JP2010227771A - 廃棄物の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所定の処理を施した汚泥焼却灰を用いることで、廃棄物中の化学物質が環境中に溶出するのを容易に抑制しうる廃棄物の処理方法を提供すると共に、汚泥焼却灰の新たな用途を見出すことを課題とする。
【解決手段】 汚泥焼却灰と酸とを接触させて得られた焼却灰処理物を、化学物質を含有する廃棄物の周囲に配することを特徴とする
【選択図】なし

Description

本発明は、化学物質を含有する廃棄物の処理方法に関し、特に、廃棄物中の化学物質が環境中へ溶出するのを抑制しうる廃棄物の処理方法に関する。
従来、化学物質による環境汚染を防止すべく、化学物質を含有する廃棄物は、他の廃棄物と区別されて収集され、処分されている。特に、重金属等の有害な化学物質を含有する廃棄物(例えば、都市ゴミや産業廃棄物等の燃え殻、汚泥、鉱滓、煤塵、耐火レンガ廃材等、又は、これらの焼却灰や飛灰等)は、特別管理廃棄物に指定され、中間処理において無害化された後、最終処分されるよう定められている。例えば、雨水等によって廃棄物中の重金属が環境中へ溶出するのを防止するための処理を行った後、投棄処分等がされている。
具体的には、廃棄物を高温溶融して、溶融スラグとすることで、重金属を該スラグ中に安定した状態で固定し、溶出を抑制する処理方法が採用されている(特許文献1参照)。また、他の処理方法としては、廃棄物を焼却等することで生じる焼却灰をセメントで固化することで、重金属を固定し、溶出を抑制する処理方法も採用されている(特許文献2参照)。
更に他の方法としては、廃棄物とキレート化剤とを混合することで、廃棄物から溶出する重金属をキレート化剤によって捕捉し、重金属を固定する処理方法が採用されている(特許文献3参照)。また、更に他の方法としては、廃棄物を酸性溶液と接触させることによって酸性溶液中に重金属を抽出し、廃棄物から重金属を除去する処理方法が採用されている(特許文献4参照)。
ところで、近年、都市排水や工場排水等の処理量の増加に伴い、発生する汚泥の量も増加している。この汚泥は、焼却又は溶融処理されることによって減量化(減容化)されるものの、発生する汚泥焼却灰の量は、膨大なものであるため、投棄処分等の最終処分量を減少させるべく、汚泥焼却灰を再資源化する試みがなされている。例えば、汚泥焼却灰を加圧成形した後、焼成してレンガとして利用したり、加圧造粒して人造骨材として利用したり、又は、溶融して路盤材として利用したりする試みがなされている。
特開2007−160290号公報 特開2000−037676号公報 特開平10−180224号公報 特開2000−167510号公報
しかしながら、上記のような廃棄物の処理方法は、処理を行うため巨大な設備や多大なエネルギーが必要であったり、含有する化学物質の性状や含有量によって、処理に用いる材料(セメント、キレート化剤、酸性溶液等)の性状や添加量を選択する必要があったりするため、廃棄物の処理に多大な手間とコストがかかっていた。
一方、汚泥焼却灰に関しては、汚泥焼却灰の投棄処分量をさらに減少させるためにも、上記のような再資源化の方法のみならず、汚泥焼却灰に更なる処理を施し、付加価値を付与することによって、汚泥焼却灰の更なる用途の拡大を図ることが求められている。
そこで、本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、所定の処理を施した汚泥焼却灰を用いることで、廃棄物中の化学物質が環境中へ溶出するのを容易に抑制しうる廃棄物の処理方法を提供すると共に、汚泥焼却灰の新たな用途を見出すことを課題とする。
本発明者らは、上記した如き課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、汚泥焼却灰を酸によって処理した焼却灰処理物を、化学物質を含有する廃棄物の周囲に配することによって、廃棄物中の化学物質が環境中へ溶出するのを抑制しうることを見出し、ここに発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係る廃棄物の処理方法は、汚泥焼却灰と酸とを接触させて得られた焼却灰処理物を、化学物質を含有する廃棄物の周囲に配することを特徴とするものである。
