996-12-27 1996-12-27 熱陰極低圧放電灯および熱陰極低圧放電灯装置 Withdrawn JPH10188907A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34978096A JPH10188907A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 熱陰極低圧放電灯および熱陰極低圧放電灯装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34978096A JPH10188907A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 熱陰極低圧放電灯および熱陰極低圧放電灯装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10188907A true JPH10188907A (ja) 1998-07-21

Family

ID=18406068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34978096A Withdrawn JPH10188907A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 熱陰極低圧放電灯および熱陰極低圧放電灯装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10188907A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008013029A1 (fr) * 2006-07-25 2008-01-31 Sony Corporation Lampe fluorescente, dispositif de source lumineuse, et affichage
JP2015513756A (ja) * 2011-12-28 2015-05-14 ライトラブ スウェーデン アクティエボラーグ 電界放出型光源用電源

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008013029A1 (fr) * 2006-07-25 2008-01-31 Sony Corporation Lampe fluorescente, dispositif de source lumineuse, et affichage
JP2015513756A (ja) * 2011-12-28 2015-05-14 ライトラブ スウェーデン アクティエボラーグ 電界放出型光源用電源

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4093893A (en) Short arc fluorescent lamp
US7508133B2 (en) Discharge lamp and illumination apparatus with gas fill
JP3678206B2 (ja) 照明システム及び蛍光ランプ
US6469447B2 (en) Fluorescent lamp lighting apparatus
JPH04308647A (ja) 白熱放射フィラメント装備のグロー放電ランプ
JPH10188907A (ja) 熱陰極低圧放電灯および熱陰極低圧放電灯装置
US6707246B1 (en) Low-pressure mercury vapor discharge lamp with improved auxiliary amalgam
WO1999034402A1 (fr) Structure d'electrode pour emission electronique, lampe a decharge et appareil a lampe a decharge
US6552497B2 (en) Light bulb type fluorescent lamp lighting apparatus
US3526803A (en) High-output fluorescent lamp with axial rod and amalgam mercury-vapor control means
US2092363A (en) Gas or vapor discharge tube
JPH04357659A (ja) 放電管
KR900006149B1 (ko) 저압 방전등
JPH07272674A (ja) 熱陰極放電管並びに熱陰極蛍光ランプ及びそれらの点灯装置
JP3165274U (ja) 熱陰極予熱起動放電ランプ
WO1989002160A1 (en) Hot cathode type low pressure rare gas discharge lamp
JP2862482B2 (ja) 小型蛍光管
JP2002298609A (ja) 電球形蛍光ランプ
JPH0877966A (ja) 低圧水銀蒸気放電ランプおよび放電ランプ点灯装置ならびに照明装置
JP2002260583A (ja) 蛍光ランプ
JP2845921B2 (ja) 低圧放電灯
JP2004031061A (ja) 低圧放電ランプおよび放電ランプ点灯装置
JPH11288687A (ja) 放電ランプ
JP2010231891A (ja) 熱陰極蛍光ランプ
JPH08273593A (ja) 蛍光ランプおよび照明器具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20031210

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20031210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20031210

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20040809

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040809