JP2010215856A - タイヤサイドウォール用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤサイドウォール用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】加工性を維持しつつ、石油資源由来の原料を低減でき、また耐屈曲疲労性を損なうことなく、低発熱性と耐引裂き性のバランスを改良する。
【解決手段】天然ゴム40〜70重量部と高シス−ブタジエンゴム30〜60重量部からなるジエン系ゴムに、アルキル−D−グルコピラノシド(下記一般式(1)、n=0〜24)と、所定のヨウ素吸着量及びDBP吸収量を持つカーボンブラックを配合したタイヤサイドウォール用ゴム組成物である。
【化1】
Figure 2010215856

【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤのサイドウォールに用いられるゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
従来、この種のゴム組成物においては、加工性を確保するために、一般にアロマオイルなどの石油資源由来のオイルが配合されている(下記特許文献1参照)。石油資源由来のオイルを配合することは環境に配慮されているとはいえず、環境問題が益々重視されている現在、石油資源由来のオイルに代わって加工性を確保するための手段が求められる。
このような観点から、下記特許文献2には、石油資源由来のオイルに代えて天然由来の植物油を用いることが提案されている。
ところで、従来、ゴム組成物にデンプンなどの糖類を添加する技術が知られている。例えば、下記特許文献3には、破壊特性、ウェットグリップ性及び発熱性や加工性を損なうことなく、耐摩耗性及び耐老化性を改良するために、D−フラクトースやD−グルコースなどの単糖類や、二糖類以上の多糖類、更にはこれらの誘導体である、糖アルコール、デオキシ糖、アミノ糖、配糖体、ウロン酸、糖脂肪酸エステルなどを配合することが提案されている。
下記特許文献4には、耐摩耗性を損なうことなく、ウェットグリップ性と低燃費性を向上させるために、ジエン系ゴムとデンプンなどの糖類との複合体を配合することが提案されている。
このように従来、ゴム組成物に糖類を配合することは知られていたが、本発明特有のアルキル基変性糖誘導体を配合することは提案されておらず、またそれによって加工性や耐屈曲疲労性を損なうことなく、低発熱性や耐引裂き性を改良できるという有利な作用効果も知られていなかった。
特開2005−053944号公報 特開2007−197004号公報 特開平11−071481号公報 特開2005−272507号公報
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、石油資源由来の原料の低減を可能にしつつ、加工性を維持することができるタイヤサイドウォール用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の点に鑑み鋭意検討していく中で、石油資源由来のオイルの代わりに天然ブドウ糖由来のアルキル基変性糖誘導体を配合することで、加工性を維持しつつ石油資源由来の原料を低減することができることを見い出した。また、該アルキル基変性糖誘導体を配合することで、耐屈曲疲労性を損なうことなく、低発熱性と耐引裂き性のバランスを改良できることを見い出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
すなわち、本発明に係るタイヤサイドウォール用ゴム組成物は、天然ゴム及び/又はイソプレンゴム40重量部以上70重量部以下と、シス−1,4結合含有量が95%以上のブタジエンゴム30重量部以上60重量部以下を含有するジエン系ゴム100重量部に対して、アルキル基の炭素数が1〜25であるアルキル−D−グルコピラノシド0.1重量部以上10重量部以下と、ヨウ素吸着量が30mg/g以上100mg/g以下であり、かつDBP吸収量が95ml/100g以上160ml/100g以下であるカーボンブラック30重量部以上50重量部以下と、を含有するものである。
本発明に係る空気入りタイヤは、かかるゴム組成物を用いてなるサイドウォールを備えたものである。
本発明によれば、石油資源由来のオイルの代わりに上記特定のアルキル−D−グルコピラノシドを配合することで、加工性を維持しつつ、石油資源由来の原料を低減することができる。また、耐屈曲疲労性を損なうことなく、低発熱性と耐引裂き性のバランスを改良できる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分であるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が40〜70重量部と、シス−1,4結合含有量が95%以上の高シス−ブタジエンゴム(BR)が60〜30重量部とのブレンドからなる。天然ゴムとイソプレンゴムの配合量が70重量部を超えると、耐屈曲疲労性に劣り、また、上記高シス−ブタジエンゴムの配合量が60重量部を超えると、加工性に劣る。
上記高シス−ブタジエンゴムを用いることにより、加硫ゴムの損失正接tanδを下げて低発熱性を向上することができる。シス−1,4結合含有量は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定される値である。
