JP2010220589A - 藻場増殖礁 - Google Patents

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裕明 鈴木
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三彦 川畑
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Abstract

【課題】人工魚礁としての必要な重量や面積並びに構造上の特徴等の要求を満たしつつ、構築に必要な部材を一定の重量に制限して分割して組み立て可能な藻場増殖礁を提供する。
【解決手段】鋼材を用いて形成され海底に設置される基台1と、この基台1に分割して取り付け可能な、藻類を育成するための複数の藻場造成ユニット2とを具備してなる藻場増殖礁Aであって、前記藻場造成ユニット2が、藻類が活着し得るブロック体21と、このブロック体21が取り付けられるユニット基部22とを具備してなるものとした。
【選択図】図8

Description

本発明は、海中において藻場を造成するための藻場増殖礁に関する。
従来から、藻場を造成して優良な漁場を創出するための方策として、人工的な魚礁(以下、「藻場増殖礁」という)が、種々開発されている。一般的なものとしては、例えば、テトラポットやコンクリートブロックなどを海底に沈設したものがあり、その他には、コンクリート製品を海底に沈設、重積してその間に自然石や貝殻等を配したものなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
藻場は、沿岸における一次生産の場であるとともに、環境保全の場として生態学的に重要な機能を営むものである。また、水産上有用な魚介類やその他の多様な海中生物にとっては貴重な生息場となり得るものである。このように、藻場の存在は生態系及び地球環境にとって極めて重要なものであり、前述のような藻場増殖礁を適所に配置して藻場を造成する活動が鋭意進められているところである。
ところで、藻場増殖礁は、設置される海底の強力な潮流や波力によって押し流されることの無いように、これに抗し得る一定の重量が要求される。また、海底において藻場増殖礁を効率的に形成するためには、沈設される藻場増殖礁の面積はできるだけ広いものであることが望ましい。かかる事情から、従来の藻場増殖礁は、略全体にコンクリートが用いられた2t〜8t程度の重量がある大型の構築物であるものがほとんどであった。
また、藻場増殖礁は、陸上や海上等において基礎的な部分を組み立てた状態にして所定海域まで運搬され、所定海域に到着した後に海中にクレーン等を用いて沈設される。このため、藻場増殖礁の運搬及び沈設には比較的大型の船舶が必須であり、具体的に言えば、土木用構築物を沈設するための30t吊り以上の土木用クレーンが装備されている土木用作業台船が利用されている。換言すれば、従来では2t〜8t程度の重量があった藻場増殖礁を運搬及び沈設するために、その重さに十分対応することができる大型の作業台船を手配する必要があった。
また、その結果として、藻場増殖礁を海底に設置する作業ができるのは、船舶の数が比較的少ない大型の作業台船を使用し得る限られた期間等に拘束されてしまい、天候等の他の諸条件にも影響される設置作業においては、機動力や柔軟性に欠けてしまうという一面があった。
なお、藻場増殖礁の構築に係わる種々の作業は作業海域を管轄する漁業者の協力の下に行われることが多いところ、運搬及び沈設作業に関し、漁業者が多く保有する比較的小型の船舶である漁船等を利用することができれば作業の機動力や柔軟性を高めることができ、極めて合理的である。
特開2004−222530号公報
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、人工魚礁としての必要な重量や面積並びに構造上の特徴等の要求を満たしつつ、構築に必要な部材を一定の重量に制限して分割して組み立て可能な藻場増殖礁を提供することにある。
