JP2010228196A - 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体吐出ヘッドの移動速度の変化に伴う位置制御信号の発生周期の変動が生じた場合においても、液滴の飛翔曲がり等の吐出不良を抑制しつつ高周波駆動に寄与することが可能な、液体吐出装置、及び、その制御方法を提供する。
【解決手段】キャリッジ移動機構によるキャリッジ(記録ヘッド)の移動に応じて出力されるエンコーダーパルスに基づくタイミングで、第1吐出駆動パルスP1を含む第1吐出周期Ta、及び、第2吐出駆動パルスP2を含む第2吐出周期Tbの合計2周期分の駆動信号COMを単位周期毎に発生し、第1吐出周期が第2吐出周期よりも短く設定され、且つ、第1吐出駆動パルスの終端と第2吐出駆動パルスの始端との間隔t12が圧力発生室内のインクの固有振動周期Tc以下に設定された。
【選択図】図7

Description

本発明は、インクジェット式プリンター等の液体吐出装置、及び、その制御方法に関するものであり、特に、液体吐出ヘッドの移動速度の変動に対応することが可能な液体吐出装置、及び、その制御方法に関するものである。
液体吐出装置は、液体を液滴として吐出可能な液体吐出ヘッドを備え、この液体吐出ヘッドから各種の液体を吐出する装置である。この液体吐出装置の代表的なものとしては、インクジェット式プリンター等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造装置等、各種の製造装置にも液体吐出装置が応用されている。
上記インクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという)では、例えば、複数の吐出駆動パルスを含む駆動信号を発生させ、この駆動信号の中から吐出駆動パルスを選択的に圧電振動子等の圧力発生手段に供給してこれを駆動することにより、圧力発生室内のインクに圧力変動を生じさせ、この圧力変動を制御することでノズルからインクを吐出するように構成されている。
ここで、インクを吐出した直後において、ノズルに露出したインクの自由表面(メニスカス)には残留振動が生じる。この残留振動は、ノズルのメニスカスの振動に、圧力発生室内のインクの固有振動周期Tcの振動が重畳したものである。この周期Tcの振動は数μsという非常に短い周期でメニスカスを変位させる。この圧力発生室内におけるインクの固有振動周期Tcは、例えば、次式(A)で表すことができる。
Tc=2π√[〔(Mn×Ms)/(Mn+Ms)〕×Cc]・・・(A)
但し、式(A)において、Mnはノズルにおけるイナータンス、Msはリザーバーから圧力発生室に通じるインク供給口におけるイナータンス、Ccは圧力発生室のコンプライアンス(単位圧力あたりの容積変化、柔らかさの度合いを示す。)である。上記式(A)において、イナータンスMとは、インク流路におけるインクの移動し易さを示し、単位断面積あたりのインクの質量である。そして、インクの密度をρ、流路のインク流れ方向と直交する面の断面積をS、流路の長さをLとしたとき、イナータンスMは次式(B)で近似して表すことができる。
イナータンスM=(密度ρ×長さL)/断面積S ・・・ (B)
なお、例示したTcは、上記式(A)で定まるものに限らず、記録ヘッド内のインク流路や圧力発生手段等の形状・構造に応じて異なってくる。要は、圧力発生室が有している振動周期を表せるものであればよい。
この周期Tcの残留振動は、次のインクを吐出する際の吐出特性に影響を及ぼす虞がある。具体的には、残留振動の状態に応じて吐出インクの飛翔速度が変化したり液量(重量・体積)が変動したりする。このような吐出特性の変動は、記録紙における着弾位置のずれやドット大きさのばらつきの原因となり、結果として記録画像の品質低下を招く。したがって、記録紙に対してインクを精度良く着弾させて高品位の画像を記録するためには、吐出特性を一定に揃えることが肝要である。特に、高速印字を行う場合には、吐出駆動パルスを短い周期で連続的に圧力発生手段に印加してインクを吐出するが、この場合には、先の吐出に伴う周期Tcの振動が収束しないうちに次の吐出が行われることがあるため、常に吐出特性が同程度に揃うように、駆動信号中の各吐出駆動パルスの配置を定めることが望ましい。
ところで、駆動信号の発生タイミングや吐出駆動パルスの供給タイミングを規定するタイミング信号(ラッチ信号LAT等)は、記録ヘッドを搭載したキャリッジの移動に伴って出力される位置制御信号(エンコーダーパルス)に基づいて生成される。したがって、記録動作中においてキャリッジの移動速度が一定であることが理想的であるが、現実的には±数%程度の変動が生じる。このようにキャリッジ移動速度が変動すると、タイミング信号の発生周期も変動する。例えば、キャリッジの移動速度が基準速度よりも増加したときには、タイミング信号の発生周期が短くなり、その結果、先の単位周期Tnの最後の吐出駆動パルスと、次の単位周期Tn+1の最初の吐出駆動パルスとの間隔が狭まる。そのため、キャリッジの移動速度が増加した場合には、記録周期(吐出周期)Tnの最後の吐出駆動パルスによってインクを吐出した後、その際の残留振動が収束しない状態で単位周期Tn+1の最初の吐出駆動パルスによってインクの吐出が行われる状況となり、吐出特性が安定しない問題があった。
