JP2010230466A - 対象物中の誘電率算出装置及び誘電率算出方法 - Google Patents

対象物中の誘電率算出装置及び誘電率算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】誘電体の対象物に向けて電磁波を送信して反射波を受信することにより、対象物中の誘電率を算出するとき、対象物の反射特性から高速に行うことができ、かつ数値として得ることのできる装置及び方法を提供する。
【解決手段】対象物に電磁波を送信して得られる電磁波の反射波を受信する、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを備える。受信した反射波に基づいて、対象物表面に平面波の電磁波が入射したときの複素反射率を算出する。算出された複素反射率から、送信した電磁波の一部が対象物内へ入ることを想定した電磁波の伝播の式の満たすべき条件に基づいて、対象物の複素誘電率を算出する。複数の送信アンテナと複数の受信アンテナは一方向に列を成してリニアアレイアンテナを構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、対象物に電磁波を送信して反射波を受信することにより、対象物中の誘電率を算出する比誘電率の算出装置および算出方法に関する。
近年、鉄筋等の鋼材を補強材とするコンクリート対象物、例えばコンクリート建築物、コンクリート橋梁の床版、高速道路の床版、あるいはトンネル対象物では、コンクリートの劣化が問題となっている。
コンクリート対象物の劣化の原因として、対象物中の塩分濃度が挙げられる。コンクリート対象物中の塩分は、対象物製造時コンクリートに用いる砂等の中に存在し、あるいは、製造後に進入する。この塩分は、鉄筋等の鋼材を腐食させ膨張させ、コンクリートにひび割れや剥離等の劣化を引き起こす。
コンクリート対象物の安全性を確保するには、コンクリートの劣化が進行する前に、コンクリート対象物内の塩分濃度を調査し、今後の劣化を予想することが必要である。
コンクリート対象物の塩分濃度の情報を調べるために、周波数が0〜1MHzの領域でコンクリート対象物の電気伝導度を測定する4極法が知られている。この方法は、塩分濃度がコンクリート中で高いほど、電気伝導度が高いことを利用するものである。しかし、この方法は、電極をコンクリート対象物の中へ深く打ち込む必要があり、コンクリート対象物の一部を破壊する必要があり、既存の対象物を破壊することなく測定することはできないといった問題がある。
また、コンクリート対象物の塩分濃度の情報は、非特許文献1に記されるように、コンクリート対象物の表面に電磁波を照射してそのときの電磁波のエネルギー損失係数を計測することによって調べることができることが知られている。これは、コンクリートの複素誘電率の虚数部が大きくなることによる。しかし、この方法は、エネルギー損失係数の算出精度が低く実用上問題がある。
また、光の波長帯域のレーザ光を物体の表面に照射して表面の反射特性を計測するエリプソメータの原理を用いて、レーザ光の替わりに100MHz〜数10GHzの電磁波をコンクリート対象物に照射しそのときの反射信号を受信する方法も試みられている。しかし、この方法では、電磁波の送受信に用いるアンテナを種々の角度に配置して送受信する必要がある。このため、装置構成が大型化し屋外の現場で汎用的に用いることができない。
下記特許文献1には、鉄筋コンクリート対象物中の塩分濃度検査方法が記載されている。当該文献によると、まず、検査対象の鉄筋コンクリート対象物のコンクリートと同じ組成のコンクリート材料に所定濃度の塩分を混入した複数の塩分濃度別コンクリート試験片を作る。この後、試験片毎に電磁波信号を入射して単位距離当たりの振幅減衰と伝搬速度と当該試験片に接する大気温度とを測定し、試験片毎の測定値から前記振幅減衰と伝搬速度と大気温度とを独立変数とし塩分濃度を従属変数とする関係式を求める。次に、対象物のコンクリートに前記電磁波信号を入射して単位距離当たりの振幅減衰と伝搬速度と当該対象物のコンクリートに接する大気温度とを測定し、当該振幅減衰と伝搬速度と大気温度の測定値を前記関係式に代入して対象物のコンクリート中の塩分濃度を検出する。
しかし、当該文献に記載の方法では、検査対象の鉄筋コンクリート対象物のコンクリートと同じ組成のコンクリート材料に所定濃度の塩分を混入した複数の塩分濃度別コンクリート試験片を作る必要がある。このため、数10年も前に製造されたコンクリート対象物を検査対象とするとき、同じ組成のコンクリート材料を再現した試料を作製することは困難である。また、対象物の測定では伝搬速度の測定を含むため、測定が煩雑になるといった問題も生じる。
特開2004−125570号公報