なお、該ゴム成分は、基本的には、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムと、上記特定の高シス−ブタジエンゴムからなるが、本発明の効果を損なわない範囲で、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シス−1,4結合含有量が95%未満のブタジエンゴムなど、他のジエン系ゴムを含んでも構わない。
本発明のゴム組成物には、石油資源由来のオイル(鉱物油)の代替として、アルキル−D−グルコピラノシドが配合される。アルキル−D−グルコピラノシドは、天然ブドウ糖であるD−グルコースに飽和アルコールを反応させてなるものであり、好ましくは炭素数が1〜25の第1級飽和アルコールを反応させてなるものである。このような天然ブドウ糖由来のアルキル基変性糖誘導体を用いることにより、石油資源由来の原料の低減につながる。該グルコピラノシドとしては、α型(すなわち、アルキル−α−D−グルコピラノシド)でも、β型(すなわち、アルキル−β−D−グルコピラノシド)でもよく、また両者の混合物でもよい。ここで、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基が挙げられる。
アルキル−D−グルコピラノシドとしては、下記一般式(1)で表されるアルキル基変性糖誘導体を用いることがより好ましい。
Figure 2010215856
上記式中、nは0〜24の整数である。(n+1)で表されるアルキル基の炭素数は、これが大きすぎると、グルコース部分の寄与が小さくなるので25以下である。nは、より好ましくは、0〜12の整数であり、更に好ましくは、2〜10の整数である。
アルキル−D−グルコピラノシドは、下記式(2)のように、ブドウ糖に第1級アルコールを反応させることで得られるものである。この反応は、例えば、ブドウ糖と第1級アルコールとを塩酸及びカチオン交換樹脂の存在下に加熱反応させる方法(特公昭50−13770号公報参照)、触媒としてカチオン交換樹脂(スチレンとジビニルベンゼンを重縮合して製造した三次元高分子基体に交換基としてスルホン酸基を結合させたもの)を固定床として用いてブドウ糖と第1級アルコールを反応させる方法(特開平6−92984号公報参照)、触媒としてトランスグルコシダーゼ(α−グルコシダーゼ)を用いてブドウ糖と第1級アルコールを反応させる方法(特開平7−87992号公報参照)、ブドウ糖と第1級アルコールとを粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライトなど)の存在下で反応させる方法(特開平10−204095号公報参照)などにより行うことができる。
Figure 2010215856
前記アルキル−D−グルコピラノシドの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましい。この配合量が0.1重量部未満では、その添加効果が不十分であり、逆に10重量部を超えると、低発熱性が悪化する。アルキル−D−グルコピラノシドの配合量の下限は、より好ましくは0.5重量部以上、更に好ましくは1重量部以上であり、上限は、より好ましくは8重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。
本発明のゴム組成物には、補強性充填剤として、ヨウ素吸着量(IA)が30〜100mg/gであり、かつDBP吸収量(フタル酸ジブチル)が95〜160ml/100gであるカーボンブラックが配合される。
ヨウ素吸着量は、JIS K6217−1に準じて測定される値であり、この値が30mg/g未満では、耐屈曲疲労性に劣り、逆に、100mg/gを超えると、低発熱性と加工性を維持することが難しくなる。このようなカーボンブラックとしては、HAFクラス、FEFクラス(ASTMグレード)のものを用いることができる。ヨウ素吸着量のより好ましい下限は40m/g以上である。
DBP吸収量は、JIS K6217−4に準じて測定され、カーボンブラックのストラクチャーの指標となるものであり、この値が95ml/100g未満であると、耐屈曲疲労性に劣る。DBP吸収量のより好ましい下限は100ml/100g以上であり、より好ましい上限は130ml/100g以下である。
上記カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して30〜50重量部である。該カーボンブラックの配合量が30重量部未満であると耐屈曲疲労性が損なわれる。逆に50重量部を超えると加工性が損なわれる。
本発明のゴム組成物には、補強性充填剤として、カーボンブラックとともにシリカを併用してもよい。シリカとしては、BET法による窒素吸着比表面積が90〜220m/gであり、かつDBP吸収量が120〜220ml/100gのものが好ましく用いられる。このようなシリカを併用することで低発熱性をより向上することができる。但し、シリカの配合量が多すぎると加工性が損なわれるので、シリカは、ジエン系ゴム100重量部に対して10重量部以下、即ち0〜10重量部で配合することが好ましく、より好ましくは1〜10重量部である。なお、シリカとしては、特に限定されず、湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウムなどを適宜用いることができる。
上記シリカの窒素吸着比表面積は、JIS K6430に記載のBET法に準じて測定される値であり、より好ましくは150〜220m/gであり、更に好ましくは、180〜210m/gである。また、DBP吸収量は、JIS K6217−4に準じて測定される値であり、より好ましくは130〜200ml/100gであり、更に好ましくは140〜180ml/100gである。
