JP2010214041A - 抗菌フィルタおよび空気清浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光照射なしでも抗菌活性を有し、光・放射線・塩素等の薬剤に対して安定で、抗菌効果が低下しない抗菌フィルタを提供すること、また、前記抗菌フィルタを備えた空気清浄装置を提供することを目的としている。
【解決手段】少なくとも暗所で抗菌活性を備えている、ハロゲンを含有する酸化チタン3を基材に担持して、抗菌フィルタ4を作成する。前記抗菌フィルタ4を、空気清浄装置の本体1内に収納し、ファン5で送風することによって、抗菌フィルタ4に捕集した菌の抗菌処理ができる空気清浄装置とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、抗菌性を備えたフィルタおよびそれを利用した空気清浄装置に関する。
従来、この種の抗菌性組成物として、抗菌性銀化合物をチタンの酸化物上に付着した抗菌性組成物を、ポリマー材料に分散した構造組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
これは、既知の抗菌性金属である銀と、チタン等の生理学的に不活性の酸化物とを組み合わせた抗菌性組成物を、ポリマー材料に分散して、水又は水性環境下で安定的に抗菌作用を発生させるものであった。
また、酸化チタンは、光触媒作用があることが知られており、光(紫外線)を酸化チタンに照射することにより、脱臭あるいは抗菌作用を発現させることができる。光触媒をハニカム等のフィルタ形状に加工し、紫外線を照射しながら前記フィルタに通気することにより、空気の脱臭あるいは抗菌を行うことができる。例えば、従来この種の脱臭装置として、図9に示すように、吸着材101に光触媒102を練り込みハニカム状に形成したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
ハニカム孔103に臭気を含む空気を通風させるとともに、光触媒励起源104としてのランプを点灯させ、光触媒102を励起させて臭気の分解脱臭を行うものである。
特許第213805号公報 特許第2574840号公報
特許文献1に記載の従来の抗菌性組成物は、抗菌性の金属である銀を酸化物支持体と組み合わせることによって、水又は水性環境下での安定性を向上させているものの、光または放射線の存在下で銀等の金属が還元され、金属銀として黒色に変色し、抗菌作用も低下するという課題があった。また、水道水に含まれる塩素等の成分と反応して塩化銀などの化合物を形成し、抗菌作用が低下するという課題があった。
特許文献2に記載の従来の脱臭装置は、吸着材101と光触媒102を練り込んだハニカム構造体となっているために、ハニカム構造体の壁を厚くしないと形状を保持することが困難である。そして壁を厚くしたハニカム構造体は、光触媒励起源104としてのランプから斜めに照射された光がハニカムの壁によってさえぎられ、ハニカム孔103の内部に陰になる部分が生じてしまい、ハニカム孔内部の光触媒102が活性化されないという課題があった。これは、脱臭性能が低くなるとともに、ハニカム体内部では抗菌効果が発揮できないということを示している。光触媒は光が照射されない条件では抗菌効果が得られず、装置内部などで用いられるフィルタ、あるいはハニカム等の構造的に複雑で光が照射できない部分を有するフィルタでは抗菌効果が得られず、暗所では菌が増殖しやすいという課題があった。仮に光源としてのランプを備えた装置であったとしても、運転停止中などの光が照射されないときには菌が増殖しやすいという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、光照射なしでも抗菌活性を有する抗菌フィルタを提供することを目的としている。また、光・放射線・塩素等の薬剤に対して安定で、抗菌効果が低下しない抗菌フィルタを提供することを目的としている。また、ハニカム等の複雑な構造をもつフィルタ形状であっても、抗菌効果を発揮できる抗菌フィルタを提供することを目的としている。また、前記抗菌フィルタを備えた空気清浄装置を提供することを目的としている。
本発明の抗菌フィルタは、上記目的を達成するために、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)を基材に担持した抗菌フィルタであって、前記ハロゲンの少なくとも一部が、前記酸化チタン(IV)と化学結合し、かつ、少なくとも暗所で抗菌活性を備えていることを特徴とするものである。
また、前記抗菌フィルタと、送風手段とを備え、前記送風手段により空気を前記抗菌フィルタに通過させる空気清浄装置であって、抗菌フィルタが少なくとも暗所で用いられることを特徴とするものである。
本発明によれば、光照射なしでも抗菌活性を有する抗菌フィルタを提供することができる。
また、この抗菌フィルタを用いることにより光照射なしでも抗菌活性を有する空気清浄装置を提供することができる。
本発明の請求項1記載の発明は、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)を基材に担持したフィルタであって、前記ハロゲンの少なくとも一部が、前記酸化チタン(IV)と化学結合しており、前記フィルタが少なくとも暗所で抗菌活性を備えていることを特徴としたものである。ハロゲンと化学結合した酸化チタン(IV)を有するハロゲン含有酸化チタン(IV)を含むため、例えば、従来、暗所でも抗菌活性を示すとされている銀、銅、亜鉛等の金属等を含まなくても、暗所において抗菌活性を発現することができる。また、金属等を含む抗菌剤のように使用環境における塩素や紫外線の影響で金属が析出して抗菌作用が低下する恐れがないという効果を得ることができる。化学結合がイオン結合である場合は、ハロゲンと酸化チタンとが強固に結合し、例えば、抗菌活性を向上できる。
また、ハロゲンが、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴としたものであり、前記ハロゲンは酸化チタン(IV)の化学結合が安定であるため、暗所において安定的に抗菌活性を発現することができる。
また、ハロゲンが、酸化チタン(IV)1モルに対して0.0007〜0.172モルであることを特徴としたものであり、必要十分なハロゲン量を確保し、暗所において抗菌活性を発現することができる。
また、ハロゲンが、フッ素であり、前記ハロゲン含有酸化チタンにおけるフッ素の含有量が、1.25重量%以上4.0重量%未満であることを特徴としたものであり、必要十分なフッ素量を確保し、暗所において特に優れた抗菌活性を発現することができる。
また、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)をバインダーを用いて基材に固定したことを特徴としたものであり、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)が基材に固定されるため、脱落等の恐れがなく、暗所での抗菌作用を持続させることができる。
