JP2010213536A - 回転電機ヨークの製造方法及び回転電機ヨーク - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ヨーク本体とマグネットとを、化学的及び物理的な結合により強固に結合することができるとともに、工程数を増加させることなくコスト上昇を回避することが可能な回転電機ヨークの製造方法及び回転電機ヨークを提供することにある。
【解決手段】回転電機ヨークSの製造方法に関する。
ヨークSは、プラスチックマグネット2と、このプラスチックマグネット2を保持するヨーク本体1とを有して構成されており、ヨーク本体1のプラスチックマグネット2との接触面11aに、プラスチックマグネット2を熱溶着により装着する熱溶着工程を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネットが保持された回転電機ヨークの製造方法及び回転電機ヨークに関するものである。
回転電機の回転力を付与するためのマグネットをヨークへ固定する方法としては、従来より、圧入法、接着法、インサート成形法等が採られている。
しかし、圧入法では、組付け工程が簡便ではあるが、高温環境下においては、クリープ変形が起き、マグネットが脱落するという問題点があった。
これに比して、接着法では、ヨークにマグネットをより強固に固定することは可能であるが、接着工程が必要となるため、工程数が増加する。
この接着工程は、接着剤を塗布する塗布工程の他、塗布した接着剤を硬化させる工程が含まれるため、時間を要することとなる。
また、接着剤を使用する必要があるため、接着剤分のコストが必要となり、製造コストが上昇するという問題点があった。
このような問題を解決するために、様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1は、インサート成形法の例である。
この特許文献1には、磁石構造体とその製造方法が開示されている。
リング形状のバックヨークには、導入用のゲート孔が形成されており、このバックヨークは、成形型内部に挿入される。
この型には、磁石形状となる環状のキャビティが形成されており(このキャビティはバックヨーク内壁と接して形成される)、ゲート孔から磁石材を射出することにより、バックヨーク内壁面に一定厚のボンド磁石が成形される。
また、特許文献2には、スピンドルモータのヨークが開示されている。
このロータヨークのフランジ部には、窓部が複数個形成されている。
また、円環形状のロータマグネットの外周部には、外側方向(中心と離隔する方向)へと突出する突出部が複数形成されている。
ロータマグネットは、その突出部を、ロータヨークに形成された窓部に嵌入されることにより、モータヨークに取付けられる。
この状態で、この突出部に熱を加えて熱溶着することにより、ロータマグネットは、ロータヨークに固定される。
特開2008−278618号公報 特開2001−339889号公報
しかし、特許文献1に記載されたようなインサート成形法によれば、図7に示すように、一般的に圧入法や接着法を使用したものに比して、型の構造によれば、余分に成形を行うこととなり(Rで示す部分)、材料費が上昇することがあるという問題点があった。
また、特許文献2に記載された技術によれば、確かに、接着剤等の特別な材料を必要とせずにモータヨークにロータマグネットを固定することができるが、ロータマグネットの突出部のみで固定された状態となるため(部分的な固着となるため)、十分な強度を有する固定を行うことができないという問題点があった。
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、ヨーク本体とマグネットとを、化学的及び物理的な結合により強固に結合することができるとともに、工程数を増加させることなくコスト上昇を回避することが可能な回転電機ヨークの製造方法及び回転電機ヨークに関するものである。