上記構成からなる廃棄物の処理方法によれば、汚泥焼却灰と酸とを接触させることで、汚泥焼却灰中の酸可溶性成分が溶出し、汚泥焼却灰が多孔質化され、微細な細孔を有する焼却灰処理物が形成される。該焼却灰処理物は、化学物質を含有する廃棄物の周囲に配されることによって、雨水等が廃棄物に接触することで溶出する化学物質を前記細孔に吸着し、環境中への溶出を容易に抑制することができる。これにより、汚泥焼却灰を廃棄物の処理に利用することができ、再資源化を図ることができる。
以上のように、本発明によれば、汚泥焼却灰を酸によって処理した焼却灰処理物を、化学物質を含有する廃棄物の周囲に配することで、廃棄物中の化学物質が環境中に溶出するのを容易に抑制することができると共に、汚泥焼却灰の再資源化を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態にかかる廃棄物の処理方法は、汚泥焼却灰と酸とを接触させる酸処理工程を経て得られる焼却灰処理物を用い、該焼却灰処理物を、化学物質を含有する廃棄物の周囲に配することによって行われるものである。
前記汚泥焼却灰としては、下水処理場で発生する汚泥(活性汚泥やし尿、家庭用雑排水、産業用排水等を処理することによって発生する汚泥等)を焼却したものを用いることができる。前記汚泥には、高分子凝集剤を含んだ汚泥や石灰系凝集剤を含んだ汚泥等を用いることができる。具体的には、近年、下水処理場等においては汚泥の発生量を減少させる目的から高分子凝集剤が多用されるため、高分子凝集剤を含む汚泥を焼却した汚泥焼却灰を用いることが好ましい。また、前記汚泥は、含水率が60〜90重量%程度になるまで脱水されたものを用いることが好ましい。
また、前記汚泥焼却灰は、シリカ、燐酸カルシウム、アルミナ、酸化鉄等を含むものであってもよい。また、前記汚泥焼却灰の形態としては、特に限定されるものではなく、例えば、汚泥を焼却したそのままの形態であってもよく、ペレット状、板状、錠剤状等に形成されたものであってもよい。さらに、酸との接触による反応が効果的に行われるように、粉砕されて粉体状の形態とされることが好ましい。
前記酸処理工程は、汚泥焼却灰と酸とを接触させ、汚泥焼却灰中の酸可溶性成分を溶解して除去し、汚泥焼却灰の多孔質化を行う工程である。これによって、汚泥焼却灰のBET比表面積が増加することとなる。具体的には、酸処理前の汚泥焼却灰のBET比表面積が5m2/g程度であるのに対し、酸処理後には6.5m2/g以上となるように処理されることが好ましく、10〜70m2/gとなるように処理することがより好ましい。なお、BET比表面積は、N2ガス吸着式BET測定装置「BELSORP−mini」(日本BEL株式会社製)を用いて測定されるものである。
前記汚泥焼却灰と接触させる酸の形態としては、酸性水溶液、酸性ガス又は酸性粉体等の形態で用いることができる。具体的には、汚泥焼却灰との接触が良好である酸性水溶液または酸性ガスを用いることが好ましい。
前記酸性水溶液を用いた場合には、汚泥焼却灰を酸性水溶液に添加して混合し、浸漬することによって、汚泥焼却灰中の酸可溶性成分が溶出し、多孔質化した焼却灰処理物を得ることができる。前記酸性水溶液の酸濃度としては、0.1〜10規定であることが好ましい。また、前記酸性水溶液としては、特に限定されるものではないが、硫酸、塩酸、硝酸等の水溶液を用いることができる。具体的には、塩酸水溶液を用いることが好ましく、市販の塩酸水溶液や金属精錬工業等から発生する廃塩酸の水溶液を用いることができる。
また、前記酸性水溶液は、汚泥焼却灰100重量部に対して、100%酸換算で0.5重量部以上用いることが好ましく、また、4〜25重量部用いることがより好ましい。添加時の酸性水溶液の温度としては、反応を促進する面から10〜90℃程度であることが好ましい。
また、前記酸として酸性ガスを用いた場合には、前記汚泥焼却灰と酸性ガスとを混合し、混練することによって、汚泥焼却灰に含まれる水分に酸性ガスが溶解し、汚泥焼却灰と酸との接触が良好に行われ、多孔質化された焼却灰処理物を効果的に得ることができる。
前記酸性ガスとしては、特に限定されるものではないが、汚泥焼却灰に含まれる水分に溶解しやすい酸性ガスであればよい。具体的には、塩化水素、窒素酸化物または硫黄酸化物を含むガスや廃棄物処理工場等において発生する塩素系ガス等を用いることができる。好ましくは、水分に溶解しやすい塩化水素ガスを用いることができる。前記塩化水素ガスは、塩化カリウム、塩化ナトリウムまたは塩化カルシウム等の塩素系化合物と硫酸または硫酸化合物とを混合して加熱したもの等を用いることができる。
また、前記酸性ガスは、汚泥焼却灰100重量部に対して、100%酸換算で1重量部以上用いることが好ましく、酸性ガスを汚泥焼却灰中の水分に十分に溶解させると共に、多孔質化が良好に行われるようにするために、4〜25重量部用いることがより好ましい。また、酸性ガスの温度としては、10〜90℃程度が反応を促進させる面から好ましい。
