JP2010222415A - コークス炉炭化室炉壁補修判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】押出機の軌条劣化による駆動電流値増大分を除去して、真に炉壁レンガの損耗を検出することが可能なコークス炉炭化室炉壁補修判定方法を提供する。
【解決手段】コークスを押出さずに押出機の押出ロッドを駆動したときの空駆動電流値を予め窯毎に検出し、コークス押出時の押出ロッドの駆動電流値から予め検出された窯毎の空駆動電流値を減じた炉壁補修判定用駆動電流値が予め設定された所定電流値以上であるか、又はコークス押出時の押出ロッドの駆動電流値が空駆動電流値を見込んだ窯毎の所定電流値以上であるときに、当該炭化室の窯の炉壁を補修すべきであると判定する。
【選択図】図3
【解決手段】コークスを押出さずに押出機の押出ロッドを駆動したときの空駆動電流値を予め窯毎に検出し、コークス押出時の押出ロッドの駆動電流値から予め検出された窯毎の空駆動電流値を減じた炉壁補修判定用駆動電流値が予め設定された所定電流値以上であるか、又はコークス押出時の押出ロッドの駆動電流値が空駆動電流値を見込んだ窯毎の所定電流値以上であるときに、当該炭化室の窯の炉壁を補修すべきであると判定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、コークス炉の炭化室の炉壁の補修時期を判定するコークス炉炭化室炉壁補修判定方法に関するものである。
コークス炉では、押出機の押出ロッドによるコークスの押出作業を日々行うが、炭化室の炉壁レンガは、長年の使用による損耗が生じ、補修或いはレンガの部分的な積替え補修を行う必要が生じる。特に、窯口に近い炉壁レンガは、炉蓋取外しの度に大気に晒されるため、中央部に比して損耗の程度が大きい。そこで、下記特許文献1、或いは特許文献2に記載されるコークス炉炭化室炉壁補修判定方法では、押出機によるコークス押出時の駆動電流値を検出し、この駆動電流値が所定値以上になったときに、炭化室の炉壁レンガの損耗が進行して補修が必要であると判定するようにしている。
ところで、コークス炉の経年劣化に伴い、移動機械、特に押出機の軌条劣化が進行している。押出機の軌条は、レール自体の摩耗状況、亀裂の有無、レールを支える基礎の状態などを点検し、軌条レベルを測定して、定期的な補修を実施している。
しかしながら、軌条の劣化により、軌条間のレベル差、つまり傾きが発生し、それによって押出機に微小な傾きが発生する。押出機の傾きは押出ロッドの傾きとなり、例えば押出ロッドが押出方向に下がるように傾く(以下、押出方向への傾きと定義する)と、コークス炉内の底部レンガ、所謂ゾールレンガへの抵抗が増え、コークス押出時の駆動電流値が増大する。従って、単に押出機によるコークス押出時の駆動電流値が所定値以上になったときに、炭化室の炉壁レンガの損耗が進行して補修が必要であると判定するだけでは、押出機の軌条劣化によるものなのか、真に炉壁レンガの損耗によるものなのかを正しく判定することができない。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、押出機の軌条劣化による駆動電流値増大分を除去して、真に炉壁レンガの損耗を検出することが可能なコークス炉炭化室炉壁補修判定方法を提供することを目的とするものである。
しかしながら、軌条の劣化により、軌条間のレベル差、つまり傾きが発生し、それによって押出機に微小な傾きが発生する。押出機の傾きは押出ロッドの傾きとなり、例えば押出ロッドが押出方向に下がるように傾く(以下、押出方向への傾きと定義する)と、コークス炉内の底部レンガ、所謂ゾールレンガへの抵抗が増え、コークス押出時の駆動電流値が増大する。従って、単に押出機によるコークス押出時の駆動電流値が所定値以上になったときに、炭化室の炉壁レンガの損耗が進行して補修が必要であると判定するだけでは、押出機の軌条劣化によるものなのか、真に炉壁レンガの損耗によるものなのかを正しく判定することができない。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、押出機の軌条劣化による駆動電流値増大分を除去して、真に炉壁レンガの損耗を検出することが可能なコークス炉炭化室炉壁補修判定方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明のコークス炉炭化室炉壁補修判定方法は、コークス炉の炭化室炉壁の補修を押出機によるコークス押出機の押出ロッドの駆動電流値で判定するコークス炉炭化室炉壁補修判定方法であって、コークスを押出さずに押出機の押出ロッドを駆動したときの空駆動電流値を予め窯毎に検出し、コークス押出時の押出ロッドの駆動電流値から予め検出された窯毎の空駆動電流値を減じた炉壁補修判定用駆動電流値が予め設定された所定電流値以上であるか、又はコークス押出時の押出ロッドの駆動電流値が空駆動電流値を見込んだ窯毎の所定電流値以上であるときに、当該炭化室の窯の炉壁を補修すべきであると判定することを特徴とするものである。
