JP2010228889A - 線状物巻回装置及び線状物巻回方法 - Google Patents

線状物巻回装置及び線状物巻回方法 Download PDF

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Abstract

【課題】巻乱れを防止してドラムに線状物を巻回し、損傷による線状物の品質低下を回避すると共にドラムに巻回できる線状物の量が減少することを防ぐ線状物巻回装置及び線状物巻回方法を提供する。
【解決手段】ドラム1の一端部から中央部までドラム1に巻回している線状物Rの最前列よりも後側にガイド15を位置させ、ドラム1の中央部から他端部までドラム1に巻回している線状物Rの最前列よりも前側にガイド15を位置させて、ドラム1の端部にて隙間が発生することを回避する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロープ等の線状物を案内するガイドから送出された線状物を、その軸芯回りに回転するドラムの周面にて並列に巻回する線状物巻回装置及び線状物巻回方法に関する。
建設、土木等の重量物を扱う現場においては、取扱いの容易なウインチを使用して重量物の運搬・上げ下ろしをすることが多い。ウインチにはワイヤーロープ等の線状物を巻回してあり、ウインチから線状物を引き出して重量物を掛止するフック等に取り付け、線状物を巻き上げることによって、重量物の運搬・上げ下ろしを行う。重量物の運搬・上げ下ろしを安全に行うには、線状物に負荷される荷重を分散させる必要があり、前記フックに線状物を何重にも重ねて取り付ける。従来、整列した状態で線状物を巻回して、ウインチ等に線状物を可能な限り長く巻回する線状物巻回装置が提案されており(例えば特許文献1参照)、該線状物巻回装置を使用して線状物を巻回したウインチを用いることで、より多くの線状物をフックに取り付けることができる。
図15は従来の線状物巻回装置を示す模式的断面図、図16は従来の線状物巻回装置によってドラムに整列した状態で巻回された場合における線状物を示す模式的部分拡大図である。従来の線状物巻回装置は、その軸芯回りに回転して線状物Rを巻回するドラム100と、該ドラム100の軸方向に往復移動するトラバーサ101とを備えており、トラバーサ101に設けてある回動可能なガイド102を介して線状物Rを案内し、ドラム100に巻回していた。このとき図15に示す如く、前記ドラム100の軸方向に沿って線状物Rの巻回が進行する方向(以下巻回進行方向という。)において、ドラム100に巻回している線状物Rの最前列よりも後側に、トラバーサ101によってガイド102を位置させている。その結果、巻回進行方向と逆方向の張力が線状物Rに与えられ、線状物Rは互いに密着して隙間なくドラム100に巻回することができた。
また図16に示す如く、ドラム100の周面に沿って、線状物Rは前記ドラム100の軸芯に対して直角に巻回されて線状物Rの列を形成し、ドラム100が一回転する直前に前記軸芯に対し傾斜して巻回されて、再び前記ドラム100の軸芯に対して直角に巻回されて次の列が形成され、トラバーサ101を往復移動させて前記ドラム100の周面に沿って線状物Rを並列に且つ層状に配置していた。なお図16に示すように、下層にて巻回してある線状物Rが前記軸芯に対し傾斜する領域(以下、下層にて巻回してある線状物Rが前記軸芯に対し傾斜する領域をレーンチェンジ領域LC1という。)と上層にて巻回してある線状物Rが前記軸芯に対し傾斜する領域(以下、上層にて巻回してある線状物Rが前記軸芯に対し傾斜する領域をレーンチェンジ領域LC2という。)とはドラム100の周方向において、互いの領域が重ならないように位置が偏倚している。
特開2004―30714号公報
図17は互いの間に等間隔の隙間が空くようにドラムに配置してあり、ドラムの軸芯に対して直角な線状物を示す模式的拡大図、図18は互いの間に等間隔の隙間が空くようにドラムに配置してあり、ドラムの軸芯に対し傾斜している線状物を示す模式的拡大図、図19は横滑りした状態でドラムに巻回してある線状物を示す模式的展開図である。なお図19において、レーンチェンジ領域LC2にて破線で表示されている部分は、横滑りしていない状態での線状物を示し、実線で表示されている部分は横滑りした状態での線状物を示している。
従来の線状物巻回装置を使用して、線状物Rを巻回する場合には、線状物Rを前記ドラム100の軸芯に対して直角に巻回させてある部分(すなわちレーンチェンジ領域LC1及びLC2以外の領域)では、図17に示す如く、下層にある線状物Rb の間に形成された谷間に上層にある線状物Ra が線状物Rb に対して平行に配置され、線状物Rb と線状物Raとが線接触するので接触面積が大きく、線状物Ra は安定に支持される。
一方でレーンチェンジ領域LC2では、図18に示す如く、下層にある線状物Rb の上に、上層にある線状物Ra が交差して配置され、線状物Rb と線状物Ra とが点接触するので接触面積が小さく、線状物Ra は不安定な状態で支持される。
図18の矢印にて示す如く、上層にある線状物Ra に、前記巻回進行方向と逆方向の引張力が与えられた場合には、線状物Rb との接触面積が小さいため摩擦抵抗が小さく、また線状物Rb の間に隙間が空いている上に、ドラム100の回転が進行すると前記ガイド102と前記ドラム100に巻回している線状物の最前列との前記軸方向の相対距離が大きくなり、前記巻回進行方向と逆向きの引張力が徐々に大きくなるので、図19に示す如く、レーンチェンジ領域LC2において線状物Ra が横滑りする。線状物Ra が横滑りすると、巻回が終了するときにドラム100の一端部と線状物Ra との間に大きな隙間が発生し、折り返して線状物の巻回を進行させる場合に、前記隙間に線状物が落ち込む。その結果過剰に線状物が巻回されている部分や、寡少に線状物が巻回されている部分ができて巻乱れが発生する。
過剰に線状物が巻かれている部分では線状物が交差して積み上がっており、線状物の交差した部分に大きな荷重が負荷されて線状物が損傷しやすくなっており、また過剰に巻かれた線状物が滑り落ちることにより線状物同士が擦れて線状物は損傷する。更に巻乱れにより、線状物をドラム100に整列して巻回させることができず、ドラム100に巻回できる線状物の量が減少していた。
