JP2010230124A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁弁の最大出力圧の低下や電磁弁から摩擦係合要素に対して速やかに作動流体を供給し得なくなることを抑制しつつ、当該電磁弁の調圧精度を確保する。
【解決手段】ストール発進が要求されたときには(ステップS110)、発進時に用いられるクラッチに対応したリニアソレノイドバルブの電磁部を流れる電流の平均値が常用最大電流値を超えて電磁部への給電状態が過電流状態になるようにトランジスタを制御することでリニアソレノイドバルブからより大きな出力圧を得る(ステップS130)。これにより、当該クラッチに対してリニアソレノイドバルブからストール発進時に要求される高圧の作動流体を供給可能としつつ、通常の作動時に合わせて出力ゲインを低く定めてリニアソレノイドバルブの調圧精度を良好に確保することが可能となる。
【選択図】図8

Description

本発明は、動力伝達装置に関し、特に、動力発生源に接続される入力軸から出力軸までの動力伝達経路を少なくとも一つの摩擦係合要素の係合状態を切り替えることにより変更しながら動力発生源からの動力を出力軸に伝達する動力伝達装置に関する。
従来から、電子制御式ブレーキシステムのリニアソレノイドバルブを駆動するためのリニアソレノイド駆動装置として、ソレノイドを流れる電流値を制御するためのPWM信号生成部、ソレノイド駆動回路およびソレノイド駆動トランジスタと、ソレノイドを流れる電流値をモニタすると共にモニタした電流を所定のゲイン特性にて出力してPWM信号生成部等にフィードバックする電流モニタとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このリニアソレノイド駆動装置では、ソレノイドを流れる電流値の大きさ、すなわち必要な電流制御の精度に応じて電流モニタのゲイン特性が変化させられる。
特開2007−282433号公報
上述のようなリニアソレノイドバルブといった電磁弁は、電子制御式ブレーキシステムのみならず、自動変速機等の動力伝達装置においてクラッチやブレーキといった摩擦係合要素に作動流体を供給するのにも用いられるが、動力伝達装置では、スムースかつショックのない変速を実現するために電磁弁の調圧精度を確保しつつ、摩擦係合要素に対して電磁弁から定常時に要求されるものよりも高圧の作動流体を供給すると共に、摩擦係合要素に対して電磁弁から速やかに作動流体を供給することができるようにしておく必要がある。しかしながら、電磁弁に要求される最大出力圧によっては、比較的狭い電流のレンジ(例えば0.1A程度)内で比較的大きい圧力変動(例えば200kPa程度)を制御することが必要となって電磁弁の出力ゲイン(電流変化に対する出力圧の変化の度合)が比較的高くなり、上記従来の装置のように電流モニタのゲイン特性を変更したとしても、電磁弁の調圧精度を良好に確保し得なくなるおそれがある。その一方で、電磁弁の調圧精度を向上させるべく電磁弁の出力ゲインを低下させると電磁弁の最大出力圧が低下してしまったり、摩擦係合要素に対して電磁弁から速やかに作動流体を供給し得なくなってしまうおそれがある。
そこで、本発明による動力伝達装置は、電磁弁の最大出力圧の低下や電磁弁から摩擦係合要素に対して速やかに作動流体を供給し得なくなることを抑制しつつ、当該電磁弁の調圧精度を確保することを主目的とする。
本発明による動力伝達装置は、上記主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明による動力伝達装置は、
車両に搭載された動力発生源に接続される入力軸から出力軸までの動力伝達経路を少なくとも一つの摩擦係合要素の係合状態を切り替えることにより変更しながら前記動力発生源からの動力を前記出力軸に伝達する動力伝達装置であって、
前記摩擦係合要素に対して作動流体を調圧して出力可能な常閉型の電磁弁と、
前記摩擦係合要素に対して作動流体を調圧して出力可能な電磁弁と、
前記電磁弁の電磁部に接続されたスイッチング素子と、
前記電磁弁を一時的かつ速やかに大開度にするための所定条件が成立しないときには、前記電磁部を流れる電流の平均値が所定電流値を超えることなく前記電磁弁に要求される出力圧に応じた値になるようにデューティ比および周波数を設定すると共に該デューティ比および該周波数をもった矩形波電圧が前記電磁部に印加されるように前記スイッチング素子をスイッチング制御し、前記所定条件が成立したときには、前記電磁部を流れる電流の平均値が前記所定電流値を超えると共に前記要求出力圧に応じた値になるように前記所定条件の非成立時に比べて高いデューティ比と低い周波数とを設定すると共に、該デューティ比および該周波数をもった矩形波電圧が前記電磁部に印加されるように前記スイッチング素子をスイッチング制御する制御手段と、
を備えるものである。
この動力伝達装置では、電磁弁を一時的かつ速やかに大開度にするための所定条件が成立しないときには、電磁部を流れる電流の平均値が所定電流値を超えることなく電磁弁に要求される出力圧に応じた値になるようにデューティ比および周波数が設定され、設定されたデューティ比および周波数をもった矩形波電圧が電磁部に印加されるようにスイッチング素子がスイッチング制御される。また、当該所定条件が成立したときには、電磁部を流れる電流の平均値が上記所定電流値を超えると共に要求出力圧に応じた値になるように所定条件の非成立時に比べて高いデューティ比と低い周波数とが設定され、設定されたデューティ比および周波数をもった矩形波電圧が電磁部に印加されるようにスイッチング素子がスイッチング制御される。このように、上記所定条件が成立したときに電磁部を流れる電流の値が所定電流値を超えるようにして電磁弁を速やかに大開度にすることで、電磁弁からより大きな出力圧を得たり、摩擦係合要素に対して電磁弁から速やかに作動流体を供給したりすれば、電磁弁を一時的かつ速やかに大開度にする必要がないとき、すなわち通常の作動時に合わせて電磁弁の出力ゲイン(電流変化に対する出力圧の変化の度合)を低く定めることができるので、当該電磁弁の調圧精度を確保することが可能となる。従って、この動力伝達装置では、電磁弁の最大出力圧の低下や電磁弁から摩擦係合要素に対して速やかに作動流体を供給し得なくなることを抑制しつつ、当該電磁弁の調圧精度を確保することが可能となる。なお、所定条件の非成立時に比べて高いデューティ比には、デューティ比=100%も含まれる。
