JP2010226780A - 交流電動機の制御システム - Google Patents

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伸太郎 辻井
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Abstract

【課題】矩形波電圧振幅の変化に対応したトルク変化量をフィードバック制御を待つことなく補償することによって制御応答性を向上する。
【解決手段】モータ運転状態および矩形波電圧の電圧位相θvに対する出力トルクの特性を示すトルク演算式に従って、FF係数算出部452は、インバータの直流側電圧VHの変化に対して、出力トルクを一定に保つための位相変化量の比(dθ/dV)を算出する。積分項補正部450は、直流側電圧VHの変化を示すΔVと(dθ/dV)との積に従って、電圧位相シフト量θsfを算出する。そして、トルク偏差に応じて電圧位相を変化させるフィードバック制御による積分項は、電圧位相シフト量θsfに従って変化される。
【選択図】図3

Description

この発明は、交流電動機の制御システムに関し、より特定的には、直流電圧をインバータにより矩形波交流電圧に変換して交流電動機へ印加するモータ制御に関する。
直流電圧をインバータによって交流電圧に変換して交流電動機を駆動制御するモータ制御システムが一般的に用いられている。このようなモータ制御システムでは、一般的には交流電動機を高効率で駆動するために、ベクトル制御に基づく正弦波パルス幅変調(PWM)制御に従ってモータ電流が制御される。
しかしながら、正弦波PWM制御では、インバータの出力電圧の基本波成分を十分に高めることができず電圧利用率に限界があるため、高速領域で高出力を得ることが難しいという問題点がある。この点を考慮して、正弦波PWM制御よりも基本波成分が大きい電圧を出力可能な制御方式の採用が提案されている。
このため、特開2000−50689号公報(特許文献1)および特開2007−159368号公報(特許文献2)に記載されるように、交流モータへ印加される矩形波電圧の電圧位相によってトルク制御を行う、矩形波電圧制御が採用される。
また、特開2006−320039号公報(特許文献3)には、コンバータによって電圧振幅が可変制御される矩形波電圧制御において、基本的にはトルク偏差に応じて矩形波電圧の電圧位相を変化させるとともに、モータ回転速度が急激に変化した場合には、モータ回転速度の変化比に応じてコンバータの出力電圧を変化させる制御が記載されている。
特開2000−50689号公報 特開2007−159368号公報 特開2006−320039号公報 特開2004−289927号公報 特開平9−191697号公報
上記特許文献1〜3での矩形波電圧制御は、交流電動機のトルク実績をフィードバック制御する制御構成で共通している。しかしながら、交流電動機の出力トルクは、矩形波電圧制御の操作量である電圧位相のみではなく、回転速度に代表されるモータ運転状態によっても変化する。すなわち、矩形波電圧の位相が同じであっても、モータ運転状態が変化すると出力トルクが変化してしまう。特に、矩形波電圧を発生するインバータの直流側電圧の変化によって、矩形波電圧の振幅が変化すると、モータの出力トルクが変化する。
したがって、上述のようなトルクフィードバック制御では、矩形波電圧の振幅が変化した場合には、当該電圧変化に伴うトルク変化量がトルク偏差として検出された後に、当該トルク偏差を解消するための制御演算に従って電圧位相が変化することになる。この結果、電圧変化時には、一時的にトルク変動や過電流が発生する可能性があり、その制御応答性および安定性に問題が生じるおそれがある。
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、交流電動機へ印加される矩形波電圧の電圧位相をトルク偏差に応じて変化させる交流電動機制御において、矩形波電圧振幅の変化に対応したトルク変化量を、フィードバック制御を待つことなく補償することによって制御応答性を向上させることである。
この発明による交流電動機の制御システムは、インバータと、矩形波制御部とを備える。矩形波制御部と、比例制御演算部と、積分制御演算部と、積分項補正部とを含む。インバータは、直流電圧を、交流電動機を駆動するための交流電圧に変換するように構成される。矩形波制御部は、交流電動機のトルク偏差のフィードバック制御に従ってインバータから交流電動機へ印加される矩形波電圧の電圧位相を変化させるように構成される。比例制御演算部は、トルク偏差の現在値に基づいて電圧位相の第1の制御量を設定するように構成される。積分制御演算部は、トルク偏差の積分処理に基づいて電圧位相の第2の制御量を設定するように構成される。制御信号発生部は、第1および第2の制御量の和に従った電圧位相に対応させて、インバータの制御指令を生成するように構成される。積分項補正部は、直流電圧の変化量を検知するとともに、当該変化量に起因して発生するトルク変化量を相殺するための電圧位相シフト量を演算するように構成される。積分制御演算部は、さらに、電圧位相シフト量に従って第2の制御量を変化させるように構成される。
