JP5389487B2 - スタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物及びスタッドレスタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、スタッドレスタイヤのトレッドに用いられるゴム組成物、及びそれを用いたスタッドレスタイヤに関するものである。
氷雪路走行に使用されるスタッドレスタイヤのトレッドゴムには、優れた氷上性能、雪上性能などの低温性能が求められる。従来、これらの性能向上のために、(1)トレッドゴム組成物に種子の殻又は果実の核を粉砕してなる植物性粒状体などの硬質粒状体を配合して氷路面を引っ掻く効果を向上させる(下記特許文献1参照)、(2)トレッドゴム組成物に発泡剤を配合してトレッドゴムを多孔質にすることで氷路面の水膜を吸収させる、(3)トレッドゴム組成物に特定のブタジエンゴムを用いて低温での硬度を低く変形を容易にすることで接地面積を多くし凝着摩擦力を向上させる(下記特許文献2参照)、などの手法がとられていた。また、上記(1)と(3)の組合せの例として、低温での柔軟性を考慮してブタジエンゴムと植物性粒状体とを併用する手法も提案されている(下記特許文献3参照)。
しかしながら、上記のように合成ゴムであるブタジエンゴムと植物性粒状体とを併用した場合、氷路面での引っ掻き効果により低温性能は向上させることができるものの、走行中のトレッドゴム欠けなどに代表される耐カットチップ性が損なわれるという問題がある。
耐カットチップ性を向上させる手法として、従来、ロジンなどに代表される樹脂を添加する技術もあるが(例えば、下記特許文献4参照)、耐摩耗性が低下するというデメリットがある。
ところで、ゴム組成物にデンプンなどの糖類を添加する技術が従来知られている。例えば、下記特許文献5には、破壊特性、ウェットグリップ性及び発熱性や加工性を損なうことなく、耐摩耗性及び耐老化性を改良するために、単糖類や、二糖類以上の多糖類、更にはこれらの誘導体である、糖アルコール、デオキシ糖、アミノ糖、配糖体、ウロン酸、糖脂肪酸エステルなどを配合することが提案されている。
下記特許文献6には、耐摩耗性を損なうことなく、ウェットグリップ性と低燃費性を向上させるために、ジエン系ゴムとデンプンなどの糖類との複合体を配合することが提案されている。
このように従来、ゴム組成物に糖類を配合することは知られていたが、本発明特有のアルキル基変性糖誘導体を配合することは提案されておらず、またそれによる有利な作用効果である耐カットチップ性の向上効果も知られていなかった。
特開平10−007841号公報 特開2002−309038号公報 特開2005−344000号公報 特開平11−116734号公報 特開平11−071481号公報 特開2005−272507号公報
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、低温性能及び耐摩耗性を損なうことなく、耐カットチップ性を改良することができるスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の点に鑑み鋭意検討していく中で、植物性粒状体などの粒状体物質をブタジエンゴムと組み合わせたゴム組成物において、アルキル基で変性した特定の糖誘導体を添加することで、低温性能と耐摩耗性を損なうことなく、耐カットチップ性を大幅に向上させることができることを見い出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
すなわち、本発明に係るスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物は、ブタジエンゴム20重量部以上60重量部以下と、天然ゴム及び/又はイソプレンゴム40重量部以上80重量部以下と、を含有するゴム成分100重量部に対して、アルキル基の炭素数が1〜25であるアルキル−α−D−グルコピラノシド0.1重量部以上10重量部以下を含有し、更に、種子の殻又は果実の核を粉砕してなる植物性粒状体であって平均粒子径が0.1μm以上500μm以下の粒状体物質を含有するものである。
本発明に係るスタッドレスタイヤは、かかるゴム組成物を用いてなるトレッドを備えたものである。
本発明によれば、植物性粒状体などの粒状体物質とブタジエンゴムを組み合わせたゴム組成物に、上記アルキル基変性糖誘導体を配合することで、低温性能と耐摩耗性を損なうことなく、耐カットチップ性を改良することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分は、ブタジエンゴム(BR)が20〜60重量部と、天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が80〜40重量部とのブレンドからなる。ブタジエンゴムの配合量が20重量部未満では、低温性能に劣る。逆に60重量部を超えると、発熱性が悪化することから、トレッドゴムの発熱がベルトやカーカスなどのケーシングの耐久性に影響してタイヤ耐久性が低下し、また、耐カットチップ性も悪化する。ブタジエンゴムの配合量は、より好ましくは40〜60重量部であり、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムの配合量は、より好ましくは60〜40重量部である。
