以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のコンテンツ提供システム1の全体構成を概念的に表すシステム構成図である。
図1において、コンテンツ提供システム1(コンテンツ提供装置)は、受付ACに設置された受付装置100と、待合室WRに設置された表示装置200とを有している。これら受付装置100と表示装置200とは互いにLAN(Local Area Network)151を介して情報通信可能に接続されると共に、インターネット等のネットワークNWを介して外部のコンテンツ配信会社と接続されている。
受付ACは、来訪者Mの待合室WRへの入退場を受け付けるためのスペースであり、受付装置100が設置されている。この受付ACにおいて、来訪者Mは、受付装置100に接続されたディスプレイ120の表示に従ってキーボード121やマウス122を用い、待合室WRへの入場時には入場処理を行い、待合室WRからの退場時には退場処理を行う。入場処理では、来訪者Mは来訪者識別情報と来訪者属性情報とを入力する。ここで、来訪者識別情報とは来訪者Mを識別するための情報であり、本実施形態では来訪者IDと来訪者名からなる情報である。また、来訪者属性情報とは来訪者Mの属性を表す情報であり、本実施形態では来訪者Mの嗜好(趣味等)と来訪目的からなる情報である。なお、これらは一例であり、例えば来訪者属性情報に来訪者Mの性別・年齢を加える等、その他の情報を含めてもよい。
これにより、受付装置100では、来訪者識別情報と入場時刻が来訪履歴データベース111(後述の図2参照)に記憶されると共に、来訪者識別情報と来訪者属性情報とがユーザデータベース112(後述の図2参照)に記憶される。また退場処理では、来訪者Mは上記来訪者識別情報の入力を行う。これにより、受付装置100では、来訪者識別情報に基づき来訪履歴データベース111中の該当する来訪者Mのレコードが検索され、当該レコードに退場時刻が記憶される。
なお、上記では来訪者Mがキーボード121やマウス122を用いて情報入力を行うようにしたが、これに限らず、受付担当者が情報入力を代行してもよい。また各来訪者Mが予め来訪者識別情報や来訪者属性情報を登録したIDカード(例えば会員証等)を所持し、受付装置100に接続された読取装置123(後述の図2に一点鎖線で示す)により磁気又は無線通信等を介してIDカードから情報を読み取るようにしてもよい。この場合、来訪者Mによる情報入力の手間を省くことができる。
待合室WR(管理対象区画)は、例えば会社やホテルのロビー、駅や病院の待合室等の、多数の来訪者Mが時間を調整するための区画である。この待合室WRに設置された表示装置200は、例えば大画面の液晶テレビ等で構成されており、CPU等からなるマイクロコンピュータを内蔵している。この表示装置200は、待合室WR内に存在する来訪者Mの属性や待ち時間に応じ、コンテンツ配信会社より配信され受付装置100のコンテンツデータベース113(後述の図2参照)に記憶されたコンテンツの中から選択されたコンテンツ(来訪者提供コンテンツ)の表示等を行うことにより、待合室WRに存在する来訪者Mに対しコンテンツの提供を行う。
図2は、コンテンツ提供システム1の機能構成を表すブロック図である。
図2において、受付装置100は、受付装置100全体の制御を行う制御部101と、HDD(Hard Disk Drive)等で構成された記憶部110と、表示装置200との間でLAN151を介して行われる情報通信の制御を行うLANコントローラ102と、上記ディスプレイ120への映像信号の出力に関する制御を行う出力制御部103と、上記キーボード121やマウス122、読取装置123を介した情報の入力に関する制御を行う入力制御部104とを有している。
記憶部110(記憶手段)は、来訪者識別情報と入退場時刻が記憶される来訪履歴データベース111と、各来訪者Mの来訪者識別情報及び来訪者属性情報が記憶されるユーザデータベース112と、コンテンツ配信会社から配信されたコンテンツを記憶するコンテンツデータベース113(情報データベース)と、待合室WR内に存在する来訪者Mの属性や待ち時間に応じてコンテンツを選択し提供するためのコンテンツ提供プログラム等の各種プログラムを記憶するプログラム記憶エリア114とを有している。
制御部101はいわゆるマイクロコンピュータであり、図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、記憶部110の上記プログラム記憶エリア114に記憶された各種プログラムに従って信号処理を行う。
表示装置200は、制御部等とディスプレイとが一体的に構成された装置である。この表示装置200は、表示装置200全体の制御を行う制御部201と、HDD(Hard Disk Drive)等で構成された記憶部210と、受付装置100との間でLAN151を介して行われる情報通信の制御を行うLANコントローラ202と、ディスプレイ220(出力手段、表示手段)及びスピーカ221(出力手段)への映像・音声信号の出力に関する制御を行う出力制御部203と、アンテナ222を介した映像情報の入力に関する制御を行う映像入力制御部204とを有している。以下、この表示装置200における「表示」は、上記ディスプレイ220による映像表示及びスピーカ221による音声出力のうち、少なくとも映像表示を含むものとする。
なお、上記では制御部等とディスプレイとを一体として表示装置200を構成したが、受付装置100のように別体として構成してもよい。
記憶部210は、表示するコンテンツを識別するためのコンテンツIDを表示する順番に対応してレシピとして記憶する表示レシピ記憶エリア211と、この表示レシピ記憶エリア211の記憶されたレシピに沿ってコンテンツを表示するコンテンツ表示プログラム等の各種プログラムを記憶するプログラム記憶エリア212とを有している。
