JP2010221483A - 流体噴射装置のメンテナンス方法及び流体噴射装置 - Google Patents

流体噴射装置のメンテナンス方法及び流体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性の高いメンテナンスを効率的に行う流体噴射装置のメンテナンス方法及び流体噴射装置を提供すること。
【解決手段】流体を噴射するノズルを有する流体噴射ヘッドを備えた流体噴射装置メンテナンス方法であって、前記ノズル近傍を負圧とすることで前記ノズルから前記流体を排出させるクリーニング動作において、前記流体の溶存窒素量に応じて前記流体の排出動作を調整する。
【選択図】図7

Description

本発明は、流体噴射装置のメンテナンス方法及び流体噴射装置に関する。
流体噴射装置として、噴射ヘッド(流体噴射ヘッド)のノズルより記録媒体にインク(流体)を噴射するインクジェット式記録装置が知られている。このようなインクジェット式記録装置では、時間の経過に伴ってノズルからのインクの吐出速度や吐出量が変化し、インクの吐出状態(噴射状態)が変化する。このため、インクの吐出速度や吐出量を所望の範囲に維持するために、定期的に噴射ヘッドのクリーニング処理が行われる
噴射ヘッドの内部では、時間の経過に伴って気泡が成長したりインクが増粘したりすることでインクの吐出速度や吐出量が所望の値を超えてしまい、吐出不良が生じる。そこで、キャッピング装置を用いた吸引動作を定期的に行うことでノズルのクリーニングが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−219567号公報
このようなインクジェット式記録装置は、インクの溶存窒素量が多いと、上記気泡が発生しやすくなることを発明者は突きとめた。その際、インクの溶存窒素量が所定の値以下となるように、インク内の溶存窒素を脱気するなど、溶存窒素量を管理する技術が考えられる。
しかしながら、インク内の溶存窒素量を管理する手法は、装置内に脱気装置などの管理装置を別途設ける必要があるため、装置が大型化し、メンテナンスも大掛かりなものになってしまう。
以上のような事情に鑑み、本発明は、信頼性の高いメンテナンスを効率的に行う流体噴射装置のメンテナンス方法及び流体噴射装置を提供することを目的とする。
本発明に係る流体噴射装置は、流体を噴射するノズルを有する流体噴射ヘッドを備えた流体噴射装置メンテナンス方法であって、前記ノズル近傍を負圧とすることで前記ノズルから前記流体を排出させるクリーニング動作において、前記流体の溶存窒素量に応じて前記流体の排出動作を調整することを特徴とする。
本発明によれば、クリーニング動作において、流体の溶存窒素量に応じて流体の排出動作を調整することとしたので、無駄な流体の排出を抑えつつ流体噴射ヘッドのクリーニングを確実に行うことができる。これにより、信頼性の高いメンテナンスを効率的に行うことが可能となる。
上記の流体噴射装置のメンテナンス方法は、前記流体噴射ヘッドに供給される前の前記流体における前記溶存窒素量を検出し、前記クリーニング動作では、検出結果に応じて前記排出動作を調整することを特徴とする。
本発明によれば、流体噴射ヘッドに供給される前の流体における溶存窒素量を検出し、検出結果に応じて排出動作を調整することとしたので、クリーニング動作を行うタイミングにおいてより正確な溶存窒素量を検出することができる。これにより、流体の排出量をより適正な値に調整することができるため、メンテナンスの信頼性を高めることができる。
上記の流体噴射装置のメンテナンス方法は、前記流体の供給部を前記流体噴射ヘッドに接続してから経過する時間に基づいて前記溶存窒素量を算定し、前記クリーニング動作では、算定結果に応じて前記排出動作を調整することを特徴とする。
本発明によれば、流体の供給部を流体噴射ヘッドに接続してから経過する時間に基づいて溶存窒素量を算定し、算定結果に応じて排出動作を調整することとしたので、クリーニング動作を行うタイミングにおいてより正確な溶存窒素量が算出されることとなる。これにより、流体の排出量をより適正な値に調整することができるため、メンテナンスの信頼性を高めることができる。
上記の流体噴射装置のメンテナンス方法は、前記クリーニング動作は、前記ノズル近傍を減圧することで前記負圧を発生させ、前記排出動作の調整は、前記ノズル近傍の到達圧力、前記ノズル近傍の減圧速度及び前記ノズル近傍の減圧時間のうち少なくとも1つの調整を含むことを特徴とする。
本発明によれば、クリーニング動作として、ノズル近傍を減圧することで負圧を発生させることとし、排出動作の調整として、ノズル近傍の到達圧力、ノズル近傍の減圧速度及びノズル近傍の減圧時間のうち少なくとも1つの調整を含むこととしたので、排出動作をより高精度に調整することができる。
上記の流体噴射装置のメンテナンス方法は、前記クリーニング動作は、第1吸引動作及び第2吸引動作の2段階の吸引動作を行い、前記排出動作の調整は、前記第1吸引動作の終了から前記第2吸引動作の開始までの時間の調整を含むことを特徴とする。