すなわち、本発明の藻場増殖礁は、鋼材を用いて形成され海底に設置される基台と、この基台に分割して取り付け可能な、藻類を育成するための複数の藻場造成ユニットとを具備してなる藻場増殖礁であって、前記藻場造成ユニットが、藻類が活着し得るブロック体と、このブロック体が取り付けられるユニット基部とを具備してなることを特徴とする。
このようなものであれば、必要な重量や面積並びに構造上の特徴等の要求を満たしつつ、構築に必要な部材を一定の重量に制限しつつ分割して組み立て可能な藻場増殖礁を実現することができる。すなわち、基台が鋼材を用いてなるものであるので、所定の広範な面積を要する基台をコンクリートのものと比べて軽量に構成することが可能となる。更に、藻場造成ユニットが、藻類が活着するブロック体をユニット基部に取り付けてユニット化したものであるので、複数の藻場造成ユニットを基台に分割して取り付けることができるようになり、個々の藻場造成ユニットを所定の重量以下に制限することができるようになる。しかも、このようなものであれば、従来のように陸上等において組み立て済みの完成品を用意するのではなく、海底において簡単に組み立てすることができるようになるので、藻場増殖礁を構成する各構成部品を所定の重量に制限することができ、比較的小型の船舶である漁船等を利用して分散して部品を運搬及び沈設することが可能となる。ここで、漁船の大きさや種別は特に限定されるものではないが、主とするものは、3t〜10t程度の漁船であり、より具体的には定置網漁業などに用いるユニックの付いた漁船などである。
なお、前記藻場造成ユニットを前記基台に取り付ける態様としては、前記ユニット基部が、前記基台に取り付けられるものを挙げることができる。このようなものであれば、複数の藻場造成ユニットを分割して台座に取り付けする際に、基台とユニット基部との関係を考慮すれば足りるので、海中における藻場造成ユニットの取り付けが極めて容易なものとなる。
海底に設置される基台の具体的な構成としては、前記基台が、枠状の基台本体と、この基台本体から下方に延びる複数の脚部とを具備してなるものを挙げることができる。複数の脚部は、その下端部を海底に当接し、位置ズレを防ぐスパイク機能を発揮することができるものである。
前記藻場造成ユニットには、複数のブロック体を備えたものが挙げられる。このようなものであれば、藻場造成ユニットの重量をブロック体の数の増減によって適宜調整することができるものとなる。
なお、前記複数のブロック体が、略同一形状をなすものであれば、所定形状に形成されたブロック体を効率的に利用することができるとともに、藻場造成ユニットの形成、換言すれば、前記ユニット基部を用いたユニット化を規則性のあるブロック体によって簡便に構築することができる。
また、前記複数のブロック体が、平面視略方形状をなすものであれば、ユニット基部に複数のブロック体を極めて容易に整列して配することができ、更には、一定の面積に配置される藻場造成ユニットを、基台に対して極めて効率的に配することができる。
前記複数のブロック体における各ブロック体の間に、所定幅の隙間を設けてなるものであれば、各ブロック体の間に形成される隙間に潮通りを許容することができ、強力な潮流や波力の影響を低減することができる。しかも、所定幅の隙間は、水産上有用な魚介類やその他の多様な海中生物にとっては貴重な生息場としても好適なものとなる。なお、このような効果は、前記複数の藻場造成ユニットにおける各藻場造成ユニットの間に、所定幅の隙間を設けてなるものにおいても同様である。
上記構成に加えて、前記藻場造成ユニット及びこれに活着した藻類を包囲し得る網状部材をさらに具備してなるものであれば、いわゆる磯焼け現象の一原因であるブダイ・アイゴ・イスズミ等の植食魚類や、ウニ・巻貝・ウミウシ等の植食生物の侵入を防ぐことができ、これらが多く生息する海域においても藻類を安全に育成することができるものとなる。
藻類を効率的に設置できるようにするには、前記ブロック体が、ブロック体本体と、このブロック体本体の上面に着脱自在に設けられた、藻類が活着し得る育成部材とを具備してなるものを挙げることができる。このようなものであれば、育成部材に予め藻類を活着させたものをブロック体本体の上面に設置することができるので、藻場の造成において極めて便宜である。
