JP2010227812A - 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 - Google Patents

塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被塗布物に、簡単に塗膜を形成することができるとともに、塗膜の膜厚を全域にわたって厚くすることができる塗膜形成方法、およびこの塗膜形成方法を用いることにより、信頼性の高い圧電素子を簡単に製造することのできる圧電素子の製造方法を提供すること
【解決手段】上面27、側面28および角部Aを有する圧電素子片2にレジスト液Qを塗布してレジスト膜を形成する塗膜形成方法であって、スプレーコート法により、圧電素子片2の表面に第1のレジスト膜L1を形成するスプレーコート工程と、インクジェット法により、第1のレジスト膜L1の膜厚不足部L1a〜L1dの表面に第2のレジスト膜L2を形成するインクジェット膜形成工程とを有する。
【選択図】図11

Description

本発明は、塗膜形成方法および圧電素子の製造方法に関する。
従来から、水晶等の圧電体材料で構成された圧電基板の表面に電極を形成する方法として次のような方法が知られている。すなわち、まず、圧電基板上に電極を形成するための金属膜をスパッタリング法により形成する。次いで、金属膜上にレジスト(フォトレジスト)を塗布し、電極の形状にパターニング(露光・現像)することによりレジストマスクを形成する。そして、レジストマスクを介して金属膜をエッチングした後、レジストマスクを除去することにより圧電基板上に電極を形成する。
また、金属膜上にレジストを塗布する方法(塗膜を形成する方法)として、スプレーコート法が知られている(例えば、特許文献1参照)。スプレーコート法は、ミスト状(霧状)にしたレジストを気流に乗せて圧電基板に吹き付けることにより金属膜の表面にレジストを塗布する方法である。
しかしながら、このようなスプレーコート法では、金属膜表面の、気流の流れがよい部分には、十分な量(膜厚の)のレジストを塗布することができるが、気流の流れが悪い部分には、十分な量(膜厚)のレジストを塗布することができない。そのため、スプレーコート法により塗布されたレジストを乾燥して形成したレジスト膜では、前記気流の流れが悪い部分における膜厚が、レジストマスクとしての機能を発揮するには薄くなり過ぎたり、当該部分にピンポールが発生したりする。その結果、前記レジスト膜で形成されたレジストマスクを介して金属膜をエッチングすると、前記膜厚が薄い部分やピンホールが発生した部分にて、不本意な金属膜の除去が行われ、短絡や断線が発生するという問題がある。
特開2004−87934号公報
本発明の目的は、被塗布物に、簡単に塗膜を形成することができるとともに、塗膜の膜厚を全域にわたって厚くすることができる塗膜形成方法、およびこの塗膜形成方法を用いることにより、信頼性の高い圧電素子を簡単に製造することのできる圧電素子の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の塗膜形成工程は、上面、前記上面に開放する凹部、および前記上面と前記凹部の内面とが交差する角部を有する被塗布物に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
スプレーコート法により、ノズルから塗付粒子を気流に乗せて霧状に噴霧して、噴霧した前記塗付粒子を前記上面、前記角部および前記凹部に塗布することにより、それらの表面にスプレー膜を形成するスプレー膜形成工程と、
インクジェット法により、ノズルから液滴を吐出し、吐出した液滴を前記スプレー膜に塗布することにより、前記スプレー膜の表面にインクジェット膜を形成するインクジェット膜形成工程とを有し、
前記インクジェット膜形成工程は、前記スプレー膜の、前記気流の流れが他の部分よりも悪いことにより形成される膜厚不足部に、前記液滴を塗布することにより、前記膜厚不足部の表面に前記インクジェット膜を形成するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、被塗布物に、簡単に塗膜を形成することができるとともに、塗膜の膜厚を全域にわたって厚くすることができる。また、初めに、スプレーコート法により被塗布物の表面にスプレー膜(塗膜)を形成するため、被塗布物との密着性に優れる塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記スプレー膜は、前記膜厚不足部として、前記凹部の内面に対応する凹部対応部を含み、
前記インクジェット膜形成工程では、吐出した前記液滴を前記凹部対応部に塗布することにより、前記凹部対応部の表面に前記インクジェット膜を形成することが好ましい。
これにより、塗膜の、被塗布物の凹部に対応する部分での膜厚を十分に厚くすることができ、よって、塗膜の膜厚を全域にわたって厚くすることができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記インクジェット膜形成工程では、前記凹部内を前記液滴で満たすことにより前記凹部対応部に前記液滴を塗布し、前記凹部対応部の表面に前記インクジェット膜を形成することが好ましい。
これにより、ノズルと被塗布物との高精度な位置決めが必要なく、また、途中でノズルの位置(被塗布物との相対的位置関係)を変える必要もないため、比較的簡単にかつ短時間で、インクジェット膜(塗膜)を形成することができる。
本発明の塗布膜形成方法では、前記インクジェット工程では、前記スプレー膜の、前記凹部の内面と前記上面とが交差する角部に対応する角部対応部にも前記液滴を塗布し、前記角部対応部の表面に前記インクジェット膜を形成することが好ましい。
これにより、塗膜の、被塗布物の角部に対応する部分の膜厚を十分に厚くすることができ、よって、塗膜の膜厚を全域にわたって厚くすることができる。
本発明の塗膜形成工程は、上面、前記上面に開放する凹部、および前記上面と前記凹部の内面とが交差する角部を有する被塗布物に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
インクジェット法により、ノズルから液滴を吐出し、吐出した液滴を前記被塗布物に塗布することにより、前記被塗布物の表面にインクジェット膜を形成するインクジェット膜形成工程と、
