JP2010224439A - プロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の姿勢で設置された場合であっても冷却液体にて効率的に冷却対象を冷却できるプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクターを構成する液冷装置は、冷却液体を内部に一時的に蓄積する蓄積部本体71と、蓄積部本体内外を連通し、蓄積部本体71内部に蓄積された冷却液体を流出させる流出部74とを有する液体蓄積部7を備える。液体蓄積部7は、流出部74がプロジェクターからの画像の投射方向Rに略直交するとともに水平面に略平行する方向に冷却液体を流出するように配設されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、プロジェクターに関する。
従来、プロジェクターにおいて、液晶パネル等の冷却対象を効率的に冷却するために、流路に沿って冷却液体を循環させ、循環させた冷却液体により冷却対象を冷却する循環式の液冷装置を備えた構成が知られている。
また、このような液冷装置では、経年使用により冷却液体が蒸発することで、流路中に気泡が発生することとなる。そして、気泡の量が増加すると、冷却液体が流通し難いものとなるため、冷却対象の冷却効率が低下してしまう。
そこで、従来、リザーブタンク(液体蓄積部)にて気泡を捕捉して流路中の気泡を除去する技術が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的に、特許文献1に記載の液体蓄積部は、冷却液体を内部に一時的に蓄積するタンクと、タンクに冷却液体を流入出させるための流入ノズル及び流出ノズルとを備える。
そして、気泡を含む冷却液体がタンクに流入すると、気泡は浮力によりタンク内部の上方側の空間に移動して捕捉され、冷却液体のみが流出ノズルを介して外部に流出される。
特開2005−331928号公報
特許文献1に記載の液体蓄積部は、略水平方向に画像を投射する、いわゆる正置き姿勢(机等の設置面上に載置した状態)でプロジェクターから画像を投射することを前提として設計されたものである。言い換えれば、液体蓄積部は、正置き姿勢でプロジェクターが設置された際に、気泡をタンクにて捕捉し、タンクから冷却液体のみを流出させるように設計されている。
このため、例えば、上方側に画像を投射する上方投射姿勢(投射レンズが上方側に位置する姿勢)、あるいは下方側に画像を投射する下方投射姿勢(投射レンズが下方側に位置する姿勢)でプロジェクターを設置した場合には、タンクから気泡が流出してしまう、という問題がある。
具体的に、特許文献1に記載の液体蓄積部は、流出ノズルがタンクに対して投射方向に沿う方向に設けられ、投射方向とは反対側に冷却液体を流出するように構成されている。このため、下方投射姿勢でプロジェクターを設置した場合には、液体蓄積部は、タンクにおける上方側の側壁に流出ノズルが位置付けられた姿勢となり、流出ノズルを介して上方側に冷却液体を流出することとなる。すなわち、タンクに冷却液体とともに流入した気泡は、浮力によりタンク内部の上方側(流出ノズルが位置する側)の空間に移動し、流出ノズルを介して外部に流出されることとなる。
したがって、プロジェクターを種々の姿勢で設置した場合であっても、液体蓄積部にて捕捉した気泡が液体蓄積部から流出することを抑制でき、冷却液体により効率的に冷却対象を冷却できる技術が要望されている。
本発明の目的は、種々の姿勢で設置された場合であっても冷却液体にて効率的に冷却対象を冷却できるプロジェクターを提供することにある。
本発明のプロジェクターは、冷却液体により冷却対象を冷却する液冷装置を備えたプロジェクターであって、前記液冷装置は、冷却液体を内部に一時的に蓄積する蓄積部本体と、前記蓄積部本体内外を連通し、前記蓄積部本体内部に蓄積された冷却液体を流出させる流出部とを有する液体蓄積部を備え、前記液体蓄積部は、前記流出部が当該プロジェクターからの画像の投射方向に略直交するとともに水平面に略平行する方向に冷却液体を流出するように配設されていることを特徴とする。
本発明では、液体蓄積部は、流出部が投射方向に略直交するとともに水平面に略平行する方向に冷却液体を流出するように配設されている。このことにより、正置き姿勢、上方投射姿勢、あるいは、下方投射姿勢でプロジェクターを設置した場合であっても、液体蓄積部は、蓄積部本体の上方側の側壁に流出部が位置付けられた姿勢となることがない。
