JP2010223408A - 真空断熱材並びにそれを用いた断熱箱体及び機器 - Google Patents

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Toshimitsu Tsuruga
俊光 鶴賀
Hisao Yokokura
久男 横倉
Kuninari Araki
邦成 荒木
Yushi Arai
祐志 新井
Takashi Izeki
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Abstract

【課題】環境負荷に優れ、断熱性能と耐熱性の両立が図れる真空断熱材を提供すること、この真空断熱材を用いた断熱箱体及び冷蔵庫等の機器を提供すること。
【解決手段】真空断熱材1は、芯鞘複合の有機繊維集合体からなる芯材3と、ゲッター剤4と、芯材3及びゲッター剤4を収納したガスバリア性の外包材2とを備え、外包材2の内部を真空封止してなる。芯鞘複合芯材3として、アモルファスからなる非晶質樹脂を溶融紡糸で形成した長繊維ウェブを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空断熱材並びにそれを用いた断熱箱体及び機器に係り、特に、熱可塑性樹脂からなる芯鞘複合繊維を用いた真空断熱材と、それを用いた保温又は保冷機能を有する断熱箱体及び機器に関する。
近年、地球温暖化に対する観点から、家電品の消費電力量の削減が望まれている。その中でも冷蔵庫、エアコン等は特に消費電力量が多い製品であり、消費電力量の削減が地球温暖化対策として必要な状況にある。冷蔵庫を例に挙げると、冷蔵庫の消費電力は、庫内の負荷量が一定であれば、冷却用圧縮機の効率と、庫内からの熱漏洩量に関係する断熱材の断熱性能によってその大部分が決まる。そのため、冷蔵庫の技術開発においては、圧縮機の効率と共に断熱材の性能向上が求められている。
高性能な断熱材としては、従来真空断熱材が知られており、無機繊維である極細グラスウール(平均繊維径:3〜5μm)を芯材に用いた真空断熱材が製品化されている。真空断熱材は、ガスバリア性の外包材中に断熱性に優れる芯材を入れ、内部を真空にすることで作製される。しかし、グラスウールの芯材を用いた真空断熱材は、製造時における粉塵発生量及びCO排出量が多いばかりでなく、リサイクル性も悪いので、環境負荷が大きいという問題がある。また、グラスウールの芯材を用いた真空断熱材は、曲げ加工が困難で、無理に曲げるとグラスウールが切断されるために、曲げ部における芯材の厚みが減少し、断熱性能が劣下するという問題もある。これらのことから、環境負荷が小さく、曲げ加工が容易な有機繊維からなる芯材を用いた真空断熱材が検討されており、下記(1)〜(5)に記載のものが従来提案されている。
(1)グラスウールと熱可塑性樹脂の繊維とを含有し、熱可塑性樹脂の繊維がポリプロピレン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレンのうちの少なくとも1種であり、熱可塑性樹脂の繊維を加熱溶融及び加圧によりグラスウールと接着した芯材を用いた真空断熱材。この真空断熱材は、グラスウールを用いているので、耐圧性が高く、形状維持特性に優れる(例えば、特許文献1参照。)。
(2)繊維の太さが1〜6デニールで、密度が150〜300Kg/mのポリエステル繊維を含有する芯材を、ポリエチレンテレフタレート製の内包材に収納すると共に、この内包材を減圧状態で外包材に収納した真空断熱材。この真空断熱材は、ポリエステル繊維を含有する芯材を用いるので、製造時及びリサイクル時の環境負荷が低く、取り扱い性や生産効率にも優れる(例えば、特許文献2参照。)。
(3)融点が異なる少なくとも2種類のポリエステル繊維を含む繊維集合体をサーマルボンド法及びニードルパンチ法でシート状に加工してなる芯材を外包材に収納したもので、低融点のポリエステル繊維として融点が110〜170℃のものを用いると共に、高融点のポリエステル繊維として融点がこれよりも20℃以上高いものを用い、繊維太さが1〜6デニールで、低融点のポリエステル繊維と高融点のポリエステル繊維の配合割合が10:90〜30:70である真空断熱材。この真空断熱材は、融点が異なる少なくとも2種類のポリエステル繊維を含む繊維集合体を芯材として用いるので、製造時やリサイクル時の環境負荷が低く、作業性に優れる(例えば、特許文献3参照。)。
(4)繊維太さが1〜6デニールのポリエステル繊維を50重量%以上含有し、ニードルパンチ法によりシート状に加工されたシート状繊維集合体からなる芯材を外包材に収納したもので、芯材を構成する各繊維の平均繊維径が9〜25μm、芯材の密度が150〜300Kg/mである真空断熱材。この真空断熱材は、ポリエステル繊維を50重量%以上含有する芯材を用いるので、製造時及びリサイクル時の環境負荷が低く、取り扱い性や生産効率に優れる(例えば、特許文献4参照。)。
(5)ポリエステル繊維からなるシート状繊維集合体を芯材として用い、これを外包材に収納したもので、外包材内に目付けが30〜200g/mのポリエステル繊維不織布で覆われたガス吸着材がさらに収納され、真空引き後の真空断熱材の厚みが0.1〜5mmである真空断熱材。この真空断熱材は、ポリエステル繊維からなるシート状繊維集合体を芯材として用いるので、製造時及びリサイクル時の環境負荷が低く、かつ取り扱い性が容易で、真空引き後の曲面加工性及び断熱性にも優れる(例えば、特許文献5参照。)。
特開2003-155651号公報 特開2006-283817号公報 特開2006-57213号公報 特開2006-29505号公報 特開2006-153199号公報
しかしながら、特許文献1に記載の真空断熱材は、グラスウールと熱可塑性樹脂の繊維を加熱溶融及び加圧することで、グラスウールと熱可塑性樹脂とを接着する構成であるので、熱可塑性樹脂の繊維が有機バインダーとして機能し、アウトガスの影響で断熱性能が低下する。また、グラスウールと熱可塑性樹脂とを満遍なく混合開繊してなる綿状混合物の積層体を芯材とした場合には、加熱溶融及び加圧により、熱可塑性樹脂の繊維同士の接合点面積が増加するため、熱移動経路が増加し、断熱性能が低下する。さらに、特許文献1に記載の真空断熱材は、芯材の一部にグラスウールを用いているので、従来例に係る真空断熱材と同様の問題、即ち、製造時における粉塵発生量及びCO排出量が多いという問題、リサイクル性が悪く、環境負荷が大きいという問題、それに、曲げ加工が困難で、無理に曲げると曲げ部における芯材の厚みが減少して、断熱性能が劣下するという問題を逃れることができない。
