JP2010230455A - 漏電検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機器の小型化が容易で組立性が良好な構成としながら、誤検出を抑制して検出精度を向上する。
【解決手段】コア30は略長円形状に構成され、コア30の貫通口の長手方向に並んで三相の一次導体31R、31S、31Tが貫通して配置されている。コア30は、一次導体31R、31S、31Tとの位置関係に応じて、その断面積が位置によって異なるように不均一に形成する。例えば、コア30の厚さをT1でほぼ均一とし、一次導体31R、31Tのコア中心からの長手方向の変位に応じて、コア30の長手方向両端部の位置の幅W2、W4を、コア中心に近い中央部の位置の幅W1、W3よりも大きくする。これにより、コア上の位置によって生じる磁束の不平衡を低減させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電力線配線等の漏電を検出する漏電検出装置に関する。
漏電検出装置は、複数の一次導体を貫通させた軟磁性材料等からなる環状のコアと、このコアに巻回したトロイダル状のコイルとを有して構成される零相変流器(ZCT)を備えている。漏電が生じた場合は、一次導体のいずれかに漏電電流(零相電流)が流れ、複数の一次導体における電流が不平衡となるので、漏電電流により発生する磁束によって零相変流器のコアにおける磁束の状態が変化する。これにより、零相変流器のコイルに誘起電圧が発生し、漏電電流に相当する電圧がコイル両端で生じる。また、漏電が発生していない場合は、複数の一次導体に流れる電流が平衡状態であり、零相変流器のコアにおける磁束は打ち消し合い、コイルに誘起電圧は発生しない。したがって、零相変流器のコイル両端の電圧を漏電検出出力として出力することで、漏電電流の検出が可能となっている。
しかし、実際には、一次導体の位置の影響や、コイルの巻きばらつきなどにより、コア内部の磁束に不均一が生じ、平衡状態においてもコイルに誘起電圧が発生してしまうことがある。また、一次導体の負荷側にモータのような突入電流の流れる負荷機器が接続された場合には、コイルに発生する誘起電圧は漏電電流を検出する電圧と同等以上の電圧となり、誤検出を引き起こすことがある。
このような誤検出を防ぐため、従来の漏電検出装置は、環状のコアを用いており、かつ貫通させる一次導体もコアの中央に密集させて配置し、さらにそれらの一次導体を対称に配置したりすることで、平衡状態でのコイルの誘起電圧を抑えて零相電流以外による出力を抑制する構成としている。
しかしながら、例えば漏電遮断器のような機器に漏電検出装置を組み込む場合、上記のような構成では、貫通させる一次導体の形状が相毎に異なるとともに、組立性も悪くなり、また各相の導体が近接することになる。このため、一次導体間に絶緑物を要する、外部の磁気的影響を受けやすい、温度上昇が大きくなるなど、コスト面、性能面での課題があった。これに対し、環状のコアを大きくすることで一次導体を離して、前記課題を回避することが可能である。しかし、機器への組み込みにおいて構造的な制約が大きくなり、機器自体が大型化してしまうという課題がある。
一方、環状のコアの大型化を回避するために、略長円形状(トラック型)のコアを用いて一次導体を離して配置した構成もある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この構成では、前記大型化に関する課題は解決できるものの、平衡状態でのコイルの誘起電圧は、コアが環状で一次導体が密集した構成のものより大きくなってしまい、誤検出が発生しやすくなる課題がある。
特開平7−083960号公報
上述したように、従来の漏電検出装置では、コア内部の磁束の不均一性を抑制するため、一次導体をコア中央部に密集させて配置し、一次導体により生じる磁束を互いに打ち消しやすくしていたが、コアを円形状とした場合、小型化が困難になる。一方、機器の小型化及び組立性を考慮して、コアを長円形状とした場合、コア内部の磁束の不均一が発生しやすくなり、誤検出が生じやすいという課題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、機器の小型化が容易で組立性が良好な構成としながら、誤検出を抑制して検出精度を向上することが可能な漏電検出装置を提供することを目的とする。
本発明は、複数の一次導体と、前記複数の一次導体を内側に貫通させる環状のものであり、径方向の寸法が位置によって異なる略長円形状の磁性材料からなるコアと、前記コアの輪に沿って巻線が巻回されたトロイダル状のコイルと、前記コイルに発生する誘起電圧による出力電圧を検出する検出部とを備え、前記コアは、コアの輪の断面積が前記一次導体との位置関係に応じた相関性を有しており、コアの輪の周方向の位置によって断面積が異なるよう不均一に形成されている漏電検出装置を提供する。
上記構成により、コアを略長円形状として、機器の小型化が容易で組立性が良好な構成とした場合であっても、コア内に一次導体が離間して配置された場合にコアの位置によって生じる磁束の不平衡を低減させることができる。このため、電流が平衡状態での出力を小さくでき、誤検出を抑制して検出精度を向上することが可能になる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記複数の一次導体は、前記略長円形状のコアの長手方向に並んで配置され、前記コアは、前記複数の一次導体がコア中心部に密接配置された状態の平衡位置を基準として、この平衡位置から前記一次導体の配置位置までの変位方向に対応する部分の断面積が、前記変位方向と対称にある部分よりも断面積が大きく形成されているものを含む。
