JP2010274165A - 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 - Google Patents

塗膜形成方法および圧電素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被塗布物への液滴塗布工程を簡易化するとともに、被塗布物上に所望の塗膜を形成することのできる塗膜形成方法、およびこの塗膜形成方法を用いることにより、信頼性の高い圧電素子を簡単に製造することのできる圧電素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】上面、側面28およびこれらが交差する角部Aを有する被塗布物に対して、吐出法により液滴をノズルを有するヘッドユニット500の前記ノズルから吐出し、前記被塗布物に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、前記上面の法線方向から前記角部Aに衝突するように前記液滴を前記ヘッドユニット500の前記ノズルから吐出し、前記角部Aでせん断された前記液滴が前記側面28を流下することにより、前記側面28に前記塗膜を形成し、前記上面の法線方向から前記上面に、前記液滴を前記ヘッドユニット500の前記ノズルから吐出し、前記上面に前記塗膜を形成する。
【選択図】図10

Description

本発明は、塗膜形成方法および圧電素子の製造方法に関する。
従来から、水晶等の圧電体材料で構成された圧電基板(圧電素子片)の表面に電極を形成する方法として次のような方法が知られている。すなわち、まず、圧電基板上に電極を形成するための金属膜をスパッタリング法により形成する。次いで、金属膜上にレジスト(フォトレジスト)を塗布し、電極の形状にパターニング(露光・現像)することによりレジストマスクを形成する。そして、レジストマスクを介して金属膜をエッチングした後、レジストマスクを除去することにより圧電基板上に電極を形成する。
また、金属膜上にレジストを塗布する方法(塗膜を形成する方法)として、インクジェットを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のレジスト塗布方法では、レジスト液の吐出方向が圧電基板の上面に垂直な方向から所定側面側に傾いた方向に設定されており、これにより、圧電基板の上面にレジスト液を塗布するともに、前記所定側面にもレジスト液を塗布することができる。
しかしながら、このような特許文献1のレジスト塗布方法では、前記所定側面以外の側面(所定側面とは、法線方向が異なる側面)にもレジスト液を塗布する場合には、圧電基板を回転させて配置を変更するか、ヘッドの傾き方向を変更することによりレジストの吐出方向を変更しなければならず、レジスト塗布工程の多工程化および煩雑化を招いてしまう。
また、インクジェットヘッドは、通常、複数のノズル列を有するため、特許文献1のレジスト塗布方法では、圧電基板の上面に垂直な方向に対するレジスト液の吐出方向の傾きによって、ノズル列ごとの圧電基板の上面に着弾したレジスト液同士の離間距離が変化したり、レジスト液の吐出距離(ヘッドから上面までの軌道距離)が変化したりする。そのため、不本意に、圧電基板上にレジスト液が塗布されない部分が発生したり、レジスト液が塗布されていてもその膜厚が少ない部分が発生したりする。その結果、ピンホール等が発生し、ピンホールが発生した個所において不本意な金属膜の除去が行われ、短絡や断線が発生する。
特開平11−177364号公報
本発明の目的は、被塗布物への液滴塗布工程を簡易化するとともに、被塗布物上に所望の塗膜を形成することのできる塗膜形成方法、およびこの塗膜形成方法を用いることにより、信頼性の高い圧電素子を簡単に製造することのできる圧電素子の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の塗膜形成方法は、上面、側面およびこれらが交差する角部を有する被塗布物に対して、吐出法により液滴をノズルを有するヘッドユニットの前記ノズルから吐出し、前記被塗布物に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
前記上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記液滴を前記ヘッドユニットの前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記液滴が前記側面を流下することにより、前記側面に前記塗膜を形成し、
前記上面の法線方向から前記上面に、前記液滴を前記ヘッドユニットの前記ノズルから吐出し、前記上面に前記塗膜を形成することを特徴とする。
これにより、簡単かつ確実に、被塗布物の角部および側面に適当な厚さの塗膜を形成することができる。また、液滴の吐出方向を一定に保ったままで、全ての側面に対して液滴を塗布することができるため、液滴塗布工程の簡易化を図ることができる。
さらに、前記被塗布物の角部および側面と、上面とに、同様の方法で液滴を塗布するので、短時間で、液滴塗布工程を行うことができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記ヘッドユニットは、複数のノズルを有しており、
前記角部には、前記ヘッドユニットの一部の前記ノズルから前記液滴を吐出し、前記上面には、前記ヘッドユニットの他の前記ノズルから前記液滴を吐出することが好ましい。
これにより、さらに短時間で、液滴塗布工程を行うことができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記ヘッドユニットの前記ノズルから複数の前記液滴を、前記上面の法線方向から前記角部付近に、前記被塗布物の平面視にて前記角部の延在方向に直交する方向に隣り合う前記液滴が重なるように吐出し、前記複数の液滴のうちの前記角部でせん断された液滴が前記側面を流下することにより、前記側面に前記塗膜を形成し、
前記ヘッドユニットの前記ノズルから複数の前記液滴を、前記上面の法線方向から前記上面に、前記被塗布物の平面視にて前記角部の延在方向に直交する方向に隣り合う前記液滴が重なるように吐出し、前記上面に前記塗膜を形成することが好ましい。
これにより、ノズルと被塗布物との位置合わせをそれほど高精度に行わなくても、被塗布物の角部、側面および上面に液滴を塗布することができるため、短時間で、簡単かつ確実に、角部、側面および上面に液滴を塗布することができる。
また、ノズルと被塗布物との位置合わせをそれほど高精度に行わなくてもよいので、被塗布物に液滴を塗布する際の被塗布物に対するヘッドユニットの移動速度を速くすることができ、短時間で、液滴塗布工程を行うことができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記ヘッドユニットの前記ノズルから複数の前記液滴を、前記上面の法線方向から前記角部付近に、前記被塗布物の平面視にて前記角部の延在方向に直交する方向に隣り合う前記液滴が重なり、かつ、前記被塗布物の平面視にて前記角部の延在方向に隣り合う前記液滴が重なるように吐出し、前記複数の液滴のうちの前記角部でせん断された液滴が前記側面を流下することにより、前記側面に前記塗膜を形成し、
前記ヘッドユニットの前記ノズルから複数の前記液滴を、前記上面の法線方向から前記上面に、前記被塗布物の平面視にて前記角部の延在方向に直交する方向に隣り合う前記液滴が重なり、かつ、前記被塗布物の平面視にて前記角部の延在方向に隣り合う前記液滴が重なるように吐出し、前記上面に前記塗膜を形成することが好ましい。
これにより、ノズルと被塗布物との位置合わせをそれほど高精度に行わなくても、被塗布物の角部、側面および上面に液滴を塗布することができるため、短時間で、簡単かつ確実に、角部、側面および上面に液滴を塗布することができる。
また、ノズルと被塗布物との位置合わせをそれほど高精度に行わなくてもよいので、被塗布物に液滴を塗布する際の被塗布物に対するヘッドユニットの移動速度を速くすることができ、短時間で、液滴塗布工程を行うことができる。
