JP2010220671A - Frp製カウンター - Google Patents

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Abstract

【課題】FRP製カウンターの短辺側の木口処理を良好に行うとともに、コーナー部へのクラック発生をなくすことである。
【解決手段】平面部5とバックガード部7とが交わるコーナー部11裏側にカウンター長手方向に延びる凸状湾曲面部11aを形成する。切断予定部に対応するコーナー部11裏側に、平面部5裏面の延長線L1、バックガード部7裏面の延長線L2及び凸状湾曲面部11aの三者で囲まれる領域を埋めるように隆起部15を一体に突設する。
【選択図】図3

Description

この発明は、設置場所の室内寸法に合わせて長さを調整できるFRP製カウンターの改良に関するものである。
特許文献1には、矩形状の平面部と、該平面部の後方長辺側の端縁から立ち上がるバックガード部とを一体に備えた洗面カウンターが開示されている。この洗面カウンターは、カウンター長手方向の寸法を設置寸法よりも若干長く形成していて、現場で実際の取付寸法に合わせて切断するようにしている。
そして、カウンターを設置する場合、バックガード部裏面に添え木をあてがって室内の壁面に沿わせるとともに、高級感を出すために平面部裏面のカウンター短辺側の端縁にも添え木をあてがって肉厚にすることが一般に行われる。
このようなカウンターでは、通常、平面部とバックガード部とが交わるコーナー部裏側にカウンター長手方向に延びる凸状湾曲面部が形成される。
この場合、上記コーナー部裏側には、平面部裏面の添え木、バックガード部裏面の添え木及び凸状湾曲面部の三者で囲まれた空間ができるため、パテを空間に充填した後、これらが見えないように薄い可撓性樹脂テープを貼着する木口処理を施している。
特開2002−136437号公報(段落0028欄、段落0030欄、図3)
しかし、上述の如き木口処理を施すと、パテが経時変化で収縮してこの影響で可撓性樹脂テープに皺が発生するなどの不具合があるとともに、パテ充填作業が必要で手間が掛かる。
ところで、上記のようなカウンターとして、ガラス繊維等の繊維状強化材を複合した強化プラスチック(FRP)製のものがある。このFRP製カウンターにおいても、上述の如きパテの収縮による不具合がある。
この不具合をなくすために、平面部裏面の添え木、バックガード部裏面の添え木及び凸状湾曲面部の三者で囲まれた空間ができないように、当初からコーナー部裏面に凸状湾曲面部がないカウンターを製作すればよいのだが、このようにすると、特に、FRP製カウンターでは、コーナー部の厚みがその周辺の厚みに比べてカウンター長手方向全体に亘って分厚くなり、カウンターを成形後に成形型から脱型する際にコーナー部表側に熱収縮差によりクラックが発生する。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、FRP製カウンターの短辺側の木口処理を良好に行うとともに、コーナー部へのクラック発生をなくすことである。
上記の目的を達成するため、この発明は、FRP製カウンターの短辺側の端縁において、コーナー部裏側に添え木との間にパテを充填する空間ができないようにしたことを特徴とする。
具体的には、この発明は、矩形状の平面部と、該平面部の後方長辺側の端縁から立ち上がるバックガード部とを一体に備え、上記平面部とバックガード部とが交わるコーナー部の厚みは、その周辺の厚みとほぼ等しく設定され、かつコーナー部裏側にカウンター長手方向に延びる凸状湾曲面部が形成され、カウンター長手方向の寸法を調整するためにカウンター短辺端部から所定距離内側に位置する切断予定部で切断されるFRP製カウンターを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、この発明は、上記切断予定部に対応するコーナー部裏側には、平面部裏面の延長線、バックガード部裏面の延長線及び凸状湾曲面部の三者で囲まれる領域を埋めるように隆起部が一体に突設されていることを特徴とする。
この発明によれば、カウンターを切断予定部で切断すると、当該箇所のコーナー部裏側の隆起部が平面部及びバックガード部と共に切断され、カウンター設置に際し、平面部裏面にあてがわれた添え木、バックガード部裏面にあてがわれた添え木、及びコーナー部の凸状湾曲面部の三者で囲まれた空間が上記隆起部で隙間なく埋められ、切断された短辺側の端縁(木口)には、上記空間が露呈しない。
したがって、空間に充填したパテの収縮によって木口処理用の可撓性樹脂テープに皺が発生する事態がなくて木口処理を良好に行えるとともに、パテ充填作業が不要でカウンター設置作業が向上する。
また、上記隆起部は、コーナー部のカウンター長手方向全体ではなく、切断予定部にだけ設けられているため、つまり、コーナー部の厚み増大箇所は切断予定部対応箇所の極一部だけであるため、カウンターを成形後に成形型から脱型する際にコーナー部表面には熱収縮差によるクラックが発生しない。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施形態に係るFRP製カウンターを裏側から見た斜視図であり、本例では浴室等に設置される洗面カウンター1を例示するが、これに限らず、台所に設置されるキッチンカウンター等の他のカウンターにも適用できるものである。