上記構成により、コアを略長円形状として、機器の小型化が容易で組立性が良好な構成とした場合であっても、一次導体のコア中心部からの変位に応じてコアの断面積を変更し、磁束が集中する部分のコアの断面積を大きくすることで、コアの位置によって生じる磁束の不平衡を低減させることができ、誤検出を抑制可能となる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記コアは、前記平衡位置から前記一次導体の配置位置までの変位量が大きいほど、対応する部分の断面積が大きく形成されているものを含む。
上記構成により、一次導体のコア中心部からの変位量に応じてコアの断面積を変更し、磁束が集中する部分のコアの断面積を大きくすることで、コアの位置によって生じる磁束の不平衡を低減させることができ、誤検出を抑制可能となる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記複数の一次導体として3つの一次導体が前記略長円形状のコアの長手方向に一列に配置され、これらの一次導体のうち、1つが前記コアのコア中心部に位置し、他の2つがコア中心部を挟んで対称に位置するよう配置されているものを含む。
上記構成により、一次導体を同一形状で直線的に構成できるため、安価に構成可能である。また、一次導体の配置に対称性を持たせることで、平衡状態での漏電誤検出を抑えることが可能となる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記コアは、厚さが略均一に形成され、幅がコアの輪の周方向の位置によって異なるよう不均一に形成されているものを含む。
上記構成により、コアの幅をコアの輪の周方向の位置によって変えることで、コアの位置によって生じる磁束の不平衡を低減でき、誤検出を抑制できる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記略長円形状のコアは、長手方向に延出する直線部と、この直線部の両端をつなぐ曲線部とを有し、厚さ方向において略均一に形成され、幅方向において、前記直線部と前記曲線部との接続部が前記直線部の幅よりも大きい幅を持つクロソイド曲線により構成されているものを含む。
上記構成により、コアにおいて直線部を有することで、位置決めをしやすくできる。また、クロソイド曲線を用いて滑らかに断面積を変化させることで、直線部から曲線部の区間に移行する接続部分の角が無くなるため、この部分のコアに直接コイルを巻回する場合にコイルを巻きやすくすることができ、組立性を向上できる。さらに、コアの位置によって生じる磁束の不平衡を低減でき、平衡状態での漏電誤検出を抑えることができる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記コアは、厚さ方向において略均一に形成され、幅方向において、その全周にわたり同一幅で形成され、コアの輪の周方向の一部に切り欠きまたはスリットが形成されているものを含む。
上記構成により、コアの幅を同一幅で形成しながら、コアの輪の周方向の一部に設けた切り欠きまたはスリットによって部分的に透磁率を低下させ、コアを通過する磁束を均一に保持できる。この場合、コアを同一幅で構成することで、コイルを巻きやすくできる。よって、組立性を向上しつつ平衡状態での漏電誤検出を抑えることが可能となる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記コアは、幅が略均一に形成され、厚さがコアの輪の周方向の位置によって異なるよう不均一に形成されているものを含む。
上記構成により、コアの幅を同一幅で形成しながら、コアの厚さを変えて磁束が集中する部分のコアの断面積を大きくでき、コアの位置によって生じる磁束の不平衡を低減させることができる。この場合、コアを同一幅で構成することで、コイルを巻きやすくできる。よって、組立性を向上しつつ平衡状態での漏電誤検出を抑えることが可能となる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記コアは、複数の軟磁性材料が積層されて構成され、コアの輪の周方向の一部に積層枚数を増やした肉厚部が形成されているものを含む。
上記構成により、積層型のコアの一部の積層枚数を増やすことで、肉厚部を形成してコアの断面積を変更でき、コアの位置によって生じる磁束の不平衡を低減できる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記コアは、基板に内蔵されて構成され、前記基板において、回路パターン及びスルーホールによって前記コアの外側にコアの輪に沿って巻線が巻回された構造となるトロイダル状の前記コイルが形成されているものを含む。
上記構成により、略長円形状コアを持つ構成とする場合に、コアの輪に沿って全周にわたりコイルを巻回したトロイダル状のコイルを容易に形成できる。また、基板によってコア及びコイルを形成することで、コイルの巻きバラツキを無くすことができ、漏電検出装置における零相変流器の検出精度及び組立精度を向上できる。
本発明によれば、機器の小型化が容易で組立性が良好な構成としながら、誤検出を抑制して検出精度を向上することが可能な漏電検出装置を提供できる。