このような不具合を防止するべく、位置制御信号の発生周期の変動分を考慮して、今回単位周期Tnの最後の画素パルスPX2の終端と次回単位周期Tn+1の最初の画素パルスPX1の始端とを接続する吐出周期接続要素Pcと、同一記録周期内の画素パルス同士を接続する画素接続要素Pbとを駆動信号中に含ませ、画素接続要素の時間幅Wbを一定とする一方で、吐出周期接続要素の時間幅Wcを、エンコーダーパルスの出力間隔の変動に応じて変化するように構成し、吐出周期接続要素の時間幅の最大値が画素接続要素の時間幅に対して1.5倍以上となるように設定し、画素接続要素の時間幅を、圧力発生室内のインクの固有振動周期Tc以上に設定した構成が提案されている(特許文献1参照)。これにより、今回記録周期における吐出動作による残留振動が次回記録周期における吐出動作に悪影響を及ぼすことを抑制している。
特開2008−062548号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成では、記録周期全体が長くなってしまうため、より高い駆動周波数での液体の吐出動作に対応することが困難である問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体吐出ヘッドの移動速度の変化に伴う位置制御信号の発生周期の変動が生じた場合においても、液滴の飛翔曲がり等の吐出不良を抑制しつつ高周波駆動に寄与することが可能な、液体吐出装置、及び、その制御方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、ノズルに連通する圧力発生室および当該圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせ得る圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段の作動によってノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドを移動させるヘッド移動手段と、
前記ヘッド移動手段による液体吐出ヘッドの移動に応じて出力される位置制御信号に基づくタイミングで、第1吐出駆動パルスを含む第1吐出周期、及び、第2吐出駆動パルスを含む第2吐出周期の合計2周期分の駆動信号を単位周期毎に発生する駆動信号発生手段と、
を備える液体吐出装置であって、
前記第1吐出周期が前記第2吐出周期よりも短く設定され、且つ、第1吐出駆動パルスの終端と第2吐出駆動パルスの始端との間隔が前記圧力発生室内の液体の固有振動周期Tc以下に設定されたことを特徴とする。
本発明によれば、第1吐出周期を第2吐出周期よりも短く設定し、且つ、第1吐出駆動パルスと第2吐出駆動パルスとの間隔が圧力発生室内の液体の固有振動周期Tc以下に設定したので、液体吐出ヘッドの移動速度の変動が生じた場合においても吐出特性が変動することを抑えつつ、単位周期全体を短くすることが可能となる。その結果、記録画像の画質の低下を防止すると共に、高周波駆動に寄与することが可能となる。
即ち、第2記録周期が第1記録周期よりも長くなり、先の単位周期Tnの第2吐出駆動パルスの後端から次の単位周期Tn+1の第1吐出駆動パルスの始端までの時間をより長く確保することができる。このため、ヘッド移動速度が変動することにより、第2記録周期が変動した場合においても、単位周期Tnの第2吐出駆動パルスによるインク吐出の後、残留振動がほぼ収束した状態或いは収束しつつある状態で単位周期Tn+1の第1吐出駆動パルスによるインクの吐出が行われる。また、第1吐出駆動パルスと第2吐出駆動パルスとの間隔をTc以下とすることで、単位周期の短縮化に寄与することができる。
上記構成において、前記第1吐出周期が前記第2吐出周期の2/3以下である構成を採用することが望ましい。
また、上記構成において、前記第1吐出駆動パルスと前記第2吐出駆動パルスとの間隔が、第1吐出駆動パルスによって吐出される液体の量と第2吐出駆動パルスによって吐出される液体の量とが揃うように定められた構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、第1吐出駆動パルスと第2吐出駆動パルスとの間隔が圧力発生室内の液体の固有振動周期Tc以下に設定することで第1吐出駆動パルスによる吐出後の残留振動が収束しない状態で第2吐出駆動パルスによる吐出が行われる状況においても、吐出特性が一定に揃うので、着弾対象物に対して液体を精度良く着弾させることが可能となる。
また、本発明は、前記液体の粘度が8〜100mPa・sである場合に好適である。
即ち、粘度が、例えば25℃における粘度が8〜100mPa・sの高粘度液体を吐出する場合においても、第1吐出駆動パルスによる吐出の後、可及的に早い段階で第2吐出駆動パルスにより圧力発生室が膨張することでノズルにおけるメニスカスが圧力発生室側に引き込まれるので、尾曳を低減することができる。また、高粘度液体を吐出する構成では、粘度が低い液体を用いる場合と比べて吐出後の振動の減衰が速いので、吐出駆動パルス同士の間隔をより短く、特に圧力発生室内の液体の固有振動周期Tc以下に設定することができる。
また、上記構成において、前記第1吐出駆動パルス及び前記第2吐出駆動パルスは、前記圧力発生室を膨張させる膨張要素と、圧力発生室の膨張状態を一定時間維持する膨張維持要素と、膨張状態の圧力発生室を収縮させて液体を吐出させる収縮要素と、により構成される吐出駆動パルスである構成を採用することができる。
