JP2010215129A - 乗用型作業車両の車軸駆動装置 - Google Patents
乗用型作業車両の車軸駆動装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010215129A JP2010215129A JP2009065141A JP2009065141A JP2010215129A JP 2010215129 A JP2010215129 A JP 2010215129A JP 2009065141 A JP2009065141 A JP 2009065141A JP 2009065141 A JP2009065141 A JP 2009065141A JP 2010215129 A JP2010215129 A JP 2010215129A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- axle
- shaft
- case
- housing
- differential
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Motor Power Transmission Devices (AREA)
Abstract
【課題】左右の終減速装置を介して前記車軸と減速入力軸とを連動連結して互いに平行に支持し、前記車軸は減速入力軸よりも上方に配置した車軸駆動装置において、単に減速入力軸を車軸よりも下方に配置するだけでは、運転座席の下げ幅にも限界がある、という問題があった。
【解決手段】ハウジング14の左右方向での中央部169の開口面15jよりも、ハウジング14の左右各々の外側に位置する終減速装置33・33の収容部170L・170Rの上端面170La・170Raを、上方に突出させ、前記中央部169に、運転座席7を載置するための座席凹部134を形成した。
【選択図】 図4
【解決手段】ハウジング14の左右方向での中央部169の開口面15jよりも、ハウジング14の左右各々の外側に位置する終減速装置33・33の収容部170L・170Rの上端面170La・170Raを、上方に突出させ、前記中央部169に、運転座席7を載置するための座席凹部134を形成した。
【選択図】 図4
Description
左右の車軸を駆動する車軸駆動装置のハウジング内に、左右の終減速装置を介して前記車軸と減速入力軸とを連動連結して互いに平行に支持し、前記車軸は減速入力軸よりも上方に配置した車軸駆動装置を備えた乗用型作業車両に関し、特に、該乗用型作業車両の運転座席の高さを低く設定するための構成に関する。
従来より、果樹園を管理するトラクタ等の乗用型作業車両においては、走行中に、座っている運転者が、高木の枝や棚になっている果物に対して、誤って衝突したり、身体を傾けて不自然な姿勢で作業したりしなくて済むように、運転座席の高さを低く設定していた。
ここで、図7(a)に示すように、通常の車軸駆動装置では、そのハウジング150の上下方向で上部寄りの位置に、差動装置151等からの出力軸である減速入力軸152を横設し、該減速入力軸152の両外端部から減速ギア等の終減速装置153を下方に垂設し、該終減速装置153の下部に位置する出力部からハウジング150の左右外側方に車軸154を突出させて車輪155を支承する。このため、ハウジング150の左右方向での中央部の上面に設置した作業機昇降用の油圧リフトケース156の上方に配置される運転座席157は、高さ158に設定される。
一方、図7(b)に示すように、差動装置151をハウジング150Aの上下方向で下部寄りに配置し、前記減速入力軸152の両外端部から、終減速装置153を逆に上方に垂設し、該終減速装置153の上部に位置する出力部からハウジング150Aの左右外側方に車軸154を突出させると、ハウジング150A上方の前記運転座席157を、前記高さ158から低位置の高さ159まで低く設定することができる技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、図7(a)に示すように、通常の車軸駆動装置では、そのハウジング150の上下方向で上部寄りの位置に、差動装置151等からの出力軸である減速入力軸152を横設し、該減速入力軸152の両外端部から減速ギア等の終減速装置153を下方に垂設し、該終減速装置153の下部に位置する出力部からハウジング150の左右外側方に車軸154を突出させて車輪155を支承する。このため、ハウジング150の左右方向での中央部の上面に設置した作業機昇降用の油圧リフトケース156の上方に配置される運転座席157は、高さ158に設定される。