また、前記所定電流値は、前記電磁弁の前記電磁部に許容される常用最大電流値であってもよく、前記制御手段は、前記所定条件が成立したときには、前記電磁部への給電状態が過電流状態になるように前記所定条件の非成立時に比べて高いデューティ比と低い周波数とを設定するものであってもよい。このように、上記所定条件が成立したときに電磁部を流れる電流の平均値が常用最大電流値を超えて電磁部への給電状態が過電流状態になることを許容すれば、より広い電流のレンジ内で比較的小さい圧力変動を制御することができるので電磁弁の出力ゲインを低くすることが可能となり、それにより電磁弁の調圧精度を良好に確保することが可能となる。また、電磁部への給電状態が過電流状態になることを許容すれば、電磁弁を速やかに大開度にし、それにより電磁弁のスプールの変位をより大きくして電磁弁からより大きな出力圧を得たり、電磁弁から摩擦係合要素に対して速やかに作動流体を供給したりすることができる。従って、この動力伝達装置によれば、電磁弁の最大出力圧の低下や電磁弁から摩擦係合要素に対して速やかに作動流体を供給し得なくなることを抑制しつつ、当該電磁弁の調圧精度を良好に確保することが可能となる。なお、この動力伝達装置において、電磁弁の電磁部が過電流状態となるのは一時的であることから、電磁部の発熱に対する耐久性を向上させるための対策は、必要に応じて施されれば充分である。そして、常用最大電流値自体がある程度大きく確保される場合には、上記所定電流値は常用最大電流値未満の値とされてもよい。
更に、前記所定条件は、前記車両のストール発進が要求されたときに成立すると共にストール状態が終了した段階で非成立となってもよい。すなわち、車両のストール発進が要求されたときに、電磁部を流れる電流の平均値が常用最大電流値を超えて電磁部への給電状態が過電流状態になるようにスイッチング素子を制御することで電磁弁からより大きな出力圧を得ることにすれば、発進時に用いられる流体圧クラッチに対して電磁弁からストール発進時に要求される高圧の作動流体を供給可能としつつ、通常の作動時に合わせて出力ゲインを低く定めて電磁弁の調圧精度を良好に確保することが可能となる。なお、ストール発進が実行される頻度は比較的少ないので、過電流状態になったときの電磁部の発熱による耐久性低下は実用上無視し得ると考えられる。
また、前記動力伝達装置は、少なくともニュートラルレンジと走行用レンジとを含む複数のシフトレンジの中から任意のシフトレンジの選択を許容するシフトユニットと、前記作動流体の温度を取得する温度取得手段とを更に備えてもよく、前記摩擦係合要素は、前記シフトレンジが前記ニュートラルレンジから前記走行用レンジへと切り替えられたときに係合させるべき流体圧クラッチであってもよく、前記所定条件は、前記温度取得手段により取得された温度が所定温度以下である状態で前記シフトレンジが前記ニュートラルレンジから前記走行用レンジへと切り替えられたときに成立するものであってもよい。すなわち、低温状態でのニュートラルレンジから走行用レンジへの切り替えに際して、電磁部を流れる電流の平均値が常用最大電流値を超えて電磁部への給電状態が過電流状態になるようにスイッチング素子を制御することで電磁弁を速やかに大開度とすれば、作動流体の粘度が高まる低温状態にあっても、ニュートラルレンジから走行用レンジへの切り替えに伴って係合させるべき流体圧クラッチに対して速やかに作動流体を供給(充填)して変速応答性を向上させることが可能となる。また、この際には、電磁弁の電磁部が過電流状態となって当該電磁部での発熱量が増加することから、電磁部で発生する熱により作動流体の昇温を促進させて粘度を低下させることも可能となる。そして、電磁弁の出力ゲインは、常温時の作動時に合わせて低く設定され得ることから、それにより電磁弁の調圧精度を良好に確保することが可能となる。
この場合、前記所定条件は、前記ニュートラルレンジから前記走行用レンジへの切り替え後に所定時間が経過した段階で非成立となってもよい。
更に、前記動力伝達装置は、前記電磁部を流れる電流の値を取得する電流センサを更に備え、前記制御手段は、前記所定条件が成立しないときには、前記要求出力圧に応じた電流値と前記電流センサにより検出された電流値との偏差がなくなるように前記デューティ比および前記周波数を設定し、前記所定条件が成立したときには、前記電流センサにより検出された電流値を用いることなく前記デューティ比および前記周波数を設定するものであってもよい。これにより、上記所定条件が成立していないときに、要求出力圧に応じた圧力の作動流体を出力するように電磁弁をより精度よく制御することが可能となり、所定条件が成立したときには、電磁弁の開度を速やかに大きくすることができる。
本発明の一実施例に係る動力伝達装置20を搭載した車両である自動車10の概略構成図である。 実施例の動力伝達装置20の概略構成図である。 実施例の動力伝達装置20に含まれる自動変速機25の各変速段とクラッチおよびブレーキBの作動状態との関係を表した作動表である。 実施例の動力伝達装置20に含まれる油圧制御ユニット50の概要を示す系統図である。 リニアソレノイドバルブ54等を駆動するのに用いられる駆動回路60の一部を示す概略構成図である。 リニアソレノイドバルブ54等の電磁部544等に印加される電流と出力ポートPoutから出力される作動油の圧力との相関を示す説明図である。 (a)および(b)は、リニアソレノイドバルブ54等の電磁部544等に印加される矩形波電圧を例示する説明図である。 発進時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 N−D切替時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置20を搭載した車両である自動車10の概略構成図であり、図2は、自動車10に搭載された動力伝達装置20の概略構成図である。これらの図面に示す自動車10は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料と空気との混合気の爆発燃焼により動力を出力する内燃機関であるエンジン12と、エンジン12を運転制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)14と、図示しない電子制御式油圧ブレーキユニットを制御するブレーキ用電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という)16と、トルクコンバータ23や有段の自動変速機25、これらを制御する変速用電子制御ユニット(以下、「変速用ECU」という)21を有し、エンジン12のクランクシャフトに接続されると共にエンジン12からの動力を左右の駆動輪DWに伝達する動力伝達装置20とを備える。