これに対して、特許文献2〜5に記載の真空断熱材は、芯材の材料としてグラスウールを用いないので、グラスウールを用いた場合における特有の問題については解消することができるが、芯材として分子中にエステル結合の極性基を有し、吸水率が0.4〜0.5%と高いポリエステル単繊維を用いるので、芯材に水分が吸着しやすく、芯材の熱伝導率が高くなって、高い断熱性を維持することが困難であるという問題がある。即ち、従来のグラスウールを用いた真空断熱材では、平均繊維径が3〜5μmの極細グラスウールを用いた場合、熱伝導率が約2mW/m・Kとなるので、有機繊維からなる芯材を用いた真空断熱材についても、この程度の熱伝導率が求められるが、ポリエステル単繊維を用いた真空断熱材は、熱伝導率がいずれも3mW/m・K以上となるので、冷蔵庫等の機器で要求される断熱性能を発揮することが難しい。なお、真空断熱材の作製直前に水分除去や再吸着を防ぐ処理を行えば、かかる不都合を除去できるが、製造工程が複雑化するため、真空断熱材が高コストとなる。
また、ポリエステル単繊維からなる芯材は、耐熱性(融点)が高いものを選択して用いないと、冷蔵庫等の機器に使用される断熱箱体内に収納したとき、断熱箱体内に充填される発泡断熱材の反応温度(発泡ウレタンの場合、約100℃)によって単繊維同士が融着してしまい、外包体内の空隙が少なくなって、熱伝導率が高くなるという問題もある。
本発明は、かかる従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的は、環境負荷が低く、高い断熱性能を有し、かつ発泡断熱材充填時の反応温度にも耐えることが可能な真空断熱材を提供すること、並びにこれを用いた断熱箱体及び機器を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するため、真空断熱材に関しては、有機繊維集合体からなる芯材と、該芯材を収納するガスバリア性の外包材とを備え、前記芯材が収納された前記外包材の内部を真空封止してなる真空断熱材において、前記芯材は、溶融紡糸法で形成される長繊維ウェブであって、前記長繊維ウェブを構成する各繊維が、芯部とその周囲に設けられた鞘部とを有する芯鞘複合繊維からなり、前記芯部及び前記鞘部が、熱伝導率及び耐熱性のうちの少なくともいずれか一方が異なる熱可塑性樹脂をもって形成されるという構成にした。
また、断熱箱体に関しては、外箱と内箱とで形成される空間内に真空断熱材と発泡断熱材とを充填してなる断熱箱体において、前記真空断熱材は、有機繊維集合体からなる芯材と、該芯材を収納するガスバリア性の外包材とを備え、前記芯材が収納された前記外包材の内部を真空封止してなるもので、前記芯材は、溶融紡糸法で形成される長繊維ウェブであって、前記長繊維ウェブを構成する各繊維が、芯部とその周囲に設けられた鞘部とを有する芯鞘複合繊維からなり、前記芯部及び前記鞘部が、熱伝導率及び耐熱性のうちの少なくともいずれか一方が異なる熱可塑性樹脂をもって形成されるという構成にした。
さらに、機器に関しては、外箱と内箱とで形成される空間内に真空断熱材と発泡断熱材とを充填してなる断熱箱体を備えた機器において、前記真空断熱材は、有機繊維集合体からなる芯材と、該芯材を収納するガスバリア性の外包材とを備え、前記芯材が収納された前記外包材の内部を真空封止してなるもので、前記芯材は、溶融紡糸法で形成される長繊維ウェブであって、前記長繊維ウェブを構成する各繊維が、芯部とその周囲に設けられた鞘部とを有する芯鞘複合繊維からなり、前記芯部及び前記鞘部が、熱伝導率及び耐熱性のうちの少なくともいずれか一方が異なる熱可塑性樹脂をもって形成されるという構成にした。
本発明によると、外包材の内部に収納される芯材として、溶融紡糸法で形成される長繊維ウェブであって、長繊維ウェブを構成する各繊維が、芯部とその周囲に設けられた鞘部とを有する芯鞘複合繊維からなり、芯部及び鞘部が、熱伝導率及び耐熱性のうちの少なくともいずれか一方が異なる熱可塑性樹脂をもって形成されるものを用いたので、グラスウールを用いるものに比べて環境負荷を小さくでき、かつ曲面加工性を高めることができると共に、熱伝導率及び耐熱性の調整が容易で、断熱性能及び耐熱性の向上を図ることができる。その結果、断熱箱体や冷蔵庫等の機器への適用が容易になる。
実施形態に係る真空断熱材の構造を模式的に示す断面図である。 実施形態に係る真空断熱材に用いられる芯鞘複合繊維の斜視図である。 実施形態に係る断熱箱体の構造を模式的に示す断面図である。 実施形態に係る機器の構造を模式的に示す断面図である。 各実施例及び各比較例の評価結果を示す表図である。
以下、本発明に係る真空断熱材、断熱箱体及び機器の実施形態について説明する。
図1に示すように、実施形態に係る真空断熱材1は、ガスバリア性の外包材2内に、熱可塑性樹脂の芯部と鞘部とを有する芯鞘複合繊維からなる芯材3と、ゲッター剤4とを収納し、外包材2の内部を真空封止してなる。なお、ゲッター剤4については、これを省略することもできる。
芯鞘複合繊維とは、アモルファスからなる非晶質の熱可塑性樹脂を溶融紡糸法により繊維化して、図2に示すように、芯部5の周りに鞘部6を同心円状又は偏心円状に被覆したもので、芯材3としては、未接着(サーマルボンド等が無し)の長繊維ウェブ形態となる。芯鞘複合繊維の鞘部比率は、複合比(重量比)で5重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましい。また、70重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましい。芯部5に対する鞘部6の比率が、5重量%未満であると長繊維の耐熱性が低下し、70重量%を超えると長繊維の剛性が低下するからである。熱可塑性樹脂の組合わせに関しては、芯部5がポリスチレンやポリエチレンテレフタレートの非晶質樹脂で、鞘部6がポリカーボネートや長鎖炭化水素基を含有するポリイミド、ポリイミドシロキサン、ポリアミドイミドの前駆体からなる非晶質樹脂とすることが好ましい。かかる構成によると、芯部5よりも鞘部6の熱伝導率が低くなると共に、芯部5よりも鞘部6の耐熱性が高くなって鞘部6同士が接着しにくくなるので、芯材3の断熱性能が高められる。
また、芯材3は、大気圧からその形状を保持するスペーサの機能を持つので、減圧時の圧縮応力を受けても大きな空隙を維持可能な長繊維が必要になる。