一方、図7(b)に示すように、差動装置151をハウジング150Aの上下方向で下部寄りに配置し、前記減速入力軸152の両外端部から、終減速装置153を逆に上方に垂設し、該終減速装置153の上部に位置する出力部からハウジング150Aの左右外側方に車軸154を突出させると、ハウジング150A上方の前記運転座席157を、前記高さ158から低位置の高さ159まで低く設定することができる技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記技術のように、単に減速入力軸152を車軸154よりも下方に配置するだけでは、運転座席157の下げ幅160に限界がある。なぜならば、最も大きな下げ幅160が得られるのは減速入力軸152を車軸154の直下に配置する場合であるが、そうすると、ハウジング150Aの底面が大きく下方に張り出し十分な最低地上高を確保し難くなるからである。つまり、ハウジング150Aの底面が地上の障害物に干渉しないように考慮しなければならないからである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、左右の車軸を駆動する車軸駆動装置のハウジング内に、左右の終減速装置を介して前記車軸と減速入力軸とを連動連結して互いに平行に支持し、前記車軸は減速入力軸よりも上方に配置した車軸駆動装置において、前記ハウジングの左右方向での中央部の上面よりも、ハウジングの左右各々の外側に位置する前記終減速装置の収容部の上面を、上方に突出させ、前記中央部に、運転座席を載置するための座席凹部を形成したものである。
請求項2においては、前記ハウジングは、左右の前記減速入力軸の間を差動的に連結する差動装置を収容するミッションケースと、該ミッションケースの外側面に接合する左右のアクスルケースとより構成し、前記収容部を、前記アクスルケースとミッションケースとの接合個所に形成するものである。
すなわち、請求項1においては、左右の車軸を駆動する車軸駆動装置のハウジング内に、左右の終減速装置を介して前記車軸と減速入力軸とを連動連結して互いに平行に支持し、前記車軸は減速入力軸よりも上方に配置した車軸駆動装置において、前記ハウジングの左右方向での中央部の上面よりも、ハウジングの左右各々の外側に位置する前記終減速装置の収容部の上面を、上方に突出させ、前記中央部に、運転座席を載置するための座席凹部を形成したものである。
請求項2においては、前記ハウジングは、左右の前記減速入力軸の間を差動的に連結する差動装置を収容するミッションケースと、該ミッションケースの外側面に接合する左右のアクスルケースとより構成し、前記収容部を、前記アクスルケースとミッションケースとの接合個所に形成するものである。
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1においては、座席凹部の深さを任意に設定することにより、最低地上高は確保しつつ、運転座席の下げ幅を大きく確保することができる。
請求項2においては、前記終減速装置を、アクスルケースをミッションケースに接合する際に組み込むことができる。
すなわち、請求項1においては、座席凹部の深さを任意に設定することにより、最低地上高は確保しつつ、運転座席の下げ幅を大きく確保することができる。
請求項2においては、前記終減速装置を、アクスルケースをミッションケースに接合する際に組み込むことができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
なお、図1の矢印Fで示す方向を乗用型作業車両(以下、単に「作業車両」とする。)1の前方への進行方向とし、以下で述べる各部材の位置や方向等はこの方向を基準とするものである。
なお、図1の矢印Fで示す方向を乗用型作業車両(以下、単に「作業車両」とする。)1の前方への進行方向とし、以下で述べる各部材の位置や方向等はこの方向を基準とするものである。
まず、該作業車両1の全体構成について、図1、図2、図4により説明する。
該作業車両1においては、エンジン5の両側面に装着された車体フレーム9が進行方向に延設され、該車体フレーム9の前方に、前車軸駆動装置10が左右揺動自在に懸架されて前輪2が支承されている。
該作業車両1においては、エンジン5の両側面に装着された車体フレーム9が進行方向に延設され、該車体フレーム9の前方に、前車軸駆動装置10が左右揺動自在に懸架されて前輪2が支承されている。
また、前記車体フレーム9の前部には、エンジン5を収容するボンネット4が設けられると共に、該ボンネット4の後方には、ステアリングハンドル6が設けられている。該ステアリングハンドル6の更に後方には、運転座席7が配置され、該運転座席7の側部には主変速レバー8が配設され、運転座席7の前下方のステップ上にはクラッチペダル12やブレーキペダル等が配設されている。
そして、前記エンジン5の後部にはクラッチハウジング13が連結され、該クラッチハウジング13の前部13aには、フライホイールを駆動側に備える摩擦式の主クラッチ20が収容されており、該主クラッチ20は前記クラッチペダル12と連係されている。
