JP2010221768A - タイヤモニタリングシステム - Google Patents

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俊彦 吉村
Kyoji Hatakeyama
恭士 畠山
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Abstract

【課題】車両のタイヤモニタリングシステムにおいて、クロストークや逆クロストークによる通信障害の問題を解消する。
【解決手段】各タイヤのセンサに対して起動信号を送信してタイヤ情報を読み取る際に、センサの受信感度が最低であった場合にもセンサが受信可能となる所定の出力で起動信号を送信する高出力送信処理(ステップS1、S2)と、所定の出力よりも低い出力で起動信号を送信する低出力送信処理(ステップS4、S5)のうちの何れか一つをまず実行し、これに対して対応するセンサから返信が適正に受信されない場合には残りの送信処理を実行する。また各送信処理において、近接する位置にある他のタイヤのセンサが起動信号を受信してしまうクロストークが生じないように、この他のタイヤに対応するイニシエータから妨害波を送信し(ステップS2、S5)、この妨害波の出力の大きさは起動信号の出力の大きさに応じた値とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、四輪自動車等のタイヤ圧力などをモニタリングするシステムに関する。
近年、四輪自動車等の車両においてタイヤの状態を監視するシステムとして、タイヤ圧力モニタリングシステム(TPMS)がある。圧力以外にも温度、歪、回転数、加速度などをモニタリングするシステムが考案されている。
TPMSは、例えば車両のタイヤ毎に当該タイヤの近くにそれぞれ設けられたイニシエータ(少なくとも送信用アンテナを含む車体側の無線通信端末)を介して無線信号を送信可能な車体側コントローラ(ECU)と、車両の各タイヤに設けられて、各タイヤの圧力を測定してその測定結果を無線信号として送信可能なセンサユニット(TPS)とを備え、前記車体側コントローラが所定タイミングで特定箇所のイニシエータから対応するタイヤのセンサユニットに対してリクエスト信号(トリガ信号)を送信し、これを受信した前記センサユニットが前記測定結果を含むアンサー信号を前記車体側コントローラに対して送信し、これを受けた前記車体側コントローラが前記測定結果を読み取って、例えば異常な圧力である場合には警報を出力する制御を実行するといったシステムである。
なお、上記TPMSとしては、タイヤ毎の車体側送信用アンテナ(イニシエータを構成するアンテナ)を設けないで、例えばタイヤのセンサユニットから定期的に測定結果を含む無線信号を送信する一方向通信方式もある。しかしこの場合には、タイヤローテーションによりタイヤの位置が変更されることによって、どの位置(例えば四輪車の場合、前輪か後輪か、左側か右側か)のタイヤの測定結果なのかが、車体側コントローラにおいて判断できない。このため、例えばどの位置のタイヤに圧力異常が生じたかという情報を車両ユーザに報知することができないといった不都合がある。
これに対して、前述したように、タイヤ毎に車体側送信用アンテナを設けて、タイヤ毎にリクエスト信号を別個に送信し、このリクエスト信号に対するアンサー信号として各タイヤのセンサユニットからの測定結果を別個に受信するタイヤ毎の双方向通信方式とすれば、どの位置のタイヤの測定結果なのかが、車体側コントローラにおいて判断できる。
ところで、上述したようなタイヤ毎の双方向通信方式では、特定のタイヤのセンサユニットに対して送信したリクエスト信号が、他のタイヤのセンサユニットでも受信されるクロストークが発生すると、前述したようなタイヤ位置の識別が結局不可能になる。このため、車体側送信用アンテナからのリクエスト信号の通信範囲は、当然に対応する特定のタイヤ近傍の狭い範囲のみに限定されるべきであり、前記リクエスト信号の送信出力も当然に限定される。
しかし一方で、タイヤは車両の走行によって回転し、センサユニットの受信用アンテナの位置もタイヤの回転に伴って回転移動する。このため、タイヤ側のセンサユニットの受信用アンテナの位置や姿勢は常に変動し、タイヤの回転位置によっては前記リクエスト信号が受信困難となり、前記リクエスト信号の送信出力が弱いと、前記リクエスト信号が受信できずに通信不能となる恐れがある。
そこで従来、上述したタイヤ毎の双方向通信方式では、特許文献1に見られるように、車体側のイニシエータ(トリガ信号発信手段)の送信用アンテナと、タイヤ側のセンサユニット(トリガ信号受信手段)の受信用アンテナの指向性を、何れもタイヤの回転軸方向に一致させた構成が提案されている。このように各指向性をタイヤの回転軸方向に一致させると、タイヤが回転しても、センサユニットの受信用アンテナの指向性の方向が変化せず、しかもイニシエータの送信用アンテナの指向性の方向と常に一致しているので、前述した通信不能となる可能性が低減される。
特開2005−1498号公報
