JP2010227813A - 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 - Google Patents

塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被塗布物の表面に形成される塗膜の、被塗布物の角部に対応する部分の膜厚を厚くすることができる塗膜形成方法、およびこの塗膜形成方法を用いることにより、信頼性の高い圧電素子を簡単に製造することのできる圧電素子の製造方法を提供すること
【解決手段】上面27、側面28および角部Aを有する圧電素子片2にレジスト液Qを塗布してレジスト膜(塗膜)を形成する塗膜形成方法であって、第1のレジスト液Q1を上面27の法線方向から角部Aに衝突するように吐出し、角部Aでせん断された第1のレジスト液Q1を側面28に流下する第1の工程と、第1のレジスト液Q1が乾燥した後に、第2のレジスト液Q2を上面27の法線方向から角部Aに衝突するとともに、着弾状態にて第1のレジスト液Q1と重なるように吐出し、角部Aでせん断された第2のレジスト液Q2を側面28に流下する第2の工程とを有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、塗膜形成方法および圧電素子の製造方法に関する。
従来から、水晶等の圧電体材料で構成された圧電基板の表面に電極を形成する方法として次のような方法が知られている。すなわち、まず、圧電基板上に電極を形成するための金属膜をスパッタリング法により形成する。次いで、金属膜上にレジスト(フォトレジスト)を塗布し、電極の形状にパターニング(露光・現像)することによりレジストマスクを形成する。そして、レジストマスクを介して金属膜をエッチングした後、レジストマスクを除去することにより圧電基板上に電極を形成する。
また、金属膜上にレジストを塗布する方法(塗膜を形成する方法)として、スプレーコート法や(特許文献1参照)、ディッピング法などが知られている。これらのうち、スプレーコート法は、ミスト状にしたレジストを気流に乗せて圧電基板に吹き付けることにより金属膜の表面にレジストを塗布する方法である。一方のディッピング法は、容器に満たされたレジスト中に圧電基板を浸漬させることにより、金属膜の表面にレジストを塗布する方法である。
このようなスプレーコート法およびディッピング法では、ともに、金属膜上に塗布されたレジストに、その表面積が最も小さくなるような力(表面張力)が働く。そのため、塗布されたレジストを乾燥して形成したレジスト膜では、圧電基板の角部に対応する部分の膜厚が、レジストマスクとしての機能を発揮するには薄くなり過ぎる。その結果、レジストマスクを介して金属膜をエッチングする際に、圧電基板の角部に対応する部分(すなわち、レジストマスクが薄い部分)にて、不本意な金属膜の除去が行われ、短絡や断線が発生するという問題がある。
特開2004−87934号公報
本発明の目的は、被塗布物の表面に形成される塗膜の、被塗布物の角部に対応する部分の膜厚を厚くすることができる塗膜形成方法、およびこの塗膜形成方法を用いることにより、信頼性の高い圧電素子を簡単に製造することのできる圧電素子の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の塗膜形成方法は、上面、側面およびこれらが交差する角部を有する被塗布物に対して、吐出法により液滴をノズルから吐出し、前記被塗布物に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
第1の液滴を前記上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記第1の液滴を前記側面に流下する第1の工程と、
前記第1の液滴が乾燥した後に、前記第1の液滴の前記被塗布物の着弾位置に対して前記角部の延在方向にずれた位置から、第2の液滴を前記上面の法線方向から前記角部に衝突するとともに、前記被塗布物への着弾状態にて前記第1の液滴と重なるように前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記第2の液滴を前記側面に流下する第2の工程とを有することを特徴とする。
これにより、被塗布物の表面に形成される塗膜の、被塗布物の角部に対応する部分の膜厚を厚くすることができる。また、液滴の吐出方向を一定(上面の法線方向)に保ったままで、法線方向の異なる全ての側面に対して液滴を塗布することができるため、液滴塗布工程の簡易化を図ることができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記第1の工程では、前記角部でせん断された前記第1の液滴を、前記側面の前記被塗布物の厚さ方向の中間点よりも下側まで流下させ、前記第2の工程では、前記角部でせん断された前記第2の液滴を、前記側面の前記被塗布物の厚さ方向の中間点よりも下側まで流下させることが好ましい。
これにより、より確実に、側面の厚さ方向の全域に液滴を塗布することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記第1の工程では、前記角部から前記上面の法線方向に引いた線分上を前記第1の液滴の中心が通過するように、前記第1の液滴を前記ノズルから吐出し、前記第2の工程では、前記角部から前記上面の法線方向に引いた線分上を前記第2の液滴の中心が通過するように、前記第2の液滴を前記ノズルから吐出することが好ましい。
これにより、角部に衝突した第1の液滴のうち、角部付近に留まる量と、側面を流下する量とがそれぞれ適当となる。そのため、角部および側面に、比較的膜厚の厚い塗膜を形成することができる。また、ノズルの位置が所定位置から若干ずれたり、第1の液滴の吐出方向が法線方向から若干ずれたりしても、そのずれを許容し、高い確率で、第1の液滴を角部に衝突させることができる。すなわち、第1の液滴を角部に衝突させやすくすることができる。第2の液滴についても、これと同様の効果が得られる。