更に、該クラッチハウジング13の後部13bには、機体フレームを兼ねたトランスミッション144が連結される。該トランスミッション144は、前記後車軸駆動装置11を含み、そのハウジング14は、ミッションケース15と、これに接合した左右のアクスルケース16L・16Rから成る。該アクスルケース16L・16Rから左右に突き出た後車軸90に後輪3が支承されている。
該ミッションケース15には、前記主クラッチ20からの出力軸17を介してエンジン動力が入力されており、後述する変速装置41を経た後、前輪駆動装置40によって、前記後輪3のみを駆動する二輪駆動、または前後輪2・3を同時に駆動する四輪駆動を可能としている。そして、該エンジン動力は、前記ミッションケース15から後方に突出したPTO軸21にも伝達され、車両後端に連結される図示せぬ作業機を駆動可能としている。
また、前記ミッションケース15の後方上面には、油圧リフトケース22が載置固定されている。該油圧リフトケース22内には、ピストン23が前後方向に支持され、該ピストン23からは、ピストンロッド23aが伸縮可能に後方に突出されている。一方、該油圧リフトケース22の後部両側面に設けたボス部にアーム支軸26が挿通され、該アーム支軸26の左右略中央に固設された受け止め部材27に、前記ピストンロッド23aの後端部が連結されている。
更に、前記アーム支軸26の左右端部は、ボス部から外側に突出され、該左右の突出部26a・26bの外周に、左右のリフトアーム25の基部が相対回転不能かつ軸方向摺動自在にスプライン嵌合されている。そして、左右のリフトアーム25・25の先端には、前記作業機を昇降自在に操作するリフトロッド24が連結される。前記ピストン23に対して油圧を給排してリフトアーム25を揺動操作する図示せぬ制御バルブは、油圧リフトケース22に装着しても良いし、別の場所に固定して配管で接続してもよい。
次に、後車軸駆動装置11を含むトランスミッション144について、図1乃至図5により説明する。
図1、図2、図4に示すように、前記ミッションケース15の前端開口部は中央板18で覆設され、該中央板18が前記クラッチハウジング13の後部13bに連結されると共に、ミッションケース15の後端開口部には、後蓋体37が覆設されている。そして、ミッションケース15の内部空間は、前後に設けた隔壁15a・15bによって、前から順に前室34・中室35・後室36の3室に仕切られ、該前室34・中室35・後室36には、それぞれ、主変速装置30と副変速装置31から成る変速装置41、差動装置32、及びPTO変速装置38が個別に収容されている。更に、前記中央板18の下半部の前面には、二輪駆動と四輪駆動を切り替える前輪駆動装置40が装着されている。
図1、図2、図4に示すように、前記ミッションケース15の前端開口部は中央板18で覆設され、該中央板18が前記クラッチハウジング13の後部13bに連結されると共に、ミッションケース15の後端開口部には、後蓋体37が覆設されている。そして、ミッションケース15の内部空間は、前後に設けた隔壁15a・15bによって、前から順に前室34・中室35・後室36の3室に仕切られ、該前室34・中室35・後室36には、それぞれ、主変速装置30と副変速装置31から成る変速装置41、差動装置32、及びPTO変速装置38が個別に収容されている。更に、前記中央板18の下半部の前面には、二輪駆動と四輪駆動を切り替える前輪駆動装置40が装着されている。
図2、図3に示すように、このうちの変速装置41においては、前記主クラッチ20の出力軸17の後端にカップリング45を介して同心上で連結された変速入力軸42、主変速軸43、及び副変速軸44が、前記前室34内で中央板18と前隔壁15aに設けた軸受を介して、前後方向に沿い相対回転自在に互いに平行に軸支されている。更に、前記変速入力軸42上には、前から順に、3速駆動ギア53、4速駆動ギア54、2速駆動ギア52、1速駆動ギア51、及び後進駆動ギア50が固設されると共に、それぞれに対向するようにして、前記主変速軸43上には、5枚の従動ギア63・64・62・61・60が相対回転自在に支持されている。このうちの従動ギア64は、前記従動ギア63のボス部上に相対回転自在に支持されている。
そして、前記従動ギア61・62・63・64は、それぞれ駆動ギア51・52・53・54に噛合され、従動ギア60はアイドルギア55を介して後進駆動ギア50に噛合される。更に、前記従動ギア64と従動ギア62との間の主変速軸43上には、スプラインハブ56が配置され、該スプラインハブ56上には、クラッチスライダ57が相対回転不能かつ軸方向摺動自在に設けられている。同様にして、前記従動ギア61と従動ギア60との間の主変速軸43上にも、スプラインハブ58が配置され、該スプラインハブ58上に、クラッチスライダ59が相対回転不能かつ軸方向摺動自在に設けられている。
このような構成において、クラッチスライダ57は、軸方向移動により、従動ギア63のクラッチ歯部63a、従動ギア64の係合部64a、及び従動ギア62のクラッチ歯部62aに対し選択的に係合自在である。同様に、前記クラッチスライダ59は、軸方向移動により、従動ギア61のクラッチ歯部61aと従動ギア60のクラッチ歯部60aに対し、選択的に係合自在である。