また、被塗布物の表面に形成される塗布膜の、被塗布物の角部に対応する部分の膜厚を厚くすることができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記角部の延在方向および延在方向に直行する方向に隣り合う前記液滴は、一方の前記液滴が乾燥した後に他方の前記液滴が吐出されることが好ましい。
これにより、より確実に、被塗布物の表面に形成される塗布膜の、被塗布物の角部に対応する部分の膜厚を厚くすることができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記角部の延在方向および延在方向に直行する方向に隣り合う前記液滴は、前記被塗布物への着弾状態にて重なるように吐出されることが好ましい。
これにより、より確実に、被塗布物の表面に形成される塗布膜の、被塗布物の角部に対応する部分の膜厚を厚くすることができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記ヘッドユニットは、複数のノズルを有しており、
前記角部付近には、前記ヘッドユニットの一部の前記ノズルから前記液滴を吐出し、前記上面には、前記ヘッドユニットの他の前記ノズルから前記液滴を吐出することが好ましい。
これにより、さらに短時間で、液滴塗布工程を行うことができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記角部でせん断された液滴を、前記側面の前記被塗布物の厚さ方向の中間点よりも下側まで流下させることが好ましい。
これにより、より確実に、側面の厚さ方向の全域に液滴を塗布することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記液滴の径は、10μm〜50μmであることが好ましい。
これにより、被塗布物の角部に液滴を衝突させやすくなるとともに、衝突後に被塗布物の側面を流下する液滴の量が適当となる。そのため、被塗布物の側面に適当な(薄すぎず、厚すぎない)膜厚の塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記液滴の粘度は、1cP〜20cPであることが好ましい。
これにより、被塗布物の側面に液滴を留めておくことができ(被塗布物の側面から液滴の大半が流れ落ちるのを防止することができ)、被塗布物の側面に適当な膜厚の塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記被塗布物は、圧電体材料で構成された圧電素子片であることが好ましい。
これにより、例えば、圧電素子片上に所望の形状の電極を形成する際に用いるレジストマスクを形成するためのレジスト膜を簡単に形成することができる。そのため、圧電素子片上に電極が形成されてなる圧電素子を簡単に製造することができる。
本発明の塗膜形成方法では、前記液滴は、レジスト液であることが好ましい。
これにより、例えば、圧電素子片上に所望の形状の電極を形成する際に用いるレジストマスクを形成するためのレジスト膜を簡単に形成することができる。そのため、圧電素子片上に電極が形成されてなる圧電素子を簡単に製造することができる。
本発明の圧電素子の製造方法は、上面、側面およびこれらが交差する角部を有する圧電素子片の表面に電極を形成することにより圧電素子を形成する圧電素子の製造方法であって、
前記圧電素子片の表面に前記電極形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
前記金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
前記レジストマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記電極を形成する電極形成工程とを有し、
前記レジストマスク形成工程では、前記圧電素子片の側面および前記上面にレジスト液を塗布する際には、前記圧電素子片の上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記レジスト液をノズルを有するヘッドユニットの前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記レジスト液が前記側面を流下することにより前記側面に前記レジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、前記圧電素子片の上面の法線方向から前記上面に、前記レジスト液を前記ヘッドユニットの前記ノズルから吐出し、前記上面に前記レジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、その後、前記側面および前記上面に形成された前記レジスト膜に露光および現像を行うことにより前記レジストマスクを形成することを特徴とする。
これにより、レジスト液の吐出方向を一定に保ったままで、レジスト液を塗布する必要のある全ての領域(上面、下面および側面)に対してレジスト液を塗布することができるため、レジストマスク形成工程の簡易化を図ることができる。また、角部および側面と、上面とに、同様の方法でレジスト液を塗布するので、短時間で、レジストマスク形成工程を行うことができる。
本発明の圧電素子の製造方法では、前記圧電素子片は、基部と、基部から互いに平行に突出した少なくとも一対の腕部を有し、前記レジストマスク形成工程では、前記圧電素子片の側面のうち前記一対の腕部の付け根部分の又部には、前記レジスト液を塗布しないことが好ましい。
これにより、レジスト液の使用量を低減することができる。また、又部にレジスト液を塗布しないため、又部に対する露光・現像等の工程を省略することができ、圧電素子の製造工程を簡易化することができる。
本発明の圧電素子の製造方法により製造される圧電素子を示す斜視図である。 図1に示す圧電素子の断面図(A−A線断面図)である。 図1に示す圧電素子の製造方法(本発明の圧電素子の製造方法)を示す断面図である。 図1に示す圧電素子の製造方法(本発明の圧電素子の製造方法)を示す断面図である。 図1に示す圧電素子の製造方法(本発明の圧電素子の製造方法)を示す断面図である。 レジストマスク形成工程中のレジスト液を圧電素子片に塗布する方法(本発明の塗膜形成方法)を説明する断面図である。 レジストマスク形成工程中のレジスト液を圧電素子片に塗布する方法(本発明の塗膜形成方法)を説明する断面図である。 レジストマスク形成工程中のレジスト液を圧電素子片に塗布する方法(本発明の塗膜形成方法)を説明する断面図である。 レジストマスク形成工程中のレジスト液を圧電素子片に塗布する方法(本発明の塗膜形成方法)を説明する断面図である。 レジストマスク形成工程中のレジスト液を圧電素子片に塗布する方法(本発明の塗膜形成方法)を説明する断面図である。 レジストマスク形成工程中のレジスト液を圧電素子片に塗布する方法(本発明の塗膜形成方法)を説明する断面図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電素子の製造方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電素子の製造方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電素子の製造方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電素子の製造方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電素子の製造方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電素子の製造方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電素子の製造方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電素子の製造方法を説明するための図である。 本発明におけるヘッドユニットの構成例を示す図である。
