JP2010213949A - 粉液型歯科用硬化性材料の筆積み法用セット - Google Patents

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【課題】
穂先に形成されるレジン泥の玉に粉吹きが生じ難く、該形成されたレジン泥の玉の穂先からの筆離れも良好な、粉液型歯科用硬化性材料と筆の組合せからなる筆積み法用セットを提供すること。
【課題を解決するための手段】
(I)筆穂部の根元径が0.5〜2.5mmであり、吸液量が3〜50mgであり、好適には筆毛として先端がクリンプしたものを含む捌き筆と(II)i)非架橋の(メタ)アクリレート系重合体粒子を主成分とする粉材、及びii)(メタ)アクリレート系重合性単量体を主成分とする液材からなる粉液型歯科用硬化性材料とを組合せて粉液型歯科用硬化性材料の筆積み法用セットとして用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、筆と粉液型歯科用硬化性材料とからなる筆積み性の良好な筆積み法用セットに関する。
歯科治療の分野では、(メタ)アクリレート系重合性単量体、非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子、および重合開始剤を含む重合性組成物が、種々の歯科修復物用の硬化性材料として有用に使用されている。これらの歯科用硬化性材料において、未硬化状態での材料の保存性を確保するために、i)(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む液材と、ii)非架橋の(メタ)アクリレート系重合体粒子を主成分とする粉材とに分包し、使用時にこれら部材を混合して用いる、所謂、粉液型歯科用硬化性材料が知られている(特許文献1、非特許文献1)。すなわち、これらの粉液型歯科用硬化性材料では、通常、液材および粉材のどちらか、あるいは別分包の形態で重合開始剤が含まれており、使用時にこれらの部材を混合させることによりii)非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子を主成分とする粉材が、i)(メタ)アクリレート系重合性単量体を含む液材に一部溶解し始めることで混合液の粘度が上昇し、それにより硬化反応が促進されて硬化体が得られる。
こうした歯科用硬化性材料の具体例としては、即時重合レジンや、接着性レジンセメント等が挙げられる。両材料とも、上記別分包の形態を生かし、使用に際しては、混和法および筆積み法といった技法が適用される。このうち筆積み法は、粉材と液材とを別々に取り分けて用意し、液材を筆穂に浸した後、濡れた筆穂を粉材に接触させて穂先に玉状のレジン泥を作製し、そのレジン泥を被着面やレジン泥を築盛したい箇所に盛り付けていく要領で操作が行われる(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。しかして、この技法は、計量操作も必要なく、少量のレジン泥を簡便且つ短時間に作製して築盛できるため、例えば、即時重合レジンでは義歯の修復等に用いられ、接着性レジンセメントでは歯周病等で動揺した歯牙を隣接歯と固定する際(このような術式を動揺歯固定法という)、或いは矯正用ブラケットを未切削の歯牙に接着する際に汎用されている。
これらの使用態様、特に、狭く暗い口腔内で、歯牙の微小部位にレジン泥を盛り付けることになる接着性レジンセメントの前記使用態様においては、細やかな操作性が要求され、穂先に作製するレジン泥も小粒であることが求められる。このため、かかる筆積み法の実施に際して用いられる筆としては、筆穂部の根元径が0.5〜3.0mmの小筆で、しかも、その筆穂は糊で固めて先細り形状に整えられた、所謂「固め筆」が使用されている(例えば、非特許文献2参照)。しかして、斯様な小径の固め筆の吸液量は、1.5mg未満に小さいのが一般的である。
特開2002−161013号公報
歯界展望 Vol.96 No.2:302〜314 2000 ザ・クインテッセンス 2002,5月 No5,Vol21 第206−209頁、「新しい多用途型接着性レジンセメント"トクヤママルチボンド"の臨床応用について」のp207の図3に写し出されている接着性レジンセメントの製品キットの筆の外観は、穂先が先細りに固められており、固め筆であることが観取される。
ところが、このように吸液量の小さい固め筆を用いて筆積み法を実施した場合、作製するレジン泥の玉を大きめにしようとすると、玉に「粉吹き」が生じ易く、かつ筆離れも悪かった。すなわち、レジン泥の玉の粉吹きとは、玉表面に未溶解の粉材が残留する現象で、斯様な粉吹きが生じたレジン泥の玉を適用箇所に盛り付けて硬化させても、粉材の溶解性の不均一さから十分な機械的強度が発現しなかった。さらに、このように粉吹きが生じたレジン泥の玉は固く、歯面への馴染みや穂先からの筆離れが悪いため、盛り付けの操作性が大きく低下することが避けられなかった。
