JP2010228174A - 微細樹脂構造体の製造方法、その製造方法により製造された微細樹脂構造体、光導波路、マイクロレンズ、マイクロレンズアレイ、及びマイクロ流体デバイス - Google Patents

微細樹脂構造体の製造方法、その製造方法により製造された微細樹脂構造体、光導波路、マイクロレンズ、マイクロレンズアレイ、及びマイクロ流体デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】正確な位置に形成された微細樹脂構造体を得ることのできる微細樹脂構造体の製造方法、及びこのような製造方法により得られる高精度の各種マイクロデバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】(a)基板上の樹脂層を溶融軟化させた状態で、型を基板の狙い位置の上方に位置するように位置合わせをする工程、(b)位置合わせされた型を溶融軟化された樹脂層に押圧接触させ、樹脂層が固体化する温度にまで冷却した後、型を離型することにより一次成形体を形成する工程、(c)一次成形体における、基板上の狙い位置からのx方向、y方向、及びθ方向のズレに基づくズレ量を測定する工程、(d)ズレ量が予め設定された値を超える場合には、補正調整して、さらに(a)〜(d)工程を繰り返し、ズレ量が設定された値の範囲内である場合には成形工程を終了する。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板上に光導波路、マイクロレンズ、マイクロ流体のような微細な構造を含む樹脂構造体を製造するための方法と、その製造方法により得られる微細樹脂構造体、及び該微細樹脂構造体を備えたデバイスなどに関する。
熱可塑性樹脂を用いた熱インプリントにおいては、基板の狙い位置に微細樹脂構造体を高精度にインプリントする場合、例えば、図1(a)〜(d)に示すような工程が採用されている。
すなわち、はじめに、(1)図1(a)に示すように、所定の間隔を維持した状態で互いに平行に配置された上ステージ3aと下ステージ3bを備えるインプリント装置に、転写用の型1及び熱可塑性の樹脂層102aが形成された基板102とをそれぞれ固定した後、基板102を加熱することにより基板102上の樹脂層102aを加熱軟化させる。(2)次に、図1(b)に示すように、型1と基板102との間に挿置されたカメラユニット(図1(b)では4個1組のものを示している)4により、型1と基板102の各対峙面側にそれぞれ設けられたアライメントマークを観察しながら、型1と基板102とを所定の狙い位置に位置合わせする。(3)次に、図1(c)に示すように軟化された樹脂層102aに型1を押付けて、樹脂層102aに型1の表面形状を転写した後、型1及び基板102を冷却することにより、樹脂層102aを固化させる。(5)最後に、図1(d)に示すように、型1を樹脂層102aから離型させることにより、型1の形状が転写された微細樹脂構造体102bが得られる。
樹脂層102aとして、軟化処理が必要な樹脂材料を用いてインプリントする場合、前記工程(3)において、加熱後の冷却に伴う型1と基板102との材質差や型1の肉厚の非対称性による冷却収縮に起因する変形によって、比較的大きなずれが生じるという問題があった。一方、加熱による軟化処理を必要としない光硬化性樹脂を用いてインプリントする場合には、微細樹脂構造体の位置精度は、カメラユニット4による位置合わせ精度と上ステージ3a及び下ステージ3bの重ね合わせ精度のみによって決まり、通常は、狙い位置に対し±1μm以下程度の精度での賦型が可能とされている。
軟化及び冷却処理が必要な樹脂材料を用いてインプリントする場合における、このような位置合わせ時のズレの発生は、例えば下記特許文献1及び特許文献2に開示されているナノインプリント技術におけるアライメント技術においても、依然解消されていない。
特開2008−194980号公報 特開2007−281072号公報
本発明は、正確な位置に形成された微細樹脂構造体を得ることのできる微細樹脂構造体の製造方法、及びこのような製造方法により得られる高精度の各種マイクロデバイスを提供することを目的とする。
本発明に係る微細樹脂構造体の製造方法は、基板上に形成された、加熱により溶融又は軟化された樹脂層に対し、前記基板と平行状態を維持しながら上下方向に可動する型を押圧接触させて樹脂構造体を成形する微細樹脂構造体の製造方法であって、下記(a)〜(d)の各成形工程:(a)前記基板上の樹脂層を溶融又は軟化させた状態で、前記型と前記基板とを所定の間隔を維持した状態で互いにx方向、y方向、及びθ方向に相対的に移動させて前記型を前記基板の狙い位置の上方で位置合わせをする位置合わせ工程、(b)位置合わせされた前記型を前記溶融又は軟化された樹脂層に押圧接触させ、該押圧接触状態を保持した状態で、前記樹脂層が再固体化する温度にまで冷却した後、該型を離型することにより一次成形体を形成する一次成形工程、(c)形成された前記一次成形体における、前記基板上の狙い位置からのx方向、y方向、及びθ方向のズレに基づくズレ量を測定するズレ量測定工程、(d)前記ズレ量が予め設定された値を超える場合には、測定されたズレ量に基づき、前記ズレ量の分だけx方向、y方向、及びθ方向に補正調整して、さらに前記(a)〜(d)工程を行い、前記ズレ量が予め設定された値の範囲内である場合には成形工程を終了して二次成形体を得る補正工程を備えることを特徴とする。このような製造方法によれば、熱で軟化または溶融するような樹脂を樹脂層として用いる場合においても、加熱後の冷却収縮によって生じる型と基板と冷却収縮に起因する微細樹脂構造体の位置ズレを抑制することができる。それにより基板上の狙い位置に高精度に微細樹脂構造体を成形することができる。