本発明によれば、クリーニング動作として、第1吸引動作及び第2吸引動作の2段階の吸引動作を行い、排出動作の調整として、第1吸引動作の終了から第2吸引動作の開始までの時間の調整を含むこととしたので、排出動作をより高精度に調整することができる。
上記の流体噴射装置のメンテナンス方法は、前記第2吸引動作の後、前記ノズルから前記流体を噴射するフラッシング動作を行い、前記排出動作の調整は、前記第2吸引動作の終了から前記フラッシング動作の開始までの時間の調整を含むことを特徴とする。
本発明によれば、第2吸引動作の後、ノズルから流体を噴射するフラッシング動作を行い、排出動作の調整として、第2吸引動作の終了からフラッシング動作の開始までの時間の調整を含むこととしたので、排出動作をより高精度に調整することができる。
上記の流体噴射装置のメンテナンス方法は、前記排出動作の調整は、前記フラッシング動作において前記ノズルから前記流体を噴射する際の駆動周波数の調整を含むことを特徴とする。
本発明によれば、排出動作の調整として、フラッシング動作においてノズルから流体を噴射する際の駆動周波数の調整を含むこととしたので、排出動作をより高精度に調整することができる。
上記の流体噴射装置のメンテナンス方法は、前記クリーニング動作は、排出時の前記流体の流れを用いて前記流体噴射ヘッド内の気泡を移動させる気泡移動ステップを有し、前記排出動作の調整は、前記気泡移動ステップにおいて行うことを特徴とする。
本発明によれば、クリーニング動作として、排出時の流体の流れを用いて流体噴射ヘッド内の気泡を移動させる気泡移動ステップを行い、排出動作の調整を気泡移動ステップにおいて行うこととしたので、気泡の移動に要する流体の流れをより適正に発生させることができる。これにより、メンテナンスの信頼性を高めることができる。
上記の流体噴射装置のメンテナンス方法は、前記クリーニング動作は、増粘した前記流体を排出する増粘流体排出ステップを有し、前記排出動作の調整は、前記増粘流体排出ステップにおいて行うことを特徴とする。
本発明によれば、クリーニング動作として、増粘した流体を排出する増粘流体排出ステップを行い、排出動作の調整を増粘流体排出ステップにおいて行うこととしたので、増粘流体の排出に要する流体の流れをより適正に発生させることができる。これにより、メンテナンスの信頼性を高めることができる。
本発明に係る流体噴射装置は、流体を噴射するノズルを有する流体噴射ヘッドと、前記ノズルの近傍に負圧を発生させる負圧発生機構と、前記負圧発生機構を用いて前記ノズル近傍を負圧にさせることで前記ノズルから前記流体を排出させるクリーニング動作を行わせると共に、前記クリーニング動作の際に前記流体の溶存窒素量に応じて前記流体の排出動作を調整させる制御装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、負圧発生機構を用いたクリーニング動作において、制御装置が流体の溶存窒素量に応じて流体の排出動作を調整させることとしたので、無駄な流体の排出を抑えつつ流体噴射ヘッドのクリーニングを確実に行うことができる。しかも、溶存窒素量の管理装置などを設ける必要が無いため、流体噴射装置が大型化することもない。これにより、信頼性が高く、小型化が可能な流体噴射装置を得ることができる。
本発明の実施の形態に係るプリンタの概略構成を示す一部分解図。 記録ヘッドの構成を説明する断面図。 記録ヘッドの構成を説明する要部断面図。 メンテナンス装置の要部構成を示す模式図。 プリンタの電気的な構成を示すブロック図。 メンテナンス動作を説明するためのグラフ。 メンテナンス動作を説明するための表。 本発明の実施例に係るメンテナンス動作を説明するための表。
以下、本発明に係る流体噴射装置の実施形態について、図を参照して説明する。本実施形態では、本発明に係る流体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、プリンタ1と称す)を例示する。図1は、本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成を示す一部分解図である。
プリンタ1は、サブタンク2及び噴射ヘッド3を搭載したキャリッジ4と、プリンタ本体5とから概略構成される。プリンタ本体5には、キャリッジ4を往復移動させるキャリッジ移動機構65(図7参照)と、不図示の記録紙(ターゲット)を搬送する紙送り機構66(図7参照)と、噴射ヘッド(噴射ヘッド)3のメンテナンス処理に用いられるメンテナンス機構MNと、噴射ヘッド3に供給するインクを貯留したインクカートリッジ6とが設けられている。
また、プリンタ1は、噴射ヘッド3から吐出されるインク滴Dを検出可能なインク滴センサ(流体検出手段)7を備えている(図4,7参照)。このインク滴センサ(流体検出手段)7は、噴射ヘッド3のノズルから吐出されるインク滴Dを帯電させ、この帯電したインク滴Dが飛翔する際の静電誘導に基づく電圧変化を検出信号として出力することで、ノズルのインク吐出状態を把握可能とするように構成されたものである。