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために、従来問題があり実用的でないとされてきた誘電率の算出を、対象物の反射特性から高速に行うことができ、かつ数値として得ることのできる装置及び方法を提供することを目的とする。すなわち、誘電体を用いた対象物に電磁波を送信して反射波を受信することにより、対象物中の誘電率を算出する比誘電率の算出装置および算出方法を提供することを目的とする。
この装置および方法は、コンクリート対象物中の塩分濃度を調べることに用いられるだけでなく、誘電体の対象物中の含有濃度によって電気伝導度を変化させる成分の含有情報の調査においても適用することができる。
上記目的は、誘電体の対象物に向けて電磁波を送信し、対象物で反射した電磁波の反射波を受信することにより、対象物中の誘電率を算出する、以下の誘電率の算出装置により達成することができる。
具体的には、上記装置は、
(A)対象物に電磁波を送信し、対象物で反射して得られる電磁波の反射波を受信する、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを備える測定部と、
(B)受信した反射波に基づいて、対象物表面に平面波の電磁波が入射したときの複素反射率を算出する反射率算出部と、
(C)算出された前記複素反射率から、送信した電磁波の一部が対象物内へ入ることを想定した電磁波の伝播の式の満たすべき条件に基づいて、対象物の複素誘電率を算出する誘電率算出部と、を有する。
その際、前記複数の送信アンテナと前記複数の受信アンテナは一方向に列を成して並び、
前記測定部は、前記複数の送信アンテナの中の1つの送信アンテナから電磁波を送信して前記複数の受信アンテナで反射波を受信するように、時間をずらしながら前記複数の送信アンテナに電磁波を送信させることにより、前記複数の送信アンテナの位置と前記複数の受信アンテナの位置とで規定される第1の反射信号の群を取得し、
前記反射率算出部は、前記第1の反射信号の群を少なくとも2方向の波数で規定される第2の反射信号の群に変換し、この第2の反射信号の群の情報を用いて前記複素反射率を算出する、ことが好ましい。
また、前記複数の送信アンテナのそれぞれの位置および前記複数の受信アンテナのそれぞれの位置が、測定対象物表面からの同じ高さにあるように配置され、
前記反射率算出部は、前記第2の反射信号の群に対して、測定対象物表面からの高さに応じた位置補正を行う、ことが好ましい。
また、前記複数の送信アンテナと前記複数の受信アンテナは、直線上に交互に配置され、あるいは、前記複数の送信アンテナの列と前記複数の受信アンテナの列とが隣接するように配置され、
前記測定部は、前記複数の送信アンテナの放射面と前記複数の受信アンテナの受信面を、対象物表面を向けた状態で、前記一方向と直交し、かつ、対象物表面に沿った方向に移動しながら反射波を受信する、ことが好ましい。
さらに、前記誘電率算出部は、前記複素誘電率の他に、電磁波の対象物内での減衰率の値を算出する、ことが好ましい。
また、前記誘電率算出部は、対象物表面からの深さ方向の位置をzとしたとき、求めるべき前記複素誘電率の式をzの多項式の関数として定め、この関数を用いて平面波の電磁波が満たすべき方程式の解の条件を与えることにより、前記複素誘電率の深さ方向の情報を算出する、ことが好ましい。
上記装置は、さらに、前記複素誘電率を用いて対象物の塩分濃度を評価する評価部を有する、ことが好ましい。
上記目的は、誘電体の対象物に向けて電磁波を送信し、対象物で反射した電磁波の反射波を受信することにより、対象物中の誘電率を算出する、以下の誘電率の算出方法により達成することができる。
具体的には、上記方法は、
(D)誘電体の対象物に向けて電磁波を送信し対象物で反射した電磁波の反射波を受信することにより、対象物中の誘電率を算出する誘電率の算出方法であって、
(E)対象物に複数の送信アンテナから電磁波を送信し、対象物で反射して得られる電磁波の反射波を、複数の受信アンテナで受信するステップと、
(F)受信した反射波に基づいて、対象物表面に平面波の電磁波が入射したときの複素反射率を算出するステップと、
(G)算出された前記複素反射率から、送信した電磁波の一部が対象物内へ入ることを想定した電磁波の伝播の式の満たすべき条件に基づいて、対象物の複素誘電率を算出するステップと、を有する。
前記複数の送信アンテナと前記複数の受信アンテナが一方向に列を成して並び、
前記反射波を受信するとき、前記複数の送信アンテナの中の1つの送信アンテナから電磁波を送信して前記複数の受信アンテナで反射波を受信するように、時間をずらしながら前記複数の送信アンテナに電磁波を送信させることにより、前記複数の送信アンテナの位置と前記複数の受信アンテナの位置とで規定される第1の反射信号の群を取得し、