前記基板としては、前記型は前記基板の狙い位置に配置される凸部を有し、前記基板は前記狙い位置を含む三次元構造の凹部を有し、前記樹脂層が前記凹部上に形成されていることが特に好ましい。このような三次元構造の凹部を有する基板を用い、前記型に形成された凸部を前記凹部の範囲内に位置させることにより、基板に対して型を位置合わせする際に、型に設けられた凸部のズレ量が前記基板の凹部領域内に限定される。そのため、補正調整の範囲が限定される。
前記加熱により溶融又は軟化された樹脂層としては、常温で固体のエポキシ樹脂と、常温で液状のエポキシ樹脂とを所定の比率で含有し、さらに光重合開始剤を含有する、加熱により溶融又は軟化する常温で固体の光硬化性樹脂組成物から形成されていることがとくに好ましい。このような樹脂組成物においては、固体のエポキシ樹脂と液状のエポキシ樹脂の配合比を調整することにより、樹脂組成物の溶融または軟化温度を容易にコントロールすることができる。その結果、前記ズレ量に影響を与える押圧温度と離型温度との差を小さくすることができる。
また、前記製造方法において、樹脂層として光硬化性樹脂組成物を用いる場合、上記(a)〜(d)の工程で得られた二次成形体に対し、フォトマスクを用いて所定領域のみを選択露光することにより選択硬化させる工程と、前記選択露光されなかった未露光部分を現像除去することにより、三次成形体を形成する工程とを、さらに組み合わせることが好ましい。このような方法によれば、樹脂層の熱可塑性の性質を活かして3次元的な形状を付与した後、樹脂層の光硬化性の性質を活かして、3次元的に所定の部分のみを硬化させることができる。
上記光硬化性樹脂組成物は、更にフェノキシ樹脂を含有するものが好ましい。フェノキシ樹脂を含有させることにより、微細樹脂構造体の柔軟性が高まり、離型時や切断等の機械加工時や熱衝撃試験等の環境試験時においてクラックの発生を抑制できる。また、微細樹脂構造体のタック性が抑制されるために、型からの離型性も向上する。
また、上記光硬化性樹脂組成物にカップリング剤を含有させることにより、賦型された微細樹脂構造体と基板との密着性が向上する。これにより、微細樹脂構造体が基板から剥離するのを抑制することができる。また、本発明の製造方法を用いて、位置合わせを繰り返す場合においても、微細構造体が基板から剥離しやすくなることを抑制する。
また、本発明の微細樹脂構造体は前記製造方法によって得られるものである。このような微細樹脂構造体を備えたものとして、光導波路、マイクロレンズ、マイクロレンズアレイ、マイクロ流体デバイス等が挙げられる。
前記光導波路は、前記微細樹脂構造体からなる光導波路のクラッド及び/又はコアを備えたものである。また、前記マイクロレンズは、前記微細樹脂構造体からなるマイクロレンズであり、周囲にバリのない高精度な形状を有している。また前記マイクロレンズアレイは、前記微細樹脂構造体からなるマイクロレンズを備えたもので、各レンズ間で迷光のやり取りがない、高精度な複数のレンズを備えている。更に本発明のマイクロ流体デバイスは、前記微細樹脂構造体からなる高精度の流体流路が形成されたものである。
本発明によれば、基板上に設けられた熱により溶融または軟化する樹脂からなる樹脂層に、樹脂を軟化させた状態で型を転写形成して微細樹脂構造体を形成する際に、型と基板を位置合わせするときのズレを許容範囲内に収めることができる。
図1は従来の熱可塑性樹脂を用いた熱インプリント法を説明する工程図である。 図2は、第一実施形態の製造方法を説明するための全体フロー図である。 図3(a)は、型と基板を位置合わせ(アライメント)する方法を例示する説明図であり、図3(b)(c)は、型と基板を位置合わせ(アライメント)したするときの、型と基板の座標関係を示す説明図である。 型押し後に、実際に生じ得る型と基板との位置ずれを説明する説明図である。 三次元構造の凹部が形成された基板を説明するための断面説明図である。 第二実施形態の製造方法を説明するための全体フロー図である。 第三実施形態である、光導波路の製造方法を説明するための模式断面図である。 本発明に係る一実施形態である、光導波路を備えた光回路基板を例示する概略説明図である。 従来法で製造したマイクロレンズアレイを例示する説明図である。 第四実施形態である、マイクロレンズアレイの製造方法を説明するための模式断面図である。 本発明に係る一実施形態である、マイクロ流体デバイスを例示する斜視図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態を図面を参照しながら説明する。
図2は、第1実施形態の微細樹脂構造体の製造方法を説明するフロー図である。なお、図2中の一部の工程には、基板上の樹脂層の断面略図が示されている。また、図3は、型と基板を位置合わせ(アライメント)する方法を説明するための説明図である。
本実施形態の製造方法においては、はじめに、基板2上の微細樹脂構造体が形成される部分に、加熱により溶融または軟化する樹脂5からなる樹脂層5aを形成する。このような樹脂層5aは、加熱により溶融または軟化する樹脂を含む樹脂ワニスを基板2上に塗布した後(P1)、溶剤を揮発させる(P2)ことにより形成される。
