JP2010223629A - 光学式エンコーダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源4とスケール9との間の光路上、又はスケール9と光検出器6との間の光路上に配置に光透過部材5を配置し、この光透過部材5の表面にエンコーダ信号の発生に寄与しない迷光を少なくとも低減する迷光低減機能要素を形成する。
【選択図】図1A
Description
又、検出ヘッド内部を多重反射するなどした光についても、小型化により従来よりも多くの光量が受光部へ入り易くなる。
もし、ノイズ成分による位置検出信号の飽和を避けようとすると、ノイズ成分を除去する処理を余分に追加する必要が生じたり、ノイズ成分除去処理に起因する信号劣化の対策をしなければならなくなる可能性も出てくる。
G≧D/(2・tanθ)
検出ヘッドに発光素子と受光素子とを透明部材によりモールドするなどして小型化を図った際に、保護部材である透明光学部材の厚みを薄くすると、発光素子から出射された光は、透明光学部材内面で反射し、この反射光が受光部に入る。このため、位置検出信号(エンコーダ信号)を生成する際のノイズ成分となり、位置検出信号のSN比が劣化してしまう。しかるに、特許文献1は、透明光学部材の厚みを一定値以上に厚くして透明光学部材への内部からの反射率を10%以下となるようにしている。
このように特許文献1に開示されている光学式エンコーダは、透明光学部材の厚みを大きく取ることで、透明光学部材内部での反射光の問題を回避しようとしている。
又、検出ヘッド内部を多重反射するなどした光についても、小型化により従来よりも多くの光量が受光部へ入り易くなる。
もし、ノイズ成分による信号飽和を避けようとすると、ノイズ成分を除去する処理を余分に追加する必要が生じたり、ノイズ成分除去処理に起因する信号劣化の対策をしなければならなくなる可能性も出てくる。
図1Aは光学式エンコーダの概略構成図を示し、図1Bは同エンコーダにおけるスケールの移動方向の断面構成図を示す。この光学式エンコーダ1は、反射型である。なお、以下の実施の形態及びその各変形例では、反射型のエンコーダの例について説明するが、これに限られるものでない。
この光源4の出射面上には、光透過部材5が光透過性接着剤によって貼り付けられている。この光透過部材5の光源4側の面には、第1格子51が形成されている。この第1格子51は、x方向にピッチp1を有する光学パタンである。なお、第1格子51に必要な領域以外の部分には遮光パタンを形成してもよい。
この光透過部材5は、その上面と、光源4と接する底面、又は光検出器6に接する部分を除いて、共にセンサヘッド保護用の光透過性の樹脂材8により囲まれている。なお、光透過部材5、光透過部材5の側面に形成された遮光パタン等の光遮光部材、及び光透過性の接着剤の材質の熱的特性は、光検出器を構成するSi系半導体材料と同じ特性を有する部材を用いている。また、図1Bにおいて、光透過部材5が光源4から光検出器6へ若干はみ出して取り付けられているが、光透過性の樹脂材8を形成する際にクラック等が発生しないよう、はみ出し量が抑えられている。
光透過部材5上の第1格子51からスケール9上の第2格子91までの光学的距離をz1、スケール9上の第2格子91から光検出器6の受光面までの光学距離をz2、光源4の発光波長をλとすると、
1/z1+1/z2=λ/(n・p22) …(1)
を満足する自然数nが存在するように光源4とスケール9と光検出器6とを配置する構成とする。
これにより、スケール9の回折拡大イメージパタンが光検出器6の受光素子上に転写されたイメージを現すことができる。所定の位置に光検出器6を配置すれば、スケール9の変位量を検出可能であることが知られている。
第2図は光検出器6上に形成されている受光素子アレイから成る受光領域61の拡大図を示す。光検出器6は、矩形状の4つのフォトダイオードPD1、PD2、PD3、PD4を組み合わせて1組とし、この組み合わせを複数組配置して成る。これら複数組のフォトダイオードPD1、PD2、PD3、PD4の出力は、4つ置きの各PD出力を共通結合して4つの電気信号の出力を得るようになっている。4つの電気信号は、4つの電極パッドA1、B1、A2、B2から出力される。接続された4つ置きのPDのピッチは、p3であり、隣り合うPDとはp3/4だけずれて配置されている。
