JP2004105871A - 液体塗布具 - Google Patents
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Abstract
【課題】保持した液体の筆穂への供給を調節でき、かつ、筆穂全体に浸透させやすい液体塗布具を提供する。
【解決手段】液体塗布具1は、液体10の保持部2と筆部4とを有する。保持部2に設けた一時保持部3から筆部4の筆穂5にかけて中空の針状ノズル6を配置し、その基端側開口6aを一時保持部3内に設けるとともに、先端側開口6bを筆穂5の外側に接する位置に設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】液体塗布具1は、液体10の保持部2と筆部4とを有する。保持部2に設けた一時保持部3から筆部4の筆穂5にかけて中空の針状ノズル6を配置し、その基端側開口6aを一時保持部3内に設けるとともに、先端側開口6bを筆穂5の外側に接する位置に設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
請求項の発明は、歯科治療においてアクリリックレジンを筆盛するとき等に、筆穂に適量の液体を浸透させて使用する液体塗布具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯科治療において、テンポラリー(仮の歯)に使うアクリリックレジンは次のような手順で作られている。
▲1▼ ダッペングラスと呼ばれるガラス容器二つに、アクリル系液材とアクリル系粉材とをそれぞれ入れる。
▲2▼ 筆に液材を含ませてから、その筆先に粉材を付着させる。
▲3▼ 液材が粉材に浸透し、アクリリックレジンが筆先に盛り上がる。
【0003】
この方法では、保存容器に入れたアクリル系液材をあらかじめスポイトでダッペングラスに移しておく必要があり、手間と時間がかかっていた。また、ダッペングラスに残った液材は保存容器に戻さずに破棄するため、無駄が多かった。
【0004】
いわゆる筆ペンのように筆の中に液材が保持されていると、上記の手間や無駄は解消できる。そのような筆の一例として、下記文献に記載の考案がある。図4に示すその考案の液体塗布器1’は、はんだ付けのフラックス液などを塗布するためのもので、液体10’を収納する容器2’と、容器2’の先端に取り付けられた塗布部材(筆穂)5’と、容器2’の液体10’を塗布部材5’の中心に供給する針状ノズル6’とで構成されている。塗布器1’を逆さにすると、容器2’に収納された液体10’が針状ノズル6’を通過して容器先端の塗布部材5’に浸透する。容器2’は収納するフラックス液10’にて溶解しないポリ塩化ビニル等の合成樹脂材料で形成されている。
【特許文献1】実願平2−53167号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の塗布器(図4)では、針状ノズルの先端が塗布部材の中心に配置されているので、どのくらいの量の液体が塗布部材に浸透したかを確認することが困難であるほか、塗布部材の外側にまで液体が浸透するのに時間がかかるという不都合がある。また、塗布部材を下に向けているとき液体が針状ノズルを通過するのを止める機能が備わっていないので、使用中に必要量以上の液体が塗布部材に浸透してぼた漏れする恐れがある。
【0006】
請求項の発明は、保持した液体の筆穂への供給を調節でき、かつ、筆穂全体に液体を浸透させやすい液体塗布具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の液体塗布具は、液体の保持部と筆穂とを有する液体塗布具において、保持部から筆穂にかけて中空の針状ノズルを配置し、その針状ノズルの基端側開口を保持部内に設けるとともに先端側開口を筆穂の外側に接する位置に設けたことを特徴とする。
【0008】
この液体塗布具によれば、保持部の側面を押さえたり後端側から何らかの操作をしたりして保持部内の液体に圧力を加えれば、その液体を、針状ノズルを介して筆穂に供給できる。ノズルの先端側開口が筆穂の外側に配置されているので、ノズルから吐出する液体を見ながら圧力を加減して、液体の吐出量を容易に調節することができる。
とくに、使用の際、液体塗布具を鉛筆のように傾けたうえノズルの先端側開口が筆穂の上側に位置するように持つと、保持部から供給された液体が筆穂全体に浸透しやすいうえ、その塗布具の使用者が、ノズルの先端側開口からの液体の吐出状態をよく観察できる。したがって、この塗布具を、適量の液体が筆穂の全体に浸透した最適の状態で使用できることになる。
【0009】
請求項2に記載の液体塗布具はさらに、上記の保持部のうちに、液体の一部を空気とともに一時貯留する一時保持部を設け、その一時保持部から筆穂にかけて上記のとおり針状ノズルを配置したことを特徴とする。
【0010】
