JP2010225223A - ガラススタンパの製造方法、ガラススタンパ、および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

ガラススタンパの製造方法、ガラススタンパ、および磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ラインエッジラフネス(LER)が低減されたガラススタンパを高い歩留まりで製造できる方法を提供する。
【解決手段】基板上にダイヤモンド膜を成膜し、ダイヤモンド膜上にレジストを塗布し、電子線描画および現像を行ってパターンを形成し、前記レジストのパターンをマスクとして、酸素またはArガスで前記ダイヤモンド膜をエッチングしてパターンを転写し、前記レジストおよび基板を除去してダイヤモンドモールドを作製し、前記ダイヤモンドモールドを用いてガラス成形を行ってガラススタンパを製造することを特徴とするガラススタンパの製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガラススタンパの製造方法、この方法により製造されたガラススタンパ、およびこのガラススタンパを用いた磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年、ハードディスクドライブ(HDD)に組み込まれる磁気記録媒体において、隣接トラック間の干渉によりトラック密度の向上が妨げられるという問題が顕在化している。特に記録ヘッド磁界のフリンジ効果の低減は重要な技術課題である。
このような問題に対して、記録トラック間を物理的に分離するディスクリートトラック型パターンド媒体(DTR媒体)が提案されている。DTR媒体では、記録時に隣接トラックの情報を消去するサイドイレース現象、再生時に隣接トラックの情報を読み出すサイドリード現象などを低減できるため、トラック密度を高めることができる。したがって、DTR媒体は高密度の磁気記録媒体として期待されている。
また、単一の磁性ドットを単一の記録セルとして記録再生を行うビットパターンド媒体(BPM)が、熱揺らぎ現象および媒体ノイズを抑制できる高密度の磁気記録媒体として提案されている。
個々のDTR媒体やBPMを電子線(EB)リソグラフィー技術によって製造すると、製造コストが著しく増大する。そこで、製造コストを低減するためには、電子線(EB)リソグラフィーにより微細パターンを形成した原盤からNiスタンパを作製し、媒体基板上に成膜した磁気記録層上に塗布したレジストにNiスタンパをインプリントしてパターンを転写した後、磁気記録層をエッチング加工する方法が採用されている。
Niスタンパは以下のようにして作製される。スタンパ基板上にレジストを塗布し、レジストに微細パターンをEB描画し、レジストを現像して原盤を作製する。この原盤上にNi導電化膜をスパッタリングにより成膜し、Ni電鋳層を堆積し、スタンパ基板からNi電鋳層およびNi導電化膜を剥離してNiスタンパを作製する。ところで、Ni導電化膜を透過型電子顕微鏡(TEM)で観測したところ、粒径15〜20nmのNi結晶粒が成長していることがわかった。このため、Ni導電化膜上に堆積されるNi電鋳層でもNi結晶粒が成長する。この結果、実際に形成されるNiスタンパ上のパターンは、Ni結晶粒の粒径によって規定されるラインエッジラフネス(LER)をもち、このLERは5nm程度までしか低減できないことがわかった。
たとえば2Tbpsiの記録密度のBPMでは、パターンのサイズが10nm×20nmに設計される。しかし、パターンのLERが5nm程度であるNiスタンパを用いた場合には、このように小さなサイズのパターンを形成することはできず、2Tbpsiの記録密度を持つBPMを製造することはできない。
従来、LERを低減するために、少なくとも凸部最表面がX線回折において結晶性ピークを有していない材料で形成されているスタンパが提案されている(特許文献1)。たとえばシリコン基板に凹凸パターンを形成し、導電化膜としてTaSiを成膜し、Ni電鋳層を堆積し、Ni電鋳層およびTaSi膜を剥離してトラックピッチが200nmであるパターンを有するスタンパを作製することが開示されている。しかし、この方法でも、パターン幅を小さくした場合には、成長したNi電鋳層の結晶粒によりスタンパのLERを低減できないおそれがある。
特開2005−133166号公報
本発明の目的は、ラインエッジラフネス(LER)が低減されたガラススタンパを高い歩留まりで製造できる方法を提供することにある。
本発明の一態様に係るガラススタンパの製造方法は、基板上にダイヤモンド膜を成膜し、ダイヤモンド膜上にレジストを塗布し、電子線描画および現像を行ってパターンを形成し、前記レジストのパターンをマスクとして、酸素またはArガスで前記ダイヤモンド膜をエッチングしてパターンを転写し、前記レジストおよび基板を除去してダイヤモンドモールドを作製し、前記ダイヤモンドモールドを用いてガラス成形を行ってガラススタンパを製造することを特徴とする。
