JP2010225929A - 基板固定方法および基板固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板に損傷を生じることなく、基板を対象物に対して長期間にわたって安定に固定する。
【解決手段】一端に縮径部21bを設けることによって端部段差部21aが形成された弾性部材21の中心に金属等からなる剛性筒体22を挿入した構成の基板固定具20を準備し、基板固定具20の端部段差部21aに基板10のねじ穴10aを嵌合させて筺体11のねじ穴11aの上に位置決めし、剛性筒体22のねじ貫通穴22aにねじ12を挿通して筺体11のねじ穴11aに締結することで、基板固定具20を介して基板10を筺体11に固定する基板固定構造31である。ねじ12の締結力は、剛性筒体22にて負担され、基板10のねじ穴10aに過大な力を作用させることなく、ねじ12の大きな締結力にて基板10を筺体11に安定に固定できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板固定方法および基板固定具に関する。
例えば、電子機器や電機機器、さらには電装ボックス等の製造工程では、電子部品等が実装された基板を、ねじ等の固定手段を用いて基板を筺体に固定することが行われている。
従来の基板の固定技術では、基板に設けられた貫通穴にねじを通し、筺体に設けた固定座もしくは、筐体のねじ穴に直接的にねじを締結し、筐体との間に基板を締め付ける方法が用いられていた。
しかし、このように筐体に対して基板を直接的にねじで締め付ける場合には、機器内で使用している動力系から発生する振動や、電装ボックスが設置されている装置全体の振動がねじを介して基板に伝わり、基板のひび、割れ、基板上の電子部品の破損等の一因となっていた。
このような基板に対する振動の影響を緩和するために、従来、いくつかの技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、基板を固定座を介して筐体に固定するねじ頭部と基板との間に十字形の切込みが形成された緩衝材を挟み込み、切込みをねじが貫通することで貫通方向に突出するように形成される緩衝材の舌片が、基板側のねじ貫通穴とねじとの隙間に入り込むようにすることで、振動や衝撃が基板に伝わることを防止しようとする技術が開示されている。
また、特許文献2には、筐体と電装基板との間、および電装基板とねじ頭部との間に環状の弾性体を挟み込むことで電装基板から発生する固体伝搬音を低減して騒音の発生を抑制しようとする技術が開示されている。
しかしながら、上述の特許文献1および特許文献2の技術では、振動の低減や騒音の防止に関しては一定の効果が得られるものの、いずれも、ねじによる締結力が基板自体にも直接的に作用するため、過大な締結力は基板の損傷要因となり、基板の損傷防止のためには締結力を制限する必要がある。
このため、基板が実装された電子機器等の長期間の稼働などにより基板固定座やねじが振動を受け続けると、ねじのゆるみが発生し、基板がぐらつき確実に固定されない等の技術的課題があった。
特開平8−222871号公報 特開2002−57475号公報
本発明の目的は、基板に損傷を生じることなく、基板を対象物に対して長期間にわたって安定に固定することが可能な技術を提供することにある。
本発明の第1の観点は、基板を対象物に固定する基板固定方法であって、
前記基板に嵌合する段差部が形成された弾性部材と、前記弾性部材に挿通され、前記対象物に支持される剛性部材とを備えた基板固定具を準備する第1工程と、
前記基板固定具を介して、前記基板を前記対象物に固定する第2工程と、
を含む基板固定方法を提供する。
本発明の第2の観点は、基板と当該基板が固定される対象物との間に介在する基板固定具であって、
前記基板に嵌合する段差部が形成された弾性部材と、
前記弾性部材に挿通され、前記対象物に支持される剛性部材と、
