JP2010224805A - 貨幣処理機 - Google Patents
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Abstract
【課題】筐体の内部に投入された貨幣のうち設定された所定の金種ならびにその金種毎の枚数の貨幣または所定の合計金額の貨幣を準備貨幣として筐体の外部に戻すことができる貨幣処理機を提供する。
【解決手段】貨幣処理機10の制御部15において、返却すべき貨幣である準備貨幣の所定の金種ならびにその金種毎の枚数または合計金額が設定されている。識別部26、35aにより識別された貨幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、当該貨幣の金種に関して返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達していない貨幣を一時保留部29、37に送り、あるいは、返却すべき準備貨幣の設定された合計金額から一時保留部29、37にある貨幣の合計金額を減算した金額よりも、識別された貨幣の金額が小さいか同じであるときにこの貨幣を一時保留部29、37に送る。
【選択図】図1
Description
本発明は、筐体の外部から内部に取り込まれた紙幣や硬貨等からなる貨幣を収納する貨幣処理機に関する。なお、本明細書における「貨幣」は紙幣であっても硬貨であってもよい。
従来から、硬貨や紙幣からなる貨幣を筐体内に収納させる貨幣処理機として、例えば特開2001−67526号公報(特許文献1)や特開2000−259882号公報(特許文献2)等に開示されるものが知られている。
特許文献1には、小売店等の店舗内に設置され、その店舗における売上金を入金する機能を有する売上金入金機が開示されている。特許文献1に開示される売上金入金機は、貨幣入金専用機であり、金種が混合した状態にある貨幣を1枚ずつ識別計数し、一時保留部で貨幣を金種が混合した状態で一時的に保留し、この一時保留部で一時的に保留された貨幣を一括して筐体の内部の貨幣収納部に収納するかまたは筐体の外部に返却するようになっている。特許文献1に開示される売上金入金機では、貨幣収納部の管理権限は、売上金入金機から貨幣の回収を行う収集業者の収集特定者側にあり、一時保留部から貨幣収納部に貨幣が送られると、店舗側から収集業者側に貨幣が引き渡されたこととなる。なお、特許文献1に開示される売上金入金機においては、指定された金額の貨幣のみを引渡処理することが可能となっている。
また、特許文献2には、紙幣投入口に装填された紙幣を1枚ずつ筐体の内部に繰り出してこの紙幣の金種等を識別部により識別し、識別部による紙幣の識別結果と設定された条件とに基づいて紙幣を例えば金種毎に複数の集積部に分類するような紙幣整理機が開示されている。
店舗等において、営業時間の終了後、各レジから回収された紙幣や硬貨等の貨幣を貨幣処理機で計数し、次の営業時間において各レジで使用する予定の釣銭用の準備貨幣の作成や、収集業者の収集特定者側に引き渡される貨幣の作成が行われる。ここで、特許文献1に開示される売上金入金機では、各レジから回収された貨幣を筐体の内部に投入し、この投入された貨幣の金額を計数しながら、所定の金額の貨幣を貨幣収納部で収納して収集特定者側に引き渡すことができる。このときに、この所定の金額の貨幣を売上金額に設定すると、釣銭として準備されていた金額の貨幣が貨幣処理機からレジに返却される。
しかしながら、特許文献1に開示される売上金入金機では、レジに返却されるべき釣銭用の貨幣の金種および金種毎の枚数を、予め設定された適切なものとすることができないという問題がある。
また、特許文献2に開示される紙幣整理機では、紙幣投入口に装填された紙幣を1枚ずつ識別し、識別結果に応じて紙幣を例えば金種毎に複数の集積部に分類することができるようになっている。しかしながら、レジにおける釣銭用の貨幣として、所望の金種および金種毎の枚数の紙幣を得るためには、さらに、金種毎に分類された紙幣の集合体の各々について紙幣の枚数を再び計数する必要がある。紙幣の分類機を用いる代わりに硬貨の分類機を用いる場合も同様である。
これに対して、一般的に、売上金等の貨幣の入金処理および釣銭等の貨幣の出金処理の両方を行うことができる貨幣入出金機であれば、筐体の内部に投入された貨幣の識別計数を行うとともに、指定した金種および金種毎の枚数の貨幣、あるいは指定した金額の貨幣を出金することは容易である。しかしながら、入金処理および出金処理の両方を行うことができる貨幣入出金機は、装置が複雑になり高価なものとなってしまう。このため、貨幣の入金処理や金種毎の分類が主たる用途であり、指定した金種および金種毎の枚数の貨幣の出金の頻度、あるいは指定した金額の貨幣の出金の頻度が少ない場合には、このような貨幣入出金機の導入はコスト面で難しい。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、貨幣の出金機能を有さずとも、筐体の内部に投入された貨幣の計数を行うとともに、当該投入された貨幣のうち設定された所定の金種およびその金種毎の枚数の貨幣、あるいは設定された所定の金種および合計金額の貨幣を準備貨幣として筐体の外部に戻すことができる貨幣処理機を提供することを目的とする。
本発明の貨幣処理機は、貨幣の処理を行う貨幣処理機であって、筐体と、前記筐体内へ貨幣を投入するための貨幣投入口と、前記筐体内に設けられ、前記貨幣投入口より投入された貨幣の搬送を行う搬送部と、前記搬送部に設置され、前記貨幣投入口より投入され前記搬送部で搬送される貨幣の識別を行う識別部と、前記筐体内に設けられ、前記識別部により識別された貨幣を一時的に保留するとともに前記筐体の外部に戻すことが可能な一時保留部と、前記搬送部に接続され、当該搬送部から送られた貨幣を前記筐体の外部に戻す貨幣返却部と、前記搬送部および前記一時保留部の制御を行う制御部であって、返却すべき貨幣である準備貨幣の所定の金種およびその金種毎の枚数が設定されており、当該制御部は、前記貨幣投入口より前記筐体の内部に投入され前記識別部により識別された貨幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、当該貨幣の金種に関して前記返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達していない貨幣を前記一時保留部に搬送するとともに前記返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達している貨幣を前記貨幣返却部に送り、一方、前記識別された貨幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種でない場合には当該貨幣を前記貨幣返却部に送り、その後、前記一時保留部に送られてこの一時保留部で一時的に保留された貨幣を準備貨幣として筐体の外部に返却するよう制御を行うことを特徴とする。
このような貨幣処理機によれば、制御部において返却すべき貨幣である準備貨幣の所定の金種およびその金種毎の枚数が設定されており、貨幣投入口より筐体の内部に投入され識別部により識別された貨幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、当該貨幣の金種に関して前述の返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達していない貨幣を一時保留部に搬送するとともに返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達している貨幣を貨幣返却部に送る。一方、識別部により識別された貨幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種でない場合には当該貨幣を貨幣返却部に送る。その後、一時保留部に送られてこの一時保留部で一時的に保留された貨幣を準備硬貨として筐体の外部に返却するようになっている。
このように、一時保留部には、制御部に設定された準備貨幣の所定の金種およびその金種毎の枚数と同じ金種および金種毎の枚数の貨幣が一時的に保留され、この一時保留部に一時的に保留された貨幣が準備硬貨として筐体の外部に返却される。このため、貨幣処理機は、貨幣の出金機能を有さずとも、筐体の内部に投入された貨幣の計数を識別部で行うとともに、当該投入された貨幣のうち設定された所定の金種およびその金種毎の枚数の貨幣を準備貨幣として筐体の外部に戻すことができる。
本発明の貨幣処理機においては、前記制御部は、前記一時保留部に送られた貨幣の金種毎の枚数が、当該制御部において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数にそれぞれ達した後、前記貨幣投入口に投入された貨幣の搬送を行うよう制御を行うことが好ましい。
また、前記制御部は、前記一時保留部に送られた貨幣の金種毎の枚数が、当該制御部において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数にそれぞれ達したときに、前記搬送部による貨幣の搬送を停止させるよう制御を行うことが好ましい。
本発明の貨幣処理機においては、前記貨幣処理機における貨幣の処理状況を表示するための表示部を更に備え、前記制御部は、前記貨幣投入口より投入された全ての貨幣の識別後、前記一時保留部に送られた貨幣の金種のうち少なくともいずれか一つの金種の枚数が、当該制御部において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数に達しなかったときに、前記表示部に、前記返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達しなかった貨幣の金種、ならびにその枚数または不足枚数を表示させるよう制御を行うことが好ましい。
本発明の貨幣処理機は、貨幣の処理を行う貨幣処理機であって、筐体と、前記筐体内へ貨幣を投入するための貨幣投入口と、前記筐体内に設けられ、前記貨幣投入口より投入された貨幣の搬送を行う搬送部と、前記搬送部に設置され、前記貨幣投入口より投入され前記搬送部で搬送される貨幣の識別を行う識別部と、前記筐体内に設けられ、前記識別部により識別された貨幣を一時的に保留するとともに前記筐体の外部に戻すことが可能な一時保留部と、前記搬送部に接続され、当該搬送部から送られた貨幣を前記筐体の外部に戻す貨幣返却部と、前記搬送部および前記一時保留部の制御を行う制御部であって、返却すべき貨幣である準備貨幣の所定の金種および合計金額が設定されており、当該制御部は、前記貨幣投入口より前記筐体の内部に投入され前記識別部により識別された貨幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、前記返却すべき準備貨幣の設定された合計金額から前記一時保留部にある貨幣の合計金額を減算した金額よりも、前記識別された貨幣の金額が小さいか同じであるときにこの貨幣を前記一時保留部に搬送するとともに前記識別された貨幣の金額が大きいときにこの貨幣を前記貨幣返却部に送り、一方、前記識別された貨幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種でない場合には当該貨幣を前記貨幣返却部に送り、その後、前記一時保留部に送られてこの一時保留部で一時的に保留された貨幣を準備貨幣として筐体の外部に返却するよう制御を行うことを特徴とする。
このような貨幣処理機によれば、制御部において返却すべき貨幣である準備貨幣の所定の金種および合計金額が設定されており、貨幣投入口より筐体の内部に投入され識別部により識別された貨幣の金種が準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、前述の準備貨幣の設定された合計金額から一時保留部にある貨幣の合計金額を減算した金額よりも、識別された貨幣の金額が小さいか同じであるときにこの貨幣を一時保留部に搬送するとともに識別された貨幣の金額が大きいときにこの貨幣を貨幣返却部に送る。一方、識別部により識別された貨幣の金種が準備貨幣の設定された所定の金種でない場合には当該貨幣を貨幣返却部に送る。その後、一時保留部に送られてこの一時保留部で一時的に保留された貨幣を準備硬貨として筐体の外部に返却するようになっている。