さらに、断熱性の指標である熱伝導率は、芯材3を構成する材料の種類で大きく異なり、吸湿性が低く高剛性の繊維とするためには、アモルファスからなる非晶質樹脂を用いることが特に好ましい。その理由として、ミクロ的に見て周期的に分子が並び易い秩序性の高い結晶質よりも、溶融状態で分子がランダムに冷却され、ランダム状態で固化するアモルファス構造の方が、熱伝導率の低減に有用であると考えられるからである。その一例として、熱伝導率から判断すると、結晶性のポリプロピレン樹脂が約240mW/m・Kであるのに対して、アモルファスのポリスチレン樹脂が約150mW/m・K、ポリカーボネート樹脂が約200mW/m・K、ポリイミド樹脂が約100mW/m・Kと低い。本発明の非晶質熱可塑性樹脂は、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の市販品及び冷蔵庫棚板等の粉砕物であるポリスチレンのリサイクル再生材やPETボトルやPETフィルム等の粉砕物であるポリエチレンテレフタレートのリサイクル再生材やコンパクトディスク等の粉砕物であるポリカーボネートのリサイクル再生材も使用できる。
一方、鞘部に用いた長鎖炭化水素基を含有のポリイミド、ポリイミドシロキサン、ポリアミドイミドの前駆体である熱可塑性樹脂は市販されていないため、ポリマーの合成やポリマーを貧溶剤及び水に滴下し作製した粉末状やフレーク状を用いて、溶融紡糸時の加熱により脱水閉環されるポリイミド、ポリイミドシロキサン、ポリアミドイミドの長繊維が用いられる。市販されるポリイミドの熱可塑性樹脂としては、日本ジーイープラスチックスの商品名でウルテムが知られている。しかし、ウルテムは溶融温度が350℃以上と高いため、芯鞘複合繊維とする場合には低温で溶融される材料が必要となる。その理由は、芯鞘複合繊維の芯部5には、耐熱性が低いポリスチレンやポリエチレンテレフタレートを使用するため、300℃以上の温度では加熱減量が始まり繊維の熱劣化により熱伝導率を悪化させてしまう問題があるからである。そこで、300℃以下で溶融する熱可塑性樹脂のポリイミドを検討した結果、長鎖炭化水素基を含有するポリイミド、ポリイミドシロキサン、ポリアミドイミド等の前駆体を用いることで、目的が達成されることを見出した。上記樹脂を可溶とする溶剤は、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ブチルラクトン等がある。これらの溶剤中で、ジアミン成分等と酸無水物成分等を用いて、酸無水物を過剰の状態で合成したものである。ジアミン成分としては、長鎖炭化水素基を有する1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン等があり炭素鎖長が奇数の程低温化には好ましい。その他ジアミン等として、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、3、4´−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン等をあげることができる。また、酸無水物成分として、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物、3,3´,4,4´−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ニ無水物、3,3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ニ無水物、3,3´,4,4´−ジフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、ビシクロ(2,2,2)オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ニ無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸ニ無水物等がある。
長繊維の形成方法としては、紡糸工程とウェブ形成工程とサーマルボンド等の接着工程とからなるものが知られているが、本発明では、接着させない長繊維ウェブを形成する。紡糸法には、湿式、乾式及び直接式があるが、本発明においては、溶融樹脂(ペレットやフレーク等)から紡糸されるメルトブローンやスパンボンドなどの直接式を用いる。ポリイミドの繊維には、前駆体溶液をノズルから紡糸させて溶剤を除去し加熱形成する湿式紡糸も知られているが、異なる熱可塑性樹脂で芯鞘複合繊維を作製するには、芯部と鞘部の溶融温度等が異なる問題等があることから、配向形成が可能な未接着の溶融紡糸を用いたものである。
芯部5を構成する樹脂材料としては、例えば汎用ポリスチレンで説明すると、側鎖のベンゼン環が嵩高く分子鎖が剛直で絡み難く脆く、曲げ弾性率が約3000MPaと高いものが好ましい。ポリスチレンは、疎水性の非極性基を有し吸湿性が低く、繊維化できれば分子量に制限がなく約6万〜35万が好ましい。しかし、ポリスチレンの代りに、例えば芯部5に結晶質樹脂のポリエチレンやポリプロピレンを用いると、吸湿性は低いが、曲げ弾性率も低くなり、減圧時の圧縮応力で高空隙を形成することが難しくなる。また、熱伝導率も5mW/m・K以上と悪くなる。
繊維状態は、短繊維ではポイント繊維集合体の長さが短く熱伝導率が劣るため、熱伝導率から繊維状態としては長繊維(連続した不定の長さの繊維)で、平均繊維径を6〜20μmとすることが好ましい。また、繊維の剛さが繊維直径の4乗とヤング率の積に比例し、長径を1/2にした際に剛さが1/16まで小さくなるので、約6μm以上とすることが好ましい。逆に、繊維径が大きすぎると繊維の接触が線に近くなり、接触熱抵抗の低減で熱伝導率が高くなるので、約20μm以下とすることが好ましい。なお、平均繊維径は、走査式電子顕微鏡で約10本の繊維を含む視野の繊維直径を測定した。さらに、芯材3の密度は、150Kg/m以下で芯材の強度が低下し、300Kg/m以上では重くなって空隙率が低下するため、熱伝導率が高くなる。このように、芯材3の密度は、軽すぎても重すぎても断熱性が低下する傾向にあり、密度は150〜300Kg/mとすることが好ましい。芯材3の密度は、外包材2に収容した真空引き後の密度であり、真空断熱材1を作製した重量から、外包材2とゲッター剤4の重量を差し引き、芯材3の重量と真空断熱材1の体積から密度を算出したものである。
本発明の芯鞘複合繊維は、例えば芯部5がポリスチレンで、鞘部6がポリイミド前駆体からなるものであり、溶融紡糸法により複合ノズルから押し出し延伸で直接未接着の長繊維ウェブを形成してなる。ポリスチレンでは、曲げ弾性率が高いGPPS(PSジャパン社製で商品名がPSJ−ポリスチレン)で、樹脂の溶融粘度(メルトフローレート:MFR)が良流動から高流動のペレットが好ましい。ポリスチレンやポリイミド前駆体の熱可塑性樹脂は押出し温度が約250〜300℃でポリイミド繊維に紡糸され、温度が低いと押し出しトルクが増大して、温度が高いとゲル化しやすく繊維化されにくい。芯鞘複合繊維としては、接着結合されていない芯鞘複合繊維であり、配向した長繊維ウェブが生ずるように形成捕集される。具体的には、溶融紡糸法のメルトブローンやスパンボンドで芯部5と鞘部6とで異なる熱可塑性樹脂を用い、複合ノズル先端から押出し空気の噴射で繊維を延伸して、コレクター上に付着させて未接着の長繊維ウェブを形成する。なお、繊維の断面形状としては、円形に限らず、円形状、Y形状、楕円形状、星形状、多角形状等でも良い。アモルファスの非晶質樹脂は、成形収縮率が小さいので、繊維径のバラツキが少ない長繊維ウェブを製造できる。当然ながら、粉砕物のリサイクル再生材を単独で、若しくは新品と併用することにより作成された芯鞘複合の長繊維ウェブを真空断熱材1に使用することもできる。また、支障のない範囲であれば、相溶化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、無機充填剤の補助成分を添加することも可能である。