を具備した基板固定具を提供する。
本発明によれば、基板に損傷を生じることなく、基板を対象物に対して長期間にわたって安定に固定することが可能な技術を提供することができる。
本発明の一実施の形態である基板固定方法および基板取付具を用いた基板固定構造の構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態である基板固定方法および基板取付具を用いた基板固定構造の構成の一例を示す分解斜視図である。 本発明の一実施の形態である変形例の基板固定具を用いた基板固定構造を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態である基板固定方法および基板取付具を用いた基板固定構造の構成の一例を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態である基板固定方法および基板取付具を用いた基板固定構造の構成の一例を示す断面図である。 図5に例示された基板固定具を用いた基板固定構造の変形例を示す断面図である。 図5に例示された基板固定具を用いた基板固定構造の変形例を示す断面図である。
本実施の形態の一態様では、基板を固定するねじ穴のような基板保持部分を柔軟性のある弾性部材で構成し、この弾性部材の中心に、弾性部材よりも相対的に剛性の大きな金属等のリングを挿入する。柔軟性部材が装置の振動を吸収してねじ穴の亀裂や割れを防止する。さらに、基板を装置筐体等の対象物に固定するねじの締結力は剛性の大きな金属製のリングが負担するようにして、基板の損傷を懸念することなく、十分に大きな締結力にて、ねじを確実に対象物に固定する。
この結果、電気機器や電装ボックスの筺体に基板を取り付けた後、長期間に渡って振動を受け続ける状況にあっても、基板のねじ穴部等にひび割れや破損が発生することなく、ねじの緩みも発生しないような基板の固定技術を実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である基板固定方法および基板取付具を用いた基板固定構造の構成の一例を示す断面図である。
図2は、本発明の一実施の形態である基板固定方法および基板取付具を用いた基板固定構造の構成の一例を示す分解斜視図である。
なお、本実施の形態では、図1において、左右方向をX方向、上下方向をZ方向、紙面に垂直な方向をY方向として説明する。また、一例として、Z方向は鉛直方向、X−Y平面は水平面とする。
(構成)
本実施の形態の基板固定構造31では、所望の電子装置等の筺体11(対象物)に対して、基板固定具20およびねじ12を用いて基板10を固定している。
基板10は、例えば、比較的硬質な部材で作成されており、ねじ12で固定できるよう、ねじ穴10aが貫通して形成されている。
基板10には、必要に応じて、例えば、図示しない所望の電子部品や装置等が搭載されている。
本実施の形態の場合、基板固定具20は、円柱状の比較的柔軟性のある弾性部材21と、この弾性部材21の中心部に軸方向に挿通または圧入されたほぼ同一長さの円筒形の剛性筒体22(剛性部材)で構成され、弾性部材21と剛性筒体22は一体となっている。
この場合、弾性部材21は、比較的柔軟性のある、例えばテフロン(登録商標)、ポリアセタール、塩ビ、ゴムなどにより構成されている。
また、弾性部材21の中心に挿入される剛性筒体22は、弾性部材21よりも相対的に剛性の大きな、例えば金属で構成されている。
弾性部材21の一端には、軸方向に所定の長さ(t)の縮径部21bを設けることにより、端部段差部21a(段差部)が設けられている。この端部段差部21aは、弾性部材21の軸方向に基板10の基板厚さとほぼ同一の段差tをなし、かつ、縮径部21bの外径寸法dが、基板10に設けられたねじ穴10aの内径とほぼ等しくなるように形成されている。