以上説明したように本発明によれば、必要な重量や面積並びに構造上の特徴等の要求を満たしつつ、構築に必要な部材を一定の重量に制限して分割して組み立て可能な藻場増殖礁を提供することができる。
本発明の一実施形態である藻場増殖礁を示す斜視図。 同実施形態における基台を示す斜視図。 同実施形態における藻場造成ユニットを示す斜視図。 同実施形態における藻場造成ユニットを示す平面図。 同実施形態における藻場造成ユニットを示す正面図。 同実施形態における基台にフレーム部材を取り付けた状態を示す斜視図。 本実施形態における網状部材を取り付けた藻場増殖礁を示す斜視ず。 本実施形態における藻場増殖礁の設置状況を示す概略図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本発明に係る藻場増殖礁Aは、図1に示すように、鋼材を用いて形成され海底に設置される基台1と、この基台1に分割して取り付け可能な、藻類を育成するための複数の藻場造成ユニット2とを具備してなるものである。
基台1は、図2に示すように、四角枠状をなす基台本体11と、この基台本体11の四隅から下方に延びる複数の脚部12とを具備してなる。基台本体11は、鋼材を用いて平面視略四角枠状をなすように形成されたものであり、具体的な鋼材としてH鋼を用いている。また、基台本体11の上面には、後述する藻場造成ユニット2のユニット基部22との接続に利用されるボルト挿通用の貫通孔111が適所に設けられている。複数の脚部12は、四角枠状をなす基台本体の四隅から下方に延出してなるもので、鋼材を用いて形成されている。脚部12の下端部は海底に当接し、強力な潮流や波力による位置ズレを抑えるスパイク機能を発揮するものである。
基台1は、鋼材を用いて枠状に形成された基台本体11を主体とするものであり、一定の強度を担保しつつ、従来のコンクリートを用いた基礎部分と比較して極めて軽量なものとなっている。すなわち、従来のコンクリートものでは、基礎部分だけでも約2t〜8tの重量を有するのに対し、本実施形態に示すような鋼材を用いてなる基台1の重量は約0.2t程度に抑えられたものとなっている。このため、基台1の海上への運搬及び海底への設置に関し、基台1の重量に対応することができる比較的小型の船舶、より具体的に言えば、定置網作業などに用いるユニックの装備された3t〜10t程度の漁船を好適に利用することができる。
藻場造成ユニット2は藻類を育成するためのもので、基台1に取り付けられるものである。より具体的に説明すると、藻場造成ユニット2は、図3に示すように、藻類が活着し得る複数のブロック体21と、これらブロック体21が取り付けられるユニット基部22とを具備してなるものである。
藻場造成ユニット2は、基台1に複数配置することができるもので、本実施形態においては、4体の藻場造成ユニット2を個々に基台1に対して配置することができるようにしている。換言すれば、複数の藻場造成ユニット2は、基台1に分割して取り付けできるようになっている。
まず、藻場造成ユニット2を構成するブロック21について説明する。
藻場造成ユニット2を構成する複数のブロック体21は、コンクリートを主体に形成されるものであり、藻類が活着し得る岩礁機能を営むとともに、一定の重量を備えたアンカー機能を持ち備えたものである。なお、本実施形態における複数のブロック体21は、1基あたり約180kgである。藻場造成ユニット2は、ユニット基部22の上方に複数のブロック体21を並べて配している。より具体的には、1体の藻場造成ユニット2は、略同一形状をなす4基のブロック体21をユニット基部22の上面に並べて配置してなる。
ブロック体21は、平面視略方形状、例えば、図3に示すような平面視略正方形をなすように形成され、ユニット基部22の上面に整列して配置できるようにしている。また、図4及び図5に示すように、藻場造成ユニット2の各ブロック体21の間には所定幅の隙間Mを設けてあり、海底において各ブロック体の間に形成される隙間Mに潮通りを許容することができるようにしている。このようなものであれば、藻場造成ユニット2が受ける強力な潮流や波力の影響を低減させることができる。なお、所定幅の隙間Mは、水産上有用な魚介類やその他の多様な海中生物にとっては貴重な生息場としても好適なものである。