また、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)と、バインダー溶液とを混合し、基材に接触させた後、乾燥させて得たものであることを特徴としたものであり、バインダーが強固に結合し、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)が基材に固定化されるため、脱落等の恐れがなく、暗所での抗菌作用を持続させることができる。
また、酸性のバインダー溶液を用いることを特徴としたものであり、バインダー溶液とハロゲンを含有する酸化チタン(IV)の混合液の分散安定性が向上し、前記混合液を基材に接触させたときにハロゲンを含有する酸化チタン(IV)を高分散状態で基材に固定化することができる。
また、バインダー溶液のNa濃度がNa2Oとして0wt%より大きく0.05wt%以下であることを特徴としたものであり、Naとハロゲンとの反応の進行、および酸化チタン(IV)表面への吸着による抗菌性能の低下を防ぐことができる。
また、基材がガラスであることを特徴としたものであり、ガラスはハロゲンと反応しないため、ハロゲンと基材が反応することによる抗菌性能の低下を防ぐことができる。樹脂基材にくらべて耐熱性に優れているため、バインダーを加熱してより強固にハロゲンを含有する酸化チタン(IV)を基材に固定化することができる。
また、基材がガラス繊維であることを特徴としたものであり、ガラス繊維はガラス板に比べて表面積が大きく、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)の担持量を増加させることができる。
また、ガラス繊維が開口を備えたガラス繊維織物または編物であることを特徴としたものであり、開口によって基材の圧力損失が低下し、抗菌フィルタにより多くの空気を通過させることができる。
また、ガラス繊維織物または編物が、複数の短繊維ガラスを束ねた繊維束によって形成されたことを特徴としたものである。複数の短繊維ガラスを束ねた繊維束にハロゲンを含有する酸化チタン(IV)を担持すると、繊維間にハロゲンを含有する酸化チタン(IV)粒子が入りこみあるいは付着して固定化される。太い短繊維の表面に粒子を担持する場合に比べて、繊維間に粒子を保持することができるため担持量を増やすことができる。また、繊維間に入り込んだハロゲンを含有する酸化チタン(IV)粒子は繊維にはさまることによって強固に固定化されるとともに、外部から衝撃が加わった場合にも繊維を介して衝撃が伝わるので脱落しにくいという作用を得ることができる。
また、抗菌フィルタに光照射することで、抗菌活性を増強させることを特徴としたものであり、光照射によってハロゲンを含有する酸化チタン(IV)が活性化され、より短時間で抗菌できるようになる。また、菌の死骸や毒素まで分解することができる。
また、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)がアナターゼ型酸化チタンであることを特徴としたものであり、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)がより強く活性化され、抗菌できるようになる。また、菌の死骸や毒素まで分解することができる。
また、抗菌フィルタと、送風手段とを備え、前記送風手段により空気を前記抗菌フィルタに通過させる空気清浄装置であって、前記抗菌フィルタを少なくとも暗所で用いることを特徴とする空気清浄装置である。暗所においても抗菌作用が発現するため、空気清浄装置の内部で菌やカビが増殖する恐れがないという作用を得ることができる。
また、抗菌フィルタがプリーツ加工したものであることを特徴としたものである。プリーツ加工することにより、基材の圧力損失を低減しつつ、騒音が低く通過風量の大きな空気清浄装置を得ることができる。そして、抗菌効果を得るために光を必要としないため、プリーツ加工したフィルタ全体が抗菌効果を発揮し、装置内部を清潔に保つことができる。
また、抗菌フィルタに間欠的に光照射して、有機物の分解を行うことを特徴としたものである。暗所においても抗菌作用が発現するため、空気清浄装置の内部で菌やカビが増殖する恐れがない。さらに、間欠的に照射される光によって、菌の死骸や毒素まで分解することができる。
また、抗菌フィルタが着脱自在であることを特徴としたものであり、抗菌フィルタを着脱して、天日や蛍光灯の光によって、菌の死骸や毒素まで分解することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
本発明の抗菌フィルタは、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)(以下、「ハロゲン含有酸化チタン(IV)」ともいう)を基材に担持したフィルタであって、前記ハロゲンの少なくとも一部が、前記酸化チタン(IV)と化学結合し、少なくとも暗所で抗菌活性を備えたことを特徴とする。本発明の抗菌フィルタでは、ハロゲン含有酸化チタン(IV)を基材に担持しているため、従来、暗所でも抗菌活性を示すとされている銀、銅、亜鉛等の金属等を含まなくても、暗所において抗菌活性を発現することができる。
本発明において「抗菌」とは、気相の菌を増殖抑制すること、殺菌すること及び/又は分解することを含み、好適には気相の菌濃度の低減及び/又は菌の増殖を抑制することを含む。
本発明において、「暗所で抗菌活性を発現する」とは、例えば、少なくとも紫外光(400nm以下の波長の光)を含む光が照射されない条件下で、抗菌フィルタを菌に24時間以上接触させた場合に、抗菌フィルタと接触した菌濃度を接触前の濃度よりも2桁以上減少できることをいう。なお、菌濃度の測定方法は、後述する実施例に示す方法で行うことができる。本発明において、抗菌活性の対象は特に制限されず、例えば、細菌(例えば、大腸菌、黄色ぶどう球菌、緑膿菌、MRSA、セレウス菌、肺炎桿菌等)、カビ、ウイルス等が挙げられる。
本発明において「ハロゲンの少なくとも一部が酸化チタン(IV)と化学結合している」とは、酸化チタン(IV)とハロゲンの少なくとも一部とが化学的に結合していることをいう。好適には担持や混合ではなく酸化チタンとハロゲンとが原子レベルで結びついている状態のことをいい、より好適には酸化チタンとハロゲンとがイオン結合していることをいう。ハロゲン含有酸化チタン(IV)において、抗菌活性及び光触媒活性の向上の点から、酸化チタン(IV)と化学結合しているハロゲンは、ハロゲン含有酸化チタン(IV)における全てのハロゲンのうち90重量%以上であり、95重量%以上であることが好ましく、より好ましくは100重量%すなわちハロゲン含有酸化チタン(IV)に含まれるハロゲンの全量が化学結合していることである。
本発明において「化学結合しているハロゲン」とは、ハロゲン含有酸化チタンに含まれるハロゲンのうち、水に溶出しにくいハロゲンのことをいう。酸化チタン(IV)と化学結合しているハロゲンの量は、酸化チタンを水中に分散させ、pH調整剤(例えば、塩酸、アンモニア水)でpH=3以下又はpH=10以上に保持し、水中へのハロゲンの溶出量を比色滴定等により測定し、ハロゲン含有酸化チタンに含まれるハロゲンの総量から上記溶出量を差し引くことにより算出できる。ハロゲン含有酸化チタン(IV)におけるハロゲンの総量は、吸光光度分析法(JIS K 0102)により求めることができる。