筺体11の側には、ねじ12の先端部が螺合するねじ穴11aが形成されている。
(作用)
以下、本実施の形態の作用の一例を説明する。
まず、上述のような構成の弾性部材21および剛性筒体22からなる基板固定具20を、必要な数だけ準備する(第1工程)。
次に、基板10のねじ穴10aの各々に、当該基板10における筺体11との対向面の側から基板固定具20の端部段差部21aの縮径部21bを同軸に差し込んで嵌合させ、基板固定具20を基板10に取り付ける。
次に、基板固定具20の側を下にして、当該基板固定具20の各々が、筺体11のねじ穴11aの各々の直上に同軸に重なり合うように基板10を筺体11に対して位置決めする。
その後、個々のねじ穴10a(基板固定具20のねじ穴11a)にねじ12を挿通し、ねじ12の先端部を筺体11のねじ穴11aに螺合させる。
そして、ねじ12を所望のトルクで締め付けることにより、基板10は、ねじ穴10aの周辺部が、弾性部材21の端部段差部21aとねじ12のねじ頭部12aの外周部の下面との間に挟まれて基板固定具20に支持される(第2工程)。
このとき、本実施の形態の場合、ねじ12のねじ頭部12aの下面は、弾性部材21の中心部に配置された剛性筒体22の上端に当接し、当該ねじ12による締結力は剛性筒体22に作用する。
このため、基板固定具20は、中心部の弾性部材21の上下両端が、ねじ12の締結力によって、ねじ頭部12aの下面および筺体11の上面との間で挟圧されることにより、筺体11に対して安定に固定される。
すなわち、本実施の形態の基板固定構造31における基板固定具20では、基板10は、弾性部材21の端部段差部21aにおいてねじ12のねじ頭部12aとの間に挟持されることにより、基板固定具20を介して筺体11に上下方向(Z方向)に柔軟に支持される。
さらに、基板10のねじ穴10aの内周面と剛性筒体22の外周との間には、弾性部材21の柔軟な縮径部21bが介在するため、水平方向(X−Y方向)にも、基板10は柔軟に支持される。
また、基板固定具20の全体は、弾性部材21の中心部に設けられた剛性の大きな剛性筒体22が、ねじ12の筺体11に対する締結力を負担することで、筺体11に対して安定に固定される。
また、ねじ12の締め付けトルク(締結力)を大きくしても、当該締結力は剛性筒体22によって負担され、基板10自体(ねじ穴10aの周辺部)には、ねじ12による締結力とは関係なく、弾性部材21の端部段差部21aの弾性変形による応力程度の、ほぼ一定の小さな挟圧力しか作用しない。
換言すれば、本実施の形態の基板固定構造31の場合には、基板固定具20を用いることにより、ねじ12の締結力による基板10の損傷を懸念することなく、剛性筒体22の剛性に応じて許容される十分に大きな締結力にて、基板固定具20を介して基板10を筺体11に安定に固定することが可能になる。
この結果、振動等の外力に影響されることなく、基板固定具20を介して基板10を長期間にわたって安定に固定することができる。
また、本実施の形態の基板固定構造31の場合、上述のように、基板10は、ねじ穴10aの周辺部が弾性部材21の端部段差部21aとねじ12のねじ頭部12aの下面外周部との間で柔軟に挟持されるため、柔軟な弾性部材21が、図示しない装置や動力系から受ける振動を吸収し、基板10が振動によってねじ12が悪影響を受けることや、損傷を受ける等の不具合を防止できる。
逆に、基板10に実装された図示しない装置等で発生した振動は、弾性部材21の端部段差部21aで吸収されるため、基板固定具20を伝って外部に伝播することも確実に防止できる。
また、振動によってねじ12が緩み、基板10の固定状態が不安定となることも防止できる。
さらに、基板固定具20の剛性筒体22の軸方向の長さを所望の値に設定することよって、筺体11と基板10の間隔を正確に設定できる。