図1に示すように、エンジンECU14には、アクセルペダル91の踏み込み量(操作量)を検出するアクセルペダルポジションセンサ92からのアクセル開度Accや車速センサ99からの車速V、クランクシャフトの回転数を検出する図示しない回転数センサといった各種センサ等からの信号、ブレーキECU16や変速用ECU21からの信号等が入力され、エンジンECU14は、これらの信号に基づいて何れも図示しない電子制御式スロットルバルブや燃料噴射弁、点火プラグ等を制御する。ブレーキECU16には、ブレーキペダル93が踏み込まれたときにマスタシリンダ圧センサ94により検出されるマスタシリンダ圧や車速センサ99からの車速V、図示しない各種センサ等からの信号、エンジンECU14や変速用ECU21からの信号等が入力され、ブレーキECU16は、これらの信号に基づいて図示しないブレーキアクチュエータ(油圧アクチュエータ)等を制御する。
動力伝達装置20の変速用ECU21は、トランスミッションケースの内部に収容される。変速用ECU21には、複数のシフトレンジの中から所望のシフトレンジの選択するためのシフトレバー95の操作位置を検出するシフトレンジセンサ96からのシフトレンジSRや作動油の温度を検出する油温センサ97からの油温T、車速センサ99からの車速V、図示しない各種センサ等からの信号、エンジンECU14やブレーキECU16からの信号等が入力され、変速用ECU21は、これらの信号に基づいてトルクコンバータ23や自動変速機25等を制御する。ここで、実施例の自動車10では、シフトレバー95のシフトレンジSRとして、駐車時に選択される駐車レンジ(Pレンジ)、後進走行用のリバースレンジ(Rレンジ)、中立のニュートラルレンジ(Nレンジ)、通常の前進走行用のドライブレンジ(Dレンジ)に加えて、運転者に予め定められた複数の変速段の中から任意の変速段の選択を許容するスポーツレンジ(Sレンジ)、アップシフト指示ポジションおよびダウンシフト指示ポジションが用意されている。
なお、エンジンECU14、ブレーキECU16および変速用ECU21は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート(何れも図示せず)等を備える。そして、エンジンECU14、ブレーキECU16および変速用ECU21は、バスライン等を介して相互に接続されており、これらのECU間では制御に必要なデータのやり取りが随時実行される。
動力伝達装置20は、トランスミッションケースの内部に収容されるトルクコンバータ23や、オイルポンプ24、自動変速機25、差動機構(デファレンシャルギヤ)29等を含む。トルクコンバータ23は、エンジン12のクランクシャフトに接続された入力側のポンプインペラ23aと、自動変速機25の入力軸26に固定される出力側のタービンランナ23bとを含み、更にロックアップクラッチ機能を有するものである。オイルポンプ24は、ポンプボディとポンプカバーとからなるポンプアッセンブリと、ハブを介してトルクコンバータ23のポンプインペラ23aに接続された外歯ギヤとを備えるギヤポンプとして構成されている。エンジン12からの動力により外歯ギヤを回転させれば、オイルポンプ24によりストレーナ40を介してオイルパン45(何れも図4参照)に貯留されている作動油(ATF)が吸引・吐出され、それによりトルクコンバータ23や自動変速機25により要求される油圧を発生したり、各種軸受などの潤滑部分に作動油を供給したりすることができる。
自動変速機25は、6段変速の有段変速機として構成されており、図2に示すように、シングルピニオン式遊星歯車機構30と、ラビニヨ式遊星歯車機構35と、入力側から出力側までの動力伝達経路を変更するための3つのクラッチC1,C2およびC3と2つのブレーキB1およびB2とワンウェイクラッチF1とを含む。シングルピニオン式遊星歯車機構30は、トランスミッションケースに固定された外歯歯車であるサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置されると共に入力軸26に接続された内歯歯車であるリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを有する。ラビニヨ式遊星歯車機構35は、外歯歯車である2つのサンギヤ36a,36bと、自動変速機25の出力軸27に固定された内歯歯車であるリングギヤ37と、サンギヤ36aに噛合する複数のショートピニオンギヤ38aと、サンギヤ36bおよび複数のショートピニオンギヤ38aに噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数のロングピニオンギヤ38bと、互いに連結された複数のショートピニオンギヤ38aおよび複数のロングピニオンギヤ38bを自転かつ公転自在に保持すると共にワンウェイクラッチF1を介してケースに支持されたキャリア39とを有する。そして、自動変速機25の出力軸27は、ギヤ機構28および差動機構29を介して駆動輪DWに接続される。