この液体塗布具では、十分な量の液体を保持部に収容しておき、そのうち必要な量の液体だけを一時保持部に移すことができる。したがって、液体を保存容器から取り分ける手間と時間を省けるとともに、必要以上に液体がノズルから吐出されることがなくなり液体の消費量を減らすことができる。
【0011】
請求項3に記載の液体塗布具のように、使用時において基端側開口が一時保持部の下隅に位置するとともに先端側開口が筆穂の上側に位置し得るように、上記の針状ノズルを配置するのが好ましい。
【0012】
一時保持部に移した液体が少量でも、使用するときには、液体塗布具を傾けるので液体は一時保持部の下隅に溜まり、したがってノズルの基端側開口が液体に浸かる(図2(a)の例を参照)。そのため、保持部を押さえることなどにより液体を筆穂に供給できる。上記のように、こうして供給される液体は筆穂の上側にあるノズルの先端側開口から出るので、液体を見ながら供給量を適切に加減することが可能である。
その一方、液体塗布具を軸心回りに180°ほど回転させると、ノズルの基端側開口が液体から露出する(図2(b)の例を参照)ので、保持部を押さえたりしても液体はノズルに流入しない。したがって、液体塗布具を回転させるという簡単な操作によって液体の吐出/停止の切り換えを行うことができる。つまりこの液体塗布具は、液体の吐出量の調整が容易であるうえ、間違って保持部を押さえたりしても液体が筆穂に供給されないようにして、液体のぼた漏れ等を避けることができる。
【0013】
さらに、請求項4に記載の液体塗布具のように、筆穂の基部から保持部(一時保持部がある場合にはそれを含む)にかけての部分を「く」の字状に屈曲させ、針状ノズルの先端側開口を屈曲の外側(180°以上の角度をはさむ側)に位置させると、なおよい。
【0014】
こうした液体塗布具では、使用時に、ノズルの基端側開口が液体に浸かる向きになるようにして鉛筆のように液体塗布具を持つと、筆穂は保持部の傾きよりさらに下向きに(つまり鉛直に近い角度に)傾斜するので、重力の作用で液体が筆穂に流れやすい。保持部の角度を変えずに液体塗布具を回し、その回転角度が180゜前後になると筆穂の傾きは水平に近くなる。こうして液体塗布具を回転させることにより、ノズルの基端側開口が液体から露出するうえノズル内の液体が(重力の作用によっては)筆穂に流れにくくなるので、保持部への押圧力を加減することと合わせて筆穂への液体の供給量をとくに容易に微調整できることとなる。
【0015】
請求項5に記載の液体塗布具はさらに、上記の筆穂とその取付け部材とを含む筆部を、保持部に対して取付けおよび取外しの可能なものにしたことを特徴とする。
【0016】
このような液体塗布具によれば、筆穂や取付け部材を含む筆部を保持部から取り外したうえ、滅菌消毒することができる。したがって、歯科治療用などとしても衛生的に使用することが可能である。筆穂が消耗したとき保持部をそのままにして筆部のみを新しいものに交換することや、用途に応じて筆部を付け替えて使用することなども可能になり、使い勝手がよくなる。
【0017】
請求項6に記載の液体塗布具はさらに、弾性をもって膨らんだ袋状の部分を保持部に含めたことを特徴とする。
【0018】
弾性をもって膨らんだ袋状の部分は、それを指で押さえて容積を減らしたうえその指を離すと、自らの弾性に基づき元通り膨らもうとして内容積を拡大する。したがって、いわゆるスポイトのように液体を吸入する作用が発揮され、この塗布具によれば、必要な液体を保持部内に入れる作業が簡単に行える。
【0019】
請求項7に記載の液体塗布具は、とくに、歯科治療用のアクリル系液材を保持部に保持し、その液材を筆穂に浸透させたうえ筆穂の先端にアクリル系粉材を付着させてアクリリックレジンを盛り上げるために用いるものであることをも特徴とする。
【0020】
発明による液体塗布具を、このように歯科治療におけるアクリリックレジンの筆盛に用いると、アクリル系液材を保存容器からダッペングラス(ガラス容器)に取り分ける手間と時間を省くことができるので、治療がスムースに進行する。また、保持部や一時保持部に収容した液材は、ダッペングラスに取り分けた場合と異なり他のものに触れず、揮発もしないので、使い切ることができて液材の消費量を減らすことができる。
筆穂に吐出される液材が見えるので、ぼた漏れが生じないよう適量の液材を筆穂に浸透させ得ることや、塗布具を適宜に回転させて持つことで液体の吐出/停止の切り換えを行えること、または筆部を滅菌消毒できることなど、歯科治療にとくに好適な作用も発揮されて好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
発明による液体塗布具の実施の形態を図1・2に基づいて説明する。
図1は、歯科治療用のアクリリックレジンを筆盛するための液体塗布具1の縦断面図である。液体塗布具1は、液材10(アクリル系モノマー)を収容する保持部2の先端側に一時保持部3が設けられ、一時保持部3から筆部4の筆穂5にかけて中空の針状ノズル6が配置されている。
【0022】