この発明によれば、交流電動機へ印加される矩形波電圧の電圧位相をトルク偏差に応じて変化させる交流電動機制御において、矩形波電圧振幅の変化に対応したトルク変化量を、フィードバック制御を待つことなく補償することによって制御応答性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に従う交流電動機の制御システムの全体構成図である。 矩形波電圧制御における電圧位相とトルクとの対応関係を示す概念図である。 矩形波電圧制御の具体的な制御構成を説明するための機能ブロック図である。 直流電圧が変化した際の出力トルク変化に対する本実施の形態の矩形波電圧制御による対応を説明する概念図である。
図1は、本発明の実施の形態に従う交流電動機の制御システムの全体構成図である。
図1を参照して、モータ制御システム100は、直流電圧発生部10♯と、平滑コンデンサC0と、インバータ14と、制御装置30と、交流電動機M1とを備える。
交流電動機M1は、たとえば、ハイブリッド自動車または電気自動車等の電動車両の駆動輪を駆動するためのトルクを発生する駆動用電動機である。すなわち、本実施の形態では、電動車両は、エンジンを搭載しない電気自動車を含め、車輪駆動力発生用の電動機を搭載する車両全般を含むものである。なお、交流電動機M1は、一般的には、電動機および発電機の機能を併せ持つように構成される。また、この交流電動機M1は、ハイブリッド自動車では、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように構成されてもよい。さらに、交流電動機M1は、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
直流電圧発生部10♯は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、平滑コンデンサC1と、コンバータ12とを含む。
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池、燃料電池や電気二重層キャパシタ、あるいは、これらの組合せから成る。直流電源Bが出力する直流電圧Vbは、電圧センサ10によって検知される。電圧センサ10は、検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。
システムリレーSR1は、直流電源Bの正極端子および電力線6との間に接続され、システムリレーSR2は、直流電源Bの負極端子およびアース線5の間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン/オフされる。平滑コンデンサC1は、電力線6およびアース線5の間に接続される。
コンバータ12は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。
電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2は、電力線7およびアース線5の間に直列に接続される。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S1およびS2によって制御される。
この発明の実施の形態において、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、
電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置されている。
リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと電力線6の間に接続される。また、平滑コンデンサC0は、電力線7およびアース線5の間に接続される。
インバータ14は、電力線7およびアース線5の間に並列に設けられる、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。各相アームは、電力線7およびアース線5の間に直列接続されたスイッチング素子から構成される。たとえば、U相アーム15は、スイッチング素子Q3,Q4から成り、V相アーム16は、スイッチング素子Q5,Q6から成り、W相アーム17は、スイッチング素子Q7,Q8から成る。また、スイッチング素子Q3〜Q8に対して、逆並列ダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。スイッチング素子Q3〜Q8のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8によって制御される。
各相アームの中間点は、交流電動機M1の各相コイルの各相端に接続されている。代表的には、交流電動機M1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成される。さらに、各相コイルの他端は、各相アーム15〜17のスイッチング素子の中間点と接続されている。