本発明の実施形態に係る漏電検出装置の構成の概要を示す図 本発明の第1の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図 本実施形態に係る漏電検出装置の全体の概略構成を示す図 本発明の第2の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図 本発明の第3の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図 本発明の第4の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図 本発明の第5の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図 第5の実施形態の変形例を示す図 本発明の第6の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図 本発明の第7の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図 本発明の第8の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図 第8の実施形態に係る漏電検出装置の構成を示すブロック図
本実施形態では、本発明に係る漏電検出装置の一例として、環状のコアにコイルが巻回されて構成された零相変流器を備える漏電検出装置の構成を示す。この漏電検出装置は、電子式ブレーカ等の開閉器等に搭載されて用いられる。
図1は本発明の実施形態に係る漏電検出装置の構成の概要を示す図である。ここで、図1(a)は漏電検出装置のコア及びコイルに二相の一次導体を貫通して配置した場合の構成を、図1(b)は漏電検出装置のコア及びコイルに三層の一次導体を貫通して配置した場合の構成をそれぞれ示す。図1においてコアに巻回されたコイルについては図示を省略している。
図1(a)に示す構成では、パーマロイ等の軟磁性材料により構成されるコア10の貫通口に、2本の一次導体11a、11bが貫通して配置されている。また、図1(b)に示す構成では、軟磁性材料のコア20の貫通口に3本の一次導体21a、21b、21cが貫通して配置されている。本実施形態の漏電検出装置は、小型化と組立性向上との両立を図るために、まず、コア10、20を長辺と短辺を有する略長円形状に形成している。ここで、略長円形状の形状としては、長円形状(トラック型)、楕円形状など、長辺と短辺とを持つ輪状のもので、直交する2方向で寸法が異なるような形状を含むものとする。そして、この非円形のコア10、20の略長円形状の貫通口に一次導体11a、11b、21a、21b、21cを貫通させる構造とし、複数の一次導体を密に近接させず互いに少し離して配置させるようにする。
上記のような構成の場合、真円のコアの中心に一次導体を密接して配置した場合と比較して、一次導体に対するコイル及びコアの磁気特性が位置によって異なり、均一とはならないことがある。よって、一次導体の配置位置などにより磁気特性のバランスが崩れることがあるため、誤検出が生じやすくなる。そこで、本実施形態では、漏電電流の誤検出を低減するために以下の構成を採用する。
本実施形態では、コアの断面積を位置によって異ならせる構成とし、このコアの断面積の設定によってコア及びコイルにおける磁気特性のバランスを調整する。これにより、位置によって生じる磁束の不平衡を低減できる。すなわち、コア及びコイルと一次導体との位置関係に基づき、一次導体に対するコイル及びコアの磁気特性(磁気抵抗)が位置によらずどの位置においても等価となるように、コアの断面積を設定する。これにより、コア上の全ての位置において等価な磁気回路を形成する。
図1の例では、略長円形状のコア10、20と一次導体11a、11b、21a、21b、21cとの位置関係に応じて、コア10、20の断面積が均一でなく異なる構成とする。すなわち、コア10、20の断面積が一次導体11a、11b、21a、21b、21cの位置と相関性を持つように位置により異なる断面積を設定する。
図1(a)の構成では、一次導体11aに紙面の裏から表に向かう電流が流れ、一次導体11bに紙面の表から裏に向かう電流が流れた場合、矢印15a、15bの方向にそれぞれ磁束が発生する。図1(b)の構成では、一次導体21a、21cに紙面の表から裏に向かう電流が流れ、一次導体21bに紙面の裏から表に向かう電流が流れた場合、矢印25a、25b、25cの方向にそれぞれ磁束が発生する。
この状態で、磁気特性のバランスを保つように、一次導体とコアとの距離が近く、磁束が集中する部分のコアの断面積を大きくする。具体的には、コア10、20の近傍にある一次導体11a、11b、21a、21b、21cの配置位置に関して、複数の一次導体がコア10、20の中心に密接配置された場合の位置を基準にして、一次導体11a、11b、21a、21b、21cの配置位置が変位している方向と対称にある部分よりもコア10、20の断面積を大きくする。結果として、一次導体11a、11b、21a、21b、21cが近くにあるほどその部分のコア10、20の断面積が大きくなるように形成する。
すなわち、図1(a)の場合、一次導体11a、11bはコア10の中心に対して長手方向に変位しているため、コア10の断面積S11、S12を断面積S13、S14より大きくする。また、一次導体11bは一次導体11aよりも長手方向に大きく変位しているため(中心からの変位量:x2>x1)、コア10の断面積S12を断面積S11より大きくする。同様に、図1(b)の場合、一次導体21a、21cはコア20の中心に対して長手方向に変位しているため、コア20の断面積S21、S22を断面積S23、S24より大きくする。また、一次導体21bはコア20の中心に対して短手方向にyだけ変位しているため、コア20の断面積S23を断面積S24より大きくする。