前記複素反射率を算出するとき、前記第1の反射信号の群を少なくとも2方向の波数で規定される第2の反射信号の群に変換し、この第2の反射信号の群の情報を用いて前記複素反射率を算出する、ことが好ましい。
また、前記複数の送信アンテナのそれぞれの位置および前記複数の受信アンテナのそれぞれの位置が、測定対象物表面からの同じ高さにあるように配置され、
前記複素反射率を算出するとき、前記第2の反射信号の群に対して、測定対象物表面からの高さに応じた位置補正を行う、ことが好ましい。
また、前記複数の送信アンテナと前記複数の受信アンテナは、直線上に交互に配置され、あるいは、前記複数の送信アンテナの列と前記複数の受信アンテナの列とが隣接するように配置され、
前記反射波を受信するとき、前記複数の送信アンテナと前記複数の受信アンテナを、対象物表面を向けた状態で、前記一方向と直交し、かつ、対象物表面に沿った方向に移動しながら反射波を受信する、ことが好ましい。
さらに、前記複素誘電率を算出するとき、前記複素誘電率の他に電磁波の対象物内での減衰率の値を算出することが好ましい。
また、前記複素誘電率を算出するとき、対象物表面からの深さ方向の位置をzとしたとき、求めるべき前記複素誘電率の式をzの多項式の関数として定め、この関数を用いて平面波の電磁波が満たすべき方程式の解の条件を与えることにより、前記複素誘電率の深さ方向の情報を算出する、ことが好ましい。
上記方法は、さらに、前記複素誘電率を用いて対象物の塩分濃度を評価するステップを有する、ことが好ましい。
上述の装置あるいは方法では、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて、送信された電磁波の反射波を受信するので、電磁波の送受信に用いるアンテナを種々の角度に配置して送受信する必要がない。このため、装置構成が大型化することなく屋外の現場で汎用的に容易に用いることができる。また、算出される複素反射率から、送信した電磁波の一部が対象物内へ入ることを想定した電磁波の伝播の式の満たすべき条件に基づいて、対象物の複素誘電率を算出するので、従来のように、複素誘電率の定性的な結果ではなく、複素誘電率の内部を考慮した数値が得られる。
特に、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナは一方向に列を成して並び、複数の送信アンテナの位置と前記複数の受信アンテナの位置とで規定される第1の反射信号の群を取得し、この第1の反射信号の群を少なくとも2方向の波数で規定される第2の反射信号の群に変換し、この第2の反射信号の群の中から、対象物表面に所定の角度で入射する平面波を作るように選択された波数を持つ情報を用いて複素反射率を算出するので、精度の高い値を得ることができる。
さらに、複素反射率は、測定対象物表面からの高さに応じた位置補正が行われるので、より精度の高い複素反射率の値を得ることができる。
本発明の対象物中の誘電率算出装置の一実施形態であるレーダ装置の概略構成図である。 図1に示すレーダ装置の測定を模式的に説明する図である。 電磁波の入射及び反射を説明する図である。 本発明の対象物中の誘電率算出方法の一実施形態のフローを示すフローチャートである。
以下、本発明の対象物中の誘電率算出装置及び誘電率算出方法を好適に用いたレーダ装置を基に詳細に説明する。
図1は、本発明の誘電率算出装置の一実施形態である、レーダ装置10の構成を説明する概略構成図である。
レーダ装置10は、誘電体のコンクリート対象物(以下、単に対象物という)Tに電磁波を送信して反射波を受信することにより、対象物T中の誘電率を算出する装置である。レーダ装置10は、測定ユニット12と、演算ユニット14と、出力装置16とを有する。
測定ユニット12は、対象物Tに向けて電磁波を送信して得られる電磁波の反射波を受信する、複数の送信アンテナ18と複数の受信アンテナ20と、高周波スイッチ22,24と、RF回路26と、システムコントローラ28とを有する。
送信アンテナ18は、あらかじめ設定された周波数の電磁波を送信し、受信アンテナ20は、対象物Tからの電磁波の反射波を受信する。送信アンテナ18と受信アンテナは、一方向に(図1中では左右方向に)直線上に交互に配置されて列を形成している。なお、送信アンテナ18と受信アンテナ20は、送信アンテナ18の列と受信アンテナ20の列とが異なる直線上に配置され、この2つ列が隣接するように配置されてもよい。
送信アンテナ18は、送信アンテナから10MHz〜数10GHzの電磁波を送信して、配置されている全ての受信アンテナ20で反射波を受信するように、時間をずらしながら複数の送信アンテナ18のそれぞれが電磁波を送信するように作動する。これにより、後述するように、各送信アンテナ18の位置と各受信アンテナ20の位置とで規定される第1の反射信号の群を取得する。