本発明の芯鞘複合芯材は、グラスウールやポリエステル単繊維とは異なり、外包材2を溶着する温度以下の加温(約60〜80℃)処理を施すことにより、折り曲げが可能な真空断熱材が得られる。非晶質樹脂の長繊維は、ガラス転移温度付近でヤング率が低下し、加温処理での伸度増加で形状曲げが容易になるからである。また、本発明の芯鞘複合芯材は、グラスウールやポリエステル単繊維とは異なり、吸湿性が低いため、外包材2内に収納する前の乾燥処理が不要である。
外包材2は、内部に気密部を設けて芯材3を覆う材料構成であり、減圧封止において芯材形状が反映される材質が好ましい。外包材3としては、ラミネートフィルムを袋状にしたものが用いられ、衝撃対応の最外層とガスバリア性確保の中間層と熱融着によって密閉する最内層を有する。例えば、最外層材料としてはポリアミドフィルムを挙げることができ、中間層材料としてはアルミニウム蒸着層を有するエチレンービニルアルコール共重合体フィルムを挙げることができ、最内層材料としては高密度ポリエチレンを挙げることができる。より具体的には、最外層にポリエチレンテレフタレート、中間層にアルミニウム箔、最内層に高密度ポリエチレンからなるラミネートフィルムや、最外層にポリエチレンテレフタレート、中間層にアルミニウム蒸着層を有するエチレンービニルアルコール共重合体、最内層に高密度ポリエチレンからなるラミネートフィルムである。
真空断熱材の信頼性を向上させるには、ゲッター剤4を用いる。ゲッター剤は、二酸化炭素、酸素、窒素等のガス、水蒸気を吸収するものであればよく、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、モレキュラーシーブス、シリカゲル、酸化カルシウム、ゼオライト、疎水性ゼオライト、活性炭、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の吸収剤が使用される。
真空断熱材1は、保温や保冷が必要な各種の製品、例えば冷蔵庫、車両、建築建材、自動車、医療用機器等に適用できる。特に、熱交換部を含み断熱が必要な機器全般に有効である。このような機器に本発明の真空断熱材1を適用した場合、保温や保冷機能を向上させ、熱漏洩量及び消費電力量を低減することが期待できる。また、車両に適用した場合には、真空断熱材1を薄型化できるので、車内空間を拡大できると共に、結露等の問題を解決することができる。
これらの機器に真空断熱材1を適用する場合には、真空断熱材1を収納した断熱箱体を形成することにより行う。図3に示すように、断熱箱体7は、鉄板をプレス成型することにより形成された箱体9の内部に、真空断熱材1と発泡ウレタン等の発泡断熱材8とを充填してなる。箱体9の内部に真空断熱材1及び発泡断熱材8を充填する方法としては、箱体9の内部に真空断熱材1のみを設置した後、当該箱体9の残りの空隙部分に発泡ウレタン等8を注入する方法と、真空断熱材1と発泡断熱材8とを一体成型してなる断熱材を箱体9内に収納する方法とがある。なお、真空断熱材1の曲げ部3´は、真空断熱材1を外包材2の溶着温度以下の温度(例えば、約60〜80℃)で加温しながら曲げることで形成される。このように、曲げ加工時の温度を規制することにより、外包材2の歪みが少なく、曲げ部3´における熱伝導率が低い真空断熱材1を作製することが可能になる。
冷蔵庫等に関してもこれと同様であって、図4に示すように、内箱11と外箱12とで構成される空間内に真空断熱材1を設置し、残りの空間内に発泡ウレタン等の発泡断熱材8を充填してなる。なお、真空断熱材1と発泡断熱材8とを一体成型してなる断熱材を箱体9内に収納する場合には、真空断熱材1を内箱11に貼り付けると共に、発泡断熱材8を外箱12に貼り付けて、内箱11及び外箱12の両者で挟持する。冷蔵庫等には、家庭用や業務用の冷蔵冷凍庫、自動販売機、商品陳列棚、保冷庫、クーラーボックス等が含まれる。
以下、本発明に係る真空断熱材、断熱箱体及び機器の実施例と、芯鞘複合繊維以外の芯材を用いた比較例1〜4とについて説明する。図5に、各実施例及び各比較例についての評価結果を示す。
芯部の非晶質樹脂として、汎用のポリスチレン(PSジャパン社製の商品名がPSJ−ポリスチレン)を用い、鞘部の非晶質樹脂として長鎖炭化水素基を含有するポリイミド前駆体を用いた。その合成法は、撹拌機を付与した容器に長鎖炭化水素基を有するジアミン成分として、1,7−ジアミノヘプタン及び酸無水物成分として、過剰の3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物をN−メチル−2−ピロリドンの溶剤中で、窒素ガス雰囲気下により6時間撹拌して重縮合させて得られた溶液をメタノール等の貧溶剤に滴下し形成する粉末樹脂を用いたものである。芯部樹脂がポリスチレン、鞘部樹脂がポリイミド前駆体の両者をメルトブローン紡糸により、紡糸温度が約290℃で溶融閉環し複合紡糸ノズルを通して、複合比を重量で芯部60部及び鞘部40部の割合でポリスチレン/ポリイミドの芯鞘複合繊維を作製した。その方法は、複合紡糸ノズルから紡糸された繊維を空気噴射で冷却制御するエジェクターから繊維をコレクター上に付着させて、略円形状の長繊維ウェブを形成した。その平均繊維径は、約10.6μmで密度が約230Kg/mである。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、形成した未接着の長繊維ウェブの芯鞘複合芯材を重ねて入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を挟め、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。熱伝導率が2.1mW/m・K、さらに、真空断熱材を60℃の恒温槽中に30日間放置後、熱伝導率を再測定したところ3.5mW/m・Kであった。上記から、アモルファスからなる非晶質樹脂の芯部にポリスチレン、鞘部にポリイミドからなる芯鞘複合繊維を用いた真空断熱材では、熱伝導率が低く、断熱性能と環境負荷に優れ、発泡ウレタン充填時の反応温度にも耐え耐熱性が良好な真空断熱材を提供できる。