つまり、クラッチスライダ57・59は、前進1速〜前進4速、及び後進速の回転速度とトルクを選択的に主変速軸43に対して付与できるようになっている。これにより、前進4段と後進段の前記主変速装置30が構成される。なお、図3に示す状態は、クラッチスライダ57・59が従動ギア60・61・62・63・64のいずれとも係合しない中立状態を示している。
更に、前記従動ギア62と従動ギア61との間の主変速軸43上には、低速駆動ギア46が設けられ、前記従動ギア60の後方の主変速軸43上には、高速駆動ギア48が設けられると共に、それぞれに対向するようにして、前記副変速軸44上には、二枚の従動ギア47・49が相対回転自在に支持されており、該従動ギア47・49は、それぞれ前記駆動ギア46・48に噛合されている。更に、従動ギア47と従動ギア49との間の副変速軸44上には、スプラインハブ67が配置され、該スプラインハブ67上に、クラッチスライダ68が相対回転不能かつ軸方向摺動自在に設けられている。
このような構成において、前記クラッチスライダ68は、軸方向移動により、従動ギア47のクラッチ歯部47aと従動ギア49のクラッチ歯部49aに対し、選択的に係合自在であり、これにより、高速段と低速段の2段から成る前記副変速装置31が構成される。
そして、両変速装置30・31のクラッチスライダ57・59・68には、それぞれクラッチフォーク65・66・69の一端が嵌合され、図示せぬリンク機構を介して、前記主変速レバー8や図示せぬ副変速レバーに連係されており、該主変速レバー8・副変速レバーの操作によって、前進8段と後進2段の変速を可能としている。
また、図2に示すように、前記PTO変速装置38においては、前記変速入力軸42の後端にカップリング75を介して同心上で連結されたPTO入力軸70が、前記後室36内に貫入され、該後室36では、PTO入力軸70の下方に前記PTO軸21が配置され、該PTO軸21の後端は前記後蓋体37を貫通して後方に突出されている。そして、該PTO軸21と前記PTO入力軸70は、前記後隔壁15bと後蓋体37とに設けた軸受を介して、相対回転自在に互いに平行に軸支されている。
更に、前記PTO入力軸70上には前後にPTO高速駆動ギア71とPTO低速駆動ギア72が固設され、それぞれに対向するようにして、前記PTO軸21上に2つのPTO従動ギア73・74が相対回転自在に支持され、該従動ギア73・74は、それぞれ前記駆動ギア71・72に噛合されている。そして、該従動ギア73・74間のPTO軸21上には、シフトスリーブ76が相対回転不能かつ軸方向摺動自在に設けられている。
このような構成において、シフトスリーブ76は、軸方向移動により、従動ギア73と従動ギア74に対し選択的に係合自在である。これにより、2段変速可能な前記PTO変速装置38が構成されている。
また、図1乃至図4に示すように、前記中室35における左右の側隔壁15hの下部には、左右のデフヨーク軸77・77がそれぞれ左右方向に沿って支持されている。そして、前記差動装置32は、このデフヨーク軸77・77と同一回転軸心を有するように前記左右の側隔壁15hに回転自在に支持されたデフケース78と、該デフケース78にボルトによって締結固設されたリングギア80と、前記デフケース78の回転軸線に対して直交配置されデフケース78と一体的に回転するピニオン軸81と、該ピニオン軸81に回転自在に配置されるピニオン82・82と、該ピニオン82・82に噛合されるデフサイドギア83・83とから構成されている。該デフサイドギア83・83は前記デフヨーク軸77・77の内端側とスプライン係合している。
そして、前記副変速軸44の後端側が、前記前室34から前隔壁15aを貫通して中室35内に延出し、その後端にベベルピニオン84が形成されて前記リングギア80に噛合されており、副変速軸44からの回転が差動回転可能にデフヨーク軸77・77に伝達されるようにしている。
更に、差動装置32には、前記差動回転をロックするためのデフロック機構85が設けられている。該デフロック機構85においては、前記デフケース78のボス部78aにデフロックスライダ86が軸方向摺動可能に外嵌され、該デフロックスライダ86にはロックピン87が固設され、該ロックピン87の先端は前記デフケース78内に突入される。そして、該ロックピン87の先端を係止可能とすべく、左右一側の前記デフサイドギア83の背面には係合凹部83aが形成されている。
そして、前記デフロックスライダ86は、フォーク104、該フォーク104を軸支するデフロック軸105、該デフロック軸105の外端に固設されたデフロックアーム91、及びリンクまたはワイヤー等を介して、図示せぬデフロックレバーに連動連係されており、該デフロックレバーにより、前記デフロックスライダ86を摺動させてロックピン87を係合凹部83aに係止すれば、デフケース78とデフヨーク軸77とが一体的に連結して、前記左右のデフヨーク軸77・77が同一回転数で駆動される。