化学結合は、ハロゲンと酸化チタンとが強固に結合し、抗菌活性や光触媒反応の促進作用を向上できる観点から、イオン結合であることが好ましい。化学結合がイオン結合である場合は、ハロゲンと酸化チタンとが強固に結合し、抗菌活性や光触媒反応の促進作用を向上できる、酸化チタンとハロゲンとのイオン結合は、光電子分光装置により分析できる。例えば、ハロゲンがフッ素である場合、ハロゲン含有酸化チタンを光電子分光分析装置で分析した際に、フッ素の1s軌道(F1s)のピークトップが683eV〜686eVの範囲となるスペクトルを示す場合をいう。これは、フッ素とチタンとがイオン結合したフッ化チタンのピークトップの値が上記範囲内であることに由来する。
ハロゲン含有酸化チタン(IV)におけるチタン、酸素及びハロゲンの合計の含有量(モル%)は、抗菌活性の点から、96モル%以上であることが好ましく、より好ましくは97モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上、さらにより好ましくは99モル%以上、特に好ましくは実質的に100モル%又は100モル%である。ハロゲン含有酸化チタン(IV)におけるチタン、酸素及びハロゲンの合計の含有量(モル%)は、ハロゲン含有酸化チタン(IV)に含まれる元素の含有量(重量%)を各元素の原子量により除することによって各原子のモル含有量を算出し、得られたモル含有量を用いて下記式より算出できる。なお、ハロゲン含有酸化チタン(IV)におけるハロゲン(フッ素、臭素、ヨウ素、塩素)の含有量は吸光光度分析法(JIS K 0102)により求めることができ、チタン及び酸素の含有量は、蛍光X線分析により求めることができる。
合計の含有量={(チタン(mol)+酸素(mol)+ハロゲン(mol)}/{チタン(mol)+酸素(mol)+ハロゲン(mol)+その他原子(mol)}×100
ハロゲン含有酸化チタン(IV)において、暗所での抗菌活性向上の点から、ハロゲン、特に、フッ素は、酸化チタン(IV)1モルに対して0.0007〜0.172モルであることが好ましく、より好ましくは0.053〜0.11モルである。また、暗所における抗菌活性のさらなる向上の点からは、0.11〜0.17モルであることが好ましい。ハロゲンの含有量は、ハロゲン又は酸化チタンの含有量(重量%)を後述する各ハロゲンの原子量又は酸化チタンの式量で除することにより得られたハロゲンのモル含有量を用いて下記式より算出できる。
ハロゲン含有量=(ハロゲン(mol))/(酸化チタン(mol))
酸化チタン(IV)としては、例えば、アナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタンが挙げられ、暗所における抗菌効果が得られることに加えて、高い光触媒活性が得られることから、アナタース型酸化チタンが好ましい。本発明において「アナタース型酸化チタン」とは、粉末X線回折スペクトル測定において(使用電極:銅電極)、回折角度2θ=25.5度付近に回折ピークが現れる酸化チタンのことをいう。
ハロゲン含有酸化チタンは、比表面積が200〜350m2/gの範囲が好ましく、より好ましくは250〜350m2/gの範囲である。ここで、本発明において比表面積とは、BET法(窒素の吸着・脱離方式)により測定した、ハロゲン含有酸化チタンの粉末1g当たりの表面積値である。比表面積が200m2/g以上の場合、分解する対象物との接触面積を大きくすることができる。また、アナタース型酸化チタンを用いる場合は、比表面積が350m2/g以下であると、アモルファス状の酸化チタンを用いた場合よりも高効率な光触媒反応を行うことができる。
本発明において、ハロゲンとしては、フッ素、ヨウ素、臭素及び塩素が挙げられる。
ハロゲンがフッ素である場合、フッ素含有酸化チタンは、組成式Ti(IV)OaFb(但し、0.053≦b≦0.172であり、2.026≦(a+b)≦2.086)で表されることが好ましい。より少量のフッ素で十分な抗菌活性が得られる点からは、bは、0.053〜0.11がより好ましく、さらに好ましくは0.08〜0.11である。a+bは、2.026〜2.053がより好ましい。また、暗所における抗菌活性のさらなる向上及び光触媒活性の点からは、bは0.11〜0.17がより好ましく、さらに好ましくは0.11〜0.15であり、a+bは2.053〜2.086がより好ましく、さらに好ましくは2.053〜2.075である。また、aは、例えば、Ti(IV)を維持する値であって、bとの関係で決定されても良い。上記組成式におけるa及びbは、フッ素の含有量(X)(重量%)を用いて下記式より算出できる。なお、下記式におけるYはフッ素原子量(19)であり、Zは酸化チタン式量(79.9)のことをいう。
b(フッ素のモル含有量)={Z*(X/100)}/{Y−(Y−8)*(X/100)}
a(酸素のモル含有量)=2−(b/2)
フッ素含有酸化チタンにおけるフッ素の含有量は、暗所における抗菌活性の点から、1.25重量%〜4.0重量%であることが好ましく、より好ましくは1.25重量%以上2.5重量%未満である。暗所における抗菌活性のさらなる向上及び光触媒活性の点からは、2.5重量%〜4.0重量%が好ましく、より好ましくは2.5重量%〜3.5重量%である。
ヨウ素含有酸化チタンにおけるヨウ素の含有量は、抗菌活性向上の点からは、0.2重量%〜2.5重量%であることが好ましい。暗所における抗菌活性向上の点からは、0.3重量%〜2.0重量%が好ましく、0.35重量%〜1.0重量%が好ましい。
ヨウ素含有酸化チタンは、組成式Ti(IV)Oab(但し、0.0013≦b≦0.016であり、2.0006≦(a+b)≦2.008)で表されることが好ましい。また、bは、0.0019〜0.0128がより好ましく、さらに好ましくは0.0022〜0.0079である。a+bは、2.0009〜2.0064がより好ましく、さらに好ましくは2.0011〜2.0032である。また、aは、Ti(IV)を維持する値であって、bとの関係で決定されても良い。上記組成式におけるa及びbは、Xをヨウ素の含有量(重量%)、Yをヨウ素原子量(126.9)として上述したフッ素の換算式を用いて算出できる。
本発明は、ハロゲンの少なくとも一部が酸化チタン(IV)と化学結合したハロゲン含有酸化チタン(IV)であれば、暗所において抗菌活性を発現できるという知見に基づく。暗所において抗菌活性が発現するメカニズムは明らかではないが、ハロゲン含有酸化チタン(IV)におけるチタン−ハロゲン構造と、タンパク質、特に、タンパク質のアミノ基とが結合することや、ハロゲン含有酸化チタン(IV)の一部が疎水化し、ハロゲン含有酸化チタン(IV)と菌を構成するタンパク質及び/または脂質との間に疎水結合力が働くことにより、ハロゲン含有酸化チタン(IV)に菌が吸着し、これにより、暗所において抗菌活性が発現されるものと推定される。また、ハロゲン含有酸化チタン(IV)表面に結合したハロゲンがハロゲンイオン化し、このハロゲン含有酸化チタン(IV)表面のハロゲンイオンが菌を酸化するため、暗所において抗菌活性が発現されるものと推定される。光照射時に抗菌作用が増強される点については、菌がハロゲン化酸化チタン(IV)表面に濃縮され、さらに光が照射されると、光触媒作用により発生したOHラジカルが菌に作用する確率が高くなり、殺菌作用が増強されるものと推定される。ただし、これらのメカニズムの推定は、本発明を限定するものではない。
[ハロゲン含有酸化チタンの製造方法]