図3において、光源4の光出射部から出射された光は、光透過部材5内を伝播し、当該光透過部材5と外界(一般に空気)との界面上の点Cから出射される。この外界との界面上の点Cにおいて、外界の媒質の屈折率をn1、光透過部材5の屈折率をn2、樹脂材8の屈折率をn3、外界に伝播する屈折光の屈折角度θ1、界面の法線となす角度をθ2、n3=n2、とする。
n1・sinθ1=n2・sinθ2 …(2)
光透過部材5は、光透過樹脂又はガラスなど光検出器6や図示しない信号処理回路等を構成するSi半導体と熱的特性が同じか又は近い材質で構成されており、n2>n1である。光ビームが光透過部材5の表面で全反射する臨界角度θcとすると、次の式が成り立つ。
θc=sin−1(n1/n2) …(3)
光源4の出射部内の任意の1点と光検出器6の受光素子アレイから成る受光領域61内の任意の1点を取り、各点の位置を変化させた場合、光源4の出射部内の1点から光検出器6の受光領域61内の1点までの距離のスケールに平行な成分が取りうる最大値をD、最小値をdとする。
光源4から光透過部材5の光が出射する表面までの厚さをG、光透過部材5の表面からスケール9の第2格子91までの距離をG0、スケール9の第2格子91から樹脂材8の表面までの距離をG0’、樹脂材8の表面から光検出器6までの厚さをG’とする。又、光透過部材5の表面から光検出器6までの厚さをG’’とする。
上記式(4)を満たすDは、光透過部材5が広い領域に形成されていた場合、光源4から出射する光の内、F点近傍に入射する光が全反射し、その反射光が光検出器6に直接入射するような光透過部材5の厚みである。
図5に示すように光透過部材5の表面と樹脂材8の表面との高さが一致し、かつG=G’、G0=G0’である場合、上記式(4)は以下のように置き換えられる。
G<(D/2)/tanθc …(5)
樹脂材8は、センサヘッド2内の部材の保護を主たる目的としたものである。この樹脂材8は、例えば光に対して透明なクリアモールド樹脂を用いている。従って、樹脂材8は、センサヘッド2内の部材の保護の観点からすると、当該センサヘッド2内部の電気配線部や電極の周囲のみを保護するようにしてもよい。又、樹脂材8は、場合によって全て除去してしまっても構わない。
なお、図1A、図1Bにおいて光透過部材5の上面は、樹脂材8よりも高くなっている。この樹脂材8は、光透過性であるので、信頼性向上の観点から光透過部材5を樹脂材8で完全に埋め込んでしまっても構わない。又、光透過部材5と樹脂材8との高さを一致させても構わない。
樹脂材8は、光透過性の樹脂を用いているが、光透過性であれば色や素材を限定するものではない。また、樹脂材8は、受光素子アレイから成る受光領域61を覆わず、光検出に影響を与えないのであれば、光透過性でなくてもよい。また、樹脂材8は、複数の素材を組み合わせたり、複数層にしても構わない。
本実施の形態では、上記式(4)を満足するようにセンサヘッド2の厚みを薄くしているが、(なお、薄型化は、迷光防止による副次的な効果)必ずしも薄くなくても構わない。
光学式エンコーダ1は、上記式(1)の条件を満たすような位置に光検出器6を配置されているので、発光部である光源4から出射された光がスケール9上の第2格子91により反射又は回折され、この第2格子91のパタンの拡大された明暗像が受光素子アレイから成る受光領域61上に形成される。この受光素子アレイから成る受光領域61上の拡大像パタンは、センサヘッド2とスケール9との相対移動に応じて移動し、この移動を光検出部6で検出する。
図4A及び図4Bは、縦軸を電圧とし、横軸を位置としている。光学式エンコーダ1のセンサヘッド2とスケール9とが一定の速度で相対的に移動している場合、横軸は時間と見なしても良い。
