JP2010213438A - 電動機の制御装置及び電動機状態推定方法 - Google Patents

電動機の制御装置及び電動機状態推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転子位置センサを用いず、回転子の状態を精度良く推定する。
【解決手段】磁極位置・回転数推定部11は、基本波成分のγδ軸高周波電流iγh1、iδh1を抽出する共に、高調波成分のγδ軸高周波電流iγh2、iδh2を抽出し、当該電流を高周波電流ベクトル軌跡を楕円で近似して、基本波成分についての第1楕円長軸向き(偏差)θζ’及び高周波成分についての第2楕円長軸向き(偏差)θζ2を求めて、磁極位置補正量算出部17により、磁極位置補正量Δθζを求める。そして、当該磁極位置補正量Δθζを用いて、PI増幅器15により回転数推定値ω^を求め、積分器16により磁極位置推定値θ^を求める。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動機に電力を供給して駆動する電動機の制御装置及び電動機状態推定方法に関する。
従来より、電動機の制御装置としては、電動機に回転子の位置及び回転数を検出するために、例えばエンコーダやレゾルバといった位置センサを備えているものが知られている。そして、この電動機の制御装置は、位置センサによって検出した回転子の位置及び回転数に基づいて、電動機を制御する。
しかしながら、このような電動機の制御装置は、位置センサの取り付けに伴うコストアップや、取り付けスペース及び配線スペースの確保のために小型化が難しいという問題があった。
これに対し、下記の特許文献1の電動機の制御装置は、埋め込み磁石型同期電動機の突極性として、d軸(励磁方向成分)インダクタンス<q軸(トルク方向成分)インダクタンスとうい性質を利用する。この性質により、電動機の駆動周波数とは異なる周波数の、真円の軌跡を描く高周波電圧ベクトルを電動機に印加すると、電動機に流れる電流の高周波成分のベクトルは、d軸方向(磁極位置)に膨らんだ楕円状の軌跡を描く。電動機の制御装置は、高周波電流ベクトル軌跡を楕円近似して楕円の長軸方向を検出し、楕円の長軸方向が磁極位置であるとして回転子の磁極位置及び回転数を推定し、これら推定値に基づき電動機を制御している。
特開2003−219682号公報
上述した技術は、回転子と固定子間のインダクタンス分布が回転子構造によって決まり、d軸方向の高周波電流が最大値をとり、q軸方向の高周波電流が最小値をとることを前提としている。
しかしながら、固定子の構造に起因するインダクタンスの分布がd軸、q軸で一様でなく、当該インダクタンス分布に基づく高周波電流の誤差が無視できない大きさとなる場合がある。従って、高周波電流のベクトル軌跡を楕円近似した場合、当該近似した楕円に回転子の位置に応じて変動する誤差が含まれるため、当該楕円の長軸方向が磁極位置として回転子の磁極位置を精度よく推定できないという問題がある。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、回転子の状態を精度良く推定することができる電動機の制御装置及び電動機状態推定方法を提供することを目的とする。
本発明は、電動機を所望の状態に制御するための電圧指令値として、当該電動機の励磁方向成分の電圧指令値及びトルク方向成分の電圧指令値を演算する電圧指令値演算手段と、電圧指令値演算手段により演算された電圧指令値に対して電動機の駆動周波数とは異なる周波数の高周波電圧を重畳する高周波電圧発生手段と、高周波電圧発生手段により高周波電圧が重畳された電圧指令値に基づいてインバータのスイッチング素子を駆動する駆動信号を生成し、当該インバータにより直流電圧を交流電圧に変換させて電動機を駆動する駆動手段と、駆動手段から電動機に供給されている電流を検出する電流検出手段と、電流検出手段により検出された電流に基づいて、電動機における回転子の状態を推定する回転子状態推定手段と、回転子状態推定手段により推定された回転子位置に基づいて、駆動手段を制御して電動機を駆動させる制御手段とを備える。
本発明における回転子状態推定手段は、上述の課題を解決するために、電流検出手段により検出された電流に含まれる高周波電圧と同じ周波数の基本波成分の励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を抽出する共に、電流検出手段により検出された電流に含まれる高周波電圧と同じ周波数に対する高調波成分の励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を抽出し、当該抽出された基本波成分の励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を用いて高周波電流ベクトル軌跡を楕円で近似して、励磁方向に対する楕円長軸方向の偏差である第1楕円長軸方向を求めると共に、当該抽出された高調波成分の励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を用いて高周波電流ベクトル軌跡を楕円で近似して、励磁方向に対する楕円長軸方向の偏差である第2楕円長軸方向を求め、第1楕円長軸方向と第2楕円長軸方向とに基づいて、第1楕円長軸方向の補正量を算出し、当該補正量に基づいて、第1楕円長軸方向を補正し、補正した第1楕円長軸方向に基づいて、回転子位置を推定する。