〔比較例1〕
実施例1の芯鞘複合繊維の代りに、ポリスチレン単繊維を用いてサーマルボンド法で熱接着して、シート状のポリスチレン芯材(平均繊維径:約12.5μm、密度:約180Kg/m)を作製した。その芯材をガスバリア性の外包材に、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)と共に入れ真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内で内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールで真空封止して、真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を作製した。このようにして得られた真空断熱材は、熱伝導率が4.8mW/m・Kと高く、60℃の恒温槽中に30日間放置した熱伝導率を再測定したところ、8.5mW/m・Kと大きく劣化した。従って、図5に示すように、ポリスチレン単繊維をサーマルボンドで接着した芯材は環境負荷が小さく、繊維同士の融着により熱伝導率が高く断熱性能の劣化が大きくなる。また、真空断熱材に発泡ウレタンを充填したところ、耐熱性が不良で反応時の温度に耐えられずパネル変形が発生した。
冷蔵庫のトレー等から回収されるリサイクル材の再生ポリスチレン樹脂を芯部に、鞘部の非晶質樹脂として、長鎖炭化水素基を含有するポリイミドシロキサン前駆体を用いた。その合成法は、撹拌機を付与した容器に、長鎖炭化水素基を有するジアミン成分として、1,9−ジアミノノナンとビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン及び酸無水物成分として、過剰の3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物をN−メチル−2−ピロリドンの溶剤中で、窒素ガス雰囲気下で8時間撹拌して重縮合させ、得られた溶液をメタノール等の貧溶剤に滴下して得られた粉体樹脂を用いたものである。芯部樹脂がリサイクルから再生されるポリスチレン、鞘部樹脂がポリイミドシロキサン前駆体の両者をメルトブローン紡糸で紡糸温度が280℃で溶融閉環して複合紡糸ノズルを通し、複合比を重量で芯部50部及び鞘部50部の割合として、ポリスチレンのリサイクル材/ポリイミドシロキサンの芯鞘複合繊維を作製した。その方法は、複合紡糸ノズルより紡糸された繊維を空気噴射で冷却制御されるエジェクターから繊維をコレクター上に付着させ、略円形状の長繊維ウェブを形成した。その平均繊維径は、約6.0μmで密度が約150Kg/mである。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、形成した未接着の長繊維ウェブからなる芯材を重ねて入れ、ガス吸着のゲッター剤(疎水性ゼオライトHiSiv−3000)を挟め、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールして真空封止で真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を得た。その後、曲げ試験機の支持台圧子に真空断熱材を挟み、約60〜80℃の温度で加温しながら曲げ形状の真空断熱材を作製し、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で熱伝導率を測定したところ、2.3mW/m・Kであった。また、折り曲げ性を曲げ試験機を用い、試験条件(速度が10mm/min、支点間距離が100mmで支持台及び圧子がφ20mmの丸棒を加温)で変位量40mmの最大曲げ荷重(N)を測定した。その結果、折り曲げ性は70.5Nと低く、60℃の恒温槽中に30日間放置後の熱伝導率を再測定したところ、3.9mW/m・Kであった。上記から、アモルファスからなる非晶質樹脂の芯部にポリスチレンのリサイクル材、鞘部にポリイミドシロキサンからなる芯鞘複合繊維を用いた真空断熱材では、熱伝導率が低く断熱性能と環境負荷に優れ、発泡ウレタン充填時の反応温度にも耐えることが可能な耐熱性の真空断熱材を提供できる。
〔比較例2〕
実施例2の芯鞘複合繊維の代りに、ポリエチレンテレフタレート(三菱化学社製の商品名がノバペックス)の単繊維集合体を芯材(平均繊維径:約17.2μm、密度:約210Kg/m)に用いた。その芯材をガスバリア性の外包材に、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)と共に入れ真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内で内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールで真空封止して、真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を作製した。このようにして得られた真空断熱材は、熱伝導率が4.5mW/m・Kと高く、60℃の恒温槽中に30日間放置した熱伝導率を再測定したところ、8.2mW/m・Kと大きく劣化した。従って、図5に示すように、ポリエチレンテレフタレート単繊維の芯材は環境負荷が小さく、吸湿性による水分付着で熱伝導率が高くなり断熱性能の劣化が大きい。また、真空断熱材に発泡ウレタンを充填したところ、反応時の温度に耐えられず耐熱性が不良でパネルの変形が発生した。
芯部の非晶質樹脂として、ポリエチレンテレフタレート((三菱化学社製の商品名がノバペックス)を用い、鞘部の非晶性樹脂としてポリカーボネート(帝人化成社製の商品名がパンライト)を用い、スパンボンド紡糸により、紡糸温が約260℃で溶融して複合紡糸ノズルを通し、複合比を重量で芯部30部及び鞘部70部の割合として、ポリエチレンテレフタレート/ポリカーボネートの芯鞘複合繊維を作製した。その方法は、複合紡糸ノズルより紡糸された繊維を空気噴射で冷却制御されるエジェクターから繊維をコレクター上に付着させ、略円形状の長繊維ウェブを形成した。その平均繊維径は、約20.0μmで密度が約300Kg/mである。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、形成した未接着の長繊維ウェブからなる芯材を重ねて入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を挟め、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。熱伝導率が2.9mW/m・K、さらに、真空断熱材を60℃の恒温槽中に30日間放置後に熱伝導率を再測定したところ4.8mW/m・Kであった。上記から、アモルファスからなる非晶質樹脂の芯部にポリエチレンテレフタレート、鞘部にポリカーボネートからなる芯鞘複合繊維を用いた真空断熱材では、熱伝導率が低く断熱性能と環境負荷に優れ、発泡ウレタン充填時の反応温度にも耐えることが可能な耐熱性の真空断熱材を提供できる。