また、本発明は、ノズルに連通する圧力発生室および当該圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせ得る圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段の作動によってノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを移動させるヘッド移動手段と、前記ヘッド移動手段による液体吐出ヘッドの移動に応じて出力される位置制御信号に基づくタイミングで、第1吐出駆動パルスを含む第1吐出周期、及び、第2吐出駆動パルスを含む第2吐出周期の合計2周期分の駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、
前記第1吐出周期を前記第2吐出周期よりも短く設定し、且つ、第1吐出駆動パルスと第2吐出駆動パルスとの間隔が前記圧力発生室内の液体の固有振動周期Tc以下に設定したことを特徴とする。
プリンターの構成を説明する斜視図である。 リニアエンコーダーを説明する部分拡大図である。 キャリッジの側面図である。 (a)はリニアエンコーダーのスケールを説明する図、(b)はエンコーダーパルスを説明する図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。 プリンターの電気的構成を説明するブロック図である。 駆動信号の構成を説明する波形図である。 吐出駆動パルス同士の間隔とインク重量との関係を示すグラフである。 第2実施形態における駆動信号の構成を説明する波形図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体吐出装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1に示すように、このプリンター1は、液体吐出ヘッドの一種である記録ヘッド2が取り付けられると共に、インクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、キャリッジ4を記録紙の紙幅方向に移動させるキャリッジ移動機構6と、キャリッジ4の移動に伴ってエンコーダーパルスを出力するリニアエンコーダー7と、記録紙8を紙送り方向に移動させる紙送り機構9(図6参照)とを備えている。
上記のキャリッジ移動機構6(ヘッド移動手段の一種)は、プリンター1における主走査方向(紙幅方向)に架設されたガイド軸11と、主走査方向の一側に配設されたキャリッジ移動モーター12と、このキャリッジ移動モーター12の回転軸に接続され、キャリッジ移動モーター12によって回転駆動される駆動プーリー13と、駆動プーリー13とは反対側の主走査方向他側に配設された遊転プーリー14と、駆動プーリー13と遊転プーリー14との間に掛け渡され、キャリッジ4に接続されたタイミングベルト15とから構成される。キャリッジ移動モーター12は、キャリッジ移動機構6における駆動源として機能し、例えば、パルスモーターやDCモーターが用いられる。このキャリッジ移動モーター12は、制御手段として機能する制御部16(図6参照)により、その回転速度や回転方向等が制御される。そして、キャリッジ移動モーター12が回転すると、駆動プーリー13及びタイミングベルト15が回転し、キャリッジ4がガイド軸11に沿って記録紙8の幅方向に移動する。つまり、このキャリッジ4に搭載された記録ヘッド2は、制御部16による制御の下で主走査方向に往復移動される。
上記のリニアエンコーダー7は、キャリッジ4の走査位置に応じたエンコーダーパルス(位置制御信号の一種)を、主走査方向における位置情報として出力する。本実施形態におけるリニアエンコーダー7は、図2及び図3に示すように、プリンター1の筐体側に主走査方向へ張設されたスケール17(エンコーダーフィルム)と、キャリッジ4の背面に取り付けられたフォトインタラプター18とを備えている。スケール17は透明な樹脂製フィルムによって作製された帯状部材であり、例えば、図4(a)に示すように、透明なベースフィルム19の表面に帯幅方向に横断するストライプ20が複数形成されたもので構成される。各ストライプ20は、同じ幅とされ、帯長手方向に一定ピッチ、例えば180dpiに相当するピッチで形成されている。また、フォトインタラプター18は、互いに対向配置された一対の発光素子21と受光素子22とによって構成されている。
上記のスケール17は、発光素子21と受光素子22との間に配置されている。このため、受光素子22からの検出信号(エンコーダー出力)は、発光素子21からの光がスケール17を透過した状態と、ストライプ20が発光素子21からの光を遮った状態とで出力レベルが異なる。本実施形態では、図4(b)に示すように、ストライプ20が発光素子21からの光を遮っている遮光状態で受光素子22からの出力がHレベルになる。また、発光素子21からの光がベースフィルム19(透明部分)に照射されている状態では、この光はベースフィルム19を透過して受光素子22に受光される。このため、この状態では受光素子22からの出力がLレベルになる。従って、キャリッジ4の主走査方向への移動に伴って、受光素子22からはパルス状の信号、即ち、エンコーダーパルスEPが出力される。ここで、ストライプ20は同じ幅のものが一定ピッチで形成されているため、キャリッジ4の移動速度が一定であれば、図4(b)に示すように、エンコーダーパルスEPは一定周期で出力されることになる。そして、制御部16は、このエンコーダーパルスEPに基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の走査位置を認識できる。即ち、例えば、受信したエンコーダーパルスEPをカウントすることで、キャリッジ4の位置を認識することができる。