上記キャリッジ移動機構65は、図1に示される、プリンタ本体5の幅方向に架設されたガイド軸8と、パルスモータ9と、パルスモータ9の回転軸に接続されてこのパルスモータ9によって回転駆動される駆動プーリー10と、駆動プーリー10とはプリンタ本体5の幅方向の反対側に設けられた遊転プーリー11と、駆動プーリー10と遊転プーリー11との間に掛け渡されてキャリッジ4に接続されたタイミングベルト12と、から構成されている。
そして、パルスモータ9を駆動することで、キャリッジ4がガイド軸8に沿って主走査方向に往復移動するように構成されている。また、上記紙送り機構66は、紙送りモータやこの紙送りモータによって回転駆動される紙送りローラ(いずれ不図示)等から構成され、記録紙を記録(印字・印刷)動作に連動させてプラテン上に順次送り出すようになっている。
図2は、プリンタにおける噴射ヘッドの構成を説明する断面図であり、図3は、噴射ヘッドの構成を説明する要部断面図である。図4はメンテナンス機構MNの要部構成を示す模式図である。
図2に示されるように、本実施形態における噴射ヘッド3は、導入針ユニット17、ヘッドケース18、流路ユニット19及びアクチュエータユニット20を主な構成要素としている。
導入針ユニット17の上面にはフィルタ21を介在させた状態で2本のインク導入針22が横並びで取り付けられている。これらのインク導入針22には、サブタンク2がそれぞれ装着される。また、導入針ユニット17の内部には、各インク導入針22に対応したインク導入路23が形成されている。
このインク導入路23の上端はフィルタ21を介してインク導入針22に連通し、下端はパッキン24を介してヘッドケース18内部に形成されたケース流路25と連通する。
なお、本実施形態は、4種類のインクを使用する構成であるため、サブタンク2を4つ配設しているが、本発明は5種類以上のインクを使用する構成にも当然に適用されるものである。
サブタンク2は、ポリプロピレン等の樹脂製材料によって成型されている。このサブタンク2には、インク室27となる凹部が形成され、この凹部の開口面に透明な弾性シート26を貼設してインク室27が区画されている。
また、サブタンク2の下部にはインク導入針22が挿入される針接続部28が下方に向けて突設されている。サブタンク2におけるインク室27は、底の浅いすり鉢形状をしており、その側面における上下中央よりも少し下の位置には、針接続部28との間を連通する接続流路29の上流側開口が臨んでいる。また、インク室27の上流側には、タンク部フィルタ(不図示)が設けられている。針接続部28の内部空間にはインク導入針22が液密に嵌入されるシール部材31が嵌め込まれている。
このサブタンク2には、図4に示されるようにインク室27に連通する連通溝部32′を有する延出部32が形成されており、この延出部32の上面にはインク流入口33が突設されている。このインク流入口33には、インクカートリッジ6に貯留されたインクLを供給するインク供給チューブ34が接続される。従って、インク供給チューブ34を通ってきたインクLは、このインク流入口33から連通溝部32′を通ってインク室27に流入するようになっている。本実施形態に係るプリンタ1は、4つのインクカートリッジ6を備えており、それぞれが対応するサブタンク2に上記インク供給チューブ34を介して接続されている。インクカードリッジ6の各々には、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの四色のインクが貯留されている。
図2に示した上記弾性シート26は、インク室27を収縮させる方向と膨張させる方向とに変形可能である。そして、この弾性シート26の変形によるダンパ機能によって、インクLの圧力変動が吸収される。すなわち、弾性シート26の作用によってサブタンク2が圧力ダンパとして機能する。従って、インクLは、サブタンク2内で圧力変動が吸収された状態で噴射ヘッド3側に供給されるようになっている。
ヘッドケース18は、合成樹脂製の中空箱体状部材であり、下端面に流路ユニット19を接合し、内部に形成された収容空部37内にアクチュエータユニット20を収容し、流路ユニット19側とは反対側の上端面にパッキン24を介在した状態で導入針ユニット17を取り付けるようになっている。
このヘッドケース18の内部には、高さ方向を貫通してケース流路25が設けられている。このケース流路25の上端は、パッキン24を介して導入針ユニット17のインク導入路23と連通するようになっている。
また、ケース流路25の下端は、流路ユニット19内の共通インク室44に連通するようになっている。したがって、インク導入針22から導入されたインクLは、インク導入路23及びケース流路25を通じて共通インク室44側に供給される。
図3に示されるように、ヘッドケース18の収容空部37内に収容されるアクチュエータユニット20は、櫛歯状に列設された複数の圧電振動子38と、この圧電振動子38が接合される固定板39と、プリンタ本体側からの駆動信号を圧電振動子38に供給する配線部材としてのフレキシブルケーブル40とから構成される。各圧電振動子38は、固定端部側が固定板39上に接合され、自由端部側が固定板39の先端面よりも外側に突出している。即ち、各圧電振動子38は、所謂片持ち梁の状態で固定板39上に取り付けられている。