しかし、上述した従来の構成(各アンテナの指向性を全てタイヤ回転軸方向とする構成)であると、リクエスト信号が他のタイヤのセンサユニットでも受信されるクロストークが発生する可能性を十分低減できないばかりか、かえってこのクロストークが発生し易くなるという問題があった。というのは、上述した従来の構成の場合、全てのタイヤについて各アンテナ(車体側送信用アンテナとタイヤ側の受信用アンテナ)の指向性の方向が一致する。このため、四輪自動車などの複数のタイヤが装着される車両の場合、例えば前輪右側のタイヤのセンサユニットに対して送信したリクエスト信号が、近接する前輪左側のタイヤのセンサユニットでも受信されるクロストークが発生し易い。
特に、センサユニットの製品毎に受信感度のばらつきが大きい場合には、センサユニットの受信感度がばらつき範囲の最低である場合でもリクエスト信号が受信されるようにリクエスト信号の送信出力を高く設定しなければならず、このような場合には上記クロストークがより発生し易いという課題があった。
なお、上記クロストークを防止するために、クロストークの恐れがある近接する他のタイヤに対して対応するイニシエータから妨害波を送信することが考えられる。しかしこの場合、この妨害波がリクエスト信号を送信しようとするタイヤのセンサユニットにも届いてしまい、本来受信するべきタイヤのセンサユニットでもリクエスト信号が受信できなくなってしまうという不具合(以下、この不具合を逆クロストークという。)が発生する恐れがあることが分かった。特に、センサユニットの受信感度のばらつきが大きい場合には、既述したようにリクエスト信号の送信出力を高く設定しなければならないが、実際に装着されているセンサユニットの受信感度がばらつき範囲の最高近くであると、前記妨害波を受信し易く、上記逆クロストークが発生し易いという課題があった。
そこで本発明は、複数のタイヤが装着される車両のタイヤモニタリングシステムであって、前述のクロストークや逆クロストークによる通信障害の問題が解消されるタイヤモニタリングシステムを提供することを目的としている。
本願のタイヤモニタリングシステムは、複数のタイヤが装着される車両において、各タイヤ毎に設けられたイニシエータを介して各タイヤに対して無線信号を送信可能な車体側コントローラと、各タイヤに設けられて各タイヤの情報を無線信号として前記車体側コントローラに送信可能なセンサユニットとを備え、前記車体側コントローラが各イニシエータを介して各センサユニットに対してそれぞれリクエスト信号を送信し、このリクエスト信号を受信した各センサユニットが前記情報を前記車体側コントローラに返信するタイヤモニタリングシステムであって、
前記車体側コントローラは、
各センサユニットに対して前記リクエスト信号を送信して前記情報を読み取る際に、
前記センサユニットの受信感度が最低であった場合にも前記センサユニットが受信可能となる所定の出力で前記リクエスト信号を送信する高出力送信処理と、前記所定の出力よりも低い出力で前記リクエスト信号を送信する低出力送信処理のうちの何れか一つをまず実行し、これに対して対応するセンサユニットから前記情報を含む返信が適正に受信されない場合には、前記高出力送信処理と低出力送信処理のうちの残りを実行し、
前記高出力送信処理及び低出力送信処理において前記リクエスト信号を対象のタイヤの前記センサユニットに送信する際には、近接する位置にある他のタイヤの前記センサユニットが当該リクエスト信号を受信してしまうクロストークが生じないように、この他のタイヤに対応するイニシエータから妨害波を送信する機能を有し、
前記妨害波の出力の大きさは前記リクエスト信号の出力の大きさに応じた値とされ、前記リクエスト信号の出力が低くなると前記妨害波の出力も低く設定されることを特徴とするものである。
ここで、「リクエスト信号」とは、必ずしもセンサユニットからの返信を要求するデータを含む必要はなく、この信号に応じてセンサユニットがアンサー信号を返信する起因となる信号であればよい。例えば、省電力モードとなっていていわゆるスタンバイ状態(スリープ状態)となっているセンサユニットを、通常の動作モードに起動させるウェイクアップ信号(起動信号)が、上記リクエスト信号を兼ねている態様でもよい。
また、「リクエスト信号」によってセンサユニットに電力を伝送する態様でもよい。
また、「車両」には、四輪自動車等の一般的な車両に加えて、一般的な車両と均等な乗物(例えば、小型飛行機等)も含まれる。例えば、小型飛行機にも発着用のタイヤがあるので、本発明を適用可能である。また、2輪車であってもよい。
本願のタイヤモニタリングシステムでは、センサユニットの受信感度にばらつきがあっても、既述したクロストークや逆クロストークによる通信障害の問題が解消できる。何故なら、上述した高出力送信処理では、妨害波の出力もリクエスト信号の出力の高さに応じて高いが、センサユニットの実際の受信感度が最低或いは最低に近い範囲にあれば、妨害波がセンサユニットで受信されずにクロストークも逆クロストークも発生しない。また低出力送信処理では、リクエスト信号の出力が高出力送信処理よりも低いが、センサユニットの実際の受信感度がその分高い範囲にあれば、センサユニットでリクエスト信号が受信できる。しかも低出力送信処理では、リクエスト信号の出力が高出力送信処理よりも低い分だけ妨害波の出力も低いので、センサユニットの実際の受信感度がその分高い範囲にあっても妨害波がセンサユニットで受信されず、結局、クロストークも逆クロストークも発生しない。つまり本システムでは、センサユニットの実際の受信感度が最低或いは最低に近い範囲にあれば、高出力送信処理によって車体側コントローラからセンサユニットへのリクエスト信号の送受信がクロストークも逆クロストークも無く確実に成立し、センサユニットの実際の受信感度がそれ以外の高い範囲にあれば、低出力送信処理によって上記リクエスト信号の送受信がクロストークも逆クロストークも無く確実に成立する。