本発明の塗膜形成方法では、前記第1の工程では、複数の前記第1の液滴を前記被塗布物への着弾状態にて互いに重ならないように前記ノズルから吐出し、前記第2の工程では、複数の前記第2の液滴を前記被塗布物への着弾状態にて互いに重ならないように前記ノズルから吐出することが好ましい。
これにより、角部および側面への液滴(第1の液滴、第2の液滴)の塗布に要する時間(処理時間)を短くしつつ、角部および側面に、比較的膜厚の厚い塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記液滴の径は、10μm〜30μmであることが好ましい。
これにより、液滴を角部に衝突させやすくなるとともに、角部に衝突した液滴のうち、角部付近に留まる量と、側面を流下する量とがそれぞれ適当となる。そのため、角部および側面に、比較的膜厚の厚い塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記液滴の粘度は、1cP〜20cPであることが好ましい。
これにより、角部および側面に液滴を留めておくことができ(すなわち、液滴が流下し過ぎるのを抑制することができ)、角部および側面に、比較的膜厚の厚い塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記被塗布物は、圧電体材料で構成された圧電素子片であることが好ましい。
これにより、例えば、圧電素子片上に所望の形状の電極を形成する際に用いるレジストマスクを形成するためのレジスト膜を簡単に形成することができる。そのため、圧電素子片上に電極が形成されてなる圧電素子を簡単に製造することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記液滴は、レジスト液であることが好ましい。
これにより、例えば、圧電素子片上に所望の形状の電極を形成する際に用いるレジストマスクを形成するためのレジスト膜を簡単に形成することができる。そのため、圧電素子片上に電極が形成されてなる圧電素子を簡単に製造することができる。
本発明の圧電素子の製造方法は、上面、側面およびこれらが交差する角部を有する圧電素子片の表面に電極を形成することにより圧電素子を形成する圧電素子の製造方法であって、
前記圧電素子片の表面に前記電極形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
前記金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
前記レジストマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記電極を形成する電極形成工程とを有し、
前記レジストマスク形成工程では、第1のレジスト液を前記上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記第1のレジスト液が前記側面を流下した後に前記第1のレジスト液を乾燥し、その後、前記第1のレジスト液の前記圧電素子片の着弾位置に対して前記角部の延在方向にずれた位置から、第2のレジスト液を前記上面の法線方向から前記角部に衝突するとともに、前記圧電素子片への着弾状態にて前記第1のレジスト液と重なるように前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記第2のレジスト液が前記側面を流下することにより、前記側面にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、その後、前記レジスト膜に露光および現像を行うことにより前記レジストマスクを形成することを特徴とする。
これにより、圧電素子片の表面に形成された金属膜上に形成されたレジスト膜の、圧電素子片の角部に対応する部分の膜厚を厚くすることができる。そのため、このようなレジスト膜をパターニングして形成されたレジストマスクを介して金属膜をエッチングすることにより、圧電素子片の角部付近における、不本意な、金属膜の除去を防止することができる。これにより、断線や短絡を防止することができ、信頼性の高い圧電素子を製造することができる。また、液滴の吐出方向を一定に保ったままで、レジストを塗布する必要のある全ての領域(上面、下面および側面)に対してレジスト液を塗布することができるため、レジストマスク形成工程の簡易化を図ることができる。
本発明の圧電素子の製造方法では、前記圧電素子片は、基部と、基部から互いに平行に突出した少なくとも一対の腕部を有し、前記レジストマスク形成工程では、前記圧電素子片の側面のうち前記一対の腕部の付け根部分の又部には、前記レジスト液を塗布しないことが好ましい。
これにより、レジスト液の使用量を低減することができる。また、又部にレジスト液を塗布しないため、又部に対する露光・現像等の工程を省略することができ、圧電素子の製造工程を簡易化することができる。
本発明の圧電素子の製造方法により製造される圧電素子を示す斜視図である。 図1に示す圧電素子の断面図(A−A線断面図)である。 本発明の圧電素子の製造方法の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の圧電素子の製造方法の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の圧電素子の製造方法の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の塗膜形成方法の第1実施形態を示す断面図および平面図である。 本発明の塗膜形成方法の第1実施形態を示す断面図および平面図である。 本発明の塗膜形成方法の第1実施形態を示す断面図および平面図である。 本発明の塗膜形成方法の第1実施形態を示す断面図および平面図である。 本発明の塗膜形成方法の第1実施形態を示す断面図および平面図である。 圧電素子片の側面に形成されたレジスト膜を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る塗膜形成方法を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る塗膜形成方法を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る塗膜形成方法を示す平面図である。