したがって、プロジェクターを種々の姿勢で設置した場合であっても、蓄積部本体内部の上方側の空間に捕捉された気泡が流出部を介して外部に流出することを抑制でき、冷却液体により効率的に冷却対象を冷却できる。
本発明のプロジェクターでは、前記流出部は、前記蓄積部本体の下面部に対する高さ寸法が前記蓄積部本体の下面部から上面部までの高さ寸法の半分以下となる位置に設けられていることが好ましい。
ここで、蓄積部本体の下面部及び上面部は、正置き姿勢でプロジェクターが設置された状態で、蓄積部本体の下方側及び上方側の各側壁をそれぞれ意味するものである。
本発明では、流出部は、下面部に対する高さ寸法が蓄積部本体自体の高さ寸法の半分以下となる位置に設けられている。このことにより、正置き姿勢でプロジェクターを設置した状態で、蓄積部本体において流出部を下方側に位置付けることができる。
したがって、正置き姿勢でプロジェクターを設置した際に、蓄積部本体内部の上方側の空間に捕捉された気泡が流出部を介して外部に流出することをさらに抑制できる。
本発明のプロジェクターでは、前記流出部は、前記蓄積部本体における前記投射方向に沿う前後方向の略中心位置に設けられていることが好ましい。
本発明では、流出部は、蓄積部本体における投射方向に沿う前後方向の略中心位置に設けられている。このことにより、上方投射姿勢あるいは下方投射姿勢でプロジェクターを設置した状態で、蓄積部本体において流出部を上下方向の略中心位置(投射方向に沿う前後方向の略中心位置)に位置付けることができる。
したがって、上方投射姿勢あるいは下方投射姿勢でプロジェクターを設置した際に、蓄積部本体内部の上方側の空間に捕捉された気泡が流出部を介して外部に流出することをさらに抑制できる。
本実施形態におけるプロジェクターの概略構成を示す図。 本実施形態における液冷装置の構成を模式的に示す図。 本実施形態における光学素子保持部の構造を示す図。 本実施形態におけるタンクの構成を示す斜視図。 本実施形態における熱交換部の内部構造を模式的に示す断面図。 本実施形態における投射レンズとタンクとの位置関係を模式的に示す図。 本実施形態におけるタンクによる気泡の捕捉構造を説明するための図。 本実施形態におけるタンクによる気泡の捕捉構造を説明するための図。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクターの構成〕
図1は、本実施形態におけるプロジェクター1の概略構成を示す図である。具体的に、図1は、プロジェクター1の内部構造を外装筐体2の天面部21(図7参照)側から見た図である。
なお、以下では、説明の便宜上、投射レンズ35(図1)が配置される側を「前面」とし、その反対側を「背面」とする。
プロジェクター1は、画像情報に応じた画像を形成してスクリーン(図示略)上に投射し、投影画像を表示する。このプロジェクター1は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体2と、光学ユニット3と、液冷装置4(図2参照)等を備える。
外装筐体2は、プロジェクター1が正置き姿勢で設置された際に鉛直方向に交差する天面部21(図7参照)及び底面部22(図1)を有する略直方体状に形成され、内部に光学ユニット3及び液冷装置4を収納する。
この外装筐体2において、天面部21には、一対のハンドル21A(図7参照)が取り付けられている。
一対のハンドル21Aは、プロジェクター1を持ち運ぶ際等に利用者により把持される部材であり、略U字形状を有するように形成されている。そして、一対のハンドル21Aは、互いに平行となり、かつ、前後方向(投射レンズ35からの画像の投射方向に沿う方向)に延出するように、U字形状の両端が天面部21にそれぞれ取り付けられている。
そして、一対のハンドル21Aには、具体的な図示は省略したが、プロジェクター1を天吊り姿勢(天井等から吊り下げた姿勢)で設置する際に、天吊り用の金具が取り付けられる複数のネジ孔が形成されている。
すなわち、本実施形態のプロジェクター1は、天吊り姿勢で設置する際に、正置き姿勢と同一の姿勢(天面部21が上方側に向き底面部22が下方側に向く姿勢)となるように設計されている。
〔光学ユニットの構成〕
光学ユニット3は、制御装置(図示略)による制御の下、画像情報に応じて画像を形成して投射する。