以下、本発明の塗膜形成方法および圧電素子の製造方法を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の塗膜形成方法を備えた圧電素子の製造方法(本願発明の圧電素子の製造方法)の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の圧電素子の製造方法により製造される圧電素子を示す斜視図、図2は、図1に示す圧電素子の断面図(A−A線断面図)、図3ないし図5は、それぞれ、図1に示す圧電素子の製造方法(本発明の圧電素子の製造方法)を示す断面図、図6ないし図11は、それぞれ、レジストマスク形成工程中のレジスト液を圧電素子片に塗布する方法(本発明の塗膜形成方法)を説明する断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1〜図11の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1に示す圧電素子(振動子)1は、圧電素子片(振動片)2と、圧電素子片2上に形成された電極3とで構成されている。
圧電素子片2は、音叉型の平面視形状を有する薄板である。すなわち、圧電素子片2は、上面と、下面と、側面と、上面および側面とが交差する上側角部と、下面および側面とが構成する下側角部とを有している。
具体的には、圧電素子片2は、基部21と、基部21から突出し同一方向に延在する一対の腕部22、23を有している。また、図2に示すように、腕部22には、上面に開放する上側凹部221と、下面に開放する下側凹部222とが形成されている。同様に、腕部23にも、上面に開放する上側凹部231と、下面に開放する下側凹部232とが形成されている。これら凹部221〜232は、それぞれ、腕部22、23の延在方向に沿って延在している。また、凹部221〜232は、互いにほぼ等しい形状(長さ、幅、深さ、開口形状、横断面形状、縦断面形状等)を有している。
このような圧電素子片2の構成材料としては、例えば、水晶、酸化亜鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、四硼酸リチウム等が挙げられる。これら材料の中でも特に水晶を用いることにより、振動特性および温度特性等の優れる圧電素子1が得られる。
図1に示すように、電極3は、互いに絶縁された第1の電極31および第2の電極32を有している。第1の電極31は、基部21の上面に形成された端子311と、腕部22の側面にその側面を囲むように形成された側面電極312と、腕部23の上側凹部231に形成された上側凹部電極313と、腕部23の下側凹部232に形成された下側凹部電極314とを有している。側面電極312は、基部21の側面に形成された配線を介して端子311に接続されており、上側凹部電極313は、基部21の上面に形成された配線を介して側面電極312に接続されており、下側凹部電極314は、基部21の下面に形成された配線を介して側面電極312に接続されている。
このような第1の電極31とは対称的に、第2の電極32は、基部21の上面に形成された端子321と、腕部23の側面にその側面を囲むように形成された側面電極322と、腕部22の上側凹部221に設けられた上側凹部電極323と、腕部22の下側凹部222に設けられた下側凹部電極324とを有している。また、側面電極322、上側凹部電極323および下側凹部電極324は、それぞれ、配線を介して端子321に接続されている。
このような構成の圧電素子1は、基部21を固定した状態にて、第1の電極31および第2の電極32にそれぞれ交流電圧を印加することにより、腕部22、23を所定の周波数で振動させたり、反対に、腕部22、23の振動により発生する起電力を第1の電極31および第2の電極32により検知したりする。
次いで、圧電素子1の製造方法(本発明の圧電素子の製造方法)について図3ないし図5に基づいて説明する。なお、図3〜図5は、それぞれ、図1のA−A線断面図を示している。
圧電素子1の製造方法は、圧電素子片2を用意する圧電素子片用意工程と、圧電素子片2の表面に電極3形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、レジストマスクを用いて金属膜をパターニングし、電極3を形成する電極形成工程とを有している。以下、これら各工程について詳細に説明する。
[圧電素子片用意工程]
まず、図3(a)に示すように、ソーワイヤ等により切り出した後、研磨加工および洗浄を行った薄板状の水晶ウエハ100を用意し、この水晶ウエハ100の上面に、クロム層Crおよび金層Auをこの順で例えばスパッタ法により形成する。次いで、金層Au表面にレジストを塗布した後、このレジストを音叉形状のパターンに露光・現像し、音叉形状のレジストマスクM1を形成する。
次いで、図3(b)に示すように、レジストマスクM1を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチング(ウェットエッチング、ドライエッチング等の各種エッチング。以下同様である)し、これら層をレジストマスクM1同様、音叉形状にパターニングする。次いで、図3(c)に示すように、金層Auおよびクロム層Crをマスクとして、水晶ウエハ100をエッチングする。これにより、音叉型の平面視形状を有する、すなわち基部21および一対の腕部22、23を有する水晶ウエハ100が得られる。
次いで、図3(d)に示すように、レジストマスクM1を除去した後、再度、金層Auの表面にレジストを塗布し、このレジストを上側凹部221、231の開口パターンに露光・現像し、上側凹部221、231の形状に対応するレジストマスクM2を形成する。次いで、図4(a)に示すように、レジストマスクM2を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチングし、さらに、金層Auおよびクロム層Crをマスクとして、水晶ウエハ100をハーフエッチングする。これにより、水晶ウエハ100の上面に開放する上側凹部221、231が形成される。
次いで、図4(b)に示すように、上側凹部221、231の形成と同様の方法で、下側凹部222、232を形成する。すなわち、水晶ウエハ100の下面にクロム層Crおよび金層Auを形成した後、金層Auの表面に下側凹部222、232に対応するパターンを有するレジストマスクを形成し、そのレジストマスクを介して水晶ウエハ100をハーフエッチングする。これにより、水晶ウエハ100の下面に開放する下側凹部222、232が形成される。なお、下側凹部222、232の形成は、上側凹部221、231の形成と同時に行ってもよいし、上側凹部221、231の形成に先立って行ってもよい。
次いで、図4(c)に示すように、水晶ウエハ100上に形成された全ての膜(レジストマスクM2、クロム層Crおよび金層Au)を除去する。以上の工程により、基部21、腕部22、23、上側凹部221、231および下側凹部222、232を有する圧電素子片2が得られる。
[金属膜形成工程]
図5(a)に示すように、圧電素子片2の表面(上面、下面および側面)に、電極3(第1の電極31および第2の電極32)を形成するためのクロム層Crおよび金層Auをスパッタ法により形成する。
[レジストマスク形成工程]
図5(b)に示すように、後述するインクジェット法(吐出法)により金層Auの表面にレジスト液を塗布し、これを乾燥することによりレジスト膜を形成する。その後、このレジスト膜を第1の電極31および第2の電極32のパターン形状に露光・現像することにより、第1の電極31および第2の電極32の外形パターンをしたレジストマスクM3を形成する。
なお、図5(b)に示すように、本工程では、腕部22、23のつけ根部分に挟まれた又部24にはレジスト液を塗布しない。ここで、図1に示すように、圧電素子1では、第1の電極31の側面電極312と第2の電極32の側面電極322とを絶縁(分離)するために、又部24には電極が形成されていない。すなわち、又部24に形成されたクロム層Crおよび金層Auを除去する必要がある。そのため、クロム層Crおよび金層Auを除去する必要がある又部24へのレジスト液の塗布を省略することにより、レジスト液の使用量を低減することができる。また、又部24にレジスト液を塗布しないのであるから、又部24に対する露光・現像等の工程を省略することができ、圧電素子1の製造工程を簡易化することができる。
[電極形成工程]