以下、本発明の塗膜形成方法および圧電素子の製造方法を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の塗膜形成方法を備えた圧電素子の製造方法(本願発明の圧電素子の製造方法)の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の圧電素子の製造方法により製造される圧電素子を示す斜視図、図2は、図1に示す圧電素子の断面図(A−A線断面図)、図3ないし図5は、それぞれ、本発明の圧電素子の製造方法の第1実施形態を示す断面図、図6ないし図10は、それぞれ、本発明の塗膜形成方法の第1実施形態を示す断面図および平面図、図11は、圧電素子片の側面に形成されたレジスト膜を示す平面図である。なお、以下では、図1に示すように、互いに直交する3つの軸をx軸、y軸およびz軸とし、圧電素子片2の上面に平行な平面をxy平面とする。また、以下では、説明の便宜上、図1〜図11の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1に示す圧電素子(振動子)1は、圧電素子片(振動片)2と、圧電素子片2上に形成された電極3とで構成されている。
圧電素子片2は、音叉型の平面視形状を有する薄板である。すなわち、圧電素子片2は、上面と、下面と、側面と、上面と側面とが交差する上側角部と、下面と側面とが構成する下側角部とを有している。
具体的には、圧電素子片2は、基部21と、基部21から突出し同一方向に延在する一対の腕部22、23を有している。また、図2に示すように、腕部22には、上面に開放する上側凹部221と、下面に開放する下側凹部222とが形成されている。同様に、腕部23にも、上面に開放する上側凹部231と、下面に開放する下側凹部232とが形成されている。これら凹部221〜232は、それぞれ、腕部22、23の延在方向に沿って延在している。また、凹部221〜232は、互いにほぼ等しい形状(長さ、幅、深さ、開口形状、横断面形状、縦断面形状等)を有している。
このような圧電素子片2の構成材料としては、例えば、水晶、酸化亜鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、四硼酸リチウム等が挙げられ、これらの中でも水晶を用いることにより、振動特性および温度特性等の優れる圧電素子1が得られる。
図1に示すように、電極3は、互いに絶縁された第1の電極31および第2の電極32を有している。第1の電極31は、基部21の上面に形成された端子311と、腕部22の側面にその側面を囲むように形成された側面電極312と、腕部23の上側凹部231に形成された上側凹部電極313と、腕部23の下側凹部232に形成された下側凹部電極314とを有している。側面電極312は、基部21の側面に形成された配線を介して端子311に接続されており、上側凹部電極313は、基部21の上面に形成された配線を介して側面電極312に接続されており、下側凹部電極314は、基部21の下面に形成された配線を介して側面電極312に接続されている。
このような第1の電極31とは対照的に、第2の電極32は、基部21の上面に形成された端子321と、腕部23の側面にその側面を囲むように形成された側面電極322と、腕部22の上側凹部221に設けられた上側凹部電極323と、腕部22の下側凹部222に設けられた下側凹部電極324とを有している。また、側面電極322、上側凹部電極323および下側凹部電極324は、それぞれ、配線を介して端子321に接続されている。
このような構成の圧電素子1は、基部21を固定した状態にて、第1の電極31および第2の電極32にそれぞれ交流電圧を印加することにより、腕部22、23を所定の周波数で振動させたり、反対に、腕部22、23の振動により発生する起電力を第1の電極31および第2の電極32により検知したりする。
次いで、圧電素子1の製造方法(本発明の圧電素子の製造方法)について図3ないし図5に基づいて説明する。なお、図3〜図5は、それぞれ、図1のA−A線断面図を示している。
圧電素子1の製造方法は、圧電素子片(被塗布物)2を用意する圧電素子片用意工程と、圧電素子片2の表面に電極3形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、レジストマスクを用いて金属膜をパターニングし、電極3を形成する電極形成工程とを有している。以下、これら各工程について詳細に説明する。
[圧電素子片用意工程]
まず、図3(a)に示すように、ソーワイヤ等により切り出した後、研磨加工および洗浄を行った薄板状(例えば、厚さが50μm〜200μm程度)の水晶ウエハ100を用意し、この水晶ウエハ100の上面に、クロム層Crおよび金層Auをこの順で例えばスパッタ法により形成する。次いで、金層Au表面にレジストを塗布した後、このレジストを音叉形状のパターンに露光・現像し、音叉形状のレジストマスクM1を形成する。
次いで、図3(b)に示すように、レジストマスクM1を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチング(ウェットエッチング、ドライエッチング等の各種エッチング。以下同様である)し、これら層をレジストマスクM1同様、音叉形状にパターニングする。次いで、図3(c)に示すように、金層Auおよびクロム層Crをマスクとして、水晶ウエハ100をエッチングする。これにより、音叉型の平面視形状を有する、すなわち基部21および一対の腕部22、23を有する水晶ウエハ100が得られる。
次いで、図3(d)に示すように、レジストマスクM1を除去した後、再度、金層Auの表面にレジストを塗布し、このレジストを上側凹部221、231の開口パターンに露光・現像し、上側凹部221、231の形状に対応するレジストマスクM2を形成する。次いで、図4(a)に示すように、レジストマスクM2を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチングし、さらに、金層Auおよびクロム層Crをマスクとして、水晶ウエハ100をハーフエッチングする。これにより、水晶ウエハ100の上面に開放する上側凹部221、231が形成される。