上記の紙送り機構9は、紙送り駆動源としての紙送りモーター25と、この紙送りモーター25によって回転駆動される紙送りローラー26とから構成される。本実施形態の紙送りローラー26は、上下一対のローラーで構成されている。即ち、下側に位置する駆動ローラーと上側に位置する従動ローラー(図示せず)によって構成されている。駆動ローラーは上端部分をプラテン5の上面から露出させた状態でプラテン5内に配設されており、この露出した部分の上に従動ローラーが配置される。そして、従動ローラーと駆動ローラーとによって記録紙8を挟み付け、この挟持状態で駆動ローラーを回転することで記録紙8を紙送り方向に移動させる。
図5は、本発明の液体吐出ヘッドの一種である記録ヘッド2の構成を説明する要部断面図である。この記録ヘッド2は、ケース29と、このケース29内に収納される振動子ユニット30と、ケース29の底面(先端面)に接合される流路ユニット31等を備えている。上記のケース29は、例えば、エポキシ系樹脂により作製され、その内部には振動子ユニット30を収納するための収納空部32が形成されている。振動子ユニット30は、圧力発生手段の一種として機能する圧電振動子33と、この圧電振動子33が接合される固定板34と、圧電振動子33に駆動信号等を供給するためのフレキシブルケーブル35とを備えている。圧電振動子33は、圧電体層と電極層とを交互に積層した圧電板を櫛歯状に切り分けることで作製された積層型であって、積層方向に直交する方向に伸縮可能な縦振動モードの圧電振動子である。
流路ユニット31は、流路形成基板37の一方の面にノズルプレート38を、流路形成基板37の他方の面に振動板39をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット31には、リザーバー40(共通液体室)と、インク供給口41と、圧力発生室42と、ノズル連通口43と、ノズル44とを設けている。そして、インク供給口41から圧力発生室42及びノズル連通口43を経てノズル44に至る一連のインク流路が、ノズル44毎に対応して形成されている。
上記ノズルプレート38は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル44が列状に穿設されたステンレス等の金属製の薄いプレートである。このノズルプレート38には、ノズル44を列設してノズル列(ノズル群)が複数設けられており、1つのノズル列は、例えば180個のノズル44によって構成される。
上記振動板39は、支持板46の表面に弾性体膜47を積層した二重構造である。本実施形態では、金属板の一種であるステンレス板を支持板46とし、この支持板46の表面に樹脂フィルムを弾性体膜47としてラミネートした複合板材を用いて振動板39を作製している。この振動板39には、圧力発生室42の容積を変化させるダイヤフラム部48が設けられている。また、この振動板39には、リザーバー40の一部を封止するコンプライアンス部49が設けられている。
上記のダイヤフラム部48は、エッチング加工等によって支持板46を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部48は、圧電振動子33の自由端部の先端面が接合される島部42と、この島部42を囲む薄肉弾性部43とからなる。上記のコンプライアンス部49は、リザーバー40の開口面に対向する領域の支持板46を、ダイヤフラム部48と同様にエッチング加工等によって除去することにより作製され、リザーバー40に貯留された液体の圧力変動を吸収するダンパーとして機能する。
そして、上記の島部42には圧電振動子33の先端面が接合されているので、この圧電振動子33の自由端部を伸縮させることで圧力発生室42の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力発生室42内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド2は、この圧力変動を利用してノズル44からインク滴を吐出させるようになっている。
次に、図6のブロック図に基づき、プリンター1の電気的構成について説明する。本実施形態におけるプリンター1は、プリンターコントローラー51と、プリントエンジン52とを備えている。プリンターコントローラー51は、図示しないホストコンピューター等の外部機器からの印刷データ等を受信するインターフェース(外部I/F)53と、各種データの記憶等を行うRAM54と、各種データ処理のためのプログラム等を記憶したROM55と、各部の電気的制御を行う制御部16と、クロック信号CKを発生する発振回路56と、記録ヘッド2へ供給するための駆動信号COMを発生する駆動信号発生回路58と、階調データ及び駆動信号等をプリントエンジン52に送信するためのインターフェース(内部I/F)59とを備える。
外部I/F53は、例えばキャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つのデータ又は複数のデータからなる印刷データをホストコンピューター等から受信する。RAM54は、受信バッファー、中間バッファー、出力バッファー等として利用されるものである。ROM55は、制御部16によって実行される各種制御プログラム、フォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等を記憶している。