上述した線状物の巻乱れを防止するために、前記トラバーサ101によって、前記ドラム100の軸方向に沿って線状物Rの巻回が進行する側に前記ガイド102を位置させて、巻回進行方向への張力を線状物Rに与えることが考えられる。図20は巻回進行方向への張力を線状物Rに与える線状物巻回装置を示す模式的断面図、図21は巻回進行方向への張力を線状物Rに与える線状物巻回装置によってドラムに整列した状態で巻回された線状物を示す模式的部分拡大図、図22は横滑りした状態でドラムに巻回してある線状物を示す模式的展開図である。
図20の実線で示すように、巻回進行方向にトラバーサを101を移動させて、ドラム100に巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイド102を位置させて、巻回進行方向の張力を線状物Rに与えている場合には、図21に示すように、レーンチェンジ領域LC1及びLC2において線状物Rb と線状物Ra とが略線接触するので接触面積が大きく、線状物Ra は安定に支持され、整列した状態で線状物が巻回されると考えられる。
しかし実際には、ドラム100に巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイド102を位置させることは困難であり、ガイド102の回動角度を検出する手段を設け、図20の点線で示すように、ドラム100に巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイド102が位置したことを示す角度を検出してからトラバーサを101を巻回進行方向に移動させるようにすることが一般的である。ドラム100に巻回している線状物の最前列よりも後側にガイド102が位置している場合には、上層の線状物はレーンチェンジ領域LC1の上側に位置している。このため、線状物は、前述した図18にて示した線状物と同様な状態にあり、線状物Rb と線状物Ra とが点接触し、線状物Ra は不安定な状態で支持されている。更に巻回進行方向と逆方向の引張力が与えられるので、線状物Ra は線状物Rb の上を横滑りして、図22に示すように、レーンチェンジ領域LC1及びLC2に亘って、線状物Ra は線状物Rb 上にて蛇行し、巻乱れが生じる。そして蛇行した線状物Ra の上に更に線状物が巻回された場合には、蛇行した線状物Ra に沿って線状物は巻回されるので、ドラム100への巻回を開始した直後に、ドラム100の他端部と線状物との間に大きな隙間が発生する。そして線状物の巻回が進行し、ドラム100の一端部を折り返して線状物の巻回が更に進行して、前記他端部と線状物との間に発生した隙間に線状物が落ち込み、巻乱れが発生する。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、前記ドラムの一端部から中央部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側(又は後側)に前記ガイドを位置させ、前記ドラムの中央部から他端部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側(又は前側)に前記ガイドを位置させて、ドラムの端部にて隙間が発生することを回避して、巻乱れを防ぎ、また損傷による線状物の品質低下を回避すると共にドラムに巻回できる線状物の量が減少することを防ぐことができる線状物巻回装置及び線状物巻回方法を提供することを目的とする。
またドラムの回転数を検出して、線状物の巻回が前記ドラムの中央部まで進行したか否かを判定し、前記ガイドの位置を、ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側から前側へ、適切なタイミングで切り換えて、巻乱れを防ぐことができる線状物巻回装置を提供することを目的とする。
また線状物の巻回が前記ドラムの中央部まで進行した場合に、ガイドが前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に位置するまで、前記トラバーサを線状物の巻回が進行する方向に段階的に移動させて、急激にトラバーサを移動させた場合よりも線状物同士の間にできる隙間を小さくし、線状物同士の間に線状物が落ち込まないようにして、巻乱れの発生を防ぐことができる線状物巻回装置を提供することを目的とする。
またドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側(又は後側)に前記ガイドを位置させて巻回した線状物の上側に、ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側(又は前側)に前記ガイドを位置させて線状物を巻回することによって、上層の線状物は下層の線状物に沿うことなく巻回されるので、上層の線状物の巻回を開始した直後にドラムの端部に大きな隙間が発生することを防止することができる。またドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイドを位置させて巻回した線状物の上に、ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイドを位置させて線状物を巻回することによって、上層の線状物は下層の線状物に沿って巻回されるので、上層の線状物は密に巻回され、更に上層の線状物の巻回が終了するときにドラムの端部と線状物との間に大きな隙間が発生することを防ぐことができ、巻乱れの発生を防ぐことができる線状物巻回装置を提供することを目的とする。
また前記ドラムの端部で線状物の巻回が行われていると判断され、前記角度検出手段により線状物の巻回が進行する方向が反転したことを示す角度が検出された場合に、反転した方向に前記トラバーサを移動させて、ドラムの端部での反転を円滑に行って巻乱れを防ぎ、損傷による線状物の品質低下を回避すると共に前記ドラムに巻回できる線状物の量が減少することを防ぐことができる線状物巻回装置を提供することを目的とする。