保持部2の先端部内側と一時保持部3の後端部外側には、両者を連結するためのねじ部が形成されている。また、保持部2の先端と一時保持部3の後端には、中栓12・13がそれぞれ取付けられている。中栓13の中心から突出して設けられた供給管13aは、中栓12の中心の貫通孔12aに挿入可能で、保持部2と一時保持部3を連結したとき中栓12・13同士が重なる。したがって、保持部2と一時保持部3は、中栓13(供給管13aを含む)の中心部にあけられた供給路13bでのみ連通することになる。
【0023】
液体塗布具1には、液材10に溶けない材料を用いる必要がある。そのような材料として、たとえば、ブチルゴムなどのゴム、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂やステンレススチールなどの金属が適当である。本例の保持部2と一時保持部3には、液材10が見やすいように透明性のある材料が好ましいとして、ポリエチレンを選択した。
【0024】
筆部4の筆穂5は、繊維状の筆毛を束ねたもので、針状ノズル6とともに円筒状の取付け部材7に支持されている。筆穂5は、アクリリックレジンの筆離れがよい鼬(イタチ)の毛(または馬、豚、狸などの天然筆毛)を用いているが、液材10に溶けない合成樹脂の筆毛(ナイロン繊維、ポリエチレン系繊維)でもよく、また、天然筆毛と上記の合成樹脂筆毛との混合筆毛でもよい。
【0025】
取付け部材7は、繰返し使用する場合、後述する135℃での滅菌消毒を考慮して、金属、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル酸樹脂、ポリプロピレンなどを材料とするのがよい。一時保持部3の先端部に接する取付け部材7の外周部には、環状に2本の溝が形成されてそれぞれOリング9がはめられている。したがって、取付け部材7は一時保持部3に対して取外し可能に挿入でき、また液材10が針状ノズル6以外の個所から筆穂5に漏れることがない。
【0026】
針状ノズル6は、太さが約0.5mmのステンレススチール管である。φ23Gの注射針(外径0.63mm、内径0.33mm)を転用して用いることもできる。この針状ノズル6は、基端側において取付け部材7の後端面に沿って横断するように曲げられ、基端側開口6aが一時保持部3の隅に位置している。針状ノズル6の先端側開口6bは、取付け部材7の先端から露出して、筆穂5の外側に接する位置に配置されている。
【0027】
針状ノズル6をこのように曲げることにより、図2(a)のように、液体塗布具1を鉛筆のように傾けて持ったとき、少量の液材10にも基端側開口6aを浸けることができる。また、図2(b)のように、液体塗布具1を回して基端側開口6aの向きを変えると、基端側開口6aを液材10から露出させることができる。図2(a)の状態では、保持部2の側面を押圧することにより針状ノズル6を通して液材10を筆穂5上に吐出させることができ、しかもその吐出の状態をよく観察できる。一方、図2(b)の状態では、保持部2を押圧しても液材10が吐出することはない。すなわち、液体塗布具1は、これを持ったまま回したり押さえたりするだけで、液材10の筆穂5への吐出量を容易に調節できる。
【0028】
ここで、上記の構成による液体塗布具1を、歯科治療の手段としてアクリリックレジンの筆盛に用いることにつき、実施の形態を説明する。
▲1▼ 液体塗布具1(図1)の保持部2を外し、アクリリックレジンの材料となる液材(アクリル系モノマー)10を保持部2に入れて、再び保持部2を一時保持部3と連結する。鉛筆を持つように30〜45゜傾けて液体塗布具1を持ち、保持部2の側面を押さえて、必要量の液材10を保持部2から供給路13bを通して一時保持部3に移動させる。
【0029】
▲2▼ 図2(a)のように、針状ノズル6の基端側開口6aが一時保持部3内の液材10に浸かるように保持部2を持ち、再び側面を押さえて液材10を針状ノズル6から筆穂5に吐出させる。先端側開口6bから出る液材10を見ることができるので、保持部2の押さえ方を加減したり、図2(b)のように、液体塗布具2を回して基端側開口6aの位置や筆部4の角度を変えたりすることにより、液材10の吐出量を調節する。
【0030】
▲3▼ 筆穂5の先端を、あらかじめダッペングラスに入れておいたアクリル系粉材11(アクリリックレジンのもう一つの材料)に差し込み、粉材11を付着させる。粉材11に液材10が浸透すると、重合によりアクリリックレジンが筆先に盛り上がる。それを、テンポラリーとして患者の歯に付ける。
【0031】
▲4▼ 使用後は、筆穂5をよく拭いてキャップ8をしておくと筆穂5が固まらない。液材10の揮発を防ぐこともできて経済的である。筆部4を一時保持部3から抜き取って、代わりにそこに密閉用のキャップをはめ付けるのもよい。抜き取った筆部4は、オートクレーブ(135℃の高圧蒸気による滅菌器)に入れて滅菌消毒するのがよい。
【0032】