このように、一時保留部には、制御部に設定された準備貨幣の所定の金種および合計金額と同じ金種および合計金額の貨幣が一時的に保留され、この一時保留部に一時的に保留された貨幣が準備硬貨として筐体の外部に返却される。このため、貨幣処理機は、貨幣の出金機能を有さずとも、筐体の内部に投入された貨幣の計数を識別部で行うとともに、当該投入された貨幣のうち設定された所定の金種および合計金額の貨幣を準備貨幣として筐体の外部に戻すことができる。
本発明の貨幣処理機においては、前記制御部は、前記一時保留部に送られた貨幣の合計金額が、当該制御部において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達した後、前記貨幣投入口に投入された貨幣の搬送を行うよう制御を行うことが好ましい。
また、前記制御部は、前記一時保留部に送られた貨幣の合計金額が、当該制御部において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達したときに、前記搬送部による貨幣の搬送を停止させるよう制御を行うことが好ましい。
本発明の貨幣処理機においては、前記貨幣処理機における貨幣の処理状況を表示するための表示部を更に備え、前記制御部は、前記貨幣投入口より投入された全ての貨幣の識別後、前記一時保留部に送られた貨幣の合計金額が、当該制御部において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達しなかったときに、前記表示部に、前記一時保留部にある準備貨幣の合計金額または不足金額を表示させるよう制御を行うことが好ましい。
本発明の貨幣処理機によれば、貨幣の出金機能を有さずとも、筐体の内部に投入された貨幣の計数を行うとともに、当該投入された貨幣のうち設定された所定の金種およびその金種毎の枚数の貨幣、あるいは設定された所定の金種および合計金額の貨幣を準備貨幣として筐体の外部に戻すことができる。
以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態の貨幣処理機について説明する。本実施の形態に係る貨幣処理機は、筐体の外部から内部に取り込まれた紙幣や硬貨等からなる貨幣を貨幣収納部に収納する機能を有している。図1乃至図4は、本発明による貨幣処理機の一の実施の形態を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態における貨幣処理機を示す斜視図であり、図2は、図1に示す貨幣処理機における紙幣処理装置の構成の概略を示す概略構成図であり、図3は、図1に示す貨幣処理機における硬貨処理装置の構成の概略を示す概略構成図である。また、図4は、図1に示す貨幣処理機における制御ブロック図である。
図1に示すように、貨幣処理機10は略直方体形状の筐体11を備えており、この筐体11には、貨幣処理機10を前方から見て右側に配置された紙幣処理装置20と、左側に配置された硬貨処理装置30とがそれぞれ左右に並ぶよう設けられている。また、貨幣処理機10の筐体11において、紙幣処理装置20および硬貨処理装置30の下方には、硬貨および紙幣をそれぞれ収納する貨幣収納部40が設けられている。ここで、貨幣処理機10のうち、紙幣処理装置20および硬貨処理装置30は店舗側の管理権限下にあり、貨幣収納部40は収集特定者側の管理権限下にある。以下、紙幣処理装置20、硬貨処理装置30および貨幣収納部40の各構成要素について詳述する。
まず、貨幣収納部40の構成について図1乃至図4を用いて説明する。図1等に示すように、貨幣処理機10の筐体11の下部に貨幣収納部40が設けられている。この貨幣収納部40は、2つの紙幣収納カセット41a、41bおよび2つの硬貨収納カセット42a、42bを有している。ここで、図2に示すように、2つの紙幣収納カセット41a、41bは紙幣処理装置20に対応して設けられており、一方、図3に示すように、2つの硬貨収納カセット42a、42bは硬貨処理装置30に対応して設けられている。
各紙幣収納カセット41a、41bには、紙幣処理装置20の一時保留部29(後述)に搬送された紙幣がこの一時保留部29から送られるようになっている。また、各硬貨収納カセット42a、42bには、硬貨処理装置30の一時保留部37(後述)に搬送された硬貨が送られるようになっている。
そして、例えば売上金の回収業務を行う収集特定者によって、貨幣収納部40が筐体11から手前側に引き出され、各収納カセット41a、41b、42a、42bが貨幣収納部40から取り出され、収集特定者が各収納カセット41a、41b、42a、42b自体を回収するようになっている。より具体的には、図2に示すように、紙幣収納カセット41a、41bには、それぞれ規制ユニット41c、41dが設けられている。そして、規制ユニット41cは、貨幣収納部40からの紙幣収納カセット41aの取り出しを規制するようになっており、規制ユニット41dは、貨幣収納部40からの紙幣収納カセット41bの取り出しを規制するようになっている。また、図3に示すように、各硬貨収納カセット42a、42bには、それぞれ規制ユニット42c、42dが設けられている。そして、規制ユニット42cは、貨幣収納部40からの硬貨収納カセット42aの取り出しを規制するようになっており、規制ユニット42dは貨幣収納部40からの硬貨収納カセット42bの取り出しを規制するようになっている。
前述のように、貨幣収納部40の管理権限は収集特定者側にある。このため、貨幣収納部40を筐体11から引き出したり、各規制ユニット41c、41d、42c、42dによる各収納カセット41a、41b、42a、42bの取り出しの規制を解除したりすることはできるのは収集特定者に限定される。すなわち、店舗側の操作者は、貨幣収納部40を筐体11から引き出したり、各規制ユニット41c、41d、42c、42dによる各収納カセット41a、41b、42a、42bの取り出しの規制を解除したりすることはできないようになっている。
規制ユニット41c、42cや規制ユニット41d、42dとしては、例えばロック機構からなり、IDカードによって収集特定者を確認してその収集特定者に権限があるか否かを上位装置に照会してロック機構の解除を行うものが挙げられる。あるいは、各規制ユニット41c、42c、41d、42dのロック機構は施錠されており、各収集特定者は管理権限に応じた鍵を持ち、特定の規制ユニットのみを解錠してロック機構の解除を行うことができるようになっていてもよい。
なお、紙幣や硬貨を収納するために貨幣収納部40に設置されるものはカセットに限定されることはない。例えば、複数の収納袋を貨幣収納部40に設置し、貨幣収納部40において紙幣や硬貨を各収納袋に収納させるようにしてもよい。
次に、紙幣処理装置20の構成について図1および図2を用いて説明する。図1および図2に示すように、紙幣処理装置20は、当該紙幣処理装置20内への紙幣の取り込みを行う紙幣投入口21と、紙幣処理装置20内に取り込まれた紙幣のうち偽札や識別不能な紙幣等のリジェクトを行う紙幣リジェクト口22と、紙幣処理装置20内に取り込まれた紙幣のうち貨幣収納部40に収納されない紙幣を紙幣処理装置20の外部に返却する紙幣返却口23とを備えている。また、図2に示すように、紙幣処理装置20の内部には、紙幣投入口21に投入された紙幣を紙幣処理装置20内で搬送する搬送部25が設けられている。
紙幣投入口21は、操作者により1または束状態の複数の紙幣が短手方向に一括して投入されるよう構成されている。図1に示すように、この紙幣投入口21には手動で開閉可能な紙幣投入口カバー28が配設されており、紙幣投入口カバー28が開いたときのみに操作者は紙幣を紙幣投入口21に投入することができるようになっている。図2に示すように、紙幣投入口21は搬送部25に接続されており、紙幣投入口21に投入された1または束状態の複数の紙幣は、1枚ずつ繰り出されて搬送部25で搬送されるようになっている。
紙幣リジェクト口22は、図2に示すように搬送部25に接続されており、紙幣投入口21により紙幣処理装置20内に取り込まれた紙幣のうち後述する識別部26によりリジェクトすべき紙幣であると識別された紙幣等が搬送部25から送られるようになっている。操作者はこの紙幣リジェクト口22に送られた紙幣を取り出すことができるようになっている。紙幣リジェクト口22にはカバー(図示せず)が設けられており、待機時にはこのカバーは開状態となっており、処理時にはこのカバーは閉状態となる。
紙幣返却口23には、図2に示すように、搬送部25に接続された一時保留部29が設けられている。この一時保留部29には、搬送部25から紙幣が送られて集積されるようになっている。また、紙幣返却口23には開閉可能な扉24が設けられている。一時保留部29にある紙幣を返却する場合には、一時保留部29の装置前面側の壁面が開いて、操作者は扉24から紙幣を取り出すことができるようになっている。扉24は、紙幣が取れる状態になれば、自動的に開くようになっている。なお、後述のように、一時保留部29内に保留された紙幣は、操作者により紙幣返却口23から取り出される代わりに、貨幣収納部40内に配置された紙幣収納カセット41a、41bに送られる場合もある。
搬送部25は、紙幣処理装置20の内部で紙幣を1枚ずつ順次搬送する機能を有している。具体的には、搬送部25において、紙幣は一対のベルト間に挟まれて搬送されるようになっている。また、図2に示すように、搬送部25に設けられた搬送路は様々な箇所で分岐するようになっており、この搬送路が分岐する箇所には分岐部材(図示せず)が設けられている。各分岐部材は例えば分岐爪からなり、これらの分岐部材はそれぞれ後述する制御部15により制御されるようになっている。図2に示すように、搬送部25は、紙幣投入口21に投入された紙幣を紙幣リジェクト口22または一時保留部29に搬送するよう構成されている。
図2に示すように、搬送部25には、当該搬送部25で搬送される紙幣の識別を1枚ずつ行う識別部26が設置されている。この識別部26は、搬送部25で搬送される紙幣の金種、真偽、正損等を識別するようになっている。具体的には、識別部26は、磁気センサや光学センサを有し、これらのセンサにより紙幣の金種や真偽等を1枚ずつ識別するようになっている。識別部26による紙幣の識別結果は後述する制御部15に送られるようになっている。
一時保留部29は、前述のように紙幣返却口23に設けられており、図2に示すように搬送部25に接続されている。この一時保留部29には、紙幣投入口21に投入された紙幣が搬送部25により送られるようになっており、搬送部25から送られた紙幣を束状態で複数保留することができるようになっている。ここで、操作者により扉24が開かれることによって操作者は一時保留部29内に収納された紙幣を取り出すことができるようになっている。また、一時保留部29の底面には開閉が可能な底板が設けられ、紙幣は底板に載せられるようになっている。ここで、図2に示すように、一時保留部29は、紙幣収納カセット41aの上方の位置(図2における実線の位置)と、紙幣収納カセット41bの上方の位置(図2における二点鎖線の位置)との間で往復移動するようになっている。そして、一時保留部29に搬送された紙幣を紙幣収納カセット41aに収納させる際には、一時保留部29を紙幣収納カセット41aの上方の位置に移動させ、一方、一時保留部29に搬送された紙幣を紙幣収納カセット41bに収納させる際には、一時保留部29を紙幣収納カセット41bの上方の位置に移動させるようになっている。