次いで、図4(b)に示すように、上側凹部221、231の形成と同様の方法で、下側凹部222、232を形成する。すなわち、水晶ウエハ100の下面にクロム層Crおよび金層Auを形成した後、金層Auの表面に下側凹部222、232に対応するパターンを有するレジストマスクを形成し、そのレジストマスクを介して水晶ウエハ100をハーフエッチングする。これにより、水晶ウエハ100の下面に開放する下側凹部222、232が形成される。なお、下側凹部222、232の形成は、上側凹部221、231の形成と同時に行ってもよいし、上側凹部221、231の形成に先立って行ってもよい。
次いで、図4(c)に示すように、水晶ウエハ100上に形成された全ての膜(レジストマスクM2、クロム層Crおよび金層Au)を除去する。以上の工程により、基部21、腕部22、23、上側凹部221、231および下側凹部222、232を有する圧電素子片2が得られる。
[金属膜形成工程]
図5(a)に示すように、圧電素子片2の表面(上面、下面および側面)に、電極3(第1の電極31および第2の電極32)を形成するためのクロム層Crおよび金層Auをスパッタ法により形成する。
[レジストマスク形成工程]
図5(b)に示すように、後述するインクジェット法(吐出法)により金層Auの表面にレジスト液を塗布し、これを乾燥することによりレジスト膜を形成する。その後、このレジスト膜を第1電極31および第2電極32のパターン形状に露光・現像することにより、第1の電極31および第2の電極32の外形パターンをしたレジストマスクM3を形成する。
なお、図5(b)に示すように、本工程では、腕部22、23のつけ根部分に挟まれた又部24にはレジスト液を塗布しない。ここで、図1に示すように、圧電素子1では、第1の電極31の側面電極312と第2の電極32の側面電極322とを絶縁(分離)するために、又部24には電極が形成されていない。すなわち、又部24に形成されたクロム層Crおよび金層Auを除去する必要がある。そのため、クロム層Crおよび金層Auを除去する必要がある又部24へのレジスト液の塗布を省略することにより、レジスト液の使用量を低減することができる。また、又部24にレジスト液を塗布しないのであるから、又部24に対する露光・現像等の工程を省略することができ、圧電素子1の製造工程を簡易化することができる。
[電極形成工程]
図5(c)に示すように、レジストマスクM3を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチングし、これら層を第1、第2の電極31、32の形状にパターニングする。エッチング終了後、レジストマスクM3を除去する。これにより、クロム層Crと金層Auが積層して構成された第1の電極31および第2の電極32が得られる。なお、第1の電極31と第2の電極32との短絡を防止するために、第1の電極31および第2の電極32を覆うように圧電素子片2の表面に表面保護膜を形成してもよい。
以上の工程により、圧電素子1が製造される。
なお、このようにして、圧電素子1が製造された後、圧電素子1の周波数調整を行ってもよい。この調整方法としては、例えば、金属膜形成工程にて圧電素子片2の表面に形成したクロム層Crおよび金層Auを用いて、腕部22、23の先端部分(第1、第2の電極31、32のパターン形状に重ならない領域)に形成した錘部材を、レーザートリミングにより除去して、腕部22、23の質量を減少させることにより(質量削減方式により)、圧電素子1の周波数調整を行う方法が挙げられる。
[レジスト液の塗布方法(レジスト膜の形成方法)]
次いで、前述したレジストマスク形成工程における、金層Au表面へのレジストの塗布方法(本発明の塗膜形成方法)を図6ないし図11に基づいて詳細に説明する。なお、図6〜図11では、説明の便宜上、クロム層Crおよび金層Auの積層構造を、単に一層構造の「電極膜4」として図示する。また、以下では、説明の便宜上、圧電素子片2の表面に電極膜4が形成されているものを単に「圧電素子片2」とも言う。
圧電素子片2の表面へのレジストの塗布は、インクジェットヘッド500からレジスト液(液滴)Qを吐出し、圧電素子片2の表面に着弾させることにより行われる。インクジェットヘッド500としては、インクジェットプリンター等で使用されるものとほぼ同様の構成のものを用いることができる。インクジェットヘッド500の構成について簡単に説明すれば、インクジェットヘッド500は、例えば、複数のノズル孔(例えば、2列50行)が形成されたノズルプレートと、各ノズル孔に1対1の関係で連通する複数のインク室と、各インク室を収縮・膨張させる複数のピエゾ素子とを有しており、ピエゾ素子の駆動によりインク室が収縮・膨張すると、その内容量の変化に基づいて、そのインク室に充填されたレジストがノズル孔から液滴として前記ノズルプレートの法線方向へ吐出するように構成されている。
まず、圧電素子片2を、上側凹部221、231が開放する側の面(以下「第1面27」とも言う)が上側に位置するように、図示しない載置台に載置する。この図示しない載置台は、例えばヒーター等の加熱手段を備えており、載置された圧電素子片2を加熱することが可能である。このような載置台によって圧電素子片2を加熱しながら(所定温度に保ちながら)レジスト液Qを圧電素子片2表面に着弾させることにより、圧電素子片2に着弾したレジスト液Qを迅速に乾燥することができる。例えば、圧電素子片2の温度を適宜調節することにより、レジスト液Qが圧電素子片2に着弾してから乾燥するまでの時間を制御することもできる。
次いで、圧電素子2の第1面27(上面)とインクジェットヘッド500とを対向させるとともに、インクジェットヘッド500の姿勢をノズルプレートと第1面27とが略平行となるように設定する。これにより、インクジェットヘッド500から吐出されるレジスト液Qの吐出方向は、第1面27の法線方向、すなわちz軸方向と一致する。