この洗面カウンター1は、図2、図3及び図7にも示すように、カウンター長手方向中央に矩形凹状の洗面ボール部3を有する横長矩形状の平面部5と、該平面部5の後方長辺側の端縁から斜め後方に立ち上がる略逆L字状のバックガード部7と、上記平面部5の前方長辺側の端縁から略直角に垂れ下がる前垂れ部9とを一体に備えている。
上記洗面カウンター1の厚みは、全体に亘ってほぼ等しく設定されている。したがって、上記平面部5とバックガード部7とが交わるコーナー部11の厚みT1は、その周辺の厚みT2とほぼ等しく設定されている(図3参照)。また、上記コーナー部11裏側には、カウンター長手方向に延びる凸状湾曲面部11aが形成されている。
上記洗面カウンター1のカウンター両短辺端部から所定距離内側には、カウンター長手方向の寸法を調整するために切断される切断予定部13が2箇所ずつ合計4箇所設けられ、設置場所の取付寸法に応じて切断予定部13を選択して当該箇所から切断するようにしている。
上記切断予定部13に対応するコーナー部11裏側には、平面部5裏面の延長線L1、バックガード部7裏面の延長線L2及び凸状湾曲面部11aの三者で囲まれる領域を埋めるように隆起部15が一体に突設され、これら隆起部15により上記凸状湾曲面部11aが分断されている。
上記隆起部15は、図2、図4及び図5に示すように、平面部5裏面の延長線L1に対応する下面15aと、バックガード部7裏面の延長線L2に対応する後面15bと、上記下面15a及び後面15bを連絡する両側面15cとからなり、該両側面15cは上方に向かって厚みが増大するように略逆ハの字状に傾斜している。これにより、洗面カウンター1を成形した後に成形型から脱型する際、隆起部15が折損しないようにしている。
このように構成された洗面カウンター1は、所定の切断予定部13から切断され、図6及び図7に示すように、短寸ブロック状の添え木17がバックガード部7及び前垂れ部9の各々の裏面に木口端縁に対応するようにあてがわれるとともに、長尺ブロック状の添え木19が平面部5裏面に木口端縁に対応するようにあてがわれ、さらに、これら木口及び添え木17,19に薄い可撓性樹脂テープが貼着されて木口処理が施される。
このように、この実施形態では、切断予定部13に対応するコーナー部11裏側に、平面部5裏面の延長線L1、バックガード部7裏面の延長線L2及び凸状湾曲面部11aの三者で囲まれる領域を埋めるように隆起部15を一体に突設したので、洗面カウンター1を切断予定部13で切断することで、当該箇所のコーナー部11裏側の隆起部15を平面部5及びバックガード部7と共に切断し、洗面カウンター1設置に際し、平面部5裏面にあてがわれた添え木19、バックガード部7及び前垂れ部9裏面にあてがわれた添え木17、及びコーナー部11の凸状湾曲面部11aの三者で囲まれた空間を上記隆起部15で隙間なく埋め、切断された短辺側の端縁(木口)に上記空間が露呈しないようにすることができる。
したがって、空間に充填したパテの収縮によって木口処理用の可撓性樹脂テープに皺が発生する事態をなくて良好な木口処理を施すことができるとともに、パテ充填作業をなくして簡単に洗面カウンター1を設置することができる。
また、上記隆隆起部15を、コーナー部11のカウンター長手方向全体ではなく、切断予定部13にだけ設け、コーナー部11の厚み増大箇所を切断予定部13対応箇所の極一部にだけ設けたので、洗面カウンター1を成形した後に成形型から脱型しても、コーナー部11表面に熱収縮差によるクラックが発生する事態を回避することができる。
この発明は、設置場所の室内寸法に合わせて長さを調整できるFRP製カウンターについて有用である。
洗面カウンターを裏側から見た斜視図である。 図1のII−II線にて切断した拡大斜視図である。 図2の上下反転状態におけるA矢視図である。 図3のB矢視図である。 図3のC矢視図である。 バックガード部裏面に木口端末に対応するように添え木をあてがった状態の斜視図である。 木口処理を施した洗面カウンターの斜視図である。
1 洗面カウンター
5 平面部
7 バックガード部
11 コーナー部
11a 凸状湾曲面部
13 切断予定部
15 隆起部
L1 平面部裏面の延長線
L2 バックガード部裏面の延長線
T1 コーナー部の厚み
T2コーナー部周辺の厚み

Claims (1)

  1. 矩形状の平面部と、該平面部の後方長辺側の端縁から立ち上がるバックガード部とを一体に備え、
    上記平面部とバックガード部とが交わるコーナー部の厚みは、その周辺の厚みとほぼ等しく設定され、かつコーナー部裏側にカウンター長手方向に延びる凸状湾曲面部が形成され、
    カウンター長手方向の寸法を調整するためにカウンター短辺端部から所定距離内側に位置する切断予定部で切断されるFRP製カウンターであって、
    上記切断予定部に対応するコーナー部裏側には、平面部裏面の延長線、バックガード部裏面の延長線及び凸状湾曲面部の三者で囲まれる領域を埋めるように隆起部が一体に突設されていることを特徴とするFRP製カウンター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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