図5(c)に示すように、レジストマスクM3を介して金層Auおよびクロム層Crをエッチングし、これら層を第1、第2の電極31、32の形状にパターニングする。エッチング終了後、レジストマスクM3を除去する。これにより、クロム層Crと金層Auが積層して構成された第1の電極31および第2の電極32が得られる。なお、第1の電極31と第2の電極32との短絡を防止するために、第1の電極31および第2の電極32を覆うように圧電素子片2の表面に表面保護膜を形成してもよい。
以上の工程により、圧電素子1が製造される。
なお、このようにして、圧電素子1が製造された後、圧電素子1の周波数調整を行ってもよい。この調整方法としては、例えば、金属膜形成工程にて圧電素子片2の表面に形成したクロム層Crおよび金層Auを用いて、腕部22、23の先端部分(第1、第2の電極31、32のパターン形状に重ならない領域)に形成した錘部材を、レーザートリミングにより除去して、腕部22、23の質量を減少させることにより(質量削減方式により)、圧電素子1の周波数調整を行う方法が挙げられる。
[レジスト液の塗布方法(レジスト膜の形成方法)]
次いで、前述したレジストマスク形成工程における、金層Au表面へのレジスト塗布方法(本発明の塗膜形成方法)を図6ないし図11に基づいて詳細に説明する。なお、図6ないし図10は、図1中のA−A線断面とは異なる位置の断面図であり、図11は、図1中のA−A線断面とは同じ位置の断面図である。また、以下では、図6ないし図11に示すように、互いに直交する3つの軸をx軸、y軸およびz軸とし、圧電素子片2の上面に平行な平面をxy平面とする。また、平面視で、後述する角部Aの延在方向をy軸方向、角部Aの延在方向に直交する方向をx軸方向とする。また、図6ないし図11では、説明の便宜上、クロム層Crおよび金層Auの積層構造を、単に一層構造の「電極層4」として図示する。また、以下では、説明の便宜上、圧電素子片2の表面に電極層4が形成されているものを単に「圧電素子片2」とも言う。
圧電素子片2の表面へのレジストの塗布は、1つまたは複数のインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を有するヘッドユニット500からレジスト液(液滴)Qを吐出し、圧電素子片2の表面に着弾させることにより行う。インクジェットヘッドしては、インクジェットプリンタ等で使用されるものとほぼ同様の構成のものを用いることができる。インクジェットヘッドの構成について簡単に説明すれば、インクジェットヘッドは、例えば、複数のノズル孔(ノズル)(例えば、2列50行)が形成されたノズルプレートと、各ノズル孔に1対1の関係で連通する複数のインク室と、各インク室を収縮・膨張させる複数のピエゾ素子とを有している。このようなインクジェットヘッドは、ピエゾ素子の駆動によりインク室が収縮・膨張すると、その内容量の変化に基づいて、そのインク室に充填されたレジストがノズル孔から液滴として前記ノズルプレートの法線方向へ吐出するように構成されている。
まず、圧電素子片2を、上側凹部221、231が開放する側の面(以下「第1面27」とも言う)が上側に位置するように、図示しない載置台に載置する。この図示しない載置台は、例えばヒータ等の加熱手段を備えており、載置された圧電素子片2を加熱することが可能である。このような載置台によって圧電素子片2を加熱しながら(所定温度に保ちながら)レジスト液Qを圧電素子片2表面に着弾させることにより、圧電素子片2に着弾したレジスト液Qを迅速に乾燥することができる。例えば、圧電素子片2の温度を適宜調節することにより、レジスト液Qが圧電素子片2に着弾してから乾燥するまでの時間を制御することもできる。
次いで、圧電素子片2の第1面27(上面)とヘッドユニット500とを対向させるとともに、ヘッドユニット500の姿勢をノズルプレートと第1面27とが略平行となるように設定する。これにより、ヘッドユニット500から吐出されるレジスト液Qの吐出方向は、圧電素子片2の第1面27の法線方向、すなわちz軸方向と一致する。
このときのヘッドユニット500のノズルプレート(ノズル孔)と第1面27との離間距離は、特に限定されないが、0.5mm〜2mm程度であるのが好ましい。このような範囲とすることにより、ヘッドユニット500と圧電素子片2との接触を防止しつつ、ノズル孔から吐出したレジスト液Qを圧電素子片2表面の所望位置に高精度に着弾させることができる。
次いで、圧電素子片2の第1面27と、側面28と、この第1面27と側面28が交差する角部Aとにレジスト液Qを塗布し、これを乾燥して互いに重なるレジスト膜L1およびL2を形成する。なお、レジスト液Qを側面28に塗布する際に、そのレジスト液Qの一部が角部Aに塗布されるので、以下では、角部Aへのレジスト液Qの塗布を含めて、側面28へのレジスト液Qの塗布とも言う。
詳しくは、まず、ヘッドユニット500を、その一部の所定のノズル孔501が圧電素子片2の第1面27と側面28が交差する角部Aの上方付近にくるとともに、他の所定のノズル孔501aが第1面27の所定の部位の上方付近にくるように位置させる。なお、ヘッドユニット500のノズル孔は、通常、多数存在し、特に、第1面27にレジスト液Qを吐出するズル孔は、多数存在するが、理解を容易にするため、代表的に、角部A付近(側面28)にレジスト液Qを吐出する所定の1つのノズル孔501と、第1面27にレジスト液Qを吐出する所定の1つのノズル孔501aとを図示して説明する。
次いで、ヘッドユニット500をx軸方向(角部Aの延在方向に直交する方向)に移動させながら、ノズル孔501からほぼ同じ径の複数のレジスト液Qを連続的に吐出し、同様に、ノズル孔501aからほぼ同じ径の複数のレジスト液Qを連続的に吐出する。以下、このことについて、具体的に説明するが、説明の便宜上、複数のレジスト液Qとして、ノズル孔501およびノズル孔501aから、それぞれ、5滴のレジスト液Q1〜Q5を吐出した場合について代表して説明する。また、ノズル孔501からのレジスト液Q1〜Q5の吐出と、ノズル孔501aからのレジスト液Q1〜Q5の吐出とは、同様であるので、代表的に、ノズル孔501からのレジスト液Q1〜Q5の吐出を中心に説明する。
まず、図6(a)に示すように、第1滴目のレジスト液Q1をノズル孔501から吐出し、同様に、第1滴目のレジスト液Q1をノズル孔501aから吐出する。ノズル孔501から吐出したレジスト液Q1は、その中心O1が角部Aより左側にある線分S1上を通過して、圧電素子片2の表面、すなわち、第1面27に着弾する。図6(b)に示すように、圧電素子片2の表面に着弾したレジスト液Q1は、その全てが第1面27に濡れ広がり側面28を流下しない。
ノズル孔501aから吐出したレジスト液Q1は、その中心O1が線分S1上を通過して、圧電素子片2の表面、すなわち、第1面27に着弾し、その第1面27に濡れ広がる。
次いで、図7(a)に示すように、第2滴目のレジスト液Q2をノズル孔501から吐出し、同様に、第2滴目のレジスト液Q2をノズル孔501aから吐出する。ノズル孔501から吐出したレジスト液Q2は、その中心O2が線分S1に対して右側に所定距離d離間した線分S2上を通過して圧電素子片2の表面に着弾する。なお、距離dは、レジスト液Q1の直径未満となるように設定され、平面視で(図中上側から見たとき)x軸方向に隣り合うレジスト液Q1とレジスト液Q2とが重なる(部分的に重なる)ようにする。図7(b)に示すように、圧電素子片2の表面に着弾したレジスト液Q2は、その大半が第1面27に濡れ広がり、その他の僅かな部分が側面28を伝って流下する。すなわち、角部Aに衝突したレジスト液Q2は、角部Aでせん断され、その一部(第1面27側のレジスト液Q2)は、角部Aの近傍の第1面27上に留まり、その残部(側面28側のレジスト液Q2)は、側面28を伝って流下し、角部Aもそのレジスト液Q2で覆われる。これにより、角部A、角部Aの近傍の第1面27および側面28にレジスト液Q2が塗布される。このことは、後述するレジスト液Q3〜Q5のうち、角部Aに衝突するものについては、同様である。
ノズル孔501aから吐出したレジスト液Q2は、その中心O2が線分S1に対して右側に所定距離d離間した線分S2上を通過して、第1面27に着弾し、先に第1面27に塗布されたレジスト液Q1と重なりつつ、第1面27に濡れ広がる。