芯部の非晶質樹脂として、汎用のポリスチレン(PSジャパン社製の商品名:PSJ−ポリスチレン)を用い、鞘部の非晶質樹脂として長鎖炭化水素基を含有するポリアミドイミド前駆体を用いた。その合成法は、撹拌機を付与した容器に長鎖炭化水素基を有するジアミン成分として、1,7−ジアミノヘプタンとアジピン酸ジヒドラジド及び酸無水物成分として、過剰の3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物と3,3´,4,4´−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ニ無水物をN−メチル−2−ピロリドンの溶剤中において、窒素ガス雰囲気下で8時間撹拌して重縮合させ、得られた溶液をメタノール等の貧溶剤に滴下して形成した粉末樹脂を用いたものである。芯部樹脂がポリスチレン、鞘部樹脂がポリアミドイミド前駆体の両者をメルトブローン紡糸により、紡糸温度が約300℃で溶融閉環して複合紡糸ノズルを通し、複合比を重量で芯部60部及び鞘部40部の割合としてポリスチレン/ポリアミドイミドの芯鞘複合繊維を作製した。その方法は、複合紡糸ノズルより紡糸された繊維を空気噴射で冷却制御されるエジェクターから繊維をコレクター上に付着させ、略円形状の長繊維ウェブを形成した。その平均繊維径は、約12.8μmで密度が約250Kg/mである。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、形成した未接着の長繊維ウェブからなる芯材を重ねて入れ、ガス吸着のゲッター剤(疎水性ゼオライトHiSiv−3000)を挟め、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。熱伝導率が2.7mW/m・K、さらに、真空断熱材を60℃の恒温槽中に30日間放置後、熱伝導率を再測定した結果4.6mW/m・Kであった。上記から、アモルファスからなる非晶質樹脂の芯部にポリスチレン、鞘部にポリアミドイミドからなる芯鞘複合繊維を用いた真空断熱材では、熱伝導率が低く断熱性能と環境負荷に優れ、発泡ウレタン充填時の反応温度にも耐えることが可能な耐熱性の真空断熱材を提供できる。
非晶質のポリカーボネート(帝人化成社製の商品名がパンライト)を芯部に、鞘部の非晶質樹脂として長鎖炭化水素基を含有するポリイミドシロキサン前駆体を用いた。その合成法は、撹拌機を付与した容器に、長鎖炭化水素基を有するジアミン成分として、1,9−ジアミノノナンと1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン及び酸無水物成分として、過剰の3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物をN−メチル−2−ピロリドンの溶剤中で、窒素ガス雰囲気下により7時間撹拌して重縮合させ、得られた溶液をメタノール等の貧溶剤に滴下して得られた粉体樹脂を用いたものである。芯部樹脂がポリカーボネート、鞘部樹脂がポリイミドシロキサン前駆体の両者をメルトブローン紡糸により、紡糸温度が280℃で溶融閉環して複合紡糸ノズルを通し、複合比を重量で芯部50部及び鞘部50部の割合としてポリカーボネート/ポリイミドシロキサンの芯鞘複合繊維を作製した。その方法は、複合紡糸ノズルより紡糸された繊維を空気噴射で冷却制御されるエジェクターから繊維をコレクター上に付着させ、略円形状の長繊維ウェブを形成した。その平均繊維径は、約9.5μmで密度が約180Kg/mである。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、形成した未接着の長繊維ウェブからなる芯材を重ねて入れ、ガス吸着のゲッター剤(疎水性ゼオライトHiSiv−3000)を挟め、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールして真空封止で真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を得た。その後、曲げ試験機の支持台圧子に真空断熱材を挟み、約60〜80℃の温度で加温しながら曲げ形状の真空断熱材を作製し、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で熱伝導率を測定したところ、2.4mW/m・Kであった。また、折り曲げ性を曲げ試験機を用い、試験条件(速度が10mm/min、支点間距離が100mmで支持台及び圧子がφ20mmの丸棒を加温)で変位量40mmの最大曲げ荷重(N)を測定した。その結果、折り曲げ性は72.4Nと低く、60℃の恒温槽中に30日間放置後の熱伝導率を再測定したところ、4.5mW/m・Kであった。上記から、アモルファスからなる非晶質樹脂の芯部にポリカーボネート、鞘部にポリイミドシロキサンからなる芯鞘複合繊維を用いた真空断熱材では、熱伝導率が低く断熱性能と環境負荷に優れ、発泡ウレタン充填時の反応温度にも耐えることが可能な耐熱性の真空断熱材を提供できる。
PETボトル等からリサイクルした非晶質の再生ポリエチレンテレフタレート樹脂を芯部に、鞘部の非晶質樹脂として長鎖炭化水素基を含有するポリイミド前駆体を用いた。その合成法は、撹拌機を付与した容器に長鎖炭化水素基を有するジアミン成分として、1,9−ジアミノノナン及び酸無水物成分として、過剰の3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物と3,3´,4,4´−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ニ無水物をN−メチル−2−ピロリドンの溶剤中で、窒素ガス雰囲気下により6時間撹拌して重縮合させ、得られた溶液をメタノール等の貧溶剤に滴下して形成される粉末樹脂を用いたものである。芯部樹脂がポリエチレンテレフタレートのリサイクル材、鞘部樹脂がポリイミド前駆体の両者をスパンボンド紡糸により、紡糸温度が約290℃で溶融閉環して複合紡糸ノズルを通し、複合比を重量で芯部60部及び鞘部40部の割合としてポリエチレンテレフタレートのリサイクル材/ポリイミドの芯鞘複合繊維を作製した。