例えば、筺体11に対して基板10を複数の基板固定具20を用いて複数箇所で支持する場合には、複数の基板固定具20における剛性筒体22の軸方向の長さを揃えることで、筺体11に対して基板10を傾斜させることなく、正確に平行に固定することが可能になる。
また、特に図示しないが、ねじ12および剛性筒体22を導体で構成するとともに、基板10の上面におけるねじ穴10aの周辺部、および筺体11のねじ穴11aの周辺部に接地配線等の回路パターンを形成することにより、基板10の接地配線と筺体11の接地配線とを、ねじ12および剛性筒体22を介して電気的に導通させることができ、基板10の固定と同時に接地を行わせる構成としてもよい。
(効果)
本実施の形態の基板固定構造31における基板固定具20によれば、端部段差部21aで基板10を支持する柔軟な弾性部材21が振動を吸収することにより、ねじ穴10aのひび、割れ、破損を防止することができる。
また、弾性部材21の中心に挿入した金属等からなる剛性筒体22がねじ12の締結力を負担するので、過大な締結力等に起因する基板10の損傷を懸念することなく、比較的大きなねじ12の締結力によって基板10および基板固定具20を筺体11に安定に固定でき、長期に渡り振動を受けるような装置の筺体11に適用した場合でも、基板10を固定するねじ12の緩みを防止することができる。
また、作業者によってねじ12の締め付けトルクにばらつきがあっても、金属等の剛性筒体22の高さで筺体11に当接することで、次のような効果がある。
例えば、基板10の四隅を筺体11に固定する場合、筺体11に対して一定の高さに基板10を正確に平行に固定できるとともに、過剰な締め付け力が加わったとしても、基板10の厚み方向に過大な負荷が作用せず、基板10の損傷を確実に防止できる。
図3は、本実施の形態の変形例の基板固定具を用いた基板固定構造を示す断面図である。
この変形例の基板固定構造32に用いられる基板固定具20Aでは、弾性部材21の外周において、軸方向の中央部に、基板10のねじ穴10aが嵌合する中央段差部21cを配置したところが、上述の基板固定具20と異なり、他は同様である。
この変形例の基板固定構造32の基板固定具20Aの場合には、上述の基板固定構造31の基板固定具20の場合と同様の効果が得られるとともに、さらに、基板10のねじ穴10aの内周面および外周部の全体が柔軟な弾性部材21の縮径部21bおよび中央段差部21cに嵌合して支持されるので、基板10と筺体11との間における振動の遮断効果や振動の減衰効果をより大きくできる利点がある。
また、弾性部材21を絶縁体で構成することにより、基板10を、筺体11等から確実に電気的に絶縁できる利点もある。
(実施の形態2)
図4は、本発明の他の実施の形態である基板固定方法および基板取付具を用いた基板固定構造の構成の一例を示す断面図である。
(構成)
本実施の形態の基板固定構造33に用いられる基板固定具20Bでは、弾性部材21の中心部に挿通された剛性筒体22において、端部段差部21aと同一側におけるねじ貫通穴22aの開口端の内周部に連結段差部22bが全周にわたって設けられている。
さらに、剛性筒体22の反対側の端部には、連結段差部22bに嵌合するように連結段差部22bとは凹凸が逆な寸法の連結突起部22cが、ねじ貫通穴22aの開口端に全周にわたって形成されている。
従って、この基板固定具20Bの場合には、複数の基板固定具20Bの連結段差部22bと連結突起部22cを互いに同じ向きにして嵌合させることにより、軸方向に同軸に安定に積層することが可能になっている。
そして、本実施の形態の基板固定構造33では、このような構成の複数の基板固定具20Bを用いて、図4に例示されるように、個々の基板固定具20Bの端部段差部21aに基板10のねじ穴10aを嵌合させることで、複数の基板10を積層し、剛性筒体22のねじ貫通穴22aに挿通されるねじ12や六角支柱等の締結手段を用いて筺体11に締結して固定する。