このときのインクジェットヘッド500のノズルプレート(ノズル孔)と第1面27との離間距離は、特に限定されないが、0.5mm〜2mm程度であるのが好ましい。このような範囲とすることにより、インクジェットヘッド500と圧電素子片2との接触を防止しつつ、ノズル孔から吐出したレジスト液Qを第1面27や角部Aの所望位置に高精度に着弾させることができる。
[第1の工程]
次いで、図6(a)に示すように、インクジェットヘッド500を、所定のノズル孔501が圧電素子片2の第1面27と側面28が交差する角部A上(直上)にくるように位置させる。次いで、ノズル孔501から第1のレジスト液Q1をz軸方向(圧電素子片2の上面の法線方向)に吐出する。吐出された第1のレジスト液Q1は、その中心O1が角部Aからz軸方向に引いた線分S1上を通過して角部Aに衝突する。
図6(b)、(c)に示すように、角部Aに衝突した第1のレジスト液Q1は、角部Aによりせん断され、その一部が角部Aに留まるとともに、残りの部分が側面28を伝って流下する。これにより、角部Aおよび側面28に第1のレジスト液Q1が塗布される。次いで、塗布された第1のレジスト液Q1を乾燥することにより、角部Aおよび側面28に、第1のレジスト膜L11を形成する。
ここで、第1のレジスト液Qの中心O1が通過する線分S1の位置は、第1のレジスト液Q1を角部Aに衝突させることができれば特に限定されないが、上述のように、角部Aからz軸方向(第1面27の法線方向)に引いた線分と一致するのが好ましい。これにより、角部Aに衝突した第1のレジスト液Q1の角部A付近に留まる量と、側面28を流下する量とが、それぞれ適当となる。そのため、角部Aおよび側面28に、レジストマスクM3としての機能を十分に果たすことのできる膜厚を有した後述するレジスト膜L1を形成することができる。また、ノズル501の位置が所定位置から若干ずれたり、第1のレジスト液Q1の吐出方向がz軸方向から若干ずれたりしても、そのずれを許容し、高い確率で、第1のレジスト液Q1を角部Aに衝突させることができる。すなわち、角部Aに第1のレジスト液Q1を衝突させやすくすることができる。このことは、後述する第2のレジスト液Q2〜第nのレジスト液Qnについても同様である。
[第2の工程]
次いで、図7(a)に示すように、インクジェットヘッド500(ノズル501)をy軸方向(角部Aの延在方向)に所定距離dずらし、ノズル501から第2のレジスト液Q2をz軸方向に吐出する。吐出された第2のレジスト液Q2は、圧電素子片2への着弾状態にて第1のレジスト膜L11と重なり合う部分を有するように、その中心O2が線分S1に対してy軸方向に所定距離dずれた線分S2上を通過して角部Aに衝突する。なお、吐出された第2のレジスト液Q2の径は、第1のレジスト液Q1の径とほぼ等しく設定されている。
図7(b)、(c)に示すように、角部Aに衝突した第2のレジスト液Q2は、角部Aによりせん断され、その一部が角部Aに留まるとともに、残りの部分が側面28を第1のレジスト膜L11と重なり合いながら流下する。これにより、角部Aおよび側面28に第2のレジスト液Q2が塗布される。次いで、塗布された第2のレジスト液Q2を乾燥することにより、角部Aおよび側面28に、第2のレジスト膜L12を形成する。
[第3の工程]
次いで、図8(a)に示すように、インクジェットヘッド500をy軸方向に所定距離dずらし、ノズル501から第3のレジスト液Q3をz軸方向に吐出する。吐出された第3のレジスト液Q3は、圧電素子片2への着弾状態にて第2のレジスト膜L12と重なり合う部分を有するように、その中心O3が線分S2に対してy軸方向に所定距離dずれた線分S3上を通過して角部Aに衝突する。なお、吐出された第3のレジスト液Q3の径は、第1のレジスト液Q3の径とほぼ等しく設定されている。
図8(b)、(c)に示すように、角部Aに衝突した第3のレジスト液Q3は、角部Aによりせん断され、その一部が角部Aに留まるとともに、残りの部分が側面28を第2のレジスト膜L12と重なり合いながら流下する。これにより、角部Aおよび側面28に第3のレジスト液Q3が塗布される。次いで、塗布された第3のレジスト液Q3を乾燥することにより、角部Aおよび側面28に、第3のレジスト膜L13を形成する。
[第4の工程〜第nの工程]
上述したような、角部Aおよび側面28への第1のレジスト液Q1〜第3のレジスト液Q3の塗布と同様にして、第4のレジスト液〜第nのレジスト液を角部Aおよび側面28に塗布し、乾燥することにより、第4のレジスト膜L14〜第nのレジスト膜Lnを形成する。これにより、図9に示すように、角部Aの全域、および側面28の幅方向(y軸方向)の全域に、レジスト膜L1(第1のレジスト膜L11〜第nのレジスト膜Lnの集合体)を形成することができる。
このようなレジスト液の塗布方法(塗膜形成方法)によれば、角部Aおよび側面28に形成されたレジスト膜L1を、複数のレジスト膜が重なり合った(積層された)構成とすることができる。そのため、角部Aに、レジストマスクM3として十分な膜厚のレジスト膜を形成することができる。したがって、このような方法により形成されたレジスト膜を、前述したように現像・露光して形成されたレジストマスクM3を介して、電極膜4をエッチングする際に、角部A付近にて不本意な電極膜4の除去が発生するのを防止することができる。その結果、電極3の断線、短絡等が防止され、信頼性の高い圧電素子1を製造することができる。
また、上記レジスト液の塗布方法(塗膜形成方法)によれば、y軸方向(角部Aの延在方向)に隣り合うレジスト膜同士が重なり領域を有するため、側面28の幅方向において、不本意な、レジスト液Qが塗布されない領域の発生を防止することができる。