その方法は、複合紡糸ノズルより紡糸された繊維を空気噴射で冷却制御されるエジェクターから繊維をコレクター上に付着させ、略円形状の長繊維ウェブを形成した。その平均繊維径は、約14.2μmで密度が約220Kg/m3である。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、形成した未接着の長繊維ウェブからなる芯材を重ねて入れ、ガス吸着のゲッター剤(疎水性ゼオライトHiSiv−3000)を挟め、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。熱伝導率が2.8mW/m・K、さらに真空断熱材を60℃の恒温槽中に30日間放置後、熱伝導率を再測定した結果4.9mW/m・Kであった。上記から、アモルファスからなる非晶質樹脂の芯部にポリエチレンテレフタレートのリサイクル材、鞘部にポリイミドからなる芯鞘複合繊維を用いた真空断熱材では、熱伝導率が低く断熱性能と環境負荷に優れ、発泡ウレタン充填時の反応温度にも耐えることが可能な耐熱性の真空断熱材を提供できる。
実施例7は、本発明の真空断熱材を冷蔵庫に用いた例である。冷蔵庫は、真空断熱材及びその他の断熱材により断熱されている。冷蔵庫において、外気温との温度差が特に大きいのは、コンプレッサー周辺部と、冷蔵庫背面の内箱の外面側である。この部位に本発明の真空断熱材1を使用することが有効である。真空断熱材には非晶質樹脂の芯鞘複合芯材を設け、変形部と平面部を組み合わせて作製したものを用いた。真空断熱材は、断熱壁の曲げ部に沿って配設した真空断熱材である。真空断熱材を曲げ部の内箱側に設置する場合は、内箱の形状に沿って内箱に密着するように設置してある。また、真空断熱材は、曲げ部の外箱側に設置する場合は、外箱の形状に沿って設置してある。断熱壁の曲げ部は断熱壁の変形部を構成する部分である。なお、外箱の背面部及び冷蔵庫扉の1つには、やはり真空断熱材を配置してある。箱体にポリオールとイソシアネートとを、高圧発泡機を用い注入充填して冷蔵庫の断熱材を作製した。発泡断熱材の発泡ウレタンフォームは、ポリオールに平均水酸基価が450のm−トリレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを40重量部、平均水酸基価が470のオルト‐トリレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを30重量部、平均水酸基価が380のo−トリレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを30重量部の混合ポリオール成分100重量部に、シクロペンタン15重量部に水1.5部及び反応触媒としてテトラメチルヘキサメチレンジアミン1.2重量部とトリメチルアミノエチルピペラジン2部、整泡剤として有機シリコーン化合物X−20−1614を2重量部、イソシアネートとしてミリオネートMRのジフェニルメタンイソシアネート多核体を125部用いて発泡充填した。前記断熱後の冷蔵庫の熱漏洩量及び消費電力量を測定した。冷蔵庫の熱漏洩量は、冷蔵庫の動作状態と反対の温度条件を設定し庫内からの熱漏洩量として測定を行った。具体的には、−10℃の恒温室内に冷蔵庫を設置し、庫内温度を所定の測定条件(温度差)になるようにヒータにそれぞれ通電して、冷蔵庫の消費電力と冷却性能を比較する温度条件で測定した。冷蔵庫の消費電力量はJIS測定基準で行った。その結果、真空断熱材を挿入しなかった冷蔵庫に比べて、熱漏洩量で約8.5%、消費電力量で約12%低減可能な冷蔵庫を提供できた。なお、前記の発泡ウレタンは、本発明の断熱材1と共に、冷蔵庫及び断熱箱体に使用することが可能であり、発泡ウレタン以外にフェノールやスチレンのフォームも例示されるが、シクロペンタン及び水を混合発泡剤とする発泡ウレタンが好ましい。
実施例8は、真空断熱材と発泡ウレタンを併用させた車両の断熱材として使用する例である。車両においては、軽量化と耐圧性向上を図るため、その側面及び屋根構造体には曲面を有する構造体もある。従来の真空断熱材では、グラスウールの芯材は環境負荷が大きく、また、曲げると外包材に歪みが生じ内部真空度の低下で断熱性能が劣る。一方、ポリエチレンテレフタレート単繊維の芯材は環境負荷に優れる。しかし、発泡ウレタン等と併用させる断熱材とすると、反応温度に耐えられずパネルが高温で変形してしまう。そこで、本発明の芯鞘複合の芯材を用いた真空断熱材は、構造体の曲面に沿って貼り付けること及び発泡ウレタンとの反応温度にも耐えられ、環境負荷も小さい断熱材で車両の断熱効果を有し結露等の問題も発生せず、断熱材としての厚さを低減することができ車両の室内空間が広くなる効果も見られ、本発明の真空断熱材は車両用の断熱材としても有効である。
実施例9は、真空断熱材と発泡ウレタンを併用させた自動販売機の断熱材として使用する例である。自動販売機においては、消費電量低減と空間容積の向上を図るため、平板形状及び曲げ形状の真空断熱材を有する構造となっている。従来の真空断熱材では、グラスウールの芯材は環境負荷が大きく、また、曲げると外包材に歪みが生じ内部真空度の低下で断熱性能が劣る。一方、ポリエチレンテレフタレート単繊維の芯材は環境負荷に優れる。しかし、発泡ウレタンと併用させる断熱材とすると、反応温度に耐えられずパネルが高温で変形してしまう。そこで、本発明の芯鞘複合の芯材を用いた真空断熱材は、構造体の曲面に沿っても貼り付けることが可能で、発泡ウレタンを充填させても耐えられる耐熱性の真空断熱材であり、断熱特性に優れ消費電力低減と空間容積向上の自動販売機用断熱材としても有効である。
〔比較例3〕
実施例1〜8の芯鞘複合繊維の代りに、極細で平均繊維径が4.1μmのグラスウール集合体(平均繊維径:4.1μm、密度:250Kg/m)は吸湿性が高いため、水分除去(約300℃/1h乾燥)の処理をした芯材を用い、ガスバリア性の外包材にガス吸着のゲッター剤4(モレキュラーシーブス13X)と共に入れ、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れ、チャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールして真空封止により真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を作製した。このようにして得られた、曲げ形状の真空断熱材は折り曲げ性を実施例2等と同様に測定をしたところ、最大曲げ荷重が144Nと高く曲げ難く、さらに、真空断熱材を60℃の恒温槽中に30日間放置後、熱伝導率を再測定したところ、外包材に歪みが生じ内部真空度の低下で断熱性能が5.4mW/m・Kまで劣化した。従って、図5に示すように、グラスウールの芯材は環境負荷が大きく、初期の熱伝導率は低く断熱性能に優れるが、曲げ形状の真空断熱材を60℃の恒温槽中に30日間放置すると外包材の歪みの影響で熱伝導率が大きく劣る問題を有する。