本発明のハロゲン含有酸化チタンは、例えば、n−ブチルアミンの吸着量が8μmol/g以下である酸化チタンの水分散液とハロゲン化合物とを混合し、前記混合液中で前記酸化チタンと前記ハロゲン化合物とを反応させて得られるハロゲン含有酸化チタン(IV)であってもよい。得られるハロゲン含有酸化チタン(IV)におけるハロゲンと酸化チタンの結合性及びハロゲンの水への溶出量の点から、前記酸化チタン(IV)とハロゲン化合物との混合液のpHが3を超えた場合は酸を用いてpHを3以下に調整して反応させることを含むことが好ましく、より好ましくは前記反応させて得られた反応物を洗浄することを含むことが好ましい。
このようにして得られるハロゲン含有酸化チタンは、前述のように、例えば、水への溶出量が極めて少なく、強制的に酸化チタン表面に位置させる、その他のあらゆる手法と比べて、ハロゲンの酸化チタンへの結合性という意味で異なるものである。n−ブチルアミンの吸着量が8μmol/g以下であるアナタース型酸化チタンとしては、例えば、堺化学工業株式会社製SSP−25等が使用でき、その水分散液としては、例えば、堺化学工業株式会社製CSB−M等が使用できる。
ハロゲン化合物としては、特に限定されないが、一般的なハロゲン化合物を使用できる。ハロゲン化合物が、フッ素化合物である場合、例えば、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化水素酸が挙げられ、これらの中でも、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム及びフッ化水素酸が好ましい。ハロゲン化合物がヨウ素化合物である場合、ヨウ化水素、過ヨウ素酸、ヨウ化アンモニウム等が挙げられる。ハロゲン化合物が臭素化合物である場合、臭化水素酸、臭化アンモニウム等が挙げられる。ハロゲン化合物が塩素化合物である場合、塩酸、塩化ナトリウム、次亜塩素酸が挙げられる。
酸化チタン1g当たりのn−ブチルアミンの吸着量の測定方法は以下の通りである。つまり、130℃で2時間乾燥した酸化チタンのサンプル1gを、50mLの共栓付き三角フラスコにて精秤し、これにメタノールで希釈した0.003Mのn−ブチルアミン溶液を30mL加える。次いで、これを1時間超音波分散させた後、10時間静置し、その上澄み液を10mL採取する。そして、採取した上澄み液を、メタノールで希釈した0.003Mの過塩素酸溶液を用いて電位差滴定し、そのときの中和点における滴定量からn−ブチルアミンの吸着量を求めることができる。
酸化チタン(IV)1g当たりのn−ブチルアミンの吸着量が8μモル以下となる表面酸性度を有するアナタース型酸化チタンは、不純物としてのナトリウムの含有量が、1000重量ppm以下が好ましい。不純物としてのナトリウムの含有量が1000重量ppm以下であると、抗菌活性及び/又は光触媒活性の低下を抑制できる。その理由は明確ではないが、例えば、ナトリウムがハロゲンと反応することにより、ハロゲンと酸化チタン(IV)との反応が阻害されることを抑制できるためと考えられる。
[抗菌フィルタ]
ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)を担持する基材としては、特に限定されないが、一般的なフィルタ基材を使用できる。フィルタの材質としては、金属、プラスチック、合成樹脂繊維、天然繊維、木材、紙、ガラス、セラミックなどが挙げられ、金属やセラミックやガラスなどが適している。プラスチックや紙を基材として用いる場合は、基材表面にシリコーンやフッ素樹脂、シリカなどを被覆して酸化チタンを担持してもよい。
フィルタ基材の形状は特に限定されないが、板状、網状、ハニカム状、繊維状、ビーズ状、スリット状、発泡体形状など、空気が抗菌フィルタを通過できるものであればあらゆる形状を利用することができる。板状のフィルタであれば、板に孔を空けたパンチング形状、繊維を編みこんだ編物形状、繊維を接着した不織布形状など、開口を備えたものが好適である。板状であれば、板をプリーツ状に折って抗菌フィルタの表面積を広げることによって圧力損失を低減させてもよい。
基材は、ガラス繊維織物であってもよい。ガラス繊維は光や放射線に対する耐久性が強く、有機合成繊維や紙よりも酸性のバインダーによる化学的腐食を受けにくく好適である。また、ガラス繊維は光透過性および光散乱性を有するため、ハロゲン含有酸化チタンに光を照射する場合には、効率的に光を照射することができる。ガラス繊維の材質としては、石英ガラス、Eガラス、Cガラス、Sガラス、Aガラスなどが挙げられる。繊維形状は特に限定されないが、単繊維よりも、4〜9μmの径を有する短繊維ガラスを複数束ねた繊維束によって形成することが好ましい。繊維束は50本〜6400本程度の任意の本数を束ねて利用することができる。複数の短繊維ガラスを束ねた繊維束にハロゲン含有酸化チタンを担持すると、繊維間にハロゲン含有酸化チタン粒子が入りこみあるいは付着して固定化される。太い単繊維の表面にハロゲン含有酸化チタンを担持する場合に比べて、繊維間にハロゲン含有酸化チタンを保持することができるため、担持量を増やすことができる。また、繊維間に入り込んだハロゲン含有酸化チタン粒子は繊維にはさまることによって強固に固定化されるとともに、外部から衝撃が加わった場合にも繊維を介して衝撃が伝わるので脱落しにくいという作用を得ることができる。
バインダーとしては、Na2O、K2O、LiO2などのケイ酸塩からなるアルカリシリケート、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾルなどの無機コロイド、シリカ、ケイ素、チタンなどのアルコキシド類とその加水分解物などが挙げられる。なお、Naなどのアルカリ成分は酸化チタン(IV)の結晶性を低下させ、性能を低下させることがあるため、バインダーとしては、主成分がSiO2であることがのぞましく、シリカゾルまたはシリカアルコキシド類の加水分解物などが好適である。
ケイ素のアルコキシド類としては、テトラエトキシシランおよびその重合体であるメトキシポリシロキサン、エトキシポリシロキサン、ブトキシポリシロキサン、リチウムシリケートなどが挙げられ、チタンのアルコキシド類としては、テトラプロポキシチタンおよびその重合体などが挙げられる。これらの金属アルコキシド類は、水と酸によって加水分解され、バインダーとして用いることができる。
バインダー溶液とは、液状のバインダーをそのまま、あるいは水・アルコール等の溶剤で任意の濃度に希釈したものを意味する。また、バインダー溶液は、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)を固定することができる固形成分を、溶剤あるいは界面活性剤で分散
・溶解させたものであってもよい。
バインダーは酸性であることが好ましく、ケイ素、チタンなどを酸で加水分解した物や酸性のシリカゾル、アルミナゾルなどが挙げられる。ケイ素、チタンなどを酸で加水分解する場合には、塩酸、硫酸などを用いてpHを1〜5に調整するとよい。シリカゾルを用いる場合には、pH2〜4、粒子径10〜50nm程度のものが好適である。pHが中性あるいはアルカリ性のシリカゾルを用いると、ハロゲンを含有する酸化チタンを添加した際にゲル化をおこし、基材に均一に担持することが困難になることが多い。
