JP2010214340A - 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 - Google Patents
塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010214340A JP2010214340A JP2009067080A JP2009067080A JP2010214340A JP 2010214340 A JP2010214340 A JP 2010214340A JP 2009067080 A JP2009067080 A JP 2009067080A JP 2009067080 A JP2009067080 A JP 2009067080A JP 2010214340 A JP2010214340 A JP 2010214340A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piezoelectric element
- resist
- forming
- element piece
- resist solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Abstract
【課題】被塗布物への液滴塗布工程を簡易化するとともに、被塗布物上に所望の塗膜を形成することのできる塗膜形成方法、およびこの塗膜形成方法を用いることにより、信頼性の高い圧電素子を簡単に製造することのできる圧電素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】上面27、側面28およびこれらが交差する角部Aを有する圧電素子片2に対して、吐出法によりレジスト液Qをインクジェットヘッド500から吐出し、圧電素子片2に塗膜(レジスト膜)を形成する塗膜形成方法であって、上面27の法線方向(z軸方向)から角部Aに衝突するようにレジスト液Qを吐出し、角部Aでせん断されたレジスト液Qが側面28を流下することにより、側面28にレジスト膜を形成する。
【選択図】図6
【解決手段】上面27、側面28およびこれらが交差する角部Aを有する圧電素子片2に対して、吐出法によりレジスト液Qをインクジェットヘッド500から吐出し、圧電素子片2に塗膜(レジスト膜)を形成する塗膜形成方法であって、上面27の法線方向(z軸方向)から角部Aに衝突するようにレジスト液Qを吐出し、角部Aでせん断されたレジスト液Qが側面28を流下することにより、側面28にレジスト膜を形成する。
【選択図】図6
Description
本発明は、塗膜形成方法および圧電素子の製造方法に関する。
従来から、水晶等の圧電体材料で構成された圧電基板の表面に電極を形成する方法として次のような方法が知られている。すなわち、まず、圧電基板上に電極を形成するための金属膜をスパッタリング法により形成する。次いで、金属膜上にレジスト(フォトレジスト)を塗布し、電極の形状にパターニング(露光・現像)することによりレジストマスクを形成する。そして、レジストマスクを介して金属膜をエッチングした後、レジストマスクを除去することにより圧電基板上に電極を形成する。
また、金属膜上にレジストを塗布する方法(塗膜を形成する方法)として、インクジェットを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のレジスト塗布方法では、レジスト液の吐出方向が圧電基板の上面に垂直な方向から所定側面側に傾いた方向に設定されており、これにより、圧電基板の上面にレジスト液を塗布するともに、所定条件にある側面にもレジスト液を塗布することができる。
しかしながら、このような特許文献1のレジスト塗布方法では、前記所定条件にある側面以外の側面(所定条件にある側面とは、法線方向が異なる側面)にもレジスト液を塗布する場合には、圧電基板を回転させて配置を変更するか、ヘッドの傾き方向を変更することによりレジストの吐出方向を変更しなければならず、レジスト塗布工程の多工程化および煩雑化を招いてしまう。
また、インクジェットヘッドは、通常、複数のノズル列を有するため、特許文献1のレジスト塗布方法では、圧電基板の上面に垂直な方向に対するレジスト液の吐出方向の傾きによって、ノズル列ごとの圧電基板の上面に着弾したレジスト液同士の離間距離が変化したり、レジスト液の吐出距離(ヘッドから上面までの軌道距離)が変化したりする。そのため、不本意に、圧電基板上にレジスト液が塗布されない部分が発生したり、レジスト液が塗布されていてもその膜厚が少ない部分が発生したりする。その結果、ピンホールが発生し、ピンホールが発生した個所において不本意な金属膜の除去が行われ、短絡や断線が発生する。
本発明の目的は、被塗布物への液滴の塗布工程を簡易化するとともに、被塗布物に所望の塗膜を形成することのできる塗膜形成方法、およびこの塗膜形成方法を用いることにより、信頼性の高い圧電素子を簡単に製造することのできる圧電素子の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の塗膜形成方法は、上面、側面およびこれらが交差する角部を有する被塗布物に対して、吐出法により液滴をノズルから吐出し、前記被塗布物に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
前記上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記液滴を前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記液滴が前記側面を流下することにより、前記側面に前記塗膜を形成することを特徴とする。
これにより、簡単かつ確実に、被塗布物の側面に適当な厚さの塗膜を形成することができる。また、液滴の吐出方向を一定に保ったままで、全ての側面に対して液滴を塗布することができるため、液滴の塗布工程の簡易化を図ることができる。
本発明の塗膜形成方法は、上面、側面およびこれらが交差する角部を有する被塗布物に対して、吐出法により液滴をノズルから吐出し、前記被塗布物に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
前記上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記液滴を前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記液滴が前記側面を流下することにより、前記側面に前記塗膜を形成することを特徴とする。
これにより、簡単かつ確実に、被塗布物の側面に適当な厚さの塗膜を形成することができる。また、液滴の吐出方向を一定に保ったままで、全ての側面に対して液滴を塗布することができるため、液滴の塗布工程の簡易化を図ることができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記角部から前記上面の法線方向に引いた線分上を前記液滴の中心が通過するように、前記液滴を前記ノズルから吐出することが好ましい。
これにより、吐出した液滴をより確実に角部に衝突させることができるとともに、適量を側面に塗布することができる。また、液滴の吐出方向が何らかの原因で被塗布物上面の法線方向から若干ずれても、高い確率で、液滴を角部に衝突させることができる。そのため、被塗布物の側面に簡単かつ確実に液滴を塗布することができる。