図4Aは、互いに1/4周期だけ位相が異なる4つの信号の内、互いに180°位相差の逆相となる2組の信号の差をとって得た擬似正弦波信号であるA相信号とB相信号を表す。同図に示す例では、迷光による検出信号の飽和の影響は出ていない。
図4Bは、互いに1/4周期だけ位相が異なる4つの電極パッドA1、B1、A2、B2から出力される電気信号の1つの波形を表している。同図に示す例では、迷光が大きいためにDC成分が大きくなり、そのため、検出信号が飽和している。
又、光源4の光出射部と光検出器6の受光部の高さ位置とが合っているので、光透過部材5の側面から出る光は、基本的に斜め上に向かう。斜め上方向に向かう光は、基本的には直接光検出器6の受光部6へは向かはない。
光透過部材5の側面に特に光学的な処理を必ずしも施していなくても上記作用を実現できるが、さらに、遮光・散乱等の機能を追加することで、迷光低減機能を向上させることができる。
これにより、光透過部材5は、センサヘッド2のスケール9側の面全体に拡がっていて、光透過部材5の表面で反射した光が光検出器6上の受光領域61に直接入射された場合と比較すると、DC成分が低減される。これにより、信号飽和の可能性が低減し、より大きなゲインで信号増幅することが可能となる。その結果、DC成分レベルが低い場合に本来得られるべき、所望の検出信号レベルや問題無いSN比を得ることが可能となる。
光透過部材5の表面にエンコーダ信号の発生に寄与しない迷光を少なくとも低減する迷光低減機能要素は、光透過部材5の表面の光学的機能により迷光を低減する。すなわち、光透過部材5の側面は、迷光低減機能要素として、光透過部材5の側面から出て光検出器6上の受光領域61へ到達する光を遮断又は低減するような光透過部材5の側面の形状や表面状態となっている。これにより、光透過部材5の側面を通過する光の光量は低減されたり、光検出器6の受光素子アレイから成る受光領域61の方向へ向かう光の光量が低減される。その結果、光検出器6が検出する信号について高いSN比を得ることが可能となる。
光透過部材5の側面は、迷光低減機能要素として、光透過部材5の側面から出て光検出器6上の受光領域61へ到達する光を遮断又は低減するような光透過部材5の側面の形状と光源4や光検出器6を含めた配置の組み合わせである。これにより、光透過部材5の側面を通過する光の光量が低減されたり、光検出器6の受光素子アレイから成る受光領域61の方向へ向かう光の光量が低減されたりする。その結果、光検出器6が検出する信号について高いSN比を得ることが可能となる。
光透過部材5は、直方体の形状を有している。光透過部材5の側面は、特に光学的な処理を施していない。光源4の光出射部と光検出器6の受光部とが共通の光透過性部材に接しておらず、別体の光透過部材5と樹脂材8とに面している。これにより、光透過部材5の上面の面積は絞られ、光透過部材5の上面内部で反射角が抑えられる。しかるに、光透過部材5の上面内部で反射して光検出器6に向かう迷光の光量は大幅に減少する。又、光源4の光出射部と光検出器6の受光部の高さ位置が合っているので、光透過部材5の上面を経ずに側面から出る光は基本的には斜め上に向かう。これにより、光透過部材5の側面から出る光は、基本的には直接受光部へは向かわない。
以上の事から光透過部材5の側面から出て光検出器6上の受光領域61の側面へ向かう光を低減する作用やそれに伴う効果を有する。
一方、光透過部材5の側面は、センサヘッド2内において光透過部材5側面から光検出器6上の受光領域61へ伝達する光の光量を低減するように配置されている。これにより、迷光低減機構要素は、光透過部材5の上下の面を通過する光を低減させることはない。従って、迷光によるDC成分のみを低減するようになっている。この事から検出すべき信号は、維持したまま、SN比の改善が可能となる。
これに対して光透過部材5は、ガラスの平行平板から切り出し、必要に応じて表面の処理をしたものであり、光源4及び光検出器6上への実装前に予め形状が決まっている。これにより、事前に必要十分な加工によって、所望の形状や形状精度としておくことが可能である。特に、光透過部材5の上面と下面が平行平板ガラスの研磨面となっており、樹脂だけを用いた場合や光路上に樹脂が介在する場合と比べて表面の光学特性が良好であり、高精度な信号検出が可能となる。