また、図1、図4、図5に示すように、前記ミッションケース15の前記左右の側隔壁15hを貫通してケース外方に位置する前記左右のデフヨーク軸77には、減速駆動ギア88が刻設され、該減速駆動ギア88の略真上部分に、後車軸90の内端側に固設された減速従動ギア89が噛合されて、終減速装置33を構成する。該終減速装置33により、前記差動装置32を介して伝達されてきた差動回転が、前記減速駆動ギア88と減速従動ギア89によって減速された後、後車軸90に付与される。そして、この終減速装置33の入力側、すなわち、デフヨーク軸77上で、かつ、その外端部には、制動装置39が設けられている。
右のアクスルケース16Rにおいて、デフヨーク軸77の外端が突入する収容空間39aに、押圧板94、カムボール95・95・・・、前記デフヨーク軸77の外側端部上にスプライン嵌合した摩擦板96・96・96、及びアクスルケース16R側に嵌合した相手板97・97が収容され、摩擦板受止め板を兼用する軸受板98がアクスルケース16Rの内側にボルトによって固定されている。これにより、湿式多板ディスクブレーキタイプの前記制動装置39が構成される。
前記軸受板98は、デフヨーク軸77の外端側を支持している。そして、該軸受板98とアクスルケース16Rには、前記デフヨーク軸77と平行に、制動カム軸99が回転可能に横架され、該制動カム軸99がアクスルケース16Rの外側に突出した部分に制動アーム92が固設されており、該制動アーム92から、リンクまたはワイヤー等を介して図示せぬブレーキペダルに連動連係されている。更に、前記収容空間39a内における制動カム軸99上には、カム形状の当接体99aが固設されており、該当接体99aが前記押圧板94の係合片94aに係合されるようにしている。左のアクスルケース16Lに備わる制動装置39についても同様である。
このような構成において、左右のブレーキペダルを踏込み操作すると、リンク等、制動アーム92を介して制動カム軸99が回動し、前記押圧板94に推力が生じて通例のディスクブレーキタイプと同様の所作で作動して、デフヨーク軸77の回転が制動される。
次に、後車軸駆動装置11における運転座席7の高さ設定構成について、図1、図2、図4、図5により説明する。
図1、図2、図4に示すように、前記ミッションケース15の中室35の上方で、ハウジング14の左右方向の中央部169には、上側開口部15cが形成され、該上側開口部15cの左右の側隔壁15hからは、それぞれ、左右の上方膨出部15f・15gが立設されている。そして、該左右の上方膨出部15f・15gの外側面に、それぞれ、左右の外側開口部15d・15eが形成され、その周囲を取り囲むように一定幅の周壁を形成し、その外端面にフランジ面15iが形成されている。
図1、図2、図4に示すように、前記ミッションケース15の中室35の上方で、ハウジング14の左右方向の中央部169には、上側開口部15cが形成され、該上側開口部15cの左右の側隔壁15hからは、それぞれ、左右の上方膨出部15f・15gが立設されている。そして、該左右の上方膨出部15f・15gの外側面に、それぞれ、左右の外側開口部15d・15eが形成され、その周囲を取り囲むように一定幅の周壁を形成し、その外端面にフランジ面15iが形成されている。
このうちの左の外側開口部15dを覆うようにして、前記フランジ面15iには、幅狭の上方膨出部16Lbを有する左のアクスルケース16Lの内側開口にある接合フランジ面16Laが接合されて、収容空間131Lが形成され、同様に、右の外側開口部15eを覆うようにして、前記フランジ面15iに、幅狭の上方膨出部16Rbを有する右のアクスルケース16Rの接合フランジ面16Raが接合されて、収容空間131Rが形成されており、該収容空間131L・131R内に前記減速ギア88・89を収容するようにして、終減速装置33のための左右の収容部170L・170Rが構成される。
そして、前記ミッションケース15の上側開口部15cと、該上側開口部15cの左右に立設する収容部170L・170Rとから座席凹部134が設けられ、該座席凹部134内に、上方から前記油圧リフトケース22の下部が設置されている。該油圧リフトケース22は、その下部フランジ面22cが前記ミッションケース15の上側開口部15cを覆うように、該上側開口部15cの開口面15jに複数のボルト129によって締結固定されている。更に、該油圧リフトケース22には、その上方に前記運転座席7を配置するための図示せぬ取付ステーが装着されている。
このような構成により、図4に示すように、油圧リフトケース22の下部フランジ面22cの高さを、前記座席凹部134を形成しない場合の高さ、つまり収容部170L・170Rの上端面170La・170Raの高さ132から、上側開口部15cの開口面15jの高さ133まで下げることができ、この下げ幅135の分だけ、油圧リフトケース22の上方に載置する運転座席7の高さも下げることができ、最低地上高を維持しつつも十分な低位置に運転座席7を設定することができる。