すなわち、この基板固定具20Bを用いて複数の基板10を積層した場合、下側の基板10では、弾性部材21の端部段差部21aおよび縮径部21bに嵌合するねじ穴10aの部分が上側の基板固定具20Bの弾性部材21の下端面との間に挟まれた状態となる。
そして、最上部の基板10は、上述の基板固定構造31の基板固定具20の場合と同様に、ねじ12のねじ頭部12aの下面外周部と弾性部材21との間に挟持される状態となる。
この基板固定具20Bの場合にも、ねじ12の締結力は、軸方向に同軸に連結された複数の基板固定具20Bの剛性筒体22によって負担されるので、積層された複数の基板10に過大な締結力等が作用することが確実に防止される。
このように、本実施の形態の基板固定構造33の基板固定具20Bを用いた場合には、筺体11に対して、基板10を縦(Z方向に)に積み重ねた場合に、個々の基板固定具20Bの連結段差部22bおよび連結突起部22cの嵌合部分で水平方向(X−Y方向)にズレを生じることなく正確に積み重ねられるとともに、振動による、基板10のねじ穴10aの周辺部のひび、割れ、破損を防ぐと共に、基板10を固定するねじ12の弛みも防止する構成となっている。
(作用)
この基板固定構造33の場合には、一例として、複数の基板10の各々に、筺体11に対向する下面側から、個々のねじ穴10aに基板固定具20Bの端部段差部21aを嵌合させておく。
この状態で、最下部となる基板10を、基板固定具20Bの位置が筺体11のねじ穴11aに同軸に一致するように筺体11に対して位置決めする。
その後、この最下部の基板10の基板固定具20Bの連結段差部22bの上に、次の基板10の基板固定具20Bの連結突起部22cを嵌合させるように配置する操作を、基板10の積層枚数たけ反復する。
最後に、複数の基板固定具20Bの同軸のねじ貫通穴22aに、積層高さに応じた長さのねじ12や六角支柱等を挿通し、筺体11のねじ穴11aに締結する。
この時、ねじ12の締結力は、積層方向に連結された複数の剛性筒体22によって負担され、個々の基板10に過大な締結力が作用することはない。
このように、本実施の形態の基板固定具20Bを用いる基板固定構造33では、複数の基板10を筺体11に対して縦(Z方向に)に積み重ねた場合でも、端部段差部21aにより、個々の基板固定具20Bが確実に基板10に嵌め込まれる。
そして、個々の基板固定具20Bの柔軟な弾性部材21が装置や動力系から受ける振動を吸収し、基板10に伝達されることを防止する。
また、弾性部材21の中心に挿入した金属等からなる剛性筒体22の連結体にねじ12の締結力が加わり、基板固定具20Bを介して、筺体11に複数の基板10が確実に固定される。
(効果)
この実施の形態の基板固定具20Bによれば、複数の基板10を縦に積み重ねた基板固定構造33の場合に、剛性筒体22の連結段差部22bおよび連結突起部22cの同軸な嵌合により、弾性部材21の端部段差部21aが基板10のねじ穴10aに対して確実に嵌め込まれ、重ねた基板10のずれを確実に防止することができる。
また、個々の基板固定具20Bの柔軟な弾性部材21が個々の基板10の振動を吸収することにより、基板10のねじ穴10aの周辺部のひび、割れ、破損を防止することができる。
また、弾性部材21の中心に挿入した剛性筒体22にねじ12の締結力が加わり、長期に渡り振動を受けるような装置の筺体11であっても、ねじ12の緩みを確実に防止することができる。
(実施の形態3)
図5は、本発明のさらに他の実施の形態である基板固定方法および基板取付具を用いた基板固定構造の構成の一例を示す断面図である。
(構成)
この実施の形態の基板固定構造34に用いられる基板固定具20Cは、上述の基板固定具20の剛性筒体22の代わりに、弾性部材21の中心部に中実な剛性軸体23(剛性部材)を挿通した構成となっている点が基板固定具20と異なり、他の構成は同様である。
