JP2010225696A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】陽極体と陰極層の間における漏れ電流を抑制可能な固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】固体電解コンデンサ100は、陽極リード20と陽極端子60とを電気的に接続する伸縮部材70を備える。伸縮部材70は、陽極リード20と陽極端子60との間において伸縮可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘電体層を有する固体電解コンデンサに関する。
従来、プリント基板などに表面実装される固体電解コンデンサが広く用いられている。一般的に、固体電解コンデンサは、コンデンサ素子と、コンデンサ素子に挿入される陽極リードと、コンデンサ素子を覆う樹脂モールド部と、陽極端子とを備える。コンデンサ素子は、陽極体と、陽極体を覆う誘電体層と、誘電体層を覆う陰極層とを有する。陽極端子の一端部は陽極リードに固定されており、陽極端子の他端部は樹脂モールド部の外側に引き出される。
ここで、コンデンサ素子を樹脂で覆う工程において、陽極リードの根元部分には、樹脂の注入圧力や硬化収縮力が集中する。そのため、陽極リードの根元部分の周辺に形成される誘電体層にダメージが生じることによって、陽極体と陰極層との間で漏れ電流が増大しやすい。
そこで、陽極リードの根元部分を熱硬化性樹脂によって固定する手法が提案されている(特許文献1参照)。この手法によれば、陽極リードの根元部分を折り曲げようとする応力が誘電体層に伝達されることを抑制することができる。
特開2001−203128号公報
しかしながら、特許文献1に記載のコンデンサ素子では、陽極リードが延びる方向にかかる応力を緩和することは困難であった。このため、陽極リードと陽極端子とが直接固定された状態で陽極リードが延びる方向に応力が加わると、陽極リードとコンデンサ素子との結合部に応力が集中する場合がある。この場合、陽極リードとコンデンサ素子との結合部付近の誘電体層にダメージが生じて、陽極体と陰極層との間で漏れ電流が増大するという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、陽極体と陰極層の間における漏れ電流を抑制可能な固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明の特徴に係る固体電解コンデンサは、陽極体と、前記陽極体を覆う誘電体層と、誘電体層を覆う陰極層とを有するコンデンサ素子と、コンデンサ素子から一端部が突出し、前記コンデンサ素子に他端部が結合される陽極リードと、コンデンサ素子を覆う樹脂モールド部と、モールド部の内部に一端部が配置された陽極端子とを備え、陽極リードの一端部と陽極端子の一端部とは、伸縮部材によって接続されており、伸縮部材は、樹脂モールド部の内部に配置されていることを要旨とする。
本発明の特徴に係る固体電解コンデンサにおいて、伸縮部材の少なくとも一部は曲げられていてもよい。
本発明の特徴に係る固体電解コンデンサにおいて、伸縮部材は、陽極端子と一体成形されていてもよい。
本発明の特徴に係る固体電解コンデンサにおいて、伸縮部材を封止する封止層をさらに備え、封止層は、樹脂モールド部よりも柔らかくてもよい。
本発明の特徴に係る固体電解コンデンサにおいて、封止層を被覆する被覆層をさらに備え、被覆層は、封止層よりも固くてもよい。
本発明によれば、陽極体と陰極層の間における漏れ電流を抑制可能な固体電解コンデンサを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る固体電解コンデンサ100の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る伸縮部材70の構成の一例を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る固体電解コンデンサ100の製造方法を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る固体電解コンデンサ100の製造方法を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る固体電解コンデンサ100の製造方法を説明するための図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る伸縮部材70の構成の一例を模式的に示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る固体電解コンデンサ100の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例に係る固体電解コンデンサ100の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態の変形例に係る伸縮部材70の構成の一例を模式的に示す斜視図である。 比較例に係る固体電解コンデンサ200の構造を模式的に示す断面図である。