この光学ユニット3は、図1に示すように、一対の光源装置31A,31Bと、反射ミラー31Cと、レンズアレイ321,322、偏光変換素子323、及び重畳レンズ324を有する照明光学装置32と、ダイクロイックミラー331,332、及び反射ミラー333〜336を有する色分離光学装置33と、光変調素子としての3つの液晶パネル341(赤色光側の液晶パネルを341R、緑色光側の液晶パネルを341G、青色光側の液晶パネルを341Bとする)、3つの入射側偏光板342、3つの射出側偏光板343、及び色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム344を有する光学装置34と、投射光学装置としての投射レンズ35と、これら各部材31A,31B、32〜34を内部に収納する光学部品用筐体36とを備える。
ここで、一対の光源装置31A,31Bは、図1に示すように、同様の構成を有し、光源ランプ311及びリフレクター312を備える。そして、一対の光源装置31A,31Bは、反射ミラー31Cに向けて光束を射出するように反射ミラー31Cを挟んで対向配置されている。
そして、光学ユニット3では、上述した構成により、一対の光源装置31A,31Bから射出された光束は、反射ミラー31Cにより、光学部品用筐体36内部に設定された照明光軸Ax(図1)に沿って反射され、照明光学装置32に照射される。照明光学装置32に照射された光束は、照明光学装置32にて面内照度が均一化されるとともに、色分離光学装置33にてR,G,Bの3つの色光に分離される。分離された各色光は、各液晶パネル341にて画像情報に応じてそれぞれ変調され、色光毎の画像が形成される。色光毎の画像は、プリズム344にて合成され、投射レンズ35にてスクリーン(図示略)に投射される。
〔液冷装置の構成〕
図2は、液冷装置4の構成を模式的に示す図である。
液冷装置4は、環状の流路に沿って水やエチレングリコール等の冷却液体を循環させ、該冷却液体により光学素子としての液晶パネル341を冷却する。この液冷装置4は、図2に示すように、3つの光学素子保持部5と、液体圧送部6と、液体蓄積部としてのタンク7と、熱交換ユニット8と、複数の液体循環部材9とを備える。
複数の液体循環部材9は、内部に冷却液体を流通可能とする管状部材で構成され、各部材5〜8を接続し、環状の流路を形成する。
なお、液体循環部材9による各部材5〜8の接続構造については、後述する。
〔光学素子保持部の構成〕
図3は、光学素子保持部5の構造を示す図である。具体的に、図3は、光学素子保持部5を光束入射側から見た平面図である。
3つの光学素子保持部5は、3つの液晶パネル341をそれぞれ保持するとともに、内部に冷却液体が流入出し、該冷却液体により3つの液晶パネル341をそれぞれ冷却する。なお、各光学素子保持部5は、同様の構成であり、以下では1つの光学素子保持部5のみを説明する。この光学素子保持部5は、図3に示すように、液体流通管51と、光学素子支持枠52とを備える。
液体流通管51は、液晶パネル341の画像形成領域(光透過領域)を平面視で囲むように屈曲し、冷却液体を流入出させる各端部が上方側(天面部21側)に平行して延出するように形成されている。
光学素子支持枠52は、具体的な図示は省略したが、光束射出側において、液晶パネル341の外形形状に対応して光束入射側に向けて窪む凹部を有し、前記凹部にて液晶パネル341を収納保持する。
また、前記凹部の底部分には、図3に示すように、液晶パネル341の画像形成領域に対応した開口部521が形成されている。
さらに、光学素子支持枠52には、具体的な図示は省略したが、前記凹部を囲むように貫通形成された平面視U字状の貫通孔が形成され、該貫通孔に液体流通管51が配設される。
なお、具体的な図示は省略したが、光学素子支持枠52は、光束入射側及び光束射出側の2体に分割形成されており、該2体で液体流通管51を挟持するように構成されている。
以上のように、光学素子保持部5は、液体流通管51が液晶パネル341の側端部に対向するように配設され、液晶パネル341の熱を液晶パネル341〜光学素子支持枠52〜液体流通管51の熱伝達経路を辿って放熱させるように構成されている。
〔液体圧送部の構成〕
液体圧送部6は、冷却液体を吸入及び圧送するポンプであり、環状の流路に沿って冷却液体を循環させる。
この液体圧送部6は、例えば、中空部材内に羽根車が配置された構成を有し、前記羽根車が回転することで、冷却液体を吸入及び圧送する。