ブロック体21は、ブロック体本体Bと、このブロック体本体Bの上面に着脱自在に設けられ、藻類が活着し得る育成部材Gとを具備してなるものである。ブロック体本体Bは、アワビ、トコブシ、サザエ、ウニ等の磯根資源を稚体から成体まで成育・増殖させるとともに、魚類の好適な住処を提供することができるものである。一方、育成部材Gは、アラメ、クロメ、カジメ、ホンダワラ等の藻類を生育・増殖させて藻場を形成することができるものである。以下、それぞれについて詳述する。
ブロック体本体Bは、図3に示すように、平面視略方形状をなす板状ブロック体B1の下に、下面を上面よりも小さな方形状とした四角錐台B2を一体に連続させた形状をなすコンクリート製の部材である。なお、本実施形態における板状ブロック体B1は平面視略正方形をなしており、四角錐台B2は正四角錐台としている。
ブロック体本体Bの上面には、着脱自在に設けられた育成部材Gを備えている。ブロック体本体Bの上面には、複数の育成部材Gを着脱自在に取り付けられるようにするため、複数の鋼製のボルト部材(図示せず)を起立姿勢で所要箇所に配してある。また、ブロック体本体Bの上面の略中央には、ブロック体本体Bの運搬等に供するためのフックFを立設している。
ブロック体本体Bの下面の略中央には、必要な場合は、鋼製のボルト部材又は金属棒(図示せず)を下方へ鉛直に突出させている。ボルト部材又は金属棒は、後述するユニット基部22との接続に用いられるものであるが、詳しくは後述する。
ブロック体本体Bの上端側の側方部分、すなわち板状ブロック体B1の側面部には、外側に向けて突出する半球状の突起部tが形成されている。突起部tは、設置作業時や運搬作業時等において隣接するブロック体本体B同士が直接衝突して欠けたり割れたりすることを防止するとともに、複数のブロック体21の間、及び、複数の藻場造成ユニット2における各藻場造成ユニット2との間に所定幅の隙間Mを容易に形成するための位置決め機能を発揮するものである。
育成部材Gは、藻類が活着し得る育成部材本体G1と、この育成部材本体G1から拡張した藻類の根が活着し得る活着表面部G21を備えてなるスペーサ部材G2とを具備してなる。育成部材本体G1は、ブロック体本体Bの上に取り付けられたスペーサ部材G2の上面に着脱自在に取り付けられるものである。一方、スペーサ部材G2は、育成部材本体G1とブロック体本体Bとの間に着脱自在に取り付けられるものである。
育成部材本体G1は、概ね20cm×6cm程度の平面視上下左右対称の略長方形状を有する樹脂製プレートであり、射出成形により製造している。また、育成部材本体G1の表面には、藻類の生育段階に合わせて段階的に高さを異ならせた複数の突起部G11を互いに隣接した状態に配してあり、アラメ等の海藻が活着しやすい構成としている。育成部材本体G1の略中央部には、厚み方向に貫通する貫通孔(図示せず)が設けられている。この貫通孔は、前述したブロック体本体Bの上面に立設されたボルト部材を挿通できるように穿設されたものであり、ボルト部材に貫通孔を貫通させた後に止着具Xを用いてブロック体本体Bに着脱可能に固定することができるようにしている。
ところで、育成部材本体G1は、種糸等を育成部材本体G1の表面に巻き付けた状態で海中に吊り下げて海藻を育成する仕組みである、いわゆる垂下式中間育成システムに好適である。すなわち、育成部材本体G1を予め異なる場所において藻類が一定の大きさになるまで中間育成した後に、船上等においてブロック体本体Bに止着具Xを用いて取り付けられるようにしている。詳述すると、垂下式中間育成システムとは、海上の筏からロープによって垂れ下げた状態で、育成部材本体G1において海藻が海底でウニ、巻貝、ウミウシ等の植食生物による食害被害に遭いにくくなる大きさ、すなわちフロロタンニン等の苦み成分を分泌できる大きさ(3〜10cm程度)となるまで生長させ、その後育成部材本体G1を海中から引き上げてから、別途の部材に取り付けて海底の所定箇所に設置する藻場造成方法である。本実施形態では、一定の大きさの藻類が活着した状態の育成部材本体G1は、スペーサ部材G2を介在させた状態でブロック体本体Bに着脱可能に取り付けられる。