この剛性軸体23において、弾性部材21の端部段差部21aと反対側の端部には、段差部23aをなすように、剛性軸体23よりも細い雄ねじ軸部22dが剛性軸体23と同軸に突設されている。
また、剛性軸体23において、雄ねじ軸部22dと反対側の平端部23bの中央には、雌ねじ穴22eが形成されている。
剛性軸体23の雄ねじ軸部22dは、筺体11のねじ穴11aに螺合可能なねじサイズに設定されている。
また、反対側の雌ねじ穴22eは、ねじ12と螺合可能なねじサイズに設定されている。
(作用)
本実施の形態の基板固定構造34における基板固定具20Cでは、最初に、単体の基板固定具20Cを、剛性軸体23の雄ねじ軸部22dを介して筺体11の個々のねじ穴11aに螺着し、剛性軸体23の段差部23aが筺体11に当接するように十分なトルクで固定する。
その後、この基板固定具20Cの端部段差部21aに基板10のねじ穴10aを嵌合させることで、筺体11に対する基板10の水平方向の位置決めを行う。
このとき、基板10のねじ穴10aと剛性軸体23の外周との間には、端部段差部21aの柔軟な縮径部21bが介在するので、基板10の水平方向(X−Y方向)の位置決めは容易である。
そして、最後に、剛性軸体23の雌ねじ穴22eに、ねじ12を当該ねじ12のねじ頭部12aの下面が剛性軸体23の平端部23bに当接するまで螺着し、ねじ頭部12aの外周部の下面と端部段差部21aとの間に基板10を固定する。
この基板固定具20Cの場合には、雄ねじ軸部22dによる筺体11に対する締結力は、剛性軸体23の段差部23aで負担され、同様に、ねじ12の締結力は、剛性軸体23の平端部23bで負担されるので、基板10に過大な締結力等が作用することが防止される。
換言すれば、基板10に過大な締結力が作用することを懸念することなく、十分に大きなトルクで、剛性軸体23の雄ねじ軸部22dをねじ穴11aに確実に締結すること、および、ねじ12を十分に大きなトルクで剛性軸体23の雌ねじ穴22eに確実に締結することができる。
また、基板10は、弾性部材21の端部段差部21aおよび縮径部21bに柔軟に支持されるので、基板10における振動の遮断や減衰を実現できる。
(効果)
この実施の形態の基板固定構造34の基板固定具20Cによれば、剛性軸体23に設けられた雄ねじ軸部22dを筺体11のねじ穴11aに螺着することによって、予め複数の基板固定具20Cを筺体11の上に安定に配列した後に、基板10を配置することができ、基板固定構造34の組立作業における作業性や作業効率が向上するという効果が得られる。
したがって、筺体11および基板10を備えた図示しない装置の製造工程や保守管理工程における生産性が向上する。
図6は、図5に例示された本実施の形態の基板固定具20Cを用いた基板固定構造34の変形例を示す断面図である。
この変形例の基板固定構造35では、複数の基板固定具20Cを上下方向(Z方向)に連結することにより、複数の基板10を筺体11に対して積層して固定する。
すなわち、この基板固定構造35の場合、個々の基板固定具20Cの剛性軸体23に設けられた雄ねじ軸部22dおよび雌ねじ穴22eと、筺体11のねじ穴11aおよびねじ12のねじサイズを、互いに螺合可能なように共通にしておく。
そして、筺体11に固定された基板固定具20Cの雌ねじ穴22eに、別の基板固定具20Cの雄ねじ軸部22dを螺着して連結することにより、筺体11に対して複数の基板10を多層に配置して固定する。
この変形例の基板固定構造35の場合には、基板10の各層の配置毎に、基板10を支持する基板固定具20Cの位置が安定するので、上述の基板固定構造34の場合と同様に、基板固定構造35の組立における作業性が向上する利点がある。
特に、複数の基板10を筺体11に対して積層して固定する場合には、基板10の積層数が増える程、この作業性の向上の効果は一層大きくなる。