これにより、吐出した液滴をより確実に角部に衝突させることができるとともに、適量を側面に塗布することができる。また、液滴の吐出方向が何らかの原因で被塗布物上面の法線方向から若干ずれても、高い確率で、液滴を角部に衝突させることができる。そのため、被塗布物の側面に簡単かつ確実に液滴を塗布することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記液滴の径は、10μm〜50μmであることが好ましい。
これにより、被塗布物の角部に液滴を衝突させやすくなるとともに、衝突後に被塗布物の側面を流下するレジスト液の量が適当となる。そのため、被塗布物の側面に適当な(薄すぎず、厚すぎない)膜厚の塗膜を形成することができる。
これにより、被塗布物の角部に液滴を衝突させやすくなるとともに、衝突後に被塗布物の側面を流下するレジスト液の量が適当となる。そのため、被塗布物の側面に適当な(薄すぎず、厚すぎない)膜厚の塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記液滴の粘度は、1cP〜20cPであることが好ましい。
これにより、被塗布物の側面に液滴を留めておくことができ(被塗布物側面から液滴の大半が流れ落ちるのを防止することができ)、被塗布物の側面に適当な膜厚の塗膜を形成することができる。
これにより、被塗布物の側面に液滴を留めておくことができ(被塗布物側面から液滴の大半が流れ落ちるのを防止することができ)、被塗布物の側面に適当な膜厚の塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記被塗布物は、圧電体材料で構成された圧電素子片であることが好ましい。
これにより、例えば、圧電素子片上に所望の形状の電極を形成する際に用いるレジストマスクを形成するためのレジスト膜を簡単に形成することができる。そのため、圧電素子片上に電極が形成されてなる圧電素子を簡単に製造することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記液滴は、レジスト液であることが好ましい。
これにより、例えば、圧電素子片上に所望の形状の電極を形成する際に用いるレジストマスクを形成するためのレジスト膜を簡単に形成することができる。そのため、圧電素子片上に電極が形成されてなる圧電素子を簡単に製造することができる。
これにより、例えば、圧電素子片上に所望の形状の電極を形成する際に用いるレジストマスクを形成するためのレジスト膜を簡単に形成することができる。そのため、圧電素子片上に電極が形成されてなる圧電素子を簡単に製造することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記液滴は、レジスト液であることが好ましい。
これにより、例えば、圧電素子片上に所望の形状の電極を形成する際に用いるレジストマスクを形成するためのレジスト膜を簡単に形成することができる。そのため、圧電素子片上に電極が形成されてなる圧電素子を簡単に製造することができる。
本発明の圧電素子の製造方法は、上面、側面およびこれらが交差する角部を有する圧電素子片の表面に電極を形成することにより圧電素子を形成する圧電素子の製造方法であって、
前記圧電素子片の表面に前記電極形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
前記金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
前記レジストマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記電極を形成する電極形成工程とを有し、
前記レジストマスク形成工程では、前記圧電素子片の側面にレジスト液を塗布する際には、前記圧電素子片の上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記レジスト液をノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記レジスト液が前記側面を流下することにより前記側面に前記レジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、その後、前記側面に形成された前記レジスト膜に露光および現像を行うことにより前記レジストマスクを形成することを特徴とする。
これにより、液滴の吐出方向を一定に保ったままで、レジスト液を塗布する必要のある全ての領域(上面、下面および側面)に対してレジスト液を塗布することができるため、レジストマスク形成工程の簡易化を図ることができる。そのため、圧電素子の製造方法の簡易化を図ることができる。
前記圧電素子片の表面に前記電極形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
前記金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
前記レジストマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記電極を形成する電極形成工程とを有し、
前記レジストマスク形成工程では、前記圧電素子片の側面にレジスト液を塗布する際には、前記圧電素子片の上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記レジスト液をノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記レジスト液が前記側面を流下することにより前記側面に前記レジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、その後、前記側面に形成された前記レジスト膜に露光および現像を行うことにより前記レジストマスクを形成することを特徴とする。
これにより、液滴の吐出方向を一定に保ったままで、レジスト液を塗布する必要のある全ての領域(上面、下面および側面)に対してレジスト液を塗布することができるため、レジストマスク形成工程の簡易化を図ることができる。そのため、圧電素子の製造方法の簡易化を図ることができる。
本発明の圧電素子の製造方法では、前記圧電素子片は、基部と、基部から互いに平行に突出した少なくとも一対の腕部を有し、前記レジストマスク形成工程では、前記圧電素子片の側面のうち前記一対の腕部の付け根部分の又部には、前記レジスト液を塗布しないことが好ましい。
これにより、レジスト液の使用量を低減することができる。また、又部にレジスト液を塗布しないため、又部に対する露光・現像等の工程を省略することができ、圧電素子の製造工程を簡易化することができる。
これにより、レジスト液の使用量を低減することができる。また、又部にレジスト液を塗布しないため、又部に対する露光・現像等の工程を省略することができ、圧電素子の製造工程を簡易化することができる。