スペーサ部材G2は、育成部材本体G1とブロック体本体Bとを離間させる機能を有するものであり、育成部材本体G1と同様に、略中央部に厚み方向に貫通する貫通孔(図示せず)を形成し、この貫通孔に前記ブロック体本体Bの上面に立設されたボルト部材を挿通させた状態で止着具Xを用いて育成部材本体G1とブロック体本体Bとの間に着脱可能に固定される。なお、止着具X及び育成部材本体G1は樹脂を用いて成形されている。スペーサ部材G2を設けたことにより、生育した藻類が徐々に根を拡張しても、活着表面部G21によって、成長した藻類に適した生育環境を維持することができるようになっている。
次に、藻場造成ユニット2を構成するユニット基部22について説明する。
ユニット基部22は、鋼材を用いたものであり、本実施形態ではレール状をなす鋼材が用いられている。ユニット基部22は、ブロック体21を支持するものである。さらに、複数のブロック体21を用いて藻場造成ユニット2を構成する場合には、ユニット基部22が、取扱いに好適な複数のブロック体21を纏めて一体化させる役割、換言すればユニット化機能を果たすようになっている。本実施形態の藻場造成ユニット2は、1基あたり約180kg程度のブロック体21を、ユニット基部22に対して4基取り付けてユニット化した構成であり、ユニット基部22を含めた総重量は約800kg(0.8t)前後のものとなる。このようなものであれば、前述の基台1と同様に、藻場造成ユニット2の運搬及び設置に関し、藻場造成ユニット2の重量を取り扱うことが可能な比較的小型の船舶、より具体的に言えば、定置網作業などに用いるユニックの付いた3t〜10t程度の漁船を好適に利用することができる。
ユニット基部22の長手方向の両端は、上面に位置する端部上面部221を残した状態で、中央部及び下面部を切り欠いたものとしている。このようなものであれば、海上から藻場造成ユニット2を海底に下降させて基台1に取り付ける際に、ユニット基部22の両端が基台1の枠内に容易に嵌まり込むものとなる。しかして、ユニット基部22の両端が基台本体11に取り付けられるが、ユニット基部22の両端と基台本体11との固定は、海底における作業性を考慮してボルト及びナットを用いて行われる。ユニット基部22の端部上面部221の略中央部には、基台本体11との接続に利用されるボルト挿通用の貫通孔222が設けられている。
ユニット基部22は、複数のブロック体21の取扱いを好適なものとするべく複数のブロック体21を一体的に纏める役割を担う。換言すれば、ユニット基部22は、藻場増殖礁Aにおいて極めて重要な役割を担う複数のブロック体21を、一基あたりの重量等を勘案し適切な数量に調節してユニット化することができるものである。本実施形態では、漁業者が比較的多く保有している小型船舶を用いて運搬及び沈設作業ができることを考慮して、ユニット基部22の上面側に4基のブロック体21を並べて配し、藻類増殖ユニット2の1体あたりの重量を約800kg(0.8t)程度のものにしている。
なお、ユニット基部22の形状や取り付け態様等は、様々であり、本実施形態に示すものに限定されるものではない。例えば、ユニット基部22は、ブロック体21の側面を支持するものであっても良いし、ユニット基部22は上面を開放した箱型容器状に形成したものにしても良い。
また、ブロック体21とユニット基部22との接続態様は、種々の方法を用いることができる。例えば、ユニット基部22の上面に貫通孔(図示せず)を設け、この貫通孔にボルト等(図示せず)を下方から上方に向けて挿通した後にブロック体本体Bの下面に設けられたボルト挿通穴(図示せず)にボルトを挿通して固定するようなものを挙げることができる。
前述のように、ブロック体本体Bの下面の略中央に鋼製のボルト部材又は金属棒(図示せず)を下方へ鉛直に突出させている場合には、このボルト部材又は金属棒をユニット基部22の上面に設けられた貫通孔に挿通した後にナット部材又は溶接によってユニット基部22に固定することができる。