本発明の他の態様に係るガラススタンパは、上記の方法で製造されたものである。
本発明のさらに他の態様に係る磁気記録媒体の製造方法は、磁気記録層の上にカーボン保護膜および金属膜を成膜し、前記金属膜上にUV硬化レジストを塗布し、上記の方法で製造したガラススタンパを用いてUVインプリントを行って前記UV硬化レジストにパターンを転写し、前記UV硬化レジストのパターンをマスクとして、前記金属膜および前記カーボン保護膜をエッチングして前記磁気記録層を露出させ、露出した前記磁気記録層の磁性をHe−N2ガスを用いて失活させながらエッチングして前記磁気記録層に凹部を形成することを特徴とする。
本発明によれば、LERが低減されたガラススタンパを高い歩留まりで製造できる方法を提供することができる。
ディスクリートトラック媒体(DTR媒体)を示す平面図。 ビットパターンド媒体(BPM)を示す平面図。 本発明の実施形態に係るガラススタンパの製造方法を示す断面図。 Ni導電化膜のNi結晶粒を示す模式図。 NiスタンパのLERを示す斜視図。 モールドの表面粗さRaを示す断面図。 従来の方法によるダイヤモンドモールドの作製方法を示す断面図。 本発明の方法によるダイヤモンドモールドの作製方法を示す断面図。 本発明の実施形態に係る磁気記録媒体(DTR媒体またはBPM)の製造方法示す断面図。
本発明者らは、Niスタンパを用いずに2Tbpsi級のDTR媒体およびBPMを製造する方法を考案した。2Tbpsi級のDTR媒体およびBPMを製造するには、インプリントに用いるスタンパのLERを低減することが重要になる。上述したようにNiスタンパは導電化膜のNi粒径に応じてLERが決まるため、他の材料からなるスタンパを用意する必要がある。
本発明者らは、ガラススタンパがLERを低減するのに最も有利であることを見出した。ガラススタンパを低コストで作製するにはガラス成形技術が好適である(たとえば特許第4004286号公報参照)。ガラス成形は、軟化点(650℃)以上に加熱したガラスをモールドに流し込んで成形する方法である。ガラス成形用のモールドは、ガラス軟化点(650℃)以上の高温に耐えて変形しない材料で形成する。一般的にガラス成形用のモールドにはグラッシーカーボン(GC)が使用されている。しかし、グラッシーカーボンは表面粗さRaが10nm程度と大きく、2Tbpsi級の微細パターンを形成するには適していない。そこで、650℃以上の高温に耐え、表面粗さRaが数nm以下である材料を探索したところ、ダイヤモンドが好適であることがわかった。本明細書において、ダイヤモンドとは、ラマン分光分析で1333cm-1にsp3結合に帰属する急峻なピークが認められ、該ピーク強度が1580cm-1におけるグラファイトのピーク強度に対して1.5倍以上である材料と定義する。
本発明において、ラインエッジラフネス(LER)は走査型電子顕微鏡(SEM)画像からエッジを抽出して算出する。表面粗さRaは原子間力顕微鏡(AFM)を用いて求める。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1に、ディスクリートトラック媒体(DTR媒体)1の周方向に沿う平面図を示す。図1に示すように、媒体1の周方向に沿って、サーボ領域10と、データ領域20が交互に形成されている。サーボ領域10には、プリアンブル部11、アドレス部12、バースト部13が含まれる。データ領域20には互いに分断されたディスクリートトラック21が含まれる。
図2に、ビットパターンド媒体(BPM)2の周方向に沿う平面図を示す。図2に示すように、サーボ領域10は図1と同様な構成を有する。データ領域20には互いに分断された磁性ドット22が含まれる。
本発明においては、図1に示されるDTR媒体または図2に示されるBPMのデータ領域の記録トラックまたは記録ビットに対応するパターンおよびサーボ領域の情報に対応するパターンが凹凸で形成されたガラススタンパを製造する。
次に、図3(a)〜(f)を参照して本発明に係るガラススタンパの製造方法を説明する。
図3(a)に示すように、4〜6インチのSi基板31上に、CVD(化学気相堆積法)により厚さ500μmのダイヤモンド膜32を成膜する。原料ガスとして、例えばメタン(CH4)と水素(H2)との混合ガスを用いる。
図3(b)に示すように、ダイヤモンド膜32上に電子ビーム(EB)レジスト33(例えばZEP520:日本ゼオン社)を塗布し、EB描画装置を用いて図1または図2に示したDTR媒体またはBPMのパターンを描画する。その後、現像液(例えばZED−N50:日本ゼオン社)を用いて現像し、ダイヤモンド膜32上のEBレジスト33に凹凸パターンを形成する。