本発明に係る線状物巻回装置は、軸芯回りに回転して線状物を巻回するドラムと、該ドラムの周面に向けて線状物を案内するガイドと、該ガイドを前記ドラムの軸方向に沿って往復移動させるトラバーサと、前記ドラムの周面に線状物が並列に巻回されるように前記トラバーサの移動を制御する制御手段とを備える線状物巻回装置において、前記制御手段は、前記トラバーサを線状物の巻回が進行する方向に移動させて、前記ドラムの一端部から中央部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側(又は後側)に前記ガイドを位置させ、前記ドラムの中央部から他端部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側(又は前側)に前記ガイドを位置させる手段を備えることを特徴とする。
本発明においては、前記ドラムの一端部から中央部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側(又は後側)に前記ガイドを位置させ、前記ドラムの中央部から他端部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側(又は前側)に前記ガイドを位置させて、ドラムの端部にて隙間が発生することを回避する。
本発明に係る線状物巻回装置は、前記ドラムの回転数を検出する手段を備え、前記制御手段は、検出されたドラムの回転数に基づいて線状物の巻回が前記ドラムの中央部まで進行したか否かを判定する手段を備えることを特徴とする。
本発明においては、ドラムの回転数を検出して、線状物の巻回が前記ドラムの中央部まで進行したか否かを判定し、前記ガイドの位置を、ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側から前側へ、適切なタイミングで切り換える。
本発明に係る線状物巻回装置は、前記ガイドから送出される線状物の送出方向及び前記ドラムの軸芯に垂直な方向のなす角度を検出する角度検出手段を備え、前記制御手段は、線状物の巻回が前記ドラムの中央部まで進行した場合に、前記角度検出手段によって検出された角度に基づいて、前記ガイドが前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に位置するまで、前記トラバーサを線状物の巻回が進行する方向に段階的に移動させる手段を備えることを特徴とする。
本発明においては、線状物の巻回が前記ドラムの中央部まで進行した場合に、ガイドが前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に位置するまで、前記トラバーサを線状物の巻回が進行する方向に段階的に移動させて、急激にトラバーサを移動させた場合よりも線状物同士の間にできる隙間を小さくし、線状物同士の間に線状物が落ち込まないようにして、巻乱れの発生を防ぐ。
本発明に係る線状物巻回装置は、前記制御手段は、前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側(又は後側)に前記ガイドを位置させて巻回した線状物の上側に線状物を巻回する場合に、前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側(又は前側)に前記ガイドを位置させる手段を備えることを特徴とする。
本発明においては、ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイドを位置させて巻回した線状物の上に、ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイドを位置させて線状物を巻回することによって、上層の線状物は下層の線状物に沿うことなく巻回されるので、上層の線状物の巻回を開始した直後にドラムの端部に大きな隙間が発生することを防止することができる。またドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイドを位置させて巻回した線状物の上に、ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイドを位置させて線状物を巻回することによって、上層の線状物は下層の線状物に沿って巻回されるので、上層の線状物は密に巻回され、更に上層の線状物の巻回が終了するときにドラムの端部と線状物との間に大きな隙間が発生することを防ぐ。
本発明に係る線状物巻回装置は、前記ドラムの回転数を検出する回転数検出手段を備え、前記制御手段は、前記回転数検出手段の検出結果に基づいて、線状物の巻回が前記ドラムの端部で行われているか否か判定する手段と、前記ドラムの端部で線状物の巻回が行われていると判定され、前記角度検出手段によって線状物の巻回が進行する方向が反転したことを示す角度が検出された場合に、反転した方向に前記トラバーサを移動させる手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、前記ドラムの端部で線状物の巻回が行われていると判断され、前記角度検出手段により線状物の巻回が進行する方向が反転したことを示す角度が検出された場合に、反転した方向に前記トラバーサを移動させて、ドラムの端部での反転を円滑に行う。
本発明に係る線状物巻回方法は、線状物を案内するガイドから送出された線状物を、軸芯回りに回転するドラムの周面に沿って並列に巻回させる線状物巻回方法において、周面全体に並列に線状物を巻回してある前記ドラムに線状物を巻回し、前記ドラムの一端部から中央部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイドを移動させ、前記ドラムの中央部から他端部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイドを移動させて、前記ドラムの周面に沿って並列に線状物を巻回させることを特徴とする。