図3には、図1・図2の液体塗布具1とは一部が相違する液体塗布具21を示す。この液体塗布具21は、液体の一時保持部や針状ノズルをもつ点を含めて塗布具1とほぼ同じ構成を有するが、下記の二点においてそれと相違する。すなわち、筆穂5の基部(筆部4)から保持部2にかけての部分が屈曲しないで直線状に延びている点、および、保持部2の後端に内部の膨らんだ袋状の部分22を設けた点である。袋状の部分22は保持部2と一体に、前記したポリエチレン等の樹脂にて形成したので、一たん内容積を小さくしても、弾性的に元通りに膨らもうとする。そのため、保持部2内に新たに液体を入れるためには、まず保持部2を外し、袋状の部分22を指等で押さえた状態で保持部2の先端開口を別の容器の液体中に漬け、そこで指を離せばよい。そうすれば、袋状の部分22が膨らむのに連れて保持部2内に液体が吸入される。
【0033】
なお、図1の液体塗布具1や図3の液体塗布具21は、上述したアクリリックレジンの筆盛に使用するほか、以下のような用途にも適用できる。用途に応じ、保持部2に入れる液材10を変えたり筆穂5を交換すればよい。
【0034】
まず、歯科治療領域でアクリリックレジンのモノマーを保持部2に入れて使用するものとして、つぎのような用途がある。
1) 歯冠形成後にアクリリックレジンを用いて仮の歯を作る
2) アクリリックレジンの入れ歯を作製または修理する
3) アクリリックレジンの人工歯を義歯に装着する
歯科治療領域でジュラシールなどレジン系仮封材のモノマーを保持部2に入れて使用するものとしては、
4) カリエス治療で虫歯を治療するときに、窩洞形成後の仮充填をする
【0035】
歯科技工領域および工業領域で石膏分離材を保持部2に入れて使用するものとして、つぎのような用途が考えられる。
5) 石膏同士が技工作業上付着しないように塗布する
歯科技工領域および工業領域でレジン分離材を保持部2に入れて使用するものとしては、
6) アクリリックレジン義歯の作成時に石膏模型と接着しないように塗布する
7) アクリリックレジンで作製する仮歯と石膏模型が接着しないように塗布する
8) 審美修復物の一種であるコンポジットレジン系のインレー、クラウンの製作時に石膏などで作製された歯形モデルに分離材を塗布する
歯科技工領域および工業領域でワックス分離材を保持部2に入れて使用するものとして、
9) 石膏やその他材質で作られた作業模型とワックスアップ用のワックスが分離するように塗布する
【0036】
美容領域で使用するものとして、
10) ネイルアートでアクリリックレジンを付け爪する
さらに、その他の領域で使用するものとして、つぎのような用途もある。
11) モデルアートの領域でアクリリックレジンなどを用いてジオラマを作成する
12) プラモデルを、アクリリックレジンなどを用いて改造する
13) 接着剤を保持部2に入れてプラモデルを作成する
14) アクリル板などの接着剤を保持部2に入れて使用する
15) 筆で塗布が可能な接着剤を保持部2に入れて使用する
16) 障子のりや通常ののりを保持部2に入れて使用する
17) 樹脂製品を筆盛にて修理・作製する
【0037】
【発明の効果】
請求項1の液体塗布具によれば、筆穂への液体の吐出量を調節しやすく、しかも液体が筆穂全体に浸透するので最適の状態でその塗布具を使用できる。
請求項2の液体塗布具によれば、液体の消費量を減らすことができる。
請求項3の液体塗布具によれば、液体塗布具を回転させることにより液体の筆穂への吐出量を調節でき、使用中のぼた漏れを防げる利点もある。
【0038】
請求項4の液体塗布具によれば、液体の筆穂への吐出量をさらに調整しやすくなる。
請求項5の液体塗布具によれば、筆穂を含む筆部を滅菌消毒したり、用途等に応じて筆部を交換したりすることができる。
請求項6の液体塗布具によれば、液体を保持部に入れる作業を簡単に行える。
請求項7の液体塗布具によれば、アクリリックレジンを用いた歯科治療をスムースに行える。液材の消費量を減らせるメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発明による液体塗布具について実施の一形態を示す縦断面図である。図1(a)は全体について示し、同(b)は一部を詳細に示す。
【図2】図2(a)は、液体塗布具において筆穂に液材を吐出している状態を示す図であり、同(b)は、吐出を止めている状態を示す図である。
【図3】図3は、発明による液体塗布具について他の形態を示す縦断面図である。
【図4】図4は、従来の液体塗布器を示す分解断面図である。
【符号の説明】
1 液体塗布具
2 保持部
3 一時保持部
4 筆部
5 筆穂
6 針状ノズル
7 取付け部材
8 キャップ
10 液材
11 粉材
12 中栓
13 中栓
【産業上の利用分野】
請求項の発明は、歯科治療においてアクリリックレジンを筆盛するとき等に、筆穂に適量の液体を浸透させて使用する液体塗布具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯科治療において、テンポラリー(仮の歯)に使うアクリリックレジンは次のような手順で作られている。