また、各圧電振動子38を支持する固定板39は、例えば厚さ1mm程度のステンレス鋼によって構成されている。そして、アクチュエータユニット20は、固定板39の背面を、収容空部37を区画するケース内壁面に接着することで収容空部37内に収納・固定されている。
流路ユニット19は、振動板(封止板)41、流路基板42及びノズル基板43からなる流路ユニット構成部材を積層した状態で接着剤で接合して一体化することにより作製されており、共通インク室44からインク供給口45及び圧力室46を通りノズル47に至るまでの一連のインク流路(液体流路)を形成する部材である。圧力室46は、ノズル47の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。
また、共通インク室44は、ケース流路25と連通し、インク導入針22側からのインクLが導入される室である。そして、この共通インク室44に導入されたインクLは、インク供給口45を通じて各圧力室46に分配供給される。
流路ユニット19の底部に配置されるノズル基板43は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル47を列状に開設した金属製の薄い板材である。本実施形態のノズル基板43は、ステンレス鋼の板材によって作製され、本実施形態においてはノズル47の列(即ち、ノズル列)が、各サブタンク2に対応して2列ずつ、合計8列並設されている。そして、1つのノズル列は、例えば、180個のノズル47によって構成される。ノズル基板43と振動板41との間に配置される流路基板42は、インク流路となる流路部、具体的には、共通インク室44、インク供給口45及び圧力室46となる空部が区画形成された板状の部材である。
本実施形態において、流路基板42は、結晶性を有する基材であるシリコンウェハを異方性エッチング処理することによって作製されている。振動板41は、ステンレス鋼等の金属製の支持板上に弾性フィルムをラミネート加工した二重構造の複合板材である。この振動板41の圧力室46に対応する部分には、エッチングなどによって支持板を環状に除去することで、圧電振動子38の先端面が接合される島部48が形成されており、この部分はダイヤフラム部として機能する。即ち、この振動板41は、圧電振動子38の作動に応じて島部48の周囲の弾性フィルムが弾性変形するように構成されている。また、振動板41は、流路基板42の一方の開口面を封止し、コンプライアンス部49としても機能する。このコンプライアンス部49に相当する部分についてはダイヤフラム部と同様にエッチングなどにより支持板を除去して弾性フィルムだけにしている。
そして、上記の噴射ヘッド3において、フレキシブルケーブル40を通じて駆動信号が圧電振動子38に供給されると、この圧電振動子38が素子長手方向に伸縮し、これに伴い島部48が圧力室46に近接する方向或いは離隔する方向に移動する。これにより、圧力室46の容積が変化し、圧力室46内のインクLに圧力変動が生じる。この圧力変動によってノズル47からインク滴Dが吐出される。
図4に示すように、メンテナンス機構MNは、キャップユニット(負圧発生機構)50を有している。キャップユニット50は、噴射ヘッド3の噴射面47A(図3参照)を覆うように密閉し、密閉空間に負圧を発生させることでノズル47内のインクを排出させるユニットである。キャップユニット50は、噴射面47Aを密閉するキャップ部51aが形成された本体部51と、チューブ52を介してキャップ部51aに接続される吸引ポンプ53とを有している。
チューブ52の内部とキャップ部51aとは、接続部51bを介して連通している。この構成により、吸引ポンプ53は、凹部51a内を吸引可能となっている。吸引ポンプ53の下流側には、チューブ54を介して廃インク回収用タンク55が接続されている。負圧発生ユニット50は、不図示の駆動機構を有している。当該駆動機構により上記本体部51が噴射ヘッド3の噴射面47Aにおける所定の位置に移動可能となっている。
この他、メンテナンス機構MNは、ノズル47の噴射特性を維持するためのフラッシング動作時に用いられる不図示のフラッシングユニットなどを有している。
図5はプリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。
本実施形態におけるプリンタ1は、プリンタ1全体の動作を制御する制御装置CONTを備えている。この制御装置CONTには、プリンタ1の動作に関する各種情報を入力する入力装置59と、プリンタ1の動作に関する各種情報を記憶した記憶装置60と、時間の計測を実行可能な計測装置61とが接続されている。
制御装置CONTは、上述したカラー印刷モード及びモノクロ印刷モードのうちいずれかを選択するモード選択手段として機能する。制御装置CONTは、例えばユーザによる設定を反映させた印刷モードを選択できるようになっている。制御装置CONTには、上述した紙送り機構66、キャリッジ移動機構65、メンテナンス機構MN及び溶存窒素量を検出する検出装置SR等が接続されている。