クラッチC1は、シングルピニオン式遊星歯車機構30のキャリア34とラビニヨ式遊星歯車機構35のサンギヤ36aとを締結すると共に当該締結を解除することができる油圧クラッチである。クラッチC2は、入力軸26とラビニヨ式遊星歯車機構35のキャリア39とを締結すると共に当該締結を解除することができる油圧クラッチである。クラッチC3は、シングルピニオン式遊星歯車機構30のキャリア34とラビニヨ式遊星歯車機構35のサンギヤ36bとを締結すると共に当該締結を解除することができる油圧クラッチである。ブレーキB1は、ラビニヨ式遊星歯車機構35のサンギヤ36bをケースに固定すると共にサンギヤ36bのケースに対する固定を解除することができる油圧クラッチである。ブレーキB2は、ラビニヨ式遊星歯車機構35のキャリア39をケースに固定すると共にキャリア39のケースに対する固定を解除することができる油圧クラッチである。これらのクラッチC1〜C3、ブレーキB1およびB2は、油圧制御ユニット50による作動油の給排を受けて動作する。図3に、自動変速機25の各変速段とクラッチC1〜C3、ブレーキB1およびB2の作動状態との関係を表した作動表を示す。自動変速機25は、クラッチC1〜C3、ブレーキB1およびB2を図3の作動表に示す状態とすることで前進1〜6速の変速段と後進1段の変速段とを提供する。
図4に示すように、油圧制御ユニット50は、エンジン12からの動力を用いてストレーナ40を介してオイルパン45から作動油を吸引・吐出する前述のオイルポンプ24に接続されるものであり、オイルポンプ24側(図示しない調圧バルブ)からの作動油を調圧して出力するリニアソレノイドバルブ51と、リニアソレノイドバルブ51により駆動されてオイルポンプ24からの作動油の圧力を調節してライン圧PLを生成するレギュレータバルブ52と、シフトレバー95の操作位置に応じてレギュレータバルブ52からの作動油をクラッチC1〜C3,ブレーキB1およびB2に供給可能とすると共にクラッチC1等に対する作動油の供給を停止させることができるマニュアルバルブ53と、マニュアルバルブ53からの作動油(ライン圧PL)を調圧してクラッチC1側に出力可能な常閉型のリニアソレノイドバルブ54と、マニュアルバルブ53からの作動油(ライン圧PL)を調圧してブレーキB1側に出力可能な常閉型のリニアソレノイドバルブ55と、マニュアルバルブ53からの作動油(ライン圧PL)を調圧してクラッチC2,C2およびブレーキB2の中の対応するものへと出力可能な図示しない複数のリニアソレノイドバルブとを含む。なお、図4にはクラッチC1およびブレーキB1の油圧系のみを例示したが、その他のクラッチC2,C3およびブレーキB2についても同様の油圧系が構成される。
リニアソレノイドバルブ54および55は、入力ポートPinと出力ポートPoutとドレンポートPdとを有する中空のスリーブ541,551と、スリーブ541,551内に配置されて軸方向に摺動可能なスプール542,552と、スプール542,552を軸方向に付勢するスプリング543,553と、スプリング543,553の付勢力に抗するようにスプール542,552に対して推力を付与可能な電磁部544,554とを有する。そして、リニアソレノイドバルブ54,55、クラッチC2,C3およびブレーキB2の図示しないリニアソレノイドバルブは、変速用ECU21により制御される駆動回路60により駆動される。図5に、駆動回路60のうちのクラッチC1に対応したリニアソレノイドバルブ54の電磁駆動系を例示する。同図に示すように、駆動回路60は、例えばDC12Vの直流電源61と、リニアソレノイドバルブ54の電磁部544のコイル545とに接続されると共に変速用ECU21によりON時間の割合が調整(スイッチング制御)されるスイッチング素子としてのトランジスタ62と、コイル545を流れる電流を検出するための電流センサ63とを含む。なお、ブレーキB1に対応したリニアソレノイドバルブ55や他のクラッチC2,C3およびブレーキB2に対応したリニアソレノイドバルブについても図5のものと同様の電磁駆動系が構成される。このような構成を有するリニアソレノイドバルブ54等では、スプール542に付与される推力が変化するようにトランジスタ62をスイッチング制御して電圧(矩形波電圧)を電磁部544のコイル545に印加すれば、入力ポートPinに流入した作動油の一部がドレンポートPdから排出され、それにより調圧された作動油を出力ポートPoutから出力することができる。
ここで、実施例のリニアソレノイドバルブ54,55では、電磁部544,554のコイル545,555に印加される電流の平均値と出力ポートPoutから出力される作動油の圧力(出力圧)とが図6に示すような相関を有するようにスプール542,552のストローク、スプール542,552の大径ランドと小径ランドとの面積差(フィードバック圧)、スプリング543,553のバネ定数、電磁部544,554(コイル545,555)の材質や性能といった諸元や駆動回路60の制御モード等が定められている。すなわち、実施例のリニアソレノイドバルブ54,55は、電磁部544,554のコイル545,555を流れる電流の平均値が常用最大電流値(例えば1.0A程度の値)Arefよりも若干小さい値(例えば0.9A程度)になったときにクラッチC1やブレーキB1が係合したときの係合圧を出力すると共に、電磁部544,554のコイル545,555を流れる電流の平均値が常用最大電流値Arefを超える所定値(例えば2.0A程度)になったときに全開となって最大圧Pmax(ライン圧PL)を出力するという特性を有する。これにより、図6において二点鎖線で示すように電磁部のコイルを流れる電流の平均値が常用最大電流値Arefになったときに全開となって最大圧Pmax(ライン圧PL)を出力するといった特性を有するリニアソレノイドバルブに比べて、出力圧が常用最大電流値Arefに対応した圧力以下になるときのリニアソレノイドバルブ54,55の出力ゲイン(電流変化に対する出力圧の変化の度合)を低くして調圧精度を良好に確保することが可能となる。なお、常用最大電流値Arefに対応した圧力は、リニアソレノイドバルブ54,55に要求される最大圧よりも小さい範囲内で任意に定められるが、リニアソレノイドバルブ54,55の出力ゲインをできるだけ低下させるという観点からみれば、ある程度低めの値とすることが好ましい。