光透過部材5は、実装時に位置調整可能である。光透過部材5は、実装時にハンドリング可能である。すなわち、光透過部材5は、例えばガラスにより形成されており、上下の面は平行平板の一部となっている。これにより、光透過部材5は、平行平板となった上下の面や側面を保持して実装時にハンドリングすることも可能である。
光透過部材5は、光源4のスケールに対向する面に直接積層されている。これにより、信号検出と迷光低減を行いつつ、センサヘッド2を特に厚み方向にコンパクトにまとめることが可能となる。特に、上記式(4)や上記式(5)を満たす構成、即ち、光源4からの全反射光が光検出器6に直接入射するような薄型の光学構成であっても、光源4に面実装用のチップタイプのモールドLEDを用いることで、LED上面にワイヤ配線をする必要がなく、第1格子51を有する光透過基板3を実装することが容易となる。
光検出器6に受光素子アレイを用いているが、受光素子アレイでは、検出エリア内の信号効率が高く、所定の検出信号を得るのにコンパクトな構成が可能となる。
特に、光源4側に迷光低減機能要素を持つ光透過部材5を配置するので、光透過部材5の迷光低減機能要素によっては、光検出器6上の受光領域61へ伝達する迷光のみならず、センサヘッドから外部へ、少なくとも特定の方向へ漏れる迷光を低減することが可能となる。
この第1の変形例は、上記第1の実施の形態において、光透過性の樹脂材8の形成方法を変えたものである。
実装の手順は、以下の通りである。配線基板3上に、光源4と、光検出器6と、光源4上の光透過部材5と、配線等とを実装する。その後に、配線基板3上の部材を光透過性の樹脂材8により埋め込む。埋め込みにはモールド等の製法を用いる。
製造方法以外の構成・作用・効果は、上記第1の実施の形態と同様である。
このような加工方法を取ることで、光透過性の樹脂材8による埋め込みの際に、光透過部材5上部に光透過性の樹脂材8がかからないよう配慮する必要が無くなり、実装が容易となる。
この第2の変形例は、上記第1の実施の形態において、上記第1の変形例と同様に光透過性の樹脂材8の形成方法を変えたものである。
実装の手順は、以下の通りである。配線基板3上に、光源4と、光検出器6と、光源4上の光透過部材5と、配線等とを実装する。その後に、配線基板3上の部材を光透過性の樹脂材8により埋め込む。埋め込みにはモールド等の製法を用いる。
その後、樹脂材8の上面を研磨し、当該樹脂材8と光透過部材5との各上面が揃うようにする。
又、加工により樹脂材8と光透過部材5との各上面の高さを揃えたり、その高さを調整したりすることが出来るようになり、製造時の汎用性が向上する。
製造方法以外の構成・作用・効果は、上記第1の実施の形態と同様である。
さらに、センサヘッド2から樹脂材8に比べて形状精度の高い光透過部材5が表面に出てくる分、エンコーダとしての光学性能が上記第1の変形例に比べて向上する。又、迷光の観点でも、光透過部材5上部から樹脂材8を伝達して光検出器6へ至る光の経路が無くなるため、迷光低減効果も上記第1の変形例に比べて向上する。
第3の変形例は、主に、上記第1の実施の形態において、光透過部材5を円筒状に形成し、樹脂材8を光遮光部材8aに置き換え、かつ当該光遮光部材8は、光検出器6上の受光領域61には掛からないように構成した。
光透過部材5は、円筒形状の形成されている。光透過部材5の側面には、特に光学的な処理を施していない。この光透過部材5は、上記第1の実施の形態における第1格子51と同様の第1格子51を備えている。
光遮光部材8aは、迷光低減効果を有するので、光透過部材5の側面には、当該光透過部材5の側面から出射される全ての方向へ向かう光を低減する構成・作用やそれに伴う効果は必ずしも必要ない。上記変更点以外の構成・作用・効果は、上記第1の実施の形態と同様である。