上記構成である受付装置100及び表示装置200は、通信制御機器131,132を介して各々LAN151及びネットワークNWに接続される。
図3は、受付装置100の記憶部110に格納された来訪履歴データベース111の記憶内容の一例を表す図である。図3に示すように、来訪履歴データベース111には、来訪者Mごとに、来訪者識別情報である来訪者ID及び来訪者名と、入退場時刻が記憶されている。図3に示す例では、6人の来訪者Mが待合室WRに入場し、1人の来訪者Mが退場しているため、5人の来訪者Mが待合室WR内に存在する状態である。
図4は、受付装置100の記憶部110に格納されたユーザデータベース112の記憶内容の一例を表す図である。図4に示すように、ユーザデータベース112には、来訪者Mごとに、来訪者識別情報である来訪者ID及び来訪者名と、来訪者属性情報である嗜好情報及び来訪目的とが関連付けて記憶されている。図4に示す例は待合室WRが病院の待合室である場合であり、各来訪者Mの病状が来訪目的として記憶されている。
図5は、受付装置100の記憶部110に格納されたコンテンツデータベース113の記憶内容の一例を表す図である。図5に示すように、コンテンツデータベース113には、コンテンツごとに、コンテンツを識別するためのコンテンツIDと、コンテンツの種別(文字コンテンツ又は映像コンテンツ)を表す種別情報と、コンテンツ内容の分類を表す分類タグと、コンテンツ内容情報とが関連付けられて記憶されている。
図6は、表示装置200の記憶部210に格納された表示レシピ記憶エリア211の記憶内容の一例を表す図である。なお、この図6に示すコンテンツIDは、上述した図5に対応している。図6に示すように、表示レシピ記憶エリア211には、表示順にコンテンツIDが記憶されており、表示装置200の制御部201は、その表示レシピの順番に沿ってコンテンツIDに対応するコンテンツを表示する。この表示レシピ記憶エリア211に記憶された表示レシピの内容(コンテンツ)は、受付装置100の制御部101からの更新信号によって更新される。
図7は、表示レシピ記憶エリア211に記憶された表示レシピの内容が更新された場合の一例を表す図である。図7に示す例では、図6に示す状態(例えばNo.1のコンテンツID1015に対応するサッカー映像コンテンツが表示されている状態)から、No.2にコンテンツID1013に対応する野球映像のコンテンツが追加されている。このとき、コンテンツの表示切り替えに関する案内文が作成され、当該追加されたコンテンツに関連付けられて記憶されている。これにより、表示装置200では、No.1に対応するサッカー映像のコンテンツの表示中に上記案内文が表示され(後述の図12参照)、一定時間後にNo.2に対応する野球映像のコンテンツに表示が変更される。
以上のような構成であるコンテンツ提供装置1では、来訪者Mが待合室WRへ入場する際、キーボード121やマウス122を用いて来訪者識別情報と来訪者属性情報とを入力する。これにより、その入場が受付ACの受付装置100によって検出され、これらの情報が来訪履歴データベース111及びユーザデータベース112に記憶される。そして、待合室WR内の全来訪者の来訪者属性情報が集計されると共に、その集計結果に対し、各来訪者Mの待合室WRに拘束される待ち時間に応じ、予め定められた重み付けによる補正が行われる。このようにして重み付け補正された集計結果に応じて、コンテンツデータベース113に記憶された複数のコンテンツの中から表示装置200で表示するコンテンツが選択され、当該選択されたコンテンツが、待合室WRの表示装置200によって表示される。
図8は、上記コンテンツの表示を行う際に、受付装置100の制御部101によって実行される制御内容を表すフローチャートである。なお、制御部101は、受付装置100の電源スイッチがONにされた際にこのフローチャートを開始する(START位置)。
ステップS10では、制御部101は、入場処理要求があるか否か、すなわち来訪者Mが受付ACで受付装置100のキーボード121やマウス122を用いて入場処理を行ったか否かを判定する。来訪者Mが入場処理を行った場合には、判定が満たされてステップS20に移る。
ステップS20では、制御部101は、来訪者Mの入場処理により入力された来訪者識別情報(来訪者ID及び来訪者名)及び来訪者属性情報(嗜好情報と来訪目的)を取得する。
ステップS30では、制御部101は、図示しない計時手段より入場時刻を取得し、上記ステップS20で取得した来訪者識別情報と入場時刻とを関連付けて、記憶部110の来訪履歴データベース111に記憶させる。
ステップS40では、制御部101は、上記ステップS20で取得した来訪者識別情報と来訪者属性情報とを関連付けて、記憶部110のユーザデータベース112に記憶させる。その後、後述のステップS100に移る。
一方、上記ステップS10において、来訪者Mが入場処理を行っていない場合には、判定が満たされずにステップS50に移る。このステップS50では、制御部101は、退場処理要求があるか否か、すなわち来訪者Mが受付ACで退場処理を行ったか否かを判定する。来訪者Mが退場処理を行った場合には、判定が満たされてステップS60に移る。
ステップS60では、制御部101は、来訪者Mの退場処理により入力された来訪者識別情報(来訪者ID及び来訪者名)を取得する。
ステップS70では、制御部101は、上記ステップS60で取得した来訪者識別情報に基づき、来訪履歴データベース111中の該当する来訪者Mのレコードを検索し、当該レコードに退場時刻を記憶させる。その後、後述のステップS100に移る。
