JP2005253599A - 樹脂製カウンター - Google Patents

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善浩 吉田
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Abstract

【課題】 一つのカウンター用の成形体から幅寸法の異なる複数種類の樹脂製カウンターが形成できる。
【解決手段】 裏面3側にリブ7a〜7hを有するカウンター用の成形体4を切断することにより形成される樹脂製カウンターであって、リブ7a〜7hは成形体の奥行き方向26に沿って設けられるとともに、成形体の幅方向28に複数設けられ、複数のリブ7a〜7hは洗面ボール12を挟んで左右で等しい数となるように設けられ、複数のリブ7a〜7hの内、洗面ボール12を挟む二つのリブの外側壁面位置で切断することにより形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、住宅や事務所などに備えられる樹脂製カウンターに係り、特に洗面化粧台に好適な樹脂製カウンターに関するものである。
生活様式の多様化とともに樹脂製カウンターも多様化、高級化の傾向にあり、これに対応できるものが求められている。多様化、高級化の表われとして、樹脂製カウンターのサイズ、特に幅寸法が小のものから大のものまで人それぞれの価値観に応じて所望のものが求められている。
ところで、従来の樹脂製カウンターとしては、たとえば特許文献1に開示されたものが知られている。この樹脂製カウンターは、所定寸法の幅に切断された成形体を、この切断端部に対して僅かに離してガラス体を立設し、さらにこのガラス体に対して所定の間隔をおいて堰を配置し、これらによって形成された隙間に成形収縮性の小さい樹脂組成物を注入して硬化させ、側面エプロンを形成したものである。
また、別の樹脂製カウンターとして、側面エプロン部分が実質上水平となるようにカウンター成形体を立てた状態とするとともに、この側面エプロン部分の周縁に沿って囲いを設ける。そしてこの囲いの内部に流動状態のゲルコート材料を流し込んでこれを硬化させ、ゲルコート層を成形するものである(特許文献2)。
特開平5−50447号公報 特開平6−246755号公報
上記従来の樹脂製カウンターは、一つの成形型から所定の大きさの成形体を形成する。この成形体から、その側面エプロンを形成することにより、またはこの成形体の端面処理を行うことにより樹脂製カウンターを製造するものである。しかし、複数の大きさの異なる樹脂製カウンターを製造する場合には、上記従来の樹脂製カウンターは、その製造が煩雑となるおそれがあった。
本発明の課題は、一つのカウンター用の成形体から幅寸法の異なる複数種類の樹脂製カウンターが形成できることである。
本発明は、裏面側にリブを有するカウンター用の成形体を切断することにより形成される樹脂製カウンターであって、リブは成形体の少なくとも奥行き方向に沿って設けられるとともに、成形体の幅方向に複数設けられ、複数のリブのうち二つのリブを選んで該リブの外側壁面位置で切断することにより形成されてなることを特徴とする。
このようにすることにより、リブはカウンター用の成形体の幅方向に複数設けられ、かつ少なくとも奥行き方向に沿って形成される。これら複数のリブのうちの二つのリブを選んで、このリブの外側壁面位置で切断することにより、選定した二つのリブ間の幅を有する樹脂製カウンターを形成できる。さらに、リブは複数設けられるので、カウンター用の成形体を複数成形することにより、一つの成形体の形状から複数種類の樹脂製カウンターを形成できる。
さらに、成形体は、表面側に開口する洗面ボールを有し、複数のリブはこの洗面ボールを挟んで左右に設けられ、二つのリブは洗面ボールを挟む位置にあると良い。このようにすることにより、複数のリブのうち、洗面ボールを挟んで二つのリブを選び、これらのリブの外側壁面位置で切断することにより、複数種類の洗面化粧台用の樹脂製カウンターを形成できる。
次に本発明を構成する各要件についてさらに詳しく説明する。本樹脂製カウンターは、洗面室をはじめ、台所、浴室などのカウンター用として利用可能なものである。樹脂製カウンターの奥行き方向は、成形体の正面側から背面側に向かう方向である。また、樹脂製カウンタの幅は、正面から見て、左右方向の寸法である。