樹脂ワニスを基板2上に塗布する方法としては、例えば、加熱により溶融または軟化する樹脂を含む樹脂ワニスを、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレーコートなどのコーティング法、もしくはディスペンサやインクジェットによる滴下法などで基板2上に塗工した後、加熱して溶剤を揮発させる方法等が挙げられる。なお、樹脂層5aの形成には、樹脂ワニスを塗布して溶剤を揮発させる方法の代わりに、予めフィルム化された樹脂フィルムを基板2上に直接貼り合わせる方法を用いてもよい。
基板2としては、シリコン基板、ガラス基板、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板等の無機基板や、ポリカーボネート基板、アクリル基板、ポリアミド基板、シリコーン樹脂基板、エポキシ樹脂基板等の有機基板などが挙げられる。
そして、基板2上に形成された樹脂層5aを溶融又は軟化する温度に加熱する(P3)。そして、型1と基板2とを所定の間隔を維持した状態で、相対的にx方向、y方向、及びθ方向へ移動させ、型1が前記基板2の狙い位置の直上にくるように位置合わせ(アライメント)をする(位置合わせ工程(a):P4)。
ここで、位置合わせ工程(a)を、図3を参照して詳しく説明する。
位置合わせを行う際には、図3(a)に示すように、ステージ3a,3bにより所定の間隔を保持した状態でそれぞれ平行に対峙させた型1と基板2との間に、例えば4個1組のカメラユニット4を配置し、該カメラユニット4で、型1に設けられたアライメントマークQ1,Q2と基板2に設けられたアライメントマークR1,R2を観察しながら、型1と基板2とを位置合わせする。具体的には、図3(b)の説明図に示したように、型1の対峙面において直径方向の両端付近に2つのアライメントマークQ1,Q2を設ける一方、図3(c)に示したように、基板2の対峙面において、基板2の直径方向の両端付近にもアライメントマークR1,R2を設ける。そして、型1と基板2との対峙面をカメラユニット4で観察しながら、各アライメントマークQ1,Q2,R1,R2の座標を読み取る。
そして、アライメントマークQ1,Q2を結んで得られる線分を、例えばx軸として型側のx座標軸を設定し、一方アライメントマークQ1,Q2を結んで得られる線分を、例えばx軸として基板側のx座標軸を設定し、x座標軸とx座標軸とが一致するように、ステージ3aに保持された型1とステージ3bに保持された基板2とを相対的にx方向、y方向、及びθ方向へ移動させる。このようにして、図4(a)に示すような位置合わせ前の型1が、図4(b)に示すように、基板2に対する狙い位置の上方にくるように座標軸が合わせられる。
型1の材料としては、ニッケルなどの金属の他、シリコン、石英、ガラス、グラッシーカーボン、シリコンカーバイド等が挙げられる。
次に、位置合わせ工程(a)で、位置合わせされた型1を、溶融又は軟化された樹脂層5aに押圧接触させ(P5)、押圧接触させた状態で、樹脂5が固化する温度にまで冷却し(P6)、その後、型1を離型することにより(P7)、型1が転写成形された一次成形体5bを得る(一次成形工程(b))。
本実施形態においては、加熱により溶融または軟化する樹脂5を用い樹脂層5aを形成したために、樹脂層5aを固化させて一次成形体5bを得る際の冷却により、型1と基板2との材質差や肉厚の非対称性等に応じて型1及び基板2がそれぞれ収縮変形する。これにより、一次成形体5bの位置は目的とした位置に対して若干のズレが生じる。本実施形態の製造方法においては、このように発生したズレが以降の工程により補正される。
一次成形工程(b)で得られた一次成形体5bの、基板2上の狙い位置からのx方向、y方向、及びθ方向のズレ量を測定する(ズレ量測定工程(c):P8)。
なお、ズレ量は、例えば、得られた一次成形体5bにおける、溝の角部や輪郭線、円の中心などの特定の点を決めてカメラユニット4により観察し、型側のx座標軸に対して基板側の座標軸x22が、x方向、y方向ズレ及びθ方向にどの程度ずれているかを測定することにより行われる。具体的には、例えば、型側のx座標軸に対する、前記基板側の座標軸x22のx方向、y方向、及びθ方向のズレ(xα,yα、θα)を測定する。そして、ズレ量が規定値内(例えば、±5μm)に収まっているか否かを判断し(P9)、ズレ量が規定値内に収まっていない場合には、ズレを補正するように基板側の座標軸x22をx方向に−xα,y方向に-yα、だけ移動させ、さらに、回転方向に−θα°回転させるような補正をかける(P10)。そして、このようにズレを補正して、再度、上述した(a)〜(d)工程を繰り返す。なお、加熱−冷却プロセスにおけるズレの状態は同一の型1と基板2を組み合わせて用いる限り、ほぼ再現性を有する。従って、ズレ量が規定値内に収まるまで上述した(a)〜(d)工程を繰り返すことにより、基板2に対する微細樹脂構造体のズレ量を規定値の範囲内(例えば、±5μm)に収めることができる。
一方、ズレ量測定工程(c)において測定されたズレ量が、規定の範囲内(例えば、±5μm)に収まっている場合には、微細樹脂構造体の成形プロセスを終了し、微細樹脂構造体である二次成形体5cを得る(P11)。
このようにズレ量が規定値の範囲内に収まるまで工程(a)〜(d)を繰り返すことにより、基板2に対するズレ量が規定値の範囲内に収まった二次成形体5cが得られる。