上記課題は、本発明に係る回転電機ヨークの製造方法によれば、回転電機ヨークの製造方法であって、前記ヨークは、プラスチックマグネットと、該プラスチックマグネットを保持するヨーク本体と、を有して構成されており、前記ヨーク本体の前記プラスチックマグネットとの接触面に、前記プラスチックマグネットを熱溶着により装着する熱溶着工程を行うことにより解決される。
また、上記課題は、本発明に係る回転電機ヨークによれば、プラスチックマグネットと、該プラスチックマグネットを保持するヨーク本体と、を有して構成された、回転電機ヨークであって、前記ヨーク本体の前記プラスチックマグネットとの接触面に、前記プラスチックマグネットが熱溶着により装着されていることにより解決される。
このように、本発明においては、プラスチックマグネットは、熱溶着によりヨーク本体に装着される。
このため、圧入法等に比して、プラスチックマグネットは、強固に固定され、クリープ変形が起き、マグネットが脱落するという現象を防止することができる。
また、接着法のように、接着剤を使用することがないため材料費を抑えることができるとともに、接着剤塗布工程や接着剤固化工程等の工程を行う必要がなく、工数を低減することができる。
また、従来のプラスチックマグネットのインサート成形法に比して、余分に成形を行うことがないため、材料費が上昇するという問題を回避することもできる。
更に、接触面全面でプラスチックマグネットが熱溶着されるため、十分な強度を有する固定を行うことができる。
また、請求項1に記載の発明において、前記熱溶着工程は、前記ヨーク本体を加熱する加熱工程と、前記プラスチックマグネットを、前記ヨーク本体の前記接触面に装着する組付工程と、をこの順で行い、前記組付工程では、前記プラスチックマグネットに含有された樹脂バインダーの一部が前記ヨーク本体から伝達された熱により溶融して、前記ヨーク本体の前記接触面に付着することにより、前記プラスチックマグネットが前記ヨーク本体の前記接触面に熱溶着するよう構成されていると好適である。
更に、請求項1に記載の発明において、前記溶着工程は、前記ヨーク本体の前記接触面に前記プラスチックマグネットを装着する組付工程と、前記プラスチックマグネットが装着された前記ヨーク本体を加熱する加熱工程と、をこの順で行い、前記加熱工程では、前記プラスチックマグネットに含有された樹脂バインダーの一部が前記ヨーク本体から伝達された熱により溶融して、前記ヨーク本体の前記接触面に付着することにより、前記プラスチックマグネットが前記ヨーク本体の前記接触面に熱溶着するよう構成されていると好適である。
このように、本発明においては、ヨーク本体若しくはプラスチックマグネットを装着したヨーク本体を加熱して、プラスチックマグネットに含有された樹脂バインダーを溶融してヨーク本体の接触面に付着させることにより、プラスチックマグネットをヨーク本体に熱溶着させる。
よって、加熱するのみで、容易にプラスチックマグネットをヨーク本体に確実かつ強固に固定することができ、製造コストのアップもまた回避される。
また、前記加熱工程では、前記樹脂バインダーの融点から20℃乃至150℃高い温度範囲で加熱すると好適である。
熱溶着が起こるためには、プラスチックマグネットに含有される樹脂バインダーが溶融する必要がある。
このため、樹脂バインダーの融点以上の温度で、熱欠損を考慮にいれた温度に加熱することが有効である。
更に、前記ヨーク本体は、深絞り加工により中空有底筐体状に形成され、前記接触面は前記ヨーク本体の内壁面の一部であり、前記加熱工程では、溶解した前記樹脂バインダーが、深絞り加工によって形成された前記接触面の凹部に入り込むことによって、前記プラスチックマグネットが前記接触面に熱溶着されるよう構成されていると好適である。
このように、ヨーク本体は、深絞り加工により成形されているため、接触面をミクロに観察すると、この接触面の表面には、凹凸(しわ)が形成されている。
つまり、深絞り工程においては、加工の段階で、高圧をかけることにより平板状材料をあらゆる方向に引き伸ばすため、材料の肉移動が起き、表面にはミクロに観察すると凹凸(しわ)が発生することとなる。
この状態で、プラスチックマグネットに含有される樹脂バインダーが溶融すると、樹脂バインダーが接触面の凹部に入り込むことになる。