制御部16は、駆動信号の圧電振動子33への供給制御を行う。例えば、制御部16は、ホストコンピューター等から送信された印刷データをドットパターンに対応した階調データに展開して記録ヘッド2に送信する。この場合において、制御部16は、受信バッファー内の印刷データを読み出して中間コードデータに変換し、この中間コードデータを中間バッファーに記憶する。そして、制御部16は、中間バッファーから読み出した中間コードデータを解析し、ROM55内のフォントデータやグラフィック関数等を参照して中間コードデータをドット毎の階調データに展開する。
展開された階調データは出力バッファーに一旦記憶される。一回の主走査に相当する1行分の階調データが得られると、この1行分の階調データ(SI)は内部I/F59を通じて記録ヘッド2にシリアル伝送される。出力バッファーから1行分の階調データが送信されると、中間バッファーの内容が消去されて次の中間コードデータに対する変換が行われる。そして、記録ヘッド2では、受信した階調データに基づき、インクの吐出動作が行われる。
上記の駆動信号発生回路58は、本発明における駆動信号発生手段の一種であり、吐出駆動パルスを含んだ駆動信号を発生する。この吐出駆動パルスは、規定量のインクを記録ヘッド2のノズル44から吐出させ得る駆動パルスである。そして、駆動信号発生回路58は、この駆動信号COMを単位周期毎に繰り返し発生する。なお、この駆動信号COMについての詳細は後述する。
上記リニアエンコーダー7からのエンコーダーパルスEPは、駆動信号発生回路58及び制御部16に入力されている。制御部16は、このエンコーダーパルスEPからタイミングパルスPTS(print timing signal)を生成し、このタイミングパルスPTSに同期させて印刷データの転送や駆動信号の発生等を行っている。そして、駆動信号発生回路58は、タイミングパルスPTSに基づくタイミングで駆動信号COMを出力する。また、制御部16は、タイミングパルスPTSに基づいて、ラッチ信号LAT等のタイミング信号を生成して記録ヘッド2に出力する。図7に示すように、ラッチ信号LATは、記録周期の開始タイミングを規定する信号であり、本実施形態においては、1つのタイミングパルスPTSに基づいて、第1記録周期Taを規定する第1ラッチ信号LAT1と第2記録周期Tbを規定する第2ラッチ信号LAT2が生成されるように構成されている。
上記のプリントエンジン52は、キャリッジ移動機構6の電気駆動系と、紙送り機構9の電気駆動系と、記録ヘッド2の電気駆動系と、リニアエンコーダー7等から構成される。キャリッジ移動機構6の電気駆動系には上記のキャリッジ移動モーター12が含まれ、紙送り機構9の電気駆動系には上記の紙送りモーター25が含まれる。これらのキャリッジ移動機構6の電気駆動系、及び、紙送り機構9の電気駆動系は制御部16によって制御され、互いに連係して動作する。
記録ヘッド2の電気駆動系は、第1シフトレジスター61及び第2シフトレジスター62からなるシフトレジスター回路と、第1ラッチ回路63と第2ラッチ回路64とからなるラッチ回路と、デコーダー65と、制御ロジック66と、レベルシフター67と、スイッチ回路68と、圧電振動子33とから構成される。各シフトレジスター61,62、各ラッチ回路63,64、デコーダー65、スイッチ回路68、及び、圧電振動子33は、それぞれ記録ヘッド2の各ノズル44に対応して複数設けられる。この記録ヘッド2の電気駆動系は、プリンターコントローラー51からの階調データSIに応じて圧電振動子33に駆動信号中の駆動パルスを選択的に供給するものである。換言すれば、記録ヘッド2の電気駆動系は駆動パルスを供給するパルス供給手段として機能し、制御部16(制御手段)による制御の下、駆動信号に含まれる駆動パルスを圧電振動子33に対して選択的に供給する。
第1シフトレジスター61には第1ラッチ回路63が電気的に接続され、第2シフトレジスター62には第2ラッチ回路64が電気的に接続されている。そして、プリンターコントローラー51(制御部16)からのラッチ信号LATが各ラッチ回路63,64に入力されると、第1ラッチ回路63は階調データの下位ビットのデータをラッチし、第2ラッチ回路64は階調データの上位ビットをラッチする。このような動作をする第1シフトレジスター61及び第1ラッチ回路63と、第2シフトレジスター62及び第2ラッチ回路64の組は、それぞれが記憶回路を構成し、デコーダー65に入力される前の階調データを一時記憶する。
各ラッチ回路63,64でラッチされた階調データは、デコーダー65に入力される。このデコーダー65は、2ビットの階調データを翻訳して4ビットの印字データを生成する。そして、このデコーダー65、上記の制御部16、シフトレジスター61,62、及び、ラッチ回路63,64は、印字データ生成手段として機能し、階調データから印字データを生成する。この印字データの各ビットは、駆動信号COM中に含まれる駆動パルスにそれぞれ対応しており、各駆動パルスの選択情報として機能する。デコーダー65によって翻訳された4ビットの印字データは、制御ロジック66からの供給タイミング信号TMによって規定されるタイミングで上位ビット側から順次レベルシフター67に入力される。制御ロジック66は、ラッチ信号LATに基づいて供給タイミング信号TMを発生する。即ち、この制御ロジック66は、ラッチ信号LATを受信する毎に供給タイミング信号TMを発生する。レベルシフター67は、電圧増幅器として機能し、印字データが「1」の場合には、スイッチ回路68を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。