なお、レジスト液Q2の圧電素子片2への着弾(吐出)は、先に圧電素子片2に着弾したレジスト液Q1を乾燥させた後に行ってもよいし、レジスト液Q1が乾燥しないうちに行ってもよいが、乾燥させた後に行なうことが好ましい。このことは、後述するレジスト液Q3〜Q5についても同様である。
次いで、図8(a)に示すように、第3滴目のレジスト液Q3をノズル孔501から吐出し、同様に、第3滴目のレジスト液Q3をノズル孔501aから吐出する。ノズル孔501から吐出したレジスト液Q3は、その中心O3が線分S2に対して右側に所定距離d離間するとともに角部Aからz軸方向に引いた線分と一致する線分S3上を通過して圧電素子片2の表面に着弾する。図8(b)に示すように、圧電素子片2の表面に着弾したレジスト液Q3は、その半分以上が先に側面28に塗布されたレジスト液Q2と重なり合いながら(または混ざり合いながら)側面28を伝って流下する。
ノズル孔501aから吐出したレジスト液Q3は、その中心O3が線分S2に対して右側に所定距離d離間した線分S3上を通過して、第1面27に着弾し、先に第1面27に塗布されたレジスト液Q1、Q2と重なりつつ、その第1面27に濡れ広がる。
次いで、図9(a)に示すように、第4滴目のレジスト液Q4をノズル孔501から吐出し、同様に、第4滴目のレジスト液Q4をノズル孔501aから吐出する。ノズル孔501から吐出したレジスト液Q4は、その中心O4が線分S3に対して右側に所定距離d離間する線分S4上を通過して圧電素子片2の表面に着弾する。図9(b)に示すように、圧電素子片2の表面に着弾したレジスト液Q4は、その大半が先に側面28に塗布されたレジスト液Q2、Q3と重なり合いながら(または混ざり合いながら)側面28を伝って流下する。
ノズル孔501aから吐出したレジスト液Q4は、その中心O4が線分S3に対して右側に所定距離d離間した線分S4上を通過して、第1面27に着弾し、先に第1面27に塗布されたレジスト液Q1〜Q3と重なりつつ、その第1面27に濡れ広がる。
次いで、図10(a)に示すように、第5滴目のレジスト液Q5をノズル孔501から吐出し、同様に、第5滴目のレジスト液Q5をノズル孔501aから吐出する。ノズル孔501から吐出したレジスト液Q5は、その中心O5が線分S4に対して右側に所定距離d離間する線分S5上を通過するため、図10(b)に示すように、圧電素子片2の表面に着弾しない。
ノズル孔501aから吐出したレジスト液Q5は、その中心O5が線分S4に対して右側に所定距離d離間した線分S5上を通過して、第1面27に着弾し、先に第1面27に塗布されたレジスト液Q1〜Q4と重なりつつ、その第1面27に濡れ広がる。
このようにして、側面28にノズル孔501から吐出したレジスト液Q(レジスト液Q2〜Q4)が、第1面27にノズル孔501aから吐出したレジスト液Q(レジスト液Q1〜Q5)が、それぞれ塗布される。前述したように、実際は、ノズル孔501とノズル孔501aの間や、ノズル孔501aの左側にも図示しないノズル孔が存在し、そのノズル孔からレジスト液Qが吐出されるので、第1面27には、x軸方向の全域に連続的にレジスト液Qが塗布され、その第1面27上のレジスト液Qと、側面28に塗布されたレジスト液Qとが互いに重なる。なお、第1面27における上側凹部221、231の内面(底面や側面等)には、その第1面27や側面28へのレジスト液Qの塗布の場合と同様の原理で、レジスト液Qが塗布される。
そして、上記側面28へのレジスト液Qの塗布を、角部Aの延在方向(y軸方向)の全域に対して行うことにより、側面28の幅方向(y軸方向)の全域にレジスト液Qを塗布することができ、これを乾燥することにより側面28にレジスト膜L1を形成することができる。同様に、上記第1面27へのレジスト液Qの塗布を、y軸方向の全域に対して行うことにより、第1面27の全域にレジスト液Qを塗布することができ、これを乾燥することにより第1面27にレジスト膜L2を形成することができる。この場合、圧電素子片2への着弾状態でy軸方向に隣り合うレジスト液Q同士が重なり合うことが好ましい。これにより、不本意な、レジスト液Qが塗布されない領域(レジスト膜L1、L2が形成されない領域)の発生を防止することができる。
なお、上側凹部221、231の内面へのレジスト液Qの塗布は、例えば、上側凹部221、231内をレジスト液Qで満たすことにより行ってもよい。図11では、上側凹部221、231内をレジスト液Qで満たした場合のものが図示されている。
このようなレジスト塗布方法(レジスト膜形成方法)によれば、ヘッドユニット500の姿勢を一定に保ったまま、簡単かつ確実に、レジスト液Qを、塗布すべき全ての側面28(例えば、腕部22の図6中左側面、右側面、腕部23の図6中左側面、右側面)および第1面27に塗布することができる。すなわち、ヘッドユニット500の姿勢を一定に保ったまま、法線方向が異なる複数の側面全てに対して簡単かつ確実にレジスト液Qを塗布することができる。そのため、レジスト塗布工程の簡易化を図ることができる。
また、角部Aおよび側面28と、第1面27とに、同様の方法でレジスト液Qを塗布するので、短時間で、レジスト塗布工程を行うことができる。
そして、特に、ヘッドユニット500の一部のノズル孔501を用いて角部Aおよび側面28にレジスト液Qを塗布し、他のノズル孔501aを用いて第1面27にレジスト液Qを塗布するので、レジスト塗布工程に要する時間をさらに短縮することができる。
また、上記レジスト塗布方法によれば、角部Aにレジスト液Qを衝突させるため、当該角部Aに、レジストマスクM3として十分な膜厚を有するレジスト膜L1を形成することもできる。従来のレジスト塗布方法では、角部AにレジストマスクM3として十分な膜厚を有するレジスト膜を形成するのが困難であったため、レジストマスクM3を介して電極層4をエッチングする際に、角部A付近にて電極層4が不本意に除去されてしまい、これが断線や短絡の原因となっていたが、本発明の塗膜形成方法によれば、前述の理由から、このような問題点を確実に解消することができる。
また、上記レジスト塗布方法によれば、ヘッドユニット500と角部Aとの位置合わせをそれほど高精度に行わなくても、複数のレジスト液Qのうちの少なくとも1つのレジスト液Qを確実に角部Aに衝突させ、その一部を側面28を伝って流下させることができるため、短時間(前記位置決めを高精度に行う必要がないため)で、簡単かつ確実に、側面28にレジスト液Qを塗布することができる。そのため、上記レジスト塗布方法によれば、側面28へのレジスト液Qの塗布工程の簡易化および円滑化を図りつつ、その確実性を向上させることができる。
また、上記レジスト液塗布方法によれば、ヘッドユニット500と圧電素子片2との位置合わせをそれほど高精度に行わなくてもよいので、圧電素子片2にレジスト液Qを塗布する際の圧電素子片2に対するヘッドユニット500の移動速度を速くすることができ、短時間で、レジスト塗布工程を行うことができる。
また、上記レジスト液塗布方法によれば、仮に、レジスト液Q1、Q2を圧電素子片2に着弾させた状態では、側面28に塗布されたレジスト液Qの量(流下距離、膜厚等。以下同様)がレジストマスクM3を形成するのに不十分である場合でも、レジスト液Q3、Q4を圧電素子片2に着弾させることにより、側面28に塗布されるレジスト液Qが補充され、結果として、側面28に塗布されるレジスト液Qの量が、レジストマスクM3を形成するのに十分な量となる。このようなことからも、上記レジスト塗布方法によれば、より確実に、レジストマスクM3を形成するのに十分な量のレジスト液Qを側面28に塗布することができる。
ここで、側面28へのレジスト液Q(レジスト液Q1〜Q5)の塗布では、側面28の厚さ方向(z軸方向)の中間(図10(b)中の点線I)よりも下側までレジスト液Qが流下するのが好ましい。これは、後述するように、圧電素子片2の第1面27側へのレジスト液Qの塗布が終わると、圧電素子片2を上下引っくり返し、第2面29側から側面28にレジスト液Qを塗布するため、側面28のうち少なくとも第1面27側の半分にレジスト液Qを塗布しておけば、これと同じように第2面29側からレジスト液Qを塗布することにより、最終的に、側面28の厚さ方向の全域にレジスト液Qを塗布することができるためである。すなわち、側面28の厚さ方向の中間よりも下側までレジスト液Qを流下させれば、より確実に、側面28の厚さ方向の全域にレジスト液Qを塗布することができる。