前記酸性ガスを用いることによって、酸処理工程後の焼却灰処理物中に多量の水分が含まれることがなく、後に行う乾燥処理を短時間で済ませることができ、多大なエネルギーを要する必要をなくすことができる。
なお、汚泥焼却灰と上記酸性水溶液又は酸性ガスとの接触時間としては、特に限定されるものではなく、汚泥焼却灰の性状に応じて任意に設定することが好ましい。例えば、0.1時間〜10日とするのが好ましく、0.1時間〜1日とするのがより好ましい。また、接触時間を変化させることによって焼却灰処理物の細孔径分布を変化させることができる。具体的には、接触時間を長くすることにより10nm以下、特に6nm以下の径の微細な細孔を増加させることができる。微細な細孔が増加することによって、化学物質を吸着する表面積が増加し、化学物質の吸着性能をより高めることが可能となる。
前記酸処理された汚泥焼却灰は、前記酸処理工程後、中和処理工程において中和剤と接触させられることが好ましい。中和処理を行うことによって、焼却灰処理物を乾燥し、貯蔵し、運搬する際の設備等に、耐酸性対策を施す必要をなくすことができる。
前記中和剤としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、消石灰、アンモニア、炭酸カルシウム(CaCO3)を主成分とするライムストーン(石灰岩)、コーラルサンド等のアルカリ性の材料等を用いることができる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムを用いることが好ましい。前記中和剤の形態としては、アルカリ性水溶液、アルカリ性ガス又はアルカリ性粉体等の形態で用いることができる。また、中和剤の添加量としては、酸処理された汚泥焼却灰の酸濃度がpH5.5〜9.0となるように添加することが好ましい。
また、前記中和処理後には、乾燥処理工程において乾燥処理されることが好ましい。乾燥処理を行うことによって、細孔容積及び比表面積が増加し、化学物質の吸着性を向上させることができる。乾燥処理としては、特に限定されるものではないが、回転ドラム式乾燥機、パドル式乾燥機、流動層式乾燥機、気流乾燥機、遠心薄膜式乾燥機等を用いて行うことができる。また、下水処理場において行われる汚泥の乾燥処理によっても行うことができる。乾燥温度としては、特に制限されるものではないが、例えば90〜300℃において乾燥処理されることが好ましい。
上記各工程によって汚泥焼却灰は、多孔質化され、微細な細孔が増大するため、良好なカチオン捕捉性及びアニオン捕捉性を有し、また、物理的な吸着性を有する焼却灰処理物となり、廃棄物中から溶出する化学物質を吸着除去することが可能となる。
前記焼却灰処理物が吸着しえる化学物質としては、カチオン性物質、アニオン性物質、有機塩素化合物、栄養塩類、揮発性有機化合物(VOC)等の物質が挙げられる。具体的には、カチオン性物質としては、クロム、アルミニウム、カルシウム(石灰)、ニッケル、銅、鉛、亜鉛、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属類や水素イオン、アンモニウムイオン等の陽イオン類に有効である。特に、鉛、クロム、カドミウム、水銀等の重金属に関して、顕著な吸着効果を有するものである。一方、アニオン性物質としては、砒素、フッ素、ホウ素、セレン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、塩化物イオン、フッ化物イオン、リン酸イオン等の陰イオン類に有効である。
焼却灰処理物を適用可能な廃棄物の形態としては、特に限定されるものではなく、都市ゴミや産業廃棄物等が所定の大きさに粉砕されたものやその燃え殻、汚泥、鉱滓、煤塵、耐火レンガ廃材等、又は、これらを焼却等することで発生する焼却灰や飛灰等、又は、これらの混合物等に適用することができる。
上記のような廃棄物の周囲に焼却灰処理物を配する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、上記のような形態の廃棄物と焼却灰処理物とを混合する方法や廃棄物の下に焼却灰処理物を配する方法等を採用することができる。