Na、K、NH4などの陽イオン成分がバインダーに含まれていると、ハロゲンとの反応の進行および酸化チタン(IV)表面への吸着により、抗菌性能の低下が発生することがあり、上記陽イオン成分は極力少ないほうがよい。例えば、バインダー溶液にNaが含まれている場合には、Na濃度がNa2Oとして0wt%より大きく0.05wt%以下であることが好ましい。
ガラス繊維織物の目付け量としては10〜900g/m2のものが好ましく、製造を容易にするためには100〜400g/m2のものを選択するとよい。また、織物の織り方は、平織、綾織、朱子織、からみ織り、模紗織など、どのような織り方でもかまわないが、形状安定性の観点から模紗織が好ましい。糸の密度としてはタテ・ヨコの繊維束が20〜40本/25mm、厚さは0.1〜2mm、引張り強度100NN/25mm以上が好ましい。
ガラス繊維織物にハロゲン含有酸化チタンを担持する方法としては、ディップコート、スプレーなどが挙げられるが、抗菌フィルタにハロゲン含有酸化チタンが固定化できればいかなる手段でもよい。1回の処理で担持量が十分でなければ、複数回の処理工程を繰り返してもよい。また、担持後に、乾燥機で50〜700℃程度の温度で0.01〜5時間程度加熱することによりバインダーを収縮させて基材に強固に固定化してもよく、90〜150℃で0.1時間の加熱がさらに好適である。このような加熱乾燥処理を行う場合には、基材の主成分をガラス、セラミックスで構成することが望ましい。
ハロゲン含有酸化チタンの粒子径は、繊維の直径よりも小さいほうが好ましい。ハロゲン含有酸化チタンが繊維の直径よりも小さいため、ハロゲン含有酸化チタンが繊維間の編目や重なり部分に入り込みやすく、強固に固定化されるという効果を得ることができる。その結果、ハロゲン含有酸化チタンの担持量を増加させることができる。ハロゲン含有酸化チタンの粒子径は、一次粒子径として6〜100nm程度であるが、実際は一次粒子が凝集して0.1〜100μm程度の二次粒子になっていることが多い。ここでいうハロゲン含有酸化チタンの粒子径は二次粒子の状態を示し、ハロゲン含有酸化チタンを編物に分散させる際に繊維の編目や重なり部分に入り込みやすいことが必要である。
[抗菌フィルタを用いた空気清浄装置]
図1は本発明の空気清浄装置の概略断面図である。本発明の空気清浄装置は、本体1の内部に光照射手段としてのランプ2と、ハロゲン含有酸化チタン3を含む網状の抗菌フィルタ4と送風手段としてのファン5とを備えている。抗菌フィルタ4は、ハロゲン含有酸化チタンを担持したガラス繊維であり、プリーツ状に加工されている。室内の浮遊菌を含む空気は、ファン5によって、抗菌フィルタ4を通過して清浄な空気となる。抗菌フィルタ4はハロゲン含有酸化チタンを含んでいるため、抗菌フィルタ4に捕集された浮遊菌はハロゲン含有酸化チタンの抗菌作用を受けて、暗所であっても菌の増殖が抑制される。抗菌フィルタ4は、空気清浄装置の内部の暗所に設置されているため、通常は光が照射されない状態で菌を捕集している。光照射手段としてのランプ2は中心波長365nmを発生するブラックライトであり、間欠的に点灯して抗菌フィルタ4に光を照射することができる。
前記送風手段としては、本体内部に風を取り込むことができれば特に問題はなく、プロペラファン、シロッコファン、ターボファン、ブロアなどあらゆる送風手段を利用することができる。
前記光照射手段としてランプ2は、ブラックライト、冷陰極管、殺菌灯、蛍光灯、LEDなどが挙げられ、中心波長が254nmより大きく400nm以下である紫外線を照射できることが好ましい。ハロゲン含有酸化チタンの抗菌作用を増強して、菌の死骸や毒素などを分解することができればいかなるランプを用いてもよいが,冷陰極管は比較的低コストであり,耐久寿命も長いことから光源として好ましい。殺菌灯を用いても抗菌作用の増強は行われるが、本体1が樹脂製の場合には光劣化が進みやすいので、短時間の点灯にする必要がある。
抗菌フィルタ4は着脱自在であってもよい。具体的には抗菌フィルタの側面あるいは上面の位置に開口部を設け、本体1から取り出せるようにするとよい。図2は、空清清浄装置の本体1の側面から、ハロゲン含有酸化チタン3を担持した抗菌フィルタ4着脱可能とした一例である。抗菌フィルタ4はフィルタケース6と一体となっており、フィルタケース6ごと持ち運んで、洗浄、天日再生などを行うことができる。着脱した抗菌フィルタ4は清掃後、天日にあてることによって光触媒作用を発現し、菌の死骸や毒素などを分解することができる。
空気清浄装置外部の光を利用するために、空気清浄装置の一部を光透過性の部材で構成してもよく、例えば、図2に示す空気清浄装置の正面パネル7をガラス、光透過性の樹脂フィルム、あるいは網状の開口形状にすれば、抗菌フィルタ4に外部の光を導入することができる。
抗菌フィルタに照射される光は、波長400nm以下の紫外線を0.001〜10.0mW/cm2の範囲となるように抗菌フィルタに照射されることが好ましく、より好ましくは0.5〜2mW/cm2の光強度である。照射強度は、励起光源の数、発光強度、励起光源と抗菌フィルタの距離を、任意の値に設計して制御することができる。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発明は、以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
<1>.ハロゲン含有酸化チタンの調製
酸化チタン(商品名:SSP−25、堺化学工業株式会社製、アナタース型、粒径:5〜10nm、比表面積:270m2/g以上)の濃度が150g/Lとなるように酸化チタンに純水を加え、これを撹拌して、酸化チタン分散液を調製した。この酸化チタン分散液に、酸化チタンに対してフッ素(元素)に換算して3重量%に相当するフッ化水素酸(和光純薬社製、特級)を添加し、pH3に保持しながら25℃で60分間反応させたのち、水洗した。水洗は、反応物を濾過して回収される濾液の電気伝導度が1mS/cm以下となるまで行った。そして、これを空気中において130℃で5時間乾燥させてフッ素含有酸化チタンを調製した。なお、濾液(25℃)の電気伝導度は、堀場製作所製pH/cond meter,D−54型(商品名)を用いて測定した。
<2>.フッ素含有酸化チタンの物性分析
[フッ素含有量]
吸光光度分析法(JIS K 0102)により、フッ素含有酸化チタン中のフッ素含有量を求めたところ、2.3重量%であった。また、酸化チタン(IV)1モルに対してフッ素は0.098モルであり、フッ素含有酸化チタンにおけるチタン、酸素及びフッ素の含有量の合計は、3.049モル%であり、その組成比は、Ti:O:F=1:1.951:0.098であった。
[フッ素と酸化チタンとの結合の確認]
フッ素含有酸化チタンを光電子分光分析装置で分析したところ、F1sのピークトップが683eV〜686eVの範囲となるスペクトルを示した。つまり、得られたフッ素含有酸化チタンにおいて、酸化チタンとフッ素とがイオン結合していることが確認できた。
[アナタース型の確認]
酸化チタンを粉末X線回折装置(使用電極:銅電極)で分析したところ、回折角度2θ=25.5度において回折ピークが現れた。つまり、得られたフッ素含有酸化チタンはアナタース型酸化チタンであった。
[フッ素溶出量の測定]