次に、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1実施形態]
(固体電解コンデンサの構成)
以下において、本発明の第1実施形態に係る固体電解コンデンサについて、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る固体電解コンデンサ100の構造を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、固体電解コンデンサ100は、コンデンサ素子10、陽極リード20、樹脂モールド部30、陰極端子40、導電性接着剤50、陽極端子60及び伸縮部材70を備える。
固体電解コンデンサ100は、例えば、扁平な直方体形に形成される。固体電解コンデンサ100は、プリント基板などに表面実装される固体電解コンデンサである。固体電解コンデンサ100は、樹脂モールド部30によって形成される底面Sを有する。固体電解コンデンサ100の底面Sは、プリント基板などの表面に当接される面である。
なお、以下の説明では、底面Sの長手方向を「第1方向」、底面Sの短手方向を「第2方向」、底面Sに垂直な方向を「垂直方向」と称する。
コンデンサ素子10は、陽極体11、誘電体層12、固体電解質層13及び導電層14を有する。コンデンサ素子10は、例えば、扁平な直方体形に形成される。
陽極体11は、弁作用金属粉末を焼結することによって形成される多孔質体である。弁作用金属としては、例えば、チタン、タンタル、アルミニウム、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン、或いはこれらの合金などである。なお、チタン、タンタル、アルミニウム及びニオブは、誘電率が高く、かつ、容易に入手できるので、陽極体11の材料として好適である。特に、チタン及びニオブは、酸化物の誘電率がタンタルやアルミニウムよりも高いのでより好適である。
また、陽極体11の材料として上述の弁作用金属と他の金属との合金を用いる場合には、弁作用金属の割合を50%以上とすることが好ましい。また、陽極体11は、弁作用金属の多孔質体に限らず、焼結プロセスを経ずに形成されるポーラス金属や三元網状金属などの多孔質体であってもよい。
誘電体層12は、陽極体11の表面上に形成されており、陽極体11を覆うように形成されている。図示しないが、誘電体層12は、多孔質体である陽極体11の孔の表面にも形成される。図1では、誘電体層12のうち陽極体11の外形に沿って形成された部分のみを示している。誘電体層12は、弁作用金属の酸化物によって形成される。誘電体層12は、例えば酸化ニオブである。
固体電解質層13は、誘電体層12の表面上に形成されており、誘電体層12を覆うように形成されている。図示しないが、固体電解質層13は、多孔質体である陽極体11の孔の表面に形成された誘電体層12上にも形成される。図1では、固体電解質層13のうち陽極体11の外形に沿って形成された部分のみを示している。固体電解質層13は、酸化マンガンなどの導電性金属酸化物や、ポロピロール、ポリアニリン及びポリチオフェンなどの導電性高分子によって構成される。
導電層14は、図1に示すように、カーボン層141及び銀層142を有する。カーボン層141は、固体電解質層13の表面上に形成される。カーボン層141は、例えば、カーボンペーストを塗布することによって形成される。銀層142は、カーボン層141の表面上に形成される。銀層142は、例えば、銀ペーストを塗布することによって形成される。
なお、固体電解質層13及び導電層14は、本発明に係る「陰極層」を形成することに留意すべきである。すなわち、陰極層は、誘電体層12を覆っている。
陽極リード20は、細長い棒状に形成されている。陽極リード20は、例えば、陽極体11と同様の弁作用金属によって構成される。陽極リード20は、図1に示すように、第1方向に沿って、コンデンサ素子10に差し込まれる。具体的には、陽極リード20の一端部20E1は、コンデンサ素子10から突出しており、陽極リード20の他端部20E2は、コンデンサ素子10に結合するように設けられている。陽極リード20の一端部20E1は、樹脂モールド部30に覆われている。陽極リード20の一端部20E1には、伸縮部材70の一端部70E1が電気的に接続されている。
樹脂モールド部30は、コンデンサ素子10と陽極リード20の一端部20E1と伸縮部材70とを覆っている。樹脂モールド部30は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などによって構成される。樹脂モールド部30の曲げ弾性率は、例えば、10〜20GPa程度である。樹脂モールド部30は、例えば、トランスファーモールド法によって形成される。