したがって、センサユニットの実際の受信感度がばらつき範囲のどこにあっても、高出力送信処理と低出力送信処理のうちの何れかによって上記リクエスト信号の送受信がクロストークも逆クロストークも無く確実に成立し、こうして所望の1箇所に位置する特定のタイヤのセンサユニットのみにリクエスト信号を入力することが可能となる。これにより、各位置のタイヤの情報(タイヤの空気圧等、或いはタイヤ固有のID情報など)をタイヤ位置を識別しつつ把握することができ、どの位置のタイヤの空気圧が今どの程度で、またどの位置にどのタイヤが装着されているか(タイヤ位置のローテーションの状態)の状況をも車体側コントローラで自動的に把握することができるという、実用上有用な効果が得られる。
次に、本願の好ましい態様は、各妨害波の出力が、前記クロストークが生じない範囲の最低値であり、
前記低出力送信処理における前記リクエスト信号の送信出力は、前記高出力送信処理において送信された妨害波によって対象のタイヤの位置に生じる電界強度と等しい電界強度を対象のタイヤの位置に生じさせる値であることを特徴とする
このような態様であると、各送信出力(高出力送信処理におけるリクエスト信号の送信出力、低出力送信処理におけるリクエスト信号の送信出力、高出力送信処理において送信される妨害波の送信出力、低出力送信処理において送信される妨害波の送信出力)が最も効率良く設定される。例えば、後述の図6に示すように、高出力送信処理によってカバーされるセンサユニットの受信感度の領域(受信強度がk×α×Ph〜α×Phの領域)と、低出力送信処理によってカバーされるセンサユニットの受信感度の領域(受信感度がk×α×Ph〜k×α×Ph)とが、重複することなく設定されることになり、全体として通信可能なばらつき範囲が最大(k×α×Ph〜α×Ph)になる。したがって、対応可能なセンサユニットの受信感度のばらつき範囲が最大となり、センサユニットの受信感度のばらつきがより大きくても、通信障害が生じない性能をより高めることができる。
本願のタイヤモニタリングシステムでは、センサユニットの受信感度にばらつきがあっても、既述したクロストークや逆クロストークによる通信障害の問題が解消できる。
タイヤモニタリングシステムの構成を説明する図である。 タイヤモニタリングシステムのイニシエータ等の配置を説明する図であり、(a)は走行方向からタイヤとタイヤハウス等を見た図、(b)は車両の平面図である。 起動信号(リクエスト信号)と妨害波による各位置の電界強度を説明する図であり、(a)は高出力送信処理の場合、(b)は低出力送信処理の場合を示す。 高出力送信処理の場合の各波形を示す図であり、(a)は起動信号の元波形、(b)は起動信号のタイヤセンサ位置での波形、(c)は妨害波の元波形、(d)は妨害波の逆クロス側タイヤセンサ位置での波形を示す。 低出力送信処理の場合の各波形を示す図であり、(a)は起動信号の元波形、(b)は起動信号のタイヤセンサ位置での波形、(c)は妨害波の元波形、(d)は妨害波の逆クロス側タイヤセンサ位置での波形を示す。 起動信号と妨害波のタイヤセンサ位置での電界強度の関係を示す図であり、(a)は高出力送信処理の場合、(b)は低出力送信処理の場合を示す。 車体側コントローラの動作を示すフローチャートである。 センサユニットの動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1は、本例のタイヤモニタリングシステムの構成を説明する図である。図2は、同システムの車両における主要構成要素の配置を説明する図であり、図2(a)は走行方向からタイヤとタイヤハウス等を見た図、図2(b)は車両の平面図である。
車両1は、この場合図2(b)に示す四輪自動車であり、本システムは、図1に示すように、イニシエータ11〜15と、車体側コントローラ(ECU)20と、センサユニット(TPS)30とを備える。
ここで、イニシエータ11〜15は、図2に示す各タイヤ2〜6(交換用の予備タイヤ6含む)の近傍位置(各タイヤのタイヤハウス、或いは予備タイヤ6が収納されるトランク下部等)に設けられ、車体側コントローラ20の制御によって、各タイヤ2〜6のセンサユニット30に対してリクエスト信号(LF波、例えば125kHz)を送信するための通信端末であり、LF送信用アンテナとしてコイルアンテナ(例えば、フェライトバーアンテナ)を含むものである。なお、LF波は、通信範囲を例えば1m程度に狭く限定する場合に有利であり、数キロメートル先までが近傍電磁界であって、アンテナ近傍に発生する磁界を伝送媒体とする通信方式、例えば非接触ICカードで利用されている通信方式(電磁誘導方式)が可能である。また、コイルアンテナは、上記通信方式に好適である。
また、イニシエータ11〜15は、通常樹脂モールドされ、縦横厚さがそれぞれ2〜5cm程度のものである。
車体側コントローラ20は、車体内の所定の制御ボックス内に設けられたTPMSのメインコントローラであり、マイクロコンピュータ(以下マイコンという)よりなる制御回路21や、無線信号の通信回路(LF波の送信回路とUHF波の受信回路22)や、受信アンテナ(UHF波の受信アンテナ23)を有する。なおこの場合、制御回路21がLF波の送信回路として機能しているが、LF波の送信回路を制御回路21と別個に設けてもよい。或いは、各イニシエータ11〜15にLF波の送信回路を設けてもよい。