なお、基板2は三次元構造を有するものであっても、平坦なものであってもよいが、図5(a)に示すように型11の凸部11aが、三次元構造の凹部(溝)12aを有するような基板12の該凹部12aに相当するようなものであることが特に好ましい。この場合には、図5(b)に示すように、凹部12aが型11の凸部11aのズレを規制する機能を果たし、凸部11aの過度の位置ズレを抑制する。その結果、型11と基板12の位置合わせ制御(オフセット)する際の調整幅をより狭い範囲に抑えることができる。そのために、より少ない繰り返し回数で位置合わせのための補正調整を完了することが可能となる。
なお、樹脂層5aを形成するための樹脂5としては、加熱により溶融又は軟化する樹脂材料であれば特に限定なく用いられうる。このような樹脂材料の具体例としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PAM)、ポリプロピレン樹脂(PP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、液晶ポリマー(LCP)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等やの熱可塑性樹脂や、半導体製造用フォトレジストに用いられるような光硬化性樹脂材料などが挙げられる。これらの中でも、光硬化性樹脂材料として、常温で固体のエポキシ樹脂と、常温で液状のエポキシ樹脂とを所定の比率で含有し、さらに光重合開始剤を含む、加熱により溶融又は軟化する常温で固体の光硬化性樹脂組成物を用いた場合には、さらに後述する第2実施形態で説明するような光硬化プロセスを適用することができる点から特に好ましく用いられる。
光硬化性樹脂組成物は、固体エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂を所定の割合で溶媒に溶解し、さらに光重合開始剤を配合して得られるワニスを用い、これを乾燥し溶媒を除去することにより得られる。
エポキシ樹脂としては、タイプや分子量(繰り返し単位)等により、常温で液状のものと固体状のものがあるが、常温で液状のエポキシ樹脂と常温で固体状のエポキシ樹脂を溶媒中で所定の配合比で配合し、さらに、光重合開始剤を加えて得られるワニスを乾燥し溶媒を除去して得られる樹脂組成物では、前記2種のエポキシ樹脂の配合比を調整しながら分子レベルで混合することで、溶融又は軟化する温度を任意に調整できるので好ましい。
常温で固体又は液状のエポキシ樹脂としては、常温で固体又は液状である限り、その種類は特に限定されない。また、各エポキシ樹脂のエポキシ基数としては、一分子中に2個以上であれば特に限定されない。
このようなエポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;ナフタレン骨格型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、固体のビスフェノール型エポキシ樹脂と液状の脂環式エポキシ樹脂との組み合わせは、最も好ましい組み合わせの1つである。
また、本発明を例えば光導波路のような光学用途の製造に適用する場合は、透明の固体エポキシ樹脂と透明の液状エポキシ樹脂を配合してなる透明の光硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。この場合の組み合わせとして、例えば、芳香環を有するために高い屈折率を有するビスフェノール型エポキシ樹脂と、低い屈折率を有する脂環式エポキシ樹脂との組み合わせは、配合比を適宜調整することで所望の屈折率の透明樹脂構造体が得られる点から好ましい。具体的には、例えば、光導波路のクラッドとして用いる場合には、屈折率の低い脂環式エポキシ樹脂の割合を高めることで、低屈折率のクラッドが得られ、光導波路のコアとして用いる場合には、屈折率の高いビスフェノール型エポキシ樹脂の割合を高めることにより、高屈折率のコアが得られる。
液状エポキシ樹脂と固体エポキシ樹脂の配合割合は、目的や組み合わせるエポキシ樹脂の種類に応じて適宜調整されるが、例えば、固体エポキシ樹脂/液状エポキシ樹脂として、95/5〜40/60(質量比)の範囲が好ましい。
光硬化性樹脂組成物には、樹脂成分として、エポキシ樹脂に加えて、フェノキシ樹脂をさらに配合することが好ましい。フェノキシ樹脂は、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂とエピクロルヒドリンとから合成される、分子中にエポキシ基を持つポリヒドロキシポリエーテルであり、分子中の水酸基により架橋可能な熱可塑性樹脂である。このように光硬化性樹脂組成物中にフェノキシ樹脂を配合することにより、樹脂層の基板や型に対する密着性が向上し、冷却時における型や基板の熱収縮に伴う滑りを小さくすることができる。その結果としてズレ量が低減し、例え、ズレ量が大きくとも、少ない繰り返し回数でズレを許容範囲に収めることが可能となる。また、後述する光硬化プロセスにおいては、樹脂構造体の形成過程で露光や現像を行なう際に、パターン欠けの抑制に繋がり、また、表面タック性の低減によって型の離型性が向上し、微細樹脂構造体の基板に対する密着性も高められる。
