JP2010215745A - 表面処理炭酸カルシウム及びゴム組成物 - Google Patents

表面処理炭酸カルシウム及びゴム組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムに配合した際に、発熱温度が低く、スコーチタイムが長く、引張強度が高いゴム組成物が得られる。
【解決手段】炭酸カルシウムの表面を、2級脂肪族アミン及び3級脂肪族アミンから選ばれる少なくとも1種のアミンと、脂肪酸類及び樹脂酸類から選ばれる少なくとも1種の有機酸とで表面処理したことを特徴としている。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面処理炭酸カルシウム及びそれを配合したゴム組成物に関するものである。
炭酸カルシウムの中でも、特に粒子径が小さい炭酸カルシウム微粒子は、カーボンブラックと併用することにより、ゴム組成物の引き裂き強さ、耐屈曲性、及び発熱性などが改善されることが知られている。ゴムとの相互作用を強くするため、炭酸カルシウムの表面に、シリカ層を形成し、シランカップリング剤及び脂肪酸などで表面処理した炭酸カルシウムが知られており、このような表面処理炭酸カルシウムを用いることにより、加工性及び耐候性が良好で、しかもシリカ配合系ゴム組成物と同等の物性を有するタイヤトレッド用ゴム組成物が得られることが知られている(特許文献1)。
また、表面処理炭酸カルシウムと、シリカと、シランカップリング剤と、2級脂肪族アミンまたは3級脂肪族アミンとを配合することにより、補強性や耐摩耗性の低下を抑制し、シリカの分散性を向上させ、ウェットスキッド性能と低転がり抵抗との両立が可能となるゴム組成物が提案されている(特許文献2)。
特開2004−51774号公報 特開2007−99896号公報
本発明の目的は、ゴムに配合した際に、発熱温度が低く、スコーチタイムが長く、引張強度が高いゴム組成物とすることができる表面処理炭酸カルシウム及びこれを含有するゴム組成物を提供することにある。
本発明の表面処理炭酸カルシウムは、炭酸カルシウムの表面を、2級脂肪族アミン及び3級脂肪族アミンから選ばれる少なくとも1種のアミンと、脂肪酸類及び樹脂酸類から選ばれる少なくとも1種の有機酸とで表面処理したことを特徴としている。
本発明の表面処理炭酸カルシウムを、天然ゴムや合成ゴムなどのゴムに配合することにより、発熱温度が低く、スコーチタイムが長く、引張強度が高いゴム組成物を得ることができる。
本発明における炭酸カルシウムの平均一次粒子径は、0.01〜1.0μmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、0.02〜0.4μmの範囲である。平均一次粒子径が大きすぎる場合には、ゴムに配合した際に、十分な補強効果を得ることができない場合がある。また、平均一次粒子径が小さすぎる場合には、乾燥凝集を起こし、ゴムへの分散性が低下し、補強効果が損なわれる場合がある。炭酸カルシウムの平均一次粒子径は、例えば、走査型電子顕微鏡で測定することができる。
本発明の表面処理炭酸カルシウムにおけるアミンの処理量は、炭酸カルシウム100重量部に対し、0.1〜5重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜4重量部であり、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。アミンの処理量が、少なすぎると、発熱の抑制やスコーチタイムの遅延効果が十分に得られない場合があり、アミンの処理量が多すぎると、スコーチタイムが短くなり、引張強さが低下する場合がある。
本発明の表面処理炭酸カルシウムにおける有機酸の処理量は、炭酸カルシウム100重量部に対し、0.5〜8重量部であることが好ましく、さらに好ましくは1〜5重量部であり、さらに好ましくは2〜5重量部である。有機酸の処理量が少なすぎると、炭酸カルシウム粒子が乾燥凝集を起こし、分散性が低下する場合があり、有機酸の処理量が多すぎると、ゴムが柔らかくなり、補強性が低下する場合がある。
なお、アミンの処理量及び有機酸の処理量は、処理の対象となる炭酸カルシウムの一次粒子径などによって適宜調整することができる。
本発明のゴム組成物は、天然ゴムまたは合成ゴム100重量部に対し、上記本発明の表面処理炭酸カルシウムを0.5〜100重量部配合したことを特徴としている。
本発明のゴム組成物は、発熱温度が低く、スコーチタイムが長く、引張強度が高い。