一方、上記ステップS50において、来訪者Mが退場処理を行わない場合には、判定が満たされずにステップS80に移る。このステップS80では、制御部101は、後述するステップS100の来訪者傾向分析処理が前回行われた時から予め定められた一定時間経過したか否かを判定する。一定時間経過していない場合には、判定が満たされずに後述のステップS90に移る。一方、一定時間経過している場合には、判定が満たされてステップS100に移る。このステップS80により、来訪者Mの入退場がない場合でも、一定時間経過するごとに後述のステップS100の来訪者傾向分析処理及びステップS200の表示レシピ更新処理が行われることになる。
ステップS100では、制御部101は、待合室WR内に存在する来訪者Mの来訪者属性情報の集計及びその集計結果に対する各来訪者Mの待ち時間に応じた重み付けの補正を行う来訪者傾向分析処理を実行する(詳細内容は後述の図9参照)。
ステップS200では、制御部101は、上記来訪者傾向分析処理により、重み付け補正された複数の来訪者Mの来訪者属性情報の集計結果に応じて、コンテンツデータベース113に記憶されたコンテンツの中から表示装置200で表示するコンテンツを選択し、表示装置200の記憶部210に格納された表示レシピ記憶エリア211の表示レシピを更新する表示レシピ更新処理を実行する(詳細内容は後述の図10参照)。
ステップS90では、制御部101は、受付装置100による受付処理を終了する旨の終了指令があるか否かを判定する。例えば、受付装置100において受付処理を行うアプリケーションが終了されたような場合には、終了指令があるとみなし、判定が満たされてこのフローを終了する。一方、そのような終了指令がない場合には、判定が満たされずに最初のステップS10に戻り、上述した手順を繰り返す。
上記において、ステップS10及びステップS50は、特許請求の範囲に記載の特定の管理対象区画への入退場を検出する入退場検出手段を構成し、ステップS20が、来訪者に係わる来訪者識別情報と来訪者識別情報に対応する来訪者属性情報を取得する来訪者情報取得手段を構成する。また、ステップS10、ステップS50、及びステップS80が、管理対象区画内に存在する複数の来訪者の来訪者属性情報の集計の要否を判断する判断手段を構成する。
図9は、上記ステップS100の来訪者傾向分析処理の詳細内容を表すフローチャートである。
ステップS105では、制御部101は、来訪者Mの来訪者属性情報に含まれる嗜好の度数を表す嗜好度数Pを0に初期化する。
ステップS110では、制御部101は、記憶部110の来訪履歴データベース111に記憶された各来訪者Mの入場時刻と現在時刻に基づき、各来訪者Mの待ち時間を算出し、それらを加算して、現在待合室WR内に存在する全ての来訪者Mの待ち時間の総和を算出する。
ステップS120では、制御部101は、記憶部110の来訪履歴データベース111に記憶された情報の中から1人の来訪者Mのレコードを選択し、その来訪者識別情報を抽出して取得する。
ステップS130では、制御部101は、記憶部110のユーザデータベース112にアクセスし、上記ステップS120で取得した来訪者識別情報に基づき、対応する来訪者Mの来訪者属性情報(ここでは嗜好情報)を取得する。
ステップS140では、制御部101は、上記ステップS130で取得した嗜好情報が当該来訪者傾向分析処理において既出であるか否かを判定する。嗜好情報が既出である場合には、判定が満たされてステップS150に移る。
ステップS150では、制御部101は、上記ステップS130で取得した嗜好情報に対応する嗜好度数Pを、記憶部110の適宜の記憶エリアに記憶された計算式に基づき、現在の嗜好度数Pの値に、上記ステップS120で選択した来訪者Mの待ち時間を上記ステップS110で算出した待ち時間の総和で除した値を加算した値とする。その後、後述のステップS170に移る。
一方、上記ステップS140において、嗜好情報が既出でない場合には、判定が満たされずにステップS160に移る。このステップS160では、上記ステップS130で取得した嗜好情報に対応する嗜好度数Pを、記憶部110の適宜の記憶エリアに記憶された計算式に基づき、上記ステップS120で選択した来訪者Mの待ち時間を上記ステップS110で算出した待ち時間の総和で除した値とする。その後、ステップS170に移る。
ステップS170では、現在待合室WR内に存在する全ての来訪者Mについて(言い換えれば来訪履歴データベース111に記憶された全来訪者Mのレコードについて)、上記ステップS120〜ステップS160の処理手順が終了したか否かを判定する。全来訪者Mについて処理が終了していない場合には、判定が満たされずに先のステップS120に戻る。そして、来訪履歴データベース111に記憶された情報の中から次の来訪者Mのレコードを選択し、その来訪者Mについて同様の手順を繰り返す。一方、全来訪者Mについて処理が終了した場合には、判定が満たされてこのルーチンを終了する。
上記フローにおいて、ステップS120〜ステップS170を全来訪者Mのレコードについて繰り返すことにより、待合室WRに存在する全来訪者Mの来訪者属性情報に含まれる各嗜好について嗜好度数Pが算出される。すなわち、待合室WR内に存在する全ての来訪者Mの嗜好情報が集計されることになる。したがって、ステップS120〜ステップS170が、特許請求の範囲に記載の管理対象区画内に存在する複数の来訪者の来訪者属性情報を集計する集計手段を構成する。また、ステップS120〜ステップS170を全来訪者Mのレコードについて繰り返す間に、ステップS150及びステップS160により、ステップS110で算出した待ち時間の総和を用いて、来訪者属性情報の集計結果に対する各来訪者Mの待ち時間に応じた重み付け補正が上記集計と同時に行われることになる。すなわち、ステップS110、ステップS150、及びステップS160が特許請求の範囲に記載の重み付け補正手段を構成し、また上述した記憶部110の適宜の記憶エリアに記憶された計算式が、記憶手段に記憶された予め定められた重み付けに相当する。