この状態で、樹脂バインダーの融点以下に温度が低下すると、本状態を維持したまま樹脂バインダーは固化し、プラスチックマグネットが接触面に強固に溶着することとなる。
また、本発明に係る回転電機ヨークは、具体的には、前記ヨーク本体は、深絞り加工により中空有底筐体状に形成されるとともに、前記接触面は前記ヨーク本体の内壁面の一部であり、前記プラスチックマグネットに含有されたバインダーが、深絞り加工によって形成された前記接触面の凹部に入り込み熱溶着することによって、前記プラスチックマグネットが前記接触面に熱溶着されている。
このように本発明に係る回転電機ヨークは、プラスチックマグネットが熱溶着により強固に保持されており、簡易かつコスト上昇を抑えて生産することができる。
本発明によれば、プラスチックマグネットは、熱溶着によりヨーク本体に装着されるため、従来の圧入法等に比して、このプラスチックマグネットは、強固に固定され、クリープ変形が起きてマグネットが脱落するという現象が有効に回避される。
また、従来の接着法を使用したものに比して、材料費(接着剤等)低減することができるとともに、接着剤塗布工程や接着剤固化工程等の工程を削減することができ、工数を低減することができる。
また、従来のプラスチックマグネットのインサート成形法に比して、余分に成形を行うことがないため、材料費が上昇するという問題を回避することもできる。
更に、接触面全面でプラスチックマグネットが熱溶着されるため、回転電機ヨーク本体とプラスチックマグネットとを、化学的及び物理的な結合により強固に結合することができる。
本発明の一実施形態に係るヨークの製造工程を示す工程図である。 本発明の一実施形態に係るヨークの製造工程の要部を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るヨーク本体内壁面を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るマグネット固着メカニズムを示す説明図である。 圧入代に対する抜け荷重を示すグラフである。 表面粗さに対する抜け荷重を示すグラフである。 従来例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、ヨークとマグネットとを、化学的及び物理的な結合により強固に結合することができるとともに、工程数を増加させることなくコスト上昇を回避することが可能な回転電機ヨークの製造方法及び回転電機ヨークに関するものである。
図1乃至図6は、本発明の一実施形態を示すものであり、図1はヨークの製造工程を示す工程図、図2はヨークの製造工程の要部を示す説明図、図3はヨーク本体内壁面を示す模式図、図4はマグネット固着メカニズムを示す説明図、図5は圧入代に対する抜け荷重を示すグラフ、図6は表面粗さに対する抜け荷重を示すグラフである。
図1及び図2により、本実施形態に係るヨークSの製造方法を説明する。
本実施形態に係るヨークSは、ヨーク本体1と、このヨーク本体1の内壁面に固着されるマグネット2とを有して構成されている。
なお、本実施形態に係るヨークSは、モータに使用されるヨークであるが、本実施形態においては、マグネット2の固着方法及び固着構造に特徴があるため、ヨーク本体1とマグネット2とを中心に説明及び図面作成されており、微細な構造の図示及び説明は省略してある。
まず、工程1において、ヨーク本体1とマグネット2とを作成する。
この作成に順序等は関係なく、任意の時期、順序で作成される。
本実施形態に係るヨーク本体1は、有底円筒状筐体である本体部11と、この本体部11の開口端周囲に形成されたフランジ部12を有して構成されている。
このヨーク本体1は、1枚の平板材料を深絞り加工することにより、円筒状有底筐体に成形されている。
なお、説明のため、以下、本体部11の内壁側面部を「ヨーク側内壁面11a」と記す。
このヨーク側内壁面11aが、特許請求の範囲記載の「接触面」に相当する。
本実施形態に係るマグネット2は、断面円環状(リング状)の永久磁石である。