表面処理炭酸カルシウムの配合量が多すぎると、ゴムの流動性が少なくなるため、加工性が悪くなる。または、硬度が高くなりすぎるという問題も生じる。また、表面処理炭酸カルシウムの配合量が少なすぎると、発熱温度が低く、スコーチタイムが長く、引張強度が高いという本発明の物性が得られない場合がある。表面処理炭酸カルシウムの配合量は、さらに好ましくは、1〜60重量部であり、さらに好ましくは5〜40重量部である。
本発明の表面処理炭酸カルシウムは、ゴムに配合した際に、発熱温度が低く、スコーチタイムが長く、引張強度が高いゴム組成物とすることができる。
以下、本発明の表面処理炭酸カルシウム及びゴム組成物について、さらに詳細に説明する。
<炭酸カルシウム>
本発明の表面処理炭酸カルシウムに用いる原料となる炭酸カルシウムは、特に限定されるものではなく、例えば、従来より公知の炭酸カルシウムを用いることができる。このようなものとしては、合成(沈降性)炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムなどが挙げられる。
合成(沈降性)炭酸カルシウムは、石灰乳−炭酸ガス反応法、塩化カルシウム−ソーダ灰反応法、石灰乳−ソーダ灰反応法等などの公知の方法により得ることができる。石灰乳−炭酸ガス反応法の一例を示すと、石灰石原石を、コークスあるいは石油系燃料(重油、軽油)、天然ガス、LPG等で混焼することによって生石灰とし、この生石灰を水和して水酸化カルシウムスラリーとし、これに混焼時に発生する炭酸ガスをバブリングして反応させることによって、炭酸カルシウムを生成することができる。炭酸ガス反応時の条件を設定することによって、所望のサブミクロンオーダーの微粒子を得ることができる。
重質炭酸カルシウム原料は、天然に産出する炭酸カルシウム原石を、ローラーミル、高速回転ミル(衝撃剪断ミル)、容器駆動媒体ミル(ボールミル)、媒体撹拌ミル、遊星ボールミル、ジェットミルなどを用いる公知の、乾式または湿式の方法で粉砕することにより、調整できる。
<アミン>
本発明においては、炭酸カルシウムの表面を、2級脂肪族アミン及び3級脂肪族アミンから選ばれる少なくとも1種のアミンで表面処理する。
2級脂肪族アミンとしては、例えば、炭素数8〜36、好ましくは炭素数8〜20のアルキル基を有するジアルキル2級アミンなどが挙げられる。
3級脂肪族アミンとしては、例えば、炭素数10〜36、好ましくは炭素数10〜20のアルキル基を有するジメチルアルキル3級アミン及びメチルジアルキル3級アミンなどが挙げられる。特に、ジメチルアルキル3級アミンが好ましく用いられる。
<有機酸>
本発明の表面処理炭酸カルシウムは、上記アミンによって表面処理されるとともに、脂肪酸類及び樹脂酸類から選ばれる少なくとも1種の有機酸で表面処理される。脂肪酸類及び樹脂酸類のいずれか一方で表面処理されてもよいし、脂肪酸類及び樹脂酸類の両方を用いて表面処理されてもよい。
本発明において用いる脂肪酸類としては、例えば、炭素数が6〜24の飽和及び不飽和脂肪酸、それらの塩もしくはエステルなどが挙げられる。
炭素数が6〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸などが挙げられる。特に、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸が好ましく用いられる。これらは、2種以上を混合して用いてもよい。
脂肪酸の塩としては、例えば、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩などが挙げられる。
脂肪酸のエステルとしては、例えば、炭素数が6〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪酸と、炭素数が6〜18の低級アルコールとのエステルなどが挙げられる。
本発明において用いる樹脂酸類としては、例えば、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸などのアビエチン酸類、あるいはその重合体、不均化ロジン、水添ロジン、重合ロジン、これらの塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)またはエステルなどが挙げられる。これらの中では、アビエチン酸及びデヒドロアビエチン酸が特に好ましく用いられる。
<表面処理>