なお、図1(a)、(b)に示したように、本実施形態の漏電検出装置は、一次導体が2本の場合、3本の場合など、コア内に貫通させる一次導体の数に関わらずいずれにも適用可能である。
上記のように、コアの断面積を位置によって異なるように適宜設定することによって、コアにおいて生じる磁束の不平衡を低減できるため、漏電検出装置を構成する機器の小型化が容易で組立性が良好な構成としながら、誤検出を抑制して検出精度を向上することが可能となる。
(第1の実施形態)
図2は本発明の第1の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図である。図2において、(a)は漏電検出装置のコアをコアの輪と垂直な方向から見た平面図、(b)はコアを側方からみた側面図、(c)はコア及びコイルの平面図をそれぞれ示す。
図2(a)に示すように、コア30は楕円形状等の略長円形状に構成され、コア30の貫通口に三相の一次電流が流れる3本の一次導体31R、31S、31Tが貫通して配置されている。一次導体31R、31S、31Tは、略長円形状のコア30の貫通口の長手方向に並んで配置されている。ここで、一次導体31Rはコア30の中心位置からコア長手方向にLだけ変位し、一次導体31Sはコア30の中心位置からコア短手方向にHだけ変位し、一次導体31Tはコア30の中心位置からコア長手方向にL、コア短手方向にHだけ変位している。
図2(b)に示すように、コア30は、軟磁性材料が積層されて構成され、ほぼ均一な厚さTに形成されている。また、図2(c)に示すように、コア30には、コア30の輪に沿って外側に巻線が巻回され、トロイダル状のコイル32が構成されている。コイル32はコア30にほぼ一様な密度で巻かれており、両端の出力部33よりコイル32の出力が取り出される。
この構成において、一次導体31R、31Tには紙面の表から裏に向かう電流が流れ、一次導体31Sに紙面の裏から表に向かう電流が流れているとする。それぞれの一次導体に流れる電流によって磁束が発生し、コア30を通過する。漏電が生じていなくて一次導体31R、31S、31Tに流れる電流が平衡状態にあるときは、各電流により発生する磁束が打ち消し合い、コイル32には誘起電圧が発生しない状態となる。しかし、コア30の断面積が均一である場合は、一次電流が平衡状態でもコア全体の磁束に不平衡が生じ、コイル32に誘起電圧が発生して出力部33において出力電圧が検出され、漏電誤検出が生じることがある。
そこで、本実施形態では、コア30と一次導体31R、31S、31Tとの位置関係に応じて、コア30の断面積が位置によって異なるように不均一に形成する。これにより、不平衡磁束を均一にする。具体的には、コア30において磁束の集中する部分、すなわち一次導体のコア中心からの変位が大きく、一次導体との距離が近い部分のコアの断面積を大きくする。第1の実施形態では、コア30の厚さをTでほぼ均一にしているため、コア30の幅Wを位置によって変化させて断面積を変更する。
図2(a)においては、一次導体31R、31Tのコア中心からの長手方向の変位に応じて、コア30の長手方向両端部の位置の幅W、Wを、コア中心に近い中央部の位置の幅W、Wよりも大きくする。また、一次導体31Sがコア中心から短手方向に変位しているため、この変位方向に対応する部分の位置の幅Wを、これと対称にある部分の位置の幅Wよりも大きくする。ここで、コア30の各部において、近傍にある一次導体のコア中心からの変位(図2(a)のL、L、H、H)が大きいほど、該当部分のコアの幅をそれと対称位置の部分よりも大きくする。すなわち、一次導体31R、31S、31Tはコア中心からそれぞれ(L,0)、(0,H)、(L,H)だけオフセットしているので、その変位量に応じてコア30の幅を変えるように設定する。このようにコア30を構成することにより、一次導体に対するコイル及びコアの磁気特性を全ての位置において等価とすることができ、コア上の位置によって生じる磁束の不平衡を低減できるので、漏電の誤検出を抑制できる。
図3は本実施形態に係る漏電検出装置の全体の概略構成を示す図である。図3において、(a)はコイル及びコアに複数の一次導体が貫通した零相変流器と回路基板を示す概略斜視図、(b)は回路基板上の構成要素を示す回路図をそれぞれ示す。コア30には一次導体31R、31S、31Tが貫通し、コア30に巻回されたコイル32の両端の出力部33が接続導体を介して回路基板35に接続されている。漏電電流の検出部を構成する回路基板35には、コイル32の特性インピーダンスZ1に整合する抵抗Rと、コイル32の出力電圧を検出する回路を実装したIC等からなる検出回路36と、コイル32の出力電圧を比較するための参照抵抗Rと、検出回路36に電力を供給する電源32とが設けられる。検出回路36の出力部より、漏電検出電圧に相当する検出信号が出力される。
(第2の実施形態)
図4は本発明の第2の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図である。図4において、(a)は漏電検出装置のコアをコアの輪と垂直な方向から見た平面図、(b)はコアを側方からみた側面図、(c)はコア及びコイルの平面図をそれぞれ示す。