このマグネット2の外径は、ヨーク本体1を構成する本体部11の内径とほぼ同一(若干、マグネット2の外径の方が小さい)となるように構成されており、ヨーク本体1を構成する本体部11の内部にマグネット2が圧入されるようになっている。
なお、説明のため、以下、マグネット2の外側面部分を「マグネット側外壁面2a」と記す。
本実施形態においては、マグネット2として、磁性粉末と樹脂バインダーを溶解混合して断面円環状に射出成形されたプラスチックマグネットが使用されている。
磁性粉末としては、希土類系(Nd−Fe−B、Sm−Fe−N、Sm−Co等)、フェライト系(Srフェライト、Baフェライト等)等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であればどのようなものが選択されてもよい。
また樹脂バインダーは、公知のプラスチックマグネット成形用の合成樹脂が使用されており、これもまた、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であればどのようなものが選択されてもよい。
なお、本実施形態においては、ポリアミドが使用されている。
このバインダーとして使用されたポリアミド(種類「ポリアミド12」)の融点は、約180℃である。
この、ヨーク本体1及びマグネット2の入手法は特に限定されず、作成せずに、完成品を購入して使用してもよい。
次いで、工程は、ルートAとルートBとを選択することができる。
つまり、工程2においてヨーク本体1を加熱した後、工程3においてマグネット2をヨーク本体1に組付けるルートAと、工程2´においてマグネット2をヨーク本体1に組付けた後、工程3´において、マグネット2が組付けられたヨーク本体1(以下、「ヨーク半製品S´」と記す)を加熱するルートBとを選択することができる。
換言すれば、ヨーク本体1若しくはヨーク半製品S´の加熱と、マグネット2の組付けの順序は任意選択可能ということになる。
本実施形態においては、ルートAを選択した場合を説明する。
なお、加熱順序が変わるのみであるため、ルートBを選択した場合の説明は省略する。
また、工程2又は工程3´が、特許請求の範囲の「加熱工程」に相当し、工程3又は工程2´が、特許請求の範囲の「組付工程」に相当する。
図2(a)は、工程2の様子を、図2(b)は工程3の様子を、図2(c)は工程4の後ヨークSが完成した様子を示す。
図2(a)に示すように、工程2においてヨーク本体1を加熱して、ヨーク本体1の温度を上昇させる。
このときの温度は、ヨークSを構成する材料(本実施形態においては、樹脂材料が使用される)が分解しない温度であって、マグネット2を構成する樹脂バインダーの融点を超える温度が好ましい。
本実施形態においては、200℃乃至250℃に加熱している。
次いで、図2(b)に示すように、工程3において、マグネット2をヨーク本体1内部に圧入する。
このとき、ヨーク側内壁面11aとマグネット側外側面2aとは圧接する。
このように、ヨーク側内壁面11aとマグネット側外側面2aとが圧接すると、ヨーク側内壁面11aの熱がマグネット側外側面2aに伝達されるが、この伝達される熱の温度はマグネット2を構成する樹脂バインダーの融点を超えているため、マグネット側外側面2表面は溶解し、ヨーク側内壁面11aへと溶着する。
よって、マグネット2は、強固にヨーク側内壁面11aに固着することとなる。
この様子は、後に詳述する。
次いで、工程4でマグネット2が組付けられたヨーク本体1を冷却して、図2(c)に示すようにヨークSが完成する。
なお、マグネット2の内壁面側には、図示しないロータが組みつけられるとともに、その他電気的接続が成されモータが完成する。
このように製造されるため、マグネットのインサート成形を行った場合に比して、R分の材料を削減することができる(インサート成形を行った場合として、図7を参照)。
次いで、図3及び図4により、ヨーク側内壁面11aとマグネット側外側面2aとの固着状態を説明する。
前述のとおり、ヨーク本体1は、深絞り加工により成形されているため、ヨーク側内壁面11aをミクロに観察すると、このヨーク側内壁面11aの表面には、図3(a)に示すような凹凸(以下、凸部を「凸部F」と記し、凹部を「凹部G」と記す)が形成されている。