以下、本発明の塗膜形成方法および圧電素子の製造方法を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の圧電素子の製造方法により製造される圧電素子を示す斜視図、図2は、図1に示す圧電素子の断面図(A−A線断面図)、図3ないし図5は、それぞれ、図1に示す圧電素子の製造方法(本発明の圧電素子の製造方法)を示す断面図、図6および図7は、それぞれ、レジストマスク形成工程中のレジスト液を圧電素子片に塗布する方法(本発明の塗膜形成方法)を説明する断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1〜図7の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1は、本発明の圧電素子の製造方法により製造される圧電素子を示す斜視図、図2は、図1に示す圧電素子の断面図(A−A線断面図)、図3ないし図5は、それぞれ、図1に示す圧電素子の製造方法(本発明の圧電素子の製造方法)を示す断面図、図6および図7は、それぞれ、レジストマスク形成工程中のレジスト液を圧電素子片に塗布する方法(本発明の塗膜形成方法)を説明する断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1〜図7の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1に示す圧電素子(振動子)1は、圧電素子片(振動片)2と、圧電素子片2上に形成された電極3とで構成されている。
圧電素子片2は、音叉型の平面視形状を有する薄板状をなしている。すなわち、圧電素子片2は、上面と、下面と、側面と、上面および側面とが交差する上側角部と、下面および側面とが交差する下側角部とを有している。
圧電素子片2は、音叉型の平面視形状を有する薄板状をなしている。すなわち、圧電素子片2は、上面と、下面と、側面と、上面および側面とが交差する上側角部と、下面および側面とが交差する下側角部とを有している。
具体的には、圧電素子片2は、基部21と、基部21から突出し同一方向に延在する一対の腕部22、23を有している。また、図2に示すように、腕部22には、上面に開放する上側凹部221と、下面に開放する下側凹部222とが形成されている。同様に、腕部23にも、上面に開放する上側凹部231と、下面に開放する下側凹部232とが形成されている。これら凹部221〜232は、それぞれ、腕部22、23の延在方向に沿って延在している。また、凹部221〜232は、互いにほぼ等しい形状(長さ、幅、深さ、開口形状、横断面形状、縦断面形状等)を有している。
このような圧電素子片2の構成材料としては、例えば、水晶、酸化亜鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、四硼酸リチウム等が挙げられる。これらの中でも、圧電素子片2の構成材料として水晶を用いることにより、振動特性および温度特性等の優れる圧電素子1が得られる。
このような圧電素子片2の構成材料としては、例えば、水晶、酸化亜鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、四硼酸リチウム等が挙げられる。これらの中でも、圧電素子片2の構成材料として水晶を用いることにより、振動特性および温度特性等の優れる圧電素子1が得られる。
図1に示すように、電極3は、互いに絶縁された第1の電極31および第2の電極32を有している。第1の電極31は、基部21の上面に形成された端子311と、腕部22の側面にその側面を囲むように形成された側面電極312と、腕部23の上側凹部231に形成された上側凹部電極313と、腕部23の下側凹部232に形成された下側凹部電極314とを有している。側面電極312は、基部21の側面に形成された配線を介して端子311に接続されており、上側凹部電極313は、基部21の上面に形成された配線を介して側面電極312に接続されており、下側凹部電極314は、基部21の下面に形成された配線を介して側面電極312に接続されている。
このような第1の電極31とは対称的に、第2の電極32は、基部21の上面に形成された端子321と、腕部23の側面にその側面を囲むように形成された側面電極322と、腕部22の上側凹部221に設けられた上側凹部電極323と、腕部22の下側凹部222に設けられた下側凹部電極324とを有している。また、側面電極322、上側凹部電極323および下側凹部電極324は、それぞれ、配線を介して端子321に接続されている。
このような構成の圧電素子1は、基部21を固定した状態にて、第1の電極31および第2の電極32にそれぞれ交流電圧を印加することにより、腕部22、23を所定の周波数で振動させたり、反対に、腕部22、23の振動により発生する起電力を第1の電極31および第2の電極32により検知したりするのに使用される。
このような構成の圧電素子1は、基部21を固定した状態にて、第1の電極31および第2の電極32にそれぞれ交流電圧を印加することにより、腕部22、23を所定の周波数で振動させたり、反対に、腕部22、23の振動により発生する起電力を第1の電極31および第2の電極32により検知したりするのに使用される。
次いで、圧電素子1の製造方法(本発明の圧電素子の製造方法)について図3ないし図5に基づいて説明する。なお、図3〜図5は、それぞれ、図1のA−A線断面図を示している。
圧電素子1の製造方法は、圧電素子片(被塗布物)2を用意する圧電素子片用意工程と、圧電素子片2の表面に電極3形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、レジストマスクを用いて金属膜をパターニングし、電極3を形成する電極形成工程とを有している。以下、これら各工程について詳細に説明する。
圧電素子1の製造方法は、圧電素子片(被塗布物)2を用意する圧電素子片用意工程と、圧電素子片2の表面に電極3形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、レジストマスクを用いて金属膜をパターニングし、電極3を形成する電極形成工程とを有している。以下、これら各工程について詳細に説明する。
[圧電素子片用意工程]
まず、図3(a)に示すように、ソーワイヤ等により切り出した後、研磨加工および洗浄を行った薄板状(例えば、厚さが50μm〜200μm程度)の水晶ウエハ100を用意し、この水晶ウエハ100の上面に、クロム層Crおよび金層Auをこの順で例えばスパッタ法により形成する。次いで、金層Au表面にレジストを塗布した後、このレジストを音叉形状のパターンに露光・現像し、音叉形状のレジストマスクM1を形成する。
まず、図3(a)に示すように、ソーワイヤ等により切り出した後、研磨加工および洗浄を行った薄板状(例えば、厚さが50μm〜200μm程度)の水晶ウエハ100を用意し、この水晶ウエハ100の上面に、クロム層Crおよび金層Auをこの順で例えばスパッタ法により形成する。次いで、金層Au表面にレジストを塗布した後、このレジストを音叉形状のパターンに露光・現像し、音叉形状のレジストマスクM1を形成する。
次いで、図3(b)に示すように、レジストマスクM1を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチング(ウェットエッチング、ドライエッチング等の各種エッチング。以下同様である)し、これら層をレジストマスクM1同様、音叉形状にパターニングする。次いで、図3(c)に示すように、金層Auおよびクロム層Crをマスクとして、水晶ウエハ100をエッチングする。これにより、音叉型の平面視形状を有する、すなわち基部21および一対の腕部22、23を有する水晶ウエハ100が得られる。