レベルシフター67で昇圧された「1」の印字データは、スイッチ手段として機能するスイッチ回路68に供給される。このスイッチ回路68の入力側には、駆動信号発生回路58からの駆動信号COMが供給されており、スイッチ回路68の出力側には圧電振動子33が接続されている。印字データは、スイッチ回路68の作動を制御する。例えば、スイッチ回路68に加わる印字データが「1」である期間中は、駆動信号COM中の吐出駆動パルスが圧電振動子33に供給され、この吐出駆動パルスに応じて圧電振動子33は変形する。一方、スイッチ回路68に加わる印字データが「0」の期間中は、レベルシフター67からはスイッチ回路68を作動させる電気信号が出力されないので、圧電振動子33へは吐出駆動パルスが供給されない。要するに、印字データ「1」が設定された駆動パルスが選択的に圧電振動子33に供給される。
図7は、本実施形態における駆動信号COMの構成を説明する波形図である。同図に例示した駆動信号COMは、前側の第1記録周期(第1吐出周期)Taと後側の第2記録周期(第2吐出周期)Tbとの連続した2つの周期を単位周期として、駆動信号発生回路58がPTSを受信する毎に発生される信号である。第1記録周期Taでは第1吐出駆動パルスP1が発生され、第2記録周期Tbでは第2吐出駆動パルスP2が発生される。したがって、本実施形態における駆動信号COMは、単位周期Tn内に合計2つの吐出駆動パルスを含んでいる。ここで、1つの記録周期は、記録紙上に記録する1つの画素に対応している。つまり、駆動信号COMは、1つの単位周期内に合計2つの画素分の吐出駆動パルスを含んでいるとも言える。
上記第1吐出駆動パルスP1及び第2吐出駆動パルスP2は、同一形状のパルスであり、膨張要素p1(圧力発生室膨張要素)と、膨張ホールド要素p2(膨張維持要素)と、収縮要素p3(吐出要素)とからなる。膨張要素p1は、基準電位VLから膨張電位VHまで一定勾配で電位を上昇させる波形要素であり、膨張ホールド要素p2は、膨張電位VHで一定な波形要素である。収縮要素p3は、膨張電位VHから基準電位VLまで急勾配で電位を下降させる波形要素である。このように構成された吐出駆動パルスP1,P2が圧電振動子33に供給されると、まず、膨張要素p1によって圧電振動子33は素子長手方向に収縮し、圧力発生室42が基準電位VLに対応する基準容積から膨張電位VHに対応する膨張容積まで膨張する。この膨張により、ノズル44におけるメニスカスが圧力発生室42側に大きく引き込まれると共に、圧力発生室42内にはリザーバー40側からインク供給口41を通じてインクが供給される。そして、この圧力発生室42の膨張状態は、膨張ホールド要素p2の供給期間中に亘って維持される。その後、収縮要素p3が供給されて圧電振動子33が伸長する。この圧電振動子33の伸長により、圧力発生室42は、膨張容積から基準電位VLに対応する基準容積まで急激に収縮される。この圧力発生室42の急激な収縮により圧力発生室42内のインクが加圧され、ノズル44から数pl〜十数plの量のインクが吐出される。
ここで、図8は、前側の吐出駆動パルスによってインクを吐出した後、当該前側の吐出駆動パルスの次に発生される後側の吐出駆動パルスによってインクを吐出する場合において、前側の吐出駆動パルスと後側の吐出駆動パルスとの間隔を変化させたときの、後側の吐出駆動パルスによって吐出されるインクの重量Iwの変化を示すグラフである。同図において、横軸は前側の吐出駆動パルスと後側の吐出駆動パルスとの間隔tであり、例えば、同一単位周期内における第1吐出駆動パルスP1の終端(収縮要素p3の後端)から第2吐出駆動パルスP2の始端(膨張要素p1の始端)までの間隔t12、或いは、前側の単位周期Tnの第2吐出駆動パルスP2の後端から次の単位周期Tn+1の第1吐出駆動パルスP1の始端までの間隔t21である。また、縦軸は、後側の吐出駆動パルスによって吐出されたインクの重量Iwである。なお、以下の説明において、便宜上、図8の波形を適宜メニスカスの残留振動として置き換えて説明する場合がある。
図8に示すように、前側の吐出駆動パルスと後側の吐出駆動パルスとの間隔tを変えることによって、後側の吐出駆動パルスによって吐出されるインクの重量Iwが周期的に変動することが判る。このようにインク重量Iwが周期的に変動するのは、前側の吐出駆動パルスによってインクを吐出した後のメニスカスの残留振動の影響による。したがって、インク重量Iwの変動周期は、圧力発生室内のインクに生じる圧力振動の周期Tcとほぼ一致する。このような残留振動の影響によってインク重量Iwやインクの飛翔速度Vm等の吐出特性が変動してしまうと、記録画像等の画質に悪影響を及ぼす虞があるため、常に一定の吐出特性が得られるように吐出駆動パルス同士の間隔を設定することが望ましい。