本発明においては、前記ドラムの一端部から中央部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイドを位置させ、前記ドラムの中央部から他端部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイドを位置させて、ドラムの端部にて隙間が発生することを回避し、巻乱れを防ぐ。また損傷による線状物の品質低下を回避すると共にドラムに巻回できる線状物の量が減少することを防ぐ。
本発明に係る線状物巻回装置及び線状物巻回方法にあっては、前記ドラムの一端部から中央部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側(又は後側)に前記ガイドを位置させ、前記ドラムの中央部から他端部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側(又は前側)に前記ガイドを位置させて、ドラムの端部にて隙間が発生することを回避して、巻乱れを防ぎ、また損傷による線状物の品質低下を回避すると共にドラムに巻回できる線状物の量が減少することを防ぐことができる。
本発明に係る線状物巻回装置にあっては、ドラムの回転数を検出して、線状物の巻回が前記ドラムの中央部まで進行したか否かを判定し、前記ガイドの位置を、ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側から前側へ、適切なタイミングで切り換えて、巻乱れを防ぐことができる。
本発明に係る線状物巻回装置にあっては、線状物の巻回が前記ドラムの中央部まで進行した場合に、ガイドが前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に位置するまで、前記トラバーサを線状物の巻回が進行する方向に段階的に移動させて、急激にトラバーサを移動させた場合よりも線状物同士の間にできる隙間を小さくし、線状物同士の間に線状物が落ち込まないようにして、巻乱れの発生を防ぐことができる。
本発明に係る線状物巻回装置にあっては、ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイドを位置させて巻回した線状物の上に、ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイドを位置させて線状物を巻回することによって、上層の線状物は下層の線状物に沿うことなく巻回されるので、上層の線状物の巻回を開始した直後にドラムの端部に大きな隙間が発生することを防止することができる。またドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイドを位置させて巻回した線状物の上に、ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイドを位置させて線状物を巻回することによって、上層の線状物は下層の線状物に沿って巻回されるので、上層の線状物は密に巻回され、更に上層の線状物の巻回が終了するときにドラムの端部と線状物との間に大きな隙間が発生することを防ぐことができ、巻乱れの発生を防ぐことができる。
本発明に係る線状物巻回装置にあっては、前記ドラムの端部で線状物の巻回が行われていると判断され、前記角度検出手段により線状物の巻回が進行する方向が反転したことを示す角度が検出された場合に、反転した方向に前記トラバーサを移動させて、ドラムの端部での反転を円滑に行って巻乱れを防ぎ、損傷による線状物の品質低下を回避すると共に前記ドラムに巻回できる線状物の量が減少することを防ぐことができる。
線状物巻回装置の要部構成を示す模式図である。 ガイドの要部構成を示す模式的側面図である。 ドラムの第1領域における線状物の巻回方法を説明する説明図である。 ドラムの第1領域における線状物の巻回方法を説明する説明図である。 ドラムの第1領域における線状物の巻回方法を説明する説明図である。 第1領域から第2領域へ線状物を巻回する領域が移行する場合における線状物の巻回方法を説明する説明図である。 第1領域から第2領域へ線状物を巻回する領域が移行する場合における線状物の巻回方法を説明する説明図である。 ドラムの第2領域における線状物の巻回方法を説明する説明図である。 ドラムの第2領域における線状物の巻回方法を説明する説明図である。 ドラムの第2領域における線状物の巻回方法を説明する説明図である。 フランジ付近にて線状物の巻回方向を反転させる場合における線状物の巻回方法を説明する説明図である。 フランジ付近にて線状物の巻回方向を反転させる場合における線状物の巻回方法を説明する説明図である。 制御装置による巻回処理を説明するフローチャートである。 制御装置による巻回処理を説明するフローチャートである。 従来の線状物巻回装置を示す模式的断面図である。 従来の線状物巻回装置によってドラムに整列した状態で巻回された場合における線状物を示す模式的部分拡大図である。 互いの間に等間隔の隙間が空くようにドラムに配置してあり、ドラムの軸芯に対して直角な線状物を示す模式的拡大図である。 互いの間に等間隔の隙間が空くようにドラムに配置してあり、ドラムの軸芯に対し傾斜している線状物を示す模式的拡大図である。 横滑りした状態でドラムに巻回してある線状物を示す模式的展開図である。 巻回進行方向への張力を線状物に与える線状物巻回装置を示す模式的断面図である。 巻回進行方向への張力を線状物に与える線状物巻回装置によってドラムに整列した状態で巻回された線状物を示す模式的部分拡大図である。 横滑りした状態でドラムに巻回してある線状物を示す模式的展開図である。
以下本発明を実施の形態に係る線状物巻回装置を示す図面に基づいて詳述する。図1は線状物巻回装置の要部構成を示す模式図、図2はガイドの要部構成を示す模式的側面図である。
図において1は、線状物Rを巻回するドラム1であり、該ドラム1は円筒状のドラム本体2と、該ドラム本体2の両端に設けてある円盤状の二つのフランジ3、3とを備える。該フランジ3、3の中央には図示しない貫通孔をそれぞれ開設してあり、該貫通孔にドラム1を支持する支持軸4を挿入して、該支持軸4を前記ドラム本体2の内部に配置してある。前記支持軸4の両端部に、その中央に孔を開設してある円盤状の二つの固定部材5、5が外嵌している。該固定部材5、5は二つのフランジ3、3の外側にそれぞれ配置してあり、前記ドラム1を挟着して前記ドラム1を前記支持軸4に固定している。