なお、液体圧送部6の構成としては、上述した羽根車を有する構成に限らず、ダイヤフラムを利用した他の構成を採用してもよい。
〔タンクの構成〕
図4は、タンク7の構成を示す斜視図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図4に示す鉛直軸(Y軸)、Y軸に直交するX軸及びZ軸を用いて説明する。
タンク7は、アルミニウム等の金属材料から構成され、流入した冷却液体を一時的に蓄積した後に流出する。また、タンク7は、環状の流路を介して循環する冷却液体に含まれる気泡を捕捉する。
なお、タンク7による気泡の捕捉構造については、後述する。
このタンク7は、図4に示すように、蓄積部本体71と、注入部72と、流入部73と、流出部74とを備える。
蓄積部本体71は、Y軸に交差する上面部71A及び下面部71Bと、Z軸に交差する前面部71C及び背面部71Dと、X軸に交差する一対の側面部71E,71Fを有する略直方体状の中空部材で構成されている。
注入部72は、蓄積部本体71内部に冷却液体を注入するための部材である。この注入部72は、図4に示すように、管形状を有し、蓄積部本体71の上面部71Aにおいて、蓄積部本体71内外を連通するように設けられている。
すなわち、液冷装置4を組み立てた後、注入部72を介して冷却液体を注入することで、液冷装置4に冷却液体が充填されることとなる。
なお、図4では、図示を省略したが、注入部72には、冷却液体を注入した後、注入部72を封止するためのキャップが取り付けられる。
流入部73は、環状の流路を介して循環する冷却液体を蓄積部本体71内部に流入させるための部材である。この流入部73は、図4に示すように、管形状を有し、蓄積部本体71の背面部71Dにおいて、蓄積部本体71内外を連通するように設けられている。
また、流入部73は、図4に示すように、背面部71Dにおいて、下面部71Bに近接した位置で、かつ、X軸方向の略中心位置に設けられている。
流出部74は、蓄積部本体71内部の冷却液体を外部に流出させるための部材である。この流出部74は、図4に示すように、管形状を有し、蓄積部本体71の一対の側面部71E,71Fのうち−X軸側に位置する側面部71Fにおいて、蓄積部本体71内外を連通するように設けられている。
また、流出部74は、図4に示すように、側面部71Fにおいて、下面部71Bに近接した位置(下面部71Bに対する高さ寸法H1(図6(B)参照)が蓄積部本体71の下面部71Bから上面部71Aまでの高さ寸法H2(図6(B)参照)の半分以下の位置)で、かつ、Z軸方向の略中心位置に設けられている。
〔熱交換ユニットの構成〕
熱交換ユニット8は、環状の流路に沿って循環する冷却液体の温度を低減する。この熱交換ユニット8は、図2に示すように、熱交換部81と、区画板82と、熱電変換素子としてのペルチェ素子83と、放熱側伝熱部材84とを備える。
図5は、熱交換部81の内部構造を模式的に示す断面図である。具体的に、図5は、熱交換部81を流路に直交する平面で切断した断面を示している。
熱交換部81は、略直方体状の中空部材で構成され、内部を流通する冷却液体と熱交換する。
この熱交換部81内部には、図5に示すように、冷却液体の流通方向に沿って延出する複数の板体811が該流通方向に直交する方向に並設されている。具体的に、これら板体811は、例えば、数10μm〜数100μm程度の厚み寸法を有し、互いに数10μm〜数100μm程度の間隔を空けて配設される。
以上の構成により、熱交換部81内部には、各板体811間に冷却液体が流通する複数の微細流路Cm(図5)が形成される。すなわち、熱交換部81は、いわゆる、マイクロチャンネル等の熱交換器で構成されている。
区画板82は、平面視矩形状の板体で構成され、熱交換部81及び放熱側伝熱部材84を区画するとともに、熱交換部81、ペルチェ素子83、及び放熱側伝熱部材84を一体化する。この区画板82は、熱伝導率が低い(例えば、0.9W/(m・K)以下)材料で構成されている。
この区画板82には、図2に示すように、熱交換部81の平面形状よりも小さい矩形形状を有し、ペルチェ素子83を嵌合可能とする開口部821が形成されている。
そして、熱交換部81は、区画板82における一方の板面において、開口部821を閉塞するように開口部821周縁部分に固定される。
ペルチェ素子83は、具体的な図示は省略したが、p型半導体とn型半導体とを金属片で接合して構成した接合対を複数有しており、これら複数の接合対は電気的に直接に接続されている。