コンバータ12は、昇圧動作時には、直流電源Bから供給された直流電圧Vbを昇圧した直流電圧(インバータ14への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する)VHをインバータ14へ供給する。また、コンバータ12は、降圧動作時には、平滑コンデンサC0を介してインバータ14から供給された直流電圧(システム電圧)を降圧して直流電源Bを充電する。昇圧動作時および降圧動作時において、スイッチング素子Q1,Q2のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S1,S2にそれぞれ応答して制御される。なお、スイッチング素子Q1およびQ2をオンおよびオフにそれぞれ固定すれば、VH=Vb(電圧比=1.0)とすることもできる。
平滑コンデンサC0は、コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサ13は、平滑コンデンサC0の両端の電圧、すなわちシステム電圧VHを検出し、検出した電圧を制御装置30へ出力する。
インバータ14は、交流電動機M1のトルク指令値が正(Tqcom>0)の場合には、平滑コンデンサC0から直流電圧が供給されると制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8に応答した、スイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作により直流電圧を適切なモータ印加電圧(交流電圧)に変換して正のトルクを出力するように交流電動機M1を駆動する。また、インバータ14は、交流電動機M1のトルク指令値が零の場合(Tqcom=0)には、スイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング動作により、直流電圧を適切なモータ印加電圧(交流電圧)に変換してトルクが零になるように交流電動機M1を駆動する。これにより、交流電動機M1は、トルク指令値Tqcomによって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
さらに、モータ制御システム100が搭載された電動車両の回生制動時には、交流電動機M1のトルク指令値Tqcomは負に設定される(Tqcom<0)。この場合には、インバータ14は、スイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング動作により、交流電動機M1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧(システム電圧)を平滑コンデンサC0を介してコンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、電動車両を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
電流センサ24は、交流電動機M1に流れるモータ電流を検出し、その検出したモータ電流を制御装置30へ出力する。なお、三相電流iu,iv,iwの瞬時値の和は零であるので、図1に示すように電流センサ24は2相分のモータ電流(たとえば、V相電流ivおよびW相電流iw)を検出するように配置すれば足りる。
回転角センサ(レゾルバ)25は、交流電動機M1のロータ回転角ANGを検出し、その検出した回転角ANGを制御装置30へ送出する。制御装置30では、回転角ANGに基づき交流電動機M1の回転速度(単位時間当たりの回転数(代表的にはrpm)によって示されるものとする)および角速度ω(rad/s)を算出できる。なお、回転角センサ25については、回転角ANGを制御装置30にてモータ電圧や電流から直接演算することによって、配置を省略してもよい。
制御装置30は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵した電子制御ユニット(ECU)により構成され、当該メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、各センサによる検出値を用いた演算処理を行なう。制御装置30は、このような演算処理により、交流電動機M1が上位ECUからの動作指令に従って運転されるように、モータ制御システム100の動作を制御する。なお、制御装置30の一部については、電子回路等のハードウェアにより所定の数値・論理演算処理を実行するように構成されてもよい。
具体的には、制御装置30は、トルク指令値Tqcom、電圧センサ10によって検出されたバッテリ電圧Vb、電圧センサ13によって検出されたシステム電圧VHおよび電流センサ24からのモータ電流iv,iw、回転角センサ25からの回転角ANGに基づいて、後述する方法により交流電動機M1がトルク指令値Tqcomに従ったトルクを出力するように、コンバータ12およびインバータ14の動作を制御する。すなわち、コンバータ12およびインバータ14を上記のように制御するためのスイッチング制御信号S1〜S8を生成して、コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
コンバータ12の昇圧動作時には、制御装置30は、平滑コンデンサC0の出力電圧VHをフィードバック制御し、出力電圧VHが電圧指令値となるようにスイッチング制御信号S1,S2を生成する。