前記支持軸4の一端部に、モータM1の回転軸を連結してある。前記モータM1の近傍には、前記支持軸4の回転数を検出するロータリエンコーダE1を設けてある。
前記ドラム1の円周の接線方向に、物体を前記ドラム1の軸芯方向に往復移動させるトラバーサ機構10を設けてある。該トラバーサ機構10は、雄ねじを形成してあり、前記軸芯方向に平行な送りねじ11と、該送りねじ11の一端部に回転軸を連結してあるモータM2とを備えている。また該モータM2の近傍に、前記送りねじ11の回転数を検出するロータリエンコーダE2を設けてある。前記送りねじ11の他端部は、送りねじ11を支持する支持体12に枢着されている。前記送りねじ11に、前記ドラム1の軸芯方向に往復移動させる物体を取付ける板状のトラバーサ13を設けてある。該トラバーサ13には雌ねじ部14を設けてあり、該雌ねじ部14を前記送りねじ11に螺合させてある。前記トラバーサ13は前記ドラム円周の接線及び前記ドラム1の軸芯に対し略平行に配置されている。前記モータM2の正逆回転により、前記トラバーサ13が前記軸芯方向に沿って往復移動する。
前記トラバーサ13のドラム1側には、線状物Rを案内するガイド15を設けてある。該ガイド15は、図2に示すように、前記トラバーサ13上で回動する回動台16を備えている。該回動台16は、回動台16に垂直な枢軸(図示せず)を備えており、該枢軸が前記トラバーサ13上に設けてある凹部(図示せず)にて回動自在に設けてある。前記枢軸には前記回動台16の回動角度を検出するポテンショメータ型の角度センサ17が設けてある。
前記回動台16から、後述する軸体19を支持する二つの軸支板18が立設している。該軸支板18にはそれぞれ貫通孔18aが開設してある。該貫通孔18aに、前記軸芯方向に略平行な軸体19が回転自在に係合しており、該軸体19には線状物Rを案内する案内ローラ20が嵌合している。また前記トラバーサ13のドラム1と反対側に、前記ガイド15に線状物Rを供給する供給ローラ21が設けてある。
前記供給ローラ21に、ボビン30に巻回してある線状物Rが滑車31を介して誘導されており、前記供給ローラ21から前記ガイド15に線状物Rが供給され、前記ガイド15から、前記ドラム1に線状物Rが導かれている。前記モータM1が回転したときに、前記ドラム1が回転し、該ドラム1の回転により、線状物Rが前記ドラム1に巻回され、前記ガイド15から前記ドラム1に線状物Rが送出される。前記ドラム1の周面にて線状物Rの巻回が進行したときには、図1に示す如く、前記ガイド15が回動し、前記角度センサ17により前記ガイド15の回動角度が検出される。
また前記トラバーサ機構10の駆動を制御する制御装置40が設けてあり、該制御装置40には前記ロータリエンコーダE1、E2、前記角度センサ17、及びトラバーサ機構10及びドラム1の駆動情報を入力するための操作盤41が接続されている。該操作盤41はトラバーサ機構10及びドラム1の駆動を開始するための開始ボタン42を備える。
前記制御装置40は前記トラバーサ機構10及びドラム1の駆動を制御する制御プログラムを格納してあるROM、後述するトラバーサ機構10及びドラム1の駆動情報、前記ロータリエンコーダ及び角度センサ17からの情報を一時的に記憶するRAM、前記制御プログラムに基づいて前記トラバーサ機構10の駆動を制御するCPU等を備える。ROMには後述する角度θa 、θb 及びθc が予め記憶してある。またドラム1の一端部から中央部まで線状物の巻回が進行した場合におけるドラム1の回転数が予め記憶してあり、該回転数とロータリエンコーダE1の検出値とを比較してCPUはドラム1の一端部から中央部まで線状物の巻回が進行したか否かを判定する。
次に線状物巻回装置による線状物の巻回方法について説明する。図3〜図5はドラム1の第1領域における線状物の巻回方法を説明する説明図、図6及び図7は第1領域から第2領域へ線状物を巻回する領域が移行する場合における線状物の巻回方法を説明する説明図、図8〜図10はドラム1の第2領域における線状物の巻回方法を説明する説明図、図11及び図12はフランジ3付近にて線状物の巻回方向を反転させる場合における線状物の巻回方法を説明する説明図である。図3〜図12において、(a)は線状物巻回装置を示す模式的側面断面図、(b)は(a)に示した状態においてドラムに巻回している線状物を示す模式図である。図3〜図12におけるθは、ドラム1を側面から見た場合に、ガイド15から送出される線状物Rの送出方向と前記ドラム1の軸芯に垂直な方向(図3〜図12においてトラバーサ13の位置を上側とし、ドラム1の位置を下側とした場合における上下方向)とのなす角度を示している。なお第1領域とはドラムの一端部から中央部に亘る領域をいい、第2領域とはドラムの中央部から他端部に亘る領域をいう。
本実施例においては、ドラム1には予め1層目の線状物Rが巻回してあり、1層目の第1領域にはドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイドを位置させて、線状物を巻回してあり、1層目の第2領域にはドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイドを位置させて線状物を巻回してある。この状態で、2層目以降の線状物を巻回する場合を想定して説明する。
2層目の第1領域に線状物を巻回する場合には、図3(a)に示すように、ドラム1に巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイドを位置させて、線状物を巻回する。1層目の第1領域にはドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイドを位置させて線状物を巻回しており、図3(b)に示すように、1層目のレーンチェンジ領域LC1に巻回してある線状物の傾斜方向と2層目のレーンチェンジ領域LC2に巻回してある線状物の傾斜方向とは逆向きである。