この車体側コントローラ20は、例えば定期的に各タイヤのタイヤ監視動作(詳細後述する)を順次実行し、例えば圧力が適正範囲内にないタイヤがある場合には、そのタイヤ位置と圧力異常を示す警報(音や光や文字表示による警報)を出力する制御を実行して運転者に知らせるといったTPMSとしての基本的な制御処理を行う。
なお、この車体側コントローラ20の制御回路21は、例えば、タイヤ監視動作が必要な状態(例えば、エンジン稼動時等)になるときにのみ起動することによって、消費電力が必要最小限に抑えられている。
次に、センサユニット30は、各タイヤ内(例えばバルブの位置)に設けられ、制御回路31(例えば、マイコンよりなるもの)や、各タイヤの圧力を計測する圧力センサ32と、このセンサが計測した圧力データ等の情報を無線信号(UHF波)として送信する送信回路33及び送信用アンテナ34と、前記リクエスト信号を受信するための受信回路35及び受信アンテナ36を備える。
ここで、センサユニット30の制御回路31は、定常的には、省電力モードであるスタンバイ状態(スリープモード)となっていて、適宜、このスタンバイ状態から通常モード(スタンバイ状態でない起動状態)に切り替わって動作する構成となっている。本例の場合、イニシエータ11〜15が送信するリクエスト信号によって、センサユニット30が起動してスタンバイ状態から通常モードに切り替わる構成となっている。このため本例では、イニシエータ11〜15が送信するリクエスト信号は、センサユニット30からの情報送信を要求する信号であるとともに、センサユニット30を起動させるための起動信号であり、以下本例では起動信号という。
また、センサユニット30の受信アンテナ36は、前述の通信方式(例えば、電磁誘導方式)に好適なコイルアンテナ(例えば、フェライトバーアンテナ)である。また、センサユニット30(受信アンテナ36を含む)は、通常樹脂モールドされ、縦横厚さがそれぞれ1〜3cm程度のものである。
次に、リクエスト信号送受信用のイニシエータ11〜15やセンサユニット30の配置について説明する。
センサユニット30は、図2(a)に示すように、各タイヤのホイールに固定されている。
これに対して、予備タイヤ6を除く各タイヤ2〜5に対応するイニシエータ11〜14は、図2(a)に示すように、車両のタイヤハウス7にネジ止め等によって固定状態に取り付けられている。即ち、イニシエータ11〜14は、各タイヤの上方位置(真上よりも少し左右方向外側の位置)に配置されている。
次に、本システムの特徴的構成とその作用効果について説明する。本システムでは、各センサユニット30に対して起動信号(リクエスト信号)を送信して前記情報を読み取る際に、センサユニット30の受信感度が最低であった場合にもセンサユニット30が受信可能となる所定の出力で起動信号を送信する高出力送信処理(後述する図7のステップS1、S2)と、前記所定の出力よりも低い出力で起動信号を送信する低出力送信処理(後述する図7のステップS4、S5)のうちの何れか一つをまず実行し、これに対して対応するセンサユニットから前記情報を含む返信が適正に受信されない場合には、前記高出力送信処理と低出力送信処理のうちの残りを実行する。また、前記高出力送信処理及び低出力送信処理において起動信号を所定のタイヤのセンサユニットに送信する際には、近接する位置にある他のタイヤのセンサユニットが当該起動信号を受信してしまうクロストークが生じないように、この他のタイヤに対応するイニシエータから妨害波を送信する機能(後述する図7のステップS2、S5)を有し、この妨害波の出力の大きさは起動信号の出力の大きさに応じた値とされ、起動信号の出力が低くなると妨害波の出力も低く設定される。
本システムは、このような構成によって、センサユニット30の受信感度にばらつきがあっても、既述したクロストークや逆クロストークによる通信障害の問題が解消できる。何故なら、上述した高出力送信処理では、妨害波の出力も起動信号の出力の高さに応じて高いが、センサユニット30の実際の受信感度が最低或いは最低に近い範囲にあれば、妨害波がセンサユニット30で受信されずにクロストークも逆クロストークも発生しない。また低出力送信処理では、起動信号の出力が高出力送信処理よりも低いが、センサユニット30の実際の受信感度がその分高い範囲にあれば、センサユニット30で起動信号が受信できる。しかも低出力送信処理では、起動信号の出力が高出力送信処理よりも低い分だけ妨害波の出力も低いので、センサユニット30の実際の受信感度がその分高い範囲にあっても妨害波がセンサユニット30で受信されず、結局、クロストークも逆クロストークも発生しない。つまり本システムでは、センサユニット30の実際の受信感度が最低或いは最低に近い範囲にあれば、高出力送信処理によって車体側コントローラ20からセンサユニット30への起動信号の送受信がクロストークも逆クロストークも無く確実に成立し、センサユニット30の実際の受信感度がそれ以外の高い範囲にあれば、低出力送信処理によって上記起動信号の送受信がクロストークも逆クロストークも無く確実に成立する。したがって、センサユニット30の実際の受信感度がばらつき範囲のどこにあっても、高出力送信処理と低出力送信処理のうちの何れかによって上記起動信号の送受信がクロストークも逆クロストークも無く確実に成立し、こうして所望の1箇所に位置する特定のタイヤのセンサユニット30のみに起動信号を入力することが可能となる。これにより、各位置のタイヤの情報(タイヤの空気圧等、或いはタイヤ固有のID情報など)をタイヤ位置を識別しつつ把握することができ、どの位置のタイヤの空気圧が今どの程度で、またどの位置にどのタイヤが装着されているかの状況(タイヤ位置のローテーションの状態)をも車体側コントローラ20で自動的に把握することができるという、実用上有用な効果が得られる。