陰極端子40は、ニッケルなどの導電性材料によって形成されるリードフレームである。陰極端子40の一端部40E1は、樹脂モールド部30の内部に配置されており、導電性接着剤50によって導電層14と電気的に接続されている。陰極端子40の他端部40E2は、樹脂モールド部30の外側に引き出されている。なお、導電性接着剤50としては、複数の導電性粒子を含む樹脂接着剤などを用いることができる。
陽極端子60は、ニッケルなどの導電性材料によって形成されるリードフレームである。陽極端子60の一端部60E1は、樹脂モールド部30の内部に配置されており、伸縮部材70と電気的に接続されている。陽極端子60の他端部60E2は、樹脂モールド部30の外側に引き出されている。
伸縮部材70は、樹脂モールド部70の内部に配置される。伸縮部材70の一端部70E1は、陽極リード20の一端部20E1に電気的に接続されており、伸縮部材70の他端部70E2は、陽極端子60の一端部60E1に電気的に接続される。伸縮部材70は、陽極リード20の一端部20E1と陽極端子60の一端部60E1との間において、3次元的に伸縮可能である。伸縮部材70の構成については後述する。
(伸縮部材の構成)
次に、第1実施形態に係る伸縮部材70の構成について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る伸縮部材70の構成の一例を模式的に示す斜視図である。ただし、図2において、樹脂モールド部30は省略されている。
図2に示すように、伸縮部材70は、陽極リード20の一端部20E1と陽極端子60の一端部60E1にとの間において、複数回折り曲げられている。これによって、伸縮部材70は、垂直方向に限らず、第1方向や第2方向においても伸縮可能となっている。
また、伸縮部材70は、陽極端子60と一体成形されている。具体的には、伸縮部材70は、陽極端子60の一端部60E1にから延在する部分に曲げ加工を施すことによって形成される。
伸縮部材70の一端部70E1は、陽極リード20の一端部20E1に電気的に接続されている。伸縮部材70の一端部70E1は、陽極リード20の一端部20E1に溶接されていてもよいし、導電性接着剤によって接着されていてもよい。
(固体電解コンデンサの製造方法)
次に、第1実施形態に係る固体電解コンデンサ100の製造方法について説明する。
まず、陽極リード20の他端部20E2を、弁作用金属粉末とバインダーとを含む成形体に挿入し、真空中で焼結する。これによって、陽極リード20の他端部20E2が結合された陽極体11が形成される。陽極体11は、多数の孔が形成された多孔質体である。なお、弁作用金属粒子の粒径は、0.08〜1.00μm程度であればよい。また、バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブラチール、ポリ酢酸ビニル、或いはアクリル系樹脂と有機溶剤との混合物を用いることができる。
次に、陽極体11を、リン酸イオンなどを含む水溶液中で陽極酸化する。これによって、誘電体層12が、陽極体11の表面を覆うように多数の孔の表面上にも形成される。誘電体層12の厚みは、コンデンサ素子10の耐電圧及び静電容量を考慮して、10nm〜500nm程度であることが好ましい。
次に、誘電体層12の表面に化学重合法や電解重合法により、固体電解質層13が覆うように形成される。固体電解質層13は、陽極体11の多数の孔の表面上に形成された誘電体層12上にも形成される。
次に、カーボンペーストを固体電解質層13の表面を覆うように塗布した後、カーボンペーストを乾燥させることによって、カーボン層141を形成する。続いて、銀ペーストをカーボン層141の表面を覆うように塗布した後、銀ペーストを乾燥させることによって、銀層142を形成する。これによって、固体電解質層13上に導電層14が形成される。
以上によって、陽極体11と誘電体層12と陰極層(固体電解質層13及び導電層14)とを有し、陽極リード20の他端部20E2が結合されたコンデンサ素子10が形成される。
次に、図3に示すように、ニッケルなどの導電性薄板80を打ち抜き加工する。これによって、陰極端子40を形成するための第1部分40aと、陽極端子60を形成するための第2部分60aとを形成する。この場合、第2部分60aの第1部分40a側端部には、伸縮部材70を形成するための延在部分70aを形成しておく。
次に、延在部分70aに折り曲げ加工を施すことによって、第2部分の端部上に伸縮部材70を形成する。
次に、図4に示すように、陽極リード20が差し込まれたコンデンサ素子10を、導電性接着剤50によって第1部分40aに接着する。続いて、陽極リード20の一端部20E1と伸縮部材70とを溶接する。