ところが、記録紙等の着弾対象物に対して画像等の記録動作(液体の吐出動作)を行う際に、記録ヘッド2を搭載したキャリッジ4の移動速度が変動することによってエンコーダーパルスEPの出力間隔(発生周期)が変化することがある。記録動作時のキャリッジ移動速度に関し、一般的には±数%程度の変動が生じる可能性がある。このようなキャリッジ移動速度の変動によりエンコーダーパルスEPの出力間隔が変動すると、これに伴ってタイミングパルスPTSの発生周期も変動するので、単位周期の長さが変わってしまう。この場合、本実施形態における駆動信号COMでは、LAT1とLAT2との間隔は一定値に固定されているので第1記録周期Taは変動しない一方、第2記録周期Tbが変動する。そして、例えば、キャリッジの移動速度が基準速度よりも増加したときには、タイミングパルスPTSの発生周期が短くなり、その結果、先の単位周期Tnの最後の吐出駆動パルス(第2吐出駆動パルスP2)と、次の単位周期Tn+1の最初の吐出駆動パルス(第1吐出駆動パルスP1)との間隔t21が短くなる。この場合、従来の構成では、単位周期Tnの第2吐出駆動パルスP2によってインクを吐出した後、図8においてW1で示す範囲のように残留振動の振幅の差が比較的大きい状態で単位周期Tn+1の第1吐出駆動パルスP1によって吐出が行われるケースが生じ、その結果、吐出特性が安定しない問題があった。
上記のキャリッジ移動速度の変動に対応するべく、本発明に係るプリンター1では、上記駆動信号COMにおいて、第1記録周期Taが第2記録周期Tbよりも短く設定されている。より具体的には、第1記録周期Taが第2記録周期Tbの2/3以下となっている。これにより、第2記録周期Tbが第1記録周期Taよりも長くなり、先の単位周期Tnの第2吐出駆動パルスP2の後端から次の単位周期Tn+1の第1吐出駆動パルスP1の始端までの時間t21がより長く確保される。このため、キャリッジ移動速度が変動することにより、第2記録周期Tbが変動した場合においても、単位周期Tnの第2吐出駆動パルスP2によるインク吐出の後、残留振動がほぼ収束した状態或いは収束しつつある状態(図8においてW2で示す範囲における振幅の差が比較的小さい状態)で単位周期Tn+1の第1吐出駆動パルスP1によるインクの吐出が行われるように構成されている。したがって、キャリッジ移動速度が変動した場合においても吐出特性を安定させることができる。
また、第1吐出駆動パルスP1の終端と第2吐出駆動パルスP2の始端との間隔t12が圧力発生室42内のインクに生じる固有振動周期Tc以下に設定されている。間隔t12をTc以下に設定することで、単位周期全体を短縮化することができ高周波駆動に寄与することができる。さらに、粘度が8〜100mPa・s程度の比較的高粘度の液体(光硬化型インク等)を吐出する場合に本発明は好適である。即ち、このような高粘度液体を吐出する場合、吐出された高粘度液体の後端部分が尾のように伸びる現象(尾曳)が生じ易くなる傾向にある。本実施形態では、第1吐出駆動パルスP1の終端と第2吐出駆動パルスP2の始端との間隔t12が周期Tc以下に設定されているので、第1吐出駆動パルスP1による吐出の後、可及的に早い段階で第2吐出駆動パルスの膨張要素p1により圧力発生室42が膨張することでノズル44におけるメニスカスが圧力発生室側に引き込まれる。この引き込みにより尾曳を低減することができる。また、高粘度液体を吐出する構成では、粘度が低い液体を用いる場合と比べて吐出後の振動の減衰が速いので、吐出駆動パルス同士の間隔をより短く、特に圧力発生室内の液体の固有振動周期Tc以下に設定することができる。
このように間隔t12を周期Tc以下に設定すると、第1吐出駆動パルスP1によるインク吐出の後、第2吐出駆動パルスP2で吐出する際の残留振動の状態が図8におけるW1で示す範囲となる。この点に関し、間隔t12は、記録ヘッド2の製造時の検査工程でヘッド毎に実際にインクを吐出することで、第1吐出駆動パルスP1で吐出したときのインク重量Iw1と第2吐出駆動パルスP2で吐出したときのインク重量Iw2とが揃うように定められる。即ち、まず、単位周期Tnの第2吐出駆動パルスP2でインクを吐出した後、単位周期Tn+1の第1吐出駆動パルスP1でインクを吐出したときのインク重量Iw1が取得される。このインク重量Iw1は、上述したようにキャリッジ移動速度が変動した場合においてもほぼ一定の値(図8におけるIwxに近い値)が得られる。次に、単位周期内で第1吐出駆動パルスP1によってインクを吐出した後、間隔t12を固有振動周期Tc以下の範囲で変えつつ、第2吐出駆動パルスP2によって吐出されるインク重量Iw2を観察し、この値がIwxとなったときの間隔が採用される。これにより、第1吐出駆動パルスP1によって吐出されるインク重量Iw1と第2吐出駆動パルスP2によって吐出されるインク重量Iw2を揃えることができる。その結果、記録紙等の着弾対象物に対してインクを精度良く着弾させることが可能となる。
以上のように、第1吐出周期Taを第2吐出周期Tbよりも短く設定し、且つ、第1吐出駆動パルスP1の終端と第2吐出駆動パルスP2の始端との間隔t12を固有振動周期Tc以下に設定することにより、キャリッジ移動速度の変動が生じた場合においても吐出特性が変動することを抑えつつ、単位周期全体を短くすることが可能となる。その結果、記録画像の画質の低下を防止すると共に、高周波駆動に寄与することが可能となる。
なお、上記実施形態では、本発明の圧力発生手段として所謂縦振動モードの圧電振動子33を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、所謂撓み振動モードの圧電振動子や磁歪素子、発熱素子などの他の圧力発生手段を用いる場合にも本発明を適用することができる。