続いて、藻場造成ユニット2及びこれに活着した藻類を包囲し得る網状部材3をさらに具備してなる藻場増殖礁Aについて説明する。
網状部材3は、図6及び図7に示すように、基台1の基台本体11に立設した複数の柱状部材13と、これら柱状部材13の上端部に取り付けられて隣接する柱状部材13間を架け渡す平面視ロ字状をなすフレーム部材14を利用して、取り付けられるとともに、基台本体11の開口部分を覆うものである。しかして、藻場造成ユニット2及びこれに活着した藻類を包囲して、いわゆる磯焼け現象の一原因であるブダイ・アイゴ・イスズミ等の植食魚類や、ウニ・巻貝・ウミウシ等の植食生物の侵入を防ぐことができるようにし、これらが多く生息する海域においても藻類を安全に育成することができるようにしている。
詳述すると、基台本体11の外側面には鋼材を用いて基台本体と並行配置された網状部材取付部112が設けられ、柱状部材12の外側面にも同様に網状部材取付部131が設けられている。しかして、網状部材3を取り付けるには、まず、網状部材3を上方から下降させてフレーム部材14及び柱状部材13に係わらせ、その後、樹脂や針金等を用いた留め具(図示)を用いて網状部材3を網状部材取付部112、131に取り付けるようにする。
なお、上面及び側面を覆う網状部材3は、可撓性を有する化繊製のものであって、フレーム部材14と略同じ大きさを有する上面網31と、隣接する柱状部材13間にそれぞれ配される計4つの側面網32とを備えてなり、且つ、上面網31の各辺とこれら上面網31の各辺にそれぞれ隣接する側面網32辺とを連続させた単一のものである。一方、下面側を覆う網状部材3は、基台本体11の開口部分と略同じ大きさに形成されている。網状部材3の網目寸法は、アイゴ、イスズミ、ブダイ等の藻食性魚類や、ウニ、巻貝等の植食生物が通過できない程度の大きさに適宜設定される。なお、設置される海域の状況によっては、網状部材3を金網としてもよい。
次に、藻場増殖礁Aを海底において組み立てる方法について、図8を参考にして説明する。なお、ここでは網状部材3を取り付けていないものを例に説明する。
まず、所定海域に船舶Sを利用して基台1を運搬し、船舶Sに備えられたユニックCを使用して基台1を海底に沈設する。船舶Sは、種々のものを利用することができるが、本実施形態に係る基台1はその重量が0.2t程度のものであるので、その重量を取り扱うことが可能な比較的小型の漁船等を利用することが可能である。
次に、予め海底に沈設された基台1に、藻場造成ユニット2を沈めて取り付ける。本実施形態に係る藻場造成ユニット2は、一体あたりの重量が800kg(0.8t)程度のものであるので、その重量を取り扱うことが可能な比較的小型の漁船等を利用することが可能である。図例では、基台1に対して、4体の藻場造成ユニット2を並べて配置することができるようになっている。なお、基台1の基台本体11と、藻場造成ユニット2のユニット基部22との固定にはボルト及びナットが用いられる。
本発明に係る基台1又は藻場造成ユニット2、その他必要な構成部材等の運搬及び沈設に用いる船舶Sは、定置網漁業などに用いるユニックが装備された3t〜10t程度の漁船が好適であるが、船舶SにユニックCは必ずしも必須ではなく、他の代替手段があればそれで構わない。また、船舶は、運搬又は沈設の一方の役割のみを担うものであってもよいし、漁船以外のものであっても構わない。
本実施形態における組み立て後の藻場増殖礁Aの総重量は、基台1と、4体の藻場造成ユニット2を用いているため、約3.0t〜4.0tのものとなっている。斯くして、各構成部材を各々所定の重量に制限させつつも、各構成部材を組み立てた後の本発明に係る藻場増殖礁Aは、一般的な海底において潮流や波力に充分に対抗し得る重量を備えたものとなっている。
なお、本発明に係る藻場増殖礁Aは、設置される海底における潮流の速さや波力の強さに対応して、その大きさを適宜調整することが可能である。すなわち、基台1を例えば枠の大きさを拡大するなどして大きく設計すれば、基台1に藻場造成ユニット2を一定の重量を満たすまで任意に設置することができるようになり、要求される藻場増殖礁Aの総重量を基台1の大きさを変えることによって容易に調整することが可能である。なお、同様の調整は、藻場造成ユニット2のブロック体21の大きさ又は数量によっても調整することが可能である。