つまり、深絞り工程においては、加工の段階で、高圧をかけることにより平板状材料をあらゆる方向に引き伸ばすため、材料の肉移動が起き、表面にはミクロに観察すると凹凸が発生していることが確認される。
この状態で、マグネット側外側面2aが溶融すると、樹脂バインダーが凹部Gに入り込むことになる。
この状態で、樹脂バインダーの融点以下に温度が低下すると、本状態を維持したまま樹脂バインダーは固化し、マグネット側外側面2aがヨーク側内壁面11aに強固に溶着することとなる。
図4により、模式的にこのメカニズムを説明する。
図4(a)に示すように、ヨーク側内壁面11aの表面には、深絞り加工により生じた凹凸(凹部G、凸部F)が形成されている。
この状態で、ヨーク本体1を加熱してマグネット2を圧入すると、図4(b)に示すようにマグネット2のマグネット側外側面2aが加熱され樹脂バインダーが溶融し、ヨーク側内壁面11aに形成された凹部Gに入り込み、これが冷却されることにより固化することとなる。
次いで、図4(c)に示すように、荷重をかけたとき、ヨーク側内壁面11aの凹凸によりアンカー効果と、凹部Gに浸入して固化した樹脂バインダーの接着力との両作用により、抜け荷重が向上する。
このため、マグネット2は、ヨーク本体1に強固に固着される。
次いで、最適条件を定めるため、行った試験結果を図5及び図6のグラフに示す。
マグネット2の圧入代と、ヨーク本体1の加熱温度とを変化させて、抜け荷重を比較した。
圧入代は、0.05mmから0.05mm刻みで変化させ、ヨーク本体1の加熱温度は、150℃、常温(室温:加熱なし)、200℃、250℃とした。
なお、樹脂バインダーの融点は約180℃である。
この結果を図5に示す。
図5に示すように、常温での固着(ひし形ポイント)に比して、樹脂バインダーの融点以上にヨーク本体1を加熱した場合(三角ポイント及び四角ポイント)には、約5倍以上マグネット抜け荷重が向上していることがわかる。
このように、樹脂バインダーの融点以下でマグネット2の固着を行うと、クリープ変形が発生してマグネット2が収縮するため、ヨーク本体1へのマグネット2の固定ができず、抜け荷重が十分に確保されない。
なお、樹脂バインダーの融点以上にヨーク本体1を加熱した場合(三角ポイント及び四角ポイント)では、圧入代を上げるにつれてマグネット抜け荷重が向上することがわかるが、常温での固着(ひし形ポイント)においては、圧入代を0.15mmから0.20mmに増やすと、抜け荷重が低下する。
これは、常温で圧入代を増やすと、座屈が生じ、マグネット2をヨーク本体1に固定できなくなるためである。
以上より、圧入代を増やし、ヨーク本体1を樹脂バインダーの融点(約180℃)より高温に加熱することにより、抜け荷重を向上させることができることがわかった。
この加熱温度は、樹脂バインダーの融点より20℃乃至150℃高い範囲が好適であると考えられる。
ただし、圧入代は、ヨーク本体1の設計により制限があるため、ヨーク本体1の加熱温度を樹脂バインダーの融点以上とすることが、抜け荷重を向上させるために有効であることが本実験結果によりわかる。
次いで、図5での最適条件である、圧入代0.15mm、ヨーク本体1加熱温度250℃により、ヨーク側内壁面11aの粗さを変化させて抜け荷重を比較した。
ヨーク側内壁面11aの粗さは、JIS B 0601(1994)規定の「十点平均粗さ」で示す(粗さ曲面からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、最も高い山頂から5番目までの絶対値平均値と、最も低い谷底から5番目までの絶対値平均値との和を求め、この値をμmで表した値:Rz)。
結果を図6に示す。
図6に示すように、平均粗さが大きくなる程、抜け荷重は向上することがわかる。
つまり、ヨーク側内壁面11aの表面の凹凸が大きい程、抜け荷重は向上する。
また、図6に示すように、Rz7付近からRz15.7で、抜け荷重が飛躍的に向上することがわかる。