以下、このシステムの特徴や作用を図3〜図6や数式によって具体的に説明する。
まず、センサユニット30の受信強度が最高である場合には、電界強度がPs以上であれば受信できるとし、最低である場合には、電界強度がβPs以上(β>1)であれば受信できるとする(図6参照)。つまり、センサユニット30が受信できる強度はPsからβPsに分布している。
今、一例として、右輪(例えばタイヤ2)のセンサユニット30を起動したいとする。高出力送信処理では、右輪に装着されているセンサユニット30が最も低感度品でも受信できるように右輪イニシエータ(例えばイニシエータ11)から起動信号が送信される。その時の送信強度をPhとする(図3(a)、図4(a)参照)。右輪のセンサユニット30に届くまでに減衰するが、その減衰率をα(α<1)とする。右輪センサ位置における起動信号の電界強度は、減衰率×送信強度=α×Phと表される。したがって、低感度センサが受信できるためには、α×Ph≧βPsとなる必要がある(図4(b)参照)。つまり、Ph≧Ps×β/α(数式A1)で送信する必要がある。送信強度が大きいほど、右輪センサが受信できることになるが、望んでいない左輪センサも受信してしまう可能性が高くなるため、右輪センサが受信できる範囲で小さいほど望ましい。今、右輪イニシエータからPh=Ps×β/α(数式B1)の強度で送信するものとする。
右輪イニシエータからの起動信号が左輪のセンサに届くまでに減衰するが、その減衰率をk・α(k<1)とする。即ち、減衰量は距離の関数であり、右輪イニシエータからの距離が左輪センサ位置までの方が長いため、αのk倍大きく減衰する。左輪のセンサ位置における起動信号の電界強度は、減衰率×送信強度=k×α×Ph(数式B2)と表される。左輪のセンサユニット30が受信することを妨害するためには、妨害波(図4(c)に示す)は上記の強度以上で送信する必要がある。妨害波の送信強度が大きいほど、左輪センサが右輪イニシエータからの信号を受信することを妨害できるが、逆に右輪センサにも妨害波によって影響を受けてしまうことになる(即ち逆クロストークが発生してしまう)。したがって、妨害波の送信強度(=PJ1)は、左輪センサが右輪イニシエータからの信号を受信することを妨害できる範囲で小さいほど望ましい。妨害波の左輪センサ位置における電界強度=妨害波送信強度(=PJ1)×減衰率と考えられるが、減衰率は右輪と同じαと考える。すると、妨害波送信強度×減衰率=PJ1×αとなる。この強度が数式B2以上であれば、左輪センサが右輪イニシエータからの起動信号を受信することを妨害することができる。即ち、PJ1×α≧k×α×Phとなり、これを整理すると、PJ1≧k×Ph(数式A2)となる。妨害波はイニシエータ12からPJ1=k×Phの電界強度で出力する設定とする。
妨害波の右輪タイヤ付近の電界強度は、妨害波送信強度PJ1×減衰率=PJ1×k×α=k×Ph×k×α=k×α×Ph(数式B3)と表せる(図3(a)、図4(d)参照)。何故なら、右輪イニシエータと左輪の距離と左輪イニシエータと右輪との距離が同じのため、減衰率は、希望波が左輪の位置に届く場合の減衰率=k×αと同じと考えられるからである。
左輪イニシエータからの妨害波が右輪センサに届くことによって、右輪のセンサが右輪イニシエータからの信号が正常に受信できない場合(即ち逆クロストーク)が生じる。その場合とは、右輪センサの受信感度が良く、上記数式B3の電界強度以下でも受信できる感度のものである。つまり、右輪センサの受信感度がk×α×PhからPsの範囲(図4(d)や図6(a)において符号Aで示す範囲)のものは、妨害されることになる。いいかえると、右輪センサの受信感度がk×α×PhからβPsの範囲(図6(a)において符号Bで示す範囲)のものだけが、妨害されずに受信できることになる。
そこで本システムでは、左輪イニシエータからの妨害波によって妨害を受ける右輪センサ(=受信感度がk×α×PhからPsの範囲)に対して、妨害されずに右輪イニシエータからの信号をうまく受信させる構成となっており、これを以下に説明する。
この場合、高感度のものが右輪に設置されているため、右輪イニシエータからの送信強度はPhよりも小さくて良い。具体的には、低出力送信処理として、右輪センサの位置においての電界強度がk×α×Ph以上となるような送信強度=PLにて右輪イニシエータから信号を送信する(図3(b)、図5(a)参照)。右輪イニシエータからの送信強度PLは、減衰して右輪センサに届く(図5(b)参照)。右輪センサ位置での電解強度は、PL×αであるので、これがk×α×Ph以上であれば良い。
即ち、PL×α≧k×α×Phとなり、したがって、PL≧k×Ph(数式A3)で送信すれば良い。今、PL=k×Phで送信するものとする。
この右輪イニシエータからの信号は、左輪センサの位置おいては減衰して、PL×k×α=k×Ph×k×α=k×α×Ph(数式B4)の電界強度となる(図3(b)参照)。