図4(a)に示すように、コア40は楕円形状等の略長円形状に構成され、コア40の貫通口に三相の一次電流が流れる3本の一次導体41R、41S、41Tが貫通して配置されている。一次導体41R、41S、41Tは、略長円形状のコア40の貫通口の長手方向に一直線上に並んで配置されている。ここで、一次導体41Rはコア40の中心位置からコア長手方向にLだけ変位し、一次導体41Sはコア40の中心位置にあり、一次導体41Tはコア40の中心位置からコア長手方向にLだけ変位している。
図4(b)に示すように、コア40は、軟磁性材料が積層されて構成され、ほぼ均一な厚さTに形成されている。また、図4(c)に示すように、コア40には、コア40の輪に沿って外側に巻線が巻回され、トロイダル状のコイル42が構成されている。コイル42はコア40にほぼ一様な密度で巻かれており、両端の出力部43よりコイル42の出力が取り出される。
第2の実施形態では、一次導体41R、41S、41Tがコア40の貫通口内において互いに離間して直線状に配列されている。このような配置構成の場合、一次導体41R、41Tのコア中心からの長手方向の変位に応じて、コア40の長手方向両端部の位置の幅W、Wを、コア中心に近い中央部の位置の幅W、Wよりも大きくする。ここで、コア40の各部において、近傍にある一次導体のコア中心からの変位(図2(a)のL、L)が大きいほど、該当部分のコアの幅をそれと対称位置の部分よりも大きくする。すなわち、一次導体41R、41Tはコア中心からそれぞれL、Lだけオフセットしているので、その変位量に応じてコア40の幅を変えるように設定する。このようにコア40を構成することにより、一次導体に対するコイル及びコアの磁気特性を全ての位置において等価とすることができ、コア上の位置によって生じる磁束の不平衡を低減できるので、漏電の誤検出を抑制できる。
(第3の実施形態)
図5は本発明の第3の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図である。図5において、(a)は漏電検出装置のコア及び一次導体の斜視図、(b)はコアをコアの輪と垂直な方向から見た平面図、(c)はコア及びコイルの平面図をそれぞれ示す。
図5(a)、(b)に示すように、コア50は長円形状に構成され、コア50の貫通口に三相の一次電流が流れる3本の一次導体51R、51S、51Tが貫通して配置されている。一次導体51R、51S、51Tは、長円形状のコア50の貫通口の長手方向に一直線上に並んで、一次導体51Sを中心に一次導体51R、51Tが対称に配置されている。なお、コア50の厚さはTで均一に形成されているものとする。また、図5(c)に示すように、コア50には、コア50の輪に沿って外側に巻線が巻回され、トロイダル状のコイル52が構成されている。コイル52はコア50にほぼ一様な密度で巻かれており、両端の出力部53よりコイル52の出力が取り出される。
第3の実施形態では、一次導体51R、51Tがコア中心の一次導体51Sを挟んで変位aの位置に対称配置されている。このような配置構成の場合、一次導体51R、51Tのコア中心からの長手方向の変位に応じて、コア50の長手方向両端の曲線部の幅W10を、コア中心側の直線部の幅Wよりも大きくする。ここで、コア50の曲線部の幅W10は、近傍にある一次導体のコア中心からの変位aが大きいほど、直線部の幅Wよりも大きくする。このようにコア50を構成することにより、一次導体に対するコイル及びコアの磁気特性を全ての位置において等価とすることができ、コア上の位置によって生じる磁束の不平衡を低減できるので、漏電の誤検出を抑制できる。また、一次導体51R、51S、51Tを対称配置させることで、一次導体を同一形状で直線的に構成できるため、安価に構成可能である。また、一次導体51R、51S、51Tの配置に対称性を持たせることで、コア50の長手方向の曲線部と短手方向の直線部のそれぞれにおいて、コアの断面積、例えばコア幅をそれぞれで同じにでき、平衡特性を改善できるため、平衡状態での漏電誤検出を抑えることができる。
(第4の実施形態)
図6は本発明の第4の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図である。この図6は漏電検出装置のコアをコアの輪と垂直な方向から見た平面図を示している。
コア60は長円形状に構成され、コア60の貫通口に三相の一次電流が流れる3本の一次導体61R、61S、61Tが貫通して配置されている。一次導体61R、61S、61Tは、長円形状のコア60の貫通口の長手方向に一直線上に並んで、一次導体61Sを挟んで変位aの位置に一次導体61R、61Tが対称配置されている。なおここでは図示しないが、コイル等は第3の実施形態と同様に構成されている。また、コア60の厚さはT1で均一に形成されているものとする。
第4の実施形態では、コア60の長手方向両端の曲線部と、コア中心側の直線部とは、幅W11で均一に形成している。そして、前記コア60の直線部から曲線部への接続部分を、直線部及び曲線部の幅W11よりも大きい幅のクロソイド曲線によって構成する。すなわち、接続部分において、外側の区間のクロソイド曲線長をLK1、内側の区間のクロソイド曲線長をLK2とし、外側の曲率半径をRK1、内側の曲率半径をRK2とした場合、
K1K1=一定
K2K2=一定
となるように構成する。
このように、長円形状のコアの長手方向を直線部、その両端部を曲線部とし、これらの接続部分を直線部より幅の広いクロソイド曲線で構成することによって、コアの断面積を不均一にでき、磁束の不平衡を低減することができる。また、コアにおいて直線部を有することで、位置決めをしやすくできる。また、クロソイド曲線を用いて滑らかに断面積を変化させることで、直線部から曲線部の区間に移行する接続部分の角が無くなるため、この部分のコアに直接コイルを巻回する場合にコイルを巻きやすくすることができ、組立性を向上できる。