一時保留部29にある紙幣を紙幣収納カセット41aまたは紙幣収納カセット41bに収納させる動作について以下に説明する。ここでは、一時保留部29にある紙幣を紙幣収納カセット41aに収納させる動作について説明するが、一時保留部29にある紙幣を紙幣収納カセット41bに収納させる動作についても同様である。一時保留部29にある紙幣を紙幣収納カセット41aに収納させる際に、まず、この紙幣収納カセット41aに設けられたステージが上昇し、ステージ上の紙幣の上面が一時保留部29の底板のすぐ下まで移動する。そして、底板が水平に移動して開き、一時保留部29内の紙幣はステージ上の紙幣の上に落下する。そして、ステージ上の紙幣を上から押さえ部材で押さえた状態で、ステージが下降し、紙幣を紙幣収納カセット41aへ収納するようになっている。
次に、硬貨処理装置30の構成について図1および図3を用いて説明する。図1および図3に示すように、硬貨処理装置30は、当該硬貨処理装置30内への硬貨の取り込みを行う硬貨投入口31と、硬貨処理装置30内に取り込まれた硬貨のうち後述する識別部35aにより識別不能な硬貨等のリジェクト硬貨の返却を行うとともに硬貨処理装置30内に取り込まれた硬貨のうち貨幣収納部40に収納されない硬貨を硬貨処理装置30の外部に返却する硬貨返却口33とを備えている。硬貨投入口31には、開閉可能な硬貨投入口カバー31aが配置されている。また、硬貨返却口33には、硬貨返却ボックス33aが引き出し可能に配置されている。
硬貨処理装置30の内部には、硬貨投入口31から投入された硬貨を受け入れて貯留し、硬貨を1枚ずつ繰り出すとともに、下部を開放して変形硬貨や異物等の落下放出を可能とした貯留繰出部34が設けられている。この貯留繰出部34の下部には開閉機構(図示せず)が設けられており、この開閉機構が開状態となったときに、貯留繰出部34内の変形硬貨や異物等は下方に落下放出されるようになっている。
また、硬貨処理装置30の内部には、貯留繰出部34から繰り出された硬貨を1枚ずつ搬送し、搬送中に識別部35aで硬貨の金種、真偽、正損等を識別し、その識別結果に基づき硬貨を搬送先別に分岐させる搬送部35が設けられている。また、搬送部35は、硬貨返却ボックス33aに接続され、当該搬送部35からリジェクトされた硬貨等を硬貨返却ボックス33aに返却する。搬送部35は、貯留繰出部34に接続された上流側端部から筐体11の奥側に向かって(図3の右方に向かって)延設されるとともに、筐体11の奥側で上側に折り返されて筐体11の前側に向かって(図3の左方に向かって)延設され、硬貨返却ボックス33a内に硬貨を落下可能に配設されている。
搬送部35における、識別部35aよりも搬送方向下流側の途中位置には、識別部35aで正規の硬貨であると識別された硬貨を搬送部35から分岐させる分岐部材35bが設けられている。この分岐部材35bは、識別部35aによる硬貨の識別結果に基づいて搬送部35の搬送通路内に進退し、後述する一時保留部37に搬送される硬貨を搬送部35から分岐させるとともに、リジェクトする硬貨をそのまま搬送部35で搬送させる。分岐部材35bの位置には、当該分岐部材35bで分岐された硬貨を受け入れて下方へ案内するシュート35cの上端部が配置されている。シュート35cの下端部は、第1の収納位置a(後述)に位置する一時保留部37の上方に配置されている。
図3に示すように、硬貨処理装置30の内部には、搬送部35から送り出された硬貨を一時的に保留することが可能な一時保留部37が設けられている。この一時保留部37は、上下方向に開口された枠状に形成されており、筐体11内の貯留繰出部34の下側に配置されるとともに、駆動機構37b(図4参照)によって筐体11の奥行き方向に往復移動するようになっている(すなわち、一時保留部37は図3の左右方向に往復移動するようになっている)。なお、一時保留部37は、貯留繰出部34の硬貨収納容量より多い硬貨を収納することができるようになっている。
一時保留部37の停止位置は、硬貨収納カセット42aの上方の位置である第1の収納位置a、貯留繰出部34の下方の位置である排除位置b、硬貨返却ボックス33aの上方の位置である返却位置c、および硬貨収納カセット42bの上方の位置である第2の収納位置dの4位置となっている(図3参照)。一時保留部37の各位置a〜dは、位置検知手段37c(図4参照)によって検知されるようになっている。一時保留部37は第1の収納位置aを定位置としている。
また、一時保留部37の下側には、この一時保留部37の下面を閉塞する底板37aが配設されている。この底板37aは略水平方向に延びており、駆動機構37f(図4参照)によって筐体11の奥行き方向に往復移動するようになっている(すなわち、底板37aは図3の左右方向に往復移動するようになっている)。底板37aの停止位置は、第1の収納位置aにある一時保留部37の真下の位置である第1の位置m、および第2の収納位置dにある一時保留部37の真下の位置である第2の位置nの2位置となっている(図3参照)。底板37aの各位置m、nは、位置検知手段37g(図4参照)によって検知されるようになっている。底板37aは第1の位置mを定位置としている。
また、第1の収納位置aに位置する一時保留部37の下側には、この一時保留部37内の硬貨を硬貨収納カセット42aに送るための硬貨収納シュート37dが設けられている。また、第2の収納位置dに位置する一時保留部37の下側には、この一時保留部37内の硬貨を硬貨収納カセット42bに送るための硬貨収納シュート37eが設けられている。
一時保留部37が定位置(第1の収納位置a)にあるとともに、底板37aが定位置(第1の位置m)にある場合には、図3に示すように、一時保留部37は、搬送部35からシュート35cを介して送り出されてくる硬貨を受け取り、この受け取った硬貨を一時的に保留するようになっている。一方、一時保留部37が定位置(第1の収納位置a)にあるとともに、底板37aが第2の位置nにある場合には、搬送部35からシュート35cを介して送り出されてくる硬貨は、一時保留部37を通過して(すなわち、一時保留部37で一時的に保留されることなく)そのまま硬貨収納シュート37dに送られ、最終的に硬貨収納カセット42aに送られることとなる。
このように、一時保留部37が定位置(第1の収納位置a)にあるとともに、底板37aが第2の位置nにある場合には、搬送部35からシュート35cを介して一時保留部37に送り出されてくる硬貨を硬貨収納カセット42aにダイレクト入金(一時的な保留を行わないような入金)することができる。
一時保留部37が排除位置bにあるとともに、底板37aが定位置(第1の位置m)にある場合には、この一時保留部37は、貯留繰出部34から落下放出される硬貨を受け入れる。この際に、一時保留部37が底板37aから部分的に外れることにより一時保留部37の底面が部分的に開口され、この一時保留部37に受け入れられた硬貨の一部は下方にある硬貨返却ボックス33aに落下放出されるようになっている。さらに、落下放出終了後に、一時保留部37が返却位置cに移動し、全ての硬貨を硬貨返却ボックス33aに落下放出して返却する。
一時保留部37が第1の収納位置aから返却位置cに移動した場合には、一時保留部37が底板37aから外れることにより一時保留部37の底面が開口され、この一時保留部37に搬送された硬貨は下方にある硬貨返却ボックス33aに落下することとなる。
また、底板37aが定位置(第1の位置m)にとどまったまま、一時保留部37が第1の収納位置aから第2の収納位置dに移動した場合には、一時保留部37が底板37aから外れることにより一時保留部37の底面が開口され、この一時保留部37に搬送された硬貨は下方にある硬貨収納シュート37eに落下し、最終的に硬貨収納カセット42bに送られることとなる。
次に、貨幣処理機10に設けられた他の様々な機構について説明する。図1に示すように、貨幣処理機10の筐体11の上面には、操作者が貨幣処理機10の制御部15(後述)に対して様々な指令を行うための操作部45、および貨幣処理機10における貨幣の処理内容等を表示する表示部44が設けられている。ここで、操作部45は、例えばテンキーや確定キー、スタートキー、取消キーならびにリセットキーを有しており、操作者が各キーを押すことにより貨幣処理機10の制御部15に対して様々な指令を行うことができるようになっている。
表示部44は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)から構成されている。また、貨幣処理機10の筐体11の上面には、貨幣処理機10における貨幣の処理内容等を印字するプリンタ43が設けられている。
また、筐体11の前面には、操作者の操作権限の確認を行うためのカードリーダ46が設けられている。カードリーダ46は、操作者が携帯するIDカードのID情報の読み取りを行うようになっている。また、筐体11の内部には、様々な情報を記憶する記憶部47が設けられている。
次に、貨幣処理機10における各構成要素の制御を行う制御部15について図4を用いて説明する。制御部15は貨幣処理機10の筐体11内に設置されている。
図4に示すように、制御部15には、紙幣処理装置20の各構成要素(例えば、搬送部25、識別部26、扉24、一時保留部29等)、硬貨処理装置30の各構成要素(例えば、貯留繰出部34、搬送部35、識別部35a、一時保留部37の駆動機構37b、一時保留部37の位置検知手段37c、底板37aの駆動機構37f、底板37aの位置検知手段37g等)、表示部44、操作部45、プリンタ43、カードリーダ46、記憶部47等が接続されている。
制御部15には、紙幣処理装置20の識別部26による紙幣の識別結果や、硬貨処理装置30の識別部35aによる硬貨の識別結果、位置検知手段37cによる一時保留部37の位置情報、位置検知手段37gによる底板37aの位置情報等が送られるようになっている。また、制御部15には、カードリーダ46により読み取られた操作者のIDカードのID情報が送られるようになっている。また、制御部15は、紙幣処理装置20や硬貨処理装置30の各構成要素を制御したり、表示部44、操作部45、プリンタ43を制御したりするようになっている。さらに、制御部15は、当該制御部15に接続されたインターフェース16を介して、例えば回収業務を行う収集業者が設置した上位装置と通信可能となっている。また、制御部15には記憶部47が接続され、上述の識別結果や各種の情報等が記憶されるようになっている。
次に、このような構成からなる貨幣処理機10の動作について説明する。
上述のような貨幣処理機10の動作としては、インターフェース確認モード、運用モードおよび保守メンテナンスモードの3つのモードがある。操作者は、操作部45により、インターフェース確認モード、運用モードあるいは保守メンテナンスモードを選択することができる。
インターフェース確認モードとは、貨幣処理機10の初期状態において、すなわち貨幣処理機10が導入された際に、インターフェース16により貨幣処理機10が上位装置等に通信接続されるか否かを確認するためのモードである。このようなインターフェース確認モードにおいて、インターフェース16により貨幣処理機10が上位装置等に通信接続されたときには、上位装置等から貨幣処理機10に様々な設定データが送られる。
運用モードには、貨幣処理機10が上位装置等に通信接続された状態のオンラインモードと、貨幣処理機10と外部との通信接続が遮断された状態のオフラインモードの2つの状態がある。オンラインモードには開店モードと閉店モードの2つのモードがあり、開店モードにおいて、操作者は後述する引渡処理等の様々な処理を行うことができる。また、この開店モードにおいては、例えば売上金の回収業務を行う収集業者の収集特定者によって、貨幣収納部40の各カセット41a、41b、42a、42b自体の回収を行うこともできる。一方、閉店モードにおいては、収集特定者による貨幣収納部40の各カセット41a、41b、42a、42bの回収のみしか行うことができない。なお、これらの開店モードおよび閉店モードの切り換えは、時間帯等による自動での切り替えも可能である。一方、オフラインモードにおいては、上位装置等に対する情報の伝達は行われず、納金処理等の処理結果は貨幣処理機10に設けられた記憶部47等に記憶されることとなる。上述の各モードの選択は、操作者が操作部45により選択することができる。