成形体の形状は、平面視略矩形状で上面は略平坦である。横断面形状は、特に限定されないが、成形体の背面側(壁側)に段部を設け、段部の裏面側に先の複数のリブを設けると良い。こうすると段部の剛性を高めることができるとともに、段部にミラーキャビネットを置くことができるし、ミラーキャビネットの中央部分を壁側に凹ませることにより段部の中央部分を用品の置き台として使用できる。成形体の正面から見た幅寸法は、形成したい最も大きい幅の樹脂カウンターに対応させて決める。
成形体の材質は、ポリエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂,エポキシ系樹脂などの各種合成樹脂で、各種無機充填剤、顔料、架橋剤などを含有させても良く、人工大理石としても良い。
リブの数は、形成したい樹脂カウンターの種類数に応じて設けられる。リブの位置は、形成したい樹脂カウンターの幅に応じて成形体に形成する。リブの形状は、奥行き方向に設けられるリブが形成されれば特に限定されないが、リブの内側には任意の幅方向リブを設けても良い。リブは、成形体の強度を補強し剛性を高めるとともに、リブの外側壁面で切断されたときに樹脂製カウンターの側面の一部(側面エプロン)を形成する。
樹脂製カウンターに洗面ボールを設ける場合は、成形体の表面に開口するように設けられる。洗面ボールの位置は、成形体の略中央位置や、中央より片側に偏った位置などに設けられる。また、洗面ボールは成形体と一体的に形成されても良いし、別途形成した洗面ボールを成形体に取り付けても良い。複数のリブは、この洗面ボールを挟んで左右の裏面側に設けられ、かつ奥行き方向に設けられる。
また、洗面ボールの左側に設けられるリブの数と、洗面ボールの右側に設けられるリブの数は同じでなくても良く、相違しても良い。左右のリブを洗面ボールに対して左右対称に設け、かつリブのピッチを等しく設ける場合は、左勝手と右勝手の樹脂製カウンターが簡便に形成できる。
本発明によれば、カウンター用の成形体を複数準備し、任意の二つリブの外側壁面位置で切断することにより、幅寸法の異なる複数種類の樹脂製カウンターを形成でき、樹脂製カウンターの生産効率を向上させることができる。
以下、本発明に係る樹脂製カウンターの最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1〜8において、同一または同等部分には同一符号を付けて示す。
図1は、本発明に係る樹脂製カウンターの成形体を示す平面図である。図2は、図1の成形体の正面図である。図3は、図1の成形体の右側面図である。図4は、図1におけるA−A線断面図である。本実施例の樹脂製カウンター1(図5に示すもの)は、洗面室に設置される洗面化粧台に使用されるものである。
樹脂製カウンター1は、図1〜4に示す成形体4を切断することにより形成される。すなわち、成形体4の裏面3側に奥行き方向26に形成されるリブ7a〜7hの内で、洗面ボール12を挟む任意のリブの外側壁面(符号8a〜8hで示す)で切断することにより形成される。
洗面ボール12は、成形体4の幅方向28中央の表面側に開口し、一体的に形成される。さらに、成形体4の背面側には段部22を有する。段部22の洗面ボール12に対応する中央部分には水切りの役目をするバックガード25(2点鎖線)が設けられ、バックガード25の前部23は洗面用具などの用品置き台として利用される。また、成形体4の前面には幕板11が形成されている。
段部22の両側部24はミラーキャビネットなどを載置しても良い。因みに、洗面ボール12には、排水口14、シャワーヘッド取り付け用の孔16、水栓取り付け用の孔18、鎖取り付け用の孔18およびオーバーフロー用の孔20(図2)を有する。
リブ7a〜7hは、成形体4の奥行き方向26に沿って段部22の裏面側に設けられるとともに、成形体の幅方向28に対して複数設けられる。さらに、リブ7a〜7hは、洗面ボール12を挟み左右対称に設けられる。樹脂製カウンターは、これら複数のリブ7a〜7hのうちの任意の二つ、たとえばリブ7a、7bの外側壁面8a、8b位置で切断することにより形成される。
したがって、この成形体4からは、幅W、W、W、Wの左右対称の樹脂製カウンターが4種類形成できる。もちろん、下記のように樹脂製カウンターは左右対称でなくても良い。幅寸法の例としては、たとえばW=900mm、W=1200mm、W=1650mm、W=1800mmなどとする。