次に、所定の金型を用いたトランスファーモールド法によって樹脂を注入することで、コンデンサ素子10、陽極リード20の一端部20E1、伸縮部材70を樹脂で覆う。これによって、図5に示すように、樹脂モールド部30が形成される。続いて、第1部分40a及び第2部分60aの一端部を切断することによって、陰極端子40及び陽極端子60を形成する。
次に、陰極端子40及び陽極端子60それぞれを樹脂モールド部30の外面に沿って折り曲げる。
(作用及び効果)
樹脂モールド部30の形成時において、樹脂の注入圧力や樹脂の硬化収縮力に起因して陽極リード20及び陽極端子60には、第1方向、第2方向及び第3方向から応力が加わる。
本実施形態に係る固体電解コンデンサ100は、陽極リード20の一端部20E1と陽極端子60の一端部60E1とは、伸縮部材70により電気的に接続されている。このような状態で、伸縮部材70は、陽極リード20と陽極端子60との間において伸縮可能である。
従って、樹脂モールド部30の形成時において、陽極リード20及び陽極端子60に加わる上述の応力を、伸縮部材70の伸縮によって吸収することができる。そのため、陽極リード20の陽極体11からの抜けや、陽極リード20の根元部分への応力集中による誘電体層12のダメージを抑制できる。その結果、陽極体11と陰極層(固体電解質層13及び導電層14)との間で漏れ電流が増大することを抑制できる。
また、伸縮部材70は、陽極端子60と一体成形されている。従って、導電性薄板80を効率良く使用することによって延在部分70aを形成できるので、固体電解コンデンサ100の製造コストの増加を抑えることができる。また、延在部分70aを折り曲げることで伸縮部材70を形成できるので、伸縮部材70を別体で形成する場合に比べて、取り扱い性及び作業性を向上することができる。
[第1実施形態の変形例]
次に、本発明の第1実施形態の変形例に係る固体電解コンデンサ100について、図面を参照しながら説明する。図6は、本変形例に係る伸縮部材70の構成の一例を模式的に示す斜視図である。ただし、図6において、樹脂モールド部30は省略されている。
図6に示すように、本変形例に係る伸縮部材70は、バネである。図6では、伸縮部材70がコイルバネである例を示しているが、これに限られるものではない。伸縮部材70は、渦巻きバネや竹の子バネであってもよい。
(作用及び効果)
このようは伸縮部材70によれば、第1実施形態の場合よりも、伸縮部材70の材質及び形状を自由に選択することができる。そのため、陽極リード20及び陽極端子60に応力が加わった場合、伸縮部材70をより効果的に伸縮することができる。
また、伸縮部材70にバネを用いると、陽極リード20及び陽極端子60に加わる様々な方向からの応力を吸収しやすくなる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る固体電解コンデンサ100について、図面を参照しながら説明する。図7は、第2実施形態に係る固体電解コンデンサ100の構造を模式的に示す断面図である。
図7に示すように、固体電解コンデンサ100は封止層90を備える。
封止層90は、伸縮部材70を封止する。封止層90は、樹脂モールド部30よりも柔らかい材料によって構成される。具体的には、封止層90のヤング率、すなわち縦弾性率が、樹脂モールド部30の曲げ弾性率(例えば、10〜20GPa程度)よりも小さい値であればよい。なお、ヤング率と曲げ弾性率とは、測定方法が異なるが、共に物体の弾性率を示す指標であることに留意すべきである。一般的な樹脂材料では、ヤング率と曲げ弾性率とは略同じ値になる。
また、封止層90の内部における伸縮部材70の伸縮機能を十分に確保するには、封止層90のヤング率が1MPa程度以下であることが好ましい。さらに、トランスファーモールド法によって樹脂モールド部30を形成する場合において、樹脂の注入圧力によって封止層90が剥離・離脱されないようにするには、封止層90のヤング率が0.1MPa程度以上であることが好ましい。このような封止層90の材料としては、例えばシリコーン樹脂などを用いることができる。
封止層90は、伸縮部材70の周囲を適当な樹脂材料などで覆った後に、樹脂モールド部30を形成するための樹脂を注入することによって形成される。
(作用及び効果)
樹脂モールド部30の形成後、すなわち、トランスファーモールド装置内における第1の硬化収縮後、固体電解コンデンサ100は、さらに、半田リフローなどによる実装工程を経る。この時、樹脂モールド部30の熱伸縮力やモールド樹脂の第2の硬化収縮によって、陽極リード20及び陽極端子60には、応力が加わる。
第2実施形態に係る固体電解コンデンサ100によれば、伸縮部材70は、樹脂モールド部30よりも柔らかい封止層90によって封止されている。そのため、伸縮部材70は封止層90内で伸縮可能である。従って、樹脂モールド部30の形成後における陽極リード20及び陽極端子60に加わる上述の応力を、伸縮部材70の伸縮によって吸収することができる。その結果、陽極体11と陰極層との間で漏れ電流が増大することをより確実に抑制できる。