図10は、上記ステップS200の表示レシピ更新処理の詳細内容を表すフローチャートである。
ステップS205では、制御部101は、上記ステップS100の来訪者傾向分析処理において算出された各嗜好の嗜好度数Pについて、それら嗜好度数Pの総和に対する割合を算出する。なお、本実施例では来訪者傾向分析処理S100において、全てのレコードを対象に分析を実施しているため、総和に対する割合の計算結果はS100の結果と同じとなる。
ステップS210では、制御部101は、コンテンツの種類が文字であるか映像であるかを判定する。表示装置200で表示するコンテンツは、例えば13:00〜14:00の1時間の間に文字コンテンツを10件及び映像コンテンツを3件といったように、時間帯や時間枠等に応じて予め目標件数が設定されており、この判定はその設定内容に基づいて行われる。この設定内容に基づき文字コンテンツを選択する場合には、ステップS215に移る。
ステップS215では、制御部101は、待合室WRに存在する全来訪者Mの来訪者属性情報に含まれる各嗜好の中から1つの嗜好を選択し、その嗜好について、上記ステップS205で算出した嗜好度数Pの割合と抽出目標件数とを乗算し、抽出件数を算出する。ここで、抽出目標件数とは、一度の表示レシピ更新処理において抽出すべき文字コンテンツの件数として予め設定された目標件数である。
ステップS220では、制御部101は、上記ステップS215で算出した抽出件数が1件よりも少ないか否かを判定する。抽出件数が1件以上である場合には、判定が満たされずに後述のステップS230に移る。一方、抽出件数が1件よりも小さい場合には、判定が満たされてステップS225に移り、抽出件数を1件として、ステップS230に移る。
ステップS230では、制御部101は、記憶部110のコンテンツデータベース113にアクセスし、上記ステップS215で選択した嗜好に合致する分類タグを有する文字コンテンツを、上記ステップS215又はステップS225で設定した件数分抽出する。
ステップS235では、制御部101は、LAN151を介して表示装置200の記憶部210の表示レシピ記憶エリア211にアクセスし、上記ステップS230で抽出した文字コンテンツに対応するコンテンツIDを表示レシピに追加して表示レシピを作成し、表示レシピ記憶エリア211の記憶内容を更新する。
ステップS240では、制御部101は、待合室WRに存在する全来訪者Mの来訪者属性情報に含まれる全嗜好について、上記ステップS215〜ステップS235の処理手順が終了したか否かを判定する。終了していない場合には判定が満たされずに先のステップS215に戻り、待合室WRに存在する全来訪者Mの来訪者属性情報に含まれる各嗜好の中から次の嗜好を選択し、その嗜好について同様の手順を繰り返す。一方、全嗜好について処理が終了した場合には、判定が満たされてこのルーチンを終了する。
一方、先のステップS210において、前述した設定内容に基づき映像コンテンツを選択する場合には、ステップS245に移る。このステップS245では、制御部101は、上記ステップS205で算出した嗜好度数Pの割合が最も大きな嗜好情報を取得する。
ステップS250では、制御部101は、上記ステップS245で取得した嗜好が、現在表示装置200で表示中の映像コンテンツの分類タグと合致するか否かを判定する。取得した嗜好が表示中の映像コンテンツの分類タグと合致する場合には、判定が満たされてステップS255に移る。
ステップS255では、制御部101は、表示レシピ記憶エリア211の表示レシピを更新せずに、このフローを終了する。
一方、上記ステップS250において、取得した嗜好が表示中の映像コンテンツの分類タグと合致しない場合には、判定が満たされずにステップS260に移る。このステップS260では、表示装置200で表示中の映像コンテンツの経過表示時間が当該コンテンツの所要表示時間の半分を超えているか否か(言い換えれば当該コンテンツの表示完了までに要する時間が所要表示時間の半分未満か否か)を判定する。映像コンテンツの経過表示時間が当該コンテンツの所要表示時間の半分を超えている場合には、判定が満たされて上記ステップS255に移り、制御部101は、表示レシピ記憶エリア211の表示レシピを更新せずにこのフローを終了する。一方、映像コンテンツの経過表示時間が当該コンテンツの所要表示時間の半分を超えていない場合には、判定が満たされずにステップS265に移る。
ステップS265では、制御部101は、映像コンテンツの表示切り替えに関する案内文(後述の図12参照)を作成する。
ステップS270では、制御部101は、記憶部110のコンテンツデータベース113にアクセスし、上記ステップS245で取得した嗜好に合致する分類タグを有する映像コンテンツを1件分抽出する。そして、LAN151を介して表示装置200の記憶部210の表示レシピ記憶エリア211にアクセスし、上記抽出した映像コンテンツに対応するコンテンツIDを、上記ステップS265で作成した案内文と共に表示レシピに追加して表示レシピを作成し、表示レシピ記憶エリア211の記憶内容を更新する。その後、このルーチンを終了する。
上記において、ステップS230及びステップS270が、特許請求の範囲に記載の複数のコンテンツの中から来訪者提供コンテンツを選択する選択手段を構成する。
図11は、コンテンツの表示を行う際に、表示装置200の制御部201によって実行される制御内容を表すフローチャートである。
ステップS305では、制御部201は、記憶部210の表示レシピ記憶エリア211に記憶された表示レシピを読み込む。