溶存窒素量は、インク内に溶解された状態で存在する窒素の量を指す。インク内に窒素が溶解されていると、例えば温度条件の変動やインクの周囲の環境の変動により、窒素がインク内から気体として放出されてしまうことがある。放出された窒素ガスは、インク内で気泡として形成される場合がある。
インク内には、窒素の他にも例えば酸素が溶解された状態で存在することがある(溶存酸素)。この溶存酸素についても同様に、気泡形成の一因となる場合がある。以下、説明の簡単のため溶存窒素についてのみ記載するが、溶存酸素についても同様の説明が可能である。
溶存窒素量は、一定の値(飽和溶存窒素量)を超えることは無い。溶存窒素がほとんど存在しないインクは、例えば脱気インクと表記することができる。溶存窒素が飽和溶存窒素量分存在するインクは、例えば飽和インクと表記することができる。脱気インクを用いた場合、噴射ヘッド3内には気泡が生じにくくなるといえる。これに対して、飽和インクを用いた場合、噴射ヘッド3内には気泡が生じやすくなるといえる。
検出装置SRは、例えばインク供給チューブ34内に設けられている。検出装置SRは、サブタンク2よりもインク供給の上流側に配置されていることが好ましい。検出装置SRは、サブタンク2に供給される前のインク内の溶存窒素量を検出する。検出結果は、例えば制御装置CONTに送信されるようになっている。
制御装置CONTの記憶装置60には、溶存窒素量に関する比較用データが記憶されている。比較用データとしては、例えばプリンタ1の使用環境において気泡が生じやすくなる溶存窒素量の閾値など挙げられる。この閾値は、例えば予め実験やシミュレーションなどによって求めておくことができる。
また、上記プリンタ1は、圧電振動子38に入力する駆動信号を発生する駆動信号発生器62を備えている。この駆動信号発生器62は、制御装置CONTに接続されている。駆動信号発生器62には、噴射ヘッド3の圧電振動子38に入力する吐出パルスの電圧値の変化量を示すデータ、及び吐出パルスの電圧を変化させるタイミングを規定するタイミング信号が入力される。
次に、上記のように構成されたプリンタ装置PRTの動作を説明する。以下の説明では、プリンタ装置PRTの特徴であるメンテナンス方法(クリーニング動作及びフラッシング動作)について述べる。
まず、クリーニング動作及びフラッシング動作の概略を説明する。
噴射ヘッド3のクリーニング動作を開始する際、制御装置CONTは、検出装置SRによってインク内の溶存窒素量を検出させる。制御装置CONTは、記憶装置60に記憶されている閾値と検出装置SRによる検出値とを比較する。検出値が閾値よりも小さい場合、制御装置CONTは、当該インクを脱気インクとしてクリーニング動作を行わせる。検出値が閾値以上の場合、制御装置CONTは、当該インクを飽和インクとしてクリーニング動作を行わせる。
クリーニング動作として、制御装置CONTは、まずメンテナンス機構MNに設けられた不図示の昇降機構を用いて噴射ヘッド3の下方に本体部51を移動させ、キャップ部51aを噴射面47Aに当接させる。この動作により、噴射面47Aのノズル47近傍がキャップ部51aによって密閉される。
噴射面47A上を密閉させた後、制御装置CONTは、吸引ポンプ53を駆動させる。吸引ポンプ53の駆動により、キャップ部51aに密閉されたノズル47近傍が減圧され、当該ノズル47近傍が負圧となる。このように、制御装置CONTは、ノズル47近傍を負圧とすることでノズル47からインクを排出させる。
制御装置CONTは、クリーニング動作として、気泡移動ステップ及び増粘インク排出ステップを行わせる。気泡移動ステップは、インク排出時に形成される当該インクの流れを用いて噴射ヘッド3内の気泡を移動させるステップである。具体的には、噴射ヘッド3内のフィルタ21を通過せずに停留している気泡について、フィルタ21を通過させるように移動させるステップである。増粘インク排出ステップは、増粘したインクを排出しノズル47の詰まりを防ぐためのステップである。気泡の移動に要するインクの流量に比べて、増粘インクの排出に要するインクの流量は小さくなっている。
気泡移動ステップ及び増粘インク排出ステップの各ステップおいて、制御装置CONTは、ノズル47近傍が負圧となるように吸引ポンプ53に本吸引及び微量吸引の2段階の吸引動作を行わせる。図5は、本吸引動作及び微量吸引動作における時間と圧力との関係を示すグラフである。グラフの縦軸が圧力を示し、グラフの横軸が時間を示している。
本吸引動作は、それぞれのステップにおける目的(気泡移動ステップでは気泡の移動、増粘インク排出ステップでは増粘インクの排出)を行わせるための吸引動作である。微量吸引動作は、キャップ部51aからノズル47内へインクが逆流するのを防ぐための吸引動作である。
図5に示すように、各ステップにおいて、制御装置CONTは、吸引ポンプ53に本吸引動作(t0〜t1)を行わせる。制御装置CONTは、本吸引動作では、例えば密閉空間内が到達圧力P1となるまで吸引ポンプ53を作動させる。本吸引動作の後、制御装置CONTは、吸引ポンプ53の作動を停止させて密閉空間内の負圧を戻していく(t1〜)。