筆積み法において、レジン泥の玉に斯様な粉吹きが生じる原因は、吸液した筆穂を粉材に接触させた際に、穂先に保持される粉材の量に対して該穂先部分の液材量が足りないことが大きい。従って、これを防止するためには、筆の口径を太くして吸液量を増加させることが有効と考えられるが、前記歯科用硬化性材料が接着性レジンセメントである場合には、動揺歯固定や矯正用ブラケットの歯牙への接着等、作製したレジン泥の玉の盛り付け操作は、口腔内の暗く狭い空間内で行われることになるため、視認性を損なう。しかも、本発明者らの検討によれば、たとえ前記固め筆の径を少々太くして吸液量を増大させても、上記粉吹きの問題はほとんど改善されないか、改善されても僅かでしかないことが確認された。これは、固め筆の場合、糊付けにより各筆毛間の隙間が大変狭く毛細管現象が強く生じ易い状態にあるため、筆穂を液材に浸しても、吸液された液材の多くは筆穂の根元付近に至る上流に吸い上がり、そこで強力に保持されてしまうためと推測される。すなわち、筆穂全体としての吸液量は多くても、穂先で行われるレジン泥の玉の作製に十分に供給される液材量は先端付近に保持される一部に限られてしまうことが大きく影響していると考えられる。
以上から、従来の粉液型歯科用硬化性材料で行われている筆積み法は、形成されるレジン泥の玉に粉吹きが生じ易く、これに起因して硬化体の機械的強度が低下し、さらに盛り付けの操作性等も悪化するものであり、使用する筆を改良し、これらの問題を解消した粉液型歯科用硬化性材料の筆積み法用セットを提供することが大きな課題であった。
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意研究を続けてきた。その結果、筆積み法に使用する筆として、大口径のものを用いることなく、捌き筆を用いることにより、上記の課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(I)筆穂部の根元径が0.5〜2.5mmであり、吸液量が3〜50mgである捌き筆と
(II)i)非架橋の(メタ)アクリレート系重合体粒子を主成分とする粉材、及びii)(メタ)アクリレート系重合性単量体を主成分とする液材からなる粉液型歯科用硬化性材料
とを組合せてなる粉液型歯科用硬化性材料の筆積み法用セットである。
本発明の粉液型歯科用硬化性材料の筆積み法用セットによれば、筆穂に簡易にレジン泥の玉が作製でき、筆穂に作製されるレジン泥の玉において粉吹きが生じ難く、そのため硬化体の機械的強度は安定的に高く、該レジン泥の玉は歯面への馴染みや穂先からの筆離れも良い。しかも、操作に使用する筆は筆穂部の根元径が0.5〜2.5mmの小筆であり、歯科用硬化性材料が接着性レジンセメントであって、動揺歯固定や矯正用ブラケットの歯牙への接着等で口腔内で盛り付け操作を行う場合でも、良好な視認性・操作性が確保でき、歯科治療において極めて有意に使用できる。
図1は、先端がクリンプした筆毛の先端部分の概略図である。 図2は、先端が先細り形状の筆毛の先端部分の概略図である。
本発明の筆積み法用セットは、(I)筆と(II)粉液型歯科用硬化性材料との組合せから構成される。以下それぞれの部材について、分けて詳述する。
〔(I)筆について〕
本発明では、筆積み法を実施するための筆として、筆穂部の根元径が0.5〜2.5mmであり、吸液量が3〜50mgである捌き筆を使用する。ここで、筆穂部の根元径とは、筆穂をまとめる筒から出ている筆毛の、先細り形状などの加工を施されていない根元部分の毛束の直径をいう。上記筆は、このように根元径が0.5〜2.5mm、より好適には1.0〜2.0mmの小筆であるため、歯科用硬化性材料が接着性レジンセメント等であって口腔内で盛り付け操作を行う場合でも、良好な視認性・操作性を確保できる。
そうして、上記筆の最大の特徴点は、捌き筆である点である。すなわち、捌き筆とは、前記固め筆のように筆穂先の毛の広がりを抑える為の筆毛の糊付けを行っていない筆を言う。前記したように、従来、筆積み法に供される筆は、固め筆が一般的であったところ、本発明では捌き筆を使用し、それにより筆積み法に際して、液材を吸液した筆穂を粉材に接触させて確保された粉材の溶解性を大きく向上させることを達成したものである。この結果、作製されるレジン泥の玉、特に玉の径が大きめのもの(通常3mm以上の径のもの)に対しても、粉吹きが生じることを高度に抑制可能にできる。