光遮光部材8aが光検出器6上の受光領域61に掛からないようにするには、一旦、受光領域61に他の部材をあてがい、光遮光部材8aをつけた後にこの他部材を外しても良いし、光遮光部材8aを全面に付けた後に、取り除いたり、押し退けたりしてもよい。
第4の変形例は、上記第1の実施の形態において、光遮光部材8bを光透過部材5と光検出器6上の受光領域61の間隙にのみ迷光低減機能要素としてのポッティングなどの製造方法で配置している。
光透過部材5の側面で光遮光部材8bに接していない領域や光遮光部材8の周囲は、光透過性の樹脂等で充填してもよい。
光遮光部材8bの配置される部分以外の構成・作用・効果は、上記第1の実施の形態と同様である。
迷光低減部材は、不透明な部材でもよいし、光源4側の面が光吸収体であったり、反射面であったりしても構わない。迷光低減部材は、透過光を光検出器6の受光素子アレイから成る受光領域61とは異なる方向へ逸らす機能を有していても構わない。
具体的には、上記条件を満たせば、迷光低減部材は、平面状・円筒面状・球面状であったり、Z軸上方から見て波状であったりしても良い。
光透過部材5の中間部に配置した迷光低減部材の光源側の側面に、光源4から出射した光が直接、又は光透過部材5を経て入射する。この入射光は、迷光低減部材の光源側の側面の形状を含めた光学特性と配置により、光検出器6の受光素子アレイから成る受光領域61へ到達しないようになっている。その結果、高いSN比を得ることが可能となる。
この第5の変形例は、上記第1の実施の形態において光遮光部材60を光透過部材5の側面にのみ配置した。光透過部材5の断面形状は、任意でよく、例えば、四角でも丸でもよい。
光透過部材5の表面のうち、光遮光部材60に接していない領域は、光透過性樹脂等で充填してもよい。光遮光部材60の配置以外の構成・作用・効果は、上記第3の変形例と同様である。
光源4と光検出器6との間の面を遮光することで、SN比向上の観点から大きな効果が得られる一方、必ずしも光透過部材5の側面全体に光遮光部材60を形成しなくても良いという効果がある。これにより、製造方法によっては工程が容易となる。
図13Aは点光源と配線基板3へのワイヤ配線と配線基板3上の電極パッド11を示す。図13Bは上記図13Aにおいて、点光源を線状光源に置き換えたものを示す。図13Cは光学式エンコーダの側面図を示す。
この実施の形態は、上記第1の実施の形態において、光源4をベアチップ光源4aに変え、光透過部材5の第1格子51を除去した。
光源4は、点状又は線状であり、第1格子の位置や向きを合わせる必要が無く、実装が容易でありながら、良好な信号検出が可能となる。
さらに、本実施の形態は、上記図8及び図9に示すように光透過部材5の周囲に迷光防止手段を設けても良い。
この第1の変形例は、上記第2の実施の形態において、光透過部材5を無くして光透過部材7を追加した。光検出器6の構造と光透過部材7以外の構成・作用・効果は、上記第2の実施の形態と同様である。
図15Aは光検出器6と、この光検出器6上に実装された光透過部材7を示す。図15Bは本光学式エンコーダの側面図を示す。
この第2の変形例は、上記第2の実施の形態の第1の変形例において、光検出器6の構造を変更し、かつ光透過部材7に第3格子71を形成追加した。
光検出器6の構造と光透過部材7以外の構成・作用・効果は、上記第2の実施の形態の第1の変形例と同様である。
Claims (16)
- 被変位検出体としての一方の部材に取り付けられたスケールと、前記一方の部材に対して相対移動する他方の部材に取り付けられ、かつ前記スケールに対向して配置された検出ヘッドとを有し、エンコーダ信号を発生する光学式エンコーダにおいて、
前記スケールは、前記相対移動する方向に所定の光学パタンが設けられ、
前記検出ヘッドは、前記スケールに所定の光を照射する発光部と、
前記発光部から前記スケールに照射され、前記光学パタンを経た前記光を受光する受光面を有し、当該受光面上に形成される光分布を検出する光検出部と、
前記発光部と前記スケールとの間の光路上、又は前記スケールと前記光検出部との間の光路上に配置される光透過部材と、
前記エンコーダ信号の発生に寄与しない迷光を少なくとも低減する迷光低減機能要素と、