このように、本発明によれば、藻場増殖礁としての必要な重量や面積並びに構造上の特徴等の要求を満たしつつ、構築に必要な部材を一定の重量に制限して分割して組み立て可能な藻場増殖礁を提供することができる。しかも、本発明によれば比較的小型の漁船を利用できるようになるため、設置に関する機動力や柔軟性の向上に寄与する藻場増殖礁を提供することができる。なお、定置網漁業などに用いるユニックの付いた漁船は、設置海域における漁業者が多く保有していることが多いので、従来のような希少な大型の作業台船を手配する場合に発生する手間やコストを低減させることができる。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
本実施形態では、海底において藻場増殖礁を組み立てる態様を示したが、海上又は地上等にて予め組み立てたものとしてもよい。このようなものでも、藻場造成ユニットを基台に分割して取り付け可能であるため、組み立て作業において極めて便宜である。
基台に用いられる鋼材や基台の形状などは種々のものが考えられ、特定のものに限定されるものではない。例えば、基台を上下階層状に組み立てれば、藻場造成ユニットを上下に配置することができるようになり、魚礁としての効果を飛躍的に高めることができる。
藻場造成ユニットの形状は本実施形態に係るものに限定されず、種々のものが考えられる。また。ブロック体の形状は本実施形態に係るものには限定されず、球体状のものや多面体のもの等、様々な形状のものを適用することができる。なお、ブロック体はコンクリート製のものに限定されず、例えば自然石であってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…基台
2…藻場造成ユニット
21…ブロック体
22…ユニット基部
A…藻場増殖礁

Claims (10)

  1. 鋼材を用いて形成され海底に設置される基台と、この基台に分割して取り付け可能な、藻類を育成するための複数の藻場造成ユニットとを具備してなる藻場増殖礁であって、
    前記藻場造成ユニットが、藻類が活着し得るブロック体と、このブロック体が取り付けられるユニット基部とを具備してなることを特徴とする藻場増殖礁。
  2. 前記ユニット基部が、前記基台に取り付けられている請求項1記載の藻場増殖礁。
  3. 前記基台が、枠状の基台本体と、この基台本体から下方に延びる複数の脚部とを具備してなる請求項1又は2記載の藻場増殖礁。
  4. 前記藻場造成ユニットが、複数のブロック体を備えたものである請求項1、2又は3記載の藻場増殖礁。
  5. 前記複数のブロック体が、略同一形状をなす請求項4記載の藻場増殖礁。
  6. 前記複数のブロック体が、平面視略方形状をなす請求項4又は5記載の藻場増殖礁。
  7. 前記複数のブロック体における各ブロック体の間に、所定幅の隙間を設けてなる請求項4、5又は6記載の藻場増殖礁。
  8. 前記複数の藻場造成ユニットにおける各藻場造成ユニットの間に、所定幅の隙間を設けてなる請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の藻場増殖礁。
  9. 前記藻場造成ユニット及びこれに活着した藻類を包囲し得る網状部材をさらに具備してなる請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の藻場増殖礁。
  10. 前記ブロック体が、ブロック体本体と、このブロック体本体の上面に着脱自在に設けられた、藻類が活着し得る育成部材とを具備してなる請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の藻場増殖礁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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