次いで、図3(d)に示すように、レジストマスクM1を除去した後、再度、金層Auの表面にレジストを塗布し、このレジストを、上側凹部221、231の開口パターンに露光・現像し、上側凹部221、231の形状に対応するレジストマスクM2を形成する。
次いで、図3(d)に示すように、レジストマスクM1を除去した後、再度、金層Auの表面にレジストを塗布し、このレジストを、上側凹部221、231の開口パターンに露光・現像し、上側凹部221、231の形状に対応するレジストマスクM2を形成する。
次いで、図4(a)に示すように、レジストマスクM2を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチングし、さらに、金層Auおよびクロム層Crをマスクとして、水晶ウエハ100をハーフエッチングする。これにより、水晶ウエハ100の上面に開放する上側凹部221、231が形成される。
次いで、図4(b)に示すように、上側凹部221、231の形成と同様の方法で、下側凹部222、232を形成する。すなわち、水晶ウエハ100の下面にクロム層Crおよび金層Auを形成した後、金層Auの表面に下側凹部222、232に対応するパターンを有するレジストマスクを形成し、そのレジストマスクを介して水晶ウエハ100をハーフエッチングする。これにより、水晶ウエハ100の下面に開放する下側凹部222、232が形成される。なお、下側凹部222、232の形成は、上側凹部221、231の形成と同時に行ってもよいし、上側凹部221、231の形成に先立って行ってもよい。
次いで、図4(c)に示すように、水晶ウエハ100上に形成された全ての膜(レジストマスクM2、クロム層Crおよび金層Au)を除去する。以上の工程により、基部21、腕部22、23、上側凹部221、231および下側凹部222、232を有する圧電素子片2が得られる。
次いで、図4(b)に示すように、上側凹部221、231の形成と同様の方法で、下側凹部222、232を形成する。すなわち、水晶ウエハ100の下面にクロム層Crおよび金層Auを形成した後、金層Auの表面に下側凹部222、232に対応するパターンを有するレジストマスクを形成し、そのレジストマスクを介して水晶ウエハ100をハーフエッチングする。これにより、水晶ウエハ100の下面に開放する下側凹部222、232が形成される。なお、下側凹部222、232の形成は、上側凹部221、231の形成と同時に行ってもよいし、上側凹部221、231の形成に先立って行ってもよい。
次いで、図4(c)に示すように、水晶ウエハ100上に形成された全ての膜(レジストマスクM2、クロム層Crおよび金層Au)を除去する。以上の工程により、基部21、腕部22、23、上側凹部221、231および下側凹部222、232を有する圧電素子片2が得られる。
[金属膜形成工程]
図5(a)に示すように、圧電素子片2の表面(上面、下面および側面)に、電極3(第1の電極31および第2の電極32)を形成するためのクロム層Crおよび金層Auをスパッタ法により形成する。
図5(a)に示すように、圧電素子片2の表面(上面、下面および側面)に、電極3(第1の電極31および第2の電極32)を形成するためのクロム層Crおよび金層Auをスパッタ法により形成する。
[レジストマスク形成工程]
図5(b)に示すように、後述するインクジェット法(吐出法)により金層Auの表面にレジスト液を塗布し、これを乾燥することによりレジスト膜を形成する。その後、このレジスト膜を第1電極31および第2電極32のパターン形状に露光・現像することにより、第1の電極31および第2の電極32の外形パターンをしたレジストマスクM3を形成する。
図5(b)に示すように、後述するインクジェット法(吐出法)により金層Auの表面にレジスト液を塗布し、これを乾燥することによりレジスト膜を形成する。その後、このレジスト膜を第1電極31および第2電極32のパターン形状に露光・現像することにより、第1の電極31および第2の電極32の外形パターンをしたレジストマスクM3を形成する。
なお、図5(b)に示すように、本工程では、腕部22、23のつけ根部分に挟まれた又部24にはレジスト液を塗布しない。ここで、図1に示すように、圧電素子1では、第1の電極31の側面電極312と第2の電極32の側面電極322とを絶縁(分離)するために、又部24には電極3が形成されていない。すなわち、又部24に形成されたクロム層Crおよび金層Auを除去する必要がある。そのため、クロム層Crおよび金層Auを除去する必要がある又部24へのレジスト液の塗布を省略することにより、レジスト液の使用量を低減することができる。また、又部24にレジスト液を塗布しないのであるから、又部24に対する露光・現像等の工程を省略することができ、圧電素子1の製造工程を簡易化することができる。
[電極形成工程]
図5(c)に示すように、レジストマスクM3を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチングし、これら層を第1、第2の電極31、32の形状にパターニングする。エッチング終了後、レジストマスクM3を除去する。これにより、クロム層Crと金層Auが積層して構成された第1の電極31および第2の電極32が得られる。なお、第1の電極31と第2の電極32との短絡を防止するために、第1の電極31および第2の電極32を覆うように圧電素子片2の表面に表面保護膜を形成してもよい。
以上の工程により、圧電素子1が製造される。
図5(c)に示すように、レジストマスクM3を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチングし、これら層を第1、第2の電極31、32の形状にパターニングする。エッチング終了後、レジストマスクM3を除去する。これにより、クロム層Crと金層Auが積層して構成された第1の電極31および第2の電極32が得られる。なお、第1の電極31と第2の電極32との短絡を防止するために、第1の電極31および第2の電極32を覆うように圧電素子片2の表面に表面保護膜を形成してもよい。
以上の工程により、圧電素子1が製造される。
なお、このようにして、圧電素子1が製造された後、圧電素子1の周波数調整を行ってもよい。この調整方法としては、例えば、前述した金属膜形成工程にて、圧電素子片2の表面に形成したクロム層Crおよび金層Auを用いて、腕部22、23の先端部分(第1、第2の電極31、32のパターン形状に重ならない領域)に錘部材を形成し、当該錘部材の一部または全部を、レーザートリミングにより除去して、腕部22、23の質量を減少させることにより(質量削減方式により)、圧電素子1の周波数調整を行う方法が挙げられる。
[レジスト液の塗布方法(レジスト膜の形成方法)]