詳細には、上記筆穂部の根元径が0.5〜2.5mmの捌き筆は、筆毛の種類や長さ、数等を調整することにより、吸液量が3〜50mg、好適には5〜25mgのものとすることができ、この場合、該高い吸液性で保持された液材は筆穂の穂先部分にも多量に存在することになるため、穂先に粉材が保持されると、その多くが直ぐに溶解される。そしてさらに、該筆穂は固め筆のように糊で固められていないため、個々の筆毛間の隙間は緩やかで毛細管現象も弱い状態にあるため、上記穂先部分に含まれる液材だけでは、上記穂先に保持された粉材の全てを溶解するに十分量でない場合にも、筆穂の上流に吸い上がっていた液材が流動して該粉材の溶解に作用するため、該粉材の溶け残りは抑制され、作製されるレジン泥の玉には粉吹きの問題はほとんど生じない。なお、筆穂部の吸液量が50mgを越える場合、穂先に保持される粉材よりも、吸液される液量が過剰になり過ぎ、作成されるレジン泥の玉が緩くなり、筆積みに際してレジン泥の玉が筆穂を盛り付け箇所から引き離す際に大きな伸びが生じたり、穂先にまとわりつくようになり、その操作性が低下する。
なお、本発明において上記筆穂の吸液量とは、23℃下でダッペンディッシュに2.0mlの純水を採取し、その採取した純水に精密天秤を用いて予め重量を測定した筆穂を3秒間、筆穂の先端側1/2程度が浸る状態で接触させ、その濡れた筆穂の重量を精密天秤で測定し、その濡らした後の重量から塗らす前の重量を減じる方法により測定された値を言う。
本発明の捌き筆は、前記の好適な根元径と吸液量の範囲内であれば、従来公知の形状の筆毛を何ら制限無く選択できる。筆の繊維径は、吸液量の調整や筆としての操作性を勘案すると、通常0.001〜0.5mmから採択され、より好適には0.01〜0.1mmである。先細り形状等の繊維径が一定でない場合は、その最も太い部分(通常は根元部分)の径が0.025〜0.5mmにあり、最も細い部分の繊維径が0.001〜0.1mmの範囲にあると良い。また、筆穂の長さも、吸液量の調整や筆としての操作性を勘案すると、両端を結ぶ直線長で通常2.5〜20.0mmから採択され、より好適には5.0〜15.0mmである。
筆毛の形状は、直毛だけでなく、クリンプ(縮れ)を有するもの、先端が先細り形状のもの、緩いカーブを描いているもの、ウェーブ(波)形状のもの等であっても良い。また、1つの筆毛に複数の形状が付与されていても良い(例えば、クリンプと先細り、ウェーブと先細り等)。これらの形状の筆毛は、単独で用いても良いし、複数の形状の筆毛を組み合わせても良い。
筆穂が直毛のみで構成されている場合、使用条件によっては筆毛と筆毛の隙間が狭くなりすぎ、毛細管現象が生じ易くなる。この場合、筆毛の根元部まで液材が吸収され易くなり、レジン泥を作製する際に必要な液材が穂先に少なくなって、良好なレジン泥が得難くなる懸念が生じる。従って、筆穂を構成する筆毛の少なくとも一部に、筆毛間の隙間が広くなり易い形状のもの(例えば、クリンプを有するもの、先細り形状のもの、緩いカーブを描いているもの、ウェーブ形状のもの、これらの形状を複数付与されたもの等)を使用するのが好適である。
前記好適な筆毛の形状中でも、特に、クリンプしたもの、または先細り形状のものが、筆毛間に、液材が十分量存在できる空間を形成でき、毛細管現象による筆穂の根元への液材の吸液性も低下させることができ、その結果、粉吹きや筆離れ、特に粉吹きを大きく向上できるため好適である。特に、先端にクリンプを有するものは、上記吸液性に関する効果に加えて、筆穂を粉材に接触させた際に、該粉材を掻き集める効果も発揮されるため、穂先部分への粉材の保持性が向上して好適である。
ここで、斯様に先端がクリンプした筆毛を具体的に示すと、図1のようになる。図中、Pで示されるクリンプピッチ(クリンプの山の頂点の部分と、そこに隣接する山の頂点までの距離)は、穂先部分における液材の吸液量を十分にし、且つ毛細管現象を十分に緩和し、さらに前記粉材の掻き集める効果を十分に発現させる観点からは、0.02〜0.8mmの範囲が好適であり、0.03〜0.5mmの範囲がより好適である。他方、図中、Hで示されるクリンプの高さ(クリンプの山となっている部分から谷となっている部分までの距離)も、上記クリンプピッチと同様の観点から、0.01〜0.1mmの範囲が好適であり、0.015〜0.05mmの範囲がより好適である。係るクリンプ形状は、筆毛の先端部分だけでなく、根元部分までの全長に渡って形成させても良いが、筆穂の上流まで形成されていると、筆毛のまとまりがなくなる虞があるため、先端から、全長に対する1/10まで、より好適には1/18の位置まで形成させるのがより好ましい。斯様な状態で先端にクリンプが形成されることにより、穂先への粉材の保持性と吸液性が適度にバランスして向上し、粉吹きが特に良好なものになり好ましい。