図3(c)に示すように、EBレジスト33のパターンをエッチングマスクとし、酸素RIE(Reactive ion etching)によりダイヤモンド膜32の一部をエッチングする。
図3(d)に示すように、フッ酸を用いてSi基板31および残留しているEBレジスト33を除去してダイヤモンドモールド34を作製する。
本発明の方法の優れている点は、酸素RIEでダイヤモンド膜32をエッチングすると、ダイヤモンドモールド34のLERが小さくなることである。
従来のNiスタンパの場合、EBレジストにEB描画および現像を行った後に、EBレジストのパターン上に導電化膜としてNiをスパッタにより成膜する。図4の模式図に示すように、Ni導電化膜70には粒径15〜20nmのNi結晶粒71が成長している。このため、基板に直線状のパターンを形成した場合であっても、その上に成膜したNi導電化膜のパターンにはNi結晶粒の形状に応じて凹凸が生じる。さらに、Ni導電化膜上にNi電鋳層を成長させ、これらを剥離することによって作製されたNiスタンパ80にも、図5の斜視図に示すように、Ni結晶粒の粒径に応じたLERが生じる。
これに対して、本発明の方法ではダイヤモンド膜をエッチングするため、Niスタンパの場合のようにNi結晶粒の粒径によってLERが決定されることはなく、EB描画時のLERをそのまま維持できる。また、酸素プラズマの影響により、エッジのスムージングも期待できる。したがって、従来のNiスタンパではLERを5nm以下にすることは困難であったが、本発明ではLER5nm以下のパターンを容易に形成することができ、さらにLER1nm以下のパターンを形成することもできる。
また、酸素RIEでダイヤモンド膜22をエッチングする際に窒素ガスを混合すれば、窒素原子のドーピング効果によりダイヤモンドモールド34の表面を容易に窒化させることもできる。窒化されたダイヤモンドモールド34は表面が硬化し、空気中のパーティクル、ダスト等に対しての防護耐性が向上する。加えて、ダイヤモンドモールド34そのものの耐久性を向上することができる。窒素の代わりにフッ素系ガス(CF4、CHF3、C26、SF6等)を用いると、フッ素原子のドーピング効果によりダイヤモンドモールド34の表面をフッ素化することができる。フッ素化することによりダイヤモンドモールド34と成形されたガラススタンパとの離型性を向上させる効果がある。
なお、ダイヤモンド膜32をエッチングする方法は、必ずしも酸素RIEに限らず、Arガスによるイオンビームエッチングでもよい。また、プラズマ方式は、平行平板型、ICP(誘導結合プラズマ)型、ECR(電子サイクロトロン共鳴)型等を用いてもよい。
図3(e)に示すように、上記の方法で作製したダイヤモンドモールド34をガラス成形機にセットし、例えば、成形温度650℃、成形圧力2MPa、保持時間5分でガラススタンパ35を作製する。
図3(e)に示すように、必要に応じて、作製したガラススタンパ35のパターンをスリミングする工程を行ってもよい。スリミングとは、ウェットエッチング、ドライエッチング等でパターン凸部の幅を細くすることである。例えばフッ酸にガラススタンパ35を浸漬し、パターンを全体的に5〜10nm小さくする方法を用いることができる。
従来のNiスタンパを例えばpH3程度のスルファミン酸に浸漬して同様のスリミング工程を行った場合にも、パターンを全体的に5〜10nm小さくすることができる。しかし、Ni結晶粒の粒径で規定されるLER(図5図示)がそのまま残るため、ランド幅のバラつきが大きなスタンパになる。
これに対して本発明のガラススタンパ35はLERが小さいため、スタンパスリミング工程を行ってもランド幅のバラつきを小さくできる。
一般的なガラス成形では、成形されたガラスをモールドから離型することが課題になる。図6に示したようにモールド90の表面粗さRaが大きい場合、高温で成形されたガラスの冷却時にガラスとモールドとの熱膨張率差によってモールドへのガラスの「食い込み」が生じ、モールドからガラスを離型することが著しく困難になる。室温インプリントのようにモールドに離型剤を塗布しようとしても、一般的なフッ素離型剤は高温で分解されるため、ガラス成形では利用することができない。そこで、特許第4004286号公報には、モールドの表面粗さRaを小さくして離型性を向上させる方法が開示されている。しかし、DTR媒体やBMPを製造するためのダイヤモンドモールド34には、図1または図2に示したような複雑なパターンが形成されており、ダイヤモンドモールド34の表面粗さRaのみ小さくしてもガラススタンパ35の離型がよくなることはない。本発明者らはさらに鋭意検討した結果、ダイヤモンドモールド34の表面粗さRaを小さくするのに加えて、ダイヤモンドモールド34上のパターンのLERを小さくすることにより、ガラススタンパ35の離型性を大幅に向上できることを見出した。同時に、ダイヤモンドモールド34の寿命を大幅に延ばすことができることも見出した。