なお、測定ユニット12の送信アンテナ18と受信アンテナ20は、送信アンテナ18の放射面と受信アンテナ20の受信面を、対象物Tの表面を向けた状態で、送信アンテナ18と受信アンテナ20の配列方向と直交し、かつ、対象物Tの表面に沿った方向に移動しながら反射波を受信するように構成されている。
高周波スイッチ22は、各送信アンテナ18が時間をずらしながら電磁波を送信するように、送信する送信アンテナを選択する部分である。選択は、システムコントローラ28からの送信用制御信号によって制御される。高周波スイッチ24は、各送信アンテナ18が時間をずらしながら電磁波を送信するとき、全ての受信アンテナ20が反射波を受信するようにする部分である。高周波スイッチ24は、システムコントローラ28からの受信用制御信号によって制御される。
RF回路26は、発振ユニット30と、カプラ32と、RFアンプ34,36と、ミキサ38と、IFフィルタ・アンプ40とを有する。
発振ユニット30は、10MHz〜数10GHzの高周波信号を発振する部分であり、カプラ32は、発振した高周波信号のパワーを2分して高周波信号を分割し、一方は、RFアンプ34に、他方は、ミキサ38に供給される。
RFアンプ34は、供給された高周波信号を増幅して、高周波スイッチ22に供給する。
RFアンプ36は、受信アンテナ20で受信して得られる受信信号を増幅する部分である。増幅のゲインは、受信アンテナ20の位置と電磁波を送信した送信アンテナ18の位置とに応じてゲインが設定される。すなわち、送信アンテナ18と受信アンテナ20との間の距離に応じてゲインを調整する。受信信号には、対象物Tの表面で反射した反射波の反射信号の他に、送信アンテナ18から直接受信アンテナ20に受信される直接信号も含まれ、この直接信号は、送信アンテナ18と受信アンテナ20との間の距離に応じて大きく変化する。このため、直接信号の強度がほぼ一定になるようにゲインを調整することにより、微弱な反射信号を適切な感度で計測することができる。
ミキサ38は、受信した反射信号と、カプラ32から供給された高周波信号とを混合する部分である。
IFフィルタ・アンプ40は、混合された信号に対してフィルタリングと増幅を行って、反射信号(第1の反射信号)を得る。得られた処理結果は、システムコントローラ28を介して、演算ユニット14に供給される。
システムコントローラ28は、高周波スイッチ22,24、RF回路26の動作を管理するとともに、各部分を制御するための信号を生成する。たとえば、発振ユニット30に所定の周波数の高周波信号を発振するように指令信号を生成し、高周波スイッチ22,24の送信用および受信用制御信号を生成し、RFアンプ36のゲインを設定する指令信号を生成する。
演算ユニット14は、CPUおよびメモリを備えて構成されるコンピュータであり、対象物Tの複素反射率を算出し、さらに複素誘電率を算出して、対象物Tの塩分濃度を評価する部分である。具体的には、反射率算出部42と、誘電率算出部44と、評価部46とを有する。これらの部分は、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより、形成される、いわゆるソフトウェアモジュールで構成されている。ソフトウェアモジュールで構成される以外に、演算ユニット14が専用装置としてハードウェアで構成されてもよい。
反射率算出部42は、受信した反射波に基づいて、対象物表面に平面波の電磁波が入射したときの複素反射率を算出する部分である。
誘電率算出部44は、算出された複素反射率から、受信する反射波の伝播の式の満たすべき条件に基づいて、対象物Tの複素誘電率を算出する部分である。
反射率算出部42における複素反射率の算出、および誘電率算出部44における複素誘電率の算出については後述する。
評価部46は、複素誘電率を用いて対象物の塩分濃度を評価する部分である。
本実施形態では、評価部46を有し、塩分濃度を評価するが、本発明の装置では、必ずしも必要ではない。本発明の装置は、複素誘電率の値を出力装置16に出力して、対象物Tの誘電体としての特性を提供する装置であってもよい。
以下、反射率算出部42における複素反射率の算出、誘電率算出部44における複素誘電率の算出、および評価部46における塩分濃度の評価について詳細に説明する。
(複素反射率の算出)