得られたフッ素含有酸化チタン0.1gを純水100mlに懸濁させ、超音波を15分間照射後、遠心分離を行った。その上澄み液を、共立理化学研究所製のパックテスト(登録商標)を用いて比色分析を行い、溶出したフッ素イオンの量を測定した。この溶出量から酸化チタンと化学結合したフッ素の割合を求めたところ、95重量%であった。
[表面F比率の測定方法]
10mm径の成型用金型を用い、ハロゲン含有酸化チタンの粉末1gに1t/cm2の荷重がかかるようにプレスにて圧力を加えて、10mm径のペレットに成型した。この成型ペレットを破断して平らな面を持つ破断小片を作製し、この小片を測定試料台の上に両面テープで固定した。これを、真空中で1日放置した後、光電子分光分析装置(島津製作所製ESCA−850型、X線源:MgKα)を用い、8kV、30mAの条件にて、チタン(Ti)の2p軌道、フッ素(F)の1s軌道及び炭素(C)の1s軌道から放出される光電子スペクトルを測定した。そして、Cの1s軌道の測定値を284.8eVとして、Tiの2p軌道及びFの1s軌道の測定から得られたスペクトルのエネルギー補正を行った。その補正後の値をそのスペクトルの結合エネルギーとし、Fの1s軌道のスペクトル面積より求められるFの原子数をNF、Tiの2p軌道のスペクトル面積より求められるTiの原子数をNTiとした。以下の計算式を用いて表面F比率を算出したところ、0.07であった。
表面F比率=NF×19.0/(NTi×47.9)
<3>.ハロゲン含有酸化チタンを担持した抗菌フィルタの作成
得られたハロゲン含有酸化チタンとシリカ系のバインダー(Na成分がNa2O濃度として0.05wt%以下、pH=3、SiO2濃度20wt%のシリカゾル)と精製水を混合し、ボールミルで24時間分散混合してスラリーを作成した。出来上がったスラリーに、基材として開口率15%のガラス繊維織物をディップしてハロゲン含有酸化チタンを含浸させ、エアブローして余剰液を排除した後、120℃の乾燥機で30分乾燥させ、ハロゲン含有酸化チタンを含む抗菌フィルタを作成した。同様のディップ作業を繰り返し、ハロゲン含有酸化チタンとバインダーを合わせた担持量を500g/m2にした。抗菌フィルタの基材となるガラス繊維織物は、目付け量354g/m2、糸の密度11×3本/25mm(タテ・ヨコ同じ)の模紗織、厚さは0.42mmのものを用いた。作成した抗菌フィルタの開口率は約15%であった。
以下に示す条件以外はJIS R1702に規定されている試験方法に従い、光照射フィルム密着法により抗菌フィルタの抗菌効果試験を行った。ハロゲン含有酸化チタンフィルタ(5cm×5cm)をシャーレ内に配置し、抗菌フィルタの表面に大腸菌液(初期菌数:1×105cfu/ml、NBRC3972)を塗布した。ついで、暗所で、光(紫外光)を照射することなく室温(24〜27℃)で静置した。静置開始から、10、20、180、360分経過後、回収液で回収し、寒天培養プレートにてコロニーを形成させて生存する菌数を求めた。その結果を図3に示す。また、参考例として、15Wブラックライト(1mW/cm2、365nm)で紫外線光照射を行った以外は、同様にして抗菌効果試験を行った。これらの結果を図3に示す。
(比較例1)
比較例1として、ハロゲン含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25、堺化学工業株式会社製)を使用してフィルタを作成した以外は、実施例1と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図3に示す。
(比較例2)
比較例2として、ハロゲン含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用してフィルタを作成した以外は、参考例1と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図3に示す。
(比較例3)
比較例3として、ハロゲン含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず弱い光触媒活性を有するルチル型酸化チタン(商品名:STR−100N、堺化学工業株式会社製)を使用してフィルタを作成した以外は、実施例1と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図3に示す。
(比較例4)
比較例4として、ハロゲン含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず弱い光触媒活性を有するルチル型酸化チタン(商品名:STR−100N)を使用してフィルタを作成した以外は、参考例1と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図3に示す。
図3に示すように、実施例1の抗菌フィルタは、光照射なしの条件で、処理開始後20分で初期菌数の7分の1以下にまで大腸菌の数を減少できた(1×104.2cfu/ml程度)。光非照射時の実施例1の抗菌フィルタによるD値(菌数が90%減少するのに要する時間)は22分であった。これに対し、光を照射しなかった、比較例1及び3のフィルタでは、処理開始から48時間経過しても大腸菌数に変化は見られなかった。光照射を行った比較例2のD値は477分であった。実施例1の抗菌フィルタの抗菌効果は、光照射を行った、比較例2及び4のフィルタよりも高かった。この結果から、ハロゲン含有酸化チタンを含む実施例1の抗菌フィルタによれば、光を照射しない場合であっても抗菌活性を有することを確認できた。
(実施例2)
大腸菌に替えて黄色ブドウ球菌(NBRC12732)を使用し、その初期菌数を1×106.8cfu/mlとした以外は実施例1と同様の評価を行った。また、参考例2として、大腸菌に替えて黄色ブドウ球菌(NBRC12732)を使用し、その初期菌数を1×106.8cfu/mlとした以外は参考例1と同様の評価を行った。これらの結果を図4に示す。
(比較例5)
比較例5として、ハロゲン含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用した以外は、実施例5と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図4に示す。
(比較例6)
比較例6として、ハロゲン含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用した以外は、参考例2と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図4に示す。
(比較例7)
比較例7として、ハロゲン含有酸化チタンに替えて、弱い光触媒活性を有するルチル型酸化チタン(商品名:STR−100N)を使用した以外は、実施例2と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図4に示す。
(比較例8)
比較例8として、ハロゲン含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず弱い光触媒活性を有するルチル型酸化チタン(商品名:STR−100N)を使用した以外は、参考例2と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図4に示す。