上記ブタジエンゴムとしては、シス−1,4結合含有量が95%以上であるハイシスタイプのポリブタジエンゴムを用いることが好ましい。ハイシスタイプであると、低温領域においてポリマーが結晶化してゴム弾性率が上昇することを抑えることができ、低温性能を更に向上することができる。なお、シス−1,4結合含有量は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定される値である。
上記ゴム成分は、基本的には、ブタジエンゴムと、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムとからなるが、本発明の効果を損なわない範囲で、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、ニトリルゴムなどの他のゴムを含んでも構わない。
本発明のゴム組成物に配合されるアルキル基変性糖誘導体は、グルコースに第1級アルコールを反応させてなるものである。グルコースとしては、D−グルコースでもL−グルコースでもよいが、天然物であるブドウ糖、すなわちD−グルコースを用いることが好ましい。また、第1級アルコールとしては、炭素数が1〜25の飽和アルコールを用いることが好ましい。
従って、アルキル基変性糖誘導体としては、アルキル基の炭素数が1〜25であるアルキル−D−グルコピラノシドを用いることが好ましい。このような天然ブドウ糖由来のアルキル基変性糖誘導体を用いることは、石油資源由来の原料の低減にもつながる。この場合、該グルコピラノシドとしては、α型(すなわち、アルキル−α−D−グルコピラノシド)でも、β型(すなわち、アルキル−β−D−グルコピラノシド)でもよく、また両者の混合物でもよい。ここで、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基が挙げられる。
アルキル基変性糖誘導体として、特に好ましくは、下記一般式(1)で表されるアルキル−α−D−グルコピラノシドを用いることである。
Figure 0005389487
上記式中、nは0〜24の整数である。(n+1)で表されるアルキル基の炭素数は、これが大きすぎると、グルコース部分の寄与が小さくなって添加効果がパラフィンオイルに近づく傾向となり、耐摩耗性の低下などを引き起こすおそれがあるため、25以下であることが好ましい。nは、より好ましくは、0〜12の整数であり、更に好ましくは、2〜10の整数である。
アルキル−D−グルコピラノシドは、下記式(2)のように、ブドウ糖に第1級アルコールを反応させることで得られるものである。この反応は、例えば、ブドウ糖と第1級アルコールとを塩酸及びカチオン交換樹脂の存在下に加熱反応させる方法(特公昭50−13770号公報参照)、触媒としてカチオン交換樹脂(スチレンとジビニルベンゼンを重縮合して製造した三次元高分子基体に交換基としてスルホン酸基を結合させたもの)を固定床として用いてブドウ糖と第1級アルコールを反応させる方法(特開平6−92984号公報参照)、触媒としてトランスグルコシダーゼ(α−グルコシダーゼ)を用いてブドウ糖と第1級アルコールを反応させる方法(特開平7−87992号公報参照)、ブドウ糖と第1級アルコールとを粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライトなど)の存在下で反応させる方法(特開平10−204095号公報参照)などにより行うことができる。
Figure 0005389487
前記アルキル基変性糖誘導体の配合量は、ゴム成分100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましい。この配合量が0.1重量部未満では、その添加効果が不十分であり、逆に10重量部を超えると、耐摩耗性が悪化する。アルキル基変性糖誘導体の配合量の下限は、より好ましくは1重量部以上であり、上限は、より好ましくは5重量部以下である。
本発明のゴム組成物には、氷雪路面に対して防滑効果を発揮する防滑材として、平均粒子径が0.1〜500μmの粒状体物質が配合される。このような粒状体物質としては、氷雪路に対して引っ掻き効果を有する硬質粒状体でもよく、あるいはまた、氷路面の水膜を除去できる多孔質粒状体であってもよく、公知の種々の防滑材を用いることができる。
硬質粒状体としては、例えば、種子の殻や果実の核を粉砕してなる植物性粒状体、アルミナ、花崗岩、石英などの無機物を粉砕した無機物粒状体が挙げられる。また、多孔質粒状体としては、例えば、木、竹などの植物を材料として炭化して得られる炭素を主成分とする固体生成物からなる多孔質性物質を粉砕してなる多孔性炭化物の粉砕物(例えば、活性炭粉末や竹炭粉末など)が挙げられる。
これらの中でも、粒状体物質としては植物性粒状体が特に好適である。植物性粒状体としては、胡桃(クルミ)、椿などの種子の殻、あるいは桃、梅などの果実の核を公知の方法で粉砕してなる粉砕品を用いることができる。植物性粒状体は、ゴムとのなじみを良くして脱落を防ぐために、ゴム接着性改良剤で表面処理されたものを用いることが好ましい。ゴム接着性改良剤としては、例えば、レゾルシン・ホルマリン樹脂初期縮合物とラテックスの混合物を主成分とするもの(RFL液)が挙げられる。