保守メンテナンスモードの際に、保守員が貨幣処理機10の紙幣処理装置20や硬貨処理装置30の各構成要素の保守メンテナンスを行う。このような保守メンテナンスは、貨幣処理機10が設置された現場で行ってもよく、貨幣処理機10を工場等に持ち帰ってこの工場内で行ってもよい。
ここで、筐体11の外部から内部に取り込まれた紙幣や硬貨等からなる貨幣を貨幣収納部40に収納するような、貨幣の入金処理の詳細について以下に説明する。なお、以下に示す貨幣の入金処理は、制御部15が貨幣処理機10の各構成要素を制御することにより行われる。
まず、操作者は、釣銭用や従業員の賃金用等の返却すべき貨幣である準備貨幣について、操作部45により、準備貨幣の金種およびその金種毎の枚数を入力する。具体的には、例えば、操作者は、釣銭用の準備貨幣が、10円硬貨50枚、100円硬貨50枚、千円札10枚、五千円札5枚であることを、操作部45により入力する。これらの入力内容は制御部15に設定される。そして、店舗の売上金等の貨幣のうち紙幣を操作者が紙幣処理装置20の紙幣投入口21に投入したときには、紙幣投入口21に投入された紙幣は1枚ずつ搬送部25により搬送され、識別部26において紙幣の識別が行われる。
ここで、識別部26により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種、すなわち例えば千円札である場合には、この紙幣の金種(千円札)に関して返却すべき準備貨幣の設定された枚数(すなわち、10枚)に達していない紙幣は搬送部25により一時保留部29に送られる。すなわち、一時保留部29に既に保留されている千円札が9枚以下である場合には、識別部26により識別された紙幣が千円札である場合にはこの紙幣は一時保留部29に送られることとなる。一方、識別部26により識別された紙幣の金種(千円札)に関して返却すべき準備貨幣の設定された枚数(すなわち、10枚)に達している紙幣は搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。
また、識別部26により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種でない場合には、すなわち例えば二千円札や一万円札である場合には、この紙幣は搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。また、識別部26により偽札等のリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、識別部26により識別することができなかった紙幣も、搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。
その後、一時保留部29に送られた紙幣の金種毎の枚数が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数にそれぞれ達したときに、すなわち、一時保留部29に千円札が10枚送られるとともに五千円札が5枚送られたときに、搬送部25による紙幣の搬送が停止させられる。この際に、紙幣投入口21から紙幣処理装置20の内部への紙幣の投入も停止させられる。また、この際に、一時保留部29に一時的に保留された紙幣の金種、金種毎の枚数、および属性(具体的には、釣銭用、または従業員の賃金用等の準備貨幣の用途)が記憶部47に記憶される。そして、一時保留部29の装置前面側の扉24が自動的に開き、操作者により紙幣返却口23を介して一時保留部29から紙幣を取り出すことができるようになる。このようにして、一時保留部29で一時的に保留された紙幣が、釣銭用や従業員の賃金用等の返却すべき準備貨幣として、紙幣処理装置20の外部に返却される。
なお、紙幣投入口21にある紙幣が全て紙幣処理装置20の内部に投入されても、一時保留部29に送られた紙幣の金種のうち少なくともいずれか一つの金種の枚数が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数に達しなかったときに、すなわち、一時保留部29に送られた紙幣に関して千円札が9枚以下であるか、および/または五千円札が4枚以下であるときに、制御部15は、返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達しなかった紙幣の金種、ならびにその枚数または不足枚数を表示部44において表示させるよう制御を行う。より具体的には、紙幣投入口21にある紙幣が全て紙幣処理装置20の内部に投入されたときに、一時保留部29にある紙幣について千円札が8枚、五千円札が4枚である場合には、「一時保留部にある千円札の枚数が8枚、五千円札の枚数が4枚」である旨の表示、または「千円札の不足枚数が2枚、五千円札の不足枚数が1枚」である旨の表示が表示部44で行われる。
また、一時保留部29に送られた紙幣の金種毎の枚数が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数にそれぞれ達したときに、または紙幣投入口21にある紙幣が全て紙幣処理装置20の内部に投入されたときに、紙幣リジェクト口22に設けられたカバーが開き、操作者は紙幣リジェクト口22に送られた紙幣を取り出すことができるようになる。その後、操作者は、紙幣リジェクト口22から取り出した紙幣を、入金紙幣(引渡紙幣)として再び紙幣投入口21に投入する。紙幣投入口21に投入された紙幣は1枚ずつ搬送部25により搬送され、識別部26において紙幣の識別が行われる。識別部26により正常な紙幣であると識別された紙幣は搬送部25により一時保留部29に送られる。一方、識別部26により偽札等のリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、識別部26により識別することができなかった紙幣は、搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。
再び紙幣投入口21に投入された紙幣が全て一時保留部29または紙幣リジェクト口22に送られると、制御部15は、入金処理の確定を行うか否かのメッセージを表示部44において表示させ、操作者に対して入金処理の確定の入力を要求する。そして、操作者が操作部45の「確定キー」を押した場合には、一時保留部29にある紙幣を紙幣収納カセット41a、41bに収納させる。このようにして、店舗側から収集業者等の収集特定者側に紙幣が引き渡される。
以上においては紙幣処理装置20の動作について説明したが、次に硬貨処理装置30の動作について説明する。前述のように、制御部15において、釣銭用の準備貨幣が、10円硬貨50枚、100円硬貨50枚であることが設定されている。
店舗の売上金等の貨幣のうち硬貨を操作者が硬貨処理装置30の硬貨投入口31に投入したときには、硬貨投入口31に投入された硬貨はまず貯留繰出部34に送られ、この貯留繰出部34から硬貨が1枚ずつ搬送部35に繰り出される。この際に、一時保留部37は第1の収納位置aに位置しており、底板37aは第1の位置mに位置している。搬送部35に繰り出された硬貨は識別部35aにおいて識別が行われる。
ここで、識別部35aにより識別された硬貨の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種、すなわち例えば10円硬貨である場合には、この硬貨の金種(10円硬貨)に関して返却すべき準備貨幣の設定された枚数(すなわち、50枚)に達していない硬貨は、分岐部材35bにより搬送部35の搬送通路から分岐され、シュート35cを介して一時保留部37に送られる。すなわち、一時保留部37に既に保留されている10円硬貨が49枚以下である場合には、識別部35により識別された硬貨が10円硬貨である場合にはこの硬貨は一時保留部37に送られることとなる。一方、識別部35aにより識別された硬貨の金種(10円硬貨)に関して返却すべき準備貨幣の設定された枚数(すなわち、50枚)に達している硬貨は、搬送部35の搬送通路から分岐させられることなく、そのまま硬貨返却ボックス33aに送られる。
また、識別部35aにより識別された硬貨の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種でない場合には、すなわち例えば1円硬貨、5円硬貨、50円硬貨または500円硬貨である場合には、この硬貨は搬送部35の搬送通路から分岐させられることなく、そのまま硬貨返却ボックス33aに送られる。また、識別部35aにより識別不能な硬貨等のリジェクト硬貨であると識別された硬貨も、搬送部35の搬送通路から分岐させられることなく、そのまま硬貨返却ボックス33aに送られる。
その後、一時保留部37に送られた硬貨の金種毎の枚数が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数にそれぞれ達したときに、すなわち、一時保留部37に10円硬貨が50枚送られるとともに100円硬貨が50枚送られたときに、搬送部35による硬貨の搬送が停止させられる。この際に、貯留繰出部34から搬送部35への硬貨の繰り出しも停止させられる。また、この際に、一時保留部37に一時的に保留された硬貨の金種、金種毎の枚数、および属性(具体的には、釣銭用、または従業員の賃金用等の準備貨幣の用途)が記憶部47に記憶される。
そして、操作者は、硬貨返却口33から硬貨返却ボックス33aを引き出すことにより、硬貨返却ボックス33a内の硬貨を取り出すことができる。この最初に取り出された硬貨は、後述するように、操作者により再び硬貨投入口31に投入される。
その後、硬貨返却ボックス33aが空になったら、一時保留部37が第1の収納位置aから返却位置cに移動する。このことにより、一時保留部37の底面が開き、この一時保留部37にある硬貨は硬貨返却ボックス33aに落下する。そして、操作者は、硬貨返却口33から硬貨返却ボックス33aを引き出すことにより、硬貨返却ボックス33a内の硬貨を取り出すことができる。操作者により硬貨返却ボックス33aから2回目に取り出された硬貨は、釣銭用や従業員の賃金用等の返却すべき準備貨幣となる。
なお、硬貨投入口31にある硬貨が全て硬貨処理装置30の内部に投入され、貯留繰出部34から搬送部35に繰り出されたとしても、一時保留部37に送られた硬貨の金種のうち少なくともいずれか一つの金種の枚数が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数に達しなかったときに、すなわち、一時保留部37に送られた硬貨に関して10円硬貨が49枚以下であるか、および/または100円硬貨が49枚以下であるときに、制御部15は、返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達しなかった硬貨の金種、ならびにその枚数または不足枚数を表示部44において表示させるよう制御を行う。より具体的には、硬貨投入口31にある硬貨が全て硬貨処理装置30の内部に投入され、貯留繰出部34から搬送部35に繰り出されたときに、一時保留部37にある硬貨について10円硬貨が30枚、100円硬貨が40枚である場合には、「一時保留部にある10円硬貨の枚数が30枚、100円硬貨の枚数が40枚」である旨の表示、または「10硬貨の不足枚数が20枚、100円硬貨の不足枚数が10枚」である旨の表示が表示部44で行われる。