フェノキシ樹脂の好ましい分子量は、重量平均分子量(Mw)で40000〜60000程度のものである。このようなフェノキシ樹脂の具体例としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコート1256」(ビスフェノールA型でMw約5万)、東都化成社製の商品名「フェノートYP−50」(ビスフェノールA型でMw約6万)等が挙げられる。
フェノキシ樹脂の好ましい配合割合は、充分な流れ性を維持しつつ、配合効果を発揮させる点から、光硬化性樹脂中に占める比率で1〜30質量%であることが好ましい。配合割合が高すぎる場合には、流動性が低下して成形が困難になったり、気泡を巻き込むことによりボイドが生成し易くなったりする傾向がある。また、光硬化させた後で架橋密度をさらに向上させるために加熱(アフターキュア)することもあるが、熱可塑性が高まるため硬化物が変形し易くなる傾向も生じてくる。
光硬化性樹脂組成物に配合される光重合開始剤は、光照射によって前記エポキシ樹脂のエポキシ基を開環自重合させるための重合開始剤である。その具体例としては、例えば、陰イオンとしてPF 、AsF 、SbF 、SbCl 2−、BF 、SnCl 、FeCl 、BiCl 2−等を有するアリールジアゾニウム塩、また、陰イオンとしてPF 、AsF 、SbF 、SbF 、SbCl 2−、BF 、ClO 、CFSO 、FSO 、FPO 、B(C 等を有するジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、さらに、陰イオンとしてPF 、AsF 、SbF 等を有するジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒドロキシルフェニルスルフォニウム塩、また、α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステルや、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α−スルホニルオキシケトンやβ−スルホニルオキシケトン等のスルホン酸エステル、さらに鉄のアレン化合物、シラノール−アルミニウム錯体、o−ニトロベンジル−トリフェニルエーテル等が挙げられる。また、市販品として、アデカ社製の商品名「アデカオプトマーSP−170」や「アデカオプトマーSP−150」等も好ましく用いられる。
本発明で用いられる樹脂組成物には、上記以外の成分として、本発明の目的を損なわない範囲で、カップリング剤、流動改質剤、滑剤、着色剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
カップリング剤は、基板と樹脂構造体との密着性を高めるために有効な成分であり、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤等が挙げられる。このようなカップリング剤の具体例としては、例えば、信越化学社製の商品名「シランカップリング剤KBM−403」等が挙げられる。カップリング剤の好ましい配合割合は、樹脂組成物全量中に占める比率で0.1〜5質量%程度であり、繰り返し成形による樹脂構造体と基板との密着性の低下を抑える効果が発揮される。
本発明で好ましく用いられる光硬化性樹脂組成物は、固体エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂と光重合開始剤と、さらに必要に応じて用いられるフェノキシ樹脂やカップリング剤等を溶媒に溶解混合したワニスを乾燥して溶媒を除去し、常温で固体となるような配合を選択することによって得られる。
なお、樹脂組成物の性状としては、室温では固体で表面タック性がなく型離れが容易であり、また、少ない加熱で溶融又は液状化するものがよい。溶融又は液状化する温度は型形状の転写性や生産性に大きく影響する。また、固化時と離型時の温度差が少ないほど、形状転写精度が向上し、かつスループットが向上するので好ましい。
ワニスの調製に用いられる溶媒としては、前述したような樹脂原料、例えば、固体エポキシ樹脂、液状エポキシ樹脂、光重合開始剤、フェノキシ樹脂等を溶解できるものが好ましく、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ワニス中の樹脂成分と溶媒の混合比率は特に限定されず、基板上にワニスの状態で載置(充填)するのに適当な粘度となるよう、樹脂成分や溶媒の種類なども加味して適宜に設定すればよい。
(第2実施形態)
次に、第1実施形態で説明した、常温で固体のエポキシ樹脂と、常温で液状のエポキシ樹脂とを所定の比率で含有し、さらに光重合開始剤を含む、加熱により溶融又は軟化する常温で固体の光硬化性樹脂組成物を用いた実施形態について、図6を参照しながら説明する。
図6は、樹脂成分として光硬化性樹脂を用いた場合の代表的な実施例を示すフロー図であり、工程(a)から工程(d)までは、第1実施形態で説明した方法と同様に行なわれるため、詳しい説明は省略する。
すなわち、図6においては、はじめに、基板22上の微細樹脂構造体が形成される部分に、光硬化性樹脂のワニスを塗布し、溶剤を揮発除去することにより未硬化状態の光硬化樹脂15からなる樹脂層15aを形成する(P1,P2)。次に、位置合わせ工程(a)において、基板22上の光硬化性の樹脂15が溶融又は軟化する温度に加熱した状態で、所望の転写形状を有する型21を、基板22上の狙い位置に位置合わせ(アライメント)する(P3,P4)。次に、位置合わせされた型21を、溶融又は軟化された樹脂15に押圧接触させ(P5)、押圧接触させた状態で、樹脂15が固化する温度まで冷却し(P6)、その後、型21を離型することにより(P7)、型1が転写成形された一次成形体15bを得る。