その後、制御装置CONTは、メンテナンス機構MNに設けられた不図示の昇降機構を用いて噴射ヘッド3の噴射面47Aとキャップ部51aとを引き離させ(t2)、例えば不図示のワイピング部材などを用いて噴射面47Aを払拭させる(t3〜t4)。ワイピング部材による払拭後、制御装置CONTは、再びキャップ部51aを噴射面47Aに当接させる。
この状態で、制御装置CONTは、微量吸引動作(t5〜t6)を行わせる。制御装置CONTは、微量吸引動作では、例えば密閉空間内が到達圧力P2となるまで吸引ポンプ53を作動させる。到達圧力P2は、本吸引動作の到達圧力P1に比べて小さな値とする。微量吸引動作の後、制御装置CONTは、吸引ポンプ53の作動を停止させて密閉空間内の負圧を戻していく(t6〜t7)。
その後、制御装置CONTは、不図示の昇降機構を用いて噴射ヘッド3の噴射面47Aとキャップ部51aとを引き離させ(t7)、例えば不図示のワイピング部材などを用いて噴射面47Aを払拭させる(t8〜t9)。
制御装置CONTは、上記各動作(t0〜t9)を気泡移動ステップ及び増粘インク排出ステップの各ステップにおいて行わせる。各ステップにおいて、ワイピング動作の終了後(t9〜)、それぞれフラッシング動作を行わせる(t10〜)。
フラッシング動作を行う場合、制御装置CONTは、キャップ部51aと噴射面47Aとを対向させた状態とし、駆動信号発生器62を介して圧電振動子38を振動させる。この動作により、ノズル47からインクが噴射されて排出される。排出されたインクは、キャップ部51a内に収容される。このようにフラッシング動作が行われる。
本実施形態においては、制御装置CONTは、ノズル47からのインクの排出動作を適宜調整しながら上記のクリーニング動作及びフラッシング動作を行わせる。制御装置CONTは、例えば吸引ポンプ53を用いた吸引動作によるノズル47近傍の到達負圧(絶対値)、ノズル近傍47の吸引速度、ノズル近傍47の吸引時間(t0〜t1、又は、t5〜t6)を調整することにより、排出動作を調整する。
この他、制御装置CONTは、本吸引動作の終了から微量吸引動作の開始までの時間(t4〜t5)や、微量吸引動作の終了からフラッシング動作の開始までの時間(t9〜t10)、フラッシング動作において圧電振動子38に供給する駆動信号の周波数などを調整することにより、インクの排出動作を調整する。
以下、排出動作の調整について具体的に説明する。本実施形態では、制御装置CONTは、上記結果によって飽和インクと判断されたインクのクリーニングと、脱気インクと判断されたインクのクリーニングとの間で、上記の排出動作を調整しながら吸引動作を行わせる。図7は、排出動作の調整内容をまとめた表である。
溶存窒素量が上記閾値未満である脱気インクは、溶存窒素量が少なく、フィルタ21において停留するような気泡を発生させにくい。このため、インクの排出量をそれほど大きくしなくても印字不良を引き起こさない。これに対して、溶存窒素量が閾値以上である飽和インクは、溶存窒素量が大きく、フィルタ21において停留する気泡を発生させやすい。
そこで、図7に示すように、気泡移動ステップを行う場合には、制御装置CONTは、脱気インクの場合よりも、飽和インクの場合の方が、ノズル47近傍の到達負圧(絶対値)を大きくし、ノズル近傍47の吸引時間を長くして吸引動作を行わせる。ノズル近傍47の吸引速度については、例えば両者ともほぼ同一の吸引速度とする。この吸引動作は、本吸引動作及び微量吸引動作の両方について同様に行わせる。本吸引動作の終了から微量吸引動作の開始までの時間及び微量吸引動作の終了からフラッシング動作の開始までの時間については、それぞれ飽和インクの場合の方が脱気インクの場合に比べて長く設定する。フラッシング動作においては、飽和インクの場合の方が脱気インクの場合に比べて、駆動周波数を低く設定する。
この動作により、脱気インクについての気泡移動ステップでは、吸引量が抑えられることになるため、フィルタ21の下流側のインクの排出量を抑制することができる。
加えて、飽和インクについての気泡移動ステップでは、吸引量が大きくなり、インクの排出量を多くなるため、フィルタ21より下流の残存気泡を減少させることができる。本吸引動作から微量吸引動作の時間が長くなり、微量吸引動作からフラッシング動作までの時間が長くなるため、気泡のインクへの溶解を促進させることができる。微量吸引動作においても気泡を排出することができるため、確実に残存気泡を減少させることができる。フラッシング動作において、駆動周波数を低く設定することにより、気泡がノズル47内に詰ってしまうのを防ぐことができる。
増粘流体排出ステップを行う場合には、図7に示すように、制御装置CONTは、脱気インクの場合よりも、飽和インクの場合の方が、ノズル47近傍の到達負圧(絶対値)を小さくし、ノズル近傍47の吸引速度を小さくし、ノズル近傍47の吸引時間を長くして吸引動作を行わせる。この吸引動作は、本吸引動作及び微量吸引動作の両方について同様に行わせる。本吸引動作の終了から微量吸引動作の開始までの時間及び微量吸引動作の終了からフラッシング動作の開始までの時間については、それぞれ飽和インクの場合の方が脱気インクの場合に比べて長く設定する。