複素反射率は、平面波の電磁波を、対象物Tに照射し、そのときの平面波の反射波の強度から算出される。しかし、レーダ装置10で送信される電磁波は、平面波ではなく、送信アンテナ18の照射面からコーン状に広がる球面波の一部となっているので、受信される反射波は、対象物Tに向けて送信した電磁波に複素反射率を単純に乗算したものではない。このため、複素反射率を算出するには、平面波の電磁波が対象物Tで入射し、その一部は対象物Tに進入するとともに、他は対象物Tで反射して受信アンテナ20に反射波として受信されるように、得られた反射信号を再構成する処理を行うことにより、複素反射率は算出される。
図2に示すように、送信アンテナ18と受信アンテナ20が一方向に交互に並んで配置されたリニアアレイアンテナを考える。リニアアレイアンテナの向きがY方向、リニアアレイの各送信アンテナ18の送信面および受信アンテナ20の受信面の向く方向をZ方向、対象物Tの表面に沿った、Y方向およびZ方向に直交する方向をX方向とする。
リニアアレイアンテナの位置はz=0とし、対象物Tの表面の位置はz=hとする。
送信アンテナ18の位置をP1(x,y1,0)、受信アンテナ20の位置をP2(x,y2,0)とし、このときの受信アンテナ20における反射信号(第1の反射信号)をψ(x,y1,y2,z,t)(z=0)とする。このとき、位置x,y1,y2で規定される反射信号を下記式(1)に示すように、波数kx,ky1,ky2,k0で規定される反射信号に変換する。波数kx,ky1,ky2は、波数k0の波数成分である。具体的には、受信アンテナ20で得られた反射信号の群を用いて、式(1)に従ってフーリエ変換を行うことにより、ψk(kx,ky1,ky2,k0)(第2の反射信号)を算出する。位置P1(x,y1,0)から電磁波が送信され、位置をP2(x,y2,0)で受信するとき、10MHz〜数10GHzの電磁波は対象物Tの内部に進入してP(α,β,γ)の位置で反射する。したがって、レーダ装置10の測定では、波数ky1,ky2,は多数存在し、一意的に定めることはできない。一方、波数kxは、リニアアレイアンテナを用いるので、後述するように0とすることができる。
こうして得られたψk(kx,ky1,ky2,k0)は、波数kx,ky1,ky2における、位置z=0の平面波の反射波による反射信号である。したがって、リニアアレイアンテナの位置z=0からz=hに移動した位置補正、すなわち、対象物Tからの高さに応じた位置補正を行うことで、対象物Tの表面における反射信号、すなわち、対象物Tの表面における複素反射率を求めることができる。この位置補正は、下記式(2)にしたがって行うことで、複素反射率rを算出することができる。この式は、波数で規定される反射信号ψk(kx,ky1,ky2,k0)と任意の位置における反射信号ψ(x,y1,y2,z,t)との間の関係式を下記式(3)で表されるように定めることができることを利用して得られる式である。ここで、ky1は照射される電磁波のY方向の波数であり、ky2は受信される電磁波のY方向の波数である。一般に、反射波のY方向の波数は入射波のY方向の波数と同じであるため、ky1=ky2である。式(3)では、一般的に扱うために、ky1,ky2で表している。以降において、kyを用いて式で表しているとき、-ky=ky1=ky2を意味する。
以上、式(2)による位置補正を行って、反射率算出部42は、対象物Tの表面における複素反射率を算出する。なお、複素反射率は、装置の回路特性等により理想的なものでないため、その値は、ある一定の係数を乗算して規格化することが好ましい。一定の係数として、例えば、完全反射体を用いて測定された複素反射率の値の逆数を用いる。

(複素誘電率の算出)
複素誘電率は、算出された複素反射率から、受信する反射波の伝播の式の満たすべき条件に基づいて算出される。以降では、複素比誘電率εを算出することを説明する。複素誘電率は、複素比誘電率εに、一定値である真空誘電率ε0を乗算した値であるので、複素比誘電率を算出することは、複素誘電率を算出することと等価である。
図3は、対象物Tと電磁波(磁場B,電場E)の関係を表している。図1に示す電磁波が対象物Tの表面に平行な電場Eを作る波とすると、図3に示すような入射波、反射波、および透過波が作られる。対象物Tの深さ方向をZとし、対象物Tの表面に沿った方向で、電磁波の電場と直交する方向をY方向、電磁波の電場に沿った方向をX方向とする。
電磁波は、下記式(4)に示すマクスウェルの式を満足する。その際、式(4)中の第2番目の式の右辺には、電気伝導率による項σE(σは電気伝導率)が加算されている。
式(4)から電場Eの式に書き表すことにより、下記式(5)に示すように、電場Eが満足すべき微分方程式が得られる。

さらに、下記式(6)に示すように、電気伝導率σが、複素誘電率ε0・εの虚数部Im(ε0・ε)に電磁波の周波数ωを乗算した結果に等しくなることを考慮する。ここでは、複素比誘電率の虚数部と電気伝導率とは区別できないので、電気伝導率σを複素誘電率ε0・εの虚数部に取り込む。これより、下記式(7)が得られる。