図4に示すように、実施例2の抗菌フィルタは、光照射なしの条件で、処理開始後20分で初期菌数の10分の1以下にまで黄色ブドウ球菌の数を減少でき(1×102.8cfu/ml程度)、D値は6.4分であった。これに対し、光を照射しなかった、比較例5及び7のフィルタでは、処理開始から48時間経過しても黄色ブドウ球菌数はほとんど変化しなかった。光照射を行った比較例6及び8でも、実施例2に比べて抗菌効果は低かった。この結果より、ハロゲン含有酸化チタンを含む実施例2の抗菌フィルタによれば、光を照射しない場合であっても抗菌活性を有することを確認できた。また、黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性は、参考例2に示す光照射時と同レベルであった。光非照射時の実施例2の抗菌フィルタによるD値は22分であった。
(実施例3)
実施例1のハロゲン含有酸化チタン(フッ素含有量:2.3重量%)をPBS(りん酸緩衝生理食塩水)に分散させて、フッ素含有酸化チタン濃度(10、100、1000及び10000mg/l)の抗菌剤組成物(pH7〜8(PBSの緩衝作用のため))を調製した。大腸菌(E.coli NBRC3972)を抗菌剤組成物に添加し、初期菌数を1×105cfu/mlに調製した。ついで、光を照射させることなく、37℃で24時間振とう培養し、その抗菌性を評価した。抗菌性は、濃度が異なる抗菌剤組成物とブランクとの24時間後の菌数を比較し、ブランクに対して2LOG低くなる抗菌剤濃度(100分の1になる濃度)を計算で求めて評価した。その結果、ハロゲン含有酸化チタンの抗菌性は、5776mg/lであった。なお、抗菌剤組成物を添加しない以外は、同様に、光を照射させることなく、37℃で24時間振とう培養したものをブランクとした。
(比較例9)
比較例9として、ハロゲン含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用した以外は、それぞれ、実施例3と同様に行った。その結果、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタンを含む抗菌剤組成物を使用した比較例9では、抗菌剤濃度を10000mg/lまで高くしても、ブランクに対して2LOG低い値をとることができず、暗所での抗菌性を示さないことがわかった。
(実施例4、実施例5)
実施例1の「1.ハロゲン含有酸化チタンの調製」における「3重量%に相当するフッ化水素酸」に替えて「5重量%に相当するフッ化水素酸」又は「32重量%に相当するヨウ化水素酸」を使用した以外は、同様の手順でフッ素含有酸化チタン(IV)又はヨウ素含有酸化チタン(IV)を調製した。得られたフッ素含有酸化チタン(IV)におけるフッ素含有量、及び、ヨウ素含有酸化チタン(IV)におけるヨウ素含有量は下記表1に示
すとおりであった。
得られたフッ素含有酸化チタン(IV)又はヨウ素含有酸化チタン(IV)を、JISR1702法に用いられている1/500NB液(普通ブイヨン培地を精製水で500倍に希釈し、高圧蒸気殺菌したもの)に分散させて、フッ素含有酸化チタン濃度(62.5.125、250、500及び1000mg/l)の抗菌剤組成物をそれぞれ調製した。大腸菌(E.coli NBRC3972)を抗菌剤組成物に添加し、初期菌数を1×105cfu/mlに調製した。ついで、光を照射させることなく、37℃で24時間振とう培養し、実施例3と同様に抗菌性を求めた。その結果を、下記表1に示す。
比較例10として、フッ素含有酸化チタンに替えてハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用した以外は、それぞれ、実施例6と同様にして行った。その結果、下記表1に示すように暗所における抗菌性は得られなかった。
Figure 2010214041
上記表1に示すように、フッ素含有酸化チタンを含む実施例4の抗菌剤組成物及びヨウ素含有酸化チタンを含む実施例5の抗菌剤組成物は、優れた抗菌性を示す。特に、フッ素含有酸化チタンを含む実施例4の抗菌剤組成物は、実施例5の抗菌剤組成物に比べて約20倍の抗菌性を示した。
(実施例6)
実施例1の「1.ハロゲン含有酸化チタンの調製」におけるフッ化水素酸の濃度を変化させた以外は同様の手順でフッ素含有量の異なる5種類のフッ素含有酸化チタン(フッ素含有量:1.25、1.5、2、2.5、3重量%)を調製した。得られたそれぞれのフッ素含有酸化チタンを、1/500NB液に分散させて、フッ素含有酸化チタン濃度(62.5.125、250、500及び1000mg/l)の抗菌剤組成物を調製した。大腸菌(E.coli NBRC3972)を抗菌剤組成物に添加し、初期菌数を2.9×104cfu/mlに調製した。ついで、光を照射させることなく、37℃で24時間振とう培養し、実施例3と同様に抗菌性を求めた。その結果を、図5に示す。抗菌剤を含まないブランクの24時間後の菌数は4.5×106cfu/ml(Log菌数が6.65)であった。
(比較例11)
比較例11として、フッ素含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用した以外は、それぞれ、実施例6と同様に行った。その結果を図5及び図6に示す。
フッ素を含まない比較例11(商品名:SSP25、フッ素含有量:0重量%)では、抗菌剤濃度を増加させると菌数が減少する傾向が見られるものの、抗菌性(菌数がブランクの100分の1になる濃度)は1000mg/l以上であった。一方、フッ素を1、25重量%含む場合、抗菌剤濃度の増加にともなって菌数が減少し、296mg/lで抗菌性が認められた。また、ハロゲン含有酸化チタンにおけるフッ素濃度を1.25〜2.5重量%まで変化させていくと、フッ素含有酸化チタンにおけるフッ素含有量が増えるとともに抗菌性能は向上した。
フッ素含有酸化チタンにおけるフッ素含有量と抗菌性能の関係を図6に示す。図6に示すように、フッ素含有酸化チタンにおけるフッ素含有量が低い範囲(例えば、フッ素濃度が1.25重量%以上2.5重量%未満)でも、十分な抗菌性を示している。また、抗菌性(菌数がブランクの100分の1になる濃度)はフッ素含有量1.25重量%以上の範囲で、フッ素含有量の増加とともに向上し、フッ素含有量2〜4重量%程度の範囲で極大値をとるものと思われる。
(実施例7)
実施例1の「1.フッ素含有酸化チタンの調製」におけるフッ化水素酸をフッ化アンモニウムに変え、pH条件を0〜3の範囲で反応させた以外は同様の手順で3種類のフッ素含有酸化チタンを調整した。また、実施例1の「1.フッ素含有酸化チタンの調製」におけるフッ化水素酸の濃度を変化させた以外は同様の手順でフッ素含有酸化チタンを調製した(フッ素含有量:3重量%)。得られたフッ素含有酸化チタンを、それぞれ、1/500NB液に分散させて、それぞれフッ素含有酸化チタンの濃度が異なる62.5〜1000mg/lの濃度の抗菌剤組成物を調製した。大腸菌(E.coli NBRC3972)を抗菌剤組成物に添加し、初期菌数を2.9×104cfu/mlに調製した。ついで、光を照射させることなく、37℃で24時間振とう培養し、実施例3と同様に抗菌性を求めた。その結果を、図7に示す。抗菌剤を含まないブランクの24時間後の菌数は4.5×106cfu/ml(Log菌数が6.65)であった。