本発明においては、炭酸カルシウムの表面に、上記アミンと上記有機酸とを表面処理する。表面処理する順序は特に限定されるものではなく、有機酸を処理した後に、アミンを処理してもよいし、アミンを処理した後に、有機酸を処理してもよい。また、アミンと有機酸を同時に処理してもよい。
しかしながら、炭酸カルシウムとして、平均一次粒子径が小さい合成(沈降性)炭酸カルシウムを用いる場合には、炭酸カルシウムが凝集しやすいので、有機酸を処理した後に、アミンを処理することが好ましい。脂肪酸類及び樹脂酸類を処理する方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。
脂肪酸または樹脂酸をNaOH水溶液、KOH水溶液などのアルカリ金属水溶液中で加熱しながら鹸化し、Na塩、K塩等の金属塩の溶液にする。次に、炭酸カルシウムの水懸濁液を、予め30〜50℃に加熱しておき、この懸濁液に、脂肪酸または樹脂酸のアルカリ金属水溶液を添加し、攪拌させて混合し、炭酸カルシウムの表面に脂肪酸または樹脂酸を表面処理する。
また、脂肪酸または樹脂酸を、上記のように鹸化せずに用いて処理を行うこともできる。例えば、炭酸カルシウムを、脂肪酸または樹脂酸の融点以上の温度に加温しながら攪拌し、これに脂肪酸または樹脂酸を添加し、攪拌させて、混合することにより、脂肪酸または樹脂酸で処理することができる。同様にして、脂肪酸または樹脂酸のエステルを用い、炭酸カルシウムをこれらの融点以上に加温しながら攪拌し、これに脂肪酸または樹脂酸のエステルを添加して表面処理することができる。
アミンを表面処理する方法としては、特に限定されるものではなく、種々の表面処理方法を用いることができる。
有機酸を処理した炭酸カルシウムにアミンを処理する場合には、以下の方法で処理することができる。
有機酸を処理した炭酸カルシウムが、乾燥粉末である場合には、例えば、この炭酸カルシウム粉末をミキサー中で攪拌しながら、アミンを滴下したり、あるいはスプレーなどを用いて噴霧することによって、炭酸カルシウムの表面にアミンを表面処理することができる。この場合、必要に応じて、表面処理後に加熱乾燥してもよい。
また、有機酸を処理した炭酸カルシウムが、懸濁液の状態で得られる場合には、この懸濁液にアミンを投入し、炭酸カルシウムの表面にアミンを吸着させることにより表面処理することができる。処理後、乾燥することにより、表面処理炭酸カルシウムが得られる。
有機酸を処理した炭酸カルシウム、あるいはこれにアミンを処理した炭酸カルシウムが懸濁液である場合には、処理を均一に行わせるため、攪拌機、ビーズミル、サンドミルのような湿式磨砕機を用いて処理してもよい。
以上、具体的な表面処理方法を説明したが、本発明の表面処理炭酸カルシウムの表面処理方法は、上記のものに限定されるものではない。
<ゴム組成物>
本発明において用いる天然ゴム及び合成ゴムとしては、以下のものが挙げられる。
天然ゴムとは、天然植物から得られるゴム状高分子物質であり、化学構造的に、シス−1,4−ポリイソプレン構造を有するものであれば、形状、色調などは特に限定されない。
合成ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴムなどを例示することができる。
本発明のゴム組成物は、天然ゴムまたは合成ゴムに、上記本発明の表面処理炭酸カルシウムを配合することにより製造することができる。
天然ゴムまたは合成ゴムに、表面処理炭酸カルシウムを配合する方法としては、バンバリーミキサーや加圧ニーダーなどの密閉式混練機や、オープンロールなどでゴムを混練しながら表面処理炭酸カルシウムを配合する方法などが挙げられる。
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
炭酸カルシウムに表面処理する有機酸としては、脂肪酸を用いた。脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、及びパルミチン酸を含有する脂肪酸混合物(いずれも和光純薬社製)を用いた。この脂肪酸混合物を、水酸化ナトリウム水溶液中に添加して、90℃で加温攪拌し、脂肪酸のナトリウム水溶液を調製した。
走査型電子顕微鏡で観察したときの平均一次粒子径が20nmである合成炭酸カルシウムスラリー(固形分濃度8重量%)をよく攪拌しながら40℃に加熱した。このスラリーに、上記の脂肪酸ナトリウム水溶液を、炭酸カルシウム100重量部に対し、脂肪酸として1.5重量部となるように添加した。添加後攪拌し、攪拌後フィルタープレスにより脱水して、箱型乾燥機を用いて80℃の条件で乾燥した。得られた乾燥物をミクロンミル粉砕機を用いて粉砕し、脂肪酸処理炭酸カルシウムを得た。