本発明によれば、電圧指令値に高周波成分を重畳して電動機を駆動し、実際に電動機に供給されている電流のうちの、当該基本波成分に基づく高周波電流ベクトル軌跡の楕円長軸方向と高調波成分に基づく高周波電流ベクトル軌跡の楕円長軸方向とを用いて基本波成分に基づく高周波電流ベクトル軌跡の楕円長軸方向を補正できる。これにより、高調波成分の電流が回転子の回転と相関があることを利用して、回転子の状態を精度良く推定することができる。
本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置において、高周波電圧ベクトルの軌跡を示す図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置における磁極位置・回転数推定部の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置における電動機の構成を示す上面図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置における回転子の位置とインダクタンスとの関係を示す図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置における固定子の位置とインダクタンスとの関係を示す図である。 固定子が分布巻構造の場合における高周波電流ベクトル軌跡の楕円について説明する図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置において、固定子が集中巻構造の場合に、高周波電流ベクトル軌跡が楕円となる様子を示す図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置における磁極位置補正量算出部の構成を示すブロック図である。 第1楕円長軸向き(偏差)と第2楕円長軸向き(偏差)との差と、磁極位置補正量との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置において、電動機の回転動作と、高周波(基本波)電流ベクトル軌跡及び高周波(高調波)電流ベクトル軌跡との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置において、電動機の回転動作と、高周波(基本波)電流ベクトル軌跡及び高周波(高調波)電流ベクトル軌跡との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置において、電動機の回転動作と、高周波(基本波)電流ベクトル軌跡及び高周波(高調波)電流ベクトル軌跡との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置において、電動機の回転動作と、高周波(基本波)電流ベクトル軌跡及び高周波(高調波)電流ベクトル軌跡との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置において、電動機の回転動作と、高周波(基本波)電流ベクトル軌跡及び高周波(高調波)電流ベクトル軌跡との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態として示す電動機の制御装置における動作手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態として示す電動機の制御装置における磁極位置補正量算出部の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態として示す電動機の制御装置における磁極位置・回転数推定部の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
「電動機の制御装置の構成」
本発明の第1実施形態として示す電動機制御装置は、例えば図1に示すように構成される。電動機制御装置は、例えば車両を駆動する電動機9の動作を制御するものである。本実施形態では、電動機制御装置は、指令値生成部1,電流制御部2,高周波電圧発生部3,座標変換部4,PWM変換部5,直流電源6,インバータ7,電流センサ8u,8v,座標変換部10,磁極位置・回転数推定部11を有する。
指令値生成部1及び電流制御部2は、電動機9を所望の状態に制御するための電圧指令値として、当該電動機9の励磁方向成分(γ軸)の電圧指令値及びトルク方向成分(δ軸)の電圧指令値を演算する電圧指令値演算手段として機能する。