また、駆動信号COMに関し、上記実施形態では、各記録周期に1つの吐出駆動パルスが含まれる構成を例示したが、これには限られず、例えば、図9に示す第2の実施形態のように、1つの記録周期に複数の吐出駆動パルスが含まれる構成にも本発明を適用することができる。例示した第2の実施形態では、1つの記録周期内に2つの吐出駆動パルスが含まれており、同一記録周期内の各吐出駆動パルスによってパルスグループが構成されている。即ち、第1記録周期Taでは第1前側吐出駆動パルスP11と第1後側吐出駆動パルスP12とにより第1パルスグループが構成され、第2記録周期Tbでは第2前側吐出駆動パルスP21と第2後側吐出駆動パルスP22により第2パルスグループが構成されている。この第2の実施形態においても、第1記録周期Taが第2記録周期Tbの2/3以下に設定されている。これにより、先の単位周期Tnの第2後側吐出駆動パルスP22の後端から次の単位周期Tn+1の第1前側吐出駆動パルスP11の始端までの時間t21がより長く確保される。そして、同一パルスグループを構成する吐出駆動パルス同士の間隔、及び、第1パルスグループの第1後側吐出駆動パルスP12の後端から第2パルスグループの第2前側吐出駆動パルスP21の始端までの間隔t12は、圧力発生室42内のインクに生じる固有振動周期Tc以下に設定されている。
また、本発明は、駆動信号(吐出駆動パルス)を用いて液体の吐出制御が可能な液体吐出装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体吐出装置、例えば、ディスプレー製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
1…プリンター,2…記録ヘッド,4…キャリッジ,7…リニアエンコーダー,16…制御部,51…プリンターコントローラー,52…プリントエンジン,58…駆動信号発生回路,61…第1シフトレジスター,62…第2シフトレジスター,63…第1ラッチ回路,64…第2ラッチ回路,65…デコーダー,66…制御ロジック,67…レベルシフター,68…スイッチ回路

Claims (6)

  1. ノズルに連通する圧力発生室および当該圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせ得る圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段の作動によってノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドを移動させるヘッド移動手段と、
    前記ヘッド移動手段による液体吐出ヘッドの移動に応じて出力される位置制御信号に基づくタイミングで、第1吐出駆動パルスを含む第1吐出周期、及び、第2吐出駆動パルスを含む第2吐出周期の合計2周期分の駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
    を備える液体吐出装置であって、
    前記第1吐出周期が前記第2吐出周期よりも短く設定され、且つ、第1吐出駆動パルスと第2吐出駆動パルスとの間隔が前記圧力発生室内の液体の固有振動周期Tc以下に設定されたことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記第1吐出周期が前記第2吐出周期の2/3以下であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記第1吐出駆動パルスと前記第2吐出駆動パルスとの間隔が、第1吐出駆動パルスによって吐出される液体の量と第2吐出駆動パルスによって吐出される液体の量とが揃うように定められたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記液体の粘度が8〜100mPa・sであることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記第1吐出駆動パルス及び前記第2吐出駆動パルスは、前記圧力発生室を膨張させる膨張要素と、圧力発生室の膨張状態を一定時間維持する膨張維持要素と、膨張状態の圧力発生室を収縮させて液体を吐出させる収縮要素と、により構成される吐出駆動パルスであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の液体吐出装置。
  6. ノズルに連通する圧力発生室および当該圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせ得る圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段の作動によってノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを移動させるヘッド移動手段と、前記ヘッド移動手段による液体吐出ヘッドの移動に応じて出力される位置制御信号に基づくタイミングで、第1吐出駆動パルスを含む第1吐出周期、及び、第2吐出駆動パルスを含む第2吐出周期の合計2周期分の駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、
    前記第1吐出周期を前記第2吐出周期よりも短く設定し、且つ、第1吐出駆動パルスと第2吐出駆動パルスとの間隔が前記圧力発生室内の液体の固有振動周期Tc以下に設定したことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
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