次いで、前述したレジストマスク形成工程における、金層Au表面へのレジスト液の塗布方法(本発明の塗膜形成方法)を図6および図7に基づいて詳細に説明する。なお、以下では、図6および図7に示すように、互いに直交する3つの軸をx軸、y軸およびz軸とし、圧電素子片2の上面に平行な平面をxy平面とする。また、図6、図7では、説明の便宜上、クロム層Crおよび金層Auの積層構造を、単に一層構造の「電極膜4」として図示する。また、以下では、説明の便宜上、圧電素子片2の表面に電極膜4が形成されているものを単に「圧電素子片2」とも言う。
次いで、前述したレジストマスク形成工程における、金層Au表面へのレジスト液の塗布方法(本発明の塗膜形成方法)を図6および図7に基づいて詳細に説明する。なお、以下では、図6および図7に示すように、互いに直交する3つの軸をx軸、y軸およびz軸とし、圧電素子片2の上面に平行な平面をxy平面とする。また、図6、図7では、説明の便宜上、クロム層Crおよび金層Auの積層構造を、単に一層構造の「電極膜4」として図示する。また、以下では、説明の便宜上、圧電素子片2の表面に電極膜4が形成されているものを単に「圧電素子片2」とも言う。
圧電素子片2の表面へのレジスト液の塗布は、インクジェットヘッド500からレジスト液(液滴)Qを吐出し、圧電素子片2の表面に着弾させることにより行われる。
インクジェットヘッド500としては、インクジェットプリンター等で使用されるものとほぼ同様の構成のものを用いることができる。インクジェットヘッド500の構成について簡単に説明すれば、インクジェットヘッド500は、例えば、複数(例えば、2列50行)のノズル孔(ノズル)が形成されたノズルプレートと、各ノズル孔に1対1の関係で連通する複数のインク室と、各インク室を収縮・膨張させる複数のピエゾ素子とを有しており、ピエゾ素子の駆動によりインク室が収縮・膨張すると、その内容量の変化に基づいて、そのインク室に充填されたレジスト液が、ノズル孔から液滴として前記ノズルプレートの法線方向へ吐出するように構成されている。
インクジェットヘッド500としては、インクジェットプリンター等で使用されるものとほぼ同様の構成のものを用いることができる。インクジェットヘッド500の構成について簡単に説明すれば、インクジェットヘッド500は、例えば、複数(例えば、2列50行)のノズル孔(ノズル)が形成されたノズルプレートと、各ノズル孔に1対1の関係で連通する複数のインク室と、各インク室を収縮・膨張させる複数のピエゾ素子とを有しており、ピエゾ素子の駆動によりインク室が収縮・膨張すると、その内容量の変化に基づいて、そのインク室に充填されたレジスト液が、ノズル孔から液滴として前記ノズルプレートの法線方向へ吐出するように構成されている。
まず、圧電素子片2を、上側凹部221、231が開放する側の面(以下「第1面27」とも言う)が上側に位置するように、図示しない載置台に載置する。この図示しない載置台は、例えばヒーター等の加熱手段を備えており、載置された圧電素子片2を加熱することが可能である。このような載置台によって圧電素子片2を加熱しながら(所定温度に保ちながら)レジスト液Qを圧電素子片2表面に着弾させることにより、圧電素子片2に着弾したレジスト液Qを迅速に乾燥することができる。例えば、圧電素子片2の温度を適宜調節することにより、レジスト液Qが圧電素子片2に着弾してから乾燥するまでの時間を制御することもできる。
次いで、圧電素子片2の第1面27(上面)とインクジェットヘッド500とを対向させるとともに、インクジェットヘッド500の姿勢を、ノズルプレートと圧電素子片2の第1面27とが略平行となるように設定する。これにより、インクジェットヘッド500から吐出されるレジスト液Qの吐出方向は、圧電素子片2の第1面27の法線方向、すなわちz軸方向と一致する。
このときのインクジェットヘッド500のノズルプレート(ノズル孔)と第1面27との離間距離は、特に限定されないが、0.5mm〜2mm程度であるのが好ましい。このような範囲とすることにより、インクジェットヘッド500と圧電素子片2との接触を防止しつつ、ノズル孔から吐出したレジスト液Qを第1面27の所望位置に高精度に着弾させることができる。
[側面28へのレジスト膜形成工程]
次いで、圧電素子片2の側面28にレジスト液Qを塗布し、これを乾燥してレジスト膜L1を形成する。具体的には、まず、図6(a)に示すように、インクジェットヘッド500を、所定のノズル孔501が圧電素子片2の第1面27と側面28が交差する角部A上(直上)にくるように位置させる。次いで、インクジェットヘッド500のノズル孔501からレジスト液Qをz軸方向(圧電素子片2の上面の法線方向)に吐出し、角部Aに衝突させる。
次いで、圧電素子片2の側面28にレジスト液Qを塗布し、これを乾燥してレジスト膜L1を形成する。具体的には、まず、図6(a)に示すように、インクジェットヘッド500を、所定のノズル孔501が圧電素子片2の第1面27と側面28が交差する角部A上(直上)にくるように位置させる。次いで、インクジェットヘッド500のノズル孔501からレジスト液Qをz軸方向(圧電素子片2の上面の法線方向)に吐出し、角部Aに衝突させる。
図6(b)に示すように、角部Aに衝突したレジスト液Qは、角部Aによりせん断され、その図6中右側の部分が、図6(c)に示すように、圧電素子片2の側面28を伝って流下する。これにより、圧電素子片2の側面28にレジスト液Qが塗布される。そして、側面28に塗布されたレジスト液Qを乾燥することにより、側面28に、レジストマスクM3を形成するためのレジスト膜L1を形成する。
このような圧電素子片2の側面28へのレジスト液Qの塗布を、インクジェットヘッド500からレジスト液Qを連続吐出させながら、当該インクジェットヘッド500を角部Aの延在方向(y軸方向)に移動することにより行えば、圧電素子片2の側面28の幅方向(y軸方向)の全域にレジスト液Qを塗布することができ、これを乾燥することにより、側面28の幅方向の全域にレジスト膜L1を形成することができる。
この場合、圧電素子片2への着弾状態で隣り合うレジスト液Q同士が重なり合うように、レジスト液Qの吐出時間間隔や、インクジェットヘッド500の移動速度を制御することが好ましい。これにより、不本意な、レジスト液Qが塗布されない領域の発生を防止することができる。
この場合、圧電素子片2への着弾状態で隣り合うレジスト液Q同士が重なり合うように、レジスト液Qの吐出時間間隔や、インクジェットヘッド500の移動速度を制御することが好ましい。これにより、不本意な、レジスト液Qが塗布されない領域の発生を防止することができる。
また、圧電素子片2への着弾状態で重なり合う複数のレジスト液Qを塗布する場合には、1滴目のレジスト液Qを圧電素子片2へ着弾させ、当該レジスト液Qを乾燥させた後に、2滴目のレジスト液Qを乾燥した1滴目のレジスト液Qと重なるように圧電素子片2へ着弾させてもよいし(3滴目以降も同様)、1滴目のレジスト液Qが圧電素子片2上で乾燥しないうちに、2滴目のレジスト液Qを1滴目のレジスト液Qと重なるように圧電素子片2へ着弾させてもよい。また、圧電素子片2への着弾状態にて重なり合う複数のレジスト液Qを同時に圧電素子片2に着弾させてもよい。
なお、側面28の幅方向全域にレジスト液Qを塗布する方法としては、これに限定されず、他にも、角部Aの上方に複数のノズル孔が位置している場合には、インクジェットヘッド500を動かさずに、これら複数のノズル孔から同時またはタイミングをずらしてレジスト液Qを吐出する方法を用いてもよい。