得られた脂肪酸処理炭酸カルシウム粉末を、ミキサーで撹拌しながら、炭酸カルシウム100重量部に対して、0.3重量部となるように、2級脂肪族アミン(ライオン社製、商品名「アーミン2C」、ジココアルキルアミン)を加熱溶解した後、噴霧した。10分間攪拌混合した後、ミクロンミルで粉砕して、表面処理炭酸カルシウム粉末を得た。
(実施例2)
2級脂肪族アミンの量を、炭酸カルシウム100重量部に対し、1.5重量部とする以外は、上記実施例1と同様にして、表面処理炭酸カルシウムを得た。
(実施例3)
2級脂肪族アミンの量を、炭酸カルシウム100重量部に対し、3重量部とする以外は、上記実施例1と同様にして、表面処理炭酸カルシウムを得た。
(実施例4)
アミンとして、2級脂肪族アミンに代えて、3級脂肪族アミン(ライオン社製、商品名「アーミンDMMCD」、N,N−ジメチルココアルキルアミン)を用いる以外は、上記実施例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
(実施例5)
3級脂肪族アミンの量を1.5重量部とする以外は、上記実施例4と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
(実施例6)
3級脂肪族アミンの量を3重量部とする以外は、上記実施例4と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
(実施例7)
脂肪酸の処理量を、3重量部とする以外は、上記実施例1と同様にして、表面処理炭酸カルシウムを得た。
(実施例8)
脂肪酸の処理量を、5重量部とする以外は、上記実施例1と同様にして、表面処理炭酸カルシウムを得た。
(実施例9)
平均一次粒子径が30nmである炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例2と同様にして、表面処理炭酸カルシウムを得た。
(実施例10)
有機酸として、樹脂酸を用いた。樹脂酸としては、アビエチン酸(和光純薬社製)を用いた。脂肪酸ナトリウム水溶液の代わりに、樹脂酸のナトリウム水溶液を用いる以外は、実施例7と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
(比較例1)
2級脂肪族アミンの代わりに、1級脂肪族アミン(ライオン社製、商品名「アーミンCD」、ココアルキルアミン)を用いる以外は、実施例1と同様にして、表面処理炭酸カルシウムを得た。
(比較例2)
1級脂肪族アミンの処理量を1.5重量部とする以外は、比較例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
(比較例3)
1級脂肪族アミンの処理量を3重量部とする以外は、比較例1と同様にして表面処理炭酸カルシウムを得た。
(比較例4)
実施例1と同様にして、脂肪酸表面処理炭酸カルシウムを調製し、アミンで表面処理することなく、これをそのまま用いた。なお、ゴムに配合する際に、2級脂肪族アミンを、炭酸カルシウム100重量部に対し、1.5重量部となるようにゴム中に添加した。
(比較例5)
平均一次粒子径が20nmである炭酸カルシウムの代わりに、一次粒子の平均長径が1.5μm(1500nm)である合成炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名「シルバーW」)のスラリーを用い、脂肪酸ナトリウムにより表面処理を行わずに乾燥粉末とし、この乾燥粉末に対して、実施例2と同様に、2級脂肪族アミンを処理し、表面処理炭酸カルシウムを得た。
〔ゴム組成物の調製〕
上記実施例及び上記比較例で得られた表面処理炭酸カルシウム100重量部をスチレンブタジエンゴム(SBR、JSR社製、商品名「1502」)100重量部に配合し、さらにスチレンブタジエンゴム100重量部に対し、亜鉛華5重量部、ステアリン酸1重量部、加硫促進剤DM(ジベンゾチアゾールジスルフィド)1.2重量部、加硫促進剤TS(テトラメチルチウラムモノスルフィド)0.2重量部、及び硫黄2重量部を添加し、二本ロールで混練して、未加硫ゴムを得た。
なお、上述のように、比較例4については、ロールで混練する際に上記の2級脂肪族アミンを添加した。