(第5の実施形態)
図7は本発明の第5の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図である。図7において、(a)は漏電検出装置のコアをコアの輪と垂直な方向から見た平面図、(b)はコアを側方からみた側面図、(c)はコア及びコイルの平面図をそれぞれ示す。
図7(a)、(c)に示すように、コア70は長円形状に構成され、コア70の貫通口に三相の一次電流が流れる3本の一次導体71R、71S、71Tが貫通して配置されている。一次導体71R、71S、71Tは、長円形状のコア70の貫通口の長手方向に一直線上に並んで、一次導体71Sを挟んで変位aの位置に一次導体71R、71Tが対称配置されている。
図7(b)に示すように、コア70は、軟磁性材料が積層されて構成され、ほぼ均一な厚さTに形成されている。また、図7(c)に示すように、コア70には、コア70の輪に沿って外側に巻線が巻回され、トロイダル状のコイル72が構成されている。コイル72はコア70にほぼ一様な密度で巻かれており、両端の出力部73よりコイル72の出力が取り出される。
第5の実施形態では、コア70の幅W12、厚さT共に均一に形成し、コア70の長手方向両端の曲線部において、切り欠き75を形成している。このように、一次導体71R、71Tがコア中心の一次導体71Sに対して変位して離間している場合に、コア70において、一次導体との距離が近く、磁束が集中する部分となる長手方向両端の曲線部に切り欠き75を設けるようにする。すなわち、第3の実施形態等のようにコアの幅を大きくするのに代えて、該当部分に切り欠きを設けることで、部分的に透磁率を低下させ、磁束の不平衡を低減する。
図8は第5の実施形態の変形例を示す図である。図8の変形例では、図7の切り欠き75に代えて、コア80の長手方向両端の曲線部において、コア80の周方向にスリット85を形成している。このようなスリット85を設ける場合も、切り欠き75と同様な効果が得られる。
このように、断面積をほぼ均一としたコアにおいて磁束の集中する部分に切り欠きまたはスリットを設けることで、部分的に透磁率を低下させ、コアを通過する磁束を均一に保持できる。これにより、コア上の位置によって生じる磁束の不平衡を低減でき、漏電の誤検出を抑制できる。また、切り欠きを設ける場合は、コアに直接コイルを巻く際に、切り欠きをコイルの電線保持部分に活用できるので、コイルを巻回しやすくなり、組立性を向上できる。
(第6の実施形態)
図9は本発明の第6の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図である。図9において、(a)は漏電検出装置のコアをコアの輪と垂直な方向から見た平面図、(b)はコアを側方からみた側面図、(c)はコア及びコイルの平面図をそれぞれ示す。
図9(a)、(c)に示すように、コア90は長円形状に構成され、コア90の貫通口に三相の一次電流が流れる3本の一次導体91R、91S、91Tが貫通して配置されている。一次導体91R、91S、91Tは、長円形状のコア90の貫通口の長手方向に一直線上に並んで、一次導体91Sを中心に一次導体91R、91Tが対称配置されている。また、図9(c)に示すように、コア90には、コア90の輪に沿って外側に巻線が巻回され、トロイダル状のコイル92が構成されている。コイル92はコア90にほぼ一様な密度で巻かれており、両端の出力部93よりコイル92の出力が取り出される。
第6の実施形態では、図9(a)に示すように、コア90の幅は幅wでほぼ均一に形成されている。そして、図9(b)に示すように、コア90は、軟磁性材料が積層されて構成されており、長円形状のコア90の長手方向の直線部がほぼ均一な厚さTに形成されている。そして、コア90の両端部の曲線部において、積層枚数を増やして厚さをTαだけ大きくしてT+Tαとした肉厚部95が形成されている。このように、一次導体91R、91Tがコア中心の一次導体91Sに対して変位して離間している場合に、コア90において、一次導体との距離が近く、磁束が集中する部分となる長手方向両端の曲線部を肉厚部95として厚さを大きくする。すなわち、第3の実施形態等のようにコアの幅を大きくするのに代えて、該当部分の厚さを大きくすることで、磁束集中部分のコアの断面積を大きくし、磁束の不平衡を低減する。これにより、コア上の位置によって生じる磁束の不平衡を低減でき、漏電の誤検出を抑制できる。
(第7の実施形態)
図10は本発明の第7の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図である。図10において、(a)は漏電検出装置のコア、コイル及び一次導体の斜視図、(b)〜(e)はコア及びコイルを構成する各基板を分解した状態の分解斜視図をそれぞれ示す。
第7の実施形態は、図5に示した第3の実施形態とほぼ同様の構成を基板によって形成した構成例を示したものである。図10(a)に示すように、プリント基板104には、長円形状で断面積を不均一に形成したコア100が内蔵され、このコア100の輪に沿ってコア100の外側に巻線が巻回されるようにトロイダル状のコイル102が形成されている。コア100の貫通口には三相の一次電流が流れる3本の一次導体101R、101S、101Tが貫通して配置されている。一次導体101R、101S、101Tは、長円形状のコア100の貫通口の長手方向に一直線上に並んで、一次導体101Sを中心に一次導体101R、101Tが対称に配置されている。また、プリント基板104には、コイル102両端の出力部103に接続された検出回路を構成する電子部品105が実装されている。