その後、操作者は、1回目に硬貨返却ボックス33aから取り出した硬貨を、入金硬貨(引渡硬貨)として再び硬貨投入口31に投入する。硬貨投入口31に投入された硬貨はまず貯留繰出部34に送られ、この貯留繰出部34から硬貨が1枚ずつ搬送部35に繰り出される。この際に、一時保留部37は第1の収納位置aに位置しており、底板37aは第1の位置mに位置している。搬送部35に繰り出された硬貨は識別部35aにおいて識別が行われる。
識別部35aにより正常な硬貨であると識別された硬貨は、分岐部材35bにより搬送部35の搬送通路から分岐され、シュート35cを介して一時保留部37に送られる。一方、識別部35aにより識別不能な硬貨等のリジェクト硬貨であると識別された硬貨は、搬送部35の搬送通路から分岐させられることなく、そのまま硬貨返却ボックス33aに送られる。
再び硬貨投入口31に投入された硬貨が全て一時保留部37または硬貨返却ボックス33aに送られると、制御部15は、入金処理の確定を行うか否かのメッセージを表示部44において表示させ、操作者に対して入金処理の確定の入力を要求する。そして、操作者が操作部45の「確定キー」を押した場合には、一時保留部の駆動機構37bまたは底板の駆動機構37fによって一時保留部37または底板37aが移動させられることにより、一時保留部37にある硬貨を硬貨収納カセット42a、42bに収納させる。このようにして、店舗側から収集業者等の収集特定者側に硬貨が引き渡される。
以上のように本実施の形態の貨幣処理機10によれば、制御部15において返却すべき貨幣である準備貨幣の所定の金種およびその金種毎の枚数が設定されており、紙幣投入口21や硬貨投入口31より筐体11の内部に投入され識別部26、35aにより識別された紙幣や硬貨の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、当該紙幣や硬貨の金種に関して前述の返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達していない紙幣や硬貨を一時保留部29、37に搬送するとともに返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達している紙幣や硬貨を紙幣リジェクト口22や硬貨返却口33に送る。一方、識別部26、35aにより識別された紙幣や硬貨の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種でない場合には当該紙幣や硬貨を紙幣リジェクト口22や硬貨返却口33に送る。その後、一時保留部29、37に送られてこの一時保留部29、37で一時的に保留された紙幣や硬貨を準備貨幣として筐体11の外部に返却するようになっている。
このように、紙幣処理装置20や硬貨処理装置30の一時保留部29、37には、制御部15に設定された返却すべき準備貨幣の所定の金種およびその金種毎の枚数と同じ金種および金種毎の枚数の紙幣や硬貨が一時的に保留され、この一時保留部29、37に一時的に保留された紙幣や硬貨が準備貨幣として筐体11の外部に返却される。このため、貨幣処理機10は、紙幣や硬貨の出金機能を有さずとも、筐体11の内部に投入された紙幣や硬貨の計数を識別部26、35aで行うとともに、当該投入された紙幣や硬貨のうち設定された所定の金種およびその金種毎の枚数の紙幣や硬貨を準備貨幣として筐体11の外部に戻すことができる。
また、本実施の形態の貨幣処理機10においては、一時保留部29、37に送られた紙幣や硬貨の金種毎の枚数が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数にそれぞれ達したときに、搬送部25、35による紙幣や硬貨の搬送を停止させるよう制御部15は制御を行うようになっている。なお、本実施の形態の貨幣処理機10においては、一時保留部29、37に送られた紙幣や硬貨の金種毎の枚数が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数にそれぞれ達したときに、紙幣投入口21や硬貨投入口31に投入された紙幣や硬貨の搬送を行うよう制御部15は制御を行うようになっていてもよい。
また、本実施の形態の貨幣処理機10においては、紙幣投入口21や硬貨投入口31より投入された全ての紙幣や硬貨の識別後、一時保留部29、37に送られた紙幣や硬貨の金種のうち少なくともいずれか一つの金種の枚数が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数に達しなかったときに、表示部44に、返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達しなかった紙幣や硬貨の金種、ならびにその枚数または不足枚数を表示させるよう制御部15は制御を行うようになっていてもよい。
なお、本実施の形態による貨幣処理機10は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。例えば、操作者は、釣銭用や従業員の賃金用等の返却すべき準備貨幣について、準備貨幣の金種およびその金種毎の枚数を入力する代わりに、準備貨幣の金種および合計金額を、操作部45により入力するようになっていてもよい。具体的には、この場合、操作者は、例えば、釣銭用や従業員の賃金用の準備貨幣の金種が10円硬貨、100円硬貨、千円札、五千円札であり、この準備貨幣に関して硬貨の合計金額が1,000円であるとともに紙幣の合計金額が12,000円であることを、操作部45により入力することとなる。
以下、操作者が、準備貨幣の金種およびその金種毎の枚数ではなく、準備貨幣の金種および合計金額を操作部45により入力した場合について説明する。これらの入力内容は制御部15に設定される。そして、店舗の売上金等の貨幣のうち紙幣を操作者が紙幣処理装置20の紙幣投入口21に投入したときには、紙幣投入口21に投入された紙幣は1枚ずつ搬送部25により搬送され、識別部26において紙幣の識別が行われる。
ここで、識別部26により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種、すなわち例えば千円札である場合には、返却すべき準備貨幣の設定された合計金額(すなわち、12,000円)から一時保留部29にある紙幣の合計金額を減算した金額よりも、この識別された紙幣の金額(すなわち、1,000円)が小さいか同じであるときに、この紙幣は搬送部25により一時保留部29に送られる。すなわち、一時保留部29にある紙幣の合計金額が11,000円以下である場合には、識別部26により識別された紙幣が千円札であるときにはこの紙幣は一時保留部29に送られることとなる。一方、返却すべき準備貨幣の設定された合計金額から一時保留部29にある紙幣の合計金額を減算した金額よりも、識別部26により識別された紙幣の金額が大きいときには、この紙幣は搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。
また、識別部26により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種でない場合には、すなわち例えば二千円札や一万円札である場合には、この紙幣は搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。また、識別部26により偽札等のリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、識別部26により識別することができなかった紙幣も、搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。
その後、一時保留部29に送られた紙幣の合計金額が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達したときに、すなわち、一時保留部29に送られた千円札および五千円札の合計金額が12,000円となったときに、搬送部25による紙幣の搬送が停止させられる。この際に、紙幣投入口21から紙幣処理装置20の内部への紙幣の投入も停止させられる。また、この際に、一時保留部29に一時的に保留された紙幣の金種、合計金額、および属性(具体的には、釣銭用、または従業員の賃金用等の準備貨幣の用途)が記憶部47に記憶される。そして、一時保留部29の装置前面側の扉24が自動的に開き、操作者により紙幣返却口23を介して一時保留部29から紙幣を取り出すことができるようになる。このようにして、一時保留部29で一時的に保留された紙幣が、釣銭用や従業員の賃金用等の返却すべき準備貨幣として、紙幣処理装置20の外部に返却される。
なお、紙幣投入口21にある紙幣が全て紙幣処理装置20の内部に投入されても、一時保留部29に送られた紙幣の合計金額が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達しなかったときに、すなわち、一時保留部29に送られた千円札および五千円札の合計金額が、12,000円未満であったときに、制御部15は、一時保留部29にある準備貨幣の合計金額または不足金額を表示部44において表示させるよう制御を行う。より具体的には、紙幣投入口21にある紙幣が全て紙幣処理装置20の内部に投入されたときに、一時保留部29に送られた千円札および五千円札の合計金額が10,000円である場合には、「一時保留部にある紙幣の合計金額は10,000円である」旨の表示、または「不足金額は2,000円である」旨の表示が表示部44で行われる。
また、一時保留部29に送られた紙幣の合計金額が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達したときに、または紙幣投入口21にある紙幣が全て紙幣処理装置20の内部に投入されたときに、紙幣リジェクト口22に設けられたカバーが開き、操作者は紙幣リジェクト口22に送られた紙幣を取り出すことができるようになる。その後、操作者は、紙幣リジェクト口22から取り出した紙幣を、入金紙幣(引渡紙幣)として再び紙幣投入口21に投入する。紙幣投入口21に投入された紙幣は1枚ずつ搬送部25により搬送され、識別部26において紙幣の識別が行われる。識別部26により正常な紙幣であると識別された紙幣は搬送部25により一時保留部29に送られる。一方、識別部26により偽札等のリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、識別部26により識別することができなかった紙幣は、搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。
再び紙幣投入口21に投入された紙幣が全て一時保留部29または紙幣リジェクト口22に送られると、制御部15は、表示部44において入金処理の確定を行うか否かのメッセージを表示させ、操作者に対して入金処理の確定の入力を要求する。そして、操作者が操作部45の「確定キー」を押した場合には、一時保留部29にある紙幣を紙幣収納カセット41a、41bに収納させる。このようにして、店舗側から収集業者等の収集特定者側に紙幣が引き渡される。
以上においては紙幣処理装置20の動作について説明したが、次に硬貨処理装置30の動作について説明する。前述のように、制御部15において、釣銭用の準備貨幣のうち硬貨の合計金額が、1,000円であることが設定されている。
店舗の売上金等の貨幣のうち硬貨を操作者が硬貨処理装置30の硬貨投入口31に投入したときには、硬貨投入口31に投入された硬貨はまず貯留繰出部34に送られ、この貯留繰出部34から硬貨が1枚ずつ搬送部35に繰り出される。この際に、一時保留部37は第1の収納位置aに位置しており、底板37aは第1の位置mに位置している。搬送部35に繰り出された硬貨は識別部35aにおいて識別が行われる。