左輪センサに、この右輪イニシエータからの信号を受信させないためには、この信号以上の強度で妨害波を出力すればよい。左輪イニシエータからの妨害波は減衰して左輪センサに届く。その位置での強度が数式B4以上であればよい。このため、妨害波送信強度(=PJ2)×α≧k×α×Ph。したがって、PJ2≧k×Ph(数式A4)となる。今、妨害波を送信強度PJ2=k×Phで送信するものとする(図3(b)、図5(c)参照)。
この妨害波は、減衰して右輪センサに届く。その位置での電界強度は、左輪イニシエータ送信強度×減衰率=(k×Ph)×(k×α)=k×α×Ph(数式B5)となる(図3(b)、図5(d)参照)。右輪センサに最大感度のセンサが設置されている場合でも、この妨害波の影響を受けないためには、最大感度のセンサが受信できる最小強度感度(=Ps)が上記数式B5(=k×α×Ph)よりも大きければ良い。即ち、Ps>k×α×Ph(数式A5)である。
このような低出力送信処理によれば、右輪センサの受信感度がk×α×PhからβPsの範囲(図6(b)において符号Bで示す範囲)のものは、起動信号を受信できないが、右輪センサの受信感度がk×α×PhからPsの範囲(図6(b)において符号Aで示す範囲)のものは受信できることになる。
したがって、右輪タイヤに設置されるセンサユニット30の感度がPsからβPsまで分布していた場合であっても、次のような条件で起動信号および妨害信号を複数種類送信することによって、全てのセンサが受信できる。
(高出力送信処理での右輪イニシエータからの信号送信)
高出力送信処理での右輪イニシエータからの送信出力強度Phは、理論的あるいは実験的に求めたα、kおよびセンサのばらつきとが定まれば、上記の数式A1および数式A5から次のようになる。即ち、Ps×β/α≦Ph<Ps×1/k×1/α(数式A6)となる。望ましいのは、この範囲での最小値の強度で送信することである。
(高出力送信処理での左輪イニシエータからの妨害波送信)
高出力送信処理で右輪イニシエータが信号を送信している期間あるいは期間の一部の間に左輪イニシエータから妨害波を送信する。この高出力送信処理での左輪イニシエータからの妨害波の送信出力強度PJ1は、上記数式A2より、PJ1≧k×Phとする。望ましいのは、この範囲での最小値の強度で送信することである。
(低出力送信処理での右輪イニシエータからの信号送信)
低出力送信処理での右輪イニシエータからの送信出力強度PLは、上記数式A3より次のようになる。即ち、PL≧k×Phとなる。望ましいのは、この範囲での最小値の強度で送信することである。
(低出力送信処理での左輪イニシエータからの妨害波送信)
低出力送信処理での左輪イニシエータからの妨害波の送信出力PJ2は、上記の数式A4より次のようになる。即ち、PJ2≧k×Phとなる。望ましいのは、この範囲での最小値の強度で送信することである。
なお、高出力送信処理と低出力送信処理を行う順番はどちらが先でもよい。
また数式A6は、β<1/kという関係が成立していないと成り立たない。つまり、β≧1/kの場合(受信感度のばらつき割合であるβが1/k以上に大きい場合)には、受信感度のばらつきが大きすぎて、一種類の低出力送信処理では、ばらつき範囲全体をカバーできない。そこでこのような場合には、低出力送信処理として、前述したような思想で、起動信号(リクエスト信号)及び妨害波の送信出力が異なるものを複数設定し、場合によっては複数の低出力送信処理(送信出力が異なるもの)を行う態様でもよい。但し本例は、数式A6が成立するものとして、一種類の低出力送信処理を行う態様を説明している。
次に、車体側コントローラ20の制御回路21が実行する動作手順の具体例を図7のフローチャートを参照して説明する。
車体側コントローラ31の制御回路21は、起動した後、タイヤ監視動作を各タイヤについて例えば定期的に実行する。
このタイヤ監視動作では、まず、所定の検出タイミングであるか否かを判定する。この検出タイミングとは、検出対象のタイヤの圧力等の情報を読み取って確認すべきタイミングを意味する。例えば、前左側タイヤ3、次いで前右側タイヤ2、次いで後左側タイヤ5、次いで後右側タイヤ4、予備タイヤ6といったように、前記情報を順に確認してゆくときに、検出対象のタイヤの順番が回ってきたタイミングである。
そして、検出タイミングであれば、該当するタイヤについてタイヤの圧力等を読み取って確認する動作を実行し、検出タイミングでなければ、検出タイミングになるまで動作を停止する。以下、該当するタイヤが右前輪(タイヤ2)であり、その検出タイミングであった場合を例に挙げて、図7によって以降の動作を説明する。
まずステップS1では、検出対象の右前タイヤ2に対するイニシエータ(イニシエータ11)のLF送信用アンテナから規定の起動信号を前述の高出力(強度Ph)で送信開始する。次いでステップS2で、右輪イニシエータ11が起動信号を送信している期間あるいは期間の一部の間に左輪イニシエータ12から妨害波(強度PJ1)を送信する。