ステップS310では、制御部201は、上記ステップS305での読み込み結果に基づき、表示レシピが存在するか否か(読み込んだ表示レシピにコンテンツIDが登録されているか否か)を判定する。表示レシピが存在しない場合には、判定が満たされずにステップS315に移り、制御部201は、出力制御部203に制御信号を出力して、ディスプレイ220でのコンテンツ表示(スピーカ221による音声出力を含む)を行わないように制御する。その後、後述のステップS360に移る。
一方、上記ステップS310において、表示レシピが存在する場合には、判定が満たされてステップS320に移る。このステップS320では、制御部201は、受付装置100の制御部101により表示レシピが更新されているか否かを判定する。表示レシピが更新されていない場合には、判定が満たされずにステップS325に移り、制御部201は、現在の表示レシピに従って、コンテンツを継続して表示させる。その後、後述のステップS360に移る。
一方、上記ステップS320において、表示レシピが更新されている場合には、判定が満たされてステップS330に移る。このステップS330では、表示レシピの更新により追加されたコンテンツが文字コンテンツか否かを判定する。文字コンテンツである場合には、判定が満たされてステップS335に移り、制御部201は、更新された表示レシピにしたがって文字コンテンツの表示を開始する。このとき、表示中のコンテンツが映像コンテンツである場合には、当該映像コンテンツの表示を継続しつつ例えば画面隅部に文字コンテンツの表示を行う。また表示中のコンテンツが文字コンテンツである場合には、当該文字コンテンツの表示が終了した後に追加された文字コンテンツの表示を行う。その後、後述のステップS360に移る。
一方、上記ステップS330において、追加されたコンテンツが映像コンテンツである場合には、判定が満たされずにステップS340に移る。このステップS340では、制御部201は、表示レシピの更新により追加されたコンテンツが映像コンテンツか否かを判定する。追加されたコンテンツが映像コンテンツでない場合には、判定が満たされずに後述のステップS360に移る。一方、追加されたコンテンツが映像コンテンツである場合には、判定が満たされてステップS345に移る。
ステップS345では、制御部201は、追加された映像コンテンツに案内文が作成されているか否かを判定する。案内文が作成されていない場合には、判定が満たされずに後述のステップS355に移る。一方、案内文が作成されている場合には、判定が満たされてステップS350に移り、制御部201は、表示中の映像コンテンツに案内文を一定時間付加表示する(後述の図12参照)。その後、ステップS355に移る。
ステップS355では、制御部201は、更新された表示レシピにしたがって映像コンテンツの表示を開始する。なお、上記ステップS340〜ステップS355において、表示中のコンテンツが文字コンテンツである場合には、上記案内文の表示を行わずに、表示中の文字コンテンツの表示が終了した後に追加された映像コンテンツの表示を行う。
ステップS360では、制御部201は、表示装置200による表示処理を終了する旨の終了指令があるか否かを判定する。例えば、表示装置200において表示処理を行うアプリケーションが終了されたような場合には、終了指令があるとみなし、判定が満たされてこのフローを終了する。一方、そのような終了指令がない場合には、判定が満たされずに最初のステップS305に戻り、上述した手順を繰り返す。
上記において、ステップS320は、特許請求の範囲に記載の来訪者提供コンテンツが更新されたか否かを判定する提供コンテンツ判断手段を構成する。また、前述の図10に示すステップS235、ステップS255、及びステップS270と、上記図11に示すステップS325、ステップS335、ステップS350、及びステップS355とが、来訪者提供コンテンツを切り替えて表示手段に表示する表示制御手段を構成し、このうちのステップS350が、表示切り替えに関する報知を行う報知手段を構成する。このように、受付装置100の制御部101の機能と表示装置200の制御部201の機能とが協働して特許請求の範囲に記載の表示制御手段を構成する。
図12は、上記案内文が作成された場合の表示装置200のディスプレイ220の表示の一例を表す図である。この図12に示す例は前述した図7に対応しており、ディスプレイ220中のコンテンツ表示部223にはNo.1のコンテンツID1015に対応するサッカー映像コンテンツが表示されている。この状態から、図7に示すようにNo.2にコンテンツID1013に対応する野球映像のコンテンツが追加されて表示レシピが更新されると、図12に示すように、当該追加された映像コンテンツの案内文が付加表示部224に一定時間表示される。その後、表示装置200では、コンテンツ表示部223の表示が、No.1に対応するサッカー映像のコンテンツからNo.2に対応する野球映像のコンテンツに変更される。なお、ディスプレイ220中のコンテンツ表示部223の左側の施設表示部225には、待合室WRを有する施設名が表示されている。
なお、上記の例では、案内文にコンテンツの変更理由を含めるようにしたが、変更理由を含めずに単にコンテンツの変更を行う旨のみを案内する案内文としてもよい。
以上説明した実施形態のコンテンツ提供システム1においては、来訪者Mが待合室WRへ入場する際に入場処理を行うことで、その入場が受付装置100によって検出される。来訪者Mが待合室WRから退場するときも、退場処理を行うことでその退場が受付装置100によって検出される。また、各来訪者Mの入場時には、各来訪者Mを識別するための来訪者識別情報と、各来訪者Mに係わる趣味などの嗜好、及び来場目的を含む来訪者属性情報が、受付装置100によって取得される。そして、待合室WR内に存在する複数の来訪者Mの来訪者属性情報の集計が行われる。このようにして集計された集計結果に応じて、記憶部110に記憶されたコンテンツデータベース113の複数のコンテンツの中から特定のコンテンツが選択され、当該選択されたコンテンツが表示装置200によって表示され、待合室WR内の全来訪者Mに対し提供される。