具体的には、上記のような形態の廃棄物と焼却灰処理物とを混合する方法としては、廃棄物を焼却灰処理物に添加し、混練設備等(一般的には、振動ミル)を用いて焼却灰処理物中に廃棄物が均一に分散されるようにする方法を採用することが好ましい。これによって、例えば、都市ゴミ等を粉砕した破片や飛灰等の粒子など(以下、廃棄物粒子と記す)のそれぞれの周囲に焼却灰処理物が配された状態、より詳しくは、焼却灰処理物が廃棄物粒子のそれぞれと接触した状態となる。このため、かかる方法によれば、廃棄物と焼却灰処理物とが混合された状態で投棄処分等された際に、雨水等が廃棄物(具体的には、廃棄物粒子)に接触して溶出した化学物質を焼却灰処理物が迅速に吸着するため、環境中に化学物質が溶出するのを抑制することができる。なお、上記のように廃棄物と焼却灰処理物とが混合されたものを、セメント等を用いてさらに固化処理してもよく、又は、焼却灰処理物をセメントとプレミックスしたものと廃棄物とを混合してさらに固化処理してもよい。
また、他の方法としては、所定の溶液中で廃棄物と焼却灰処理物とを混合する方法を採用することもできる。例えば、酸性溶液中に上記のような形態の廃棄物と焼却灰処理物とを分散させると共に、所定時間混合する方法を採用することができる。これによって、廃棄物粒子の周囲に焼却灰処理物が所定の溶液(酸性溶液)を介して配された状態となる。このため、かかる方法によれば、廃棄物から化学物質が酸性溶液中に溶出すると共に、溶出した化学物質が焼却灰処理物に吸着されるため、廃棄物の全体から化学物質を溶出させて除去することができると共に、溶出した化学物質を効果的に焼却灰処理物に吸着させることができる。このため、廃棄物及び焼却灰処理物を酸性溶液から分離した際に、化学物質がムラなく除去された廃棄物と化学物質を固定した焼却灰処理物とからなる無害化物を得ることができ、後に投棄処分したり、セメント等の材料として利用したりすることが容易になる。
また、廃棄物の下に焼却灰処理物を配する方法としては、例えば、廃棄物を投棄処分する敷地に焼却灰処理物を敷き詰めて焼却灰処理物層を形成した後、該焼却灰処理物の上に廃棄物を敷き詰める方法を採用することができる。これによって、廃棄物全体の下方に焼却灰処理物が配された状態となるため、雨水等によって廃棄物の全体から溶出する化学物質が焼却灰処理物層に吸着され、土壌中に溶出するのを防止することができる。また、廃棄物と焼却灰処理物とを混合する必要がないため、作業時間とコストを削減することができる。
以上のように、本発明にかかる廃棄物の処理方法は、汚泥焼却灰を酸によって処理し、化学物質を含有する廃棄物の周囲に配することで、廃棄物からの化学物質の溶出を容易に抑制することができると共に、汚泥焼却灰の再資源化を図ることができる。
即ち、前記廃棄物の処理方法は、汚泥焼却灰と酸とが接触して形成された微細な細孔を有する焼却灰処理物が、化学物質を含有する廃棄物の周囲に配されることによって、雨水等が廃棄物に接触することで溶出する化学物質が前記細孔に吸着されるため、環境中への化学物質の溶出を容易に抑制することができる。これにより、汚泥焼却灰を廃棄物の処理に利用することができ、再資源化を図ることができる。
なお、本発明に係わる廃棄物の処理方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、酸処理工程後の工程として、中和処理工程と乾燥処理工程とが実施されるが、これに限定されるものではなく、焼却灰処理物が廃棄物の周囲に配した際に、化学物質を吸着する作用に影響が出ないのであれば、任意に他の処理工程を加えてもよい。例えば、酸処理工程後に粉砕処理工程を加えてもよい。これにより、後の中和処理及び乾燥処理を迅速に行うことができ、また、焼却灰処理物を廃棄物中に均一に分散しやすくすることができる。また、前記酸処理工程後の各工程は、任意にその順番を変更して実施してもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
1.焼却灰処理物の調製
(1)汚泥焼却灰
汚泥焼却灰として、高分子凝集材を添加後脱水した汚泥を流動床型焼却炉にて焼却した粉体を用いた。前記粉体は、下記表1に示すそれぞれの組成を含み、BET比表面積が5.5m2/gとなるものである。
Figure 2010227771
(2)酸処理
前記粉体(汚泥焼却灰)50gを攪拌容器に入れ、これに1規定の塩酸水溶液を50ml添加し、練りさじで約1分間混練した後、20℃の恒温室に2時間、浸漬状態で静置して酸処理を行った。
(3)中和処理
前記酸処理した粉体を含む浸漬物が、pH8.0〜8.5程度となるように、中和剤水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粉末(特級試薬)を添加し、中和処理を行った。
(4)乾燥処理