図7は、図5に例示された本実施の形態の基板固定具20Cを用いた基板固定構造34の変形例を示す断面図である。
この図7の変形例の基板固定構造36では、剛性軸体23において、雄ねじ軸部22dの代わりに雌ねじ穴22fが形成された基板固定具20Dを用いる点が、上述の基板固定構造36と異なっている。
すなわち、この基板固定具20Dの剛性軸体23では、両端に雌ねじ穴22eおよび雌ねじ穴22fが同軸に形成された構造となっている。
さらに、この場合、筺体11の側では、ねじ穴11aの代わりに、単純な貫通穴11bが形成されている。
そして、筺体11の貫通穴11bの位置に、雌ねじ穴22fの側を下にして基板固定具20Dを配置し、貫通穴11bに下面から上向きに挿通されるねじ13の先端を雌ねじ穴22fに螺着することにより、基板固定具20Dを筺体11に固定する。
その後、この基板固定具20Dの端部段差部21aの縮径部21bに基板10のねじ穴10aを嵌合させて位置決めし、最後に、上側からねじ12を雌ねじ穴22eに螺着して基板10を固定する。
この基板固定具20Dの場合も、ねじ13の締結力は、剛性軸体23の下端を筺体11の表面に当接させるように当該剛性軸体23にのみ作用し、同様に、ねじ12の締結力は、剛性軸体23の平端部23bに作用するので、基板10に過大な締結力が作用する懸念はない。
この変形例の基板固定構造36の場合には、筺体11に形成された貫通穴11bに挿通されるねじ13を基板固定具20Dの雌ねじ穴22fに螺着して固定するので、筺体11の側には簡単な貫通穴11bを形成するだけでよく、ねじ穴11aは必要ない。
このため、筺体11の構成や加工を簡略化できる利点がある。
換言すれば、簡単な貫通穴11bが形成された汎用的な筺体11に、基板10の損傷を懸念することなく、当該基板10を長期間にわたって安定に固定することが可能となり、基板固定構造36および基板固定具20Dの汎用性が向上する。
以上説明したように、本発明の上述の各実施の形態によれば、装置等の筺体11に取付けられた基板10が長期間振動にさらされている状態でも、柔軟性のある弾性部材21により振動を吸収し、基板10のねじ穴10aに亀裂が入ったり割れたりすることを防止でき、柔軟性のある弾性部材21の中心に挿入した剛性筒体22や剛性軸体23により、基板10を固定するねじ12やねじ13が緩むことなく、基板10を筺体11に安定かつ確実に固定できる。
すなわち、基板10に損傷を生じることなく、基板10を筺体11等の対象物に対して長期間にわたって安定に固定することが可能な技術を提供することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、弾性部材、剛性筒体、剛性軸体の外形は、円柱形状に限らず、多角形、円錐台形、楕円体形などであってもよい。
また、剛性筒体や剛性軸体の材質は、金属に限らず、弾性部材よりも相対的に剛性の高いセラミックスやエンジニアリングプラスチックであってもよい。
(付記1)
硬質な基板を対象物に固定する基板固定方法であって、
基板保持部が柔軟性のある部材で構成されており、前記柔軟性のある部材の中心に金属製のリングが挿入されている基板固定具を使用することを特徴とする基板固定方法。
(付記2)
基板を対象物に固定する基板固定方法であって、
前記基板に嵌合する段差部が形成された弾性部材と、前記弾性部材に挿通され、前記対象物に支持される剛性部材とを備えた基板固定具を準備する第1工程と、
前記基板固定具を介して、前記基板を前記対象物に固定する第2工程と、
を含み、
前記剛性部材の一端に雄ねじ軸部を突設し、反対側の他端に雌ねじ穴を形成し、
前記雄ねじ軸部を用いて前記基板固定具を前記対象物に固定し、前記雌ねじ穴に固定ねじを螺着して当該固定ねじと前記弾性部材との間で前記基板を挟むことを特徴とする基板固定方法。
(付記3)
基板を対象物に固定する基板固定方法であって、