そして、実施例では、リニアソレノイドバルブ54,55に要求される出力圧である要求出力圧が常用最大電流値Arefに対応した圧力以下になるときに、電磁部544,554のコイル545,555を流れる電流の平均値が当該常用最大電流値Arefを超えることなく要求出力圧に応じた値となるように目標デューティ比(例えば50〜70%程度)が設定され、当該目標デューティ比と比較的高い一定の周波数(例えば300Hz程度)とをもった矩形波電圧(図7(a)参照)が電磁部544,554のコイル545,555に印加されるように駆動回路60のトランジスタ62がスイッチング制御される(以下、このような駆動回路60の制御モードを「通常モード」という)。かかる通常モードのもとで、変速用ECU21は、所定のデータと予め定められたマップとを用いてリニアソレノイドバルブ54,55に対する要求出力圧を設定した後、要求出力圧とコイル545,555に印加すべき電流の値との関係を規定するマップを用いて要求出力圧に対応した要求電流値を求める。そして、要求電流値と電流センサ63により検出された電流値との偏差がなくなるようにするフィードバック制御の関係式に従って目標デューティ比を設定する。すなわち、通常モードのもとでは、要求電流値と電流センサ63により検出された電流値との偏差がなくなるようにする電流フィードバックが実行される。
また、リニアソレノイドバルブ54,55に対する要求出力圧が常用最大電流値Arefに対応した圧力を超えるときには、電磁部544,554のコイル545,555を流れる電流の平均値が常用最大電流値Arefを超えてコイル545,555への給電状態が過電流状態になることによりリニアソレノイドバルブ54,55からより大きな出力圧を得ることができるように通常モードの実行時に比べて高い目標デューティ比と低い一定の周波数(例えば10Hz)とが設定され、当該目標デューティ比および周波数をもった矩形波電圧(図7(b)参照)が電磁部544,554のコイル545,555に印加されるように駆動回路60のトランジスタ62がスイッチング制御される(以下、このような駆動回路60の制御モードを「過電流モード」という)。かかる過電流モードのもとで、変速用ECU21は、所定のデータと予め定められたマップとを用いてリニアソレノイドバルブ54,55に対する要求出力圧を設定した後、要求出力圧とコイル545,555に印加すべき電流の値との関係を規定するマップを用いて要求出力圧に対応した要求電流値を求め、電流フィードバックを実行することなく要求電流値に対応した目標デューティ比を設定する。なお、実施例の自動変速機25では、クラッチC1およびブレーキB1以外のクラッチC2,C3およびブレーキB2に対応した他のリニアソレノイドバルブについても、リニアソレノイドバルブ54,55と同様の特性を有するように各種諸元や駆動回路60の制御モードが定められる。なお、通常モードおよび過電流モードの双方において、デューティ比のみならず周波数が変更されてもよいことはいうまでもない。
次に、実施例の動力伝達装置20に含まれる自動変速機25の動作について説明する。
図8は、ブレーキペダル93が踏み込まれた状態でシフトレンジがNレンジからDレンジまたはRレンジに切り替えられた後にアクセルペダル91が踏み込まれた時点から変速用ECU21により実行される発進時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。発進時制御ルーチンの開始に際して、変速用ECU21の図示しないCPUは、まず、シフトレンジセンサ96からのシフトレンジSR、車速センサ99からの車速V、エンジンECU14からのアクセル開度Accといった必要なデータを入力した上で、入力したデータに基づいて運転者により自動車10のストール発進が要求されているか否かを判定する(ステップS100,S110)。ステップS110では、シフトレンジがDレンジまたRレンジにあり、アクセル開度Accが所定値Aref以上であり、かつ車速Vが値0である(ブレーキペダル93が踏み込まれて停車している)ときに運転者により自動車10のストール発進が要求されていると判断される。そして、ステップS110にて運転者により自動車10のストール発進が要求されていないと判断された場合には、通常の発進時制御(ステップS160)を実行し、通常の発進時制御が完了した時点で本ルーチンが終了する。
これに対して、ステップS110にて運転者により自動車10のストール発進が要求されていると判断された場合には、上述の電流フィードバックの実行を禁止すべく、所定の電流フィードバックフラグをオフした上で(ステップS120)、自動車10の発進時に係合させるべきクラッチC1に対応したリニアソレノイドバルブ54の出力圧が急峻な勾配をもって最大出力圧(ライン圧)に達するように駆動回路60のトランジスタ62をスイッチング制御する(ステップS130)。ストール発進の要求に応じてステップS130の処理が実行される際には、クラッチC1の係合を保持するのに高い圧力が必要となることからリニアソレノイドバルブ54に対する要求出力圧は常用最大電流値Arefに対応した圧力を超え、リニアソレノイドバルブ54に対する要求開度がほぼ全開となる。また、ステップS130の処理に先立って、電流フィードバックフラグはオフされている。このため、ステップS130において、変速用ECU21は、過電流モードのもと、上記勾配と要求出力圧(最大出力圧)とに応じた通常モードの実行時に比べて高いデューティ比(最終的に例えば90%)と低い周波数(例えば10Hz)とをもった矩形波電圧(図7(b)参照)が電磁部544のコイル545に印加されるように駆動回路60のトランジスタ62をスイッチング制御する。これにより、ストール発進の要求に応じてリニアソレノイドバルブ54からより大きな油圧をクラッチC1に対して付与してクラッチC1を速やかに係合させると共にその係合状態を確実に保持することが可能となる。ステップS130の処理は、ステップS140にてストール状態が終了したと判断されるまで実行され、ステップS140にてストール状態が終了したと判断されると、電流フィードバックフラグが再度オンされ(ステップS150)、本ルーチンが終了することになる。なお、実施例のステップS140では、自動変速機25の入力軸26や出力軸27に設けられた図示しない回転位置検出センサの検出値に基づいて計算される入力軸回転数Ninと出力軸回転数Noutとの偏差が概ね値0になると(所定範囲内に入ると)、ストール状態が終了したと判断される。なお、ステップS130では、矩形波電圧のデューティ比を100%としてもよい。