〔比較例4〕
実施例1〜8の芯鞘複合繊維の代りに、結晶性のポリプロピレン単繊維(平均繊維径:16.5μm、密度:180Kg/m)の芯材を用い、ガスバリア性の外包材にガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)と共に入れ、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールで真空封止により真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を作製した。このようにして得られた、曲げ形状の真空断熱材は折り曲げ性を実施例2等と同様に測定をしたところ、最大曲げ荷重が85.5Nと比較的曲げ易くなるが、初期熱伝導率が柔らかく空隙率が低く3.8mW/m・K及び60℃の恒温槽中に30日間放置後熱伝導率を再測定したところ、6.2mW/m・Kと高く、断熱性能が劣る。従って、図5に示すように、ポリプロピレン繊維の芯材は環境負荷が小さく、熱伝導率が高く断熱性能が劣り発泡ウレタンとの反応温度に耐えられず耐熱性が不良の問題を有する。
本発明の真空断熱材、断熱箱及び機器は、非晶質の熱可塑性樹脂からなる芯鞘複合長繊維ウェブを芯材とするので、グラスウール芯材の真空断熱材と同等の熱伝導率(2mW/m・K)を示し、発泡断熱材反応時の温度に耐え、かつ、環境負荷が小さい。よって、熱漏洩量及び消費電力量の低減が求められる冷蔵庫、車両、建築建材、自動車、医療用機器等にりようすることができる。
1 真空断熱材
2 外包材
3 芯鞘複合芯材
3′ 芯材曲げ部
4 ゲッター剤
5 芯部
6 鞘部
7 断熱箱体
8 発泡断熱材(発泡ウレタン)
9 箱体
10 冷蔵庫
11 冷蔵庫内箱
12 冷蔵庫外箱

Claims (13)

  1. 有機繊維集合体からなる芯材と、該芯材を収納するガスバリア性の外包材とを備え、前記芯材が収納された前記外包材の内部を真空封止してなる真空断熱材において、
    前記芯材は、溶融紡糸法で形成される長繊維ウェブであって、前記長繊維ウェブを構成する各繊維が、芯部とその周囲に設けられた鞘部とを有する芯鞘複合繊維からなり、前記芯部及び前記鞘部が、熱伝導率及び耐熱性のうちの少なくともいずれか一方が異なる熱可塑性樹脂をもって形成されることを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1に記載の真空断熱材において、前記外包材の内部に、前記芯材と共にゲッター剤を収納したことを特徴とする真空断熱材。
  3. 請求項1に記載の真空断熱材において、前記鞘部が、前記芯部を構成する熱可塑性樹脂よりも熱伝導率の低い熱可塑性樹脂をもって形成されていることを特徴とする真空断熱材。
  4. 請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の真空断熱材において、前記鞘部が、前記芯部を構成する熱可塑性樹脂よりも耐熱性の高い熱可塑性樹脂をもって形成されていることを特徴とする真空断熱材。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の真空断熱材において、10℃における熱伝導率が2.1mW/m・K〜2.9mW/m・Kであることを特徴とする真空断熱材。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の真空断熱材において、前記芯材を構成する熱可塑性樹脂が、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、長鎖炭化水素基を含有するポリイミド、ポリイミドシロキサン、ポリアミドイミドの前駆体物から選択されるいずれか1つであることを特徴とする真空断熱材。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の真空断熱材において、前記芯材を構成する熱可塑性樹脂が、非晶質であることを特徴とする真空断熱材。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の真空断熱材において、前記長繊維ウェブは、メルトブローン紡糸及びスパンボンド紡糸のいずれかにより形成したものであることを特徴とする真空断熱材。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の真空断熱材において、前記長繊維ウェブの平均繊維径が、6〜20μmであることを特徴とする真空断熱材。
  10. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の真空断熱材において、前記長繊維ウェブの密度が、150〜300Kg/mであることを特徴とする真空断熱材。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の真空断熱材において、前記芯材を内袋の内部に収納し、前記内袋を収納した前記外包材の内袋を含む内部を減圧密封したことを特徴とする真空断熱材。
  12. 外箱と内箱とで形成される空間内に真空断熱材と発泡断熱材とを充填してなる断熱箱体において、
    前記真空断熱材は、有機繊維集合体からなる芯材と、該芯材を収納するガスバリア性の外包材とを備え、前記芯材が収納された前記外包材の内部を真空封止してなるもので、
    前記芯材は、溶融紡糸法で形成される長繊維ウェブであって、前記長繊維ウェブを構成する各繊維が、芯部とその周囲に設けられた鞘部とを有する芯鞘複合繊維からなり、前記芯部及び前記鞘部が、熱伝導率及び耐熱性のうちの少なくともいずれか一方が異なる熱可塑性樹脂をもって形成されることを特徴とする断熱箱体。
  13. 外箱と内箱とで形成される空間内に真空断熱材と発泡断熱材とを充填してなる断熱箱体を備えた機器において、
    前記真空断熱材は、有機繊維集合体からなる芯材と、該芯材を収納するガスバリア性の外包材とを備え、前記芯材が収納された前記外包材の内部を真空封止してなるもので、
    前記芯材は、溶融紡糸法で形成される長繊維ウェブであって、前記長繊維ウェブを構成する各繊維が、芯部とその周囲に設けられた鞘部とを有する芯鞘複合繊維からなり、前記芯部及び前記鞘部が、熱伝導率及び耐熱性のうちの少なくともいずれか一方が異なる熱可塑性樹脂をもって形成されることを特徴とする機器。
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