次に、上記高出力送信処理のステップS1、S2を経ると、次のステップS3において、所定の受信待ち時間の間に、正規のアンサー信号を適正に受信したか否か判定する。詳しくは、予め記憶された車体固有のIDコードと一致するコードが所定の箇所に含まれた返信信号(アンサー信号)が、受信用アンテナ23を介して受信されたか否か判定する。そして、このような正規のアンサー信号が所定の受信待ち時間の間に受信されれば、ステップS8に進み、正規のアンサー信号を適正に受信しないで上記受信待ち時間が経過した場合には、ステップS4に進む。なお、センサユニット30が送信する返信信号にはタイヤ固有のIDコードが含まれている。そして上記ステップS3において、タイヤ固有のIDコードが異なる複数の返信信号が所定の受信待ち時間の間に受信された場合には、クロストークが発生していると推定されて適正でないので、ステップS4に進む。
ステップS4では、検出対象の右前タイヤ2に対するイニシエータ(イニシエータ11)のLF送信用アンテナから規定の起動信号を前述の低出力(強度PL)で送信開始する。次いでステップS5で、右輪イニシエータ11が起動信号を送信している期間あるいは期間の一部の間に左輪イニシエータ12から妨害波(強度PJ2)を送信する。
次に、上記低出力送信処理のステップS4、S5を経ると、次のステップS6において、所定の受信待ち時間の間に、正規のアンサー信号を適正に受信したか否か判定する。詳しくは、予め記憶された車体固有のIDコードと一致するコードが所定の箇所に含まれた返信信号が、受信用アンテナ23を介して受信されたか否か判定する。そして、このような正規のアンサー信号が所定の受信待ち時間の間に受信されれば、次のステップS9に進み、正規のアンサー信号を適正に受信しないで上記受信待ち時間が経過した場合には、例えば警報を出力して、動作を終了する。なお、上記ステップS6において、タイヤ固有のIDコードが異なる複数の返信信号が所定の受信待ち時間の間に受信された場合には、クロストークが発生していると推定されて適正でないので、例えば警報を出力して、動作を終了する。
そしてステップS8、S9では、受信したアンサー信号を読み取り、コード照合や圧力値確認等の処理を実行した後、動作を終了する。ここで実行する処理は、例えば以下のとおりである。即ち、受信したアンサー信号に含まれる圧力の測定データを読み取り、この測定データが正常か否か(例えば、圧力が適正範囲にあるか否か)を判定する。そして正常でなければ、右前タイヤ2について異常報知処理を行う。なお、ここでの圧力判定は、圧力が高すぎるか否かについても、実行するようにしてもよい。また、圧力が適正範囲にある場合でも、圧力が低下ぎみであること(タイヤの圧力補充が好ましい状態)などを判定するようにしてもよい。そして異常報知処理では、検出対象のタイヤ2が圧力異常であること(或いは、上述したように圧力が低下ぎみであること、若しくは圧力の値そのものなど)を示す警報(音や光や文字表示による警報)を出力する制御を実行する。またステップS8、S9では、受信したアンサー信号に含まれるタイヤ固有のIDを読み取り、このタイヤ固有のIDを右前タイヤ2として認識する処理も行う。右前タイヤ2として認識する処理とは、右前タイヤ2として以前に記憶しているタイヤ固有のIDと、受信したアンサー信号に含まれるタイヤ固有のIDが異なる場合、受信したアンサー信号に含まれるタイヤ固有のIDを新たに右前タイヤ2として記憶するなどの処理である。
次に、センサユニット30の制御回路31が実行する動作手順の具体例を図8のフローチャートを参照して説明する。
センサユニット30は、例えば起動信号に相当する規定周波数で規定強度以上の信号(復調前)を受信すると通常モードに移行してこの信号の受信処理を実行し、まずこの信号が正規の起動信号か否か判定する(ステップS21)。具体的には、受信した信号(復調後の2値データ列)を分析して、予め記憶された車体固有のIDコードと同じデータが、受信した信号の所定箇所(例えばID部)に含まれるか否か判定し、肯定的であれば正規の起動信号であると判定する。なお、上記ステップS21で規定の起動信号を受信しなければ、ステップS24に進んでスタンバイ状態(スリープモード)を維持して再度の信号入力を待つ。
そして、上記ステップS21の判定処理で正規の起動信号であると判定すれば、ステップS22に進み、各IDコード(車体固有のIDコード及びタイヤ固有のIDコード)と搭載されたタイヤの最新の圧力データを含むアンサー信号を所定回数送信する。また、上記ステップS21の判定処理で正規の起動信号であると判定しなかった場合、及び上記ステップS22のアンサー信号の送信を終了した後には、スタンバイ状態に戻って、再度の信号入力を待つ(ステップS23、S24)。
以上説明した本例のシステムによれば、所定の検出タイミングで各タイヤのセンサユニット30と車体側コントローラ20との間で、起動信号とアンサー信号の送受信がなされ、車体側コントローラ20でアンサー信号が受信できないか、受信したアンサー信号に含まれる圧力測定データが異常であると、検出対象のタイヤが異常であることを示す警報が出力され、タイヤ毎の双方向通信式のTPMSとしての基本的機能が実現される。
しかも、既述したように必要に応じて高出力送信処理と低出力送信処理を行う構成であるため、センサユニット30の受信感度にばらつきがあっても、既述したクロストークや逆クロストークによる通信障害の問題が解消できる。