図10(b)、(c)、(d)に示すように、コア100及びコイル102が形成されたプリント基板104は、3つの基板104a、104b、104cが積層されてなる積層基板によって構成されている。これらの基板104a、104b、104cには、コア100の外側を囲むようにコイル102の配置に対応して、回路パターン106とスルーホール107とが設けられ、これらの回路パターン106及びスルーホール107によってコイル102を形成する構造となっている。ここで、コイル102はほぼ一様な巻線密度で形成されている。この際、外側の層の基板104a、104cには、外側になる一方の面に回路パターン106及びスルーホール107が形成され、スルーホール107が他方の面まで貫通して形成されている。また、内側の層の基板104bには、両面に貫通してスルーホール107が形成されている。図10(e)に示すように、基板104a、104cの間に挟まれる内側の層の基板104bは、外側基板104dと内側基板104eとの間に軟磁性材料のコア100を介在させた構造となっている。この基板104bは、例えば、外側基板104dの中央部に形成した開口部にコア100、内側基板104eを順に配置して1枚の板状に形成し、内側基板104eの中央部に一次導体貫通用の貫通口を形成することで作製できる。
上記構成において、プリント基板104に内蔵した長円形状のコア100は、貫通する一次導体101R、101Tのコア中心からの長手方向の変位に応じて、コア100の長手方向両端の曲線部の幅をコア中心側の直線部の幅よりも大きくする。ここで、コア100の厚さは積層基板によりほぼ均一に形成される。このように、断面積を不均一に構成したコア100を、回路パターン106及びスルーホール107によりコイル102を形成した積層基板のプリント基板42に内蔵することにより、非円形形状のコア及びコイルを形成しやすくなる。この場合、略長円形状のコアの輪に沿って全周にわたり容易にコイルを巻回することができる。また、プリント基板104によってコア100及びコイル102を形成することで、コイルの巻きバラツキを無くすことができ、漏電検出装置における零相変流器の検出精度及び組立精度を向上できる。
(第8の実施形態)
図11は本発明の第8の実施形態に係る漏電検出装置の要部構成を示す図、図12は第8の実施形態に係る漏電検出装置の構成を示すブロック図である。第8の実施形態は、本発明に係る漏電検出装置の構成例を示したものである。本実施形態では、上述した各実施形態のように構成されたコア及びコイルを有してなる略長円形状の零相変流器120を備えている。
零相変流器120は、図11に示すように、交流電源から負荷機器へと接続される複数の電路の一次導体111R、111S、111Tに対応して、略長円形状の貫通口が位置するように設けられる。一次導体111R、111S、111Tは、構造の簡単化及び組立性の向上のためにそれぞれが端子部分を除き直線状に形成され、これらが略並行に一列に並んで配置されており、これらの一次導体111R、111S、111Tが零相変流器120の貫通口を貫通する構造となっている。ここで、一次導体111R、111S、111Tは、零相変流器120の貫通口の前後の領域で各導体間の距離が変化しないよう略一定に保たれた状態に形成されて設けられている。すなわち、一次導体111R、111S、111Tは、折り曲げ部等を有さない略直線状の単純な形状であり、零相変流器120の貫通口の長手方向に並列して配置される。
また、それぞれの一次導体111R、111S、111Tに対応して電流検出器112、113、114が設けられ、各電流検出器に一次導体が貫通している。図11の例では、零相変流器120の近傍に設けた回路基板118に電流検出器112、113、114が配置され、さらにこの回路基板118上には電流検出器112、113、114の出力についてそれぞれ増幅等の信号処理を行う信号処理回路115、116、117が設けられている。ここで、電流検出器112、113、114は、回路基板118において回路パターン及びスルーホールによってコイルを形成して構成できる。
また、図12に示すように、零相変流器120の出力の増幅やフィルタ処理を行う信号処理回路121、信号処理回路115、116、117、121のアナログ出力信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ122〜125、漏電電流検出回路126、出力端127が設けられる。漏電電流検出回路126は、A/Dコンバータ122〜125からのデジタル信号を用いて、これらの出力値を所定の値と比較し、漏電状態かどうか判定して漏電検出信号を出力端127に出力する。
交流電源入力部の電路には開閉器の回路遮断器接点128が設けられ、漏電電流検出回路126の出力の漏電検出信号が出力端127から回路遮断器接点128に供給される。漏電検出装置において漏電状態が検出された場合、漏電検出信号に基づいて開閉器の回路遮断器接点128において負荷への電路を遮断する。また、開閉器として、電路において所定の過電流が検出された場合に、回路遮断器接点128により負荷への電路を遮断する。
このような零相変流器120を備えた漏電検出装置及び開閉器において、コアの断面積を位置によって異なるように適宜設定することによって、略長円形状のコアにおいて生じる磁束の不平衡を低減でき、漏電の誤検出を抑制できる。この場合、零相変流器120のコアは略長円形状であるので、一般的な円形状のものと比較して、一次導体を貫通させる貫通面積を大きくとることができ、零相変流器の部分で電路間距離を小さくするために一次導体を折り曲げる必要がなく、組立性が大幅に改善される。