スプレーコート法により、ノズルから塗付粒子を気流に乗せて霧状に噴霧して、噴霧した前記塗付粒子を前記被塗布物および前記インクジェット膜に塗布することにより、それらの表面にスプレー膜を形成するスプレー膜形成工程とを有し、
前記インクジェット膜形成工程は、前記被塗布物の、前記スプレーコート工程において前記気流の流れが他の部分よりも悪いことにより形成される膜厚不足部に対応する箇所に液滴を塗布することにより、当該個所に、前記スプレーコート工程に先立って、前記インクジェット膜を形成するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、被塗布物に、簡単に塗膜を形成することができるとともに、塗膜の膜厚を全域にわたって厚くすることができる。また、初めに(すなわち、被塗布物の凹部が露出している状態で)インクジェット法により、被塗布物の凹部に表面にインクジェット膜(塗膜)を形成するため、ノズルと被塗布物との位置決めを容易に行うことができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記スプレー膜は、前記膜厚不足部として、前記凹部の内面に対応する凹部対応部を含み、
前記インクジェット膜形成工程では、吐出した前記液滴を前記被塗布物の前記凹部に塗布することにより、前記凹部の表面に前記インクジェット膜を形成することが好ましい。
これにより、塗膜の、被塗布物の凹部に対応する部分での膜厚を十分に厚くすることができ、よって、塗膜の膜厚を全域にわたって厚くすることができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記インクジェット膜形成工程では、前記凹部内を前記液滴で満たすことにより前記凹部に前記液滴を塗布し、前記凹部の表面に前記インクジェット膜を形成することが好ましい。
これにより、ノズルと被塗布物との高精度な位置決めが必要なく、また、途中でノズルの位置(被塗布物との相対的位置関係)を変える必要もないため、比較的簡単にかつ短時間で、インクジェット膜(塗膜)を形成することができる。
本発明の塗布膜形成方法では、前記インクジェット工程では、前記被塗布物の、前記凹部の内面と前記上面とが交差する角部にも前記液滴を塗布し、前記角部に前記インクジェット膜を形成することが好ましい。
これにより、塗膜の、被塗布物の角部に対応する部分での膜厚を十分に厚くすることができ、よって、塗膜の膜厚を全域にわたって厚くすることができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記被塗布物は、圧電体材料で構成された圧電素子片であることが好ましい。
これにより、例えば、圧電素子片上に所望の形状の電極を形成する際に用いるレジストマスクを形成するためのレジスト膜を簡単に形成することができる。そのため、圧電素子片上に電極が形成されてなる圧電素子を簡単に製造することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記塗布液および前記液滴は、それぞれ、レジスト液であることが好ましい。
これにより、例えば、圧電素子片上に所望の形状の電極を形成する際に用いるレジストマスクを形成するためのレジスト膜を簡単に形成することができる。そのため、圧電素子片上に電極が形成されてなる圧電素子を簡単に製造することができる。
本発明の圧電素子の製造方法は、上面、前記上面に開放する凹部、および前記上面と前記凹部の内面とが交差する角部を有する圧電素子片の表面に電極を形成することにより圧電素子を形成する圧電素子の製造方法であって、
前記圧電素子片の表面に前記電極形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
前記金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
前記レジストマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記電極を形成する電極形成工程とを有し、
前記レジストマスク形成工程は、スプレーコート法により、ノズルからレジスト粒子を気流に乗せて霧状に噴霧して、噴霧した前記レジスト粒子を前記圧電素子の前記上面、前記角部および前記凹部に塗布することにより、それらの表面にスプレー膜を形成するスプレー膜形成工程と、
インクジェット法により、ノズルからレジスト液を吐出し、吐出した前記レジスト液を前記スプレー膜に塗布することにより、前記スプレー膜の表面にインクジェット膜を形成するインクジェット膜形成工程とを有し、
前記スプレー膜および前記インクジェット膜に露光、現像を行うことにより前記レジストマスクを形成するよう構成され、
前記インクジェット膜形成工程は、前記スプレー膜の、前記気流の流れが他の部分よりも悪いことにより形成される膜厚不足部に、前記レジスト液を塗布することにより、前記膜厚不足部の表面に前記インクジェット膜を形成するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、圧電素子片に、簡単にレジスト膜を形成することができるとともに、レジスト膜の膜厚を全域にわたって厚くすることができる。また、初めに、スプレーコート法により圧電素子片の表面にスプレー膜を形成するため、圧電素子片との密着性に優れるレジスト膜を形成することができる。そのため、このようなレジスト膜をパターニングして形成されたレジストマスクを介して金属膜をエッチングすることにより、不本意な、金属膜の除去を防止することができる。これにより、断線や短絡を防止することができ、信頼性の高い圧電素子を製造することができる。
本発明の圧電素子の製造方法は、上面、前記上面に開放する凹部、および前記上面と前記凹部の内面とが交差する角部を有する圧電素子片の表面に電極を形成することにより圧電素子を形成する圧電素子の製造方法であって、
前記圧電素子片の表面に前記電極形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
前記金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
前記レジストマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記電極を形成する電極形成工程とを有し、