而して、本発明のコークス炉炭化室炉壁補修判定方法によれば、コークスを押出さずに押出機の押出ロッドを駆動したときの空駆動電流値を予め窯毎に検出し、コークス押出時の押出ロッドの駆動電流値から予め検出された窯毎の空駆動電流値を減じた炉壁補修判定用駆動電流値が予め設定された所定電流値以上であるか、又はコークス押出時の押出ロッドの駆動電流値が空駆動電流値を見込んだ窯毎の所定電流値以上であるときに、当該炭化室の窯の炉壁を補修すべきであると判定することとしたため、押出機の軌条劣化による駆動電流値増大分を除去することができ、その結果、真に炉壁レンガの損耗を検出することが可能となる。
次に、本発明のコークス炉炭化室炉壁補修判定方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のコークス炉炭化室炉壁補修判定方法を展開したコークス炉の正面図である。コークス炉の炉体下部には蓄熱室1が配設され、その上方に、炭化室2と燃焼室とが交互に配設されている。炭化室2は、図の左右方向に長手であり、紙面方向には細い、細長形状であり、この細長い炭化室2と同じく細長い燃焼室(内部はフリュー毎に仕切られている)を交互に紙面方向に多数配設して構成される。なお、炭化室2の長手方向両端部には炉蓋3が取付けられており、コークスの押出時には、この炉蓋3を外して行う。
図1は、本実施形態のコークス炉炭化室炉壁補修判定方法を展開したコークス炉の正面図である。コークス炉の炉体下部には蓄熱室1が配設され、その上方に、炭化室2と燃焼室とが交互に配設されている。炭化室2は、図の左右方向に長手であり、紙面方向には細い、細長形状であり、この細長い炭化室2と同じく細長い燃焼室(内部はフリュー毎に仕切られている)を交互に紙面方向に多数配設して構成される。なお、炭化室2の長手方向両端部には炉蓋3が取付けられており、コークスの押出時には、この炉蓋3を外して行う。
炭化室2の上方には、図示しない装入口から原料石炭を装入する装入車4が配設されている。この装入車4は、炉頂部に設けられた軌条5に沿って炭化室2の配列方向、つまり図1の紙面方向に移動する。
炭化室2の図示右方には、コークガイド車6が配設され、そのコークガイド車6の更に図示右方に消火車8が配設されている。コークガイド車6は軌道7に沿って炭化室2の配列方向、つまり図1の紙面方向に移動し、消火車8は軌道9に沿って炭化室2の配列方向、つまり図1の紙面方向に移動する。消火車8は、炭化室2内で乾留されたコークスを搭載して搬送するものであり、コークガイド車6は、炭化室2から排出されるコークスを消火車8に導くものである。
炭化室2の図示右方には、コークガイド車6が配設され、そのコークガイド車6の更に図示右方に消火車8が配設されている。コークガイド車6は軌道7に沿って炭化室2の配列方向、つまり図1の紙面方向に移動し、消火車8は軌道9に沿って炭化室2の配列方向、つまり図1の紙面方向に移動する。消火車8は、炭化室2内で乾留されたコークスを搭載して搬送するものであり、コークガイド車6は、炭化室2から排出されるコークスを消火車8に導くものである。
炭化室2の図示左方には、押出機10が配設されている。この押出機10は軌道11に沿って炭化室2の配列方向、つまり図1の紙面方向に移動する。押出機10は、炭化室2内のコークスを押出すための押出ロッド12を備えている。この押出ロッド12には、例えばラックが形成されており、このラックに噛合するピニオンを駆動モータで駆動して炭化室2の長手方向に移動する。また、押出ロッド12の下方には、スライドシューと呼ばれるガイドが取付けられており、このスライドシューを炭化室2の炉床に当接させることにより、押出ロッド12を支持する。
例えば、押出機10の軌道11のうち、炭化室2側が反対側より低い場合、押出ロッド12は押出方向先方側が下がる。前述したように、このように押出方向先方側が下がる傾向を押出方向に傾くと定義するが、軌道11の傾き(押出方向への傾き)によって押出ロッド12が押出方向に傾くと、例えば押出ロッド12のスライドシューが炭化室2の炉床に強く押付けられることになり、駆動モータの負荷が大きくなって電流値が増大することが考えられる。
図2には、窯を規定しないときの押出機10の駆動電流値(図では押出電流値)と傾きの関係を示す。傾きは、押出方向の傾きを前傾、逆方向の傾きを後傾とし、前者を正値、後者を負値として、下記1式で表される傾き指数θで表した。傾き指数と駆動電流値の間には、傾きが押出方向に強いほど、駆動電流値が大きくなる傾向が見られるが、これだけでは、両者の関係は明らかでない。