▲1▼ ダッペングラスと呼ばれるガラス容器二つに、アクリル系液材とアクリル系粉材とをそれぞれ入れる。
▲2▼ 筆に液材を含ませてから、その筆先に粉材を付着させる。
▲3▼ 液材が粉材に浸透し、アクリリックレジンが筆先に盛り上がる。
【0003】
この方法では、保存容器に入れたアクリル系液材をあらかじめスポイトでダッペングラスに移しておく必要があり、手間と時間がかかっていた。また、ダッペングラスに残った液材は保存容器に戻さずに破棄するため、無駄が多かった。
【0004】
いわゆる筆ペンのように筆の中に液材が保持されていると、上記の手間や無駄は解消できる。そのような筆の一例として、下記文献に記載の考案がある。図4に示すその考案の液体塗布器1’は、はんだ付けのフラックス液などを塗布するためのもので、液体10’を収納する容器2’と、容器2’の先端に取り付けられた塗布部材(筆穂)5’と、容器2’の液体10’を塗布部材5’の中心に供給する針状ノズル6’とで構成されている。塗布器1’を逆さにすると、容器2’に収納された液体10’が針状ノズル6’を通過して容器先端の塗布部材5’に浸透する。容器2’は収納するフラックス液10’にて溶解しないポリ塩化ビニル等の合成樹脂材料で形成されている。
【特許文献1】実願平2−53167号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の塗布器(図4)では、針状ノズルの先端が塗布部材の中心に配置されているので、どのくらいの量の液体が塗布部材に浸透したかを確認することが困難であるほか、塗布部材の外側にまで液体が浸透するのに時間がかかるという不都合がある。また、塗布部材を下に向けているとき液体が針状ノズルを通過するのを止める機能が備わっていないので、使用中に必要量以上の液体が塗布部材に浸透してぼた漏れする恐れがある。
【0006】
請求項の発明は、保持した液体の筆穂への供給を調節でき、かつ、筆穂全体に液体を浸透させやすい液体塗布具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の液体塗布具は、液体の保持部と筆穂とを有する液体塗布具において、保持部から筆穂にかけて中空の針状ノズルを配置し、その針状ノズルの基端側開口を保持部内に設けるとともに先端側開口を筆穂の外側に接する位置に設けたことを特徴とする。
【0008】
この液体塗布具によれば、保持部の側面を押さえたり後端側から何らかの操作をしたりして保持部内の液体に圧力を加えれば、その液体を、針状ノズルを介して筆穂に供給できる。ノズルの先端側開口が筆穂の外側に配置されているので、ノズルから吐出する液体を見ながら圧力を加減して、液体の吐出量を容易に調節することができる。
とくに、使用の際、液体塗布具を鉛筆のように傾けたうえノズルの先端側開口が筆穂の上側に位置するように持つと、保持部から供給された液体が筆穂全体に浸透しやすいうえ、その塗布具の使用者が、ノズルの先端側開口からの液体の吐出状態をよく観察できる。したがって、この塗布具を、適量の液体が筆穂の全体に浸透した最適の状態で使用できることになる。
【0009】
請求項2に記載の液体塗布具はさらに、上記の保持部のうちに、液体の一部を空気とともに一時貯留する一時保持部を設け、その一時保持部から筆穂にかけて上記のとおり針状ノズルを配置したことを特徴とする。
【0010】
この液体塗布具では、十分な量の液体を保持部に収容しておき、そのうち必要な量の液体だけを一時保持部に移すことができる。したがって、液体を保存容器から取り分ける手間と時間を省けるとともに、必要以上に液体がノズルから吐出されることがなくなり液体の消費量を減らすことができる。
【0011】
請求項3に記載の液体塗布具のように、使用時において基端側開口が一時保持部の下隅に位置するとともに先端側開口が筆穂の上側に位置し得るように、上記の針状ノズルを配置するのが好ましい。
【0012】
一時保持部に移した液体が少量でも、使用するときには、液体塗布具を傾けるので液体は一時保持部の下隅に溜まり、したがってノズルの基端側開口が液体に浸かる(図2(a)の例を参照)。そのため、保持部を押さえることなどにより液体を筆穂に供給できる。上記のように、こうして供給される液体は筆穂の上側にあるノズルの先端側開口から出るので、液体を見ながら供給量を適切に加減することが可能である。
その一方、液体塗布具を軸心回りに180°ほど回転させると、ノズルの基端側開口が液体から露出する(図2(b)の例を参照)ので、保持部を押さえたりしても液体はノズルに流入しない。したがって、液体塗布具を回転させるという簡単な操作によって液体の吐出/停止の切り換えを行うことができる。つまりこの液体塗布具は、液体の吐出量の調整が容易であるうえ、間違って保持部を押さえたりしても液体が筆穂に供給されないようにして、液体のぼた漏れ等を避けることができる。
【0013】
