JP2010219033A - 回路遮断器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動接触子用支軸32を挟んで第2可動接触子22の第2可動接点22aに対する反対側に設けた係合ピン31と、ラッチ支軸35を介して回動自在に軸支され、係合ピンに係合して第2可動接触子を開極方向に回動させるとともに、アークの発生による消弧室24内の圧力上昇を保持する消弧室圧力保持手段であるラッチ23と、消弧室内で発生したアークガスの流れをラッチに向けて発生し、第2可動接触子が開極方向に回動するように前記ラッチを押圧するガス流発生手段であるアークガス排出口27とを備えている。
【選択図】図1
Description
図16は、従来の2点切り回路遮断器を示すものである。
この2点切り回路遮断器は、絶縁物のケース2内に、第1可動接触子1、第2可動接触子5及び固定接触子9が配置されている。
第2可動接触子5は、一端に第1可動接触子1の可動接点1aと接触する可動接点5aが設けられ、中央部に接圧ピン6が固定され、他端が支軸7に回動可能に支持されている。また、第2可動接触子5には、接圧ピン6に接圧バネ8の一端が係合しており、接圧バネ8から受けるトルクにより閉極方向に回動させる(第1可動接触子1に向けて時計方向に回動させる)荷重が作用している。
固定接触子9、第2可動接触子5及び第1可動接触子1の通電経路に短絡電流などの大電流が流れると、第1可動接触子1及び第2可動接触子5に互いに逆方向の電磁反発力が発生し、第1可動接触子1は支軸3回りに時計方向に回動し、第2可動接触子5も、接圧バネ8から受けるトルクに抗して支軸7回りに反時計方向に回動してトリップ状態となり、可動接点1a,5a間にアークが生じる。
そこで、図16の接触子構造は、第2可動接触子5に作用する接圧バネ8のトルクを変化させることで、電磁反発力が減少した際の可動接点1a,5a間の接点ギャップ長の減少を防いでいる。
一方、図18(a)に示すように、接圧バネ及びカムを使用して復帰速度を遅くするようにした可動接触子の構造も知られている。
この可動接触子11は、一端に可動接点11aが設けられ、他端に接圧ピン12が固定されているとともに、接圧ピン12と可動接点11aの間において支軸13に回動可能に支持されている。また、可動接触子11の他端側に、支軸14に回動可能にカム15が支持されており、カム15に設けた曲面形状のカム面15aの一部に接圧ピン12が接触するように、接圧バネ16がカム15を押圧している。
このように、図18(a)、(b)の構造も、可動接触子11が閉極位置から開極方向に回動していくと、カム15から接圧ピン12に作用する荷重F3,F4の方向が変化して可動接触子11を閉極方向に回動させる力が減少していくので、可動接触子11が閉極方向に回動する復帰速度を遅くすることができる。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、可動接触子を閉極位置に復帰させる接圧バネの付勢力を調整せずに、限流性能、遮断性能を高めることができる回路遮断器を提供することを目的としている。
この発明によると、過電流通電時には、通電経路を遮断可能とする第1可動接点及び第2可動接点の間の接点ギャップ長が確保されるので、過電流通電時の遮断を確実に行なうことができる。
この発明によると、過電流通電時には、通電経路を遮断可能とする固定接点及び可動接点の間の接点ギャップ長が確保されるので、過電流通電時の遮断を確実に行なうことができる。
この発明によると、可動接触子を閉極動作の途中で保持する動作を簡単な構造で行なうことができる。
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の回路遮断器において、前記消弧室圧力保持手段が、前記アークガス排出口の前記消弧室で開口する開口部の近傍に配置され、前記アークガスの流れの発生により回動して前記開口部を閉塞する前記ラッチである。
この発明によると、部品数の減少を図ることができ、回路遮断器の製造コストの低減化が可能となる。
これら請求項9、10の発明によると、中電流(約10KA以下)の短絡電流が流れた場合、慣性モーメントを小さくしたラッチが確実に回動するので、第1及び第2可動接点の間のアーク長が短縮せず、限流性能の向上を図ることができる。
(第1実施形態:2点切り回路遮断器)
図1から図4は本発明に係る第1実施形態の2点切り回路遮断器を示す図であり、図1は第1実施形態の回路遮断器の閉極状態を示す図、図2は第1実施形態の回路遮断器の要部を示す図、図3は第1実施形態の回路遮断器のトリップ状態の途中を示す図、図4は第1実施形態の回路遮断器のトリップ状態の終期を示す図である。