[第2実施形態の変形例]
次に、本発明の第2実施形態の変形例に係る固体電解コンデンサ100について、図面を参照しながら説明する。図8は、本変形例に係る固体電解コンデンサ100の構造を模式的に示す断面図である。
図8に示すように、固体電解コンデンサ100は被覆層95を備える。
被覆層95は、封止層90を被覆する。被覆層95は、封止層90よりも固い材料によって構成される。具体的には、被覆層95としては、シリコーン樹脂などの弾性を有する樹脂を用いることができるが、これに限られるものではない。被覆層95のヤング率は、封止層90のヤング率よりも大きい値であればよい。
ただし、トランスファーモールド法によって樹脂モールド部30を形成する場合には、被覆層95は、樹脂の注入圧力によって破断されない程度の硬さを有することが好ましい。被覆層95のヤング率は、例えば、0.1MPa程度以上であることが好ましい。
なお、本変形例では、被覆層95を設けることにより、トランスファーモールド成形時の樹脂の注入圧力による封止層90の剥離・離脱が抑制されるので、封止層90は、例えば、ゲル状或いは液体状であってもよく、封止層90のヤング率を1MPa以下にできる。また、封止層90として、発泡性の樹脂を用いてもよい。発泡性の樹脂を用いる場合には、封止層90の体積中に占める空洞部の割合を多くできるので、さらに応力の緩和を行いやすくなる。
(作用及び効果)
本変形例では、封止層90は、被覆層95によって被覆される。被覆層95は、封止層90よりも固い。従って、伸縮部材70を封止層90によってより確実に封止することができる。
また、封止層95を設けることにより、より柔らかい材料、例えばゲル状或いは液体状の材料で封止層90を構成することができる。そのため、伸縮部材70の伸縮に伴い伸縮部材70及び封止層90が変形する際に、封止層90の材料が流動しやすくなり、陽極リード20にかかる応力を低減できる。そのため、上記第2実施形態よりも漏れ電流を小さくすることができる。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記第1実施形態では、伸縮部材70として板バネ状の部材を用い、第1実施形態の変形例では、伸縮部材70として渦巻きバネ状の部材を用いたが、これに限られるものではない。伸縮部材70は、陽極リード20と陽極端子60との間で伸縮可能であればよい。具体的には、伸縮部材70は、図9に示すように、バネ状部材の代わりに、導電性材料により作製した中空状の第1伸縮部70Aと第2伸縮部70Bによって構成されていてもよい。第1伸縮部70Aを陽極リード20に接続するとともに、第2伸縮部70Bを陽極体11に接続することによって、伸縮部材70は伸縮可能となる。
また、上記実施形態では特に触れていないが、陽極リード20の根元は、別途、樹脂によって補強されていてもよい。
また、上記実施形態では、リン酸水溶液を用いて陽極体11の陽極酸化を行ったが、本発明はこれに限らず、リン酸イオンを含む水溶液として、リン酸アンモニウム水溶液やリン酸ナトリウム水溶液などを用いてもよい。
また、上記実施形態特に触れていないが、樹脂モールド部30を構成する樹脂は、酸化アンチモン、カルバナワックス、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよびカーボンブラックや、ワックス類、離型剤、着色剤、難燃剤、カップリング剤、可撓化剤などの各種添加剤が添加されていてもよい。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
以下、本発明に係る固体電解コンデンサの実施例について具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施することができるものである。
(実施例1)
以下のように、実施例1に係る固体電解コンデンサを作製した(図7参照)。
まず、1次粒径が0.5μmのニオブ金属粉にニオブ製ワイヤ(陽極リード)を差し込んだ状態で真空焼結することによって、垂直方向高さ1.0mm、第1方向幅4.4mm、第2方向奥行き3.3mmの多孔質焼結体(陽極体)を形成した。
次に、多孔質焼結体をリン酸水溶液(30℃、約0.4重量%)に浸漬して、約50Vの電圧を印加した状態で10時間保持した。これによって、多孔質焼結体の表面及び内部に酸化被膜(誘電体層)を形成した。
次に、化学重合によって、酸化被膜表面にポリピロール膜を形成した。
次に、電解重合によって、ポリピロール膜表面にさらにポリピロール膜を形成した。これら2層のポリピロール膜により、固体電解質層を形成した。
次に、カーボンペーストをポリピロール膜の表面を覆うように塗布した後、カーボンペーストを乾燥させることによって、カーボン層を形成した。続いて、銀ペーストをカーボン層の表面を覆うように塗布した後、銀ペーストを乾燥させることによって、銀層を形成した。