前記レジストマスク形成工程は、インクジェット法により、ノズルからレジスト液を吐出し、吐出した前記レジスト液を前記圧電素子片に塗布することにより、前記圧電素子片の表面にインクジェット膜を形成するインクジェット膜形成工程と、
スプレーコート法により、ノズルからレジスト粒子を気流に乗せて霧状に噴霧して、噴霧した前記レジスト粒子を前記圧電素子片および前記インクジェット膜に塗布することにより、それらの表面にスプレー膜を形成するスプレー膜形成工程とを有し、
前記インクジェット膜および前記スプレー膜に露光、現像を行うことにより前記レジストマスクを形成するよう構成され、
前記インクジェット膜形成工程は、前記圧電素子片の、前記スプレーコート工程において前記気流の流れが他の部分よりも悪いことにより形成される膜厚不足部に対応する箇所に液滴を塗布することにより、当該個所に、前記スプレーコート工程に先立って、前記インクジェット膜を形成するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、圧電素子片に、簡単にレジスト膜を形成することができるとともに、レジスト膜の膜厚を全域にわたって厚くすることができる。また、初めに(すなわち、被塗布物の凹部が露出している状態で)インクジェット法により、被塗布物の凹部に表面にインクジェット膜を形成するため、ノズルと圧電素子片との位置決めを容易に行うことができる。このようなレジスト膜をパターニングして形成されたレジストマスクを介して金属膜をエッチングすることにより、不本意な、金属膜の除去を防止することができる。これにより、断線や短絡を防止することができ、信頼性の高い圧電素子を製造することができる。
本発明の圧電素子の製造方法により製造される圧電素子を示す斜視図である。 図1に示す圧電素子の断面図(A−A線断面図)である。 本発明の圧電素子の製造方法の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の圧電素子の製造方法の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の圧電素子の製造方法の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る塗膜形成方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る塗膜形成方法を示す断面図である。 第1のレジスト膜が形成された圧電素子片の拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る塗膜形成方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る塗膜形成方法を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る塗膜形成方法を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る塗膜形成方法を示す断面図である。
以下、本発明の塗膜形成方法および圧電素子の製造方法を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の塗膜形成方法を備えた圧電素子の製造方法(本願発明の圧電素子の製造方法)の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の圧電素子の製造方法により製造される圧電素子を示す斜視図、図2は、図1に示す圧電素子の断面図(A−A線断面図)、図3ないし図5は、それぞれ、本発明の圧電素子の製造方法の第1実施形態を示す断面図、図6、図7、図9〜図11は、それぞれ、本発明の第1実施形態に係る塗膜形成方法を示す断面図、図8は、第1のレジスト膜が形成された圧電素子片の拡大断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1〜図11の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1に示す圧電素子(振動子)1は、圧電素子片(振動片)2と、圧電素子片2上に形成された電極3とで構成されている。
圧電素子片(被塗布物)2は、板状(薄板状)をなしている。すなわち、圧電素子片2は、上面と、下面と、側面と、上面と側面とが交差する上側角部と、下面と側面とが交差する下側角部とを有している。
また、圧電素子片2は、平面視形状が音叉型をなしている。具体的には、圧電素子片2は、基部21と、基部21から突出し同一方向に延在する一対の腕部22、23を有している。また、図2に示すように、腕部22には、上面に開放する上側凹部(凹部)221と、下面に開放する下側凹部(凹部)222とが形成されている。同様に、腕部23にも、上面に開放する上側凹部231と、下面に開放する下側凹部232とが形成されている。これら凹部221〜232は、それぞれ、腕部22、23の延在方向に沿って延在している。また、凹部221〜232は、互いにほぼ等しい形状(長さ、幅、深さ、開口形状、横断面形状、縦断面形状等)を有している。
これら凹部221〜232のアスペクト比としては、それぞれ、特に限定されないが、1〜50程度であるのが好ましい。これにより、優れた振動特性を備える圧電素子1を得ることができる。
このような圧電素子片2の構成材料としては、例えば、水晶、酸化亜鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、四硼酸リチウム等が挙げられる。これらの中でも、圧電素子片2の構成材料として、水晶を用いることにより、振動特性および温度特性等の優れる圧電素子1が得られる。
図1に示すように、電極3は、互いに絶縁された第1の電極31および第2の電極32を有している。第1の電極31は、基部21の上面に形成された端子311と、腕部22の側面にその側面を囲むように形成された側面電極312と、腕部23の上側凹部231に形成された上側凹部電極313と、腕部23の下側凹部232に形成された下側凹部電極314とを有している。側面電極312は、基部21の側面に形成された配線を介して端子311に接続されており、上側凹部電極313は、基部21の上面に形成された配線を介して側面電極312に接続されており、下側凹部電極314は、基部21の下面に形成された配線を介して側面電極312に接続されている。