なお、レジスト液Qの側面28の流下距離は、後述するようにレジスト液Qの大きさ(径)や粘度によって制御可能であるが、その他、側面28の表面粗さや、レジスト液Qの圧電素子片2上での濡れ性によっても制御可能である。すなわち、前述したような載置台が有するヒータによって、圧電素子片2の温度を適宜調節することによっても、レジスト液Qが点線Iよりも下側まで流下し、かつ必要以上に流下しないように、その流下距離を制御することができる。
また、側面28、第1面27へのレジスト液Q(レジスト液Q1〜Q5)の塗布では、レジスト液Qの直径としては、特に限定されないが、10μm〜50μm程度であるのが好ましく、15μm〜25μm程度であるのがより好ましい。レジスト液Qの径をこのような大きさとすることにより、特に、圧電素子片2の角部Aにレジスト液Qを衝突させやすくなるとともに、衝突後に側面28を流下するレジスト液Qの量が適当となる。そのため、圧電素子片2の側面28にレジストマスクM3として適した膜厚のレジスト膜L1を形成することができる。
また、側面28、第1面27へのレジスト液Q(レジスト液Q1〜Q5)の塗布では、レジスト液Qの粘度としては、特に限定されないが、1cP〜20cP(0.001Pa・s〜0.02Pa・s)程度であるのが好ましい。これにより、特に、側面28を流下するレジストQを、当該側面28に留めておくことができ(レジスト液Qが流下し過ぎるのを抑制することができ)、圧電素子片2の側面28にレジストマスクM3として適した膜厚のレジスト膜L1を形成することができる。
また、側面28、第1面27へのレジスト液Q(レジスト液Q1〜Q5)の塗布では、x軸方向に隣り合う一対のレジスト液Q(例えばレジスト液Q1、Q2)の中心間距離(距離d)としては、レジスト液Qの直径未満であればよいが、半径未満であるのが好ましい。すなわち、側面28へのレジスト液Qの塗布では、レジスト液Qをx軸方向にレジスト液Qの半径よりも短い距離ずらして(レジスト液Qの半径よりも短いピッチで)複数滴吐出するのが好ましい。これにより、特に、より多くのレジスト液Qを角部Aに衝突させることができ、不本意な、レジスト液Qが塗布されない領域の発生を防止することができる。
また、側面28、第1面27へのレジスト液Q(レジスト液Q1〜Q5)の塗布では、最も離間する一対のレジスト液Q1、Q5の中心間距離(中心O1、O5のx軸方向における離間距離)Dとしては、特に限定されないが、20μm〜100μm程度であるのが好ましく、30μm〜50μm程度であるのがより好ましい。ここで、xy平面視にて、角部Aがレジスト液Q1の中心O1とレジスト液Q5の中心O5との間に位置していれば、特に、角部Aの位置に関係なくレジスト液Q1〜Q5の少なくとも1つのレジスト液が角部Aと衝突し、その半分以上が側面28を流下する。言い換えれば、角部Aが、レジスト液Q1の中心O1とレジスト液Q5の中心O5との間に位置するように、圧電素子片2とヘッドユニット500との位置合わせを行えば、側面28にレジスト液Qを塗布することができる。そのため、中心間距離Dを上記数値範囲とすることにより、ヘッドユニット500と圧電素子片2との位置合わせをそれほど高精度に行わなくても、側面28にレジスト液Qを塗布することができ、高精度な位置決めが必要ない分、側面28へのレジスト液Qの塗布工程の迅速化を図ることができる。同様に、側面28へのレジスト液Qの塗布工程の迅速化を図ることができる。また、この効果に加え、中心間距離Dを上記数値範囲とすることにより、レジスト液Qの液滴数を抑えることができ、レジスト液Qの使用量を低減することができる。
また、側面28へのレジスト液Q(レジスト液Q1〜Q5)の塗布では、xy平面視において、最も離間する一対のレジスト液Q1、Q5の中心O1、O5間の中間点付近に、角部Aが位置することが好ましい。なお、本実施形態では、xy平面視にて、中心O1、O5間の中間点である中心O3上に角部Aが位置している。角部Aをこのように位置することにより、ヘッドユニット500と圧電素子片2との位置決めを行う際に、これらが相対的に所定位置関係から若干x軸方向のプラス側にずれた場合またはマイナス側にずれた場合のいずれの場合にも、そのずれを許容し、側面28にレジスト液Qを塗布することができる。
なお、本実施形態では、5滴のレジスト液Q1〜Q5を、この順序で、x軸方向にずらしながら吐出する場合について説明したが、レジスト液Q1〜Q5の吐出順序は、これに限定されないことは言うまでもない。また、レジスト液Qの滴数としては、5滴には限定されず、2〜4滴であってもよいし、6滴以上であってもよい。
以上の工程により、図11(a)に示すように、圧電素子片2の第1面27の全域にレジスト膜L2が形成され、側面28の第1面27側にレジスト膜L1が形成される。
次いで、圧電素子片2の第2面29および側面28の第2面29側にレジスト液Qを塗布し、これを乾燥してレジスト膜L3、L4を形成する。具体的には、まず、圧電素子片2の上下を引っくり返す。そして、図11(b)に示すように、前述したレジスト膜L1およびL2の形成の場合と同様にして、側面28および第2面29にレジスト液Qを塗布し、乾燥することで、側面28の第2面29側にレジスト膜L3を形成し、第2面29にレジスト膜L4を形成する。これにより、レジスト膜L3が、本工程に先立って側面28の第1面27側に形成されたレジスト膜L1と一体化し(一部が重なり合い)、側面28の厚さ方向(z軸方向)全域にレジスト膜が形成される。
以上の工程により、圧電素子片2の表面のうち、レジスト膜を形成する必要のある領域の全域(すなわち、圧電素子片2の又部24を除く全域)に、レジスト膜を形成することができる。そして、このレジスト膜を前述したように第1の電極31および第2の電極32のパターン形状に露光・現像することにより、第1、第2の電極31、32の外形パターンをしたレジストマスクM3を形成することができる。
ここで、前記本実施形態では、異なるノズルから、角部A(角部A付近)と第1面27とにレジスト液を吐出しているが、本発明では、共通のノズルから、角部Aと第1面27とにレジスト液を吐出してもよい。この場合は、その共通のノズルから、角部A、第1面27のx軸方向の各部位に、所定の順序で、順次、レジスト液を吐出する。これによれば、ヘッドユニット500のノズル数を削減することができ、ヘッドユニット500の構成を簡素化することができる。このことは、後述する第2実施形態でも同様である。
<第2実施形態>
次に、本発明の塗膜形成方法を備えた圧電素子の製造方法(本願発明の圧電素子の製造方法)の第2実施形態について説明する。
図12ないし図19は、それぞれ、本発明の第2実施形態に係る圧電素子の製造方法を説明するための図である。
なお、図が煩雑になるのを避けるため、各図では、圧電素子片2、ヘッドユニット500、レジスト液Q等は模式的に図示されており、レジスト液Qは、理解を容易にするため、角部Aにおいても、平面上に着弾したように図示されている。また、図15〜図19には、所定の1つのノズル孔501から吐出されたレジスト液Qが示されている。
以下、第2実施形態の圧電素子の製造方法について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態にかかる圧電素子の製造方法では、ヘッドユニット500の一部のノズル孔から複数のレジスト液Qを、上面の法線方向から角部付近に、平面視にて角部Aの延在方向に直交する方向に隣り合うレジスト液Qが重なり(部分的に重なり)、かつ、平面視にて角部Aの延在方向に隣り合うレジスト液Qが重なるように吐出し、その複数のレジスト液Qのうちの角部Aでせん断されたレジスト液が側面を流下することにより、側面にレジスト膜を形成する。同様に、ヘッドユニット500の他のノズル孔から複数のレジスト液Qを、上面の法線方向から上面に、平面視にて角部Aの延在方向に直交する方向に隣り合うレジスト液Qが重なり、かつ、平面視にて角部Aの延在方向に隣り合うレジスト液Qが重なるように吐出し、上面にレジスト膜を形成する。
以下、詳細に説明する。なお、本発明の理解を容易にするため、圧電素子片2、ヘッドユニット500、レジスト液Q等は模式的に図示されている。