ここで、上記実施形態においては、来訪者識別情報の集計結果に対し、各来訪者Mの待合室WRに拘束される待ち時間に応じ、予め定められた重み付けを行う。これにより、待ち時間の長い来訪者Mに係わる来訪者属性情報についてはより比重が重くなるように重み付けし、待ち時間が短い来訪者に係わる来訪者属性情報についてはより比重が軽くなるように重み付けすることができる。これにより、待合室WRに拘束される待ち時間が長くなり疲れが徐々に増した来訪者Mをより重点的な対象として、コンテンツを提供することができる。この結果、待合室WRに順次やってくる特定の多数の来訪者Mに対し、待合室WRにおける滞在中、なるべく快適に過ごしてもらえるようもてなすことができる。
また、本実施形態では特に、表示装置200の記憶部210に格納された表示レシピ記憶エリア211のレシピ内容(コンテンツ)が更新されたと判断された場合に、コンテンツを切り替えてディスプレイ220の表示する。これにより、各来訪者Mが待合室WRに入退場していくたびに時間経過とともに変動する全来訪Mの(待ち時間を加味した)来訪者属性情報集計結果に対応し、その時間その時間の来訪者全体にとって最適なコンテンツを切り替えて提供することができる。
また、本実施形態では特に、表示装置200の記憶部210に格納された表示レシピ記憶エリア211のレシピ内容(コンテンツ)が更新されたと判断された場合に、表示中のコンテンツが完了した後に、コンテンツのディスプレイ220への表示の切り替えを行う。これにより、現在表示されたコンテンツを興味をもって視聴している来訪者Mは当該コンテンツを(中断することなく)最後まで視聴することができる。この結果、コンテンツ途中で他のコンテンツに切り替わることによる不満足感を、視聴中である来訪者Mに与えないようにすることができる。
また、本実施形態では特に、表示中の映像コンテンツの経過表示時間が当該コンテンツの所要表示時間の半分を超えている場合に、表示中のコンテンツが完了した後に表示の切り替えを行う。これにより、現在表示されている内容がコンテンツの終盤である場合には当該コンテンツの表示を中断せずそのまま最後まで提供するようにし、現在表示されている内容がコンテンツの序盤である場合には(ストーリーがまだそれほど進んでいないため切り替えによる不満は少ないとみなし)現在の(待ち時間を加味した)来訪者属性情報の集計結果に合致するよう当該コンテンツの表示を切り替えることができる。この結果、その時間その時間の来訪者全体にとっての最適なコンテンツの提供と、視聴途中で突然他のコンテンツに切り替わることによる不満足感の発生防止とを、総合的に両立することができる。
また、本実施形態では特に、ディスプレイ220により表示中の映像コンテンツの表示の切り替えを行う場合に、ディスプレイ220中の付加表示部224に表示切り替えに関する案内文を一定時間表示する。これにより、視聴途中に予期せぬタイミングで突然他のコンテンツに切り替わることにより、来訪者Mに大きな不満足感が発生するのを防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)所定期間内に入場した者のみ待ち時間に応じた集計対象とする場合
上記実施形態では、待合室WRに存在する全ての来訪者Mを待ち時間に応じた重み付け集計を行う対象としたが、これに限られず、例えば所定期間内に入場した来訪者Mのみ上記対象とする等、待ち時間に応じた重み付け集計を行う対象者を時期的に制限してもよい。
図13は、本変形例の受付装置100の制御部101によって実行される、ステップS100の来訪者傾向分析処理の詳細内容を表すフローチャートであり、前述の図9に対応する図である。この図13において前述の図9と同様の手順は同符号を付し適宜説明を省略する。
ステップS105〜ステップS110は前述の図9と同様であり、制御部101は、嗜好度数Pを0に初期化した上で、各来訪者Mの待ち時間を算出し、それらを加算して、現在待合室WR内に存在する全ての来訪者Mの待ち時間の総和を算出する。
ステップS120では、記憶部110の来訪履歴データベース111に記憶された情報の中から1人の来訪者Mのレコードを選択し、その来訪者識別情報及び入場時刻情報を抽出して取得する。
ステップS125では、制御部101は、上記ステップS120で選択したレコードに対応する来訪者Mが所定期間内に入場したか否かを、上記ステップS120で取得した入場時刻が所定期間内に含まれるか否かにより判定する。この所定期間としては、例えば来訪者Mが所定のサービスを受ける目的で特定の待合室WRを来訪している場合に、現在時刻からサービスを受けるまでの平均待ち時間前までの間(例えば現在時刻から2時間前までの範囲)等として設定される。このように設定することで、上記所定期間内に入場した来訪者Mは当該サービスの提供を受けておらず、上記所定期間内に入場していない来訪者(すなわち現在時刻よりサービスを受けるまでの平均待ち時間前よりもさらに前に入場した来訪者)は既にサービスの提供を受けているとみなすこともできる。なお、上記は一例であり、例えばサービスの提供時間を上記所定期間として設定する等、上記以外の期間を設定してもよい。
来訪者Mが所定期間内に入場していない場合には、判定が満たされずに後述のステップS170に移る。すなわち、所定期間内に入場していない来訪者Mについては、嗜好の集計及びステップS150及びステップS160による待ち時間に応じた重み付け補正が行われない。一方、上記ステップS125において、来訪者Mが所定期間内に入場している場合には、判定が満たされてステップS130に移る。