このような第1の電極31とは対称的に、第2の電極32は、基部21の上面に形成された端子321と、腕部23の側面にその側面を囲むように形成された側面電極322と、腕部22の上側凹部221に設けられた上側凹部電極323と、腕部22の下側凹部222に設けられた下側凹部電極324とを有している。また、側面電極322、上側凹部電極323および下側凹部電極324は、それぞれ、配線を介して端子321に接続されている。
このような構成の圧電素子1は、例えば、基部21を固定した状態にて、第1の電極31および第2の電極32にそれぞれ交流電圧を印加することにより、腕部22、23を所定の周波数で振動させたり、反対に、腕部22、23の振動により発生する起電力を第1の電極31および第2の電極32により検知したりするのに使用される。
次いで、圧電素子1の製造方法(本発明の圧電素子の製造方法)について図3ないし図5に基づいて説明する。なお、図3〜図5は、それぞれ、図1中のA−A線断面図を示している。
圧電素子1の製造方法は、圧電素子片(被塗布物)2を用意する圧電素子片用意工程と、圧電素子片2の表面に電極3を形成するための金属膜を形成する金属膜形成工程と、金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、レジストマスクを用いて金属膜をパターニングし、電極3を形成する電極形成工程とを有している。以下、これら各工程について詳細に説明する。
[圧電素子片用意工程]
まず、図3(a)に示すように、ソーワイヤー等により切り出した後、研磨加工および洗浄を行った薄板状(例えば、厚さが50μm〜200μm程度)の水晶ウエハ100を用意し、この水晶ウエハ100の上面に、クロム層Crおよび金層Auを、この順で、例えばスパッタ法により形成する。次いで、金層Au表面にレジストを塗布した後、このレジストを音叉形状のパターンに露光・現像し、音叉形状のレジストマスクM1を形成する。
次いで、図3(b)に示すように、レジストマスクM1を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチングし、これら層をレジストマスクM1同様、音叉形状にパターニングする。なお、エッチング方法としては、ウェットエッチング、ドライエッチング等の各種エッチングを用いることができる(以下同様である)。
次いで、図3(c)に示すように、金層Auおよびクロム層Crをマスクとして、水晶ウエハ100をエッチングする。これにより、音叉型の平面視形状を有する、すなわち基部21および一対の腕部22、23を有する水晶ウエハ100が得られる。
次いで、図3(d)に示すように、レジストマスクM1を除去した後、再度、金層Auの表面にレジストを塗布し、このレジストを、凹部221、231の開口パターンに露光・現像し、凹部221、231の形状に対応するレジストマスクM2を形成する。
次いで、図4(a)に示すように、レジストマスクM2を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチングし、さらに、金層Auおよびクロム層Crをマスクとして、水晶ウエハ100をハーフエッチングする。これにより、水晶ウエハ100の上面に開放する凹部221、231が形成される。
次いで、図4(b)に示すように、凹部221、231の形成と同様の方法で、凹部222、232を形成する。すなわち、水晶ウエハ100の下面にクロム層Crおよび金層Auを形成した後、金層Auの表面に凹部222、232に対応するパターンを有するレジストマスクを形成し、そのレジストマスクを介して水晶ウエハ100をハーフエッチングする。これにより、水晶ウエハ100の下面に開放する凹部222、232を形成する。なお、このような凹部222、232の形成は、凹部221、231の形成と同時に行ってもよいし、凹部221、231の形成に先立って行ってもよい。
次いで、図4(c)に示すように、水晶ウエハ100上に形成された全ての膜(レジストマスクM2、クロム層Crおよび金層Au)を除去する。以上の工程により、基部21、腕部22、23および凹部221〜232を有する圧電素子片2が得られる。
[金属膜形成工程]
図5(a)に示すように、圧電素子片2の表面全域(上面、下面、側面、凹部221〜232の内面)に、電極3(第1の電極31および第2の電極32)を形成するためのクロム層Crおよび金層Auを、この順で、例えばスパッタ法により形成する。
[レジストマスク形成工程]
図5(b)に示すように、後述する方法(本発明の塗膜形成方法)により、金層Auの表面にレジスト液を塗布し、これを乾燥することによりレジスト膜Lを形成する。その後、このレジスト膜Lを第1電極31および第2電極32のパターン形状に露光・現像することにより、第1の電極31および第2の電極32の外形パターンを有するレジストマスクM3を形成する。
[電極形成工程]
図5(c)に示すように、レジストマスクM3を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチングし、これら層を第1、第2の電極31、32の形状にパターニングする。エッチング終了後、レジストマスクM3を除去する。これにより、クロム層Crと金層Auが積層して構成された第1の電極31および第2の電極32が得られる。なお、第1の電極31と第2の電極32との短絡を防止するために、レジストマスクM3を除去した後、第1の電極31および第2の電極32を覆うように圧電素子片2の表面に表面保護膜を形成してもよい。
以上の工程により、圧電素子1が製造される。
なお、このようにして圧電素子1を製造した後、圧電素子1の周波数調整を行ってもよい。この調整方法としては、例えば、金属膜形成工程にて圧電素子片2の表面に形成した金属膜(クロム層Crおよび金層Auの積層体)を用いて、腕部22、23の先端部分(第1、第2の電極31、32のパターン形状に重ならない領域)に錘部材を形成し、当該錘部材の一部または全部をレーザートリミングにより除去して、腕部22、23の質量を減少させることにより(質量削減方式により)、圧電素子1の周波数調整を行う方法が挙げられる。