消弧室24は、絶縁物の支持体24aと、この支持体24aに適宜の間隔で上下に積層支持された磁性体の複数枚のグリッド24bとから構成されている。
また、ラッチ23は、支軸35回りに時計方向に回動したときにラッチ当接部26に当接し、ラッチ23に設けた受圧閉塞部23aがアークガス排出口27の消弧室24側で開口する開口部を閉塞する。
このように、トリップ状態の終期における第2可動接触子22は、自身の可動接点22aと第1可動接触子21の可動接点21aとの間の接点ギャップ長Gが確保されてトリップ状態が保持される。ここで、接点ギャップ長Gは、可動接点21a,22a間の通電経路の遮断が可能な長さである。
また、第2可動接触子22のトリップ状態が保持されているときには、可動接点21a,22aの間の接点ギャップ長Gが、通電経路を遮断する長さとして確保されるので、短絡電流などの大電流が流れる際に、通電の遮断を確実に行なうことができる。
次に、図5から図8は本発明に係る第2実施形態の2点切り回路遮断器を示す図であり、図5は第2実施形態の回路遮断器の閉極状態を示す図、図6は第1実施形態の回路遮断器の要部を示す図、図7は第2実施形態の回路遮断器のトリップ状態の途中を示す図、図8は第2実施形態の回路遮断器のトリップ状態の終期を示す図である。なお、図1から図4で示した第1実施形態の回路遮断器と同一構成部分には同一符号を付して説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態のラッチ42は、第2可動接触子22の他端側近くに配置されており、一端側が支軸35に回動自在に支持されているとともに、第2可動接触子22のラッチ係合ピン31に係合するカム面44が形成されている。
引っ張りバネ43は、一端がアークガス排出口27を構成する隔壁連通穴25側で固定され、他端がラッチ42の受圧閉塞部42aの略中央に固定されており、常に引っ張り方向の付勢力が作用している。
このように、トリップ状態の終期における第2可動接触子22は、自身の可動接点22aと第1可動接触子21の21a可動接点との間の接点ギャップ長Gが確保されてトリップ状態が保持される。
また、ラッチ42のラッチ係合ピン31に係合するカム面44を、第2可動接触子22が開極方向に回動するトリップ状態の初期にラッチ係合ピン31に係合する第1カム面44aと、トリップ状態の中期に係合する第2カム面44bと、トリップ状態の終期に係合する第3カム面44cとし、ラッチ係合ピン31に第1カム面44aが係合すると、引っ張りバネ43及び接圧バネ33の付勢力に抗してラッチ42の支軸35回りの時計方向の回動が規制され、ラッチ係合ピン31に第3カム面44cが係合すると、第2可動接触子22の閉極方向(時計方向)の回動が規制されるようになっているので、第2可動接触子22を回動させる動作及び保持する動作を簡単な構造で行なうことができる。
次に、図9から図12は本発明に係る第3実施形態の2点切り回路遮断器を示す図であり、図9は第3実施形態の回路遮断器の閉極状態を示す図、図10は第3実施形態の回路遮断器の要部を示す図、図11は第3実施形態の回路遮断器のトリップ状態の途中を示す図、図12は第3実施形態の回路遮断器のトリップ状態の終期を示す図である。本実施形態も、図1から図8で示した第1及び第2実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態のラッチ45は、図10に示すように、支軸35に回動自在に支持されているラッチ本体46と、このラッチ本体46にネジ部材47により固定された板状の受圧閉塞部48とで構成されている。
受圧閉塞部48は、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金等の鋼鉄よりも比重の小さい非鉄金属材料からなる板材により形成されており、ラッチ本体46が支軸35回りに時計方向に回動したときにラッチ当接部26に当接し、アークガス排出口27の消弧室24側で開口する開口部を閉塞するようになっている。
上記構成の回路遮断器のラッチ45は、ラッチ本体46が鋼鉄などの比重の大きい金属材料で形成されており、受圧閉塞部48が鋼鉄よりも比重の小さい非鉄金属材料で形成されており、全体を鋼鉄製などの比重の大きい金属材料で形成したラッチと比較して軽量化された部材なので、短絡電流のような大電流が流れることで支軸35回りに回動する際の慣性モーメントが小さくなる。
このため、慣性モーメントが大きいラッチ(全体を鋼鉄製などの比重の大きい金属材料で形成したラッチ)は、中電流(約10KA以下)や小電流を遮断しようとすると、受圧閉塞部がラッチ当接部26に当接するまで確実に回動しないおそれがある。