そして、ズレ量測定工程(c)において一次成形体15bの基板22上の狙い位置からのx方向、y方向、及びθ方向のズレによるズレ量を測定する(P8)。そして、測定されたズレ量が規定の範囲内(例えば、±5μm)にあるか判定する(P9)。そして、ズレ量が規定の範囲内を超えている場合には、狙い位置の座標からズレ量の分だけx方向、y方向、及びθ方向に補正調整してズレ補正する(P10)。そして、位置合わせ工程(a)に戻り、さらに(a)〜(d)工程を繰り返して、ズレ量が規定の範囲内に収まった場合には、成形工程を終え、二次成形体15cを得る(補正工程(d))。
第2実施形態においては、次に、固体化しているが未だ光硬化されていない二次成形体15cに対し、さらに、フォトマスク6を通して所定領域のみを選択露光(例えば、1〜2J/cm程度でUV露光)し(P12)最終的に微細樹脂構造体である三次成形体5dを形成させる部分のみを選択的に露光して硬化させる(硬化工程(e))。なお、露光後に、必要に応じて、ポストベーク(例えば、120℃で15分程度:P13)を施してもよい。そして、最後に、界面活性剤を含む溶液等に浸漬して超音波処理を施すなどの処理により、硬化していない未露光部分を除去する現像処理を行う(現像工程(f):P14)。このような工程により、二次成形体15cの選択露光された部分のみが残されて、基板22上の正確な位置に微細樹脂構造体である三次成形体15dが形成される。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る製造方法の具体的な応用例として、光導波路を備える光回路基板30の製造方法について、図7を参照しながら詳細に説明する。なお、各工程において、第2実施形態と同じ工程については、詳細な説明を省略する。
はじめに、光電変換素子等を実装するための電極23と導波路形成用溝24を備えた、例えばシリコン基材からなる、マウント基板25を準備する。導波路形成用溝24は、エッチングによって形成し、特に導波路形成用溝24の端部に45°ミラーMを形成するための斜面を設ける場合には、シリコン結晶のエッチング速度の違いを利用した異方性エッチングにより形成することができる。また電極23は、マウント基板25上に金などの導電性金属をパターンニングして蒸着することにより形成される。このとき、形成される45°ミラーMを形成するための斜面にも電極23の形成と同時に金等の反射膜を蒸着してもよい。
そして、図7(a)に示すように、導波路形成用溝24を覆うように、光硬化性樹脂組成物26のワニスを塗布し、溶剤を揮発除去することにより未硬化状態の光硬化性樹脂組成物26からなる樹脂層26aを形成する(P1,P2)。次に、図7(b)に示すように、マウント基板25上の樹脂層26aが溶融又は軟化する温度に加熱した状態で、所望の転写形状を有する型27を、導波路形成用溝24上の狙い位置に位置合わせ(アライメント)する(P3,P4)。次に、図7(c)に示すように、溶融又は軟化された樹脂層26aに位置合わせされた型27を押圧接触させ、押圧接触させたままで、光硬化性樹脂組成物26が固化する温度にまで冷却する。その後、型27を離型することにより、型27の表面形状が転写された一次成形体26bを得る。
そして、マウント基板25上の狙い位置からのx方向、y方向、及びθ方向のズレによるズレ量を測定する(P8)。そして、測定されたズレ量が規定の範囲内(例えば、±5um)にあるか判定する(P9)。そして、ズレ量が規定の範囲内を超えている場合には、型27を狙い位置の座標からズレ量の分だけx方向、y方向、及びθ方向に補正調することによりズレを補正する(P10)。そして、再度位置合わせからズレ量の判定までの工程を繰り返す。そして、ズレ量が規定の範囲内に収まった場合には、型27による成形工程を終了する。このようにして、図7(d)に示すように、正確な位置にコア用溝9が形成された二次成形体26cを得る。
次に、図7(e)に示すように、フォトマスク28により二次成形体26cをマスキングし、マスキング開口部28aから紫外線等のエネルギー線(例えば、3000〜10000mj/cm)を照射することによって選択露光し、マスキング開口部28aに相当する領域のみを硬化させる。
そして、現像処理を行なうことにより、図7(f)に示すように、電極8を覆っていた光硬化性樹脂組成物26が除去され、マウント基板25上に、微細樹脂構造体である光導波路の下クラッド層26dが、狙い通りの位置に精度よく形成される。
次に、図7(g)に示すように、形成されたコア用溝9内に光硬化性樹脂からなるコア用樹脂31のワニスを充填したのち、図略のフォトレジストを用いて選択露光することにより、コア層31aが形成される。
そして、図7(h)に示すように、コア層31aを覆うように上クラッド層32aを形成するための光硬化性樹脂32を塗布する。そして、図7(i)に示すように、図略の平坦な平板により押圧して表面を平坦にした後、冷却固化する。そして、図7(j)に示すように、フォトマスク28を通して所定領域のみを選択露光し、必要に応じて、さらにポストベークすることにより上クラッド層32aが形成される。そして、このような工程により、図7(k)に示すように光導波路33を有する光回路基板30が形成される。