次いで、図6ないし図11に基づいて、前述したレジストマスク形成工程における、金層Au表面へのレジスト膜Lの形成方法(本発明の塗膜形成方法)を詳細に説明する。なお、図6〜図11では、説明の便宜上、クロム層Crおよび金層Auの積層体でなる金属膜を、単に一層構造の「電極膜4」として図示する。また、以下では、説明の便宜上、圧電素子片2の表面に電極膜4が形成されているものを単に「圧電素子片2」とも言う。
圧電素子片2表面へのレジスト膜Lの形成は、スプレーコート工程(スプレー膜形成工程)と、インクジェット工程(インクジェット膜形成工程)とにより達成される。後述するようにレジスト膜Lは、第1のレジスト膜(スプレー膜)L1と、第2のレジスト膜(インクジェット膜)L2とで構成されており、スプレーコート工程にて第1のレジスト膜L1が形成され、インクジェット工程にて第2のレジスト膜L2が形成される。以下、スプレーコート工程、インクジェット工程について、順次、詳細に説明する。
[スプレーコート工程]
本工程では、圧電素子片2の表面全域に、第1のレジスト膜(スプレー膜)L1を形成する。第1のレジスト膜L1は、後述するように、圧電素子片2の第1面28側に形成されたレジスト膜片L11と、第2面29側に形成されえたレジスト膜片L12とで構成されている。
本工程は、まず、図6(a)に示すように、圧電素子片2を図示しない支持部で支持し、第1面27(上面)とノズル500とを対向配置させる。ここで、ノズル500は、二流体混合方式のスプレーノズルであり、このノズル500には、窒素ガスや圧縮空気が供給される気体供給系510と、レジストQ(塗付粒子)が供給されるレジスト供給系520とが接続されている。ノズル500の先端には、微小な孔(図示せず)が形成されており、窒素ガスと混合されたレジストQが、この孔から霧状に円錐状に噴霧される。また、圧電素子片2の下側には、ファン等を有する吸気部(図示せず)が設けられており、この吸気部を駆動することにより、ノズル500から吸気部に向かう気流を発生させる。
次いで、図6(b)に示すように、窒素ガスと混合されたレジストQを、ノズル500の孔から霧状に噴霧することにより、レジストQを気流に乗せ、圧電素子片2へ付着させる。それにより、レジストQを圧電素子片2の第1面27、側面28および凹部221、231の表面に塗布する。次いで、図6(c)に示すように、圧電素子片2の第1面27、側面28および凹部221、231の表面に塗布されたレジストQを乾燥することにより、レジスト膜片L11を形成する。
次いで、図7(a)に示すように、圧電素子片2を上下引っくり返す。その後、図7(b)に示すように、窒素ガスと混合されたレジストQを、ノズル500の孔から霧状に円錐状に噴霧することにより、レジストQを気流に乗せ、圧電素子片2へ付着させる。それにより、レジストQを圧電素子片2の第2面29、側面28および凹部222、232の表面に塗布する。次いで、図7(c)に示すように、圧電素子片2の第2面29、側面28および凹部222、232の表面に塗布されたレジストQを乾燥することにより、レジスト膜片L12を形成する。
以上の工程により、圧電素子片2の表面全域に、レジスト膜片L11、L12からなる第1のレジスト膜L1を形成することができる。このように、スプレーコート工程により圧電素子片2の表面全域に第1のレジスト膜L1を形成することにより、比較的簡単に、かつ短時間で、圧電素子片2の表面に、圧電素子片2との密着性に優れるレジスト膜L(第1のレジスト膜L1と、後述する第2のレジスト膜L2との結合体)を形成することができる。
特に、本実施形態では、スプレーコート工程を、インクジェット工程に先立って行うため、圧電素子片2との密着性がより優れる第1のレジスト膜L1を形成することができる。
[インクジェット工程]
本工程では、第1のレジスト膜L1の膜厚の薄い部分に、第2のレジスト膜(インクジェット膜)L2を形成する。
ここで、前述したように、スプレーコート工程では、霧状にしたレジストQを気流に乗せて圧電素子片2の表面に付着することにより、圧電素子片2の表面にレジストQを塗布し、これを乾燥することにより第1のレジスト膜L1を形成する。このような方法では、圧電素子片2の表面のうち、気流の良い(気体が流れやすい)部分では、十分な量(膜厚)のレジストQが塗布されるが、反対に、気流の悪い(気体が流れ難い)部分では、十分な量(膜厚)のレジストQが塗布されない。そのため、第1のレジスト膜L1の前記気流の悪い部分における膜厚が、他の部分と比較して薄くなったり、その部分にピンポールが発生したりする。以下、これについて、具体的に説明する。
図8に示すように、圧電素子片2の凹部221〜232付近では、気流が悪いため、第1のレジスト膜L1の、凹部221〜232の内面に対応する凹部対応部L1a〜L1dにおける膜厚が、他の部分(第1面27、第2面27および側面28に対応する部分)と比べて薄くなる。また、凹部対応部L1a〜L1dにピンホールが発生する。そのため、仮に、このような第1のレジスト膜L1のみからレジストマスクM3を形成した場合、前述した電極形成工程でのエッチングの際、レジストマスクM3の凹部対応部L1a〜L1dがエッチングに耐えられず、これらの部位で金属膜4の不本意な除去が行われ、短絡や断線が発生する。
このような問題に鑑み、本工程にて、特に凹部対応部L1a〜L1d等のレジスト膜L1の膜厚が薄い部分やピンホールの発生し易い部分(これらを総称して「膜厚不足部」とも言う)に第2のレジスト膜L2を補填し、膜厚不足部の膜厚を厚くすることにより、レジスト膜Lにピンホールが発生するのを防止するとともに、レジスト膜L1の全域を、レジストマスクM3としての機能を発揮できる膜厚(前記エッチングに耐えられるだけの膜厚)とし、上述の問題の解決を図っている。
以下、本工程について、詳細に説明する。
本工程は、インクジェット法を用いて、インクジェットヘッド600からレジスト液(液滴)Rを吐出し、吐出したレジスト液Rを、第1のレジスト膜L1上に塗布することにより行われる。
インクジェットヘッド600としては、インクジェットプリンター等で使用されるものとほぼ同様の構成のものを用いることができる。
インクジェットヘッド600の構成について簡単に説明すれば、インクジェットヘッド600は、例えば、複数のノズル孔(例えば、2列50行)が形成されたノズルプレートと、各ノズル孔に1対1の関係で連通する複数のインク室と、各インク室を収縮・膨張させる複数のピエゾ素子とを有しており、ピエゾ素子の駆動によりインク室が収縮・膨張すると、その内容量の変化に基づいて、そのインク室に充填されたレジスト液Rがノズル孔から液滴としてノズルプレートの法線方向へ吐出するように構成されている。