図7に示すように、ハロゲンの原料としてフッ化アンモニウムを用いたものは、前記のサンプルよりも高い抗菌性を示し、反応時のpH条件が3未満のものではさらに高い抗菌性を示した。ハロゲンの原料としてフッ化水素を用いたものは、最も高い抗菌性を示した。
(実施例8)
実施例4〜7で作成したフッ素含有酸化チタンを1/500NB液と混合し、得られた抗菌剤組成物のpHを測定した。このときの抗菌剤組成物の濃度は250mg/lに設定した。実施例4〜7の結果から、以下の式を用いて抗菌活性値を求めた。
抗菌活性値 = log(ブランクの菌数(24時間後)/フッ素含有酸化チタンの菌数(24時間後))
また、比較例として、比較例1のハロゲンを含まない酸化チタンを含む抗菌剤組成物及びその抗菌剤組成物に塩酸を添加してpHを変化させた抗菌剤組成物を準備し、実施例6と同様に抗菌性を求めた。参考例として、ハロゲン含有酸化チタン及びハロゲンを含まない酸化チタンの何れも添加せず、塩酸のみでpHを変化させたサンプルを準備し、そのサンプルを用いて同様に抗菌性を求めた。
得られた抗菌剤組成物のpHと抗菌活性値の関係を図8に示す。実施例6及び実施例7のフッ素含有酸化チタンを含む抗菌剤組成物の抗菌活性値は、pHに対して負の相関を示し、酸性になるほど抗菌活性値が高くなった。このとき、実施例6のフッ化水素酸を用いて調製したフッ素含有酸化チタンを含む抗菌剤組成物は、フッ素含有量が多いほど低いpHとなった。例えば、フッ素含有量が3.0重量%の時のpHは4.5であり、フッ素含有量2.0重量%の時のpHは5.1であり、フッ素含有量1.25重量%の時のpHは6.5であった。
比較例1のハロゲンを含まない酸化チタンを含む抗菌剤組成物のpHは7.4であり、その時の抗菌活性値は2以下となり抗菌性を示さなかった。塩酸を添加してpHを1.6まで低下させたところ、pHが4以下の範囲で抗菌性を示した。これはハロゲン含有酸化チタン及びハロゲンを含まない酸化チタンの何れも添加せず、塩酸のみでpHを調整したときにみられる抗菌性の変化とほぼ同じであった。多くの微生物はpH6〜7付近で最適な増殖環境となる。大腸菌の場合、pH4.4〜9.0の範囲で増殖可能であり、黄色ブドウ球菌では、pH4.0〜9.8の範囲で増殖可能であることが知られている(防菌防黴ハンドブック第1版、日本防菌防黴学会編、技報堂出版、p179)。本発明のハロゲン含有酸化チタンを含む抗菌剤組成物の場合、pH4.0〜6.5の範囲でも抗菌活性値2以上となっており、単なるpH変動とは異なるメカニズムで抗菌作用が発現していることがわかる。
光照射なしでも抗菌活性を有し、光・放射線・塩素等の薬剤に対して安定で、抗菌効果が低下しない抗菌フィルタを提供することができ、空気清浄装置、エアコンなどの用途に適用できる。
本発明の実施の形態の空気清浄装置を示す概略断面図 本発明の実施の形態の空気清浄装置を示す斜視図 本発明の実施例1の抗菌効果の一例を示すグラフ 本発明の実施例2の抗菌効果のその他の例を示すグラフ 本発明の実施例6の抗菌効果のその他の例を示すグラフ 本発明の実施例6のハロゲン含有酸化チタンにおけるフッ素含有量と抗菌効果の関係を示すグラフ 本発明の実施例7の抗菌効果のその他の例を示すグラフ 本発明の実施例8の抗菌効果のその他の例を示すグラフ 従来の脱臭装置を示す斜視図
1 本体
2 ランプ
3 ハロゲン含有酸化チタン
4 抗菌フィルタ
5 ファン
6 フィルタケース
7 正面パネル
101 吸着材
102 光触媒
103 ハニカム孔
104 光触媒励起源

Claims (18)

  1. ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)を基材に担持した抗菌フィルタであって、前記ハロゲンの少なくとも一部が、前記酸化チタン(IV)と化学結合し、かつ、少なくとも暗所で抗菌活性を備えていることを特徴とする抗菌フィルタ。
  2. ハロゲンが、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項1記載の抗菌フィルタ。
  3. ハロゲンが、酸化チタン(IV)1モルに対して0.0007〜0.172モルである、請求項1または2記載の抗菌フィルタ。
  4. ハロゲンが、フッ素であり、前記ハロゲン含有酸化チタンにおけるフッ素の含有量が、1.25重量%以上4.0重量%未満である請求項1乃至3のいずれかに記載の抗菌フィルタ。
  5. ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)をバインダーを用いて基材に固定したことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の抗菌フィルタ。
  6. ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)と、バインダー溶液とを混合し、基材に接触させた後、乾燥させて得たものであることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の抗菌フィルタ。
  7. 酸性のバインダー溶液を用いることを特徴とする請求項6記載の抗菌フィルタ。
  8. バインダー溶液のNa濃度がNa2Oとして0wt%より大きく0.05wt%以下であることを特徴とする請求項6または7記載の抗菌フィルタ。
  9. 基材がガラスであることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の抗菌フィルタ。
  10. 基材がガラス繊維であることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の抗菌フィルタ。
  11. ガラス繊維が開口を備えたガラス繊維織物または編物であることを特徴とする請求項10記載の抗菌フィルタ。
  12. ガラス繊維織物または編物が、複数の短繊維ガラスを束ねた繊維束によって形成されたことを特徴とする請求項11記載の抗菌フィルタ。
  13. 抗菌フィルタに光照射することで、抗菌活性を増強させることを特徴とした請求項1乃至12いずれかに記載の抗菌処理フィルタ。
  14. ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)がアナターゼ型酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃至13いずれかに記載の抗菌処理フィルタ。
  15. 請求項1乃至14記載の抗菌フィルタと、送風手段とを備え、前記送風手段により空気を前記抗菌フィルタに通過させる空気清浄装置であって、前記抗菌フィルタを少なくとも暗所で用いることを特徴とする空気清浄装置。
  16. 抗菌フィルタがプリーツ加工したものであることを特徴とした請求項15記載の空気清浄装置。
  17. 抗菌フィルタに間欠的に光照射して、有機物の分解を行うことを特徴とする請求項15または16記載の空気清浄装置。
  18. 抗菌フィルタが着脱自在であることを特徴とする請求項15乃至17いずれかに記載の空気清浄装置。
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