次に、陽極端子となる部分の端部に形成した延在部を折り曲げることによって、板バネを形成した。続いて、導電性接着剤を用いて、銀層に陰極端子を接続するとともに、板バネの一端にニオブ製ワイヤを溶接した。
次に、板バネ及びニオブ製ワイヤの周囲に95℃で30分予備加熱したシリコーン樹脂TSE3250をディスペンサ装置を用いて塗布して、100℃で30分硬化することにより封止層を形成した。シリコーン樹脂TSE3250のヤング率は、0.2MPa程度であった。
次に、エポキシ系樹脂及びイミダゾール化合物を含む封止材を用い、トランスファーモールド法により樹脂モールド部30を形成した。すなわち、温度160℃にて予備加熱した封止材を、圧力80kg/cmで金型内に注入し、金型内で温度160℃、時間90秒の条件で硬化させた。
(実施例2)
以下のように、実施例2に係る固体電解コンデンサを作製した。
実施例2では、陽極端子の一部を用いて作成した板バネに代えて、陽極端子とは別体の渦巻きバネを伸縮部材として使用した(図6参照)。
具体的には、渦巻きバネの一端を陽極端子となる部分に溶接するとともに、渦巻きバネの他端をニオブ製ワイヤに溶接した。この際、渦巻きバネの両端が第1方向において反対向きとなるように配置した。これによって、溶接作業における両端の干渉を解消することができた。
その他の工程は、上記実施例1と同様に行なった。
(比較例)
以下のように、比較例に係る固体電解コンデンサ200を作製した。比較例に係る固体電解コンデンサ200の構成を図10に示す。図10に示すように、固体電解コンデンサ200では、陽極リード20と陽極端子60とが直接接続されている。
具体的には、ニオブ製ワイヤと陽極端子とを直接溶接した後に、ニオブ製ワイヤの周囲に95℃で30分予備加熱したシリコーン樹脂TSE3250をディスペンサ装置を用いて塗布して、100℃で30分硬化することにより封止層を形成した。
その他の工程は、上記実施例1と同様に行なった。
(リーク電流の測定)
実施例1、実施例2及び比較例それぞれに電圧10Vを印加し、印加後5分における漏れ電流(LC)値を測定した。実施例1、実施例2及び比較例それぞれのサンプル10個についての測定結果を下表に示す。
Figure 2010225696
上表に示すように、実施例1及び実施例2では、比較例に比べて、LCが小さく抑えられることが確認された。これは、実施例1及び実施例2において、伸縮部材を設けたことによって、樹脂モールド部30の形成時に陽極リード20と陽極端子60とに加わる応力が、ニオブ製ワイヤの根元に集中することを抑制できたためである。その結果、ニオブ製ワイヤの抜けや、ニオブ製ワイヤの根元部分への応力集中による酸化被膜(誘電体層)のダメージを抑制できた。
10…コンデンサ素子
11…陽極体
12…誘電体層
13…固体電解質層
14…導電層
141…カーボン層
142…銀層
20…陽極リード
30…樹脂モールド部
40…陰極端子
50…導電性接着剤
60…陽極端子
70…伸縮部材
80…導電性薄板
90…封止層
95…被覆層
100…固体電解コンデンサ
200…固体電解コンデンサ
40a…第1部分
60a…第2部分
70a…延在部分
70A…第1伸縮部
70B…第2伸縮部

Claims (5)

  1. 陽極体と、前記陽極体を覆う誘電体層と、前記誘電体層を覆う陰極層とを有するコンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子から一端部が突出し、前記コンデンサ素子に他端部が結合される陽極リードと、
    前記コンデンサ素子を覆う樹脂モールド部と、
    前記モールド部の内部に一端部が配置された陽極端子と
    を備え、
    前記陽極リードの一端部と前記陽極端子の一端部とは、伸縮部材によって接続されており、
    前記伸縮部材は、前記樹脂モールド部の内部に配置されている
    ことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記伸縮部材の少なくとも一部は曲げられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記伸縮部材は、前記陽極端子と一体成形されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記伸縮部材を封止する封止層を備え、
    前記封止層は、前記樹脂モールド部よりも柔らかい
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記封止層を被覆する被覆層をさらに備え、
    前記被覆層は、前記封止層よりも固い
    ことを特徴とする請求項4に記載の固体電解コンデンサ。
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