すなわち、左右の車軸である後車軸90・90を駆動する車軸駆動装置である後車軸駆動装置11のハウジング14内に、左右の終減速装置33・33を介して、前記後車軸90・90と減速入力軸であるデフヨーク軸77・77とを連動連結して互いに平行に支持し、前記後車軸90・90はデフヨーク軸77・77よりも上方に配置した後車軸駆動装置11において、前記ハウジング14の左右方向での中央部169の上面である開口面15jよりも、ハウジング14の左右各々の外側に位置する前記終減速装置33・33の収容部170L・170Rの上面である上端面170La・170Raを、上方に突出させ、前記中央部169に、運転座席7を載置するための座席凹部134を形成したので、座席凹部134の深さを任意に設定することにより、最低地上高は確保しつつ、運転座席7の下げ幅135を大きく確保することができる。
更に、前記ハウジング14は、左右の減速入力軸であるデフヨーク軸77・77の間を差動的に連結する差動装置32を収容するミッションケース15と、該ミッションケース15の外側面に接合する左右のアクスルケース16L・16Rとより構成し、前記収容部170L・170Rを、前記アクスルケース16L・16Rと前記ミッションケース15との接合個所に形成するので、前記終減速装置33・33を、アクスルケース16L・16Rをミッションケース15に接合する際に組み込むことができる。
また、図1、図5に示すように、前記後車軸90は、デフヨーク軸77を通る垂直面137から、デフヨーク軸77と後車軸90を通る二軸平面138まで、傾斜角136だけデフヨーク軸77中心にして後方へ回転した位置に配置されているが、これに伴い、後車軸90の前後方向位置は垂直面137の位置142から位置139まで後方に移動するため、ずれ140が生じている。そして、後車軸90が垂直面137上にあれば、運転座席7の高さは最も低くなり、しかも、前後輪2・3の車軸間距離143は最も短くなる。従って、このずれ140を調整することにより、運転座席7の高さと車軸間距離143を最適な値に設定することができる。
次に、別形態の後車軸駆動装置11Aについて、図6により説明する。
該後車軸駆動装置11Aは、前記後車軸駆動装置11における制動装置39の設置位置を、前記終減速装置33を挟んで左右方向外側から左右方向内側に変更したものである。なお、以下では、前記後車軸駆動装置11と異なる点を中心に説明すると共に、各要素に用いた符号と同じ符号は、同一または同等の機能を有する要素を指すものであり、同じ符号を付した要素については、特に必要としない限り、説明は省略する。
該後車軸駆動装置11Aは、前記後車軸駆動装置11における制動装置39の設置位置を、前記終減速装置33を挟んで左右方向外側から左右方向内側に変更したものである。なお、以下では、前記後車軸駆動装置11と異なる点を中心に説明すると共に、各要素に用いた符号と同じ符号は、同一または同等の機能を有する要素を指すものであり、同じ符号を付した要素については、特に必要としない限り、説明は省略する。
該後車軸駆動装置11Aにおいては、差動装置32Aと前記減速駆動ギア88との間のデフヨーク軸77A・77A上に制動装置39Aが配設されている。このため、前記後車軸駆動装置11Aのハウジング164を構成するミッションケース165の左右の側隔壁165hの側部に形成する一定幅の周壁165kは、前記後車軸駆動装置11の場合よりも幅広に形成されている。
前記制動装置39Aにおいては、ミッションケース165の前記周壁165k内の下部空間に、押圧板94A、カムボール95・95・・・、及び前記デフヨーク軸77Aの途中部にスプライン嵌合した単一の摩擦板96Aが収容されている。前記押圧板94Aは、アクスルケース166L・166Rの内側に固定した軸受板98Aにより回転自在に支持され、前記摩擦板96Aと接する相手板は、左右の側隔壁165h側に係止されている。
右のアクスルケース166Rには、前記デフヨーク軸77Aと平行に制動軸199が貫通して回転可能に横架され、該制動軸199の外側突出端上に制動アーム92が固設されている。更に、制動軸199内端上には平坦面199aが刻設されており、該平坦面199aが、前記押圧板94Aから延伸するアーム94Aaに係合されるようにしている。これにより、左右のブレーキペダルを踏込み操作すると、制動軸199が回動し、摩擦板96Aを左右の側隔壁165hと押圧板94Aとの間に挟持して、デフヨーク軸77Aの回転が制動される。左側の制動装置についても同様である。
次に、前記前輪駆動装置40から前車軸駆動装置10にかけての動力伝達構成について、図1乃至図4により説明する。