また、上記レジスト液の塗布方法(塗膜形成方法)によれば、第1面27の法線方向から角部Aに衝突するようにレジスト液Qをノズル501から吐出し、角部Aでせん断されたレジスト液Qが側面28を流下することにより、側面28にレジスト液Qを塗布するため、インクジェットヘッド500の姿勢を一定に保ったまま、レジスト液Qを塗布すべき全ての側面28(例えば、腕部22の図6中左側面、右側面、腕部23の図6中左側面、右側面)に、レジスト液Qを簡単かつ確実に塗布することができる。すなわち、上記レジスト液の塗布方法によれば、インクジェットヘッド500の姿勢を一定に保ったまま、法線方向が異なる複数の側面全てに対してレジスト液Qを塗布することができる。そのため、レジスト塗布の簡易化を図ることができる。
ここで、図9に示すように、側面28に各レジスト液Q(第1のレジスト液Q1〜第nのレジスト液)を塗布する際、角部Aでせん断された各レジスト液Qが、側面28の厚さ方向(z軸方向)の中間(図9中の点線I)よりも下側まで流下するのが好ましい。これは、後述するように、圧電素子片2の第1面27側へのレジスト液Qの塗布が終わると、圧電素子片2を上下引っくり返し、第2面29側から側面28にレジスト液Qを塗布するため、側面28のうち少なくとも第1面27側の半分にレジスト液Qを塗布しておけば、これと同じように第2面29側からレジスト液Qを塗布することにより、最終的に、側面28の厚さ方向の全域にレジスト液Qを塗布することができるためである。
なお、レジスト液Qの側面28の流下距離は、後述するようにレジスト液Qの大きさ(径)や粘度によって制御可能であるが、その他、側面28の表面粗さや、レジスト液Qの圧電素子片2上での塗れ性によっても制御可能である。すなわち、前述したような載置台が有するヒーターによって、圧電素子片2の温度を適宜調節することによっても、レジスト液Qが点線Iよりも下側まで流下し、かつ必要以上に流下しないように、その流下距離を制御することができる。
また、ノズル501からの吐出位置がy軸方向に隣り合う一対のレジスト液Qの中心間距離(すなわち、前述した所定距離d)としては、圧電素子2への着弾状態にて、これら一対のレジスト液Qが重なり合う領域(以下、単に「重なり領域」とも言う)を形成することができれば特に限定されないが、レジスト液Qの着弾半径(インク滴が圧電素子上面に当たって広がった状態での半径)より小さい距離であるのが好ましい。これにより、より確実に、重なり領域を形成することができ、角部Aおよび側面28に形成されるレジスト膜L1の膜厚が、レジストマスクM3として機能させるのに十分な厚さとなる。これに対して、所定距離dが、レジスト液Qの着弾半径より大きい場合には、レジスト液Qの径や粘度等にもよるが、重なり領域が小さくなり過ぎたり、形成されなかったりし、レジスト膜L1の膜厚が薄くなり過ぎる場合がある。
また、レジスト液Q(第1のレジスト液Q1〜第nのレジスト液)の直径としては、特に限定されないが、10μm〜30μm程度であるのが好ましい。レジスト液Qの直径をこのような大きさとすることにより、角部Aにレジスト液Qを衝突させやすくなるとともに、角部Aに衝突したレジスト液Qの角部A付近に留まる量と、側面28を流下する量とが、それぞれ適当となる。そのため、角部Aおよび側面28に、レジストマスクM3としての機能を十分に果たすことのできる膜厚を有したレジスト膜L1を形成することができる。
また、レジスト液Q(第1のレジスト液Q1〜第nのレジスト液)の粘度としては、特に限定されないが、1cP〜20cP(0.001Pa・s〜0.02Pa・s)程度であるのが好ましい。これにより、角部Aおよび側面28にレジスト液Qを留めておくことができ(すなわち、レジスト液Qが流下し過ぎるのを抑制することができ)、角部Aおよび側面28に、レジストマスクM3としての機能を十分に果たすことのできる膜厚を有したレジスト膜L1を形成することができる。
以上の工程により、角部Aおよび側面28へのレジスト膜L1の形成を終えると、次いで、圧電素子片2の第1面27にレジスト液Qを塗布し、これを乾燥してレジスト膜L2を形成する。具体的には、図10(a)に示すように、1つまたは複数のノズル孔からレジスト液Qを吐出させながら、インクジェットヘッド500を圧電素子片2の第1面27の上方にてx軸方向およびy軸方向に移動することにより、第1面27の全域にレジスト液Qを着弾させる。このとき、インクジェットヘッド500のノズルプレートが第1面27と平行であるため、各ノズル孔と第1面27との離間距離がそれぞれ等しく、その結果、レジスト液Qを圧電素子片2の第1面27に粗密なく均一に塗布することができる。そして、着弾した各レジスト液Qを乾燥することにより、第1面27上にレジスト膜L2を形成することができる。
なお、第1面27への着弾状態で重なり合う複数のレジスト液Qを塗布する場合には、1滴目のレジスト液Qを第1面27へ着弾させ当該レジスト液Qを乾燥させた後に、2滴目のレジスト液Qを乾燥した1滴目のレジスト液Qと重なるように第1面27へ着弾させてもよいし、1滴目のレジスト液Qが第1面27上で乾燥しないうちに、2滴目のレジスト液Qを1滴目のレジスト液Qと重なるように第1面27へ着弾させてもよい。また、複数のレジスト液Qを同時に第1面27に着弾させてもよい。
ここで、当該工程(第1面27にレジスト液Qを塗布する工程)では、第1面27とともに、上側凹部221、231の内面にもレジスト液Qを塗布する必要があるが、この上側凹部221、231の内面へのレジスト液Qの塗布は、例えば、上側凹部221、231内をレジスト液Qで満たすことにより行ってもよいし、前述した角部Aおよび側面28へのレジスト液Qの塗布と同様の方法により行ってもよい。なお、図10(a)では、前者の方法によるものが図示されている。
以上の工程により、圧電素子片2の第1面27側へのレジスト膜L2の形成を終えると、次いで、圧電素子片2の第2面29および側面28の第2面29側にレジスト液Qを塗布し、これを乾燥してレジスト膜L3、L4を形成する。具体的には、まず、圧電素子片2の上下を引っくり返す。次いで、図10(b)に示すように、角部Aおよび側面28にレジスト膜L3を形成する。これにより、図11に示すように、レジスト膜L3が、本工程に先立って側面28の第1面27側に形成されたレジスト膜L1と一体化し(一部が重なり合い)、側面28の厚さ方向(z軸方向)全域にレジスト膜が形成される。本工程は、前述のレジスト膜L1を形成する工程と同様であるため、その説明を省略する。