次に、本発明と従来技術との差異をより詳細に説明する。
従来技術によりダイヤモンドモールドを作製する場合、図7(a)および(b)に示すような方法を採用することが考えられる。まず、図7(a)に示すように、Si基板41上にEBレジストを塗布し、EB描画および現像を行ってEBレジストのパターンを形成し、CF4等のフッ素系ガスを用いたRIEによりSi基板41をエッチングしてパターンを転写する。このSi基板41上にCVDによりダイヤモンド膜42を成膜する。次に、図7(b)に示すように、Si基板41をフッ酸で剥離してダイヤモンドモールド43を作製する。この従来技術を用いた場合、図7(a)のCVD工程でSi基板41の側壁に回り込んで付着したダイヤモンドが、図7(b)のフッ酸処理後にバリとして残り、これを除去することができない。このようにバリのあるダイヤモンドモールド43を用いてガラススタンパを製造した場合、バリの部分がガラススタンパに凹部を形成し、DTR媒体またはBPMに欠陥パターンとして転写される。
本発明の方法では、図8(a)および(b)に示すようにダイヤモンドモールドを作製する。まず、図8(a)に示すように、Si基板31上にダイヤモンド膜32を成膜する。ダイヤモンド膜32上のEBレジストを塗布し、EB描画および現像を行い、EBレジストに凹凸パターンを形成する。EBレジストのパターンをエッチングマスクとし、酸素RIEによりダイヤモンド膜32の一部をエッチングして凹凸パターンを転写する。この酸素RIE工程では、Si基板31の側壁に回りこんだダイヤモンドもエッチングされる。その後、EBレジストを除去する。次に、図8(b)に示すように、フッ酸を用いてSi基板31および残留しているEBレジストを除去してダイヤモンドモールド34を作製する。このとき、Si基板31の側壁に回りこんだダイヤモンドがエッチングされているので、ダイヤモンドモールド34の端部にバリが生じることはない。
また、図7(a)および(b)に示す従来の方法の場合、凹凸が形成されたSi基板41上にダイヤモンド膜42を堆積させるため、ダイヤモンド膜42は厚さに応じて不均一な膜質で堆積される。この結果、作製されたダイヤモンドモールド43では残留応力が緩和しきれず、ガラススタンパ成形時に破損しやすくなる。これに対して、本発明の方法では、ダイヤモンド膜32が平坦なSi基板31上に成膜されるため、残留応力が発生しにくく、耐久度の高いダイヤモンドモールド34を形成することができる。
また、従来の方法でダイヤモンドモールド43の表面を窒化して硬化させる場合、フッ酸によってSi基板を剥離した後に、窒素プラズマ曝露や窒素イオン注入などの工程を行う必要があるので、製造コストの増大を招く。これに対して、本発明の方法では、酸素RIEなどのプラズマプロセスでダイヤモンド表面をエッチングする際に、窒素ガスを混合したり、プロセスガスを窒素に切り替えたりするという簡便な方法でダイヤモンドモールド表面を窒化することができる。
次に、図9(a)〜(i)を参照して、本発明に係る磁気記録媒体の製造方法を説明する。この方法では、上述したようにダイヤモンドモールドを用いたガラス成形で製造したガラススタンパを用いる。
図9(a)に示すように、ガラス基板51上に、厚さ120nmのCoZrNbからなる軟磁性下地層(図示せず)、厚さ20nmのRuからなる配向制御用の下地層(図示せず)、厚さ15nmのCoCrPt−SiO2からなる磁気記録層52、厚さ15nmのカーボン保護膜53、厚さ3〜5nmの金属層54を順次成膜する。ここでは、簡略化のために、軟磁性下地層および配向制御層は図示していない。
金属層54には、後述するUV硬化レジスト(フォトポリマー剤、2P剤)との密着性がよく、後述するHe+N2ガスによるエッチング時に完全に剥離可能な金属が用いられる。具体的には、金属はCoPt、Cu、Al、NiTa、Ta、Ti、Si、Cr、NiNbZrTiからなる群より選択される。特に、CoPt、Cu、Siは、UV硬化レジストとの密着性およびHe−N2ガスによる剥離性の両方に優れている。
図9(b)に示すように、金属層54の上にUV硬化レジスト55を厚さ50nmになるようにスピンコートする。UV硬化レジスト55は、モノマー、オリゴマーおよび重合開始剤を含み、紫外線硬化性を示す。たとえば、モノマーとして85%のイソボルニルアクリレート(IBOA)、オリゴマーとして10%のポリウレタンジアクリレート(PUDA)、重合開始剤として5%のダロキュア1173を含む組成物を用いることができる。このUV硬化レジスト55に対向するようにガラススタンパ35を配置する。