図12に示すように、ヘッドユニット500は、平面視で、ノズル孔501が形成されている領域が圧電素子片2全体を包含するように構成されている。また、図示の構成では、複数のノズル孔501は、行列状に配置されている。
また、本実施形態では、複数のレジスト液Qとして、各ノズル孔501から、それぞれ、36滴のレジスト液Qを吐出した場合について代表して説明する。
まず、ヘッドユニット500を初期位置からx軸方向に移動させながら、不要なノズル孔501(図示の構成では、最外周部の各ノズル孔501)を除き、各ノズル孔501からそれぞれほぼ同じ径の6滴のレジスト液Qを連続的に吐出する。
図13に示すように、ヘッドユニット500からの1回目のレジスト液Qの吐出により、圧電素子片2の表面(第1面27、4つの各角部A)に、複数の第1滴目のレジスト液Qが着弾する。その際の作用は、第1実施形態と同様であるので、説明は、省略する。なお、圧電素子片2の表面に形成された複数の第1滴目のレジスト液Qは、互いに接触しないようにする。これにより、圧電素子片2の表面に着弾した各レジスト液Qが濡れ広がり過ぎてしまうことを防止することができる。
次に、図14に示すように、ヘッドユニット500からの2回目のレジスト液Qの吐出により、圧電素子片2の表面に、複数の第2滴目のレジスト液Qが着弾する。第1滴目のレジスト液Qと第2滴目のレジスト液Qの中心間距離は、第1実施形態で述べたように、第1実施形態における距離dと同様、レジスト液Qの直径未満、好ましくは、半径未満であり、平面視でx軸方向に隣り合う第1滴目のレジスト液Qと第2滴目のレジスト液Qが重なる。このことは、後述するレジスト液Qについても同様である。
以下、同様にして、ヘッドユニット500からの3回目〜6回目のレジスト液Qの吐出がなされる。これにより、図15に示すように、例えば、第1面27には、第1滴目〜第6滴目のレジスト液Qが、x軸方向に所定のピッチで、重なるように塗布される。
また、角部Aおよび側面28については、第1滴目〜第6滴目のレジスト液Qのうち、角部Aに着弾したもののみが、塗布されが、これは、後述するレジスト液Qについても同様であるので、以下、その説明は、省略する。
なお、前述したように、第2滴目〜第6滴目のレジスト液Qの圧電素子片2への着弾(吐出)は、それぞれ、先に圧電素子片2に着弾したレジスト液Qを乾燥させた後に行ってもよいし、そのレジスト液Qが乾燥しないうちに行ってもよいが、乾燥させた後に行なうことが好ましい。
次いで、塗布されたレジスト液Qを乾燥する。これにより、角部Aおよび側面28と、第1面27とに、第1滴目〜第6滴目のレジスト液Q(圧電素子片2に着弾したもののみ)によるレジスト膜が形成される。
次に、ヘッドユニット500をy軸方向に所定距離da(図16参照)移動させる(ずらす)とともに、x軸方向の初期位置に移動させる。このヘッドユニット500のy軸方向の移動距離(距離da)は、圧電素子片2への着弾状態にて、平面視でy軸方向に隣り合うレジスト液Qが重なる(部分的に重なる)ように設定される。これにより、例えば、y軸方向に延在する角部Aでは、その角部Aに先に着弾した乾燥後のレジスト液Q(以下、乾燥後のレジスト液を、単に「レジスト液」とも言う)と、これから着弾するレジスト液Qとが、重なり合う領域(重なり合う部分)が形成され、レジスト膜の膜厚を厚くすることができる。また、側面28および第1面27においても同様に、レジスト膜の膜厚を厚くすることができる。
次に、前記と同様にして、ヘッドユニット500をx軸方向に移動させながら、不要なノズル孔501を除き、各ノズル孔501からそれぞれほぼ同じ径の6滴のレジスト液Qを連続的に吐出する。
図16に示すように、ヘッドユニット500からの7回目のレジスト液Qの吐出により、圧電素子片2の表面に、複数の第7滴目のレジスト液Qが着弾する。これにより、平面視でy軸方向に隣り合う第1滴目のレジスト液Qと第7滴目のレジスト液Qが重なる。なお、第1滴目〜第6滴目のレジスト液Qを乾燥させた後、第7滴目のレジスト液Qを吐出するので、レジスト膜の膜厚をより確実に厚くすることができる。
ここで、前述した距離da、すなわち、y軸方向に隣り合う第1滴目のレジスト液Qと第7滴目のレジスト液Qの中心間距離(y軸方向に隣り合う一対のレジスト液Qの中心間距離)としては、圧電素子片2への着弾状態にて、その一対のレジスト液Qが重なり合う領域(以下、単に「重なり領域」とも言う)を形成することができれば特に限定されないが、レジスト液Qの着弾半径(インク滴が圧電素子上面に当たって広がった状態での半径)より小さい距離であるのが好ましい。これにより、より確実に、重なり領域を形成することができ、角部Aおよび側面28と、第1面27とに形成されるレジスト膜の膜厚が、レジストマスクM3として機能させるのに十分な厚さとなる。これに対して、距離daが、レジスト液Qの着弾半径より大きい場合には、レジスト液Qの径や粘度等の諸条件にもよるが、重なり領域が小さくなり過ぎたり、形成されなかったりし、レジスト膜の膜厚が薄くなり過ぎる場合がある。このことは、後述するレジスト液Qについても同様である。
次に、図17に示すように、ヘッドユニット500からの8回目のレジスト液Qの吐出により、圧電素子片2の表面に、複数の第8滴目のレジスト液Qが着弾する。この場合、平面視でx軸方向に隣り合う第7滴目のレジスト液Qと第8滴目のレジスト液Qが重なり、平面視でy軸方向に隣り合う第2滴目のレジスト液Qと第8滴目のレジスト液Qが重なる。
以下、同様にして、図18に示すように、ヘッドユニット500からの9回目〜12回目のレジスト液Qの吐出がなされる。これにより、例えば、第1面27には、第7滴目〜第12滴目のレジスト液Qが、軸方向に所定のピッチで、重なるように塗布される。
次いで、塗布されたレジスト液Qを乾燥する。
そして、以降も同様にして、ヘッドユニット500からの13回目〜18回目のレジスト液Qの吐出および乾燥、19回目〜24回目のレジスト液Qの吐出および乾燥、25回目〜30回目のレジスト液Qの吐出および乾燥、31回目〜36回目のレジスト液Qの吐出および乾燥がなされる。
以上の工程により、図19に示すように、例えば、第1面27には、第1滴目〜第6滴目のレジスト液Q、第7滴目〜第12滴目のレジスト液Q、第13滴目〜第18滴目のレジスト液Q、第19滴目〜第24滴目のレジスト液Q、第25滴目〜第30滴目のレジスト液Q、第31滴目〜第36滴目のレジスト液Qが、それぞれ、x軸方向に所定のピッチで、重なり、かつ、y軸方向にも所定のピッチで重なるように塗布される。
このようにして、第1面27の全域と、各側面28の第1面27側の全域にレジスト液Qを塗布することができ、これが乾燥することにより、圧電素子片2の第1面27の全域にレジスト膜L2が形成され、各側面28の第1面27側の全域にレジスト膜L1が形成される。そして、膜厚が不十分になり易い角部Aにも、十分に厚い膜厚のレジスト膜が形成される。なお、圧電素子片2の第2面29および側面28の第2面29側へのレジスト膜L3、L4の形成については、前記と同様であるので、その説明は省略する。
なお、レジスト液Qの塗布の順序は、前記の順序に限定されるものではなく、適宜設定することができる。また、レジスト液Qの滴数としては、36滴には限定されず、それよりも多くてもよく、また、少なくてもよい。
以上のような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
そして、この第2実施形態では、角部Aおよび側面28に形成されたレジスト膜を、複数のレジスト膜が重なり合った(積層された)構成とすることができる。そのため、角部Aに、レジストマスクM3として十分な膜厚のレジスト膜を形成することができる。
なお、本実施形態では、ヘッドユニット500として、複数のノズル孔501が行列状に配置されているものを用いたが、本発明では、ヘッドユニット500の構成は、これに限定されるものではない。例えば、共通のノズルから角部Aと第1面27とにレジスト液を吐出する構成の場合は、例えば、図20に示すように、複数のノズル孔501がy軸方向に沿って配置されたヘッドユニット500を用いることができる。