この動作により、脱気インクについての増粘流体排出ステップでは、吸引量が抑えられることになるため、インクの排出量を抑制することができる。
加えて、飽和インクについての気泡移動ステップでは、到達負圧(絶対値)が小さくなり、吸引速度が低くなり、吸引時間が長くなることにより、少量のインクがゆっくりと排出されることになる。このため、ノズル47からの気泡の巻き込みが抑制されることとなる。また、気泡移動ステップと同様、本吸引動作から微量吸引動作の時間が長くなり、微量吸引動作からフラッシング動作までの時間が長くなるため、気泡のインクへの溶解を促進させることができる。微量吸引動作においても気泡を排出することができるため、確実に残存気泡を減少させることができる。フラッシング動作において、駆動周波数を低く設定することにより、気泡がノズル47内に詰ってしまうのを防ぐことができる。
以上のように、本実施形態によれば、インクの溶存窒素量に応じてインクの排出動作を調整することとしたので、無駄な流体の排出を抑えつつ噴射ヘッド3のクリーニングを確実に行うことができる。これにより、信頼性の高いメンテナンスを効率的に行うことが可能となる。
また、噴射ヘッド3に供給される前のインクにおける溶存窒素量を検出し、検出結果に応じて排出動作を調整することとしたので、クリーニング動作を行うタイミングにおいてより正確な溶存窒素量を検出することができる。これにより、インクの排出量をより適正な値に調整することができるため、メンテナンスの信頼性を高めることができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態では、噴射ヘッド3に供給される前のインクにおける溶存窒素量を検出し検出結果を用いて排出動作を調整する構成としたが、これに限られることは無い。例えばインクカートリッジ6を噴射ヘッド3のサブタンク2に接続してから経過する時間に基づいて溶存窒素量を算定し、算定結果に応じて排出動作を調整するようにしても構わない。
この場合であっても、クリーニング動作を行うタイミングにおいてより正確な溶存窒素量が算出されることとなる。これにより、インクの排出量をより適正な値に調整することができるため、メンテナンスの信頼性を高めることができる。なお、この場合、算定方式については、予め実験やシミュレーションなどによって閾値を求めておき、記憶装置60に記憶させておくことができる。上記実施形態の検出装置SRによる検出結果及び当該算出結果の両方を用いて溶存窒素量を算出しても構わないし、検出結果に基づいて閾値を設定するようにしても構わない。
また、上記実施形態では、インクジェット式のプリンタと、インクカートリッジが採用されているが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置と、その液体を収容した液体容器を採用しても良い。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。
また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であれ良い。例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施例の形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。
液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置および液体容器に本発明を適用することができる。
本発明の実施例を説明する。
本実施例では、上記実施形態における図8の排出動作の調整について、具体的な値を設定した上でクリーニング動作及びフラッシング動作を行った。図8は、当該結果を示す表である。
図8に示すように、溶存窒素量の値が8以上10未満の場合に脱気インクとしてクリーニング動作を行い、溶存窒素量の値が10以上の場合に飽和インクとしてクリーニング動作を行うこととした。
まず、気泡移動ステップにおけるインクの排出動作の調整について説明する。
脱気インクの場合、本吸引動作については、到達負圧を−54kPa、吸引時間を2.4秒、吸引速度を5rpsとした。本吸引動作から微量吸引動作までの時間については、25秒とした。微量吸引動作については、到達負圧を−10kPa、吸引時間を0.8秒、吸引速度を3rpsとした。微量吸引動作からフラッシング動作までの時間については、10秒とした。フラッシング動作における駆動信号の周波数は、7.2kPaとした。
飽和インクの場合、本吸引動作については、到達負圧を−65kPa、吸引時間を3.2秒、吸引速度を5rpsとした。本吸引動作から微量吸引動作までの時間については、50秒とした。微量吸引動作については、到達負圧を−6kPa、吸引時間を1.6秒、吸引速度を1.6rpsとした。微量吸引動作からフラッシング動作までの時間については、30秒とした。フラッシング動作における駆動信号の周波数は、1kPaとした。
次に、増粘インク排出ステップにおけるインクの排出動作の調整について説明する。