tanθ=((炉側軌条上面高さ−反対側軌条上面高さ)/軌条間距離) ……… (1)
tanθ=((炉側軌条上面高さ−反対側軌条上面高さ)/軌条間距離) ……… (1)
そこで、図3に示すように、窯毎に、空駆動電流値と傾き指数を整理すると、傾き指数が大きい窯は空駆動電流値も大きい。これは、押出機10の軌条11の傾きが、窯位置毎に異なるためであり、窯毎の空駆動電流値を予め検出し、当該窯における押出時の駆動電流値から空駆動電流値を減じた炉壁補修判定用駆動電流値が所定電流値以上になったら、その窯位置における炭化室の炉壁を補修すべきであると判定する。内容的には同じであるが、空駆動電流値を見込んだ、つまり前記所定電流値に空駆動電流値を加算した電流値を補修閾値電流値とし、コークス押出時の駆動電流値が補修閾値電流値(所定電流値)以上になったら、その窯位置における炭化室の炉壁を補修すべきであると判定するようにしてもよい。
このように本実施形態のコークス炉炭化室炉壁補修判定方法では、コークスを押出さずに押出機の押出ロッドを駆動したときの空駆動電流値を予め窯毎に検出し、コークス押出時の押出ロッドの駆動電流値から予め検出された窯毎の空駆動電流値を減じた炉壁補修判定用駆動電流値が予め設定された所定電流値以上であるか、又はコークス押出時の押出ロッドの駆動電流値が空駆動電流値を見込んだ窯毎の所定電流値以上であるときに、当該炭化室の窯の炉壁を補修すべきであると判定することとしたため、押出機の軌条劣化による駆動電流値増大分を除去することができ、その結果、真に炉壁レンガの損耗を検出することが可能となる。
1は蓄熱室、2は炭化室、3は炉蓋、4は装入車、5は軌条、6はコークガイド車、7は軌条、8は消火車、9は軌条、10は押出機、11は軌条、12は押出ロッド
Claims (1)
- コークス炉の炭化室炉壁の補修を押出機によるコークス押出機の押出ロッドの駆動電流値で判定するコークス炉炭化室炉壁補修判定方法であって、コークスを押出さずに押出機の押出ロッドを駆動したときの空駆動電流値を予め窯毎に検出し、コークス押出時の押出ロッドの駆動電流値から予め検出された窯毎の空駆動電流値を減じた炉壁補修判定用駆動電流値が予め設定された所定電流値以上であるか、又はコークス押出時の押出ロッドの駆動電流値が空駆動電流値を見込んだ窯毎の所定電流値以上であるときに、当該炭化室の窯の炉壁を補修すべきであると判定することを特徴とするコークス炉炭化室炉壁補修判定方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2009068781A JP2010222415A (ja) | 2009-03-19 | 2009-03-19 | コークス炉炭化室炉壁補修判定方法 |
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Publications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019172786A (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-10 | 日本製鉄株式会社 | コークス炉の炉底診断方法 |
CN113637489A (zh) * | 2021-09-16 | 2021-11-12 | 攀钢集团西昌钢钒有限公司 | 一种推焦杆的上弓和旁弯校正装置 |
-
2009
- 2009-03-19 JP JP2009068781A patent/JP2010222415A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019172786A (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-10 | 日本製鉄株式会社 | コークス炉の炉底診断方法 |
JP6992649B2 (ja) | 2018-03-28 | 2022-01-13 | 日本製鉄株式会社 | コークス炉の炉底診断方法 |
CN113637489A (zh) * | 2021-09-16 | 2021-11-12 | 攀钢集团西昌钢钒有限公司 | 一种推焦杆的上弓和旁弯校正装置 |
CN113637489B (zh) * | 2021-09-16 | 2023-11-24 | 攀钢集团西昌钢钒有限公司 | 一种推焦杆的上弓和旁弯校正装置 |
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