上記粒状体物質の平均粒子径は、0.1〜500μmであることが、低温性能及び耐摩耗性の点から好ましく、より好ましくは1〜500μmである。なお、平均粒子径は、レーザ回折・散乱法により測定される値であり、詳細には、光源として赤色半導体レーザ(波長680nm)を用いる島津製作所製のレーザ回折式粒度分布測定装置「SALD−2200」を用いて測定することができる。
上記粒状体物質の配合量は特に限定されず、例えば、ゴム成分100重量部に対して0.5〜20重量部配合することができ、より好ましくは1〜10重量部配合することである。
本発明のゴム組成物は、上記した各成分に加え、通常のゴム工業で使用されているカーボンブラックやシリカなどの補強剤や充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、可塑剤、老化防止剤(アミン−ケトン系、芳香族第2アミン系、フェノール系、イミダゾール系等)、加硫剤、加硫促進剤(グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系等)などの配合薬品類を通常の範囲内で適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダなどの混合機を用いて混練し作製することができる。該ゴム組成物は、スタッドレスタイヤのトレッドに用いることができ、特に好ましくは、トラックやバスなどの重荷重用のスタッドレスタイヤのトレッドに用いることである。
本発明のスタッドレスタイヤは、上記ゴム組成物を用いてゴム用押し出し機などによりタイヤのトレッド部を作製し未加硫タイヤを成型した後、常法に従い加硫工程を経ることで製造することができる。キャップベース構造のスタッドレスタイヤに適用される場合は、接地面側のキャップトレッドのみに本発明のゴム組成物を適用すればよい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[第1実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、各成分を添加混合して、実施例及び比較例のゴム組成物を調製した。表1中の各成分は以下の通りである。
・天然ゴム(NR):RSS3号、
・ブタジエンゴム(BR):宇部興産株式会社製「BR150L」(シス−1,4結合含有量=98%)、
・カーボンブラックN220:東海カーボン株式会社製「シースト6」、
・カーボンブラックN110:東海カーボン株式会社製「シースト9」、
・オイル:株式会社ジャパンエナジー製「JOMOプロセスP200」、
・ロジン樹脂:荒川化学工業株式会社製「中国ロジン」(軟化点=77℃)、
・アルキル基変性糖誘導体A:デシル−α−D−グルコピラノシド、式(1)中のn=9、群栄化学工業株式会社製「GS−AG10S」(軟化点=86℃)、
・胡桃殻粒状体A:クルミ殻粉砕物の表面非処理品(株式会社日本ウォルナット製「ソフトグリップ#46」、平均粒子径=200μm)、
・胡桃殻粒状体B:クルミ殻粉砕物の表面処理品(株式会社日本ウォルナット製「ソフトグリップ#46」に対し、特開平10−7841号公報に記載に方法に準じてRFL処理液で表面処理を施したもの(処理後の植物性粒状体の平均粒子径=300μm)。
各ゴム組成物には、共通配合として、ゴム成分100重量部に対して、亜鉛華(三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1号」)3重量部、ステアリン酸(花王株式会社製「ルナックS−25」)3重量部、老化防止剤(住友化学工業株式会社製「アンチゲン6C」)1重量部、硫黄(鶴見化学工業株式会社製「粉末硫黄」)2重量部、及び加硫促進剤TBBS(三新化学工業株式会社製「サンセラーNS」)1重量部を配合した。
得られた各ゴム組成物について、加工性及び加硫速度を測定するとともに、150℃×30分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、低温硬度、引裂強度及び耐摩耗性を測定した。また、各ゴム組成物をトレッドに適用した11R22.5 14PRの試作タイヤを作製して、低温性能としての氷路面制動性能と、耐カットチップ性を評価した。各測定・評価方法は次の通りである。
・加工性:JIS K6300に準拠して、100℃での未加硫ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4)を測定した。各測定値を表示するとともに、比較例1の測定値を100とした指数を括弧内に示した。指数が小さいほど、粘度が低く加工性に優れることを示す。
・加硫速度t50:JIS K6300に準拠したムーニースコーチ試験を、レオメーター(L形ロータ)を用いて行い、予熱1分、温度150℃で測定時のt50値を求めた。この値が小さいほど加硫速度が速いことを示す。
・低温硬度:JIS K6253に準拠して−5℃でのゴム硬度(デュロメータAタイプ)を測定した。
・引裂強度(kN/m):JIS K6252に準拠して引裂試験(クレセント形ダンベル)を実施した。
・耐摩耗性:JIS K6264に準拠して、ランボーン摩耗試験機を用い、スリップ率30%、負荷荷重40N、落砂量20g/分の条件で摩耗試験を実施した。結果は、比較例1の摩耗量を100とした指数(「比較例1の摩耗量」×100/「各試験片の摩耗量」)で表示した。数値が大きいほど、耐摩耗性に優れる。