このような構成を有するペルチェ素子83において、電力が供給されると、図2に示すように、ペルチェ素子83の一方の端面が熱を吸収する吸熱面831となり、他方の端面が熱を放熱する放熱面832となる。
そして、ペルチェ素子83は、区画板82の開口部821に嵌合され、吸熱面831が熱交換部81に熱伝達可能に接続する。
放熱側伝熱部材84は、図2に示すように、矩形状の板体841と、板体841から突出する複数のフィン部材842とを有する、いわゆるヒートシンクで構成されている。そして、放熱側伝熱部材84は、区画板82の他方の板面において、開口部821を閉塞するように開口部821周縁部分に固定される。この状態では、放熱側伝熱部材84は、ペルチェ素子83の放熱面832に熱伝達可能に接続する。
すなわち、区画板82にて各部材81,83,84を一体化した状態では、熱交換部81〜ペルチェ素子83〜放熱側伝熱部材84の熱伝達経路が形成される。
このため、ペルチェ素子83の駆動により、熱交換部81は、吸熱面831から熱が吸収され、冷却される。また、ペルチェ素子83の放熱面832に生じる熱は、放熱側伝熱部材84を介して外部に放熱される。
〔液体循環部材による接続構造〕
次に、液体循環部材9による各部材5〜8の接続構造について説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、図2に示すように、3つの光学素子保持部5のうち、赤色光側の液晶パネル341Rを保持する光学素子保持部を赤色光変調素子保持部5R、緑色光側の液晶パネル341Gを保持する光学素子保持部を緑色光変調素子保持部5G、青色光側の液晶パネル341Bを保持する光学素子保持部を青色光変調素子保持部5Bとする。
液体循環部材9は、図2に示すように、第1〜第6液体循環部材9A〜9Fの6本で構成されている。
具体的に、第1液体循環部材9Aは、流入側及び流出側が赤色光変調素子保持部5R及び緑色光変調素子保持部5Gにおける各液体流通管51の一方の端部にそれぞれ接続される。
第2液体循環部材9Bは、流入側が緑色光変調素子保持部5Gにおける液体流通管51の他方の端部に接続され、流出側が青色光変調素子保持部5Bにおける液体流通管51の一方の端部に接続される。
第3液体循環部材9Cは、流入側が青色光変調素子保持部5Bにおける液体流通管51の他方の端部に接続され、流出側が液体圧送部6に接続される。
第4液体循環部材9Dは、流入側及び流出側が液体圧送部6及びタンク7における流入部73にそれぞれ接続される。
第5液体循環部材9Eは、流入側及び流出側がタンク7における流出部74及び熱交換部81にそれぞれ接続される。
第6液体循環部材9Fは、流入側及び流出側が熱交換部81及び赤色光変調素子保持部5Rにおける液体流通管51の他方の端部に接続される。
以上のような液体循環部材9による接続構造により、赤色光変調素子保持部5R〜緑色光変調素子保持部5G〜青色光変調素子保持部5B〜液体圧送部6〜タンク7〜熱交換部81を辿り、再度、赤色光変調素子保持部5Rに戻る環状の流路Cが形成される。
そして、上述した液冷装置4により、以下に示すように液晶パネル341が冷却される。
すなわち、液晶パネル341にて生じた熱は、光学素子保持部5を介して冷却液体に伝達される。
光学素子保持部5から流出した冷却液体は、流路Cを辿って熱交換部81に流入する。
ここで、熱交換部81は、ペルチェ素子83の駆動により、吸熱面831から熱が吸収されることで冷却されている。このため、熱交換部81に流入した冷却液体は、内部の微細流路Cmを流通する際、熱交換部81との間で熱交換が行われ、冷却される。
そして、熱交換部81にて冷却された冷却液体は、再度、光学素子保持部5に流入する。
〔タンクによる気泡の捕捉構造〕
次に、タンク7による気泡の捕捉構造を説明する前に、投射レンズ35に対するタンク7の位置関係について説明する。
図6は、投射レンズ35とタンク7との位置関係を模式的に示す図である。具体的に、図6(A)は天面部21側から見た図であり、図6(B)は前面側から見た図である。
タンク7は、図6に示すように、投射レンズ35の側方に配設される。
具体的に、タンク7は、底面部22側に下面部71Bが位置するとともに、+Z軸方向(図4、図6)が投射方向R(図6)に向くように外装筐体2内部に配設される。
すなわち、タンク7は、流出部74が投射方向Rに略直交するとともに水平面に略平行する方向に冷却液体を流出するように外装筐体2内部に配設される。