樹脂製カウンターは、左右対称でなくても良く、左右非対称のものも形成することができる。たとえば、リブ7aとリブ7d、リブ7aとリブ7f…など数十種類の樹脂製カウンターを形成できる。また、成形体4から最も大きい幅Wの樹脂製カウンターを加工する場合、成形体4の幅を幅Wよりも大きくしておき、成形体4の両端側を切断しても良いし、成形体の幅を略幅Wとして切断しないで加工しても良い。樹脂製カウンター1は、切断面をエッジ処理とゲルコート仕上げを行うことにより形成される。
リブ7a〜7hの横断面形状は、断面矩形の板状であるが、リブ7a〜7hの内側には任意の図示していない幅方向リブが設けられても良い。リブ7a〜7hは、成形体4の強度を補強し剛性を高めるとともに、リブ7a〜7hの外側壁面8a〜8hで切断されたときに樹脂製カウンターの側面の一部を形成する。
成形体4の材質は、ポリエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂,エポキシ系樹脂などの各種合成樹脂で、各種無機充填剤、顔料、架橋剤などを含有させて人工大理石とする。これら合成樹脂の表面にはゲルコート材を塗布し、研磨して艶出し処理を行う。
図5は、図1〜4に示す成形体から形成された樹脂製カウンターを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。樹脂製カウンター1は、図1〜4に示した成形体4において、リブ7a、7bの外側壁面8a、8b位置で奥行き方向26に切断し、その切断面9を先に記した仕上げ処理をしたものである。このようにして形成された樹脂製カウンター1の幅はWである。
図5においては幅Wの樹脂製カウンター1を形成する例であるが、幅Wの場合はリブ7c、7dの外側壁面8c、8d位置で、幅Wの場合はリブ7e、7fの外側壁面8e、8f位置で、幅Wの場合は切断しないでリブ7g、7hをそのまま利用することにより形成される。切断した後には、その切断面の仕上げ処理をすることはもちろんである。
以上の構造を有する樹脂製カウンター1は、次のように作用する。すなわち、図1において、リブ7a〜7hは、成形体の幅方向28に対して洗面ボール12を挟んで左右等しい数となるように形成され、かつ少なくとも奥行き方向26に沿って形成されるので、洗面ボール12を挟む左右対称の二つのリブの外側壁面位置で切断することにより、これらのリブのリブ間の幅を有する左右対称の洗面化粧台用の樹脂製カウンター1を形成できる。
さらに、リブ7a〜7hは複数設けられるので、カウンター用の成形体4を複数成形することにより、左右対称の複数種類の樹脂製カウンター1を形成できる。また、任意の二つのリブの外側壁面位置で切断することにより、左右非対称の複数種類の洗面化粧台用の樹脂製カウンター1を形成できる。
図6は、図5に示す樹脂製カウンター1を利用した洗面化粧台Pの正面図である。図7は、図6における右側面図である。図5に示す樹脂製カウンター1を利用した洗面化粧台Pは、集合住宅や個別住宅の一般用あるいは事務所、理髪店や美容院などの業務用として利用可能である。
洗面化粧台Pは、洗面ボール12を有する樹脂製カウンター1と、この樹脂製カウンター1を支えるキャビネット31と、樹脂製カウンターの段部22に載置されるとともに壁50(図7)に固定されるミラーキャビネット36とを備える。さらに、洗面化粧台Pは、ミラーキャビネット36の上に設けられる照明装置42と、この照明装置の上に配置されるウォールキャビネット44とを備える。
キャビネット31は、樹脂製カウンター1を支持する支持体であるとともに、引出し32を設けて洗面用具その他の用品を収納できるようにする収納庫でもある。キャビネットの前面33位置は、樹脂製カウンターの前端10よりも内側(奥側)に位置するが、その距離は足のつま先が樹脂製カウンター1の突出部分の下に位置することができるように設定される。
樹脂製カウンターの幕板11は、キャビネット31の上部前面を覆うもので平板状である。幕板11の下に引出し32が設けられる。引出し32の前面と幕板11の前面は、面一に形成される。