脱気インクの場合、本吸引動作については、到達負圧を−17kPa、吸引時間を1.8秒、吸引速度を3rpsとした。本吸引動作から微量吸引動作までの時間については、30秒とした。微量吸引動作については、到達負圧を−9kPa、吸引時間を0.8秒、吸引速度を3rpsとした。微量吸引動作からフラッシング動作までの時間については、10秒とした。フラッシング動作における駆動信号の周波数は、7.2kPaとした。
飽和インクの場合、本吸引動作については、到達負圧を−10kPa、吸引時間を3.6秒、吸引速度を1.6rpsとした。本吸引動作から微量吸引動作までの時間については、50秒とした。微量吸引動作については、到達負圧を−6kPa、吸引時間を1.6秒、吸引速度を1.6rpsとした。微量吸引動作からフラッシング動作までの時間については、30秒とした。フラッシング動作における駆動信号の周波数は、1kPaとした。
上記のように、インクの溶存窒素量に応じてインクの排出動作を調整することとしたので、無駄な流体の排出を抑えつつ噴射ヘッド3のクリーニングを確実に行うことができることが実証された。これにより、信頼性の高いメンテナンスを効率的に行うことが可能となる。
1…プリンタ(流体噴射装置)、3…噴射ヘッド(流体噴射ヘッド)、MN…メンテナンス機構、47…ノズル、50…キャップユニット(負圧発生機構)、CONT…制御装置

Claims (10)

  1. 流体を噴射するノズルを有する流体噴射ヘッドを備えた流体噴射装置メンテナンス方法であって、
    前記ノズル近傍を負圧にすることで前記ノズルから前記流体を排出させるクリーニング動作において、前記流体の溶存窒素量に応じて前記流体の排出動作を調整する
    ことを特徴とする流体噴射装置のメンテナンス方法。
  2. 前記流体噴射ヘッドに供給される前の前記流体における前記溶存窒素量を検出し、
    前記クリーニング動作では、検出結果に応じて前記排出動作を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置のメンテナンス方法。
  3. 前記流体の供給部を前記流体噴射ヘッドに接続してから経過する時間に基づいて前記溶存窒素量を算定し、
    前記クリーニング動作では、算定結果に応じて前記排出動作を調整する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流体噴射装置のメンテナンス方法。
  4. 前記クリーニング動作は、前記ノズル近傍を減圧することで前記負圧を発生させ、
    前記排出動作の調整は、前記ノズル近傍の到達圧力、前記ノズル近傍の減圧速度及び前記ノズル近傍の減圧時間のうち少なくとも1つを調整することで行う
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置のメンテナンス方法。
  5. 前記クリーニング動作は、第1吸引動作及び第2吸引動作の2段階の吸引動作を行い、
    前記排出動作の調整は、前記第1吸引動作の終了から前記第2吸引動作の開始までの時間を調整することで行う
    ことを特徴とする請求項4に記載の流体噴射装置のメンテナンス方法。
  6. 前記第2吸引動作の後、前記ノズルから前記流体を噴射することで前記流体を排出するフラッシング動作を行い、
    前記排出動作の調整は、前記第2吸引動作の終了から前記フラッシング動作の開始までの時間を調整することで行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の流体噴射装置のメンテナンス方法。
  7. 前記排出動作の調整は、前記フラッシング動作において前記ノズルから前記流体を噴射する際の駆動周波数の調整を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の流体噴射装置のメンテナンス方法。
  8. 前記クリーニング動作は、排出時の前記流体の流れを用いて前記流体噴射ヘッド内の気泡を移動させる気泡移動ステップを有し、
    前記排出動作の調整は、前記気泡移動ステップにおいて行う
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置のメンテナンス方法。
  9. 前記クリーニング動作は、増粘した前記流体を排出する増粘流体排出ステップを有し、
    前記排出動作の調整は、前記増粘流体排出ステップにおいて行う
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置のメンテナンス方法。
  10. 流体を噴射するノズルを有する流体噴射ヘッドと、
    前記ノズルの近傍に負圧を発生させる負圧発生機構と、
    前記負圧発生機構を用いて前記ノズル近傍を排出動作にさせることで前記ノズルから前記流体を排出させるクリーニング動作を行わせると共に、前記クリーニング動作の際に前記流体の溶存窒素量に応じて前記流体の排出動作を調整させる制御装置と
    を備えることを特徴とする流体噴射装置。
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