また、前記したように筆毛は、先端が先細り形状のものも好適であり、これを具体的に示すと、図2のようになる。すなわち、先端に向かうほど縮径する形状であれば良いが、液材が存在できる筆毛間の隙間をより大きくする観点からは、先端が尖鋭になるに至る大きな勾配で縮径しているのが好適である。なお、斯様な縮径部分は、筆毛のあまり上流から形成しても、上記縮径の勾配が緩やかになりすぎるので、先端から、全長に対する1/2まで、より好適には1/4の位置までにおいて形成させるのが最適である。なお、この先端の先細り形状は上記クリンプした筆毛においても備わっているのが、粉吹きの防止やレジン泥の玉の筆離れの観点から特に好ましい。
本発明において、筆穂を形成する筆毛の数は、使用する筆毛の種類等にも関係するが、通常は、根元部の筆毛の密度で示して55〜100本/mm、より好適には70〜90本/mmなる。この筆毛の使用数の範囲において、その一部(通常、他の筆毛は直毛)として、上記先端がクリンプしたものを使用する場合は、その含有割合は3%以上、より好適には10〜90%の範囲で使用するのが、前記したその効果を良好に発揮させる観点で好ましい。他方、その一部(同様に、他の筆毛は通常、直毛)として、上記先端が先細り形状のものを使用する場合は、その含有割合は50%以上、より好適には80〜100%の範囲で使用するのが、その効果を良好に発揮させる観点で好ましい。
本発明において、筆毛の最も好ましい選択は、上記先端がクリンプしたものと先端が先細り形状のものとを組合せた混毛であり、特に良好な操作性で粉吹きが抑制されたレジン泥の玉を作製させることができ、該作成されたレジン泥の玉の筆離れも最良のものとすることができ好適である。この場合において、先端がクリンプした筆毛の含有割合を10〜50%とし、先端が先細り形状の筆毛の含有割合を90〜50%とするのが好ましい。この場合も、直毛を0〜10%の範囲で含有させても良い。
筆毛の材質は、従来の筆穂に用いられる公知の材質を何ら制限なく用いることができる。例えば、毛筆の品質が良いとされる鼬や狸そして貂、他にも馬や鹿、豚、栗鼠、羊などの天然の獣毛でも、合成樹脂性の繊維でも構わない。一般的に獣毛は、表面状態が繊細で且つ腰が強く、弾力性及び復元力に富むことから好適である。
他方、獣毛は天然物である為に一定の品質のものを得難い面があり、収穫量の減少により高価格なものが多いのに対して、合成樹脂製のものは、安価で、所望の形状の作製が容易に行える点で有意に使用される。こうした合成樹脂製の繊維としては、例えば、ポリアミド(6,6−ナイロン、6−ナイロン、12−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合物などを用いることができ、ポリエステルが特に好ましい。筆穂を構成する筆毛の材質は単一であっても、複数のものを組み合わせて用いても良い。

〔(II)粉液型歯科用硬化性材料について〕
本発明において、前記説明した(I)筆に組合せて使用する粉液型歯科用硬化性材料は、i)非架橋の(メタ)アクリレート系重合体粒子を主成分とする粉材、及びii)(メタ)アクリレート系重合性単量体を主成分とする液材からなるものである。

i)非架橋の(メタ)アクリレート系重合体粒子を主成分とする粉材について
非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子は、ii)液材である(メタ)アクリレート系重合性単量体に対する溶解性が高く、筆積み法により粘度上昇させて、良好な性状のレジン泥が作製させる作用を有する。斯様な非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子としては、(メタ)アクリレート系重合性単量体を実質的に架橋剤なしで重合させた従来公知の粒子が制限なく使用できる。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロキシエチルプロピオネート、2−メタクリロキシエチルアセトアセテート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリルモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を1つ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体の単独重合体や2種以上の共重合体が挙げられる。
このうち、ポリ低級アルキル(メタ)アクリレートが好適であり、特には、ポリメチルメタクリレート(以下PMMAと示す)、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、またはメチルメタクリレートとエチルメタクリレートの共重合体等がより好適である。溶解性の高さから最も好適に使用されるのはポリメチルメタクリレートである。尚、これらの(メタ)アクリレート系重合体粒子は、それぞれ1種類の粒子を単独で使用しても良いし、適宜2種以上を併用しても良い。