なお、複素比誘電率εは、対象物Tの深さZ方向に分布を持つとして、下記式(8)に示すようにzの多項式で表す。一方、上記式(7)に示す微分方程式を満足する解を下記式(9)に示すように、空気中と対象物中の2つにわけて表す。式(9)中の空気中の解Eの式で表されるrは、複素反射率であり、対象物中の解Eの式で表されるa0は、対象物T中を透過するz=0における電場Eの振幅を示す。このように、電磁波の伝播の解を想定する。

電場Eのz=0(空気と対象物Tとの境界)における連続性と、z=0におけるz方向の電場Eの微分値の連続性とを考慮して、すなわち、受信する反射波の伝播の式の満たすべき境界条件に基づいて、下記式(10)、(11)が得られる。これらの式からA(0)=a0を消去することにより、下記式(12)が得られる。式(12)中の複素反射率rが上述したように算出されるので、式(12)の右辺の式ではkyのみが未知数である。したがって、解くべきβ1とkzは、kyの式となる。


次に、上記式(9)の対象物Tの電場Eの解を、上記式(7)に代入することで、下記式(13)を得る。式(13)も、電磁波の伝播の式の満たすべき条件の1つである。ここで、zの0次の項、zの1次の項に分け、上記条件をzの次数に係わらず満足するためには、それぞれの項が0とならなければならない。
これにより、zの0次の項については、下記式(14)の式を得ることができる。ここで、β1とkzは、下記式(15)、(16)に示すように、kyの式で表されている。ここで、複素比誘電率εのzの0次の項である実数部ε0R、虚数部ε0Iは、下記式(17)、(18)に示すように表される。




式(17)、(18)では、波数kyは0〜k0(k0は空気中の波数)の範囲で自由度を持つため、0〜k0の範囲で積分することにより、波数kyが0〜k0を含んだときのε0R,ε0Iを算出することができる。もちろん、0〜k0の範囲で重み付けをして積分することもできる。式(17)、(18)により算出されるε0R,ε0Iを用いて、さらに、式(19)にしたがってβ2を算出することができる。なお、式(14)中のβ2がzの2次の係数であり(式(9)参照)、その値が小さいことが想定されるため、β2を0とおき、式の両辺の実数部、虚数部のそれぞれが等しいとおき、さらに、0〜k0の範囲で波数kyを積分することにより、すなわち、種々の反射によって生成される波数kyを考慮することにより、式(17)、(18)は得られる。この後、式(14)の等式を満たすように、残渣としてβ2を算出している。
上記式(14)は、上記式(13)のzの0次の項を0とすることによって得られる式であるが、同様に、zの1次の項を0とすることによって、複素比誘電率εのzの1次の項である実数部ε1R、虚数部ε1Iが、下記式(20)のように得られる。この式(20)を用いて、実数部ε1R、虚数部ε1Iが算出される。さらに、β2と同様の方法により、下記式(21)に従ってβ3が算出される。
このようにして、複素誘電率の式(8)のように、zの多項式の関数として定め、この関数を用いて平面波の電磁波が満たすべき方程式の解の条件を与えることにより、複素誘電率の深さ方向の情報を算出する。具体的には、誘電率算出部44は、複素比誘電率εのzの0次の項および1次の項、さらには、z方向の電磁波の減衰率であるβ12およびβ3を算出する。β12およびβ3は、上記式(9)に示すように、対象物T中の電場Eのz方向の振幅を定める多項式の関数の各次数における係数である。

(塩分濃度の評価)
対象物T中の塩分濃度の評価は、評価部46において、算出された、複素比誘電率εのzの0次の項および1次の項、さらには、β12およびβ3を用いて評価される。複素比誘電率εのzの0次、1次の項の虚数部の値が高いほど、塩分濃度は高いと評価される。複素比誘電率εのzの0次の項は、電磁波が対象物T中に進入した深さの範囲で平均的な複素誘電率の値を表し、この値は塩分濃度を反映した情報となっている。0次の項の虚数部の値が高い場合、塩分濃度は対象物T中で高い、と評価される。
複素比誘電率εのzの1次の項は、塩分濃度が対象物T中の深さ方向に依存して変化することを表し、1次の項の虚数部の値が高い程、塩分濃度は対象物T中の深さ方向に依存して変化している、と評価される。その際、減衰率であるβ12およびβ3を参照することにより、対象物Tの深さ方向の電磁波の進入具合を同時に知ることができる。評価では、減衰率であるβ12およびβ3を必ず用いて評価する必要はなく、複素比誘電率εのzの0次の項および1次の項の値を用いて評価すればよい。しかし、少なくともβ1を用いて、電磁波の対象物Tへの進入の程度を知ることが好ましい。