補強性充填剤であるカーボンブラックとシリカの総量は、ジエン系ゴム100重量部に対して30〜60重量部であることが好ましい。この総量が少なすぎると十分な補強性が得られず耐屈曲疲労性が損なわれ、多すぎると加工性が損なわれる。該総量は、より好ましくは35〜55重量部である。
シリカを配合する場合、シランカップリング剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤の配合量は、シリカ100重量部に対して5〜15重量部であることが好ましい。該配合量が5重量部未満では、その添加効果が不十分でシリカの分散性に劣り、低発熱性が悪化する。
上記シランカップリング剤としては、スルフィド、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、メタクリル基、エポキシ基などのポリマーと反応し得る有機部と、ハロゲンやアルコキシ基などを有する有機シラン化合物であり、公知の種々のシランカップリング剤を用いることができる。好ましくは、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィドなどのスルフィドシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどの保護化メルカプトシランを用いることができる。
本発明のゴム組成物には、上記の各成分の他に、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤など、タイヤのサイドウォール用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。該ゴム組成物は、通常のバンバリーミキサーやロール、ニーダーなどのゴム用混練機を用いて、常法に従い混練することで調製される。なお、本発明のゴム組成物では、石油資源由来の原料を低減するために、石油資源由来オイルをアルキル−D−グルコピラノシドで置き換えるものであり、石油資源由来オイルは配合しないことが好ましいが、必ずしも石油資源由来オイルの使用を完全に排除するものではない。アルキル−D−グルコピラノシドを配合することで石油資源由来オイルの配合量を減らすことができ、その分石油資源由来の原料は低減されるので、石油資源由来オイルを含む場合も本発明の範囲に含まれる。
以上よりなるゴム組成物は、加硫物のJIS K6252による引裂強さTR(kN/m)と、初期歪み15%、動的歪み±2.5%、周波数10Hz及び温度60℃での損失正接tanδとの関係が、下記式(A)を満足することが好ましい。
tanδ − TR/1000 ≦ 0.045 …(A)
60℃のtanδは低発熱性の指標となるものであり、これが小さいほど発熱が小さく、低発熱性に優れる。一般にこの種のゴム組成物では、引裂強さが大きいほど、それに比例してtanδも大きくなる傾向があり、従って、耐引裂き性と低発熱性は背反関係にある。これに対し、上記のように石油資源由来のオイルに代えてアルキル−D−グルコピラノシドで加工性を維持することにより、オイルの減量によるtanδの低下と、アルキル−D−グルコピラノシドの配合による引裂強さの向上が図られ、従来配合に比べて、耐引裂き性と低発熱性のバランスを大幅に向上することができる。従って、上記式(A)の左辺の値が、従来配合において0.05ないしそれ以上であったのに対し、本発明に係るゴム組成物ではこの値を小さくすることができ、好ましくはこの値を0.045以下として、耐引裂き性と低発熱性のバランスを大幅に向上することができる。
以上よりなる本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物は、空気入りラジアルタイヤのサイドウォール部のためのゴム組成物として用いられ、常法に従い加硫成形することにより、サイドウォール部を形成することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1,2に示す配合に従い、各成分を添加混合して、実施例及び比較例のゴム組成物を調製した。表1,2中の各成分は以下の通りである。
・天然ゴム(NR):RSS3号、
・ブタジエンゴム(BR):宇部興産株式会社製「BR150B」(シス−1,4結合含有量=96%)、
・カーボンブラックFEF:東海カーボン株式会社製「シーストSO」(IA=44mg/g、DBP=115ml/100g)、
・カーボンブラックHAF:東海カーボン株式会社製「シースト3」(IA=80mg/g、DBP=101ml/100g)、
・カーボンブラックISAF:東海カーボン株式会社製「シースト6」(IA=121mg/g、DBP=114ml/100g)、
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールAQ」(BET=205m/g、DBP=150ml/100g)、
・シランカップリング剤:デグサ社製「Si69」、
・オイル:株式会社ジャパンエナジー製「JOMOプロセスP200」、
・ブドウ糖:ナカライテスク株式会社製「D−(+)−グルコース」、
・アルキル基変性糖誘導体1:ブチル−α−D−グルコピラノシド、式(1)中のn=3、群栄化学工業株式会社製「GS−AG4S」、
・アルキル基変性糖誘導体2:オクチル−α−D−グルコピラノシド、式(1)中のn=7、群栄化学工業株式会社製「GS−AG8S」、
・アルキル基変性糖誘導体3:デシル−α−D−グルコピラノシド、式(1)中のn=9、群栄化学工業株式会社製「GS−AG10S」。