指令値生成部1は、トルク指令値T,電動機9の回転数推定値ω^,及び直流電源6の直流電圧Vdcと電流制御モードにおけるdp軸電流指令値i ,i 及びdq軸干渉電圧指令値vd_dcpl ,vq_dcpl との対応関係を示すテーブルを有する。指令値生成部1は、トルク指令値T,磁極位置・回転数推定部11から出力される電動機9の回転数推定値ω^,及び直流電源6の直流電圧Vdcに対応するdq軸電流指令値i ,i 及びdq軸干渉電圧指令値vd_dcpl ,vq_dcpl をテーブルから検索し、検索されたdq軸電流指令値i ,i 及びdq軸干渉電圧指令値vd_dcpl ,vq_dcpl を出力する。このように指令値生成部1は、オープンループ方式によりdq軸電流指令値i ,i 及びdq軸干渉電圧指令値vd_dcpl ,vq_dcpl を制御する。
電流制御部2は、指令値生成部1から出力されたdq軸電流指令値i ,i 及びdq軸干渉電圧指令値vd_dcpl ,vq_dcpl と座標変換部10から出力されるγδ軸電流検出値iγ,iδとを用いて電流偏差比例積分(PI)増幅と非干渉制御からなる一般的な電流ベクトル制御演算を行う。これにより、電流制御部2は、γδ軸電圧指令値vγ ’,vδ ’を生成して、出力する。
電動機制御装置は、電動機9に供給する電流を電動機9の2次磁束に直交するq軸電流成分と2次磁束に対し平行なd軸電流成分とに分離して電流制御を行う電流ベクトル制御を行う。“非干渉制御”とは、この電流ベクトル制御において、電流、q軸,d軸のインダクタンス、及び電動機9の機械回転数の作用によって、d軸電流成分及びq軸電流成分がそれぞれq軸電圧及びd軸電圧として他方の電流成分に干渉することによる影響を打ち消す制御を意味する。具体的には、干渉電圧指令値を用いて電圧指令値を補正する制御を意味する。また、γδ軸とは、磁極位置・回転数推定部11により推定された回転子の磁極位置推定値θ^により得た推定dq軸を意味している。上述の電流偏差とは、d軸電流指令値i とγ軸電流検出値iγの偏差、q軸電流指令値i とδ軸電流検出値iδの偏差である。
高周波電圧発生部3は、指令値生成部1及び電流制御部2により演算された電圧指令値に対して電動機9の駆動周波数とは異なる周波数の高周波電圧を重畳する高周波電圧発生手段として機能する。
高周波電圧発生部3は、電動機9の駆動周波数とは異なる高周波電圧vdh 、vqh を生成する。この高周波電圧vdh 、vqh は、電流制御部2により生成されたγδ軸電圧指令値vγ 、vδ に重畳される。これにより、座標変換部4には、高周波電圧vdh 、vqh を含むγδ軸電圧指令値vγ 、vδ が供給される。
また、電動機制御装置は、高周波電圧発生部3により高周波電圧vdh 、vqh が重畳された電圧指令値に基づいてインバータ7のスイッチング素子を駆動する駆動信号を生成し、当該インバータ7により直流電圧を交流電圧に変換させて電動機9を駆動する駆動手段として機能する。この構成は、座標変換部4、PWM変換部5、インバータ7に相当する。
座標変換部4は、γδ軸の電圧を、UVW相に電圧に変換する。座標変換部4は、以下の式1を利用して、入力したγδ軸電圧指令値vγ ,vδ と磁極位置・回転数推定部11により推定された電動機9の回転子の磁極位置推定値θ^からU相,V相,及びW相の三相の電圧指令値v ,v ,v を算出して、出力する。
Figure 2010213438
PWM変換部5は、座標変換部4から出力されたU相,V相,及びW相の三相の電圧指令値v ,v ,v に対応するインバータ7の駆動信号Duu ,Dul ,Dvu ,Dvl ,Dwu ,Dwl を生成して、出力する。なお、駆動信号Duu ,Dul は、それぞれU相に対応する上段及び下段のスイッチング素子に対する信号を示す。駆動信号Dvu ,Dvl はそれぞれV相に対応する上段及び下段のスイッチング素子に対する信号を示す。駆動信号Dwu ,Dwl はそれぞれW相に対応する上段及び下段のスイッチング素子に対する信号を示す。
インバータ7は、PWM変換部5から出力された駆動信号Duu ,Dul ,Dvu ,Dvl ,Dwu ,Dwl に従って対応するスイッチング素子をオン/オフする。これによりインバータ7は、直流電源6の直流電圧Vdcを三相の交流電圧v,v,vに変換して電動機9に出力する。
電流センサ8u,8vは、インバータ7から電動機9に供給されている励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を検出する電流検出手段として機能する。具体的には、電流センサ8u,8vは、U相とV相の電流値i,iを検出して座標変換部10に出力する。本実施形態のように、電流センサを二相にだけに取り付ける場合、電流センサ8u,8vにより検出しない残り1相(本実施形態ではW相)の電流値は、座標変換部10により、以下の式2から算出することができる。