図9(c)に示すように、ガラススタンパ35を用いてUVインプリントを行い、ガラススタンパ35の凹部に対応してUV硬化レジスト55の凸部を形成した後、ガラススタンパ35を通して紫外線を照射してUV硬化レジスト55を硬化させる。
図9(d)に示すように、ガラススタンパ35を除去した後、パターン化されたUV硬化レジスト55の凹部の底に残っているレジスト残渣を除去する。たとえばICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置を用い、プロセスガスとして酸素を導入してチャンバー圧を2mTorrとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100W、エッチング時間を30秒とする。
図9(e)に示すように、UV硬化レジスト55のパターンをマスクとして、Arガスを用いたイオンビームエッチングにより金属層54をエッチングする。この工程は必ずしも行う必要はない。たとえば、レジスト残渣を除去する際に、異方性の高いエッチング条件を用いれば、レジスト残渣および金属層をエッチングできる。具体的には、ICPエッチング装置でプラテンRFパワーを300W程度まで高くすると、エッチング異方性を高くすることができる。金属層54にSiを用いた場合はCF4ガスでエッチングしてもよい。
図9(f)に示すように、UV硬化レジスト55のパターンをマスクとして、カーボン保護膜53をパターニングする。たとえば、ICPエッチング装置を用い、プロセスガスとしてO2を導入してチャンバー圧を2mTorrとし、コイルRFパワーとプラテンRFパワーをそれぞれ100W、エッチング時間を30秒とする。
図9(g)に示すように、カーボン保護膜53のパターンをマスクとしてHeまたはHe+N2(混合比1:1)を用いたイオンビームエッチングを行い、磁気記録層52の一部をエッチングして凹凸を形成するとともに、凹部に残った磁気記録層52を失活させて非磁性層56を形成する。このとき、ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンを用いることが好ましい。たとえば、マイクロ波パワー800W、加速電圧1000Vで20秒間エッチングして磁気記録層52に深さ10nmの凹部を形成するとともに、磁性が失活した厚さ5nmの非磁性層56を形成する。これと同時に、残存している金属層(たとえばCu)54を除去する。これは、金属層54が残存した状態では、次工程で酸素RIEによるカーボン保護膜53の剥離ができなくなるからである。
図9(h)に示すように、カーボン保護膜53のパターンを除去する。たとえば、酸素ガスを用い、100mTorr、100W、エッチング時間30秒の条件でRIE(反応性イオンエッチング)を行う。
図9(i)に示すように、CVD(化学気相堆積法)により、厚さ4nmのカーボンからなる表面保護膜57を形成する。表面保護膜57上に潤滑剤を塗布することによりDTR媒体またはBPMを製造する。
以下、本発明において用いられる材料および個々の工程の詳細について説明する。
[UV硬化レジスト]
UV硬化レジスト(2P剤)は紫外線硬化性を持つ材料であり、モノマー、オリゴマー、重合開始剤を含み、溶媒を含まない組成物からなる。
モノマーとしては下記のようなものが用いられる。
・アクリレート類
ビスフェノールA・エチレンオキサイド変性ジアクリレート(BPEDA)
ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)アクリレート(DPEHA)
ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート(DPEHPA)
ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)
エトキシレイテッドトリメチロールプロパントリアクリレート(ETMPTA)
グリセリンプロポキシトリアクリレート(GPTA)
4−ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)
2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)
2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)
イソボルニルアクリレート(IBOA)
ポリエチレングリコールジアクリレート(PEDA)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)
トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)
・メタクリレート類
テトラエチレングリコールジメタクリルレート(4EDMA)
アルキルメタクリレート(AKMA)
アリルメタクリレート(AMA)