さらに、請求項4に記載の液体塗布具のように、筆穂の基部から保持部(一時保持部がある場合にはそれを含む)にかけての部分を「く」の字状に屈曲させ、針状ノズルの先端側開口を屈曲の外側(180°以上の角度をはさむ側)に位置させると、なおよい。
【0014】
こうした液体塗布具では、使用時に、ノズルの基端側開口が液体に浸かる向きになるようにして鉛筆のように液体塗布具を持つと、筆穂は保持部の傾きよりさらに下向きに(つまり鉛直に近い角度に)傾斜するので、重力の作用で液体が筆穂に流れやすい。保持部の角度を変えずに液体塗布具を回し、その回転角度が180゜前後になると筆穂の傾きは水平に近くなる。こうして液体塗布具を回転させることにより、ノズルの基端側開口が液体から露出するうえノズル内の液体が(重力の作用によっては)筆穂に流れにくくなるので、保持部への押圧力を加減することと合わせて筆穂への液体の供給量をとくに容易に微調整できることとなる。
【0015】
請求項5に記載の液体塗布具はさらに、上記の筆穂とその取付け部材とを含む筆部を、保持部に対して取付けおよび取外しの可能なものにしたことを特徴とする。
【0016】
このような液体塗布具によれば、筆穂や取付け部材を含む筆部を保持部から取り外したうえ、滅菌消毒することができる。したがって、歯科治療用などとしても衛生的に使用することが可能である。筆穂が消耗したとき保持部をそのままにして筆部のみを新しいものに交換することや、用途に応じて筆部を付け替えて使用することなども可能になり、使い勝手がよくなる。
【0017】
請求項6に記載の液体塗布具はさらに、弾性をもって膨らんだ袋状の部分を保持部に含めたことを特徴とする。
【0018】
弾性をもって膨らんだ袋状の部分は、それを指で押さえて容積を減らしたうえその指を離すと、自らの弾性に基づき元通り膨らもうとして内容積を拡大する。したがって、いわゆるスポイトのように液体を吸入する作用が発揮され、この塗布具によれば、必要な液体を保持部内に入れる作業が簡単に行える。
【0019】
請求項7に記載の液体塗布具は、とくに、歯科治療用のアクリル系液材を保持部に保持し、その液材を筆穂に浸透させたうえ筆穂の先端にアクリル系粉材を付着させてアクリリックレジンを盛り上げるために用いるものであることをも特徴とする。
【0020】
発明による液体塗布具を、このように歯科治療におけるアクリリックレジンの筆盛に用いると、アクリル系液材を保存容器からダッペングラス(ガラス容器)に取り分ける手間と時間を省くことができるので、治療がスムースに進行する。また、保持部や一時保持部に収容した液材は、ダッペングラスに取り分けた場合と異なり他のものに触れず、揮発もしないので、使い切ることができて液材の消費量を減らすことができる。
筆穂に吐出される液材が見えるので、ぼた漏れが生じないよう適量の液材を筆穂に浸透させ得ることや、塗布具を適宜に回転させて持つことで液体の吐出/停止の切り換えを行えること、または筆部を滅菌消毒できることなど、歯科治療にとくに好適な作用も発揮されて好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
発明による液体塗布具の実施の形態を図1・2に基づいて説明する。
図1は、歯科治療用のアクリリックレジンを筆盛するための液体塗布具1の縦断面図である。液体塗布具1は、液材10(アクリル系モノマー)を収容する保持部2の先端側に一時保持部3が設けられ、一時保持部3から筆部4の筆穂5にかけて中空の針状ノズル6が配置されている。
【0022】
保持部2の先端部内側と一時保持部3の後端部外側には、両者を連結するためのねじ部が形成されている。また、保持部2の先端と一時保持部3の後端には、中栓12・13がそれぞれ取付けられている。中栓13の中心から突出して設けられた供給管13aは、中栓12の中心の貫通孔12aに挿入可能で、保持部2と一時保持部3を連結したとき中栓12・13同士が重なる。したがって、保持部2と一時保持部3は、中栓13(供給管13aを含む)の中心部にあけられた供給路13bでのみ連通することになる。
【0023】
液体塗布具1には、液材10に溶けない材料を用いる必要がある。そのような材料として、たとえば、ブチルゴムなどのゴム、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂やステンレススチールなどの金属が適当である。本例の保持部2と一時保持部3には、液材10が見やすいように透明性のある材料が好ましいとして、ポリエチレンを選択した。
【0024】
筆部4の筆穂5は、繊維状の筆毛を束ねたもので、針状ノズル6とともに円筒状の取付け部材7に支持されている。筆穂5は、アクリリックレジンの筆離れがよい鼬(イタチ)の毛(または馬、豚、狸などの天然筆毛)を用いているが、液材10に溶けない合成樹脂の筆毛(ナイロン繊維、ポリエチレン系繊維)でもよく、また、天然筆毛と上記の合成樹脂筆毛との混合筆毛でもよい。
【0025】