まず、圧電素子片2を凹部221、231が開放する側の第1面27が上側に位置するように、図示しない載置台に載置する。この図示しない載置台は、例えばヒーター等の加熱手段を備えており、載置された圧電素子片2を加熱することが可能である。
このような載置台によって圧電素子片2を加熱しながら(所定温度に保ちながら)レジスト液Rを第1のレジスト膜L1に着弾させることにより、圧電素子片2に着弾したレジスト液Rを迅速に乾燥することができる。また、例えば、圧電素子片2の温度を適宜調節することにより、レジスト液Rが圧電素子片2に着弾してから乾燥するまでの時間を制御することもできる。
次いで、圧電素子2の第1面27(上面)とインクジェットヘッド600とを対向させるとともに、インクジェットヘッド600の姿勢を、ノズルプレートと第1面27とが略平行となるように設定する。これにより、インクジェットヘッド600から吐出されるレジスト液Rの吐出方向が、第1面27の法線方向、すなわちz軸方向と一致する。そのため、第1面27に対するレジスト液Rの着弾位置を制御し易くなる。
このときのインクジェットヘッド600のノズルプレート(各ノズル孔)と第1面27との離間距離は、特に限定されないが、0.5mm〜2mm程度であるのが好ましい。このような範囲とすることにより、インクジェットヘッド600と圧電素子片2との接触を防止しつつ、ノズル孔から吐出したレジスト液Rを第1のレジスト膜L1の所望位置に高精度に着弾させることができる。
次いで、図9(a)に示すように、インクジェットヘッド600を、凹部221の上側にくるように位置させる。次いで、インクジェットヘッド600の各ノズル孔から複数のレジスト液Rを連続的に吐出し、凹部221の底部に着弾させる。インクジェットヘッド600からのレジスト液Rの吐出を、図9(b)に示すように、凹部221がレジスト液Rで満たさせるまで(レジスト液Rが凹部221から溢れ出るまで)行う。そして、図9(c)に示すように、凹部221に満たされたレジスト液Rを乾燥することにより、凹部221内に第2のレジスト膜L2を形成する。すなわち、第1のレジスト膜L1の凹部対応部L1aの表面に第2のレジスト膜L2を形成する。
なお、本実施形態では、図9(c)に示すように、凹部221から溢れ出たレジスト液Rが乾燥することにより、第1のレジスト膜L1の、凹部221の内面(内側面)と第1面27とが交差する角部Aに対応する角部対応部Lgにも第2のレジスト膜L2が形成される。
次いで、図10(a)に示すように、インクジェットヘッド600を、凹部231の上側にくるように位置させる。次いで、インクジェットヘッド600の各ノズル孔から複数のレジスト液Rを連続的に吐出し、凹部231の底部に着弾させる。インクジェットヘッド600からのレジスト液Rの吐出を、図10(b)に示すように、凹部231がレジスト液Rで満たさせるまで(レジスト液Rが凹部231から溢れ出るまで)行う。そして、図10(c)に示すように、凹部231に満たされたレジスト液Rを乾燥することにより、凹部231内に第2のレジスト膜L2を形成する。すなわち、第1のレジスト膜L1の凹部対応部L1bの表面に第2のレジスト膜L2を形成する。
なお、本実施形態では、図10(c)に示すように、凹部231から溢れ出たレジスト液Rが乾燥することにより、第1のレジスト膜L1の、凹部231の内面(内側面)と第1面27とが交差する角部Bに対応する角部対応部Lhにも第2のレジスト膜L2が形成される。
このような凹部対応部L1bへの第2のレジスト膜L2の形成は、凹部対応部L1aへの第2のレジスト膜L2に先立って行ってもよいし、並行して行ってもよい。
次いで、図11(a)に示すように、圧電素子片2の上下を引っくり返し、第2面29をインクジェットヘッド600と対向させる。そして、図11(b)に示すように、凹部222、232内に第2のレジスト膜L2を形成する。凹部222、232への第2のレジスト膜L2の形成は、前述した凹部221内への第2のレジスト膜L2の形成と同様の方法で行うことができるため、その説明を省略する。
このようなインクジェット工程によれば、各凹部221〜232に満たしたレジスト液Rを乾燥することにより第2のレジスト膜L2を形成するように構成されているため、インクジェットヘッド600と圧電素子片2との高精度な位置決めが必要なく、また、途中でインクジェットヘッド600の位置を変える必要もないため、比較的簡単にかつ短時間で、第2のレジスト膜L2を形成することができる。
また、このようなインクジェット工程によれば、図11に示すように、第1のレジスト膜L1の角部対応部(L1g、L1h等)にも、第2のレジスト膜L2を形成することができる。そのため、前述した電極形成工程におけるエッチングの際に、レジスト膜Lの角部対応部での不本意な金属膜4の除去をより確実に防止することができる。特に、図1中のP1のように、角部Bを跨って第1の電極31が形成されている箇所や、P2のように、角部Aを跨って第2の電極32が形成されている箇所で、金属膜4が不本意に除去されることをより確実に防止することができるため、その部分での断線をより確実に防止することができる。
以上説明したスプレーコート工程およびインクジェット工程により、圧電素子片2の表面に、第1のレジスト膜L1と第2のレジスト膜L2とからなるレジスト膜Lを形成することができる。そして、レジスト膜Lを、第1の電極31および第2の電極32のパターン形状に露光・現像することにより、第1、第2の電極31、32の外形パターンをしたレジストマスクM3を形成することができる。
このようなレジスト膜Lは、第1のレジスト膜L1の膜厚が他の部分よりも薄い部分である凹部対応部L1a〜L1dの表面に、第2のレジスト膜L2が形成された構成をなしているため、その全域にわたって、レジストマスクM3としての機能を発揮することができる(すなわち、エッチングに耐えられる程度の)膜厚となる。そのため、前述した電極形成工程のエッチングの際、レジスト膜Lから形成されたレジストマスクM3を用いることにより、金属膜4の不本意な除去が防止され、断線や短絡が防止され、信頼性の高い圧電素子1を製造することができる。