以上、本発明の塗膜形成方法および圧電素子の製造方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、液滴としてレジスト膜を形成するためのレジスト液を用いた構成について説明したが、液滴としてはこれに限定されず、例えば、絶縁膜を形成するための絶縁性の液滴や、電極膜や配線膜を形成する導電性の液滴であってもよい。
また、前述した実施形態では、被塗布物として、圧電材料で構成された圧電体基板を用いた構成について説明したが、被塗布物としては、これに限定されず、例えば、各種樹脂材料で構成された樹脂基板(合成樹脂基板)や、Au、Ag、Cu、Fe等の各種金属材料で構成された金属基板や、各種セラミックスで構成されたセラミックス基板や、シリコン基板等の半導体基板や、石英ガラス等の各種ガラス材料で構成されたガラス基板、サファイア基板、ダイヤモンド基板等であってもよい。
また、圧電素子片の形状としては、2本の腕部を有する音叉型のものについて説明したが、これに限定されず、例えば、ジャイロセンサ等に用いられる6本の腕部を有する「王」型をなすものであってもよい。
1……圧電素子 2……圧電素子片 21……基部 22、23……腕部 221、231……上側凹部 222、232……下側凹部 24……又部 27……第1面 28……側面 29……第2面 3……電極 31……第1の電極 311、321……端子 312、322……側面電極 313、323……上側凹部電極 314、324……下側凹部電極 32……第2の電極 4……電極層 500……ヘッドユニット 501、501a……ノズル孔 100……水晶ウエハ Cr……クロム層 Au……金層 M1、M2、M3……レジストマスク L1〜L4……レジスト膜 O1〜O5……中心 Q、Q1〜Q5……レジスト液 S1〜S5……線分 A……角部 d、da……距離 D……中心間距離

Claims (14)

  1. 上面、側面およびこれらが交差する角部を有する被塗布物に対して、吐出法により液滴をノズルを有するヘッドユニットの前記ノズルから吐出し、前記被塗布物に塗膜を形成する塗膜形成方法であって、
    前記上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記液滴を前記ヘッドユニットの前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記液滴が前記側面を流下することにより、前記側面に前記塗膜を形成し、
    前記上面の法線方向から前記上面に、前記液滴を前記ヘッドユニットの前記ノズルから吐出し、前記上面に前記塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 前記ヘッドユニットは、複数のノズルを有しており、
    前記角部には、前記ヘッドユニットの一部の前記ノズルから前記液滴を吐出し、前記上面には、前記ヘッドユニットの他の前記ノズルから前記液滴を吐出する請求項1に記載の塗膜形成方法。
  3. 前記ヘッドユニットの前記ノズルから複数の前記液滴を、前記上面の法線方向から前記角部付近に、前記被塗布物の平面視にて前記角部の延在方向に直交する方向に隣り合う前記液滴が重なるように吐出し、前記複数の液滴のうちの前記角部でせん断された液滴が前記側面を流下することにより、前記側面に前記塗膜を形成し、
    前記ヘッドユニットの前記ノズルから複数の前記液滴を、前記上面の法線方向から前記上面に、前記被塗布物の平面視にて前記角部の延在方向に直交する方向に隣り合う前記液滴が重なるように吐出し、前記上面に前記塗膜を形成する請求項1に記載の塗膜形成方法。
  4. 前記ヘッドユニットの前記ノズルから複数の前記液滴を、前記上面の法線方向から前記角部付近に、前記被塗布物の平面視にて前記角部の延在方向に直交する方向に隣り合う前記液滴が重なり、かつ、前記被塗布物の平面視にて前記角部の延在方向に隣り合う前記液滴が重なるように吐出し、前記複数の液滴のうちの前記角部でせん断された液滴が前記側面を流下することにより、前記側面に前記塗膜を形成し、
    前記ヘッドユニットの前記ノズルから複数の前記液滴を、前記上面の法線方向から前記上面に、前記被塗布物の平面視にて前記角部の延在方向に直交する方向に隣り合う前記液滴が重なり、かつ、前記被塗布物の平面視にて前記角部の延在方向に隣り合う前記液滴が重なるように吐出し、前記上面に前記塗膜を形成する請求項1に記載の塗膜形成方法。
  5. 前記角部の延在方向および延在方向に直行する方向に隣り合う前記液滴は、一方の前記液滴が乾燥した後に他方の前記液滴が吐出される請求項4に記載の塗膜形成方法。
  6. 前記角部の延在方向および延在方向に直行する方向に隣り合う前記液滴は、前記被塗布物への着弾状態にて重なるように吐出される請求項4または5に記載の塗膜形成方法。
  7. 前記ヘッドユニットは、複数のノズルを有しており、
    前記角部付近には、前記ヘッドユニットの一部の前記ノズルから前記液滴を吐出し、前記上面には、前記ヘッドユニットの他の前記ノズルから前記液滴を吐出する請求項3ないし6のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  8. 前記角部でせん断された液滴を、前記側面の前記被塗布物の厚さ方向の中間点よりも下側まで流下させる請求項1ないし7のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  9. 前記液滴の径は、10μm〜50μmである請求項1ないし8のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  10. 前記液滴の粘度は、1cP〜20cPである請求項1ないし9のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  11. 前記被塗布物は、圧電体材料で構成された圧電素子片である請求項1ないし10のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  12. 前記液滴は、レジスト液である請求項1ないし11のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  13. 上面、側面およびこれらが交差する角部を有する圧電素子片の表面に電極を形成することにより圧電素子を形成する圧電素子の製造方法であって、
    前記圧電素子片の表面に前記電極形成用の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
    前記金属膜の表面にレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
    前記レジストマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記電極を形成する電極形成工程とを有し、
    前記レジストマスク形成工程では、前記圧電素子片の側面および前記上面にレジスト液を塗布する際には、前記圧電素子片の上面の法線方向から前記角部に衝突するように前記レジスト液をノズルを有するヘッドユニットの前記ノズルから吐出し、前記角部でせん断された前記レジスト液が前記側面を流下することにより前記側面に前記レジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、前記圧電素子片の上面の法線方向から前記上面に、前記レジスト液を前記ヘッドユニットの前記ノズルから吐出し、前記上面に前記レジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、その後、前記側面および前記上面に形成された前記レジスト膜に露光および現像を行うことにより前記レジストマスクを形成することを特徴とする圧電素子の製造方法。
  14. 前記圧電素子片は、基部と、基部から互いに平行に突出した少なくとも一対の腕部を有し、前記レジストマスク形成工程では、前記圧電素子片の側面のうち前記一対の腕部の付け根部分の又部には、前記レジスト液を塗布しない請求項13に記載の圧電素子の製造方法。
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