図8は、得られた光回路基板30の模式図であり、図8(a)は平面略図、図8(b)は図8(a)のB−B線断面図、図8(c)は図8(a)のC−C線断面相当図である。図中のMは反射用のミラーを示している。
(第4実施形態)
本発明に係る実施形態として、マイクロレンズアレイの製造方法について、図9及び図10を参照しながら説明する。
マイクロレンズアレイは、液晶パネルの集光力向上手段、コンパクトディスク、光磁気ディスク等の光ピックアップの集光手段、光ファイバと受発光素子との結合のための集光手段、CCD等の固体撮像素子への集光手段または結像手段等として幅広く用いられている集光素子である。
図9は、従来法によって得られたマイクロレンズアレイ40を示し、図9(a)は斜視図、図9(b)は、図9(a)におけるM−M線断面図である。
図9(a)には、基板42上に一定間隔で複数のマイクロレンズ43が形成されている様子が示されている。マイクロレンズ43の大きさは用途によって異なるが、例えば直径100μm、高さ10〜50μm程度の大きさが例示される。従来、このようなマイクロレンズアレイの製造方法としては、基板表面に屈折率が調整された透明樹脂からなる透明樹脂層を形成し、該透明樹脂層を熱により溶融させた後、その表面に型を押圧することによって複数のマイクロレンズを同時に形成するような、熱インプリント法が一般的であった。
しかしこのような方法を採用した場合、型で押圧したときの型と基板とのクリアランスを完全になくすことが困難であるため、図9(c)に示すように、個々のマイクロレンズ43,43間に数ミクロンから数十ミクロンの樹脂層44が形成される。この樹脂層44は、隣接するマイクロレンズ43,43間の光導波路となって、1つのレンズの迷光成分が隣のレンズに導かれ、これがノイズ45となってレンズのS/Nに悪影響を及ぼすことが確認されている。
本実施形態の製造方法で得られるマイクロレンズアレイによれば、このようなマイクロレンズ間の光導波路(ノイズ発生源)となる樹脂層をなくすことができる。すなわち、加熱により軟化又は溶融する常温で固体の光硬化性樹脂組成物を用いて、複数のマイクロレンズ形状を一次成形し、一次成形後に、紫外光を用いて選択露光(パターニング)することによりマイクロレンズ部分のみを硬化させ、その後、未硬化の部分を選択的に除去(現像)すれば、不要な樹脂層を形成することなく基板42上に複数のマイクロレンズ43,43,・・・を形成することが可能になる。
以下、本発明に係る実施形態であるマイクロレンズアレイの製造方法について、図10を参照しながら説明する。
まず、10(a)に示すような基板42を準備し、基板42の表面に前述したような光硬化性樹脂組成物を含むワニスを塗布した後、塗布されたワニスを、光重合開始剤が失活しない温度範囲で乾燥して溶剤を除去することにより、透明性光硬化性樹脂組成物からなる未硬化の樹脂層43aを形成する。基板42の材料としては、ガラス基板等の透明基板の他、透過させる光の波長によってはシリコン基板等も使用できる。
次に、図10(b)に示すように熱インプリント法によって、未硬化の樹脂層43aを加熱溶融させた後、半円状の凹部が多数形成されたマイクロレンズアレイ用の型41を押圧接触させ、押圧接触状態を保持したまま、常温程度にまで冷却する。そして、光硬化性樹脂組成物が再固体化した状態で型41を離型することにより、一次成形体43bが得られる。そして、型41と基板42のズレ量を測定し、そのズレ量が規定値(許容限界)を超える場合は、一次成形体43bを溶融させて再度の位置合わせ調整(ズレ量に応じたx方向、y方向、及びθ方向への移動)を行う。そして、ズレ量が規定値内になった場合に、図10(c)に示すように、基板42の所定位置にマイクロレンズの形状が形成された二次成形体43cが得られる。
次に、図10(d)に示すように、二次成形体43cにおけるマイクロレンズが形成される領域以外の部分をフォトマスク46によってマスキングし、マスキング開口部分46aに紫外線等のエネルギー線(例えば、3000〜10000mj/cm)を照射することにより、マスキング開口部、即ちマイクロレンズ43,43,・・・を形成する部分のみを選択硬化させる。
そして、図10(e)に示すように、未露光部を現像することにより、基板42上の狙い通りの位置にマイクロレンズ43,43,・・・が形成されたマイクロレンズアレイ40が得られる。
なお、図10(e)で得られたマイクロレンズアレイ40におけるレンズ43,43,・・・間を、レーザー加工やダイサー加工によって切り離し、各レンズ43を独立させれば、単体のマイクロレンズ43が得られる。この場合でも、マイクロレンズ43の周辺にバリ状に残ってノイズの原因となる樹脂層44は、図10(e)の現像工程で除去されるため、個々のマイクロレンズ43の周囲にバリがなく、迷光成分となるノイズを生じることのない高精度なマイクロレンズ43が得られる。
(第5実施形態)
図11は生体分析チップとして用いられるマイクロ流体デバイス50を例示する斜視説明図である。