また、このようなレジスト膜Lの形成方法によれば、圧電素子片2の厚さや、凹部221〜232の深さに関係なく、いかなる圧電素子2にも、レジスト膜L1を精度よく形成することができる。具体的には、スプレーコート工程によれば、第1面27および第2面29はもちろんのこと、圧電素子片2の厚さに関わらず、側面28の全域に膜厚の比較的厚い第1のレジスト膜L1を形成することができ、一方のインクジェット工程によれば、凹部221〜232の深さに関わらず、凹部221〜232をレジスト液Rで満たすことにより、凹部221〜232に第2のレジスト膜L2を形成することができる。そのため、レジスト膜L1の形成方法は、優れた利便性を発揮することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の塗膜形成方法を備えた圧電素子の製造方法(本願発明の圧電素子の製造方法)の第2実施形態について説明する。
図12は、本発明の第2実施形態に係る塗膜形成方法を示す断面図である。
以下、第2実施形態の圧電素子の製造方法について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態にかかる圧電素子の製造方法では、スプレーコート工程とインクジェット工程の順序が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
すなわち、本実施形態では、最初にインクジェット工程を行った後に、スプレーコート工程を行う。
[インクジェット工程]
図12(a)に示すように、圧電素子片2の各凹部221〜232内をレジスト液Rで満たし、それを乾燥することにより、各凹部221〜232内に第2のレジスト膜L2を形成する。各凹部221〜232への第2のレジスト膜L2の形成方法は、前述した第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
[スプレーコート工程]
図12(b)に示すように、各凹部221〜232に第2のレジスト膜L2が形成された圧電素子片2の表面に、スプレーコート法により、第1のレジスト膜L1を形成する。第1のレジスト膜L1の形成方法は、前述した第1実施形態のものと同様であるため、その説明を省略する。
このように、本実施形態では、圧電素子片2の、スプレーコート法により第1のレジスト膜L1を形成すると、その膜厚が他の部分よりも薄くなってしまう部分(膜厚不足部)に相当する箇所に、予め、インクジェット法により、第2のレジスト膜L2を形成しておくよう構成されている。そのため、第1のレジスト膜L1および第2のレジスト膜からなるレジスト膜Lの全域にわたって、ピンホールの発生が防止されるとともに、その膜厚がレジストマスクM3としての機能を発揮することができる(すなわち、エッチングに耐えられる程度の)膜厚となる。
以上のような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明の塗膜形成方法および圧電素子の製造方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、浸漬用塗布液および液滴としてレジスト膜を形成するためのレジスト液を用いた構成について説明したが、浸漬用液滴および液滴としてはこれに限定されず、例えば、絶縁膜を形成するための絶縁性の浸漬用液滴および液滴や、電極膜や配線膜を形成する導電性の浸漬用液滴および液滴であってもよい。
また、前述した実施形態では、被塗布物として、圧電材料で構成された圧電体基板を用いた構成について説明したが、被塗布物としては、これに限定されず、例えば、各種樹脂材料で構成された樹脂基板(合成樹脂基板)や、Au、Ag、Cu、Fe等の各種金属材料で構成された金属基板や、各種セラミックスで構成されたセラミックス基板や、シリコン基板等の半導体基板や、石英ガラス等の各種ガラス材料で構成されたガラス基板、サファイア基板、ダイヤモンド基板等であってもよい。
また、圧電素子片の形状としては、2本の腕部を有する音叉型のものについて説明したが、これに限定されず、例えば、ジャイロセンサ等に用いられる6本の腕部を有する「王」型をなすものであってもよい。
1……圧電素子 2……圧電素子片 21……基部 22、23……腕部 221、231……上側凹部 222、232……下側凹部 27……第1面 28……側面 29……第2面 3……電極 31……第1の電極 311、321……端子 312、322……側面電極 313、323……上側凹部電極 314、324……下側凹部電極 32……第2の電極 4……電極膜 500……インクジェットヘッド 500……ノズル 510……ガス供給系 520……レジスト供給系 600……インクジェットヘッド 100……水晶ウエハ Cr……クロム層 Au……金層 A〜D……角部 M1、M2、M3……レジストマスク L1……第1のレジスト膜(スプレー膜) L1a〜L1d……凹部対応部(膜厚不足部) L1g、L1h……角部対応部 L2……第2のレジスト膜(インクジェット膜) Q……レジスト R……レジスト液

Claims (12)

  1. 上面、前記上面に開放する凹部、および前記上面と前記凹部の内面とが交差する角部を有する被塗布物に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
    スプレーコート法により、ノズルから塗付粒子を気流に乗せて霧状に噴霧して、噴霧した前記塗付粒子を前記上面、前記角部および前記凹部に塗布することにより、それらの表面にスプレー膜を形成するスプレー膜形成工程と、
    インクジェット法により、ノズルから液滴を吐出し、吐出した液滴を前記スプレー膜に塗布することにより、前記スプレー膜の表面にインクジェット膜を形成するインクジェット膜形成工程とを有し、
    前記インクジェット膜形成工程は、前記スプレー膜の、前記気流の流れが他の部分よりも悪いことにより形成される膜厚不足部に、前記液滴を塗布することにより、前記膜厚不足部の表面に前記インクジェット膜を形成するよう構成されていることを特徴とする塗膜形成工程。
  2. 前記スプレー膜は、前記膜厚不足部として、前記凹部の内面に対応する凹部対応部を含み、
    前記インクジェット膜形成工程では、吐出した前記液滴を前記凹部対応部に塗布することにより、前記凹部対応部の表面に前記インクジェット膜を形成する請求項1に記載の塗膜形成方法。