を備えることを特徴とする光学式エンコーダ。 - 前記迷光低減機能要素は、前記光透過部材の表面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
- 前記迷光低減機能要素は、前記光透過部材に隣接することを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
- 前記迷光低減機能要素は、前記光透過部材の表面の光学的機能により前記迷光を低減することを特徴とする請求項1項に記載の光学式エンコーダ。
- 前記迷光低減機能要素は、前記光透過部材に隣接して配置された部材であり、当該部材の光学的機能により前記迷光を低減することを特徴とする請求項1又は3に記載の光学式エンコーダ。
- 前記迷光低減機能要素は、前記被変位検出体の変位検出に全く寄与しない部分にのみ配置又は形成されることを特徴とする請求項1項に記載の光学式エンコーダ。
- 前記光透過部材の表面は、前記エンコーダ信号の発生に関与する前記光が経由する部分を含む1つ以上の面と、当該面以外の前記エンコーダ信号の発生に関与しない1つ以上の面から形成され、
前記迷光低減機能要素は、前記光透過部材における少なくとも前記1つ以上の面に配置又は形成する、
ことを特徴とする請求項2項に記載の光学式エンコーダ。 - 前記光透過部材は、前記発光部と前記スケールとの間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。
- 前記光透過部材は、前記スケールと前記光検出部との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。
- 前記光透過部材は、実装前に予め形状が決まっていることを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。
- 前記光透過部材は、実装時に塑性変形しない材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。
- 前記光透過部材は、実装時に溶融しない材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。
- 前記光透過部材は、実装時に位置調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。
- 前記光透過部材は、実装時にハンドリング可能であることを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。
- 前記発光部と前記光検出部の前記スケール側の面が、前記光透過部材で、前記光透過部材のスケール側の面と同じ高さで前記検出ヘッド全体にかつ一体的に埋設されていると仮定した場合に、前記発光部から前記光透過部材の表面を経て前記光検出部へ至る光の経路について、前記光の経路を通る光の少なくとも一部が前記光透過部材の表面に入射する角度が前記光透過部材から外界への界面での全反射臨界角よりも大きくなる光の経路が存在することを特徴とする請求項1乃至14のうちいずれか1項に記載の光学式エンコーダ。
- 前記発光部と前記光検出部の前記スケール側の面はそれぞれ前記光透過部材により全体的かつ一体的に、前記光透過部材のスケール側の面と同じ高さで覆われるとともに、前記光透過部材の上面は略平坦であり、
前記発光部から前記第1の光透過部分の表面までの距離をt1、
前記光検出部から前記第2の光透過部分の表面までの距離をt2、
前記発光部上の位置と前記光検出部上の位置との間で最も遠くなる位置間の距離のうち前記スケールの表面に平行な方向の成分をL、
外界の屈折率をn1、
前記光透過部材の屈折率をn2とそれぞれしたとき、
ArcTan[L/(t1+t2)]≧ArcSin(n1/n2)
を満足することを特徴とする請求項1乃至14のうちいずれか1項に記載の光学式エンコーダ。
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