これらの(メタ)アクリレート系重合体粒子は、常法に従い、原料となる重合性単量体を架橋剤無しで懸濁重合あるいは乳化重合させて得られる球状樹脂(このような球状の非架橋性樹脂は市販されており、工業的に入手することも可能である)として、更には、球状樹脂に機械的な粉砕処理を施すことで得られる粉砕物等の不定形樹脂としても入手可能である。
これらの非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子のBET比表面積値は特に制限されるものではなく、通常、0.01m/以上の広い範囲から採択できる。しかしながら、筆積み法において、液材を吸液した筆穂を粉材に接触させた際に、できるだけ液材と馴染み易くするためには0.5〜5.0m/gの範囲、特に0.8〜3.0m/gの範囲であるのが好ましい。一般に、このように粉材の比表面積値が大きい(即ち、粒子径の小さい)紛体は上記液材と馴染み易く、本来ならば比較的粉吹きのないレジン泥を作製する場合には有利なはずであるが、反面、筆穂と接触させた際に穂先に密集して多量に保持されるものになり易い。その結果、筆として、前記従来使用されていた固め筆を用いたのでは、紛体の溶解に使用される液材量が不足してしまい、逆に粉吹きが生じ易くなるものであり、このため、従来の筆積み法において使用されている紛材の該BET比表面積値は0.01〜0.3m/g程度に抑えてあるのが主流である。これに対して、本発明の筆積み法用セットでは、前記構成の捌き筆を使用して、穂先に保持された粉材の溶解に使用できる液材量が多くなるように工夫してあるため、斯様な大きい比表面積値の粉材を使用しても、粉吹きの発生を良好に防止でき、その吸液量に見合った大きな径のレジン泥の玉を作製可能にできる。
本発明において上記BET比表面積値は、窒素吸着法により測定された値を言う。具体的には、非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子を23℃、2時間真空乾燥したものを被験試料とし、例えばフローソーブ2(マイクロメリティックス社製)等の窒素吸着法に基づくBET比表面積測定装置を使用することにより測定することができる。なお、係るBET比表面積値は、(メタ)アクリレート系重合体粒子を2種以上併用する場合は、個々の原料フィラーではなく、混合フィラーとしての値を言う。
なお、係るBET比表面積値は、非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子を2種以上の混合物として使用する場合は、個々の粒子の測定値ではなく、混合物としての測定値を指す。
粉材の主成分である非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子の平均粒子径(光散乱法の原理に基づく粒度分布計を使用し測定した、体積頻度表示でのメジアン径)は、特に制限されるものではないが、通常、5〜100μmの範囲であるのが一般的である。ここで、粒子の形状は球状(走査型電子顕微鏡で粒子の写真をとり、その単位視野内に観察される粒子を無作為に100個選択して求めた平均均斉度が0.8以上のもの)、不定形状或いは異形状の何れでも構わない。無論、こうした形状の粒子を単独で使用しても良いし、2種類以上併用しても良い。本発明において、前記BET比表面積値が0.5〜5.0m/gの範囲にある好適な非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子は、平均粒子径が3〜50μmの範囲の球状粒子として得られるのが一般的である。
i)粉材中において、上記非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子は、主成分として含有される。ここで、上記粉材中において主成分として含有されるとは、i)粉材の中に含まれる粒子を100とした際に、少なくとも50質量%以上、より好適には90質量%以上が該非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子で占められる状態を言う。
粉材中において、上記非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子以外で含有可能な成分としては、無機重合体粒子や、上記非架橋性(メタ)アクリレート系重合体粒子以外の有機樹脂粒子が挙げられる。