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート(BDMA)
n−ブチルメタクリレート(BMA)
ベンジルメタクリレート(BZMA)
シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)
ジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)
2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)
グリシジルメタクリレート(GMA)
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(HDDMA)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)
イソボルニルメタクリレート(IBMA)
ラウリルメタクリレート(LMA)
フェノキシエチルメタクリレート(PEMA)
t−ブチルメタクリレート(TBMA)
テトラヒドロフルフリルメタクリレート(THFMA)
トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPMA)
特に、イソボルニルアクリレート(IBOA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPDA)、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(TITA)などは粘度を10cP以下にすることができるため良好である。
オリゴマーとしては、たとえばウレタンアクリレート系材料、たとえばポリウレタンジアクリレート(PUDA)やポリウレタンヘキサアクリレート(PUHA)、その他、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フッ化ポリメチルメタクリレート(PMMA−F)、ポリカーボネートジアクリエート、フッ化ポリカーボネートメチルメタクリレート(PMMA−PC−F)などが用いられる。
重合開始剤としては、チバガイギー社製イルガキュア184およびチバガイギー社製ダロキュア1173などが用いられる。
[表面保護膜]
表面保護膜は、垂直磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ目的で設けられる。表面保護膜の材料としては、例えばカーボン(C)、SiO2、ZrO2を含むものがあげられる。カーボンはsp2結合炭素(グラファイト)とsp3結合炭素(ダイヤモンド)に分類できる。耐久性、耐食性はsp3結合炭素のほうが優れているが、結晶質であることから表面平滑性はグラファイトに劣る。通常、カーボンの成膜はグラファイトターゲットを用いたスパッタリング法で形成される。この方法では、sp2結合炭素とsp3結合炭素が混在したアモルファスカーボンが形成される。sp3結合炭素の割合が大きいものはダイヤモンドライクカーボン(DLC)と呼ばれ、耐久性、耐食性に優れ、アモルファスであることから表面平滑性にも優れている。CVD(Chemical vapor Deposition)によるDLCの成膜では、原料ガスをプラズマ中で励起して分解し、化学反応によってDLCを生成させるため、条件を適切に設定することによって、よりsp3結合炭素に富んだDLCを形成することができる。
[残渣除去]
RIE(反応性イオンエッチング)により、レジストの凹部の底に残存している残渣を除去する。プラズマソースは、低圧で高密度プラズマを生成可能なICP(Inductively Coupled Plasma)が好適であるが、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマや、一般的な並行平板型RIE装置を用いてもよい。UV硬化レジスト(2P剤)の残渣除去には酸素ガスを用いるのが好ましい。
[磁性失活エッチング]
記録再生ヘッドの浮上性を考慮すると凹凸の深さを10nm以下にすることが好ましいが、信号出力を確保するために磁気記録層の膜厚が15nm程度必要となる。そこで、磁気記録層の膜厚15nmのうち、10nmを物理的に除去し、残りの5nmを磁気的に失活させるようにすれば、記録ヘッドの浮上性を確保しつつサイドイレースおよびサイドリードを抑制できるので、DTR媒体およびBPMを製造できる。厚さ5nmの磁気記録層を磁気的に失活させる方法として、HeやN2イオンを曝露する方法が用いられる。Heイオンを曝露した場合、曝露時間に従ってヒステリシスループの角形を維持したままHc(保磁力)が減少し、やがてヒステリシスがなくなる(磁性失活)。この場合、Heガスの曝露時間が不十分であると、角形のよい(Hn(反転核形成磁界)がある)ヒステリシスが保持される。しかし、このことは、凹部底部の磁性層に記録能力があることを意味し、DTR媒体またはBPMの利点が失われる。一方、N2イオンを曝露した場合、曝露時間に従ってヒステリシスループの角形が劣化して、やがてヒステリシスがなくなる。この場合、Hnは急激に劣化するが、Hcが減少しにくい。しかし、N2ガス曝露時間が不十分であると、凹部底部にHcの大きい磁性層が残ることになり、DTR媒体またはBPMの利点が失われる。そこで、Heガスによる磁性失活とN2ガスによる磁性失活の挙動が異なることに着目し、He+N2混合ガスを用いることにより、磁気記録層をエッチングしながら効率的に凹部底部の磁気記録層の磁性を失活することができる。