ステップS130〜ステップS170は前述の図9と同様であり、制御部101は、対応する来訪者Mの嗜好情報を取得し、この嗜好情報が既出であるか否かに応じて、その嗜好度数Pを記憶部110の適宜の記憶エリアに記憶された計算式に基づき算出する。そして、現在待合室WR内に存在する全ての来訪者Mについて、上記ステップS120〜ステップS160の処理手順が終了したか否かを判定し、全来訪者Mについて処理が終了した場合には、判定が満たされてこのルーチンを終了する。
本変形例におけるコンテンツ提供システム1の構成及び上記以外の制御内容は、前述の実施形態と同様であるので説明を省略する。
上記において、ステップS125は、特許請求の範囲に記載の所定期間内に来訪者の入場時刻が記憶されているか否かを判断する履歴情報判断手段を構成する。
以上説明した変形例においては、来訪履歴データベース111において、所定期間内に来訪者Mの入場時刻が記憶されていると判断された場合に、当該来訪者Mに対し待合室WRから退場するまでの待ち時間に応じた重み付け集計を行う。これにより、例えば、来訪者Mが所定のサービスを受ける目的で特定の待合室WRを来訪している場合に、現在時刻から所定期間前までの間に入場した来訪者Mについては当該サービスの提供を受けておらず、現在時刻から所定期間前までの間に入場していない来訪者M(すなわち所定期間前よりもさらに前に入場した来訪者M)は既にサービスの提供を受けているとみなすこともできる。したがって、所定期間内に入場時刻が記憶されていない来訪者Mに対しては待ち時間に応じた重み付け集計を行わず、所定期間内に入場時刻が記憶された来訪者Mに対しては待ち時間に応じた重み付け集計を行うことにより、サービスを受け満足感を得る前に待ち時間が長くなって疲れてきた来訪者Mに対し、より重点的な対象として、待ち時間による不快感を和らげることができる。
その結果、例えば病院の待合室に本発明を適用した場合には、当該病院での診察までの平均待ち時間が1時間であるとした場合、上記所定期間を現在時刻から1時間前までの期間に設定しておくことで、診察前に待ち時間が長くなって疲れてきた来訪者Mに対し、より優先してコンテンツを選択することができる。また、当該病院の通常の診察時間を所定期間として設定すれば、診察を目的とした来訪者Mに対し、診察以外を目的とした来訪者Mであって、例えば、通常の診察時間終了後に薬だけ受け取りに来た来訪者などより優先してコンテンツを選択することができる。
(2)来訪者の入退場回数に応じて重み付け集計する場合
上記実施形態では、来訪者Mの待合室WRへの入退場回数については特に考慮しなかったが、来訪者Mの入退場回数に応じて待ち時間に応じた重み付け集計を行うようにしてもよい。
図14は、本変形例の受付装置100の記憶部110に格納されたユーザデータベース112の記憶内容の一例を表す図であり、前述の図4に対応する図である。この図14に示すように、本変形例のユーザデータベース112には、来訪者Mごとに、来訪者識別情報である来訪者ID及び来訪者名と、来訪者属性情報である嗜好情報及び来訪目的と、来訪回数及び来訪間隔とが関連付けて記憶されている。この来訪回数及び来訪間隔は、来訪者Mが入場する度に制御部101によって自動的に算出され(入退場計数手段に相当)、ユーザデータベース112が更新されるようになっている。なお、上記来訪回数及び来訪間隔を計数する期間を所定の期間内(例えば1ヶ月間や1年間)に限定してもよい。
本変形例では、受付装置100の制御部101は、来訪者傾向分析処理において、上記ユーザデータベース112に記憶された来訪者Mの来訪回数及び来訪間隔に基づき、待合室WRの来訪頻度に応じた来訪者種別を特定する。この来訪者種別は、平均的な来訪頻度である「通常者」、この「通常者」に比べ高い来訪頻度である「常連者」、「通常者」に比べ低い来訪頻度である「初心者」の3種類で構成されている。例えば、図14に示す例では、来訪者IDが501,510に対応する来訪者Mは「通常者」と特定し、来訪者IDが503,505,506,507に対応する来訪者Mは「常連者」と特定し、来訪者IDが502,504,508,509に対応する来訪者Mは「初心者」と特定する。
図15は、上記3種類の来訪者種別である「通常者」、「常連者」、「初心者」の待ち時間に応じたウェイト値の変化を表すウェイトグラフの一例を表す図であり、図15(a)は「通常者」、図15(b)は「常連者」、図15cは「初心者」のウェイトグラフを表している。これらのウェイトグラフは、記憶部110の適宜の記憶エリアに記憶されている。なお、上記ウェイト値とは、本変形例において来訪者Mの待ち時間と入退場回数に基づき重み付け集計を行う際の当該重み付けに対応する値である。
図15に示す例は、来訪者Mが所定のサービスを受ける目的で特定の待合室WRを来訪する場合を示しており、各ウェイトグラフは、待合室WRへの入場後サービスの提供を受けるまでの平均待ち時間、サービスの提供を受ける平均サービス時間、サービスの提供終了後退場するまでの平均退場時間を基準にして各々定められている。
図15(a)に示すように「通常者」のウェイト値は、入場後所定の時間が経過するまでは待ち時間に応じて上昇し、その後、平均待ち時間及び平均サービス時間が経過するまで横ばいとなる。そして、平均サービス時間の経過後はウェイト値は待ち時間に応じて下降し、平均退場時間が経過した後は、待合室WRから退場するまで再び横ばいとなる。一方、図15(b)に示すように「常連者」のウェイト値は、入場時点において「通常者」より高く設定され、その後も退場までの全待ち時間において「通常者」より高くなるように設定されている。他方、図15(c)に示すように「初心者」のウェイト値は、入場後平均待ち時間が経過するまで上昇し、その後平均退場時間が経過するまで下降するが、この平均退場時間の経過までの全待ち時間において「通常者」より低くなるように設定されている。その後は「通常者」と同様に待合室WRから退場するまで横ばいとなる。