・氷路面制動性能:試作タイヤを25tトラックに装着し、氷路面上で30km/h走行から急ブレーキをかけて停止位置までの距離(m)を測定した。制動性能として制動距離の逆数を比較し、比較例1の値を100とした指数で表示した。数値が大きいほど、氷上性能に優れる。
・耐カットチップ性:試作タイヤを装着した25tトラックを3万km走行させ、走行後のトレッドの外観につき、カットチップによる損傷の程度を、目視により、比較例1を「5(標準)」とし、評価「10」をチッピング発生、ブロック欠け無し、評価「1」を全面に大きなチッピング多数発生、ブロック欠け多数とする10段階で評価した。数値が大きいほど外観性に優れ、耐カットチップ性が良好であることを示す。
Figure 0005389487
結果は表1に示すとおりであり、コントロールである比較例1に対し、オイルを添加した比較例2では、耐カットチップ性はやや改良したものの、耐摩耗性が大幅に悪化した。ロジン樹脂を配合した比較例3では、耐カットチップ性が改良したものの、耐摩耗性が悪化し、低温性能もやや悪化した。アルキル基変性糖誘導体を配合したものの、ゴム成分が天然ゴム単独の比較例4では、耐カットチップ性は改良したものの、耐摩耗性と低温性能が悪化した。
これに対し、ブタジエンゴム配合においてアルキル基変性糖誘導体を配合した実施例1〜5であると、加工性、耐摩耗性及び低温性能を損なうことなく、引裂強度が改良され、耐カットチップ性を大幅に向上することができた。また、加硫速度も速くなっていた。また、ブタジエンゴムの配合比を大きくした実施例3では、耐摩耗性も改良されていた。胡桃殻粒状体の配合量を減らした実施例5では、低温性能は実施例1よりも低下したものの、加工性を損なうことなく、耐摩耗性と耐カットチップ性を向上することができた。
[第2実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合に従い、各成分を添加混合して、実施例及び比較例のゴム組成物を調製した。表2中の各成分は、表1と共通の成分を除き、以下の通りである。また、各ゴム組成物には、上記第1実施例と同じ共通配合を添加した。
・D−グルコース:ナカライテスク株式会社製「D−(+)−グルコース」、
・アルキル基変性糖誘導体B:ブチル−α−D−グルコピラノシド、式(1)中のn=3、群栄化学工業株式会社製「GS−AG4S」(軟化点=62℃)、
・アルキル基変性糖誘導体C:オクチル−α−D−グルコピラノシド、式(1)中のn=7、群栄化学工業株式会社製「GS−AG8S」(軟化点=66℃)。
得られた各ゴム組成物について、加工性及び加硫速度を測定するとともに、150℃×30分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、低温硬度、引裂強度及び耐摩耗性を測定した。各測定方法は第1実施例と同じである。
Figure 0005389487
結果は表2に示すとおりであり、コントロールである比較例1に対し、グルコースを配合した比較例5では、引裂強度及び耐摩耗性が大幅に悪化していた。
これに対し、アルキル基変性糖誘導体を配合した実施例6,7であると、加工性及び耐摩耗性の悪化を抑えながら、引裂強度が改良されていた。そのため、低温性能向上のために配合した植物性粒状体による耐カットチップ性の悪化を、ブチル−α−D−グルコピラノシドやオクチル−α−D−グルコピラノシドオクチル−α−D−グルコピラノシドでも改良できることが確認された。また、加硫速度も速くなっていた。
本発明に係るゴム組成物は、低温性能と耐摩耗性を損なうことなく、耐カットチップ性を向上することができるので、スタッドレスタイヤのトレッドに好適に用いることができ、特にトラックやバスなどの大型車に用いられる重荷重用スタッドレスタイヤに好適である。

Claims (4)

  1. ブタジエンゴム20重量部以上60重量部以下と、天然ゴム及び/又はイソプレンゴム40重量部以上80重量部以下と、を含有するゴム成分100重量部に対して、
    アルキル基の炭素数が1〜25であるアルキル−α−D−グルコピラノシド0.1重量部以上10重量部以下を含有し、
    更に、種子の殻又は果実の核を粉砕してなる植物性粒状体であって平均粒子径が0.1μm以上500μm以下の粒状体物質を含有する
    ことを特徴とするスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物。
  2. 前記アルキル−α−D−グルコピラノシドが下記一般式(1)で表されるものである請求項記載のスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物。
    Figure 0005389487
    (式中、nは0〜24の整数である。)
  3. 前記一般式(1)のnが0〜12の整数である請求項記載のスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いてなるトレッドを備えたスタッドレスタイヤ。
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