前記基板に嵌合する段差部が形成された弾性部材と、前記弾性部材に挿通され、前記対象物に支持される剛性部材とを備えた基板固定具を準備する第1工程と、
前記基板固定具を介して、前記基板を前記対象物に固定する第2工程と、
を含み、
前記剛性部材の両端の各々に、第1雌ねじ穴および第2雌ねじ穴を形成し、
前記対象物の側に配置された第1固定ねじを前記第1雌ねじ穴に螺合させることで前記基板固定具を前記対象物に固定し、
前記第2雌ねじ穴に螺合する第2固定ねじによって前記基板を前記弾性部材に固定することを特徴とする基板固定方法。
(付記4)
基板と当該基板が固定される対象物との間に介在する基板固定具であって、
前記基板に嵌合する段差部が形成された弾性部材と、
前記弾性部材に挿通され、前記対象物に支持される剛性部材と、
を具備し、
前記剛性部材の一端には雄ねじ軸部が突設され、反対側の他端には雌ねじ穴が形成されていることを特徴とする基板固定具。
(付記5)
基板と当該基板が固定される対象物との間に介在する基板固定具であって、
前記基板に嵌合する段差部が形成された弾性部材と、
前記弾性部材に挿通され、前記対象物に支持される剛性部材と、
を具備し、
前記剛性部材の両端の各々には、雌ねじ穴が形成されていることを特徴とする基板固定具。
10 基板
10a ねじ穴
11 筺体
11a ねじ穴
11b 貫通穴
12 ねじ
12a ねじ頭部
13 ねじ
20 基板固定具
20A 基板固定具
20B 基板固定具
20C 基板固定具
20D 基板固定具
21 弾性部材
21a 端部段差部
21b 縮径部
21c 中央段差部
22 剛性筒体
22a ねじ貫通穴
22b 連結段差部
22c 連結突起部
22d 雄ねじ軸部
22e 雌ねじ穴
22f 雌ねじ穴
23 剛性軸体
23a 段差部
23b 平端部
31 基板固定構造
32 基板固定構造
33 基板固定構造
34 基板固定構造
35 基板固定構造
36 基板固定構造

Claims (6)

  1. 基板を対象物に固定する基板固定方法であって、
    前記基板に嵌合する段差部が形成された弾性部材と、前記弾性部材に挿通され、前記対象物に支持される剛性部材とを備えた基板固定具を準備する第1工程と、
    前記基板固定具を介して、前記基板を前記対象物に固定する第2工程と、
    を含むことを特徴とする基板固定方法。
  2. 請求項1記載の基板固定方法において、
    前記基板固定具の前記剛性部材に、先端部が前記対象物に螺着される固定ねじが挿通される貫通孔を形成し、
    前記固定ねじのねじ頭部と前記対象物との間で前記剛性部材および前記基板を挟むように前記固定ねじを前記対象物に締結することを特徴とする基板固定方法。
  3. 請求項2記載の基板固定方法において、
    前記剛性部材の一端には連結突起を形成し、反対側の他端部には、前記連結突起と凹凸が逆で同軸に嵌合可能な連結段差部を形成し、
    複数の前記基板固定具の一方の前記連結段差部に他方の前記連結突起を嵌合させることで、前記対象物に対して複数の前記基板固定具および前記基板を積層して固定することを特徴とする基板固定方法。
  4. 基板と当該基板が固定される対象物との間に介在する基板固定具であって、
    前記基板に嵌合する段差部が形成された弾性部材と、
    前記弾性部材に挿通され、前記対象物に支持される剛性部材と、
    を具備したことを特徴とする基板固定具。
  5. 請求項4記載の基板固定具において、
    前記剛性部材には、貫通孔が形成されていることを特徴とする基板固定具。
  6. 請求項5記載の基板固定具において、
    前記剛性部材の一端には連結突起が形成され、反対側の他端部には、前記連結突起と凹凸が逆で同軸に嵌合可能な連結段差部が形成されていることを特徴とする基板固定具。
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