ここで、識別部35aにより識別された硬貨の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種、すなわち例えば10円硬貨である場合には、返却すべき準備貨幣の設定された合計金額(すなわち、1,000円)から一時保留部37にある硬貨の合計金額を減算した金額よりも、この識別された硬貨の金額(すなわち、10円)が小さいか同じであるときに、この硬貨は分岐部材35bにより搬送部35の搬送通路から分岐され、シュート35cを介して一時保留部37に送られる。すなわち、一時保留部37にある硬貨の合計金額が990円以下である場合には、識別部35aにより識別された硬貨が10円硬貨であるときにはこの硬貨は一時保留部37に送られることとなる。一方、返却すべき準備貨幣の設定された合計金額から一時保留部37にある硬貨の合計金額を減算した金額よりも、識別部35aにより識別された硬貨の金額が大きい場合には、この硬貨は搬送部35の搬送通路から分岐させられることなく、そのまま硬貨返却ボックス33aに送られる。
また、識別部35aにより識別された硬貨の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種でない場合には、すなわち例えば1円硬貨、5円硬貨、50円硬貨または500円硬貨である場合には、この硬貨は搬送部35の搬送通路から分岐させられることなく、そのまま硬貨返却ボックス33aに送られる。また、識別部35aにより識別不能な硬貨等のリジェクト硬貨であると識別された硬貨も、搬送部35の搬送通路から分岐させられることなく、そのまま硬貨返却ボックス33aに送られる。
その後、一時保留部37に送られた紙幣の合計金額が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達したときに、すなわち、一時保留部37に送られた10円硬貨および100円硬貨の合計金額が1,000円となったときに、搬送部35による硬貨の搬送が停止させられる。この際に、貯留繰出部34から搬送部35への硬貨の繰り出しも停止させられる。また、この際に、一時保留部37に一時的に保留された硬貨の金種、合計金額、および属性(具体的には、釣銭用、または従業員の賃金用等の準備貨幣の用途)が記憶部47に記憶される。
そして、操作者は、硬貨返却口33から硬貨返却ボックス33aを引き出すことにより、硬貨返却ボックス33a内の硬貨を取り出すことができる。この最初に取り出された硬貨は、後述するように、操作者により再び硬貨投入口31に投入される。
その後、硬貨返却ボックス33aが空になったら、一時保留部37が第1の収納位置aから返却位置cに移動する。このことにより、一時保留部37の底面が開き、この一時保留部37にある硬貨は硬貨返却ボックス33aに落下する。そして、操作者は、硬貨返却口33から硬貨返却ボックス33aを引き出すことにより、硬貨返却ボックス33a内の硬貨を取り出すことができる。操作者により硬貨返却ボックス33aから2回目に取り出された硬貨は、釣銭用や従業員の賃金用等の返却すべき準備貨幣となる。
なお、硬貨投入口31にある硬貨が全て硬貨処理装置30の内部に投入され、貯留繰出部34から搬送部35に繰り出されたとしても、一時保留部37に送られた硬貨の合計金額が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達しなかったときに、すなわち、一時保留部37に送られた10円硬貨および100円硬貨の合計金額が、1,000円未満であったときに、制御部15は、表示部44に、一時保留部37にある準備貨幣の合計金額または不足金額を表示させるよう制御を行う。より具体的には、硬貨投入口31にある硬貨が全て硬貨処理装置30の内部に投入され、貯留繰出部34から搬送部35に繰り出されたときに、一時保留部37に送られた10円硬貨および100円硬貨の合計金額が800円である場合には、「一時保留部にある硬貨の合計金額は800円である」旨の表示、または「不足金額は200円である」旨の表示が表示部44で行われる。
その後、操作者は、1回目に硬貨返却ボックス33aから取り出した硬貨を、入金硬貨(引渡硬貨)として再び硬貨投入口31に投入する。硬貨投入口31に投入された硬貨はまず貯留繰出部34に送られ、この貯留繰出部34から硬貨が1枚ずつ搬送部35に繰り出される。この際に、一時保留部37は第1の収納位置aに位置しており、底板37aは第1の位置mに位置している。搬送部35に繰り出された硬貨は識別部35aにおいて識別が行われる。
識別部35aにより正常な硬貨であると識別された硬貨は、分岐部材35bにより搬送部35の搬送通路から分岐され、シュート35cを介して一時保留部37に送られる。一方、識別部35aにより識別不能な硬貨等のリジェクト硬貨であると識別された硬貨は、搬送部35の搬送通路から分岐させられることなく、そのまま硬貨返却ボックス33aに送られる。
再び硬貨投入口31に投入された硬貨が全て一時保留部37または硬貨返却ボックス33aに送られると、制御部15は、表示部44において入金処理の確定を行うか否かのメッセージを表示させ、操作者に対して入金処理の確定の入力を要求する。そして、操作者が操作部45の「確定キー」を押した場合には、一時保留部の駆動機構37bまたは底板の駆動機構37fによって一時保留部37または底板37aが移動させられることにより、一時保留部37にある硬貨を硬貨収納カセット42a、42bに収納させる。このようにして、店舗側から収集業者等の収集特定者側に硬貨が引き渡される。
上述のような貨幣処理機10によれば、制御部15において返却すべき貨幣である準備貨幣の所定の金種および合計金額が設定されており、紙幣投入口21や硬貨投入口31より筐体11の内部に投入され識別部26、35aにより識別された紙幣や硬貨の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、前述の返却すべき準備貨幣の設定された合計金額から一時保留部29、37にある紙幣や硬貨の合計金額を減算した金額よりも、識別された紙幣や硬貨の金額が小さいか同じであるときにこの紙幣や硬貨を一時保留部29、37に搬送するとともに識別された紙幣や硬貨の金額が大きいときにこの紙幣や硬貨を紙幣リジェクト口22や硬貨返却口33に送る。一方、識別部26、35aにより識別された紙幣や硬貨の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種でない場合には当該紙幣や硬貨を紙幣リジェクト口22や硬貨返却口33に送る。その後、一時保留部29、37に送られてこの一時保留部29、37で一時的に保留された紙幣や硬貨を準備貨幣として筐体11の外部に返却するようになっている。
このように、紙幣処理装置20や硬貨処理装置30の一時保留部29、37には、制御部15に設定された返却すべき準備貨幣の所定の金種および合計金額と同じ金種および合計金額の紙幣や硬貨が一時的に保留され、この一時保留部29、37に一時的に保留された紙幣や硬貨が準備貨幣として筐体11の外部に返却される。このため、貨幣処理機10は、紙幣や硬貨の出金機能を有さずとも、筐体11の内部に投入された紙幣や硬貨の計数を識別部26、35aで行うとともに、当該投入された紙幣や硬貨のうち設定された所定の金種および合計金額の紙幣や硬貨を準備貨幣として筐体11の外部に戻すことができる。
また、本実施の形態の貨幣処理機10においては、一時保留部29、37に送られた紙幣や硬貨の合計金額が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達したときに、搬送部25、35による紙幣や硬貨の搬送を停止させるよう制御部15は制御を行うようになっている。なお、本実施の形態の貨幣処理機10においては、一時保留部29、37に送られた紙幣や硬貨の合計金額が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達した後、紙幣投入口21や硬貨投入口31に投入された紙幣や硬貨の搬送を行うよう制御部15は制御を行うようになっていてもよい。
また、本実施の形態の貨幣処理機10においては、紙幣投入口21や硬貨投入口31より投入された全ての紙幣や硬貨の識別後、一時保留部29、37に送られた紙幣や硬貨の合計金額が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達しなかったときに、表示部44に、一時保留部29、37における貨幣の合計金額または不足金額を表示させるよう制御部15は制御を行うようになっていてもよい。
以下、本発明に関連する貨幣処理機の例について説明する。図5は、本発明に関連する貨幣処理機における紙幣処理装置の構成の概略を示す概略構成図である。
図5に示す貨幣処理機の紙幣処理装置20aは、図2に示す紙幣処理装置20と比較して、紙幣返却口や一時保留部が設けられておらず、代わりに釣銭スタッカー27が設けられた点が異なるのみであり、他の構成は図2に示す紙幣処理装置20と実質的に同一となっている。釣銭スタッカー27は搬送部25に接続されており、筐体11の外部に返却されるべき準備貨幣(すなわち、釣銭用や従業員の賃金用等の紙幣)が搬送部25から釣銭スタッカー27に送られるようになっている。また、釣銭スタッカー27は筐体11の外部からアクセス可能となっており、操作者は釣銭スタッカー27に集積された紙幣を準備貨幣として取り出すことができるようになっている。
以下、図5に示す紙幣処理装置20aに関して、筐体11の外部から内部に取り込まれた紙幣を貨幣収納部40に収納するような、紙幣の入金処理の一例について以下に説明する。
まず、操作者は、釣銭用や従業員の賃金用等の返却すべき準備貨幣について、操作部45により、準備貨幣の金種およびその金種毎の枚数、または準備貨幣の金種および合計金額を入力する。これらの入力内容は制御部15に設定される。そして、店舗の売上金等の貨幣のうち紙幣を操作者が紙幣処理装置20aの紙幣投入口21に投入したときには、紙幣投入口21に投入された紙幣は1枚ずつ搬送部25により搬送され、識別部26において紙幣の識別が行われる。
ここで、制御部15において準備貨幣の金種およびその金種毎の枚数が設定されている場合において、識別部26により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種である場合には、この紙幣の金種に関して返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達していない紙幣は搬送部25により釣銭スタッカー27に送られる。一方、識別部26により識別された紙幣の金種に関して返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達している紙幣は搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。
また、制御部15において準備貨幣の金種および合計金額が設定されている場合において、識別部26により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種である場合には、返却すべき準備貨幣の設定された合計金額から釣銭スタッカー27にある紙幣の合計金額を減算した金額よりも、この識別された紙幣の金額が小さいか同じであるときに、この紙幣は搬送部25により釣銭スタッカー27に送られる。一方、返却すべき準備貨幣の設定された合計金額から釣銭スタッカー27にある紙幣の合計金額を減算した金額よりも、識別部26により識別された紙幣の金額が大きい場合には、この紙幣は搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。
また、識別部26により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種でない場合には、この紙幣は搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。また、識別部26により偽札等のリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、識別部26により識別することができなかった紙幣も、搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。