そして、タンク7は、上述したように外装筐体2内部に配設されることで、プロジェクター1が種々の姿勢で設置された際に、以下に示すように、気泡を捕捉する。
図7及び図8は、タンク7による気泡の捕捉構造を説明するための図である。具体的に、図7は、プロジェクター1の種々の姿勢を模式的に示す図である。図8は、プロジェクター1が種々の姿勢で設置された場合でのタンク7の姿勢を側面部71F側から見た図である。
なお、図8では、説明の便宜上、冷却液体と空気との界面Lを破線で示している。
タンク7は、プロジェクター1が図7(A)に示す正置き姿勢(天吊り姿勢も同様)で設置された場合には、図8(A)に示すように、上面部71Aが上方側に位置する姿勢となる。このため、流入部73を介して冷却液体とともに蓄積部本体71内部に流入した気泡は、浮力により上方側に移動することで、蓄積部本体71内部の上面部71A側の空間Ar1(図8(A))に捕捉されることとなる。
また、タンク7は、プロジェクター1が図7(B)に示す上方投射姿勢(投射レンズ35が上方側に位置する姿勢)で設置された場合には、図8(B)に示すように、前面部71Cが上方側に位置する姿勢となる。このため、流入部73を介して冷却液体とともに蓄積部本体71内部に流入した気泡は、浮力により上方側に移動することで、蓄積部本体71内部の前面部71C側の空間Ar2(図8(B))に捕捉されることとなる。
さらに、タンク7は、プロジェクター1が図7(C)に示す下方投射姿勢(投射レンズ35が下方側に位置する姿勢)で設置された場合には、図8(C)に示すように、背面部71Dが上方側に位置する姿勢となる。このため、流入部73を介して冷却液体とともに蓄積部本体71内部に流入した気泡は、浮力により上方側に移動することで、蓄積部本体71内部の背面部71D側の空間Ar3(図8(C))に捕捉されることとなる。
上述した本実施形態においては、以下の効果がある。
本実施形態では、タンク7は、流出部74が投射方向Rに略直交するとともに水平面に略平行する方向に冷却液体を流出するように配設されている。このことにより、正置き姿勢、上方投射姿勢、あるいは、下方投射姿勢でプロジェクター1を設置した場合であっても、タンク7は、蓄積部本体71の上方側の側壁(正置き姿勢では上面部71A、上方投射姿勢では前面部71C、下方投射姿勢では背面部71D)に流出部74が位置付けられた姿勢となることがない。
したがって、プロジェクター1を種々の姿勢で設置した場合であっても、蓄積部本体71内部の上方側の空間Ar1〜Ar3に捕捉された気泡が流出部74を介して外部に流出することを抑制できる。
そして、種々の姿勢でプロジェクター1を設置した場合であっても、タンク7から気泡が流出することを抑制できるので、以下に示すように、液晶パネル341を効率的に冷却できる。
すなわち、蓄積部本体71内部に気泡を蓄積していくことで流路Cを辿って流通する冷却液体中の気泡の量が低減する。このため、流路Cを辿って冷却液体が円滑に流通することとなり、液晶パネル341を効率的に冷却できる。
また、熱交換部81は、内部に複数の微細流路Cmを有するいわゆるマイクロチャンネル等の熱交換器で構成されているため、熱交換部81に冷却液体とともに気泡が流入した場合には、複数の板体811により気泡が捕捉され、熱交換部81外部に気泡が抜け難いものである。このように熱交換部81内部に気泡が存在した場合には、気泡が断熱層として機能し、熱交換部81と冷却液体との間で良好に熱交換がされないものとなってしまう。
本実施形態では、熱交換部81に冷却液体が流入する前に、タンク7にて気泡を捕捉するとともに、タンク7から気泡が流出することを抑制できるので、熱交換部81に冷却液体とともに気泡が流入することを防止できる。すなわち、熱交換部81内部に気泡が存在する状態を回避し、熱交換部81と冷却液体との間で良好に熱交換させることができ、熱交換ユニット8にて冷却液体の温度を効果的に冷却できる。このため、効果的に温度が低減した冷却液体にて液晶パネル341を冷却できるので、液晶パネル341を効率的に冷却できる。
また、流出部74は、側面部71Fにおいて、下面部71Bに近接した位置(下面部71Bに対する高さ寸法H1が蓄積部本体71自体の高さ寸法H2の半分以下の位置)に設けられている。このことにより、正置き姿勢でプロジェクター1を設置した状態で、蓄積部本体71において流出部74を下方側に位置付けることができる。