図11に示すようなマイクロ流体デバイス50を製造するには、まず、表面に電極またはヒータ回路52等が形成された基板51表面に、光硬化性樹脂組成物のワニスを塗布することにより光硬化性樹脂からなる樹脂層を形成する。そして、マイクロ流路53、検体投入部54および検体反応部55を形成するための型で樹脂層に熱インプリントする。また、この場合の基板材料としては、シリコン、SiO、BKガラス、アルミナ、窒化アルミなどが用いられうる。そして、型を離型した後、ズレ量が所定範囲内に収まるまで、ズレ量の測定とズレの補正調整を繰り返し行なう熱インプリントを行う。なお、基板51の表面には、ヒータ等を接続するための電極や、検体に電圧を印加して電気泳動させるための電極52を設ける必要がある。これらは選択露光によって形成される。すなわち、基板51上に設けられた電極52は基板51上の光硬化性樹脂組成物で覆われているが、選択露光によって、電極52を形成する部分のみをパターニングした状態で、硬化させた後、次いで、現像により硬化していない部分の光硬化性樹脂組成物を除去することにより、電極52が露出する。
このようにして製造された生体分析チップとして用いられるマイクロ流体デバイス50は、検体投入部54に血液等の検体を入れると、毛細管現象により血液等がマイクロ流路53から各検体反応部55に流入する。そして、各検体反応部55に予め担持されている試薬や抗原との反応性をモニターすることにより、検体の異常等を分析することができる。
Q1,Q2,R1,R2 アライメントマーク
1,11,21,27,41 型
2,12,22,42,51,102 基板
2a,15a,26a,44 樹脂層
3a 上ステージ
3b 下ステージ
4 カメラユニット
5,32 光硬化樹脂
5a,15a,43a,102a 樹脂層
5b,15b,26b,43b 一次成形体
5c,15c,26c,43c 二次成形体
5d,15d 三次成形体
6,28,46 フォトマスク
8,23,52 電極
9 コア用溝
24 導波路形成用溝
25 マウント基板
26 光硬化性樹脂組成物
26d 下クラッド層
28a マスキング開口部
30 光回路基板
31 コア用樹脂
31a コア層
32 光硬化性樹脂
32a 上クラッド層
33 光導波路
40 マイクロレンズアレイ
43 マイクロレンズ
45 ノイズ
46a マスキング開口部分
50 マイクロ流体デバイス
52 ヒータ回路
53 マイクロ流路
54 検体投入部
55 検体反応部
102b 微細樹脂構造体

Claims (11)

  1. 基板上に形成された、加熱により溶融又は軟化された樹脂層に対し、前記基板と平行状態を維持しながら上下方向に可動する型を押圧接触させて樹脂構造体を成形する微細樹脂構造体の製造方法であって、
    下記(a)〜(d)の各成形工程:
    (a)前記基板上の樹脂層を溶融又は軟化させた状態で、前記型と前記基板とを所定の間隔を維持した状態で互いにx方向、y方向、及びθ方向に相対的に移動させて前記型を前記基板の狙い位置の上方に位置するように位置合わせをする位置合わせ工程、
    (b)位置合わせされた前記型を前記溶融又は軟化された樹脂層に押圧接触させ、該押圧接触状態を保持した状態で、前記樹脂層が再び固体化する温度にまで冷却した後、該型を離型することにより一次成形体を形成する一次成形工程、
    (c)得られた前記一次成形体における、前記基板上の狙い位置からのx方向、y方向、及びθ方向のズレに基づくズレ量を測定するズレ量測定工程、
    (d)前記ズレ量が予め設定された値を超える場合には、測定されたズレ量に基づき、前記ズレ量の分だけx方向、y方向、及びθ方向に補正調整して、さらに前記(a)〜(d)工程を繰り返し、前記ズレ量が予め設定された値の範囲内である場合には成形工程を終了して二次成形体を得る補正工程を備えることを特徴とする微細樹脂構造体の製造方法。
  2. 前記型は前記基板の狙い位置に位置すべき凸部を有し、前記基板は前記狙い位置を含む三次元構造の凹部を有し、前記樹脂層が前記凹部上に形成されている請求項1に記載の微細樹脂構造体の製造方法。
  3. 前記樹脂層が、常温で固体のエポキシ樹脂と常温で液状のエポキシ樹脂とを所定の比率で含有し、さらに光重合開始剤を含有する、加熱により溶融又は軟化する常温で固体の光硬化性樹脂組成物から形成されている請求項1または2に記載の微細樹脂構造体の製造方法。
  4. 請求項3の微細樹脂構造体の製造方法において、得られた二次成形体に対し、フォトマスクを用いて所定領域のみを選択露光することにより選択硬化させる硬化工程と、前記選択露光されなかった未露光部分を除去することにより、三次成形体を形成する現像工程とを、さらに備える微細樹脂構造体の製造方法。
  5. 前記光硬化性樹脂組成物が、更にフェノキシ樹脂を含有する請求項3または4に記載の微細樹脂構造体の製造方法。
  6. 前記光硬化性樹脂組成物が、更にカップリング剤を含有する請求項3〜5のいずれか1項に記載の微細樹脂構造体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の微細樹脂構造体の製造方法により得られたことを特徴とする微細樹脂構造体。
  8. 前記請求項7に記載の微細樹脂構造体からなるクラッド及び/又はコアを備えることを特徴とする光導波路。
  9. 前記請求項7に記載の微細樹脂構造体からなることを特徴とするマイクロレンズ。
  10. 前記請求項9に記載のマイクロレンズを備えることを特徴とするマイクロレンズアレイ。
  11. 前記請求項7に記載の微細樹脂構造体からなる流体流路が形成されていることを特徴とするマイクロ流体デバイス。
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