その後、釣銭スタッカー27に送られた紙幣の金種毎の枚数が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数にそれぞれ達したときに、あるいは、釣銭スタッカー27に送られた紙幣の合計金額が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達したときに、搬送部25による紙幣の搬送が停止させられる。この際に、紙幣投入口21から紙幣処理装置20aの内部への紙幣の投入も停止させられる。また、この際に、釣銭スタッカー27に集積された紙幣の金種、金種毎の枚数または合計金額、および属性(具体的には、釣銭用、または従業員の賃金用等の準備貨幣の用途)が記憶部47に記憶される。そして、釣銭スタッカー27のカバーが自動的に開くことにより操作者は釣銭スタッカー27から紙幣を取り出すことができるようになる。このようにして、釣銭スタッカー27に集積された紙幣が、釣銭用や従業員の賃金用等の返却すべき準備貨幣として、紙幣処理装置20aの外部に返却される。
また、釣銭スタッカー27に送られた紙幣の金種毎の枚数または合計金額が、制御部15において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数または合計金額にそれぞれ達したときに、紙幣リジェクト口22に設けられたカバーが開き、操作者は紙幣リジェクト口22に送られた紙幣を取り出すことができるようになる。その後、操作者は、紙幣リジェクト口22から取り出した紙幣を、入金紙幣(引渡紙幣)として再び紙幣投入口21に投入する。紙幣投入口21に投入された紙幣は1枚ずつ搬送部25により搬送され、識別部26において紙幣の識別が行われる。識別部26により正常な紙幣であると識別された紙幣は搬送部25により直接的に紙幣収納カセット41a、41bに送られる。このようにして、店舗側から収集業者等の収集特定者側に紙幣が引き渡される。一方、識別部26により偽札等のリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、識別部26により識別することができなかった紙幣は、搬送部25により紙幣リジェクト口22に送られる。
以上のように図5に示す貨幣処理機10の紙幣処理装置20aによれば、制御部15において返却すべき準備貨幣の所定の金種ならびにその金種毎の枚数、または返却すべき準備貨幣の所定の金種および合計金額が設定されている。制御部15において返却すべき準備貨幣の所定の金種およびその金種毎の枚数が設定されている場合において、紙幣投入口21より筐体11の内部に投入され識別部26により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、当該紙幣の金種に関して前述の返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達していない紙幣を釣銭スタッカー27に搬送するとともに返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達している紙幣を紙幣リジェクト口22に送る。また、制御部15において返却すべき準備貨幣の所定の金種および合計金額が設定されている場合において、紙幣投入口21より筐体11の内部に投入され識別部26により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、前述の返却すべき準備貨幣の設定された合計金額から釣銭スタッカー27にある紙幣の合計金額を減算した金額よりも、識別された紙幣の金額が小さいか同じであるときにこの紙幣を釣銭スタッカー27に搬送するとともに識別された紙幣の金額が大きいときにこの紙幣を紙幣リジェクト口22に送る。一方、識別部26により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種でない場合には当該紙幣を紙幣リジェクト口22に送る。その後、釣銭スタッカー27に送られてこの釣銭スタッカー27で集積された紙幣を準備貨幣として筐体11の外部に返却するようになっている。
このように、紙幣処理装置20aの釣銭スタッカー27には、制御部15に設定された返却すべき準備貨幣の所定の金種およびその金種毎の枚数と同じ金種および金種毎の枚数の紙幣が集積され、この釣銭スタッカー27に集積された紙幣が準備貨幣として筐体11の外部に返却される。このため、紙幣処理装置20aは、紙幣の出金機能を有さずとも、筐体11の内部に投入された紙幣の計数を識別部26で行うとともに、当該投入された紙幣のうち設定された所定の金種ならびにその金種毎の枚数または合計金額の紙幣を準備貨幣として筐体11の外部に戻すことができる。
以下、本発明に関連する貨幣処理機の他の例について説明する。図6および図7は、本発明に関連する貨幣処理機における紙幣処理装置の他の構成の概略を示す概略構成図である。このうち、図6は、紙幣処理装置の他の構成の概略を示す斜視図であり、図7は、図6に示す紙幣処理装置の構成の概略を示す概略構成図である。
図6および図7に示す紙幣処理装置60は、筐体60aと、複数の紙幣を積層状態で載置するための例えばホッパからなる紙幣投入口61とを備えており、紙幣投入口61には、筐体60aの外部から内部に紙幣を繰り出すための例えば繰出ローラ等からなる繰出機構61aが設けられている。また、筐体60aの内部には、紙幣の搬送を行う搬送部62が設けられている。紙幣投入口61には複数の紙幣が積層状態で載置され、この載置された紙幣が1枚ずつ繰出機構61aにより搬送部62に繰り出されるようになっている。また、搬送部62には識別部63が設けられており、この識別部63は、搬送部62で搬送中の紙幣の金種等の識別を行うようになっている。
また、搬送部62にはリジェクト部64が接続されており、識別部63によりリジェクト紙幣であると識別された紙幣や識別部63により識別することができなかった紙幣はリジェクト部64に送られるようになっている。このリジェクト部64に送られたリジェクト紙幣は筐体60aの外部から取り出し可能となっている。
また、紙幣処理装置60の筐体60aの下部には複数、例えば4つのスタッカー71、72、73、74が並列に設けられており、識別部63により正常な紙幣であると識別された紙幣は搬送部62により4つのスタッカー71、72、73、74のうちいずれか一つのスタッカーに送られるようになっている。各スタッカー71、72、73、74に送られた紙幣はそれぞれ筐体60aの外部から取り出し可能となっている。
ここで、4つのスタッカー71、72、73、74のうち、ある一つのスタッカー(準備貨幣用スタッカー)71には、釣銭用や従業員の賃金用等の返却すべき準備貨幣に係る紙幣が送られるようになっている。一方、他のスタッカー(収納用スタッカー)72、73、74には、返却すべき準備貨幣以外の紙幣が金種別に送られるようになっている。
また、紙幣処理装置60には、当該紙幣処理装置60の各構成要件の制御を行う制御部75が設けられている。また、筐体60aの前面には、操作者が制御部75に対して様々な指令を行うための操作部76が設けられている。
以下、図6および図7に示す紙幣処理装置60に関して、筐体60aの外部から内部に取り込まれた紙幣を各スタッカー71、72、73、74に収納するような、紙幣の入金処理の一例について以下に説明する。
まず、操作者は、釣銭用や従業員の賃金用等の返却すべき準備貨幣について、操作部76により、準備貨幣の金種およびその金種毎の枚数、または準備貨幣の金種および合計金額を入力する。これらの入力内容は制御部75に設定される。そして、店舗の売上金等の貨幣のうち紙幣を操作者が紙幣処理装置60の紙幣投入口61に投入したときには、紙幣投入口61に投入された紙幣は1枚ずつ搬送部62により搬送され、識別部63において紙幣の識別が行われる。
ここで、制御部75において準備貨幣の金種およびその金種毎の枚数が設定されている場合において、識別部63により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種である場合には、この紙幣の金種に関して返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達していない紙幣は搬送部62によりスタッカー71に送られる。一方、識別部63により識別された紙幣の金種に関して返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達している紙幣は搬送部62によりスタッカー72、73、74に金種別に送られる。
また、制御部75において準備貨幣の金種および合計金額が設定されている場合において、識別部63により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種である場合には、返却すべき準備貨幣の設定された合計金額からスタッカー71にある紙幣の合計金額を減算した金額よりも、この識別された紙幣の金額が小さいか同じであるときに、この紙幣は搬送部62によりスタッカー71に送られる。一方、返却すべき準備貨幣の設定された合計金額からスタッカー71にある紙幣の合計金額を減算した金額よりも、識別部63により識別された紙幣の金額が大きい場合には、この紙幣は搬送部62によりスタッカー72、73、74に金種別に送られる。
また、識別部63により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の所定の金種でない場合には、この紙幣は搬送部62によりスタッカー72、73、74に金種別に送られる。また、識別部63により偽札等のリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、識別部63により識別することができなかった紙幣は、搬送部62によりリジェクト部64に送られる。
そして、スタッカー71に送られた紙幣の金種毎の枚数が、制御部75において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数にそれぞれ達したときに、あるいは、スタッカー71に送られた紙幣の合計金額が、制御部75において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達した後に、操作者はスタッカー71から紙幣を取り出す。このようにして、スタッカー71に集積された紙幣が、釣銭用や従業員の賃金用等の返却すべき準備貨幣として、紙幣処理装置60の外部に返却される。
以上のように図6および図7に示す紙幣処理装置60によれば、制御部75において返却すべき準備貨幣の所定の金種およびその金種毎の枚数、または返却すべき準備貨幣の所定の金種および合計金額が設定されている。制御部75において返却すべき準備貨幣の所定の金種およびその金種毎の枚数が設定されている場合において、紙幣投入口61より筐体60aの内部に投入され識別部63により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、当該紙幣の金種に関して前述の返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達していない紙幣をスタッカー(準備貨幣用スタッカー)71に搬送するとともに返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達している紙幣をスタッカー(収納用スタッカー)72、73、74に金種別に送る。また、制御部75において返却すべき準備貨幣の所定の金種および合計金額が設定されている場合において、紙幣投入口61より筐体60aの内部に投入され識別部63により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、前述の返却すべき準備貨幣の設定された合計金額からスタッカー71にある紙幣の合計金額を減算した金額よりも、識別された紙幣の金額が小さいか同じであるときにこの紙幣をスタッカー71に搬送するとともに識別された紙幣の金額が大きいときにこの紙幣をスタッカー72、73、74に金種別に送る。また、識別部63により識別された紙幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種でない場合には当該紙幣をスタッカー72、73、74に金種別に送る。その後、スタッカー71に送られてこのスタッカー71で一時的に保留された紙幣を準備貨幣として筐体60aの外部に返却するようになっている。