評価部46における評価結果は、ディスプレイやプリンタ等の出力装置16に出力される。
次に、複素誘電率の算出方法について説明する。
まず、図1に示すような一列に並んだリニアアレイアンテナの複数の送信アンテナ18の中の1つの送信アンテナから送信される電磁波が対象物Tで反射したときの反射波を複数のアンテナ20で受信する操作が、電磁波を送信する送信アンテナを順次換えながら行われる(ステップS10)。すなわち、受信アンテナ20が反射波を受信するとき、1つの送信アンテナから電磁波を送信して複数の受信アンテナ20が反射波を受信するように、時間をずらしながら複数の送信アンテナ18に電磁波を送信させる。
送信アンテナを順次変えながら行う上記操作は、リニアアレイアンテナを、送信アンテナ18および受信アンテナ20の配列方向に対して直交し、かつ、対象物Tの表面に沿った方向(図2中のX方向)に低速で移動しながら行われる。そのとき、複数の送信アンテナ18と複数の受信アンテナ20は、対象物Tの表面を向けた状態で、電磁波の送信と反射波の受信を行う。すなわち、リニアアレイアンテナは、対象物Tの表面を低速で移動しながら測定する。ここで、低速とは、電磁波の送信アンテナを変えながら行う上記操作の測定時間とリニアアレイアンテナの移動速度の乗算した結果が、送信アンテナ18の送信する電磁波の広がりに比べてきわめて小さいことを意味する。
受信アンテナ20で受信された反射信号は、RF回路26にて信号処理が施され第1の反射信号の群が演算ユニット14に取得される(ステップS12)。第1の反射信号は、複数の送信アンテナ18の位置と複数の受信アンテナの位置20とで規定されている。第1の反射信号はψ(x,y1,y2,0,t)と表される。
上述したように、リニアアレイアンテナは、対象物Tの表面を図2に示すX方向に低速で移動しながら面を測定するので、取得される第1の反射信号ψ(x,y1,y2,0,t)も、測定された面の情報として得られる。
次に、演算ユニット14の反射率算出部42において、上記式(1)に従ってフーリエ変換を行うことにより、波数kx,ky1,ky2で規定される第2の反射信号ψk(kx,ky1,ky2,k0)が算出される(ステップS14)。
次に、送信アンテナ18、受信アンテナ20の対象物Tの表面からの高さ方向の位置に応じた第2の反射信号の補正が行われる(ステップS16)。具体的には、式(2)に従って位置補正が行われ、複素反射率rが算出される。ここで、X方向は、送信アンテナ18および受信アンテナ20の配列方向と直交する方向であり、しかも、リニアアレイアンテナをX方向に移動しながら測定するので、kx=0とすることができる。
こうして、位置補正を行うことにより、複素反射率rが算出される(ステップS18)。
次に、複素誘電率の値の算出が、誘電率算出部44において行われる(ステップS20)。具体的には、式(8),(9)で定義されている複素比誘電率εのzの0次の項および1次の項が、式(17),式(18),式(20)で算出される。さらに、z方向の電磁波の減衰率であるβ12およびβ3が式(15),式(19)および式(21)で算出される。
最後に、算出された複素比誘電率εのzの0次の項および1次の項およびβ12およびβ3を用いて、対象物T中の塩分濃度が、評価部46において、評価される(ステップS22)。対象物T中に塩分が含まれると、電気伝導度が大きくなり、その結果複素誘電率の虚数部も影響を受ける。
このように、10MHz〜数10GHzの電磁波を送信する複数の送信アンテナ18と複数の受信アンテナ20を用いて、送信された電磁波の反射波を受信するので、電磁波の送受信に用いるアンテナを種々の角度に配置して送受信する必要がない。このため、レーダ装置10の構成が大型化することなく屋外の現場で汎用的に容易に用いることができる。
また、算出される複素反射率から、送信した電磁波の一部が対象物内へ入ることを想定した電磁波の伝播の式が満たすべき条件に基づいて、対象物Tの複素誘電率を算出するので、従来のように、複素誘電率の定性的な結果ではなく、複素誘電率の内部を考慮した数値が得られる。
特に、複数の送信アンテナ18と複数の受信アンテナ20は一方向に列を成したリニアアレイアンテナを構成するので、複数の送信アンテナ18の位置と複数の受信アンテナ20の位置とで規定される第1の反射信号の群を取得し、この第1の反射信号の群を少なくとも2方向の波数で規定される第2の反射信号の群に変換し、この第2の反射信号の群の中から、対象物Tの表面に所定の角度で入射する平面波を作るように選択された波数を持つ情報を用いて複素反射率を算出するので、精度の高い値を得ることができる。
さらに、複素反射率は、対象物Tの表面からの高さに応じた位置補正が行われるので、より精度の高い複素反射率の値を得ることができる。