  3. 前記インクジェット膜形成工程では、前記凹部内を前記液滴で満たすことにより前記凹部対応部に前記液滴を塗布し、前記凹部対応部の表面に前記インクジェット膜を形成する請求項2に記載の塗膜形成方法。
  4. 前記インクジェット工程では、前記スプレー膜の、前記凹部の内面と前記上面とが交差する角部に対応する角部対応部にも前記液滴を塗布し、前記角部対応部の表面に前記インクジェット膜を形成する請求項3に記載の塗膜形成方法。
  5. 上面、前記上面に開放する凹部、および前記上面と前記凹部の内面とが交差する角部を有する被塗布物に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
    インクジェット法により、ノズルから液滴を吐出し、吐出した液滴を前記被塗布物に塗布することにより、前記被塗布物の表面にインクジェット膜を形成するインクジェット膜形成工程と、
    スプレーコート法により、ノズルから塗付粒子を気流に乗せて霧状に噴霧して、噴霧した前記塗付粒子を前記被塗布物および前記インクジェット膜に塗布することにより、それらの表面にスプレー膜を形成するスプレー膜形成工程とを有し、
    前記インクジェット膜形成工程は、前記被塗布物の、前記スプレーコート工程において前記気流の流れが他の部分よりも悪いことにより形成される膜厚不足部に対応する箇所に液滴を塗布することにより、当該個所に、前記スプレーコート工程に先立って、前記インクジェット膜を形成するよう構成されていることを特徴とする塗膜形成方法。
  6. 前記スプレー膜は、前記膜厚不足部として、前記凹部の内面に対応する凹部対応部を含み、
    前記インクジェット膜形成工程では、吐出した前記液滴を前記被塗布物の前記凹部に塗布することにより、前記凹部の表面に前記インクジェット膜を形成する請求項5に記載の塗膜形成方法。
  7. 前記インクジェット膜形成工程では、前記凹部内を前記液滴で満たすことにより前記凹部に前記液滴を塗布し、前記凹部の表面に前記インクジェット膜を形成する請求項6に記載の塗膜形成方法。
  8. 前記インクジェット工程では、前記被塗布物の、前記凹部の内面と前記上面とが交差する角部にも前記液滴を塗布し、前記角部に前記インクジェット膜を形成する請求項7に記載の塗膜形成方法。
  9. 前記被塗布物は、圧電体材料で構成された圧電素子片である請求項1ないし8のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  10. 前記塗布液および前記液滴は、それぞれ、レジスト液である請求項1ないし9のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  11. 上面、前記上面に開放する凹部、および前記上面と前記凹部の内面とが交差する角部を有する圧電素子片の表面に電極を形成することにより圧電素子を形成する圧電素子の製造方法であって、
    前記圧電素子片の表面に前記電極形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
    前記金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
    前記レジストマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記電極を形成する電極形成工程とを有し、
    前記レジストマスク形成工程は、スプレーコート法により、ノズルからレジスト粒子を気流に乗せて霧状に噴霧して、噴霧した前記レジスト粒子を前記圧電素子の前記上面、前記角部および前記凹部に塗布することにより、それらの表面にスプレー膜を形成するスプレー膜形成工程と、
    インクジェット法により、ノズルからレジスト液を吐出し、吐出した前記レジスト液を前記スプレー膜に塗布することにより、前記スプレー膜の表面にインクジェット膜を形成するインクジェット膜形成工程とを有し、
    前記スプレー膜および前記インクジェット膜に露光、現像を行うことにより前記レジストマスクを形成するよう構成され、
    前記インクジェット膜形成工程は、前記スプレー膜の、前記気流の流れが他の部分よりも悪いことにより形成される膜厚不足部に、前記レジスト液を塗布することにより、前記膜厚不足部の表面に前記インクジェット膜を形成するよう構成されていることを特徴とする圧電素子の製造方法。
  12. 上面、前記上面に開放する凹部、および前記上面と前記凹部の内面とが交差する角部を有する圧電素子片の表面に電極を形成することにより圧電素子を形成する圧電素子の製造方法であって、
    前記圧電素子片の表面に前記電極形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
    前記金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
    前記レジストマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記電極を形成する電極形成工程とを有し、
    前記レジストマスク形成工程は、インクジェット法により、ノズルからレジスト液を吐出し、吐出した前記レジスト液を前記圧電素子片に塗布することにより、前記圧電素子片の表面にインクジェット膜を形成するインクジェット膜形成工程と、
    スプレーコート法により、ノズルからレジスト粒子を気流に乗せて霧状に噴霧して、噴霧した前記レジスト粒子を前記圧電素子片および前記インクジェット膜に塗布することにより、それらの表面にスプレー膜を形成するスプレー膜形成工程とを有し、
    前記インクジェット膜および前記スプレー膜に露光、現像を行うことにより前記レジストマスクを形成するよう構成され、
    前記インクジェット膜形成工程は、前記圧電素子片の、前記スプレーコート工程において前記気流の流れが他の部分よりも悪いことにより形成される膜厚不足部に対応する箇所に液滴を塗布することにより、当該個所に、前記スプレーコート工程に先立って、前記インクジェット膜を形成するよう構成されていることを特徴とする圧電素子の製造方法。
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