図2乃至図4に示すように、前記前輪駆動装置40においては、前記中央板18の下部前面に、ケース100の後端開口部が固設される。該ケース100は、ケース上部100aと、該ケース上部100aより前方に膨出したケース下部100bより構成される。そして、ケース上部100a内には、中央板18を貫通した前記副変速軸44の前端部が収容されて、入力ギア101が固設される。該入力ギア101は、中間ギア102を介して、前記入力ギア101の左斜め下方に配置した出力ギア103に噛合されており、これらのギア101・102・103は、中央板18の前面において正面視で傾斜配置されている。更に、該出力ギア103は、前記ケース下部100bに配置されると共に、動力取出軸106の後部に相対回転自在に設けられている。
図2乃至図4に示すように、前記前輪駆動装置40においては、前記中央板18の下部前面に、ケース100の後端開口部が固設される。該ケース100は、ケース上部100aと、該ケース上部100aより前方に膨出したケース下部100bより構成される。そして、ケース上部100a内には、中央板18を貫通した前記副変速軸44の前端部が収容されて、入力ギア101が固設される。該入力ギア101は、中間ギア102を介して、前記入力ギア101の左斜め下方に配置した出力ギア103に噛合されており、これらのギア101・102・103は、中央板18の前面において正面視で傾斜配置されている。更に、該出力ギア103は、前記ケース下部100bに配置されると共に、動力取出軸106の後部に相対回転自在に設けられている。
該動力取出軸106は、前記ケース下部100bと中央板18に設けた前後の軸受を介して、前記副変速軸44と平行に回転自在に支持されると共に、該副変速軸44の前端部44aよりも下方で左右一方側、本実施例では左側にオフセットしている。そして、該動力取出軸106上には、車輪駆動クラッチ107が配設されている。
該車輪駆動クラッチ107においては、前記出力ギア103より前方の動力取出軸106上に、切替スリーブ108が相対回転不能かつ軸方向摺動自在にスプライン嵌合される。更に、前記切替スリーブ108には、ピン112が係合され、該ピン112は、ケース下部100bの左右方向に軸支された切替軸111の基部に固定した揺動アーム110に連結される一方、該切替軸111の外端には、アーム93が固設されており、該アーム93から、リンクまたはワイヤー等を介して、図示せぬ前輪駆動切替レバーに連動連係されている。
このような構成において、該前輪駆動切替レバーを操作して、四輪駆動にすると、図3に示すように、前記切替スリーブ108の係合部108bが、出力ギア103のクラッチ歯部103aと係合し、副変速軸44からの動力が動力取出軸106に伝達される。逆に、二輪駆動にすると、前記切替スリーブ108が図3に示した状態から前方に摺動され、係合部108bがクラッチ歯部103aから係脱し、副変速軸44からの動力が遮断される。
また、図1、図4に示すように、前記動力取出軸106の同一軸心上には、前記前車軸駆動装置10への動力入力軸113が配置され、該動力入力軸113と前記動力取出軸106との間には、後から順に、自在継手114、継手軸115、及び自在継手116が介設され、これら動力取出軸106、自在継手114、継手軸115、自在継手116、及び動力入力軸113より、後車軸駆動装置11から前車軸駆動装置10までの前記動力伝達経路123が構成される。
ここで、前記エンジン5の下部には、左右一方側の側壁を窪ませてあるオイルパン124が固設されており、その窪みの空間を前後方向に通過するようにして、前記動力伝達経路123の継手軸115が配置されている。
更に、前記動力入力軸113の前端は、前車軸駆動装置10のハウジング126における入力ケース117内に挿入されて入力ギア118を固設し、該入力ギア118は、中間ギア119を介して、該入力ギア118の右斜め上方に配置した出力ギア120に噛合される。ここで、前記ハウジング126は、前車軸127を支持するアクスルケース122、差動装置等を収容する伝動ケース121、及び該伝動ケース121の後面に連設する前記入力ケース117より構成される。そして、ギア120は、前記伝動ケース121内の差動装置に連動連結する入力軸125の後端部125aに固設されており、以上の構成により、前記動力入力軸113からの動力が、前車軸127に伝達される。
本発明は、左右の車軸を駆動する車軸駆動装置のハウジング内に、左右の終減速装置を介して前記車軸と減速入力軸とを連動連結して互いに平行に支持し、前記車軸は減速入力軸よりも上方に配置した、全ての車軸駆動装置に適用することができる。
1 作業車両(乗用型作業車両)
7 運転座席
11・11A 後車軸駆動装置(車軸駆動装置)
14・164 ハウジング
15・165 ミッションケース
15j 開口面(中央部の上面)
16L・16R・166L・166R アクスルケース
32・32A 差動装置
33 終減速装置
77・77A デフヨーク軸(減速入力軸)
90 後車軸(車軸)
134 座席凹部