したがって、本実施形態は、比重の大きい金属材料からなるラッチ本体46と、比重の小さい非鉄金属材料からなる受圧閉塞部48とでラッチ45を構成したので、中電流(約10KA以下)の短絡電流が流れた場合、ラッチ45がアークガス排出口27の開口部を確実に閉塞するので、中電流の短絡電流が流れても可動接点21a,22aの間のアーク長が短縮せず、限流性能の向上を図ることができる。
図13から図15は本発明に係る第4実施形態の1点切り回路遮断器を示す図であり、図13は第4実施形態の回路遮断器の閉極状態を示す図、図14は第4実施形態の回路遮断器のトリップ状態の途中を示す図、図15は第4実施形態の回路遮断器のトリップ状態の終期を示す図である。
本実施形態の1点切り回路遮断器は、図13に示すように、ケース17とカバー18とからなる絶縁容器内に、他の内部空間19との間に隔壁20を形成することで消弧室24が設けられており、この消弧室24に、固定接触子51、可動接触子52、ラッチ53、隔壁20に形成したアークガス排出口54、このアークガス排出口54を形成した隔壁20の消弧室24側に形成したラッチ当接壁55が配置されている。なお、アークガス排出口54が、消弧室24内で発生したアークガスの流れをラッチ53に向けて発生し、可動接触子52が開極方向に回動するようにラッチ53を押圧するガス流発生手段である。
可動接触子52は、一端に可動接点52aが設けられ、他端側が支軸61を介してケース17或いは図示しないホルダに回動可能に支持された部材である。なお、可動接触子52は、図示しない開閉機構の操作によって開閉自在とされているとともに、短絡電流などの大電流が流れて過電流引外し装置(不図示)が動作すると、開極方向(時計方向)に回動するようになっている。
ラッチ53は、可動接触子52の他端側近くに配置されており、一端側がケース17に固定された支軸57に回動自在に支持されているとともに、復帰バネ58が係合している。この復帰バネ58は、一端がケース17に固定されたバネ支軸59に係合し、その付勢力が、ラッチ53を時計方向に回動させる荷重として作用している。このラッチ53が、アークの発生による消弧室内の圧力上昇を保持する消弧室圧力保持手段である。
また、ラッチ53は、支軸57回りに反時計方向に回動したときにラッチ当接壁55に当接し、ラッチ53に設けた受圧閉塞部53aが消弧室24側で開口するアークガス排出口54を閉塞する。
このアークガスの流れがラッチ53の受圧閉塞部53aの端部に作用し、ラッチ53を支軸57回りに反時計方向に回動させる押圧力が、復帰バネ58の付勢力より増大していき、図15に示すように、ラッチ53が支軸57回りに反時計方向に回動することで、可動接触子52のトリップ状態の終期では、ラッチ53がラッチ当接壁55に当接してアークガス排出口54を閉塞し、高圧状態の消弧室24と大気圧状態の他の内部空間19との間に圧力差が生じる。
このように、トリップ状態の終期における可動接触子52は、自身の可動接点52aと固定接触子51の固定接点51aとの間の接点ギャップ長G1が確保されてトリップ状態が保持される。ここで、接点ギャップ長G1は、固定接点51a可動接点52aの間の通電経路の遮断が可能な長さである。
また、アークガス排出口54を介して消弧室24及び他の内部空間19との間が連通して両室の圧力差が無くなり、固定接触子51及び可動接触子52の間の電磁反発力が減少することで、可動接触子52は、支軸61回りに閉極方向に回動して復帰動作を行なう。
また、可動接触子52のトリップ状態が保持されているときには、固定接点51a及び可動接点52aの間の接点ギャップ長G1が、通電経路を遮断する長さとして確保されるので、短絡電流などの大電流が流れる際に、通電の遮断を確実に行なうことができる。
なお、第4実施形態の1点切り回路遮断器において、ラッチ53を時計方向に回動させる方向に付勢力を付与する復帰ばね58に替えて、図5から図8で示したように、ラッチとアークガス排出口との間に引っ張りバネを配置した構造としてもよい。
Claims (10)
- 先端に第1可動接点を設け、開閉機構により開閉駆動される第1可動接触子と、可動接触子用支軸を介して回動自在に軸支され、先端に設けた第2可動接点が前記第1可動接点との接触位置まで閉極方向に回動するように接圧バネにより付勢されている第2可動接触子と、前記第1可動接点と第2可動接点間に発生したアークを消弧する消弧室とを備え、過電流通電時に前記第1接触子と前記第2可動接触子の間に発生する電磁反発力によって、前記第2可動接触子が前記接圧バネの付勢力に抗して前記第1可動接触子から離間する開極方向に回動する回路遮断器において、
前記消弧室内に前記第1可動接触子と前記第2可動接触子を配置するとともに、