得られた未加硫ゴムを、キュラストメーターにかけて、最適加硫時間tc(90)を求め、この時間でプレス架橋を行い、プレス加硫シートを得た。
得られたプレス加硫シートを用いて、ムーニースコーチタイム、引張強さ、HBU(発熱温度)を以下のようにして測定した。
<ムーニースコーチタイム>
JIS(日本工業規格)K 6300に規定された方法に従い、島津製作所製のムーニー粘度計を用いて測定した。試験温度は125℃であり、予熱1分後から測定を開始し、最小トルクから5ポイント上昇するまでの時間を測定した。
<引張強さ>
JIS K 6251に規定された方法に従って、ショッパー抗張力試験機を用いて、23℃における引張強さ(切断時の荷重を試験片の断面積で除した値)を測定した。
<HBU(発熱温度)の測定>
JIS K 6265に規定された方法に従って、フレキソメーターを用いて、初期温度40℃から発熱温度と永久歪みを測定した。試験片としては、直径17.80mm、高さ25.0mmの円柱状のものを使用し、静的圧縮応力1MPaで、毎分1800回、4m/mのストロークを与え、25分間経過時の発熱温度(△t)を測定した。
測定結果を表1及び表2に示す。
Figure 2010215745
Figure 2010215745
表1に示す結果から明らかなように、本発明に従う実施例1〜10の表面処理炭酸カルシウムを用いたゴム組成物は、発熱温度が低く、スコーチタイムが長く、引張強度が高い。
これに対し、1級脂肪族アミンを表面処理した表面処理炭酸カルシウムを用いた比較例1及び2においては、HBU測定試験において、ゴム組成物が破壊された。また、比較例3においては、スコーチタイムが非常に短くなり、貯蔵安定性に劣ることがわかる。
または、実施例2と比較例4との比較から明らかなように、2級脂肪族アミンを炭酸カルシウムの表面処理に用いずに、ゴムの混練加工の際に添加した比較例4は、実施例2に比べ発熱温度が高くなっている。また、スコーチタイムが短くなり、引張強度が低下している。このことから、本発明に従い、アミンを表面処理した炭酸カルシウムを用いることにより、発熱温度が低く、スコーチタイムが長く、引張強度が高いゴム組成物が得られることがわかる。
比較例5においては、平均長径が1.5μmの軽微性炭酸カルシウムを用いているが、引張強さ及び発熱温度において劣っていることがわかる。
以上のように、本発明に従う表面処理炭酸カルシウムを用いることにより、発熱温度が低く、スコーチタイムが長く、引張強度が高いゴム組成物が得られることがわかる。このような効果が得られる詳細な理由は明らかではないが、炭酸カルシウムの表面にアミンを処理することにより、効率良くかつ均一にゴム中にアミンを分配することができるためであると思われる。
また、本発明によれば、予めアミンが炭酸カルシウム表面に処理されているので、ゴムの混練の際にアミンを添加する必要がなく、作業効率を高めることができる。
上記の実施例においては、SBRゴムに本発明の表面処理炭酸カルシウムを配合する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の天然ゴム及び合成ゴムに配合することができる。

Claims (5)

  1. 炭酸カルシウムの表面を、2級脂肪族アミン及び3級脂肪族アミンから選ばれる少なくとも1種のアミンと、脂肪酸類及び樹脂酸類から選ばれる少なくとも1種の有機酸とで表面処理したことを特徴とする表面処理炭酸カルシウム。
  2. 炭酸カルシウムの平均一次粒子径が、0.01〜1.0μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理炭酸カルシウム。
  3. アミンの処理量が、炭酸カルシウム100重量部に対し、0.1〜5重量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理炭酸カルシウム。
  4. 有機酸の処理量が、炭酸カルシウム100重量部に対し、0.5〜8重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面処理炭酸カルシウム。
  5. 天然ゴムまたは合成ゴム100重量部に対し、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理炭酸カルシウムを0.5〜100重量部配合したことを特徴とするゴム組成物。
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