また、制御装置30は、電動車両が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを上位ECUから受けると、交流電動機M1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するようにスイッチング制御信号S3〜S8を生成してインバータ14へ出力する。これにより、インバータ14は、交流電動機M1で発電された交流電圧を直流電圧に変換してコンバータ12へ供給する。
さらに、制御装置30は、電動車両が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するようにスイッチング制御信号S1,S2を生成し、コンバータ12へ出力する。これにより、交流電動機M1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。さらに、制御装置30は、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
(矩形波電圧制御)
本発明による交流電動機の制御システムは、交流電動機M1のトルクを所定の制御周期毎にフィードバック制御する矩形波電圧制御に特徴点を有するものである。したがって、以下では、矩形波電圧制御の制御構成について詳細に説明する。
本実施の形態による交流電動機の矩形波電圧制御は、図2に示されるような、電圧位相θvに対する出力トルクの変化特性に従って実施される。
図2を参照して、一般的には、正トルク発生時(Tqcom>0)には、トルク不足時には電圧位相θvを進める一方で、トルク過剰時には電圧位相θvを遅らせるように、トルク偏差に応じて電圧位相θvは制御される。これに対して、負トルク発生時(Tqcom<0)には、トルク不足時には電圧位相θvを遅らせる一方で、トルク過剰時には電圧位相θvを進めるように、トルク偏差に応じて電圧位相θvが制御される。
なお、交流電動機M1の動作状態に応じて、矩形波電圧制御と、その他の制御方式(PWM制御等)とが選択的に適用される交流電動機の制御システムに対しても、本発明は適用可能である。この場合には、矩形波電圧制御の選択時に、以下に説明する本実施の形態による矩形波電圧制御が適用される。
図3は、矩形波電圧制御の具体的な制御構成を説明するための機能ブロック図である。 図3を参照して、矩形波電圧制御部400は、電力演算部410と、トルク演算部420と、偏差演算部425と、比例制御演算部430と、積分制御演算部440と、積分項補正部450と、加算部455と、矩形波発生器460と、信号発生部470とを含む。なお、図3中の各機能ブロックについては、制御装置30によって実行される所定プログラムおよび/または制御装置30内の電子回路(ハードウェア)による制御演算処理によって実現されるものとする。
電力演算部410は、電流センサ24によるV相電流ivおよびW相電流iwから求められる各相電流と、各相(U相,V相、W相)電圧Vu,Vv,Vwとにより、下記(1)式に従ってモータへの供給電力(モータ電力)Pmtを算出する。
Pmt=iu・Vu+iv・Vv+iw・Vw …(1)
トルク演算部420は、電力演算部410によって求められたモータ電力Pmtおよび回転角センサ25によって検出される交流電動機M1の回転角ANGから算出される角速度ωを用いて、下記(2)式に従ってトルク推定値Tqを算出する。
Tq=Pmt/ω …(2)
なお、トルク推定値Tqについては、上記電力演算部410およびトルク演算部420による推定方式に限定されるものではなく、任意の手法によって求めることが可能である点を確認的に記載する。あるいは、電力演算部410およびトルク演算部420に代えてトルクセンサを配置することによって、トルク推定値Tqを求めてもよい。
偏差演算部425は、トルク推定値Tqおよびトルク指令値Tqcomに従って、トルク偏差ΔTq(ΔTq=Tqcom−Tq)を演算する。
比例制御演算部430は、今回の制御周期におけるトルク偏差ΔTq、すなわちトルク偏差ΔTqの現在値と、所定の比例ゲインKpとの積に基づいて、P(比例)制御に係る位相制御量θpを演算する。すなわち、θp=Kp・θpで演算される。
これに対して、積分制御演算部440は、トルク偏差ΔTqの積分値と所定の積分ゲインKiとに基づいて、I(積分)制御に係る位相制御量θiを演算する。加算部455は、比例制御演算部430による位相制御量θpおよび積分制御演算部440による位相制御量θiの和に従って、電圧位相θvを設定する。
矩形波発生器460は、加算部455によって設定された電圧位相θvに従って各相電圧指令値(矩形波パルス)Vu,Vv,Vwを発生する。信号発生部470は、各相電圧指令値Vu,Vv,Vwに従ってスイッチング制御信号S3〜S8を発生する。インバータ14がスイッチング制御信号S3〜S8に従ったスイッチング動作を行なうことにより、電圧位相θvに従った矩形波電圧が、モータの各相電圧として印加される。
このように、図3に示した矩形波電圧制御部400の構成から、積分項補正部450を除いた機能部分によれば、一般的なトルクフィードバック制御が実現される。しかしながら、このような一般的なフィードバック制御では、インバータ14の直流側電圧(VH)が変化した際の制御応答性を十分に確保できない虞がある。
図4には、直流電圧が変化した際の出力トルク変化、および、このトルク変化に対する
本実施の形態による矩形波電圧制御の対応が示される。