次いで、図10(c)に示すように、圧電素子片2の第2面29にレジスト液Qを塗布し、乾燥することでレジスト膜L4を形成する。当該工程は、前述した第1面27にレジスト膜L2を形成する工程と同様であるため、その説明省略する。
以上の工程により、圧電素子片2の表面のうち、レジスト膜を形成する必要のある領域の全域(すなわち、圧電素子片2の又部24を除く全域)に、レジスト膜を形成することができる。そして、このレジスト膜を前述したように第1の電極31および第2の電極32のパターン形状に露光・現像することにより、第1、第2の電極31、32の外形パターンをしたレジストマスクM3を形成することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の塗膜形成方法を備えた圧電素子の製造方法(本願発明の圧電素子の製造方法)の第2実施形態について説明する。
図12ないし図14は、それぞれ、本発明の第2実施形態に係る塗膜形成方法を示す平面図である。
以下、第2実施形態の圧電素子の製造方法について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態にかかる圧電素子の製造方法では、角部および側面にレジスト液を塗布する方法(本発明の塗膜形成方法)が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態の角部および側面にレジスト液を塗布する方法(本発明の塗膜形成方法)は、以下の通りである。
[第1の工程]
まず、図12(a)に示すように、互いにy軸方向に離間する2つのノズル孔501、502から第1のレジスト液Q1a、Q1bをほぼ同時にz軸方向に吐出し、これら第1のレジスト液Q1a、Q1bを角部Aに衝突させる。図12(b)に示すように、第1のレジスト液Q1a、Q1bは、圧電素子片2への着弾状態にて、互いに重ならないように十分に離間している。
図12(c)に示すように、角部Aに衝突した第1のレジスト液Q1a、Q1bは、それぞれ、角部Aによりせん断され、その一部が角部Aに留まるとともに、残りの部分が側面28を伝って流下する。これにより、角部Aおよび側面28に第1のレジスト液Q1a、Q1bが塗布される。次いで、塗布された第1のレジスト液Q1a、Q1bを乾燥することにより、角部Aおよび側面28に、互いに離間した第1のレジスト膜L11a、L11bを形成する。
[第2の工程]
次いで、図13(a)に示すように、インクジェットヘッド500をy軸方向に所定距離dずらし、ノズル501、502から第2のレジスト液Q2a、Q2bをほぼ同時にz軸方向に吐出する。図13(b)に示すように、吐出された第2のレジスト液Q2aは、圧電素子片2への着弾状態にて、第1のレジスト膜L11aと重なり合う部分を有するように角部Aに衝突し、これと同様に、第2のレジスト液Q2bは、圧電素子片2への着弾状態にて、第1のレジスト膜L11bと重なり合う部分を有するように角部Aに衝突する。
図13(c)に示すように、角部Aに衝突した第2のレジスト液Q2aは、角部Aによりせん断され、その一部が角部Aに留まるとともに、残りの部分が側面28を第1のレジスト膜L11aと重なり合いながら流下する。一方、角部Aに衝突した第2のレジスト液Q2bも、角部Aによりせん断され、その一部が角部Aに留まるとともに、残りの部分が側面28を第1のレジスト膜L11bと重なり合いながら流下する。これにより、角部Aおよび側面28に第2のレジスト液Q2a、Q2bが塗布される。次いで、塗布された第2のレジスト液Q2a、Q2bを乾燥することにより、角部Aおよび側面28に、互いに離間した第2のレジスト膜L12a、L12bを形成する。
[第3の工程〜第nの工程]
上述したような、角部Aおよび側面28への第1のレジスト液Q1a、Q1bおよび第2のレジスト液Q2a、Q2bの塗布と同様にして、第3のレジスト液〜第nのレジスト液を角部Aおよび側面28に塗布し、乾燥することにより、第3のレジスト膜L13a、L13b〜第nのレジスト膜Lna、Lnbを形成する。これにより、図14に示すように、角部Aの全域、および側面28の幅方向(y軸方向)の全域に形成されたレジスト膜L1を得ることができる。
このように、第1のレジスト液Q1〜第nのレジスト液Qnをそれぞれ、複数吐出することにより、角部Aおよび側面28へのレジスト液の塗布に要する時間(処理時間)を短くしつつ、角部Aおよび側面28に、レジストマスクM3としての機能を十分に果たすことのできる膜厚を有したレジスト膜L1を形成することができる。
なお、本実施形態では、第1のレジスト液Q1を2滴同時に吐出する構成について説明したが、これに限定されず、第1のレジスト液Q1を3滴以上同時に吐出してもよい。また、複数の第1のレジスト液の吐出タイミングがそれぞれ異なっていてもよい。これは、第2のレジスト液Q2〜第nのレジスト液Qnについても同様である。
以上のような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明の塗膜形成方法および圧電素子の製造方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、液滴としてレジスト膜を形成するためのレジスト液を用いた構成について説明したが、液滴としてはこれに限定されず、例えば、絶縁膜を形成するための絶縁性の液滴や、電極膜や配線膜を形成する導電性の液滴であってもよい。
また、前述した実施形態では、被塗布物として、圧電材料で構成された圧電体基板を用いた構成について説明したが、被塗布物としては、これに限定されず、例えば、各種樹脂材料で構成された樹脂基板(合成樹脂基板)や、Au、Ag、Cu、Fe等の各種金属材料で構成された金属基板や、各種セラミックスで構成されたセラミックス基板や、シリコン基板等の半導体基板や、石英ガラス等の各種ガラス材料で構成されたガラス基板、サファイア基板、ダイヤモンド基板等であってもよい。
また、圧電素子片の形状としては、2本の腕部を有する音叉型のものについて説明したが、これに限定されず、例えば、ジャイロセンサ等に用いられる6本の腕部を有する「王」型をなすものであってもよい。