線状物の巻回が進行するに従って角度θは大きくなり、図4(a)に示すように、巻回している線状物は巻回進行方向と反対側へ引っ張られ、図4(b)に示すように、隣に位置する線状物に近接する。このとき1層目の線状物が蛇行していても、2層目の線状物は巻回進行方向と反対側へ引っ張られているので、1層目の線状物に沿うことなく、すなわち蛇行することなく整列した状態で密に巻回される。
角度θの大きさがθa 以上になった場合には、引張力によって巻回している線状物が横滑りするおそれがあるので、図5(a)の矢印にて示すように、トラバーサ13を巻回進行方向に所定距離移動させて、角度θをθa 未満にする。
線状物の巻回が進行すると、2層目の第1領域から2層目の第2領域へ線状物を巻回する領域が移行する。図6(a)に示すように、線状物を巻回する領域が第2領域に接近した状態では、ガイド15はドラム1に巻回している線状物の最前列よりも後側に位置している。この状態から、図7(a)の矢印にて示すように、ドラム1が1回転する毎にトラバーサ13を巻回進行方向に所定距離移動させて、ドラム1に巻回している線状物の最前列よりも前側の位置にガイド15を段階的に接近させて、線状物を第2領域に巻回させる。そして図8(a)に示すように、角度θの大きさがθb 以上になった場合に、トラバーサ13を停止させる。なお角度θの大きさがθb 以上になった場合に、ドラム1に巻回している線状物の最前列よりも前側の位置にガイド15は位置している。またθb とθa との正負は反対である。
図8(a)及び図8(b)は、2層目の第2領域にて、ガイド15がドラム1に巻回している線状物の最前列よりも前側に位置した状態を示している。このとき2層目の第2領域に位置する線状物は、巻回進行方向へ引っ張られているので、レーンチェンジ領域LC2以外の領域では1層目の第2領域に位置する線状物に沿って巻回される。1層目の第2領域に位置する線状物は、巻回進行方向と反対側へ引っ張られて巻回されており、蛇行することなく密に巻回されているので、2層目の第2領域に位置する線状物も蛇行することなく整列した状態で密に巻回される。
線状物の巻回が進行すると、図9(a)に示すように、角度θは0°に近付く。角度θの大きさが0°付近になった場合には、図9(b)に示すように、ガイド15にて案内された線状物は、巻回進行方向側において、ドラム1に巻回された最前列の線状物の側面に接触し、案内された線状物が最前列の線状物を強圧することによって、最前列の線状物が横滑りする虞がある。このとき図10(a)の矢印にて示すように、角度θの大きさがθc 以上になるまで巻回進行方向にトラバーサ13を移動させることによって、図10(b)に示すように、案内された線状物は隣接する線状物の横側から巻回され、案内された線状物が隣接する線状物を押圧する力は、角度θの大きさが0°付近である場合に押圧する力よりも小さくなり、隣接する線状物が横滑りする虞が低減される。
そして更に線状物の巻回が進行し、図11(a)に示すように、ガイド15はドラム1のフランジ3に接近して、図11(b)に示すように、ガイド15に案内された線状物はフランジ3に沿って巻回される。このときトラバーサ13は停止しており、ドラム1が回転することによって線状物の巻回が進行し、図12(b)に示すように、ガイド15に案内された線状物は2層目の線状物に乗り上がり、3層目での線状物の巻回が開始される。このとき角度θの大きさは、巻回が進行するに従って、ガイド15がドラム1のフランジ3に接近している状態(図11(a)参照)での角度θの大きさより大きくなっていく。その後トラバーサ13の進行方向を反転させて、ガイド15をドラム1に巻回している線状物の最前列よりも後側に位置させて巻回を進行させる。このような巻回を繰り返すことで、線状物は整列した状態でドラム1に多層状に巻回する。
次にドラム1に線状物を巻回する巻回処理について説明する。図13及び図14は制御装置40による巻回処理を説明するフローチャートである。なおドラム1に予め1層目の線状物Rを巻回してあり、1層目の線状物の巻数及び線状物間の距離が判明しているとする。また前述したように1層目の第1領域にはドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイドを位置させて、線状物を巻回してあり、1層目の第2領域にはドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイドを位置させて線状物を巻回してある。この状態で、2層目以降の線状物を巻回する場合を想定する。
制御装置40は、1層目の線状物の巻数、線状物間の距離及び線状物径等のトラバーサ機構10及びドラム1を駆動させるために必要な駆動情報が全て入力されており、初期設定が完了しているか否かを判断し(ステップS1)、初期設定が完了するまで待機する(ステップS1:NO)。なお前記駆動情報は、制御装置40が備える操作部をユーザが操作することによって入力され、初期設定の完了を示す情報がユーザの操作によって制御装置40に入力される。初期設定が完了している場合に(ステップS1:YES)、制御装置40は開始ボタン42が押下されているか否か判断し(ステップS2)、開始ボタン42が押下されるまで待機する(ステップS2:NO)。開始ボタン42が押下されている場合に(ステップS2:YES)、制御装置40は前記モータM1に対して駆動信号を出力し、モータM1を回転させる(ステップS3)。このとき図3(a)の矢印にて示す如く前記ドラム1が回転し、ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイドを位置させて線状物を巻回する。このとき1層目の線状物が蛇行していても、2層目の線状物は巻回進行方向と反対側へ引っ張られているので、1層目の線状物に沿うことなく、すなわち蛇行することなく整列した状態で密に巻回される。