図4を参照して、VH=Vaの状態下で、フィードバック制御により電圧位相がθ0に設定されることによって出力トルクがトルク指令値Tqcomに一致している(動作点Pa)。この状態から直流電圧がΔV上昇すると、電圧位相がθ0のままであっても出力トルクが上昇する(動作点Pb)。
そして、直流電圧VH=Va+ΔVの状態下でのフィードバック制御によって、動作点Pbでの出力トルクとトルク指令値Tqcomとのトルク偏差ΔTqを解消するように、電圧位相θvが徐々に変化する。そして、出力トルクがトルク指令値Tqcomに一致する状態(動作点Pc)では、電圧指令がθ0となる。
このように、一般的なPI制御によるフィードバック制御では、インバータ14の直流側電圧(VH)、すなわち、矩形波電圧の振幅が変化した場合には、その結果として生じたトルク偏差を検出した後に、当該トルク偏差がフィードバック制御によって解消されるまでの期間、トルク偏差が不可避に発生する。すなわち、動作点Paから動作点Pbを経由して、徐々に最終的な動作点Pcへ至るような制御動作となってしまうため、モータ運転状態の変化時における制御応答性が十分ではない。
したがって、本発明の実施の形態による矩形波電圧制御では、積分項補正部450(図3)を導入したフィードバック制御を実行する。
再び図3を参照して、積分項補正部450は、モータ運転状態の変化に対応するトルク変化量を相殺するための「電圧位相シフト量」に相当する積分項シフト量θsfを求める。積分制御演算部440は、積分項補正部450からの積分項シフト量θsfに従って、位相制御量θiを変化させるように構成される。また、位相制御量(比例項)θpは「第1の制御量」に対応し、位相制御量(積分項)θiは「第2の制御量」に対応する。
積分項補正部450の機能の説明にあたり、まず、回転速度に代表されるモータ運転状態および電圧位相に対する出力トルクの特性(以下、単に「トルク特性」と称する)について説明する。
モータ運転状態を反映したトルク特性は、以下に説明するトルク演算式によって把握される。一般に知られているように、永久磁石型同期電動機におけるd軸およびq軸上での電圧方程式およびトルク式は、下記(3)〜(5)式で示される。
Figure 2010226780
(3),(4)式において、Raは電機子巻線抵抗を示し、Ψは永久磁石の電機子鎖交磁束数を示し、Pは交流電動機M1の極対数を示す。また、ωは交流電動機M1の電気角速度を示している。電気角速度ωは、モータ回転速度Nm(rpm)を用いて、ω=2π・(Nm/60)・P)で求めることができる。
なお、巻線抵抗に依存する電圧成分はごく低速領域で寄与し、回転速度上昇に従いそれ以外の成分が支配的になる。このため、矩形波電圧制御が高速度域で適用される(図2)ことを考慮すると、(3),(4)式での巻線抵抗成分は無視できる。このため、上記(4),(5)式は、矩形波電圧制御適用時には、下記(6),(7)式で示される。
Figure 2010226780
さらに、矩形波電圧制御時には、d軸電圧およびq軸電圧で示されるモータ印加電圧(線間電圧)の基本波成分が、システム電圧VHの0.78倍となることを考慮すると、(6)式,(7)式を、上記(3)式に適用することによって、矩形波電圧の電圧位相θと交流電動機M1の出力トルクTとの間の関係を示すトルク演算式(8)を得ることができる。
Figure 2010226780
(8)式から理解されるように、モータ運転状態を示すモータ変数VH,ω(Nm)をトルク演算式に代入することにより、現在の運転状態における、電圧位相θとトルクTとの関係が、マップ参照することなく、演算により求められることになる。
なお、(8)式中において、ψは交流電動機M1の逆起電圧係数を示す。また、電圧V=VH・0.78である。したがって、(8)式は、直流電圧V(VH)、電気角速度ω(モータ回転速度Nm)および電圧位相θを変数とするトルク演算式となっている。
(8)式に基づいて、直流電圧Vの変化dVに対する、dVによるトルク変化を相殺するための電圧位相変化dθの比、dθ/dVを求める。
(8)式を直流電圧Vおよび電圧位相θでそれぞれ微分することによって、dT/dVおよびdT/dθは、下記(9),(10)式で示される。
Figure 2010226780
dθ/dV=(dT/dV)/(dT/dθ)であるので、dθ/dVは、式(11)で示すことができる。
Figure 2010226780
上述のように、逆起電圧係数ψおよびインダクタンスLd,Lqはモータ定数として与えられるので、現在の電圧位相θv、モータ回転速度Nmおよび直流電圧(システム電圧)VHに従って、(11)式中のθ、ωおよびVを代入することにより、dθ/dVを求めることができる。
積分項補正部450は、FF係数算出部452と、ΔV算出部453と、乗算部454とを含む。
FF係数算出部452は、各制御周期において電圧位相θv、モータ回転速度Nmおよび直流電圧VHを受けて、各制御周期での(dθ/dV)を式(11)に従って算出するように構成される。
ΔV算出部453は、直流電圧(システム電圧)VHを各制御周期で受けることによって、前回の制御周期と今回の制御周期間との間での電圧変化ΔV(ΔV=ΔVH・0.78)を算出するように構成される。そして、乗算部454は、(dθ/dV)・ΔVの演算によって、積分項シフト量θsfを算出する。積分項シフト量θsfは、図4において、電圧位相θvをθ1からθ0へ近づける方向に設定されることが理解される。