上記無機重合体粒子や、その他の有機樹脂粒子のうち、架橋されている等してii)液材に対して不溶性のものは、液材と混合してもレジン泥の粘度上昇には大きく影響せず、その重合性を高める作用はほとんどないが、歯科用硬化性材料の具体的用途に応じて、機械的強度や靭性等の物性を付与する目的で適宜に加えられる。
無機充填材の具体例としては、石英、シリカ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、シリカ−マグネシア、シリカ−カルシア、シリカ−バリウムオキサイド、シリカ−ストロンチウムオキサイド、シリカ−チタニア−ナトリウムオキサイド、シリカ−チタニア−カリウムオキサイド、シリカ−ジルコニア−ナトリウムオキサイド、シリカ−ジルコニア−カリウムオキサイド、チタニア、ジルコニア、アルミナ等が挙げられる。液材に不溶性の有機樹脂粒子の具体例としては、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリアミド類粒子、ポリエステル類粒子、ポリスチレン類粒子、シリコーン類粒子、架橋性(メタ)アクリレート系重合体粒子等が挙げられる。
これらの不溶性粒子は、ii)液材とのなじみをよくするために、その表面をPMMA、ポリエチルメタクリレート等のメタクリレート系重合体等のポリマーや、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤により表面処理したものとして用いることもできる。
非架橋(メタ)アクリレート系重合体粒子以外の非架橋性重合体粒子も、効果に大きく影響しない少量であれば配合可能である。
その他、i)粉材中には、良好な筆積み性を損なわない範囲で、重合開始剤成分、着色を目的とした従来公知の顔料類、各種重合禁止材や重合促進剤等の各種安定剤や添加材を適宜に配合することができる。

ii)(メタ)アクリレート系重合性単量体を主成分とする液材について
(メタ)アクリレート系重合性単量体は、毒性がなく、優れた理工学物性が得られることから粉液型歯科用硬化性材料の重合性単量体として汎用されている。こうした(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、23℃以上で液状のものであれば公知のものが制限なく使用できるが、具体的には、(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、歯科治療用材料の分野で公知のものを何ら制限なく用いることができる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロキシエチルプロピオネート、2−メタクリロキシエチルアセトアセテート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリルモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の単官能性のもの、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の多官能性で脂肪族系のもの;2,2−ビス((メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシフェニル)]プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン等の多官能性で芳香族系のもの;11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸及びその無水物、2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンホスフェート、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート等の酸性基を含有しているもの;等が挙げられる。これらの重合性単量体は単独または二種以上を混合して用いることができる。
また、上記(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、硬化性材料の用途に応じて、特開平10−1409号公報、特開平10−1473号公報、特開平8−113763号公報等に記載の貴金属接着性単量体として知られる非酸性の(メタ)アクリレート系単量体等も、良好に使用可能である。
これらの中でもアルキルメタアクリレート系単量体、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等を用いることが好ましい。特に、メチル(メタ)アクリレートを用いることが最適である。
ii)液材中において、上記(メタ)アクリレート系重合性単量体は、主成分として含有される。ここで、上記液材中において主成分として含有されるとは、液材中において、少なくとも50質量%以上、より好適には70質量%以上が該(メタ)アクリレート系重合性単量体で占められる状態を言う。