このような側面28へのレジスト膜L1の形成と同様にして、その他の側面にもレジスト膜L1を形成する。
なお、側面28の幅方向全域にレジスト液Qを塗布する方法としては、これに限定されず、他にも、角部Aの上方に複数のノズル孔が位置している場合には、インクジェットヘッド500を動かさずに、これら複数のノズル孔から同時またはタイミングをずらしてレジスト液Qを吐出する方法を用いてもよい。
このような側面28へのレジスト膜L1の形成と同様にして、その他の側面にもレジスト膜L1を形成する。
このように、圧電素子片2の第1面27(上面)の法線方向(z軸方向)から角部Aに衝突するようにレジスト液Qをインクジェットヘッド500から吐出し、角部Aでせん断されたレジスト液Qが側面28を流下することにより、側面28にレジスト液Qを塗布する方法によれば、インクジェットヘッド500の姿勢を一定に保ったまま、簡単かつ確実に、レジスト液Qを塗布すべき全ての側面28(例えば、腕部22の図6中左側面、右側面、腕部23の図6中左側面、右側面)にレジスト液Qを塗布することができる。すなわち、インクジェットヘッド500の姿勢を一定に保ったまま、法線方向が異なる複数の側面全てに対してレジスト液Qを塗布することができる。そのため、レジスト塗布工程の簡易化を図ることができる。
また、角部Aにレジスト液Qを衝突させるため、角部Aに、レジストマスクM3として十分な膜厚を有するレジスト膜L1を形成することもできる。従来のレジスト塗布方法では、角部AにレジストマスクM3として十分な膜厚を有するレジスト膜を形成するのが困難であったため、レジストマスクM3を介して電極膜4をエッチングする際に、角部A付近にて電極膜4が不本意に除去されてしまい、これが断線や短絡の原因となっていたが、本発明の塗膜形成方法によれば、前述の理由から、このような問題点を確実に解消することができる。
このような圧電素子片2の側面28へのレジスト液Qの塗布では、せん断された図6中右側のレジスト液Qが、圧電素子片2の側面28の厚さ方向(z軸方向)の中間(図6(c)中の点線I)よりも下側まで流下するのが好ましい。これは、後述するように、圧電素子片2の第1面27側へのレジスト液Qの塗布(レジスト膜L1の形成)が終わると、圧電素子片2を上下引っくり返し、第2面29側から側面28にレジスト液Qを塗布する。そのため、本工程にて、側面28のうち少なくとも第1面27側の半分にレジスト液Qを塗布しておけば、これと同じように第2面29側からレジスト液Qを塗布することにより、最終的に、側面28の厚さ方向の全域にレジスト液Qを塗布することができるためである。
なお、レジスト液Qの側面28の流下距離は、後述するようにレジスト液Qの大きさ(径)や粘度によって制御可能であるが、その他、側面28の表面粗さや、レジスト液Qの圧電素子片2上での塗れ性によっても制御可能である。すなわち、前述したような載置台が有するヒーターによって、圧電素子片2の温度を適宜調節することによっても、レジスト液Qが点線Iよりも下側まで流下し、かつ必要以上に流下しないように、その流下距離を制御することができる。
また、圧電素子片2の側面28にレジスト液Qを塗布する際、インクジェットヘッド500は、圧電素子片2の角部Aからz軸方向(第1面27の法線方向)に引いた線分S上をレジスト液Qの中心Oが通過するようにレジスト液Qを吐出する。これにより、吐出したレジスト液Qを、より確実に、角部Aに衝突させることができるとともに、適量(レジスト液Qの半分以上の量)のレジスト液Qを側面28に塗布することができる。また、レジスト液Qの吐出方向が何らかの原因でz軸方向から若干ずれても、高い確率で、レジスト液Qを角部Aに衝突させることができる(すなわち、レジスト液Qの吐出方向のずれを許容することができる)。そのため、圧電素子片2の側面28に、簡単かつ確実に、レジスト液Qを塗布することができ、これを乾燥することにより、側面28に、レジストマスクM3として適当な膜厚を有するレジスト膜L1を形成することができる。
ここで、圧電素子片2の側面28にレジスト液Qを塗布する際のレジスト液Qの直径(平均径)は、10μm〜50μm程度であるのが好ましく、15μm〜25μm程度であるのがより好ましい。レジスト液Qの径をこのような大きさとすることにより、圧電素子片2の角部Aにレジスト液Qを衝突させやすくなるとともに、衝突後に側面28を流下するレジスト液Qの量が適当となる。そのため、圧電素子片2の側面28にレジストマスクM3として適した膜厚のレジスト膜L1を形成することができる。
また、圧電素子片2の側面28にレジスト液Qを塗布する際のレジスト液Qの粘度としては、1cP〜20cP(0.001Pa・s〜0.02Pa・s)程度であるのが好ましい。これにより、圧電素子片2の側面28にレジスト液Qを留めておくことができ(レジスト液Qが流下し過ぎるのを抑制することができ)、圧電素子片2の側面28にレジストマスクM3として適した膜厚のレジスト膜L1を形成することができる。
[第1面27へのレジスト膜形成工程]
以上のような、側面28の第1面27側へのレジスト膜L1の形成を終えると、次いで、圧電素子片2の第1面27にレジスト液Qを塗布し、これを乾燥してレジスト膜L2を形成する。具体的には、図7(a)に示すように、各ノズル孔からレジスト液Qを吐出させながら、インクジェットヘッド500を圧電素子片2の第1面27の上方にてx軸方向およびy軸方向に移動することにより、圧電素子片2の第1面27の全域にレジスト液Qを着弾させる。このとき、インクジェットヘッド500のノズルプレートが第1面27と平行であるため、各ノズル孔と第1面27との離間距離がそれぞれ等しく、その結果、レジスト液Qを圧電素子片2の第1面27に粗密なく均一に塗布することができる。そして、着弾した各レジスト液Qを乾燥することにより、第1面27上にレジスト膜L2を形成する。
なお、レジスト液Qを吐出するノズル孔の数としては、特に限定されず、全てのノズル孔のうちの一部だけでもよいし、さらには、1つだけでもよい。
以上のような、側面28の第1面27側へのレジスト膜L1の形成を終えると、次いで、圧電素子片2の第1面27にレジスト液Qを塗布し、これを乾燥してレジスト膜L2を形成する。具体的には、図7(a)に示すように、各ノズル孔からレジスト液Qを吐出させながら、インクジェットヘッド500を圧電素子片2の第1面27の上方にてx軸方向およびy軸方向に移動することにより、圧電素子片2の第1面27の全域にレジスト液Qを着弾させる。このとき、インクジェットヘッド500のノズルプレートが第1面27と平行であるため、各ノズル孔と第1面27との離間距離がそれぞれ等しく、その結果、レジスト液Qを圧電素子片2の第1面27に粗密なく均一に塗布することができる。そして、着弾した各レジスト液Qを乾燥することにより、第1面27上にレジスト膜L2を形成する。
なお、レジスト液Qを吐出するノズル孔の数としては、特に限定されず、全てのノズル孔のうちの一部だけでもよいし、さらには、1つだけでもよい。
また、前述したのと同様に、第1面27への着弾状態で重なり合う複数のレジスト液Qを塗布する場合には、1滴目のレジスト液Qを第1面27へ着弾させ、当該レジスト液Qを乾燥させた後に、2滴目のレジスト液Qを乾燥した1滴目のレジスト液Qと重なるように第1面27へ着弾させてもよいし(3滴目以降も同様)、1滴目のレジスト液Qが第1面27上で乾燥しないうちに、2滴目のレジスト液Qを1滴目のレジスト液Qと重なるように第1面27へ着弾させてもよい。また、複数のレジスト液Qを同時に第1面27に着弾させてもよい。