続いて、図9を参照しながら、シフトレンジがNレンジからDレンジに切り替えられたときの自動変速機25の動作について説明する。図9は、シフトレンジがNレンジからDレンジに切り替えられた時点から変速用ECU21により実行されるN−D切替時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
N−D切替時制御ルーチンの開始に際して、変速用ECU21の図示しないCPUは、まず、油圧制御ユニット50の適所に設けられた油温センサ97からの油温Tを入力した上で、当該油温Tを予め定められた基準温度(例えば−20〜−30℃程度の温度)と比較し(ステップS200)、作動油が極低温状態にあるか否かを判定する(ステップS210)。そして、ステップS210にて油温Tが基準温度を上回っており、作動油が極低温状態にはないと判断された場合には、通常のN−D切替制御(ステップS280)を実行し、通常のN−D切替制御が完了した時点で本ルーチンが終了する。
これに対して、ステップS210にて作動油が極低温状態にあると判断された場合は、上述の電流フィードバックの実行を禁止すべく、電流フィードバックフラグをオフした上で(ステップS220)、シフトレンジがNレンジからDレンジへと切り替えられたときに係合させるべきクラッチC1に対応したリニアソレノイドバルブ54の開度が急峻な勾配をもって最大開度(全開)に達するように駆動回路60のトランジスタ62をスイッチング制御する(ステップS230)。ステップS230の処理が実行される際には、リニアソレノイドバルブ54に対する要求開度を要求出力圧に換算すれば常用最大電流値Arefに対応した圧力を超えることになり、また、電流フィードバックフラグがオフされている。このため、ステップS230において、変速用ECU21は、過電流モードのもと、通常モードの実行時に比べて高いデューティ比(例えば90%)と低い周波数(例えば10Hz)とをもった矩形波電圧(図7(b)参照)が電磁部544のコイル545に印加されるように駆動回路60のトランジスタ62をスイッチング制御する。これにより、作動油の粘度が高まる極低温状態でシフトレンジがNレンジからDレンジへと切り替えられたときに、リニアソレノイドバルブ54の開度を速やかに概ね全開としてクラッチC1に対して速やかに作動油を供給(充填)して変速応答性を向上させることが可能となる。ステップS230の処理は、ステップS240にて処理開始から所定時間(例えば1秒程度)が経過したと判断されるまで実行される。なお、ステップS230では、矩形波電圧のデューティ比を100%としてもよい。
ステップS240にて所定時間が経過したと判断されると、電流フィードバックフラグが再度オンされ(ステップS250)、所定の勾配でリニアソレノイドバルブ54の出力圧を低下させる出力圧(クラッチ圧)のスイープダウン処理が実行される(ステップS260)。ステップS260のスイープダウン処理が実行される際には、リニアソレノイドバルブ55に対する要求出力圧が徐々に低下し、更にステップS250にて電流フィードバックフラグがオンされていることから、変速用ECU21は、要求出力圧が常用最大電流値Arefに対応した圧力以下になると、通常モードのもと、電流センサ63からの電流値を用いた電流フィードバックを実行しながら電磁部544のコイル545を流れる電流の平均値が常用最大電流値Arefを超えることなく要求出力圧に応じた値となるように例えば50〜70%の範囲内で目標デューティ比を設定すると共に、目標デューティ比と比較的高い一定の周波数(例えば300Hz程度)とをもった矩形波電圧がコイル545に印加されるように駆動回路60のトランジスタ62をスイッチング制御する。これにより、実施例の自動変速機25では、スイープダウン処理をスムースに実行することが可能となる。こうしたステップS260のスイープダウン処理は、自動変速機25の入力軸回転数Niが値0となるまで実行され、ステップS270にて入力軸回転数Niが値0となったと判断された時点で本ルーチンが終了することになる。
なお、ここまで油温Tが基準温度以下である状態でシフトレンジがNレンジからDレンジへと切り替えられたときの自動変速機25の動作について説明したが、油温Tが基準温度以下である状態でシフトレンジがNレンジからRレンジへと切り替えられたときには、クラッチC3に対応した図示しないリニアソレノイドバルブとブレーキB2に対応したリニアソレノイドバルブとに対して上述のステップS220〜S270と同様の処理を適用すればよい。
以上説明したように、実施例の動力伝達装置20では、ストール発進要求がなされておらず、かつ作動油が極低温状態にはなく、クラッチC1に対応したリニアソレノイドバルブ54を一時的かつ速やかに大開度にするための条件が成立しないときには、電磁部544のコイル545を流れる電流の平均値が常用最大電流値Arefを超えることなくリニアソレノイドバルブ54に要求される出力圧に応じた値になるようにデューティ比および周波数が設定され、設定されたデューティ比および周波数をもった矩形波電圧が電磁部544のコイル545に印加されるようにトランジスタ62がスイッチング制御される。これに対して、ストール発進要求がなされたり、あるいは油温Tが基準温度以下である状態でシフトレンジがNレンジからDレンジに切り替えられたとき等、上記条件が成立したときには、電磁部544のコイル545を流れる電流の平均値が常用最大電流値Arefを超えると共に要求出力圧に応じた値になるように上記条件の非成立時に比べて高いデューティ比と低い周波数とが設定され、設定されたデューティ比および周波数をもった矩形波電圧が電磁部544のコイル545に印加されるようにトランジスタ62がスイッチング制御される。
このように、自動車10の発進時やNレンジからDレンジへの切替時に係合させるべきクラッチC1に対応したリニアソレノイドバルブ54を一時的かつ速やかに大開度にする必要があるときに、電磁部544のコイル545を流れる電流の値が常用最大電流値Arefを超えるようにしてリニアソレノイドバルブ54を速やかに大開度にすることで、リニアソレノイドバルブ54からより大きな出力圧を得たり、リニアソレノイドバルブ54から速やかに作動流体を供給したりすれば、リニアソレノイドバルブ54を一時的かつ速やかに大開度にする必要がないとき、すなわち通常の作動時に合わせてリニアソレノイドバルブ54の出力ゲイン(電流変化に対する出力圧の変化の度合)を低く定めることができるので、リニアソレノイドバルブ54の調圧精度を良好に確保することが可能となる。従って、実施例の動力伝達装置20では、リニアソレノイドバルブ54の最大出力圧の低下やリニアソレノイドバルブ54からクラッチC1に対して速やかに作動流体を供給し得なくなることを抑制しつつ、リニアソレノイドバルブ54の調圧精度を確保することが可能となる。