液材中において、上記(メタ)アクリレート系重合性単量体以外で含有可能な成分としては、代表的には、液の均一性を改善すること等を目的として配合される有機溶剤が挙げられる。この有機溶媒としては、生体に対する為害作用の少ないものが望ましく、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロパンジオール、アセトン等が好適に使用される。これら有機溶媒は、必要に応じ複数を混合して用いることも可能である。
その他、液材中には、良好な筆積み性を損なわない範囲で、必要に応じて様々な任意成分を含有させることができる。このような任意成分としては、重合開始剤成分、pH調整剤等の重合開始剤等の安定化剤、無機粒子又は有機粒子等の強度調節剤、粘度調節剤、各種塩類等が挙げられる。特に、保存安定性や環境光安定性を向上させるため、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリイブチルフェノール等の重合禁止剤を少量添加するのが好ましい。
上記したように(I)粉材および(II)液材の少なくともいずれか一方には、(メタ)アクリレート系重合性単量体の重合開始剤が配合される。重合開始剤が複数成分で構成される場合には、保存中に液材中で(メタ)アクリレート系重合性単量体の重合反応が開始されないように、これらはそれぞれの部材に分けて配合される。なお、場合によっては、該重合開始剤は、i)粉材とii)液材とは別に分包することもできる。
上記(メタ)アクリレート系重合性単量体の重合開始剤としては、化学重合開始剤及び光重合開始剤のいずれも制限なく使用できる。例えば、化学重合開始剤としては、有機過酸化物/アミン化合物、又は有機過酸化物/アミン化合物/スルフィン酸塩からなるレドックス型の重合開始剤;酸と反応して重合を開始する有機金属型の重合開始剤;及び(チオ)バルビツール酸誘導体/第二銅イオン/ハロゲン化合物からなる重合開始剤等が使用できる。
他方、光重合開始剤としては、光増感剤のみからなるもの;光増感剤/光重合促進剤からなるもの;色素/光酸発生剤/スルフィン酸塩;色素/光酸発生剤/アリールボレート塩からなるもの等が挙げられる。
これら重合開始剤類を必要に応じ各々単独で、あるいは複数を組み合わせて添加することが可能である。必要に応じて、化学重合開始剤と光重合開始剤とを併用してデュアルキュア型にすることも可能である。
本発明の(II)歯科用硬化性材料における上記重合開始剤の配合量は、ii)液材に含まれる重合性単量体が重合するのに十分な量であれば特に限定されないが、硬化体の諸物性の観点から、ii)液材に含まれる(メタ)アクリレート系重合性単量体の100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲であるのが好ましい。
以上説明した、本発明の筆積み法用セットは、歯科治療において筆積み法で使用されることが公知の粉液型硬化性材料に対して制限なく適用できる。具体的には、接着性レジンセメント;離装剤、印象剤等の義歯床用材料;仮封剤;ブリッジの作製や義歯の修復に用いる即時重合レジン等が挙げられる。前記したように粉吹きが生じ易い状態でレジン泥の玉を作製することを細い筆を使用して実現しているため、動揺歯固定や矯正用ブラケットの歯牙への接着等、口腔内で歯牙に対して使用することが多く、盛り付けの操作性の良さが特に高い要求で求められる接着性レジンセメントに対して適用するのが最も好ましい。
なお、接着性レジンセメントは、これを歯牙に盛り付けるに際して、歯質との接着性を向上させるために、酸性基を有するラジカル重合性単量体及び水を含んでなるプライマー組成物による前処理を施すことが好適である。従って、本発明の筆積み法用セットは、こうしたプライマー組成物も構成部材として加えるのが、良好な態様である。
本発明の筆積み法用セットの使用方法は、通常の筆積み法に従えば良く、具体的には、(I)筆をii)液材に接触させ濡らした後、i)粉材に接触させることで(I)筆の穂先にレジン泥の玉を作製し、これを必要によりプライマー組成物により前処理した歯面(または修復材料、或いはこれらの両方)に該レジン泥の玉を塗布し、歯面に修復材料を接触、圧接した後レジン泥を重合硬化させる方法である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例および比較例で実施した筆積み性の評価は、以下のように実施した。
・筆積み性の評価