よって、この結果より、表面粗さはRz10以上が望ましいことがわかる。
このように、図6の結果より、図4に示すメカニズムが裏付けられる。
以上のように、本実施形態においては、ヨーク本体1を、マグネット2を構成する樹脂バインダーの融点以上に加熱することによって、マグネット2をヨーク本体1へ強固に固着することができる。
これは、ヨーク本体1に取付けられたマグネット側外側面2aの樹脂バインダーが溶融し、ヨーク側内壁面11aの凹部Gに樹脂バインダーが入り込んで固化するためである。
このように、本実施形態によれば、ヨーク本体1を加熱することにより、マグネット2を強固かつ簡易にヨーク本体1に組付けることができる。
1‥ヨーク本体、
11‥本体部、11a‥ヨーク側内壁面、12‥フランジ部、
2‥マグネット、2a‥マグネット側外側面、
G‥凹部、F‥凸部、
S‥ヨーク、S´‥ヨーク半製品

Claims (7)

  1. 回転電機ヨークの製造方法であって、
    前記ヨークは、プラスチックマグネットと、該プラスチックマグネットを保持するヨーク本体と、を有して構成されており、
    前記ヨーク本体の前記プラスチックマグネットとの接触面に、前記プラスチックマグネットを熱溶着により装着する熱溶着工程を行うことを特徴とする回転電機ヨークの製造方法。
  2. 前記熱溶着工程は、
    前記ヨーク本体を加熱する加熱工程と、
    前記プラスチックマグネットを、前記ヨーク本体の前記接触面に装着する組付工程と、をこの順で行い、
    前記組付工程では、前記プラスチックマグネットに含有された樹脂バインダーの一部が前記ヨーク本体から伝達された熱により溶融して、前記ヨーク本体の前記接触面に付着することにより、前記プラスチックマグネットが前記ヨーク本体の前記接触面に熱溶着することを特徴とする請求項1に記載の回転電機ヨークの製造方法。
  3. 前記溶着工程は、
    前記ヨーク本体の前記接触面に前記プラスチックマグネットを装着する組付工程と、
    前記プラスチックマグネットが装着された前記ヨーク本体を加熱する加熱工程と、をこの順で行い、
    前記加熱工程では、前記プラスチックマグネットに含有された樹脂バインダーの一部が前記ヨーク本体から伝達された熱により溶融して、前記ヨーク本体の前記接触面に付着することにより、前記プラスチックマグネットが前記ヨーク本体の前記接触面に熱溶着することを特徴とする請求項1に記載の回転電機ヨークの製造方法。
  4. 前記加熱工程では、前記樹脂バインダーの融点から20℃乃至150℃高い温度範囲で加熱することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の回転電機ヨークの製造方法。
  5. 前記ヨーク本体は、深絞り加工により中空有底筐体状に形成され、前記接触面は前記ヨーク本体の内壁面の一部であり、
    前記加熱工程では、溶解した前記樹脂バインダーが、深絞り加工によって形成された前記接触面の凹部に入り込むことによって、前記プラスチックマグネットが前記接触面に熱溶着されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の回転電機ヨークの製造方法。
  6. プラスチックマグネットと、該プラスチックマグネットを保持するヨーク本体と、を有して構成された、回転電機ヨークであって、
    前記ヨーク本体の前記プラスチックマグネットとの接触面に、前記プラスチックマグネットが熱溶着により装着されていることを特徴とする回転電機ヨーク。
  7. 前記ヨーク本体は、深絞り加工により中空有底筐体状に形成されるとともに、前記接触面は前記ヨーク本体の内壁面の一部であり、
    前記プラスチックマグネットに含有されたバインダーが、深絞り加工によって形成された前記接触面の凹部に入り込み熱溶着することによって、前記プラスチックマグネットが前記接触面に熱溶着されていることを特徴とする請求項6に記載の回転電機ヨーク。
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