以上、本発明の対象物中の誘電率算出装置及び誘電率算出方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 レーダ装置
12 測定ユニット
14 演算ユニット
16 出力装置
18 送信アンテナ
20 受信アンテナ
22,24 高周波スイッチ
26 RF回路
28 システムコントローラ
30 発振ユニット
32 カプラ
34,36 RFアンプ
38 ミキサ
40 IFフィルタ・アンプ
42 反射率算出部
44 誘電率算出部
46 評価部

Claims (8)

  1. 誘電体の対象物に向けて電磁波を送信し、対象物で反射した電磁波の反射波を受信することにより、対象物中の誘電率を算出する誘電率の算出装置であって、
    対象物に電磁波を送信し、対象物で反射して得られる電磁波の反射波を受信する、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを備える測定部と、
    受信した反射波に基づいて、対象物表面に平面波の電磁波が入射したときの複素反射率を算出する反射率算出部と、
    算出された前記複素反射率から、送信した電磁波の一部が対象物内へ入ることを想定した電磁波の伝播の式の満たすべき条件に基づいて、対象物の複素誘電率を算出する誘電率算出部と、を有することを特徴とする誘電率算出装置。
  2. 前記複数の送信アンテナと前記複数の受信アンテナは一方向に列を成して並び、
    前記測定部は、前記複数の送信アンテナの中の1つの送信アンテナから電磁波を送信して前記複数の受信アンテナで反射波を受信するように、時間をずらしながら前記複数の送信アンテナに電磁波を送信させることにより、前記複数の送信アンテナのそれぞれの位置と前記複数の受信アンテナのそれぞれの位置とで規定される第1の反射信号の群を取得し、
    前記反射率算出部は、前記第1の反射信号の群を少なくとも2方向の波数で規定される第2の反射信号の群に変換し、この第2の反射信号の群の情報を用いて前記複素反射率を算出する、請求項1に記載の誘電率算出装置。
  3. 前記複数の送信アンテナの位置および前記複数の受信アンテナの位置が、測定対象物表面からの同じ高さにあるように配置され、
    前記反射率算出部は、前記第2の反射信号の群に対して、測定対象物表面からの高さに応じた位置補正を行う、請求項1または2に記載の誘電率算出装置。
  4. 前記複数の送信アンテナと前記複数の受信アンテナは、直線上に交互に配置され、あるいは、前記複数の送信アンテナの列と前記複数の受信アンテナの列とが隣接するように配置され、
    前記測定部は、前記複数の送信アンテナの放射面と前記複数の受信アンテナの受信面を、対象物表面を向けた状態で、前記一方向と直交し、かつ、対象物表面に沿った方向に移動しながら反射波を受信する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘電率算出装置。
  5. 前記誘電率算出部は、前記複素誘電率の他に、電磁波の対象物内での減衰率の値を算出する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘電率算出装置。
  6. 前記誘電率算出部は、対象物表面からの深さ方向の位置をzとしたとき、求めるべき前記複素誘電率の式をzの多項式の関数として定め、この関数を用いて平面波の電磁波が満たすべき方程式の解の条件を与えることにより、前記複素誘電率の深さ方向の情報を算出する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘電率算出装置。
  7. さらに、前記複素誘電率を用いて対象物の塩分濃度を評価する評価部を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘電率算出装置。
  8. 誘電体の対象物に向けて電磁波を送信し対象物で反射した電磁波の反射波を受信することにより、対象物中の誘電率を算出する誘電率の算出方法であって、
    対象物に複数の送信アンテナから電磁波を送信し、対象物で反射して得られる電磁波の反射波を、複数の受信アンテナで受信するステップと、
    受信した反射波に基づいて、対象物表面に平面波の電磁波が入射したときの複素反射率を算出するステップと、
    算出された前記複素反射率から、送信した電磁波の一部が対象物内へ入ることを想定した電磁波の伝播の式の満たすべき条件に基づいて、対象物の複素誘電率を算出するステップと、を有することを特徴とする誘電率算出方法。
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