[カーボン保護膜剥離]
磁気記録層の磁性を失活させた後、カーボン保護膜を剥離する。カーボン保護膜は、酸素プラズマ処理を行うことで容易に剥離できる。
[表面保護膜形成および後処理]
最後にカーボンからなる表面保護膜を形成する。表面保護膜は、凹凸へのカバレッジをよくするためにCVDで成膜することが望ましいが、スパッタ法または真空蒸着法でもよい。CVD法によれば、sp3結合炭素を多く含むDLCが形成される。表面保護膜の膜厚が2nm未満だとカバレッジが悪くなり、10nmを超えるとヘッドと媒体との磁気スペーシングが大きくなってSNRが低下するので好ましくない。表面保護膜上に潤滑剤を塗布する。潤滑剤としては、たとえばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
実施例1
図3に示した方法でガラススタンパを製造した。6インチのSi基板上にCVDにより厚さ500μmのダイヤモンド膜を成膜した。ダイヤモンド膜の表面をAFM(原子間力顕微鏡)で観察し、表面粗さRaを測定したところ0.65nmであった。ダイヤモンド膜32上に厚さ40nmのEBレジストをスピンコートした。EB描画装置を用いて図1に示したようなDTR媒体のパターンを描画し、現像してEBレジストに凹凸パターンを形成した。EBレジストのパターンをエッチングマスクとし、酸素RIEによりダイヤモンド膜の一部をエッチングして、ダイヤモンド膜にパターンを転写した。フッ酸を用いてSi基板および残留しているEBレジストを除去してダイヤモンドモールドを作製した。得られたダイヤモンドモールドのパターンは、凸幅50nm、凹幅25nm、トラックピッチ75nm、LER0.70nm、表面粗さRa0.65nmであった。
作製したダイヤモンドモールドをガラス成形機に装着し、成形温度650℃、成形圧力2MPa、保持時間5分でガラススタンパを製造した。連続的に20枚のガラススタンパを製造したが、成形不良品はなかった。得られたガラススタンパのパターンは、凸幅25nm、凹幅50nm、トラックピッチ75nm、LER0.70nm、表面粗さRa0.65nmであった。
上記のようにダイヤモンドモールドとガラススタンパは、LERおよびRaが同じ値であり、良好なガラス成形ができた。
得られたガラススタンパを用いてUV硬化レジスト(2P剤)に対してUVインプリントを行ったところ、50回連続して転写が可能であった。51回目にガラススタンパにUV硬化レジストのダストが残ったが、ガラススタンパを硫酸と過酸化水素水の混合液に浸漬し、純水でリンスしたところ、ガラススタンパの再生が可能であった。
一方、Niスタンパにレジストのダストが残ると、スタンパの再生は不可能である。ダストが残ったNiスタンパを用いてインプリントを行うと、パターン欠損が生じる。
実施例2
実施例1と同様の方法でガラススタンパを製造した。その後、ガラススタンパをフッ酸に30分浸漬してスリミングを行った。得られたガラススタンパのパターンは、凸幅15nm、凹幅60nm、トラックピッチ75nm、LER0.70nm、表面粗さRa0.65nmであった。本実施例のガラススタンパは、スリミングによって実施例1のガラススタンパよりも凸幅を10nm細くでき、しかも実施例1のガラススタンパと同じLERおよび表面粗さRaを維持できる。
一方、Niスタンパをスルファミン酸に30分浸漬してスリミングを行った場合にも凸幅を10nm細くすることができるが、LERが3〜5nm程度と非常に大きくなる。
実施例3
実施例1と同様の方法でガラススタンパを製造した。LERおよびRaが種々の値であるダイヤモンドモールドを用いてガラス成形によりパターンサイズ(凸幅)が15nmであるDTRパターンを有するガラススタンパを製造した。20回のガラス成形を行い、ガラススタンパの歩留まりを調べた。その結果を表1に示す。
表1から以下のことがわかる。LERおよびRaがともに1nm以下である場合には、ダイヤモンドモールドからのガラススタンパの離型性がよく、ほぼ100%の歩留まりでガラススタンパを製造できる。しかし、Raが1nmを超えるかまたはLERが1nmを超えた場合には、ガラススタンパの歩留まりが60%以下になる。