取付け部材7は、繰返し使用する場合、後述する135℃での滅菌消毒を考慮して、金属、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル酸樹脂、ポリプロピレンなどを材料とするのがよい。一時保持部3の先端部に接する取付け部材7の外周部には、環状に2本の溝が形成されてそれぞれOリング9がはめられている。したがって、取付け部材7は一時保持部3に対して取外し可能に挿入でき、また液材10が針状ノズル6以外の個所から筆穂5に漏れることがない。
【0026】
針状ノズル6は、太さが約0.5mmのステンレススチール管である。φ23Gの注射針(外径0.63mm、内径0.33mm)を転用して用いることもできる。この針状ノズル6は、基端側において取付け部材7の後端面に沿って横断するように曲げられ、基端側開口6aが一時保持部3の隅に位置している。針状ノズル6の先端側開口6bは、取付け部材7の先端から露出して、筆穂5の外側に接する位置に配置されている。
【0027】
針状ノズル6をこのように曲げることにより、図2(a)のように、液体塗布具1を鉛筆のように傾けて持ったとき、少量の液材10にも基端側開口6aを浸けることができる。また、図2(b)のように、液体塗布具1を回して基端側開口6aの向きを変えると、基端側開口6aを液材10から露出させることができる。図2(a)の状態では、保持部2の側面を押圧することにより針状ノズル6を通して液材10を筆穂5上に吐出させることができ、しかもその吐出の状態をよく観察できる。一方、図2(b)の状態では、保持部2を押圧しても液材10が吐出することはない。すなわち、液体塗布具1は、これを持ったまま回したり押さえたりするだけで、液材10の筆穂5への吐出量を容易に調節できる。
【0028】
ここで、上記の構成による液体塗布具1を、歯科治療の手段としてアクリリックレジンの筆盛に用いることにつき、実施の形態を説明する。
▲1▼ 液体塗布具1(図1)の保持部2を外し、アクリリックレジンの材料となる液材(アクリル系モノマー)10を保持部2に入れて、再び保持部2を一時保持部3と連結する。鉛筆を持つように30〜45゜傾けて液体塗布具1を持ち、保持部2の側面を押さえて、必要量の液材10を保持部2から供給路13bを通して一時保持部3に移動させる。
【0029】
▲2▼ 図2(a)のように、針状ノズル6の基端側開口6aが一時保持部3内の液材10に浸かるように保持部2を持ち、再び側面を押さえて液材10を針状ノズル6から筆穂5に吐出させる。先端側開口6bから出る液材10を見ることができるので、保持部2の押さえ方を加減したり、図2(b)のように、液体塗布具2を回して基端側開口6aの位置や筆部4の角度を変えたりすることにより、液材10の吐出量を調節する。
【0030】
▲3▼ 筆穂5の先端を、あらかじめダッペングラスに入れておいたアクリル系粉材11(アクリリックレジンのもう一つの材料)に差し込み、粉材11を付着させる。粉材11に液材10が浸透すると、重合によりアクリリックレジンが筆先に盛り上がる。それを、テンポラリーとして患者の歯に付ける。
【0031】
▲4▼ 使用後は、筆穂5をよく拭いてキャップ8をしておくと筆穂5が固まらない。液材10の揮発を防ぐこともできて経済的である。筆部4を一時保持部3から抜き取って、代わりにそこに密閉用のキャップをはめ付けるのもよい。抜き取った筆部4は、オートクレーブ(135℃の高圧蒸気による滅菌器)に入れて滅菌消毒するのがよい。
【0032】
図3には、図1・図2の液体塗布具1とは一部が相違する液体塗布具21を示す。この液体塗布具21は、液体の一時保持部や針状ノズルをもつ点を含めて塗布具1とほぼ同じ構成を有するが、下記の二点においてそれと相違する。すなわち、筆穂5の基部(筆部4)から保持部2にかけての部分が屈曲しないで直線状に延びている点、および、保持部2の後端に内部の膨らんだ袋状の部分22を設けた点である。袋状の部分22は保持部2と一体に、前記したポリエチレン等の樹脂にて形成したので、一たん内容積を小さくしても、弾性的に元通りに膨らもうとする。そのため、保持部2内に新たに液体を入れるためには、まず保持部2を外し、袋状の部分22を指等で押さえた状態で保持部2の先端開口を別の容器の液体中に漬け、そこで指を離せばよい。そうすれば、袋状の部分22が膨らむのに連れて保持部2内に液体が吸入される。
【0033】
なお、図1の液体塗布具1や図3の液体塗布具21は、上述したアクリリックレジンの筆盛に使用するほか、以下のような用途にも適用できる。用途に応じ、保持部2に入れる液材10を変えたり筆穂5を交換すればよい。
【0034】
まず、歯科治療領域でアクリリックレジンのモノマーを保持部2に入れて使用するものとして、つぎのような用途がある。
1) 歯冠形成後にアクリリックレジンを用いて仮の歯を作る
2) アクリリックレジンの入れ歯を作製または修理する
3) アクリリックレジンの人工歯を義歯に装着する
歯科治療領域でジュラシールなどレジン系仮封材のモノマーを保持部2に入れて使用するものとしては、
4) カリエス治療で虫歯を治療するときに、窩洞形成後の仮充填をする
【0035】