ミラーキャビネット36は、所定の距離をおいて配置される二つのキャビネット37と、これらを連結し中央に位置する背面板38とを有する。二つのキャビネット37および背面板38の前面には鏡が設けられる。キャビネット37の前面にはミラー扉40が取り付けられ、背面板38には中央鏡39が固定される。さらに、二つのキャビネット37の下には、それぞれ別の扉41を有する。中央鏡39の表面位置は、段部22の後側でバックガード25の上に位置するので、二つの扉41の間の段部22に用品を置くことができる。ミラーキャビネット36の上部には下方を照射可能な照明装置42が設けられる。
さらに、ミラーキャビネット36の上にはウォールキャビネット44が設けられる。ウォールキャビネット44は、各種物品を収納するもので、前面に開閉扉45が設けられ、内部には固定棚が設けられる。照明装置42の前側先端位置とウォールキャビネット44の前面位置とは略一致する。
図8は、本発明に係る樹脂製カウンターの別の成形体5を示す平面図である。実施例2の成形体5は、その裏面側に奥行き方向26に形成されるリブ7a〜7hを有する。リブ7aとリブ7b、リブ7cとリブ7d、リブ7eとリブ7fおよび7gと7hは、それぞれ対として形成され、洗面ボール12の中央線13に対して左右対称である。さらに、リブ7a、7c、7e、7g間の距離(ピッチ)P、P、Pは等しい。同様に、リブ7b、7d、7f、7h間の距離(ピッチ)P、P、Pについても等しく、左右の距離(ピッチ)P、P、Pは皆等しい。
このように形成することにより、幅がW、W、W、Wで洗面ボールが中央に位置する左右対称の樹脂製カウンターが形成できる。さらに、幅がW、W、W、Wで洗面ボールが中央に位置しないで、左右どちらかに偏った非対称の樹脂製カウンターも形成できる。リブ間の距離(ピッチ)P、P、Pを等しくすることにより、所定の幅を有する左右対称の樹脂製カウンターが簡便に得られるとともに、所定の幅を有する左勝手と右勝手の樹脂製カウンターが簡便に得られる。図8における成形体5において、その他の部分の構造と作用は、図1〜4に示した成形体4と同じであるのでその説明を省略する。
以上この発明を図示の実施例について詳しく説明したが、それを以ってこの発明をそれらの実施例のみに限定するものではなく、この発明の精神を逸脱せずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ることは云うまでもない。
本発明の樹脂製カウンターは、洗面室、台所、浴室、その他の部屋あるいは各種什器などのカウンターとして利用可能である。
本発明に係る樹脂製カウンターの成形体を示す平面図である。 図1の成形体の正面図である。 図1の成形体の右側面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 図1〜4に示す成形体から形成された樹脂製カウンターを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図5に示す樹脂製カウンターを利用した洗面化粧台の正面図である。 図6における右側面図である。 本発明に係る樹脂製カウンターの別の成形体を示す平面図である。
符号の説明
1 樹脂製カウンター
2 表面
3 裏面
4、5 成形体
7a〜7h リブ
8a〜8h 外側壁面
12 洗面ボール
22 段部
26 奥行き方向
28 幅方向
〜W 樹脂製カウンターの幅

Claims (2)

  1. 裏面側にリブを有するカウンター用の成形体を切断することにより形成される樹脂製カウンターであって、前記リブは前記成形体の少なくとも奥行き方向に沿って設けられるとともに、前記成形体の幅方向に複数設けられ、該複数のリブのうち二つのリブを選んで該リブの外側壁面位置で切断することにより形成されてなる樹脂製カウンター。
  2. 請求項1において、前記成形体は、表面側に開口する洗面ボールを有し、前記複数のリブは該洗面ボールを挟んで左右に設けられ、前記二つのリブは前記洗面ボールを挟む位置にある樹脂製カウンター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010220671A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Daikyonishikawa Corp Frp製カウンター

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