ここで、当該工程(第1面27にレジスト液Qを塗布する工程)では、第1面27とともに、上側凹部221、231の内面にもレジスト液Qを塗布する必要があるが、この上側凹部221、231の内面へのレジスト液Qの塗布は、例えば、上側凹部221、231内をレジスト液Qで満たすことにより行ってもよいし、前述した側面28へのレジスト液Qの塗布と同様の方法により行ってもよい。なお、図7(a)では、前者の方法によるものが図示されている。
[側面28へのレジスト膜形成工程]
以上の工程により、圧電素子片2の第1面27側へのレジスト膜L2の形成を終えると、次いで、圧電素子片2の第2面29および側面28の第2面29側にレジスト液Qを塗布し、これらを乾燥してレジスト膜L3、L4を形成する。具体的には、まず、圧電素子片2の上下を引っくり返す。次いで、図7(b)に示すように、側面28にレジスト液Qを塗布し、乾燥することで側面28にレジスト膜L3を形成する。これにより、当該レジスト膜L3が、本工程に先立って側面28の第1面27側に形成されたレジスト膜L1と一体化し(一部が重なり合い)、側面28の厚さ方向(z軸方向)全域にレジスト膜が形成される。当該工程は、前述の側面28の第1面27側にレジスト膜L1を形成する工程と同様であるため、その説明を省略する。
[第2面29へのレジスト膜形成工程]
次いで、図7(c)に示すように、圧電素子片2の第2面29にレジスト液Qを塗布し、乾燥することでレジスト膜L4を形成する。当該工程は、前述した第1面27にレジスト膜L2を形成する工程と同様であるため、その説明省略する。
以上の工程により、圧電素子片2の第1面27側へのレジスト膜L2の形成を終えると、次いで、圧電素子片2の第2面29および側面28の第2面29側にレジスト液Qを塗布し、これらを乾燥してレジスト膜L3、L4を形成する。具体的には、まず、圧電素子片2の上下を引っくり返す。次いで、図7(b)に示すように、側面28にレジスト液Qを塗布し、乾燥することで側面28にレジスト膜L3を形成する。これにより、当該レジスト膜L3が、本工程に先立って側面28の第1面27側に形成されたレジスト膜L1と一体化し(一部が重なり合い)、側面28の厚さ方向(z軸方向)全域にレジスト膜が形成される。当該工程は、前述の側面28の第1面27側にレジスト膜L1を形成する工程と同様であるため、その説明を省略する。
[第2面29へのレジスト膜形成工程]
次いで、図7(c)に示すように、圧電素子片2の第2面29にレジスト液Qを塗布し、乾燥することでレジスト膜L4を形成する。当該工程は、前述した第1面27にレジスト膜L2を形成する工程と同様であるため、その説明省略する。
以上の工程により、圧電素子片2の表面のうち、レジスト膜を形成する必要のある領域の全域(すなわち、圧電素子片2の又部24を除く全域)に、レジスト膜(レジスト膜L1〜L4)を形成することができる。そして、このレジスト膜を前述したように第1電極31および第2電極32のパターン形状に露光・現像することにより、第1、第2の電極31、32の外形パターンをしたレジストマスクM3を形成することができる。
このようなレジスト液Qの塗布方法(レジスト膜の形成方法)によれば、インクジェットヘッド500の姿勢を一定に保ったまま、第1面27、第2面29、および法線方向が異なる複数の側面全てにレジスト液Qを塗布することができる。そのため、レジスト液の塗布工程の簡易化を図ることができる。
このようなレジスト液Qの塗布方法(レジスト膜の形成方法)によれば、インクジェットヘッド500の姿勢を一定に保ったまま、第1面27、第2面29、および法線方向が異なる複数の側面全てにレジスト液Qを塗布することができる。そのため、レジスト液の塗布工程の簡易化を図ることができる。
以上、本発明の塗膜形成方法および圧電素子の製造方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、液滴としてレジスト膜を形成するためのレジスト液を用いた構成について説明したが、液滴としてはこれに限定されず、例えば、絶縁膜を形成するための絶縁性の液滴や、電極膜や配線膜を形成する導電性の液滴であってもよい。
また、前述した実施形態では、液滴としてレジスト膜を形成するためのレジスト液を用いた構成について説明したが、液滴としてはこれに限定されず、例えば、絶縁膜を形成するための絶縁性の液滴や、電極膜や配線膜を形成する導電性の液滴であってもよい。
また、前述した実施形態では、被塗布物として、圧電材料で構成された圧電体基板を用いた構成について説明したが、被塗布物としては、これに限定されず、例えば、各種樹脂材料で構成された樹脂基板(合成樹脂基板)や、Au、Ag、Cu、Fe等の各種金属材料で構成された金属基板や、各種セラミックスで構成されたセラミックス基板や、シリコン基板等の半導体基板や、石英ガラス等の各種ガラス材料で構成されたガラス基板、サファイア基板、ダイヤモンド基板等であってもよい。
また、圧電素子片の形状としては、2本の腕部を有する音叉型のものについて説明したが、これに限定されず、例えば、ジャイロセンサ等に用いられる6本の腕部を有する「王」型をなすものであってもよい。
また、圧電素子片の形状としては、2本の腕部を有する音叉型のものについて説明したが、これに限定されず、例えば、ジャイロセンサ等に用いられる6本の腕部を有する「王」型をなすものであってもよい。
1……圧電素子 2……圧電素子片 21……基部 22、23……腕部 221、231……上側凹部 222、232……下側凹部 24……又部 27……第1面 28……側面 29……第2面 3……電極 31……第1の電極 311、321……端子 312、322……側面電極 313、323……上側凹部電極 314、324……下側凹部電極 32……第2の電極 4……電極膜 500……インクジェットヘッド 501……ノズル孔 100……水晶ウエハ Cr……クロム層 Au……金層 M1、M2、M3……レジストマスク L1〜L4……レジスト膜 O……中心 Q……レジスト液 S……線分
Claims (8)
- 上面、側面およびこれらが交差する角部を有する被塗布物に対して、吐出法により液滴をノズルから吐出し、前記被塗布物に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
前記上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記液滴を前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記液滴が前記側面を流下することにより、前記側面に前記塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法。 - 前記角部から前記上面の法線方向に引いた線分上を前記液滴の中心が通過するように、前記液滴を前記ノズルから吐出する請求項1に記載の塗膜形成方法。
- 前記液滴の径は、10μm〜50μmである請求項1または2に記載の塗膜形成方法。
- 前記液滴の粘度は、1cP〜20cPである請求項1ないし3のいずれかに記載の塗膜形成方法。