特に本例の場合、各妨害波の出力はクロストークが生じない範囲の最低値である。即ち、高出力送信処理において送信される妨害波(強度PJ1)は、クロストークが生じない範囲(PJ1≧k×Ph)の最低値(PJ1=k×Ph)であり、低出力送信処理において送信される妨害波(強度PJ2)は、クロストークが生じない範囲(PJ2≧k×Ph)の最低値(PJ2=k×Ph)である。また、低出力送信処理におけるリクエスト信号の送信出力(強度PL)は、高出力送信処理において送信された妨害波(強度PJ1=k×Ph)によって所定のタイヤ(検出対象のタイヤ)の位置に生じる電界強度と等しい電界強度(k×α×Ph)を所定のタイヤの位置に生じさせる値(PL=k×Ph)である。このため、各送信出力(高出力送信処理における起動信号の送信出力、低出力送信処理における起動信号の送信出力、高出力送信処理において送信される妨害波の送信出力、低出力送信処理において送信される妨害波の送信出力)がそれぞれ最も効率良く設定される。即ち図6に示すように、高出力送信処理によってカバーされるセンサユニット30の受信感度の領域(受信強度がk×α×Ph〜α×Phの領域)と、低出力送信処理によってカバーされるセンサユニット30の受信感度の領域(受信感度がk×α×Ph〜k×α×Ph)とが、重複することなく設定されることになり、全体として通信可能なばらつき範囲が最大(k×α×Ph〜α×Ph)になる。したがって、対応可能なセンサユニット30の受信感度のばらつき範囲が最大となり、センサユニット30の受信感度のばらつきがより大きくても、通信障害が生じない性能をより高めることができる。
なお、本発明は上述した実施例に限られず、各種の変形や応用があり得る。
例えば、低出力送信処理として、リクエスト信号及び妨害波の送信出力が異なるものが複数設定され、車体側コントローラは、各センサユニットに対してリクエスト信号を送信してタイヤの情報を読み取る際に、対応するセンサユニットから前記情報を含む返信が適正に受信されるまで、高出力送信処理と複数の低出力送信処理のうちの各処理を順次実行する態様でもよい。例えば図7のフローチャートにおいて、ステップS6の判定結果が否定的になった場合、送信出力をPL、PJ2よりもさらに低くしてステップS4〜S9と同様の処理(即ち、より低出力な低出力送信処理によるタイヤ監視動作)をさらに繰り返し実行する態様でもよい。このようにすると、対応可能なセンサユニット30の受信感度のばらつき範囲がより大きくなる。
また本発明の「タイヤの情報」は、タイヤ圧力に限定されず、タイヤの温度、歪、回転数、加速度などであってもよい。
また前記実施例では、車体前部の左右に配置されたタイヤ間でのクロストークや逆クロストークによる通信障害を防止する例を説明したが、本発明は、クロストークや逆クロストークが問題となる近接するタイヤ間であればどのタイヤ間にも適用できる。例えば、車体後部の左右に配置されたタイヤ間でのクロストークや逆クロストークによる通信障害を同様の構成で防止可能であるし、或いは車体後部の左右に配置されたタイヤ(例えば図2(b)のタイヤ4又は5)とスペアタイヤ(例えば図2(b)の予備タイヤ6)との間でのクロストークや逆クロストークによる通信障害を同様の構成で防止可能である。
1 車両
2〜6 タイヤ
11〜15 イニシエータ
20 車体側コントローラ(ECU)
30 センサユニット(TPS)

Claims (2)

  1. 複数のタイヤが装着される車両において、各タイヤ毎に設けられたイニシエータを介して各タイヤに対して無線信号を送信可能な車体側コントローラと、各タイヤに設けられて各タイヤの情報を無線信号として前記車体側コントローラに送信可能なセンサユニットとを備え、前記車体側コントローラが各イニシエータを介して各センサユニットに対してそれぞれリクエスト信号を送信し、このリクエスト信号を受信した各センサユニットが前記情報を前記車体側コントローラに返信するタイヤモニタリングシステムであって、
    前記車体側コントローラは、
    各センサユニットに対して前記リクエスト信号を送信して前記情報を読み取る際に、
    前記センサユニットの受信感度が最低であった場合にも前記センサユニットが受信可能となる所定の出力で前記リクエスト信号を送信する高出力送信処理と、前記所定の出力よりも低い出力で前記リクエスト信号を送信する低出力送信処理のうちの何れか一つをまず実行し、これに対して対応するセンサユニットから前記情報を含む返信が適正に受信されない場合には、前記高出力送信処理と低出力送信処理のうちの残りを実行し、
    前記高出力送信処理及び低出力送信処理において前記リクエスト信号を対象のタイヤの前記センサユニットに送信する際には、近接する位置にある他のタイヤの前記センサユニットが当該リクエスト信号を受信してしまうクロストークが生じないように、この他のタイヤに対応するイニシエータから妨害波を送信する機能を有し、
    前記妨害波の出力の大きさは前記リクエスト信号の出力の大きさに応じた値とされ、前記リクエスト信号の出力が低くなると前記妨害波の出力も低く設定されることを特徴とするタイヤモニタリングシステム。
  2. 各妨害波の出力は、前記クロストークが生じない範囲の最低値であり、
    前記低出力送信処理における前記リクエスト信号の送信出力は、前記高出力送信処理において送信された妨害波によって対象のタイヤの位置に生じる電界強度と等しい電界強度を対象のタイヤの位置に生じさせる値であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤモニタリングシステム。
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