前記可動接触子用支軸を挟んで前記第2可動接触子の前記第2可動接点に対する反対側に設けた係合ピンと、
ラッチ支軸を介して回動自在に軸支され、前記係合ピンに係合して前記第2可動接触子を開極方向に回動させるラッチと、
前記アークの発生による前記消弧室内の圧力上昇を保持する消弧室圧力保持手段と、
前記消弧室内で発生したアークガスの流れを前記ラッチに向けて発生し、前記第2可動接触子が開極方向に回動するように前記ラッチを押圧するガス流発生手段と、を備え、
前記ガス流発生手段は、前記第2可動接触子が所定の開極位置まで開極方向に回動するように前記ラッチを押圧し、前記消弧室圧力保持手段は、前記消弧室と当該消弧室の外部との間に圧力差を利用して、前記第2可動接触子を前記所定の開極位置に回動させた前記ラッチの位置を保持することを特徴とする回路遮断器。 - 前記所定の開極位置は、過電流通電時に前記第1可動接点及び前記第2可動接点の間の接点ギャップ長が通電経路を遮断可能とする長さとなるように、前記第2可動接触子を保持する位置であることを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
- 前記ラッチは、前記所定の開極位置に回動した前記第2可動接触子に対して前記係合ピンを介して閉極方向に回動させる方向に付勢力を付与するラッチバネを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の回路遮断器。
- 固定接点を有する固定接触子と、可動接触子用支軸を介して回動自在に軸支され、先端に設けた可動接点が前記固定接点との接触位置まで閉極方向に回動するように開閉機構により開閉駆動される可動接触子と、前記固定接点及び前記可動接点の間に発生したアークを消弧する消弧室と、を備えた回路遮断器において、
前記消弧室内に前記固定接触子と前記可動接触子とを配置するとともに、
前記可動接触子用支軸を挟んで前記可動接触子の前記可動接点に対する反対側に設けた係合ピンと、
ラッチ支軸を介して回動自在に軸支され、前記係合ピンに係合して前記可動接触子を開極方向に回動させるラッチと、
前記アークの発生による前記消弧室内の圧力上昇を保持する消弧室圧力保持手段と、
前記消弧室内で発生したアークガスの流れを前記ラッチに向けて発生し、前記可動接触子が開極方向に回動するように前記ラッチを押圧するガス流発生手段と、を備え、
前記ガス流発生手段は、前記可動接触子が所定の開極位置まで開極方向に回動するように前記ラッチを押圧し、前記消弧室圧力保持手段は、前記消弧室と当該消弧室の外部との間に圧力差を利用して、前記可動接触子を前記所定の開極位置に回動させた前記ラッチの位置を保持することを特徴とする回路遮断器。 - 前記所定の開極位置は、過電流通電時に前記固定接点及び前記可動接点の間の接点ギャップ長が通電経路を遮断可能とする長さとなるように、前記可動接触子を保持する位置であることを特徴とする請求項4記載の回路遮断器。
- 前記ラッチは、前記所定の開極位置に回動した前記可動接触子に対して前記係合ピンを介して係合し、開極方向に回動させる方向に付勢力を付与するラッチバネを備えていることを特徴とする請求項4又は5記載の回路遮断器。
- 前記ガス流発生手段は、前記ラッチの近傍の前記消弧室を形成する壁部に形成され、前記消弧室の外部と連通するアークガス排出口であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の回路遮断器。
- 前記消弧室圧力保持手段は、前記アークガス排出口の前記消弧室で開口する開口部の近傍に配置され、前記アークガスの流れの発生により回動して前記開口部を閉塞する前記ラッチであることを特徴とする請求項7記載の回路遮断器。
- 前記ラッチは、前記ラッチ支軸を介して回動自在に軸支され、前記係合ピンに係合するラッチ本体と、このラッチ本体に一体に固定され、前記アークガスの流れを受けて前記開口部を閉塞自在な受圧閉塞部とを備え、
前記ラッチ本体は、鋼鉄などの比重の大きい金属材料で形成し、
前記受圧閉塞部は、前記ラッチ本体より比重の小さい非鉄金属材料で形成したことを特徴とする請求項8記載の回路遮断器。 - 前記ラッチは、前記ラッチ支軸を介して回動自在に軸支され、前記係合ピンに係合するラッチ本体と、このラッチ本体に一体に固定され、前記アークガスの流れを受けて前記開口部を閉塞自在な受圧閉塞部とを備え、
前記ラッチ本体は、鋼鉄などの比重の大きい金属材料で形成し、
前記受圧閉塞部は、前記ラッチ本体より比重の小さい熱硬化性の合成樹脂材料で形成したことを特徴とする請求項8記載の回路遮断器。
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