前記中和処理した汚泥焼却灰を含む浸漬物を110℃の乾燥機に入れて18時間保持し、乾燥させて焼却灰処理物を得た。
2.比較例及び実施例
(1)比較例
<試験体>
廃棄物として、都市ゴミを焼却した際に生じる飛灰を試験体として用いた。
<試験方法>
上記試験体について、環境庁告示第13号の試験方法による鉛の溶出試験を行った。
(2)実施例1
<試験体の作製>
上記比較例で用いた飛灰100重量部に対して水40重量部、焼却灰処理物5重量部を添加して混練し、試験体を作製した。そして、比較例と同条件で鉛の溶出試験を行って溶出量について評価を行った。
(3)実施例2
<試験体の作製>
上記比較例で用いた飛灰100重量部に対して水40重量部、焼却灰処理物5重量部、高炉B種セメント10重量部添加して混練することで固化処理を行い、試験体を作製した。そして、比較例と同条件で鉛の溶出試験を行って溶出量について評価を行った。
3.試験結果
Figure 2010227771
4.まとめ
比較例と実施例1とを比較すると、焼却灰処理物を添加した実施例1の方が溶出液中の鉛濃度が著しく低い値となっており、焼却灰処理物を飛灰と混合することで、飛灰から溶出した鉛が焼却灰処理物に吸着され、外部への溶出が抑制されることが認められる。
また、実施例1において、試験体作製後1日目と7日目との結果を比較すると、両方の日にちにおいて、比較例よりも低い値となっており、経過日時の違いによって吸着性能に差が生じないことが認められる。
また、比較例と実施例2とを比較すると、実施例2は、実施例1と同様に、比較例より溶出液中の鉛濃度が著しく低い値となっており、焼却灰処理物と飛灰と混合し、さらに、セメントによって固化処理した場合であっても、飛灰から溶出した鉛が焼却灰処理物に吸着され、外部への溶出が抑制されることが認められる。また、実施例2において、試験体作製後1日目と7日目との結果を比較すると、実施例1と同様の結果となり、経過日時の違いによって吸着性能に差が生じないことが認められる。
また、実施例1及び2の試験結果は、溶出基準値よりも低い値となっており、比較例で用いたような高濃度の鉛を含有する飛灰(試験体)であっても、焼却灰処理物と混合されることで、溶出液中の鉛濃度を溶出基準値よりも低い値にし得ることが認められる。
以上より、本発明に係る廃棄物の処理方法によれば、酸によって処理された汚泥焼却灰(焼却灰処理物)を飛灰(廃棄物)と混合することにより(廃棄物の周囲に配することにより)、飛灰が雨水等と接触することで溶出する化学物質が焼却灰処理物に吸着されるため、環境中への化学物質の溶出を抑制することができる。また、汚泥焼却灰を廃棄物の処理に利用することができ、再資源化を図ることができる。

Claims (8)

  1. 汚泥焼却灰と酸とを接触させて得られた焼却灰処理物を、化学物質を含有する廃棄物の周囲に配することを特徴とする廃棄物の処理方法。
  2. 廃棄物は、都市ゴミや産業廃棄物等を粉砕したもの、汚泥、鉱滓、煤塵、耐火レンガ廃材、又は、これらを焼却することで発生する燃え殻や飛灰、又は、これらの混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物の処理方法。
  3. 前記廃棄物が、少なくとも重金属を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の廃棄物の処理方法。
  4. 前記焼却灰処理物のBET比表面積が、10〜70m2/gであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の廃棄物の処理方法。
  5. 前記酸が硫酸、塩酸、硝酸のいずれかを含む酸性水溶液であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の廃棄物の処理方法。
  6. 前記焼却灰処理物が、さらに中和処理されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の廃棄物の処理方法。
  7. 前記焼却灰処理物が、さらに乾燥処理されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の廃棄物の処理方法。
  8. 前記焼却灰処理物が、カチオン捕捉性及びアニオン捕捉性を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の廃棄物の処理方法。
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