再び図3を参照して、積分項補正部450は、上記のように求めた積分項シフト量θsfを、積分制御演算部440に出力する。積分制御演算部440では、トルク偏差ΔTqの積分処理に加えて、積分項シフト量θsfによる補正演算を実行することによって、具体的には、下記(12)式に従って位相制御量θiを算出する。
θi(i)=θi(i−1)+ki・ΔTq−θsf …(12)
なお、式(12)において、θi(i−1)は、前回の制御周期における位相制御量θiを示し、θi(i)は、今回の制御周期で演算される位相制御量θiを示すものとする。
この結果、交流電動機M1は、図4で説明した、直流電圧VHの上昇時において、動作点Pbよりも動作点Pc側へ近づいた動作点で動作することになる。また、この際に残ったトルク偏差については、図3のフィードバック制御ループによって補償することができる。
したがって、トルク偏差に応じて電圧位相が制御される一般的なフィードバック制御に対して外乱となる、直流電圧(矩形波電圧振幅)の変化によって生じるトルク偏差を解消するように電圧位相を即座に変化させることができるので、直流電圧の変化時にもトルク偏差が増大することを防止して、制御応答性を確保することが可能となる。
なお、本実施の形態では、好ましい構成例として、インバータ14への入力電圧(システム電圧VH)を可変制御可能なように、モータ制御システムの直流電圧発生部10♯がコンバータ12を含む構成を示したが、インバータ14への入力電圧を可変制御可能であれば、直流電圧発生部10♯は本実施の形態に例示した構成には限定されない。また、インバータ入力電圧が可変であることは必ずしも不可欠ではなく、直流電源Bの出力電圧がそのままインバータ14へ入力される構成(たとえば、コンバータ12の配置を省略した構成)に対しても本発明を適用可能である。
さらに、モータ制御システムの負荷となる交流電動機についても、本実施の形態では、電動車両(ハイブリッド自動車、電気自動車等)に車両駆動用として搭載された永久磁石モータを想定したが、それ以外の機器に用いられる任意の交流電動機を負荷とする構成についても、本願発明を適用可能である。
この発明は、矩形波電圧の電圧位相によってトルクを制御する電動機制御に適用することができる。
5 アース線、6,7 電力線、10,13 電圧センサ、10♯ 直流電圧発生部、12 コンバータ、14 インバータ、15〜17 各相アーム、24 電流センサ、25 回転角センサ、30 制御装置(ECU)、100 モータ制御システム、400 矩形波電圧制御部、410 電力演算部、420 トルク演算部、425 偏差演算部、430 比例制御演算部、440 積分制御演算部、450 積分項補正部、452 FF係数算出部、453 ΔV算出部、454 乗算部、455 加算部、460 矩形波発生器、470 信号発生部、ANG ロータ回転角、B 直流電源、C0,C1 平滑コンデンサ、D1〜D8 ダイオード、iu,iv,iw 三相電流(モータ電流)、Ki 積分ゲイン、Kp 比例ゲイン、L1 リアクトル、M1 交流電動機、Nm,N1,N2 モータ回転速度、Pa,Pb,Pc 動作点、Pmt モータ電力、Q1〜Q8 電力用半導体スイッチング素子、S1〜S8 スイッチング制御信号、SR1,SR2 システムリレー、T0〜T3 トルク値、TL 接線、Tq トルク推定値、Tqcom トルク指令値、V1,V2,VH 直流電圧(システム電圧)、Vb 直流電圧(バッテリ電圧)、VHref 電圧指令値(システム電圧)、Vu,Vv,Vw 各相電圧指令値、θ0,θ1 電圧位相、θi 位相制御量(積分項)、θp 位相制御量(比例項)、θsf 積分項シフト量、ω 電気角速度。

Claims (1)

  1. 直流電圧を、交流電動機を駆動するための交流電圧に変換するように構成されたインバータと、
    前記交流電動機のトルク偏差のフィードバック制御に従って前記インバータから前記交流電動機へ印加される矩形波電圧の電圧位相を変化させるように構成された矩形波制御部とを備え、
    前記矩形波制御部は、
    前記トルク偏差の現在値に基づいて前記電圧位相の第1の制御量を設定するように構成された比例制御演算部と、
    前記トルク偏差の積分処理に基づいて前記電圧位相の第2の制御量を設定するように構成された積分制御演算部と、
    前記第1および前記第2の制御量の和に従った前記電圧位相に対応させて、前記インバータの制御指令を生成するように構成された制御信号発生部と、
    前記直流電圧の変化量を検知するとともに、当該変化量に起因して発生するトルク変化量を相殺するための電圧位相シフト量を演算するように構成された積分項補正部とを含み、
    前記積分制御演算部は、さらに、前記電圧位相シフト量に従って前記第2の制御量を変化させるように構成される、交流電動機の制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102336191A (zh) * 2011-07-05 2012-02-01 昆山力久新能源汽车技术有限公司 一种基于模型的电机驱动车辆的防抖控制方法

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