一方、ダイヤモンドモールドを用いてガラス成形によりパターンサイズ(凸幅)が20nm以上であるガラススタンパを製造した場合には、LERおよびRaによらず、ガラススタンパの歩留まりはほぼ100%であった。
Figure 2010225223
実施例4
実施例2と同様の方法でガラススタンパを製造した。得られたガラススタンパのパターンは、凸幅15nm、凹幅60nm、トラックピッチ75nm、LER0.70nm、表面粗さRa0.65nmであった。このガラススタンパを用いて図9に示した方法でDTR媒体を作製した。金属層54としてCuを用いた。得られたDTR媒体のパターンは、ランド幅57nm、グルーブ幅18nm、トラックピッチ75nm、凹部の深さ10nmであった。作製したDTR媒体にカーボンからなる表面保護膜を成膜し、潤滑剤を塗付し、ハードディスクドライブに組み込んでグライド試験を行った。その結果、8nm浮上ヘッドによるグライド試験に合格した。
ハードディスクドライブに組み込んだDTR媒体についてオントラックでビットエラーレート(BER)を測定したところ、−5.0乗を得た。記録再生ヘッドの位置決め精度は6nmであった。また、中央トラックに記録を行った後にBERを測定し、その後、隣接トラックに10万回記録して中央トラックのBERを再び測定し、BERの低下を調べることによりフリンジ特性を評価した。その結果、BERに劣化は認められず、良好なフリンジ耐性を有することがわかった。本発明の製造方法で作製したDTR媒体は、浮上性が良好で、ヘッド位置決め精度も良好で、フリンジ耐性にも優れていることがわかった。
実施例5
EB描画装置を用いて図2に示したようなビットパターンドメディア(BPM)に対応するパターンを描画した以外は実施例1と同様にしてガラススタンパを製造した。このガラススタンパを用いて実施例4と同様の方法でBPMを作製した。作製したBPMのビットサイズは57nm×20nmであった。
BPMはBERの定義ができないため、信号振幅強度を評価した。BPMを一方向に着磁し、ドライブへ組み込んで再生波形を観察したところ、信号振幅強度は200mVであった。記録再生ヘッド位置決め精度は6nmであった。DTR媒体と同様の作製方法でBPMも作製できることがわかった。
1…DTR媒体、2…BPM、10…サーボ領域、11…プリアンブル部、12…アドレス部、13…バースト部、20…データ領域、21…ディスクリートトラック、22…磁性ドット、31…Si基板、32…ダイヤモンド膜、33…レジスト、34…ダイヤモンドモールド、35…ガラススタンパ、41…Si基板、42…ダイヤモンド膜、43…ダイヤモンドモールド、51…ガラス基板、52…磁気記録層、53…カーボン保護膜、54…金属層、55…UV硬化レジスト、70…Ni導電化膜、71…Ni結晶粒、80…Niスタンパ、90…モールド。

Claims (6)

  1. 基板上にダイヤモンド膜を成膜し、
    ダイヤモンド膜上にレジストを塗布し、電子線描画および現像を行ってパターンを形成し、
    前記レジストのパターンをマスクとして、酸素またはArガスで前記ダイヤモンド膜をエッチングしてパターンを転写し、
    前記レジストおよび基板を除去してダイヤモンドモールドを作製し、
    前記ダイヤモンドモールドを用いてガラス成形を行ってガラススタンパを製造する
    ことを特徴とするガラススタンパの製造方法。
  2. 製造された前記ガラススタンパをさらにスリミングすることを特徴とする請求項1に記載のガラススタンパの製造方法。
  3. 請求項1記載の方法で製造されたガラススタンパ。
  4. 表面粗さが1nm以下、ラインエッジラフネスが1nm以下であるパターンが形成されていることを特徴とする請求項3に記載のガラススタンパ。
  5. 磁気記録層の上にカーボン保護膜および金属膜を成膜し、
    前記金属膜上にUV硬化レジストを塗布し、
    請求項1に記載の方法で製造したガラススタンパを用いてUVインプリントを行って前記UV硬化レジストにパターンを転写し、
    前記UV硬化レジストのパターンをマスクとして、前記金属膜および前記カーボン保護膜をエッチングして前記磁気記録層を露出させ、
    露出した前記磁気記録層の磁性をHe−N2ガスを用いて失活させながらエッチングして前記磁気記録層に凹部を形成する
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記金属膜が、NiTa、Ta、Pt、Al、Ti、Si、CoPt、Cuおよびこれらの窒化物からなる群より選択される材料を含むことを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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