23℃において、粉材採取凹部と液材採取凹部が各形成されてなるダッペンディッシュ(株式会社トクヤマデンタル社製マルチボンドII付属ダッペンディッシュを使用)の各凹部に、i)粉材を0.30gおよびii)液材を0.20gそれぞれ採取した。i)粉材を平らに均した後、使用する筆の筆穂について、上記液材採取凹部に採取されたii)液材に3秒間、筆穂の先端側1/2程度を浸し、筆に液材を吸液させた。その後、この液材を吸液させた穂先を、直ちに前記粉材採取凹部に採取されたi)粉材に筆の穂先を接触させた後2回左右にゆすって粉材を付着させた。次いで、該穂先を引き上げ、吸液された液材に溶解させてレジン泥の玉を作製した。
穂先に作成されたレジン泥の玉の外観を観察し、その粉吹きの状態を以下の基準で評価した。
◎:レジン泥の玉は、表面が均一で滑らかであり、未溶解の粉材は観察できず、粉吹きが全く生じていない状態のもの
○:レジン泥の玉表面には、作製当初には未溶解の粉材が確認できるものの、次第に液材と馴染み、盛り付ける時には粉吹きは生じていない状態のもの
△:レジン泥の玉表面には、薄く未溶解の粉材が確認でき、僅かに粉吹きが生じている状態のもの
×:レジン泥の玉表面には、未溶解の粉材が多量に確認でき、盛り付けようとすると該表面の粉が剥落する状態のもの

さらに、この穂先にレジン泥の玉が作成された筆について、該穂先のレジン泥の玉をガラス板上に接触させた後、穂先を引き離し、その筆離れの良さを以下のように評価した。
◎:レジン泥の玉は穂先から間単に離れる。
○:穂先を引き離そうとした当初、伸びのあるレジン泥が穂先に少し引っ張られるものの、さらに穂先を引き離すことにより、レジン泥の玉は穂先から良好に離れる。
×1:レジン泥の玉が固くて、ガラス板に付着し難く筆離れが悪い。
×2:レジン泥の玉が緩く、穂先にまとわりついてしまい、筆離れが悪い。

また、上記実施例および比較例において、筆積み性の評価に使用した筆は、以下の表1に示した性状のものである。
Figure 2010213949
さらに、上記実施例および比較例において、接着性レジンセメントのi)粉材として使用したのは以下の表2に示したものである。
Figure 2010213949
実施例1〜12、比較例1〜6
接着性レジンセメントのii)液材として、
・メチルメタクリレート 79.9質量部
・1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)2,2,4−トリメチルヘキサンと1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)2,4,4−トリメチルヘキサンの混合物 12質量部
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5質量部
・テトラフェニルホウ素トリエタノールアミン塩(重合開始剤) 3質量部
のPhBTEOA
・ジブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 0.1質量部
の組成からなる硬化性組成物を調整した。
このii)液材と表3に示したi)粉材とからなる粉液型接着性レジンセメントについて、表3に示した筆を用いて筆積み法の評価を行った。結果を表4に併せて示した。
Figure 2010213949

Claims (6)

  1. (I)筆穂部の根元径が0.5〜2.5mmであり、吸液量が3〜50mgである捌き筆と
    (II)i)非架橋の(メタ)アクリレート系重合体粒子を主成分とする粉材、及びii)(メタ)アクリレート系重合性単量体を主成分とする液材からなる粉液型歯科用硬化性材料
    とを組合せてなる粉液型歯科用硬化性材料の筆積み法用セット。
  2. (I)捌き筆における筆穂部を形成する筆毛として、先端がクリンプした毛を含んでなる請求項1に記載の粉液型歯科用硬化性材料の筆積み法用セット。
  3. (I)捌き筆における筆穂部を形成する筆毛として、先端が先細り形状の毛を含んでなる請求項1に記載の粉液型歯科用硬化性材料の筆積み法用セット。
  4. (I)捌き筆における筆穂部を形成する筆毛として、先端がクリンプした毛と先端が先細り形状の毛との混毛である請求項1に記載の粉液型歯科用硬化性材料の筆積み法用セット。
  5. (II)粉液型歯科用硬化性材料におけるi)粉材を主成分である(メタ)アクリレート系重合体粒子のBET比表面積値が0.5〜5.0m/gである請求項1〜4のいずれか一項に記載の粉液型歯科用硬化性材料の筆積み法用セット。
  6. (II)粉液型歯科用硬化性材料におけるii)粉材の主成分である(メタ)アクリレート系樹脂粒子が、ポリメチルメタクリレートである請求項1〜5のいずれか一項に記載の粉液型歯科用硬化性材料の筆積み法用セット。
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