169 中央部
170L・170R 収容部
170La・170Ra 上端面(収容部の上面)
7 運転座席
11・11A 後車軸駆動装置(車軸駆動装置)
14・164 ハウジング
15・165 ミッションケース
15j 開口面(中央部の上面)
16L・16R・166L・166R アクスルケース
32・32A 差動装置
33 終減速装置
77・77A デフヨーク軸(減速入力軸)
90 後車軸(車軸)
134 座席凹部
169 中央部
170L・170R 収容部
170La・170Ra 上端面(収容部の上面)
Claims (2)
- 左右の車軸を駆動する車軸駆動装置のハウジング内に、左右の終減速装置を介して前記車軸と減速入力軸とを連動連結して互いに平行に支持し、前記車軸は減速入力軸よりも上方に配置した車軸駆動装置において、前記ハウジングの左右方向での中央部の上面よりも、ハウジングの左右各々の外側に位置する前記終減速装置の収容部の上面を、上方に突出させ、前記中央部に、運転座席を載置するための座席凹部を形成したことを特徴とする乗用型作業車両の車軸駆動装置。
- 前記ハウジングは、左右の前記減速入力軸の間を差動的に連結する差動装置を収容するミッションケースと、該ミッションケースの外側面に接合する左右のアクスルケースとより構成し、前記収容部を、前記アクスルケースとミッションケースとの接合個所に形成することを特徴とする請求項1に記載の乗用型作業車両の車軸駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009065141A JP2010215129A (ja) | 2009-03-17 | 2009-03-17 | 乗用型作業車両の車軸駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009065141A JP2010215129A (ja) | 2009-03-17 | 2009-03-17 | 乗用型作業車両の車軸駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010215129A true JP2010215129A (ja) | 2010-09-30 |
Family
ID=42974427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009065141A Pending JP2010215129A (ja) | 2009-03-17 | 2009-03-17 | 乗用型作業車両の車軸駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010215129A (ja) |
-
2009
- 2009-03-17 JP JP2009065141A patent/JP2010215129A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2019095058A (ja) | トラクタの変速伝動装置及びトラクタ | |
KR20090035644A (ko) | 작업차 | |
WO2019102999A1 (ja) | トラクタの変速伝動装置及びトラクタ | |
WO2020050216A1 (ja) | トラクタ、トラクタの走行用伝動装置、及びそのトラクタの走行用伝動装置を備えたトラクタ | |
JP5672344B2 (ja) | 作業車両 | |
JP4885349B2 (ja) | トランスミッション | |
JP2010215129A (ja) | 乗用型作業車両の車軸駆動装置 | |
WO2004103760A1 (ja) | トラクタ | |
JP5900567B2 (ja) | 作業車両 | |
JP7129854B2 (ja) | トラクタ | |
WO2016185799A1 (ja) | 作業車両の動力伝達装置 | |
JP7502234B2 (ja) | 作業車両の動力伝達装置 | |
JP5416607B2 (ja) | 田植機 | |
JP6904323B2 (ja) | 作業車両 | |
JP2004067019A5 (ja) | ||
JP5467887B2 (ja) | 作業車輌用トランスミッション | |
WO2005054717A1 (ja) | トラクタ | |
JP2009029169A (ja) | 作業車両 | |
WO2004103758A1 (ja) | トラクタ | |
JP4378159B2 (ja) | 田植機の走行用伝動構造 | |
WO2004103757A1 (ja) | トラクタ | |
JP2007203972A (ja) | 走行用伝動機構からの動力取出構造 | |
JPH1016587A (ja) | 作業車両のトランスミッション | |
JPS6345375Y2 (ja) | ||
JP6540136B2 (ja) | 作業車両 |