歯科技工領域および工業領域で石膏分離材を保持部2に入れて使用するものとして、つぎのような用途が考えられる。
5) 石膏同士が技工作業上付着しないように塗布する
歯科技工領域および工業領域でレジン分離材を保持部2に入れて使用するものとしては、
6) アクリリックレジン義歯の作成時に石膏模型と接着しないように塗布する
7) アクリリックレジンで作製する仮歯と石膏模型が接着しないように塗布する
8) 審美修復物の一種であるコンポジットレジン系のインレー、クラウンの製作時に石膏などで作製された歯形モデルに分離材を塗布する
歯科技工領域および工業領域でワックス分離材を保持部2に入れて使用するものとして、
9) 石膏やその他材質で作られた作業模型とワックスアップ用のワックスが分離するように塗布する
【0036】
美容領域で使用するものとして、
10) ネイルアートでアクリリックレジンを付け爪する
さらに、その他の領域で使用するものとして、つぎのような用途もある。
11) モデルアートの領域でアクリリックレジンなどを用いてジオラマを作成する
12) プラモデルを、アクリリックレジンなどを用いて改造する
13) 接着剤を保持部2に入れてプラモデルを作成する
14) アクリル板などの接着剤を保持部2に入れて使用する
15) 筆で塗布が可能な接着剤を保持部2に入れて使用する
16) 障子のりや通常ののりを保持部2に入れて使用する
17) 樹脂製品を筆盛にて修理・作製する
【0037】
【発明の効果】
請求項1の液体塗布具によれば、筆穂への液体の吐出量を調節しやすく、しかも液体が筆穂全体に浸透するので最適の状態でその塗布具を使用できる。
請求項2の液体塗布具によれば、液体の消費量を減らすことができる。
請求項3の液体塗布具によれば、液体塗布具を回転させることにより液体の筆穂への吐出量を調節でき、使用中のぼた漏れを防げる利点もある。
【0038】
請求項4の液体塗布具によれば、液体の筆穂への吐出量をさらに調整しやすくなる。
請求項5の液体塗布具によれば、筆穂を含む筆部を滅菌消毒したり、用途等に応じて筆部を交換したりすることができる。
請求項6の液体塗布具によれば、液体を保持部に入れる作業を簡単に行える。
請求項7の液体塗布具によれば、アクリリックレジンを用いた歯科治療をスムースに行える。液材の消費量を減らせるメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発明による液体塗布具について実施の一形態を示す縦断面図である。図1(a)は全体について示し、同(b)は一部を詳細に示す。
【図2】図2(a)は、液体塗布具において筆穂に液材を吐出している状態を示す図であり、同(b)は、吐出を止めている状態を示す図である。
【図3】図3は、発明による液体塗布具について他の形態を示す縦断面図である。
【図4】図4は、従来の液体塗布器を示す分解断面図である。
【符号の説明】
1 液体塗布具
2 保持部
3 一時保持部
4 筆部
5 筆穂
6 針状ノズル
7 取付け部材
8 キャップ
10 液材
11 粉材
12 中栓
13 中栓
Claims (7)
- 液体の保持部と筆穂とを有する液体塗布具であって、保持部から筆穂にかけて中空の針状ノズルが配置され、その針状ノズルの基端側開口が保持部内に設けられるとともに先端側開口が筆穂の外側に接する位置に設けられていることを特徴とする液体塗布具。
- 上記の保持部のうちに、液体の一部を空気とともに一時貯留する一時保持部が設けられていて、その一時保持部から筆穂にかけて上記のとおり針状ノズルが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体塗布具。
- 使用時において、基端側開口が一時保持部の下隅に位置するとともに先端側開口が筆穂の上側に位置するように、針状ノズルが配置されていることを特徴とする請求項2に記載の液体塗布具。
- 筆穂の基部から保持部にかけての部分が「く」の字状に屈曲していて、針状ノズルの先端側開口が屈曲の外側に位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体塗布具。
- 上記の筆穂とその取付け部材とを含む筆部が、保持部に対して取付けおよび取外しの可能なものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体塗布具。
- 弾性をもって膨らんだ袋状の部分を保持部に有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体塗布具。
- 歯科治療用のアクリル系液材を保持部に保持し、その液材を筆穂に浸透させたうえ筆穂の先端にアクリル系粉材を付着させてアクリリックレジンを盛り上げるために用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体塗布具。
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