上述した各実施形態では、漏電検出装置のコアを、長手方向と短手方向を有する略長円形状とすることで、機器を大型化させずに構成でき、かつ、一次導体を近接させることなく配置させることで、各相毎の電路形状を同一化したりすることができ、組立性も向上し、温度上昇を低減できるなど、コスト面、性能面での課題を無くすことができる。すなわち、小型かつ安価で温度上昇も低くできる漏電検出装置を実現できる。この際、略長円形状のコア構造、及び一次導体を互いに隔離した配置により、一次電流が平衡状態の場合に漏電の誤検出が発生することがあるが、コアの断面積を位置によって異なるように適宜設定することで、コア及びコイルの磁気特性を均一化できる。これによって、漏電検出装置の誤検出を低減することができ、検出精度を向上できる。
なお、本発明は、本発明の趣旨ならびに範囲を逸脱することなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が様々な変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
10、20、30、40、50、60、70、80、90、100 コア
11a、11b、21a、21b、21c、31R、31S、31T、41R、41S、41T、51R、51S、51T、61R、61S、61T、71R、71S、71T、91R、91S、91T、101R、101S、101T、111R、111S、111T 一次導体
32、42、52、72、92、102 コイル
33、43、53、73、93、103 出力部
35 回路基板
36 検出回路
37 電源
75 切り欠き
85 スリット
95 肉厚部
104 プリント基板
104a、104b、104c 基板
104d 外側基板
104e 内側基板
105 電子部品
106 回路パターン
107 スルーホール
112、113、114 電流検出器
115、116、117、121 信号処理回路
118 回路基板
120 零相変流器
122〜125 A/Dコンバータ
126 漏電電流検出回路
127 出力端
128 回路遮断器接点

Claims (10)

  1. 複数の一次導体と、
    前記複数の一次導体を内側に貫通させる環状のものであり、径方向の寸法が位置によって異なる略長円形状の磁性材料からなるコアと、
    前記コアの輪に沿って巻線が巻回されたトロイダル状のコイルと、
    前記コイルに発生する誘起電圧による出力電圧を検出する検出部とを備え、
    前記コアは、コアの輪の断面積が前記一次導体との位置関係に応じた相関性を有しており、コアの輪の周方向の位置によって断面積が異なるよう不均一に形成されている漏電検出装置。
  2. 請求項1に記載の漏電検出装置であって、
    前記複数の一次導体は、前記略長円形状のコアの長手方向に並んで配置され、
    前記コアは、前記複数の一次導体がコア中心部に密接配置された状態の平衡位置を基準として、この平衡位置から前記一次導体の配置位置までの変位方向に対応する部分の断面積が、前記変位方向と対称にある部分よりも断面積が大きく形成されている漏電検出装置。
  3. 請求項2に記載の漏電検出装置であって、
    前記コアは、前記平衡位置から前記一次導体の配置位置までの変位量が大きいほど、対応する部分の断面積が大きく形成されている漏電検出装置。
  4. 請求項1に記載の漏電検出装置であって、
    前記複数の一次導体として3つの一次導体が前記略長円形状のコアの長手方向に一列に配置され、これらの一次導体のうち、1つが前記コアのコア中心部に位置し、他の2つがコア中心部を挟んで対称に位置するよう配置されている漏電検出装置。
  5. 請求項1に記載の漏電検出装置であって、
    前記コアは、厚さが略均一に形成され、幅がコアの輪の周方向の位置によって異なるよう不均一に形成されている漏電検出装置。
  6. 請求項1に記載の漏電検出装置であって、
    前記略長円形状のコアは、長手方向に延出する直線部と、この直線部の両端をつなぐ曲線部とを有し、厚さ方向において略均一に形成され、幅方向において、前記直線部と前記曲線部との接続部が前記直線部の幅よりも大きい幅を持つクロソイド曲線により構成されている漏電検出装置。
  7. 請求項1に記載の漏電検出装置であって、
    前記コアは、厚さ方向において略均一に形成され、幅方向において、その全周にわたり同一幅で形成され、コアの輪の周方向の一部に切り欠きまたはスリットが形成されている漏電検出装置。
  8. 請求項1に記載の漏電検出装置であって、
    前記コアは、幅が略均一に形成され、厚さがコアの輪の周方向の位置によって異なるよう不均一に形成されている漏電検出装置。
  9. 請求項8に記載の漏電検出装置であって、
    前記コアは、複数の軟磁性材料が積層されて構成され、コアの輪の周方向の一部に積層枚数を増やした肉厚部が形成されている漏電検出装置。
  10. 請求項1に記載の漏電検出装置であって、
    前記コアは、基板に内蔵されて構成され、前記基板において、回路パターン及びスルーホールによって前記コアの外側にコアの輪に沿って巻線が巻回された構造となるトロイダル状の前記コイルが形成されている漏電検出装置。
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