- 前記被塗布物は、圧電体材料で構成された圧電素子片である請求項1ないし4のいずれかに記載の塗膜形成方法。
- 前記液滴は、レジスト液である請求項1ないし5のいずれかに記載の塗膜形成方法。
- 上面、側面およびこれらが交差する角部を有する圧電素子片の表面に電極を形成することにより圧電素子を形成する圧電素子の製造方法であって、
前記圧電素子片の表面に前記電極形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
前記金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
前記レジストマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記電極を形成する電極形成工程とを有し、
前記レジストマスク形成工程では、前記圧電素子片の側面にレジスト液を塗布する際には、前記圧電素子片の上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記レジスト液をノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記レジスト液が前記側面を流下することにより前記側面に前記レジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、その後、前記側面に形成された前記レジスト膜に露光および現像を行うことにより前記レジストマスクを形成することを特徴とする圧電素子の製造方法。 - 前記圧電素子片は、基部と、基部から互いに平行に突出した少なくとも一対の腕部を有し、前記レジストマスク形成工程では、前記圧電素子片の側面のうち前記一対の腕部の付け根部分の又部には、前記レジスト液を塗布しない請求項7に記載の圧電素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009067080A JP2010214340A (ja) | 2009-03-18 | 2009-03-18 | 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009067080A JP2010214340A (ja) | 2009-03-18 | 2009-03-18 | 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010214340A true JP2010214340A (ja) | 2010-09-30 |
Family
ID=42973759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009067080A Pending JP2010214340A (ja) | 2009-03-18 | 2009-03-18 | 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010214340A (ja) |
-
2009
- 2009-03-18 JP JP2009067080A patent/JP2010214340A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7497961B2 (en) | Method of making an inkjet printhead | |
US7637601B2 (en) | Droplet discharging head, droplet discharging apparatus, method for manufacturing droplet discharging head and method for manufacturing droplet discharging apparatus | |
US8388117B2 (en) | Method of making an inkjet printhead | |
JPH11277754A (ja) | インクジェットプリンタのヘッドに利用されるマイクロアクチュエ―タの製造方法 | |
KR100529307B1 (ko) | 모노리틱 잉크제트 프린트 헤드 및 이의 제조 방법 | |
JP5309375B2 (ja) | インクジェットプリントヘッド及びその製造方法 | |
JP2010214340A (ja) | 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 | |
JP5099061B2 (ja) | 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 | |
JP2007035909A (ja) | 電子デバイスおよび電子デバイスの製造方法 | |
JP2010227813A (ja) | 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 | |
JP2010227812A (ja) | 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 | |
JP2010227814A (ja) | 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 | |
JP2010227815A (ja) | 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 | |
JP2010274165A (ja) | 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 | |
JP2010227816A (ja) | 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 | |
JP2007237718A (ja) | インクジェットヘッドの製造方法 | |
JP2010274166A (ja) | 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 | |
JP2005191059A (ja) | 電気回路の形成方法、電気回路製造装置 | |
US8152280B2 (en) | Method of making an inkjet printhead | |
JP2008137123A (ja) | マイクロマシンの製造方法及びマイクロマシン | |
US9919527B2 (en) | Liquid jet head, method for integrally manufacturing a liquid jet apparatus, and device | |
JPH11227197A (ja) | 貫通孔形成基板及びインクジェット式記録ヘッド並びにこれらの製造方法 | |
JPH03187755A (ja) | 液滴噴出装置 | |
JP2006238327A (ja) | 液滴吐出方式を用いた絶縁膜形成方法、並びに弾性表面波素子片の製造方法、および弾性表面波素子、並びに弾性表面波デバイス | |
JP2008087444A (ja) | 液滴噴射装置の製造方法、ならびに液滴噴射装置 |