また、リニアソレノイドバルブ54を一時的かつ速やかに大開度にするための条件が成立したときに電磁部544のコイル545を流れる電流の平均値が常用最大電流値Arefを超えてコイル545への給電状態が過電流状態になることを許容すれば、より広い電流のレンジ内で比較的小さい圧力変動を制御することができるのでリニアソレノイドバルブ54の出力ゲインを低くすることが可能となり、それによりリニアソレノイドバルブ54の調圧精度を良好に確保することが可能となる。また、電磁部544のコイル545への給電状態が過電流状態になることを許容すれば、リニアソレノイドバルブ54を速やかに大開度にし、それによりスプール542の変位をより大きくしてリニアソレノイドバルブ54からより大きな出力圧を得たり、リニアソレノイドバルブ54からクラッチC1に対して速やかに作動油を供給したりすることができる。従って、実施例の動力伝達装置20では、リニアソレノイドバルブ54の最大出力圧の低下やリニアソレノイドバルブ54からクラッチC1に対して速やかに作動油を供給し得なくなることを抑制しつつ、リニアソレノイドバルブ54の調圧精度を良好に確保することが可能となる。
更に、自動車10のストール発進が要求されたときに、電磁部544のコイル545を流れる電流の平均値が常用最大電流値Arefを超えてコイル545への給電状態が過電流状態になるようにトランジスタ62を制御することでリニアソレノイドバルブ54からより大きな出力圧を得ることにすれば、発進時に用いられるクラッチC1に対してリニアソレノイドバルブ54からストール発進時に要求される高圧の作動流体を供給可能としつつ、通常の作動時に合わせてリニアソレノイドバルブ54の出力ゲインを低く定めてリニアソレノイドバルブ54の調圧精度を良好に確保することが可能となる。なお、ストール発進が実行される頻度は比較的少ないので、過電流状態になったときの電磁部544のコイル545の発熱による耐久性低下は実用上無視し得ると考えられる。
また、極低温状態でのNレンジからDレンジへの切り替えに際して、電磁部544のコイル545を流れる電流の平均値が常用最大電流値Arefを超えて電磁部544のコイル545への給電状態が過電流状態になるようにトランジスタ62を制御することでリニアソレノイドバルブ54を速やかに大開度(全開)とすれば、作動油の粘度が高まる極低温状態にあっても、NレンジからDレンジへの切り替えに伴って係合させるべきクラッチC1に対して速やかに作動流体を供給(充填)して変速応答性を向上させることが可能となる。また、この際には、リニアソレノイドバルブ54のコイル545が過電流状態となって電磁部544での発熱量が増加することから、電磁部544のコイル545で発生する熱により作動油の昇温を促進させて粘度を低下させることも可能となる。そして、リニアソレノイドバルブ54の出力ゲインは、常温時の作動時に合わせて低く設定され得ることから、それによりリニアソレノイドバルブ54の調圧精度を良好に確保することが可能となる。
また、上記実施例のように、クラッチC1に対応したリニアソレノイドバルブ54を一時的かつ速やかに大開度にするための条件が成立しないときに、要求出力圧に応じた電流値と電流センサ63により検出された電流値との偏差がなくなるようにデューティ比および周波数を設定すれば、上記条件の非成立時におけるリニアソレノイドバルブ54の調圧精度をより向上させることが可能となる。また、当該条件が成立したときに、電流センサ63により検出された電流値を用いることなくデューティ比および周波数を設定すれば、リニアソレノイドバルブ54の開度を速やかに大きくすることができる。
なお、実施例の動力伝達装置20において、リニアソレノイドバルブ54の電磁部544が過電流状態となるのは一時的であることから、電磁部544の発熱に対する耐久性を向上させるための対策は、必要に応じて施されれば充分である。また、常用最大電流値Aref自体がある程度大きく確保される場合には、リニアソレノイドバルブ54を一時的かつ速やかに大開度にするための条件が成立しないときに電磁部544等を流れる電流の平均値が常用最大電流値Aref未満の所定値を超えることなく要求出力圧に応じた値になるようにデューティ比および周波数を設定すると共に、当該条件が成立したときに電磁部544等を流れる電流の平均値が当該所定値を超えると共に要求出力圧に応じた値になるように要求出力圧が所定圧以下であるときに比べて高いデューティ比と低い周波数とを設定してもよい。更に、実施例の動力伝達装置20に含まれる自動変速機25は、前進6段の変速段を提供可能なものであるが、自動変速機25の変速段数は、2〜5段であってもよく、7段以上であってもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。すなわち、上記実施例では、自動車10に搭載されたエンジン12に接続される入力軸26から出力軸27までの動力伝達経路をクラッチC1やブレーキB1等の係合状態を切り替えることにより変更しながらエンジン12からの動力を出力軸27に伝達する自動変速機25を含む動力伝達装置20が「動力伝達装置」に相当し、クラッチC1に対して作動油を調圧して出力可能な常閉型のリニアソレノイドバルブ54が「電磁弁」に相当し、直流電源61とリニアソレノイドバルブ54の電磁部544との間に設けられたトランジスタ62が「スイッチング素子」に相当し、リニアソレノイドバルブ54を一時的かつ速やかに大開度にするための条件が成立しないときには、電磁部544を流れる電流の平均値が常用最大電流値Arefを超えることなくリニアソレノイドバルブ54に要求される出力圧に応じた値になるようにデューティ比および周波数を設定すると共に当該デューティ比および当該周波数をもった矩形波電圧が電磁部544に印加されるようにトランジスタ62をスイッチング制御し、当該条件が成立したときには、電磁部544を流れる電流の平均値が常用最大電流値Arefを超えると共に要求出力圧に応じた値になるように上記条件の非成立時に比べて高いデューティ比と低い周波数とを設定すると共に、当該デューティ比および当該周波数をもった矩形波電圧が電磁部544に印加されるようにトランジスタ62をスイッチング制御する変速用ECU21が「制御手段」に相当する。