このように、紙幣処理装置60のスタッカー71には、制御部75に設定された返却すべき準備貨幣の所定の金種ならびにその金種毎の枚数または合計金額と同じ金種ならびに金種毎の枚数または合計金額の紙幣が集積され、このスタッカー71に集積された紙幣が筐体60aの外部に準備貨幣として返却される。このため、紙幣処理装置60は、紙幣の出金機能を有さずとも、筐体60aの内部に投入された紙幣の計数を識別部63で行うとともに、当該投入された紙幣のうち設定された所定の金種ならびにその金種毎の枚数または合計金額の紙幣を準備貨幣として筐体60aの外部に戻すことができる。
10 貨幣処理機
11 筐体
15 制御部
16 インターフェース
20 紙幣処理装置
21 紙幣投入口
22 紙幣リジェクト口
23 紙幣返却口
24 扉
25 搬送部
26 識別部
27 釣銭スタッカー
28 紙幣返却口カバー
29 一時保留部
30 硬貨処理装置
31 硬貨投入口
31a 硬貨投入口カバー
33 硬貨返却口
33a 硬貨返却ボックス
34 貯留繰出部
35 搬送部
35a 識別部
35b 分岐部材
35c シュート
37 一時保留部
37a 底板
37b 一時保留部の駆動機構
37c 一時保留部の位置検知手段
37d 硬貨収納シュート
37e 硬貨収納シュート
37f 底板の駆動機構
37g 底板の位置検知手段
40 貨幣収納部
41a、41b 紙幣収納カセット
41c、41d 規制ユニット
42a、42b 硬貨収納カセット
42c、42d 規制ユニット
43 プリンタ
44 表示部
45 操作部
46 カードリーダ
47 記憶部
60 紙幣処理装置
60a 筐体
61 紙幣投入口
61a 繰出機構
62 搬送部
63 識別部
64 リジェクト部
71 スタッカー(準備貨幣用スタッカー)
72、73、74 スタッカー(収納用スタッカー)
75 制御部
76 操作部
11 筐体
15 制御部
16 インターフェース
20 紙幣処理装置
21 紙幣投入口
22 紙幣リジェクト口
23 紙幣返却口
24 扉
25 搬送部
26 識別部
27 釣銭スタッカー
28 紙幣返却口カバー
29 一時保留部
30 硬貨処理装置
31 硬貨投入口
31a 硬貨投入口カバー
33 硬貨返却口
33a 硬貨返却ボックス
34 貯留繰出部
35 搬送部
35a 識別部
35b 分岐部材
35c シュート
37 一時保留部
37a 底板
37b 一時保留部の駆動機構
37c 一時保留部の位置検知手段
37d 硬貨収納シュート
37e 硬貨収納シュート
37f 底板の駆動機構
37g 底板の位置検知手段
40 貨幣収納部
41a、41b 紙幣収納カセット
41c、41d 規制ユニット
42a、42b 硬貨収納カセット
42c、42d 規制ユニット
43 プリンタ
44 表示部
45 操作部
46 カードリーダ
47 記憶部
60 紙幣処理装置
60a 筐体
61 紙幣投入口
61a 繰出機構
62 搬送部
63 識別部
64 リジェクト部
71 スタッカー(準備貨幣用スタッカー)
72、73、74 スタッカー(収納用スタッカー)
75 制御部
76 操作部
Claims (8)
- 貨幣の処理を行う貨幣処理機であって、
筐体と、
前記筐体内へ貨幣を投入するための貨幣投入口と、
前記筐体内に設けられ、前記貨幣投入口より投入された貨幣の搬送を行う搬送部と、
前記搬送部に設置され、前記貨幣投入口より投入され前記搬送部で搬送される貨幣の識別を行う識別部と、
前記筐体内に設けられ、前記識別部により識別された貨幣を一時的に保留するとともに前記筐体の外部に戻すことが可能な一時保留部と、
前記搬送部に接続され、当該搬送部から送られた貨幣を前記筐体の外部に戻す貨幣返却部と、
前記搬送部および前記一時保留部の制御を行う制御部であって、返却すべき貨幣である準備貨幣の所定の金種およびその金種毎の枚数が設定されており、当該制御部は、前記貨幣投入口より前記筐体の内部に投入され前記識別部により識別された貨幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、当該貨幣の金種に関して前記返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達していない貨幣を前記一時保留部に搬送するとともに前記返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達している貨幣を前記貨幣返却部に送り、一方、前記識別された貨幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種でない場合には当該貨幣を前記貨幣返却部に送り、その後、前記一時保留部に送られてこの一時保留部で一時的に保留された貨幣を準備貨幣として筐体の外部に返却するよう制御を行うことを特徴とする貨幣処理機。 - 前記制御部は、前記一時保留部に送られた貨幣の金種毎の枚数が、当該制御部において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数にそれぞれ達した後、前記貨幣投入口に投入された貨幣の搬送を行うよう制御を行うことを特徴とする請求項1記載の貨幣処理機。
- 前記制御部は、前記一時保留部に送られた貨幣の金種毎の枚数が、当該制御部において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数にそれぞれ達したときに、前記搬送部による貨幣の搬送を停止させるよう制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の貨幣処理機。
- 前記貨幣処理機における貨幣の処理状況を表示するための表示部を更に備え、
前記制御部は、前記貨幣投入口より投入された全ての貨幣の識別後、前記一時保留部に送られた貨幣の金種のうち少なくともいずれか一つの金種の枚数が、当該制御部において設定されている返却すべき準備貨幣の所定の金種毎の枚数に達しなかったときに、前記表示部に、前記返却すべき準備貨幣の設定された枚数に達しなかった貨幣の金種、ならびにその枚数または不足枚数を表示させるよう制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の貨幣処理機。 - 貨幣の処理を行う貨幣処理機であって、
筐体と、
前記筐体内へ貨幣を投入するための貨幣投入口と、
前記筐体内に設けられ、前記貨幣投入口より投入された貨幣の搬送を行う搬送部と、
前記搬送部に設置され、前記貨幣投入口より投入され前記搬送部で搬送される貨幣の識別を行う識別部と、
前記筐体内に設けられ、前記識別部により識別された貨幣を一時的に保留するとともに前記筐体の外部に戻すことが可能な一時保留部と、
前記搬送部に接続され、当該搬送部から送られた貨幣を前記筐体の外部に戻す貨幣返却部と、
前記搬送部および前記一時保留部の制御を行う制御部であって、返却すべき貨幣である準備貨幣の所定の金種および合計金額が設定されており、当該制御部は、前記貨幣投入口より前記筐体の内部に投入され前記識別部により識別された貨幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種である場合には、前記返却すべき準備貨幣の設定された合計金額から前記一時保留部にある貨幣の合計金額を減算した金額よりも、前記識別された貨幣の金額が小さいか同じであるときにこの貨幣を前記一時保留部に搬送するとともに前記識別された貨幣の金額が大きいときにこの貨幣を前記貨幣返却部に送り、一方、前記識別された貨幣の金種が返却すべき準備貨幣の設定された所定の金種でない場合には当該貨幣を前記貨幣返却部に送り、その後、前記一時保留部に送られてこの一時保留部で一時的に保留された貨幣を準備貨幣として筐体の外部に返却するよう制御を行うことを特徴とする貨幣処理機。 - 前記制御部は、前記一時保留部に送られた貨幣の合計金額が、当該制御部において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達した後、前記貨幣投入口に投入された貨幣の搬送を行うよう制御を行うことを特徴とする請求項5記載の貨幣処理機。
- 前記制御部は、前記一時保留部に送られた貨幣の合計金額が、当該制御部において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達したときに、前記搬送部による貨幣の搬送を停止させるよう制御を行うことを特徴とする請求項5または6記載の貨幣処理機。
- 前記貨幣処理機における貨幣の処理状況を表示するための表示部を更に備え、
前記制御部は、前記貨幣投入口より投入された全ての貨幣の識別後、前記一時保留部に送られた貨幣の合計金額が、当該制御部において設定されている返却すべき準備貨幣の合計金額に達しなかったときに、前記表示部に、前記一時保留部にある準備貨幣の合計金額または不足金額を表示させるよう制御を行うことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の貨幣処理機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009070571A JP2010224805A (ja) | 2009-03-23 | 2009-03-23 | 貨幣処理機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009070571A JP2010224805A (ja) | 2009-03-23 | 2009-03-23 | 貨幣処理機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010224805A true JP2010224805A (ja) | 2010-10-07 |
Family
ID=43041935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009070571A Withdrawn JP2010224805A (ja) | 2009-03-23 | 2009-03-23 | 貨幣処理機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010224805A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017162071A (ja) * | 2016-03-08 | 2017-09-14 | グローリー株式会社 | 貨幣処理装置および貨幣処理方法 |
-
2009
- 2009-03-23 JP JP2009070571A patent/JP2010224805A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017162071A (ja) * | 2016-03-08 | 2017-09-14 | グローリー株式会社 | 貨幣処理装置および貨幣処理方法 |
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