次に制御装置40は、ロータリエンコーダE1の検出値を取り込んで、巻回されている線状物がレーンチェンジ領域LC1に接近しているか否かを判定し(ステップS4)、ガイド15に案内された線状物がレーンチェンジ領域LC1に接近するまで待機する(ステップS4:NO)。巻回されている線状物がレーンチェンジ領域LC1に接近している場合には(ステップS4:YES)、制御装置40はロータリエンコーダE1の検出値を取り込んで、ドラム1の軸方向中央部まで線状物を巻回しているか否かを判定する(ステップS5)。ドラム1の軸方向中央部まで線状物を巻回していない場合には(ステップS5:NO)、制御装置40は角度θの大きさが前記θa 以上であるか否かを判定し(ステップS6)、角度θの大きさが前記θa 以上になるまで待機する(ステップS6:NO、図3参照)。角度θの大きさが前記θa 以上である場合には(ステップS6:YES、図4参照)、制御装置40はモータM2に駆動信号を出力してモータM2を回転させ、角度センサ17の検出値を取り込んで角度θの大きさがθa 未満になるまでトラバーサ13を巻回進行方向に所定距離移動させる(ステップS7、図5参照)。そして制御装置40はステップS4へ処理を戻す。
ドラム1の軸方向中央部まで線状物を巻回している場合に(ステップS5:YES)、すなわちガイド15に案内された線状物が第2領域に接近している場合に(図6参照)、制御装置40は、ロータリエンコーダE1の検出値を取り込み、ドラム1の軸方向中央部まで線状物を巻回していると判定された時点から、ドラム1が1回転したか否かを判定し(ステップS8)、ドラム1が1回転したと判定されるまで待機する(ステップS8:NO)。そして制御装置40は、ドラム1が1回転したと判定された場合に(ステップS8:YES)、モータM2に駆動信号を出力してモータM2を回転させ、ロータリエンコーダE1の検出値を取り込み、トラバーサ13を巻回進行方向に所定距離移動させる(ステップS9、図7参照)。次に制御装置40は、角度センサ17の検出値を取り込んで角度θの大きさがθb 以上であるか否かを判定する(ステップS10)。角度θの大きさがθb 未満である場合に(ステップS10:NO)、制御装置40はステップS8へ処理を戻す。角度θの大きさがθb 以上である場合に(ステップS10:YES、図8参照)、制御装置40は、ロータリエンコーダE1の検出値を取り込んで、ガイド15に案内された線状物がレーンチェンジ領域LC1に接近しているか否か判定し(ステップS11)、ガイド15に案内された線状物がレーンチェンジ領域LC1に接近するまで待機する(ステップS11:NO)。なお角度θの大きさがθb 以上である場合には、図8に示すように、ガイド15はドラム1に巻回されている線状物の最前列よりも前側に位置する。
このとき2層目の第2領域に位置する線状物は、巻回進行方向へ引っ張られているので、レーンチェンジ領域LC2以外の領域では1層目の第2領域に位置する線状物に沿って巻回される。1層目の第2領域に位置する線状物は、巻回進行方向と反対側へ引っ張られて巻回されており、蛇行することなく密に巻回されているので、2層目の第2領域に位置する線状物も蛇行することなく整列した状態で密に巻回される。
ガイド15に案内された線状物がレーンチェンジ領域LC1に接近している場合には(ステップS11:YES)、制御装置40は角度センサ17の検出値を取り込んで角度θの大きさが0°付近であるか否かを判定し(ステップS12)、角度θの大きさが0°付近になるまで待機する(ステップS12:NO)。角度θの大きさが0°付近になった場合に(ステップS12:YES、図9参照)、制御装置40はロータリエンコーダE1の検出値を取り込んで、ドラム1の回転数が反転回転数であるか否かを判定する(ステップS13)。なお反転回転数とはドラム1の一端から他端まで線状物を巻回するために必要なドラム1の回転数をいう。ドラム1の回転数が反転回転数でない場合には(ステップS13:NO)、制御装置40は角度センサ17の検出値を取り込んで角度θの大きさがθc 以上になるまでトラバーサ13を巻回進行方向に所定距離移動させる(ステップS14、図10参照)。そして制御装置40はステップS11へ処理を戻す。
ドラム1の回転数が反転回転数である場合に(ステップS13:YES)、制御装置40は角度センサ17の検出値を取り込んで角度θの大きさが増加しているか否かを判定し(ステップS15)、角度θの大きさが増加するまで待機する(ステップS15:NO、図11参照)。角度θの大きさが増加した場合には(ステップS15:YES)、制御装置40は、ロータリエンコーダE1の検出値を取り込み、ドラム1の回転数が、予めRAMに設定された線状物の巻回を終了する終了回転数であるか否かを判定する(ステップS16)。ドラム1の回転数が終了回転数でない場合には(ステップS16:NO)、制御装置40は角度θの正負を反転させて(ステップS17、図12参照)、処理をステップS5へ戻す。ドラム1の回転数が終了回転数である場合には(ステップS16:YES)、制御装置40はモータM1に対して停止信号を出力し、モータM1を停止させる(ステップS18)。
実施の形態に係る線状物巻回装置及び線状物巻回方法にあっては、ドラム1の一端部から中央部までドラム1に巻回している線状物の最前列よりも後側にガイド15を位置させ、ドラム1の中央部から他端部までドラム1に巻回している線状物の最前列よりも前側にガイド15を位置させて、線状物を巻回する。巻回進行方向が反転した場合には、ドラム1の中央部から他端部までドラム1に巻回している線状物の最前列よりも後側にガイド15を位置させ、ドラム1の一端部から中央部までドラム1に巻回している線状物の最前列よりも後側にガイド15を位置させて線状物を巻回する。このため線状物は前述したように整列した状態で巻回され、ドラム1の端部にて隙間が発生することが回避され、巻乱れを防ぐことができる。また損傷による線状物の品質低下を回避すると共にドラム1に巻回できる線状物の量が減少することを防ぐことができる。そのため巻乱れが生じたときには、線状物の変形によって巻乱れが生じていると考えられ、適切な時期に線状物を交換することができる。
また実施の形態に係る線状物巻回装置にあっては、ドラム1の回転数をロータリエンコーダE1によって検出し、検出した回転数に基づいて線状物の巻回がドラム1の中央部まで進行したか否かを判定し、前記ガイド15の位置を、ドラム1に巻回している線状物の最前列よりも後側から前側へ、適切なタイミングで切り換えて、巻乱れを防ぐことができる。