各ゴム組成物には、共通配合として、ジエン系ゴム100重量部に対して、酸化亜鉛(三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1号」)2重量部、ステアリン酸(花王株式会社製「ルナックS−25」)2重量部、老化防止剤(住友化学工業株式会社製「アンチゲン6C」)5重量部、ワックス(日本精蝋株式会社製「オゾエース0630」)1重量部、加硫促進剤(住友化学工業株式会社製「ソクシールCZ」)1重量部、及び硫黄(鶴見化学工業株式会社製「粉末硫黄」)2重量部を配合した。
得られた各ゴム組成物について、加工性を測定するとともに、150℃×30分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、耐屈曲疲労性、引裂強さ及びtanδを測定した。各測定方法は次の通りである。
・加工性:ASTM D2230に準拠し、シリンダー温度70℃、ダイス温度110℃、スクリュー回転数45rpmの条件にて、押し出し性を評価し、比較例1と比較して同等以上のものを「○」、劣るものを「×」で表示した。
・耐屈曲疲労性:JIS K6260に準拠して、比較例1と比較して同等以上のものを「○」、劣るものを「×」で表示した。
・引裂強さ(kN/m):JIS K6252に準拠して引裂試験(クレセント形ダンベル)を実施した。
・tanδ(損失正接):ユービーエム社製粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪み15%、動的歪み±2.5%、周波数10Hz及び温度60℃でのtanδを測定した。
・A値:上記引裂強さ及びtanδの値から、式(A)の左辺、即ちtanδ−(TR/1000)を算出した値である。この値が小さいほど、耐引裂き性と低発熱性のバランスに優れることを示す。
Figure 2010215856
Figure 2010215856
結果は表1,2に示すとおりであり、比較例1〜3では、オイルを用いており、A値が高いものであった。オイルの代わりに未変性のブドウ糖を用いた比較例4では、耐屈曲疲労性が悪化し、低発熱性の悪化も大きく、A値が高くなっていた。また、オイルを単に省いた比較例7では、加工性が悪化し、A値も高かった。
これに対し、オイルの代わりにアルキル−D−グルコピラノシドを所定量配合した実施例1〜10であると、加工性(押し出し性)と耐屈曲疲労性を維持しつつ、低発熱性と耐引裂き性のバランスを改良することができた。
なお、比較例5では、カーボンブラックの配合量が多すぎて加工性が悪化し、またtanδが高くなって、A値も範囲外であった。比較例6では、カーボンブラックの配合量が少なすぎて、耐屈曲疲労性に劣っていた。比較例8では、アルキル−D−グルコピラノシドの配合量が多すぎて、tanδが高く、A値も高かった。比較例9では、ブタジエンゴムの配合量が少なすぎて、耐屈曲疲労性に劣っていた。比較例10では、ブタジエンゴムの配合量が多すぎて、加工性に劣っていた。
本発明に係るタイヤサイドウォール用ゴム組成物は、加工性及び耐屈曲疲労性を損なうことなく、低発熱性と耐引裂き性のバランスを向上することができる。そのため、環境に配慮しつつ、加工性を維持することができ、また、サイドウォールとしての基本性能である耐カット性と、低燃費化の要求を高度にバランスすることができる。そのため、各種空気入りタイヤのサイドウォールに好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 天然ゴム及び/又はイソプレンゴム40重量部以上70重量部以下と、シス−1,4結合含有量が95%以上のブタジエンゴム30重量部以上60重量部以下を含有するジエン系ゴム100重量部に対して、
    アルキル基の炭素数が1〜25であるアルキル−D−グルコピラノシド0.1重量部以上10重量部以下と、
    ヨウ素吸着量が30mg/g以上100mg/g以下であり、かつDBP吸収量が95ml/100g以上160ml/100g以下であるカーボンブラック30重量部以上50重量部以下と、
    を含有するタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
  2. 前記アルキル−D−グルコピラノシドが下記一般式(1)で表されるアルキル基変性糖誘導体である請求項1記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
    Figure 2010215856
    (式中、nは0〜24の整数である。)
  3. 前記一般式(1)のnが0〜12の整数である請求項2記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
  4. BET法による窒素吸着比表面積が90m/g以上220m/g以下であり、かつDBP吸収量が120ml/100g以上220ml/100g以下であるシリカを、前記ジエン系ゴム100重量部に対して10重量部以下含有し、かつシランカップリング剤をシリカ100重量部に対して5重量部以上15重量部以下含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
  5. 加硫物のJIS K6252による引裂強さTR(kN/m)と、初期歪み15%、動的歪み±2.5%、周波数10Hz及び温度60℃でのtanδとが、
    tanδ − TR/1000 ≦ 0.045
    との関係を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いてなるサイドウォールを備えた空気入りタイヤ。
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