したがって、正置き姿勢でプロジェクター1を設置した際に、蓄積部本体71内部の上方側の空間Ar1に捕捉された気泡が流出部74を介して外部に流出することをさらに抑制できる。
さらに、流出部74は、蓄積部本体71における投射方向Rに沿う幅方向(Z軸方向)の略中心位置に設けられている。このことにより、上方投射姿勢あるいは下方投射姿勢でプロジェクター1を設置した状態で、蓄積部本体71において流出部74を上下方向の略中心位置に位置付けることができる。
したがって、上方投射姿勢あるいは下方投射姿勢でプロジェクター1を設置した際に、蓄積部本体71内部の上方側の空間Ar2,Ar3に捕捉された気泡が流出部74を介して外部に流出することをさらに抑制できる。
上述した実施形態では、説明を簡略化するために、プロジェクター1の姿勢として、正置き姿勢(天吊り姿勢)、上方投射姿勢、及び下方投射姿勢の3つの姿勢を例に挙げて説明したが、プロジェクター1は正置き姿勢から上方投射姿勢あるいは下方投射姿勢までの間の傾斜した姿勢にも設定できるものであり、このような種々の姿勢であっても上述した効果を奏することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態において、冷却対象として、液晶パネル341を採用していたが、これに限らず、光源装置31A,31B、偏光変換素子323、入射側偏光板342、射出側偏光板343等の光学素子や、プロジェクター1内部の構成部材に電力を供給する電源装置、あるいは液晶パネル341等を制御する制御装置等を冷却対象としても構わない。
前記実施形態において、流出部74は、側面部71Fにおいて、下面部71Bに近接した位置に設けられていたが、これに限らず、下面部71Bからの高さ寸法H1が蓄積部本体71自体の高さ寸法H2の半分以下となる位置であれば、いずれの位置に配設しても構わない。
前記実施形態において、液冷装置4を構成する各部材5〜8の配設順序は、前記実施形態で説明した順序に限らず、その他の順序で配設しても構わない。
前記実施形態では、液晶パネル341は、3つ設けられていたが、その数は3つに限らず、1つ、2つ、あるいは、4つ以上であっても構わない。
前記実施形態において、光変調素子としては、透過型または反射型の液晶パネルの他、マイクロミラーを用いたデバイス等、液晶以外の光変調素子を採用しても構わない。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクターの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクターにも適用可能である。
本発明のプロジェクターは、種々の姿勢で設置された場合であっても冷却液体にて効率的に冷却対象を冷却できるため、プレゼンテーションやホームシアターに用いられるプロジェクターとして利用できる。
1・・・プロジェクター、4・・・液冷装置、7・・・タンク(液体蓄積部)、71・・・蓄積部本体、71A・・・上面部、71B・・・下面部、74・・・流出部、H1,H2・・・高さ寸法、R・・・投射方向。

Claims (3)

  1. 冷却液体により冷却対象を冷却する液冷装置を備えたプロジェクターであって、
    前記液冷装置は、
    冷却液体を内部に一時的に蓄積する蓄積部本体と、前記蓄積部本体内外を連通し、前記蓄積部本体内部に蓄積された冷却液体を流出させる流出部とを有する液体蓄積部を備え、
    前記液体蓄積部は、
    前記流出部が当該プロジェクターからの画像の投射方向に略直交するとともに水平面に略平行する方向に冷却液体を流出するように配設されている
    ことを特徴とするプロジェクター。
  2. 請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
    前記流出部は、
    前記蓄積部本体の下面部に対する高さ寸法が前記蓄積部本体の下面部から上面部までの高さ寸法の半分以下となる位置に設けられている
    ことを特徴とするプロジェクター。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
    前記流出部は、
    前記蓄積部本体における前記投射方向に沿う幅方向の略中心位置に設けられている
    ことを特徴とするプロジェクター。
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