また、DレンジとNレンジとを含む複数のシフトレンジの中から所望のシフトレンジの選択を許容するシフトレバー95等を含むシフトユニットが「シフトユニット」に相当し、油圧制御ユニット50の適所に設けられて作動油の温度を検出する油温センサ97が「温度取得手段」に相当する。ただし、これら実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行なわれるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明は、動力伝達装置の製造産業において利用可能である。
10 自動車、12 エンジン、14 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、16 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、20 動力伝達装置、21 変速用電子制御ユニット(変速用ECU)、23 トルクコンバータ、23a ポンプインペラ、23b タービンランナ、24 オイルポンプ、25 自動変速機、26 入力軸、27 出力軸、28 ギヤ機構、29 差動機構、30 シングルピニオン式遊星歯車機構、31,36a,36b サンギヤ、32,37 リングギヤ,33 ピニオンギヤ、34,39 キャリア、35 ラビニヨ式遊星歯車機構、38a ショートピニオンギヤ、38b ロングピニオンギヤ、40 ストレーナ、45 オイルパン、50 油圧制御ユニット、51 リニアソレノイドバルブ、52 レギュレータバルブ、53 マニュアルバルブ、54,55 リニアソレノイドバルブ、60 駆動回路、61 直流電源、62 トランジスタ、63 電流センサ、91 アクセルペダル、92 アクセルペダルポジションセンサ、93 ブレーキペダル、94 マスタシリンダ圧センサ、95 シフトレバー、96 シフトレンジセンサ、97 油温センサ、99 車速センサ、541,551 スリーブ、542,552 スプール、543,553 スプリング、544,554 電磁部、B1,B2 ブレーキ、C1,C2,C3 クラッチ、F1 ワンウェイクラッチ。

Claims (6)

  1. 車両に搭載された動力発生源に接続される入力軸から出力軸までの動力伝達経路を少なくとも一つの摩擦係合要素の係合状態を切り替えることにより変更しながら前記動力発生源からの動力を前記出力軸に伝達する動力伝達装置であって、
    前記摩擦係合要素に対して作動流体を調圧して出力可能な電磁弁と、
    前記電磁弁の電磁部に接続されたスイッチング素子と、
    前記電磁弁を一時的かつ速やかに大開度にするための所定条件が成立しないときには、前記電磁部を流れる電流の平均値が所定電流値を超えることなく前記電磁弁に要求される出力圧に応じた値になるようにデューティ比および周波数を設定すると共に該デューティ比および該周波数をもった矩形波電圧が前記電磁部に印加されるように前記スイッチング素子をスイッチング制御し、前記所定条件が成立したときには、前記電磁部を流れる電流の平均値が前記所定電流値を超えると共に前記要求出力圧に応じた値になるように前記所定条件の非成立時に比べて高いデューティ比と低い周波数とを設定すると共に、該デューティ比および該周波数をもった矩形波電圧が前記電磁部に印加されるように前記スイッチング素子をスイッチング制御する制御手段と、
    を備える動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の動力伝達装置において、
    前記所定電流値は、前記電磁弁の前記電磁部に許容される常用最大電流値であり、
    前記制御手段は、前記所定条件が成立したときには、前記電磁部への給電状態が過電流状態になるように前記所定条件の非成立時に比べて高いデューティ比と低い周波数とを設定する動力伝達装置。
  3. 請求項2に記載の動力伝達装置において、
    前記所定条件は、前記車両のストール発進が要求されたときに成立すると共にストール状態が終了した段階で非成立となる動力伝達装置。
  4. 請求項2に記載の動力伝達装置において、
    少なくとも走行用レンジとニュートラルレンジとを含む複数のシフトレンジの中から任意のシフトレンジの選択を許容するシフトユニットと、
    前記作動流体の温度を取得する温度取得手段とを更に備え、
    前記摩擦係合要素は、前記シフトレンジが前記ニュートラルレンジから前記走行用レンジへと切り替えられたときに係合させるべき流体圧クラッチであり、
    前記所定条件は、前記温度取得手段により取得された温度が所定温度以下である状態で前記シフトレンジが前記ニュートラルレンジから前記走行用レンジへと切り替えられたときに成立する動力伝達装置。
  5. 請求項4に記載の動力伝達装置において、
    前記所定条件は、前記ニュートラルレンジから前記走行用レンジへの切り替え後に所定時間が経過した段階で非成立となる動力伝達装置。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の動力伝達装置において、
    前記電磁部を流れる電流の値を取得する電流センサを更に備え、
    前記制御手段は、前記所定条件が成立しないときには、前記要求出力圧に応じた電流値と前記電流センサにより検出された電流値との偏差がなくなるように前記デューティ比および前記周波数を設定し、前記所定条件が成立したときには、前記電流センサにより検出された電流値を用いることなく前記デューティ比および前記周波数を設定する動力伝達装置。
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