上記のようなウェイト値の設定により、待合室WRの来訪頻度が高い来訪者Mほど比重が重くなるように重み付けされ、来訪頻度が高い来訪者Mをそれよりも頻度の低い来訪者Mよりも優遇してコンテンツを提供可能となっている。
図16は、本変形例の受付装置100の制御部101によって実行される、ステップS100の来訪者傾向分析処理の詳細内容を表すフローチャートである。
ステップS405では、制御部101は、来訪者Mの来訪者属性情報に含まれる嗜好の度数を表す嗜好度数Pを0に初期化する。
ステップS410では、制御部101は、記憶部110の来訪履歴データベース111に記憶された情報の中から1人の来訪者Mのレコードを選択し、その来訪者識別情報及び入場時刻を抽出して取得する。
ステップS415では、制御部101は、現在時刻と上記ステップS410で取得した入場時刻とに基づき、該当する来訪者Mの待ち時間を算出する。
ステップS420では、制御部101は、記憶部110のユーザデータベース112にアクセスし、上記ステップS410で取得した来訪者識別情報に基づき、対応する来訪者Mの来訪者属性情報(ここでは嗜好情報)を取得する。
ステップS425では、制御部101は、ユーザデータベース112より該当する来訪者Mの来訪回数及び来訪間隔を取得し、これらに基づき来訪者Mの来訪者種別を特定する。
ステップS430では、制御部101は、記憶部110より上記ステップS425で特定した来訪者種別に対応するウェイトグラフを読み出し、上記ステップS415で算出した待ち時間に基づくウェイト値を取得する。
ステップS435では、制御部101は、上記ステップS420で取得した嗜好情報が当該来訪者傾向分析処理において既出であるか否かを判定する。嗜好情報が既出である場合には、判定が満たされてステップS440に移る。
ステップS440では、制御部101は、上記ステップS420で取得した嗜好情報に対応する嗜好度数Pを、現在の嗜好度数Pの値に、上記ステップS430で取得したウェイト値を加算した値とする。その後、後述のステップS450に移る。
一方、上記ステップS435において、嗜好情報が既出でない場合には、判定が満たされずにステップS445に移る。このステップS445では、上記ステップS420で取得した嗜好情報に対応する嗜好度数Pを、上記ステップS430で取得したウェイト値とする。その後、ステップS450に移る。
ステップS450では、現在待合室WR内に存在する全ての来訪者Mについて(言い換えれば来訪履歴データベース111に記憶された全来訪者Mのレコードについて)、上記ステップS410〜ステップS445の処理手順が終了したか否かを判定する。全来訪者Mについて処理が終了していない場合には、判定が満たされずに先のステップS410に戻る。そして、来訪履歴データベース111に記憶された情報の中から次の来訪者Mのレコードを選択し、その来訪者Mについて同様の手順を繰り返す。一方、全来訪者Mについて処理が終了した場合には、判定が満たされてこのルーチンを終了する。
上記フローにおいて、ステップS410〜ステップS450が、特許請求の範囲に記載の管理対象区画内に存在する複数の来訪者の来訪者属性情報を集計する集計手段を構成する。また、ステップS430、ステップS440、及びステップS445が特許請求の範囲に記載の重み付け補正手段を構成し、また上述した記憶部110の適宜の記憶エリアに記憶されたウェイトグラフが、記憶手段に記憶された予め定められた重み付けに相当する。
以上説明した変形例においては、来訪者Mの待合室WRへの入退場回数を算出し、当該入退場回数に応じて待ち時間に応じた重み付け集計を行う。これにより、来訪履歴の有無や来訪回数(あるいは来訪頻度)を参酌し、比較的多数回(あるいは高頻度)の来訪履歴がある、お得意様や常連者に係わる来訪者情報については、それ以外の来訪者Mよりも比重が重くなるように重み付けすることができる。これにより、それらお得意様や常連者を他の来訪者Mよりも優遇する形で、コンテンツを提供することができる。
(3)その他
以上では、表示装置200のディスプレイ220により映像コンテンツ及び文字コンテンツについて表示する場合を説明したが、例えば表示は行わずに文字コンテンツについての音声出力のみ行うような場合にも、本発明は適用可能である。
また以上では、待合室WRに入場した来訪者Mの人数に関わらず、(入場した人数が1人であっても)来訪者属性情報の待ち時間に対応する重み付け集計を行うようにしたが、これに限られず、待合室WRに入場した来訪者Mが複数である場合に(図8のステップS20において複数の来訪者属性情報を取得した場合に)、来訪者属性情報の待ち時間に対応する重み付け集計を行うようにしてもよい。
また以上では、表示中の映像コンテンツの経過表示時間が当該コンテンツの所要表示時間の半分を超えている場合に、表示中のコンテンツが完了した後に表示の切り替えを行うようにしたが、このように経過表示時間に応じて表示切り替えタイミングを制御するのではなく、表示中の映像コンテンツの種類に応じて表示切り替えタイミングを制御してもよい。例えば、表示中の映像コンテンツがドラマや映画等ストーリー性があるものである場合に、表示中のコンテンツが完了した後に表示切り替えを行うようにし、ニュース等のストーリー性がないものである場合には即座に表示を切り替えるようにしてもよい。
なお、以上において、図1、図2等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、図8、図9、図10、図11等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。