また実施の形態に係る線状物巻回装置にあっては、線状物の巻回がドラム1の中央部まで進行した場合に、ガイド15がドラム1に巻回している線状物の最前列よりも前側に位置するまで、トラバーサ13を線状物の巻回が進行する方向に段階的に移動させて、急激にトラバーサ13を移動させた場合よりも線状物同士の間にできる隙間を小さくし、線状物同士の間に線状物が落ち込まないようにして、巻乱れの発生を防ぐことができる。
また実施の形態に係る線状物巻回装置にあっては、ドラム1に巻回している線状物の最前列よりも前側にガイド15を位置させて巻回した線状物の上に、ドラム1に巻回している線状物の最前列よりも後側にガイド15を位置させて線状物を巻回することによって、上層の線状物は下層の線状物に沿うことなく整列した状態で密に巻回されるので、上層の線状物の巻回を開始した直後にドラム1の端部に大きな隙間が発生することを防止することができる。またドラム1に巻回している線状物の最前列よりも後側にガイド15を位置させて巻回した線状物の上に、ドラム1に巻回している線状物の最前列よりも前側にガイド15を位置させて線状物を巻回することによって、上層の線状物は下層の線状物に沿って整列した状態で密に巻回され、また上層の線状物の巻回が終了するときにドラム1の端部と線状物との間に大きな隙間が発生することを防ぐことができ、巻乱れの発生を防ぐことができる。
また実施の形態に係る線状物巻回装置にあっては、前記ドラム1の端部で線状物の巻回が行われていると判断され、角度センサ17により線状物の巻回が進行する方向が反転したことを示す角度が検出された場合に、反転した方向に前記トラバーサを移動させて、ドラム1の端部での反転を円滑に行って巻乱れを防ぎ、損傷による線状物の品質低下を回避すると共にドラム1に巻回できる線状物の量が減少することを防ぐことができる。
なお実施の形態に係る線状物巻回方法を使用して手動で線状物をドラム1に巻回しても良い。また実施の形態に係る線状物巻回装置は、ロータリエンコーダE1の検出値に基づいて、線状物の巻回がドラム1の中央部まで進行しているか否かを判定しているが、ロータリーエンコーダE2の検出値に基づいて線状物の巻回がドラム1の中央部まで進行しているか否かを判定する構成であっても良い。
1 ドラム
3 フランジ
M1、M2 モータ
E1、E2 ロータリエンコーダ
40 制御装置
10 トラバーサ機構
13 トラバーサ
15 ガイド
17 角度センサ
30 ボビン

Claims (6)

  1. 軸芯回りに回転して線状物を巻回するドラムと、該ドラムの周面に向けて線状物を案内するガイドと、該ガイドを前記ドラムの軸方向に沿って往復移動させるトラバーサと、前記ドラムの周面に線状物が並列に巻回されるように前記トラバーサの移動を制御する制御手段とを備える線状物巻回装置において、
    前記制御手段は、前記トラバーサを線状物の巻回が進行する方向に移動させて、前記ドラムの一端部から中央部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側(又は後側)に前記ガイドを位置させ、前記ドラムの中央部から他端部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側(又は前側)に前記ガイドを位置させる手段を備えることを特徴とする線状物巻回装置。
  2. 前記ドラムの回転数を検出する手段を備え、
    前記制御手段は、検出されたドラムの回転数に基づいて線状物の巻回が前記ドラムの中央部まで進行したか否かを判定する手段を備えること
    を特徴とする請求項1に記載の線状物巻回装置。
  3. 前記ガイドから送出される線状物の送出方向及び前記ドラムの軸芯に垂直な方向のなす角度を検出する角度検出手段を備え、
    前記制御手段は、線状物の巻回が前記ドラムの中央部まで進行した場合に、前記角度検出手段によって検出された角度に基づいて、前記ガイドが前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に位置するまで、前記トラバーサを線状物の巻回が進行する方向に段階的に移動させる手段を備えること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の線状物巻回装置。
  4. 前記制御手段は、前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側(又は後側)に前記ガイドを位置させて巻回した線状物の上側に線状物を巻回する場合に、前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側(又は前側)に前記ガイドを位置させる手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の線状物巻回装置。
  5. 前記ドラムの回転数を検出する回転数検出手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記回転数検出手段の検出結果に基づいて、線状物の巻回が前記ドラムの端部で行われているか否か判定する手段と、
    前記ドラムの端部で線状物の巻回が行われていると判定され、前記角度検出手段によって線状物の巻回が進行する方向が反転したことを示す角度が検出された場合に、反転した方向に前記トラバーサを移動させる手段と
    を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の線状物巻回装置。
  6. 線状物を案内するガイドから送出された線状物を、軸芯回りに回転するドラムの周面に沿って並列に巻回させる線状物巻回方法において、
    周面全体に並列に線状物を巻回してある前記ドラムに線状物を巻回し、前記ドラムの一端部から中央部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも後側に前記ガイドを移動させ、前記ドラムの中央部から他端部まで前記ドラムに巻回している線状物の最前列よりも前側に前記ガイドを移動させて、前記ドラムの周面に沿って並列に線状物を巻回させることを特徴とする線状物巻回方法。
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