1……圧電素子 2……圧電素子片 21……基部 22、23……腕部 221、231……上側凹部 222、232……下側凹部 24……又部 27……第1面 28……側面 29……第2面 3……電極 31……第1の電極 311、321……端子 312、322……側面電極 313、323……上側凹部電極 314、324……下側凹部電極 32……第2の電極 4……電極膜 500……インクジェットヘッド 501、502……ノズル孔 100……水晶ウエハ Cr……クロム層 Au……金層 M1、M2、M3……レジストマスク L1〜L4……レジスト膜 L11、L11a、L11b……第1のレジスト膜 L12、L12a、L12b……第2のレジスト膜 L13、L13a、L13b……第3のレジスト膜 L14……第4のレジスト膜 Ln、Lna、Lnb……第nのレジスト膜 O1〜O3……中心 Q……レジスト液 Q1、Q1a、Q1b……第1のレジスト液 Q2、Q2a、Q2b……第2のレジスト液 Q3……第3のレジスト液 S1〜S3……線分

Claims (10)

  1. 上面、側面およびこれらが交差する角部を有する被塗布物に対して、吐出法により液滴をノズルから吐出し、前記被塗布物に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
    第1の液滴を前記上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記第1の液滴を前記側面に流下する第1の工程と、
    前記第1の液滴が乾燥した後に、前記第1の液滴の前記被塗布物の着弾位置に対して前記角部の延在方向にずれた位置から、第2の液滴を前記上面の法線方向から前記角部に衝突するとともに、前記被塗布物への着弾状態にて前記第1の液滴と重なるように前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記第2の液滴を前記側面に流下する第2の工程とを有することを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 前記第1の工程では、前記角部でせん断された前記第1の液滴を、前記側面の前記被塗布物の厚さ方向の中間点よりも下側まで流下させ、前記第2の工程では、前記角部でせん断された前記第2の液滴を、前記側面の前記被塗布物の厚さ方向の中間点よりも下側まで流下させる請求項1に記載の塗膜形成方法。
  3. 前記第1の工程では、前記角部から前記上面の法線方向に引いた線分上を前記第1の液滴の中心が通過するように、前記第1の液滴を前記ノズルから吐出し、前記第2の工程では、前記角部から前記上面の法線方向に引いた線分上を前記第2の液滴の中心が通過するように、前記第2の液滴を前記ノズルから吐出する請求項1または2に記載の塗膜形成方法。
  4. 前記第1の工程では、複数の前記第1の液滴を前記被塗布物への着弾状態にて互いに重ならないように前記ノズルから吐出し、前記第2の工程では、複数の前記第2の液滴を前記被塗布物への着弾状態にて互いに重ならないように前記ノズルから吐出する請求項1ないし3のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  5. 前記液滴の径は、10μm〜30μmである請求項1ないし4のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  6. 前記液滴の粘度は、1cP〜20cPである請求項1ないし5のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  7. 前記被塗布物は、圧電体材料で構成された圧電素子片である請求項1ないし6のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  8. 前記液滴は、レジスト液である請求項1ないし7のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  9. 上面、側面およびこれらが交差する角部を有する圧電素子片の表面に電極を形成することにより圧電素子を形成する圧電素子の製造方法であって、
    前記圧電素子片の表面に前記電極形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
    前記金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
    前記レジストマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記電極を形成する電極形成工程とを有し、
    前記レジストマスク形成工程では、第1のレジスト液を前記上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記第1のレジスト液が前記側面を流下した後に前記第1のレジスト液を乾燥し、その後、前記第1のレジスト液の前記圧電素子片の着弾位置に対して前記角部の延在方向にずれた位置から、第2のレジスト液を前記上面の法線方向から前記角部に衝突するとともに、前記圧電素子片への着弾状態にて前記第1のレジスト液と重なるように前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記第2のレジスト液が前記側面を流下することにより、前記側面にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、その後、前記レジスト膜に露光および現像を行うことにより前記レジストマスクを形成することを特徴とする圧電素子の製造方法。
  10. 前記圧電素子片は、基部と、基部から互いに平行に突出した少なくとも一対の腕部を有し、前記レジストマスク形成工程では、前記圧電素子片の側面のうち前記一対の腕部の付け根部分の又部には、前記レジスト液を塗布しない請求項9に記載の圧電素子の製造方法。
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