Figure 2010213438
座標変換部10は、UVW相からγδ軸に電流を変換する。座標変換部10は、以下の式3を利用して電流センサ8u,8vにより検出されたU相とV相の電流値i,iと磁極位置・回転数推定部11により推定された電動機9の回転子の磁極位置推定値θ^から、γδ軸電流検出値iγ,iδを算出する。
Figure 2010213438
磁極位置・回転数推定部11は、電流センサ8u,8v及び座標変換部10により検出された電流に基づいて、電動機9における回転子の状態を推定する回転子状態推定手段として機能する。磁極位置・回転数推定部11は、座標変換部10から出力されたγδ軸電流検出値iγ,iδを入力し、これらのγδ軸電流検出値iγ,iδに基づいて、電動機9の回転子の磁極位置推定値θ^、回転数推定値ω^を演算し、出力する。
そして、磁極位置推定値θ^及び回転数推定値ω^は、指令値生成部1及び座標変換部10によって電動機9の制御に用いられる(制御手段)。
「高周波電圧発生部3の動作説明」
高周波電圧発生部3は、図2に示すように、真円のベクトル軌跡を描く高周波電圧vdh 、vqh を発生させる。この高周波電圧vdh 、vqh の周波数は、電動機9の駆動周波数より充分に高い。例えば、高周波電圧vdh 、vqh のベクトルの大きさは85V、周波数を625Hzとする。
「磁極位置・回転数推定部11の詳細構成」
つぎに、上述した電動機制御装置における磁極位置・回転数推定部11の構成を、図3を参照して説明する。
磁極位置・回転数推定部11は、第1バンドパスフィルタ12(BPF)、第1ディジタルフーリエ変換処理部13(DFT)、第1楕円解析部14、PI増幅器15、積分器16、磁極位置補正量算出部17を備える。また、磁極位置・回転数推定部11は、第2バンドパスフィルタ18、第2ディジタルフーリエ変換処理部19、第2楕円解析部20を備える。
第1バンドパスフィルタ12は、座標変換部10から出力されたγδ軸電流検出値iγ、iδに含まれ、高周波電圧vdh 、vqh と同じ周波数成分のγδ軸高周波電流iγh1、iδh1を抽出して、出力する。
第1ディジタルフーリエ変換処理部13は、第1バンドパスフィルタ12により抽出されたγδ軸高周波電流iγh1、iδh1を高周波電圧vdh 、vqh と同じ周波数成分の実数軸成分及び虚数軸成分iγh1_Re、iγh1_Im、iδh1_Re、iδh1_Imに分解して、出力する。
第1楕円解析部14は、第1ディジタルフーリエ変換処理部13から出力された虚数軸成分iγh1_Re、iγh1_Im、iδh1_Re、iδh1_Imに基づいて、γδ軸高周波電流iγh1、iδh1がγδ軸上で描く軌跡、すなわち、γδ軸電流検出値iγ,iδを楕円(高周波電流ベクトル軌跡の楕円)に近似する。そして、第1楕円解析部14は、γ軸に対する高周波電流ベクトル軌跡の第1楕円長軸方向(偏差)θζ’を下記の式(4)によって算出し、出力する。
Figure 2010213438
なお、以下の説明において、高周波電圧vdh 、vqh と同じ周波数成分(基本波成分)のγδ軸高周波電流iγh1、iδh1を用いて得た高周波電流ベクトル軌跡における楕円形状の長軸方向を「第1楕円長軸方向」と呼ぶ。
第2バンドパスフィルタ18は、座標変換部10から出力されたγδ軸電流検出値iγ、iδに含まれ、高周波電圧vdh 、vqh と同じ周波数成分に対する高調波成分のγδ軸高周波電流iγh2、iδh2を抽出して、出力する。この実施形態における高調波成分は、高周波電圧vdh 、vqh と同じ周波数成分に対して2倍の周波数成分とする。すなわち、磁極位置・回転数推定部11は、高調波成分を、高周波電圧vdh 、vqh の周波数に対する2次高調波成分とする。
第2ディジタルフーリエ変換処理部19は、第2バンドパスフィルタ18により抽出されたγδ軸高周波電流iγh2、iδh2を高周波電圧vdh 、vqh と同じ周波数成分の実数軸成分及び虚数軸成分iγh2_Re、iγh2_Im、iδh2_Re、iδh2_Imに分解して、出力する。
第2楕円解析部20は、第2ディジタルフーリエ変換処理部19から出力された虚数軸成分iγh2_Re、iγh2_Im、iδh2_Re、iδh2_Imに基づいて、γδ軸高周波電流iγh2、iδh2がγδ軸上で描く軌跡、すなわち、γδ軸電流検出値iγ,iδを楕円(高周波電流ベクトル軌跡の楕円)に近似する。そして、第1楕円解析部14は、γ軸に対する高周波電流ベクトル軌跡の第2楕円長軸方向(偏差)θζ2を下記の式(5)によって算出し、出力する。
Figure 2010213438
なお、以下の説明において、高周波電圧vdh 、vqh に対する同じ周波数成分に対する高調波成分のγδ軸高周波電流iγh1、iδh1を用いて得た高周波電流ベクトル軌跡における楕円形状の長軸方向を「第2楕円長軸方向」と呼ぶ。
γ軸に対する楕円長軸方向θζ’は、磁極位置補正量算出部17から出力される磁極位置補正量Δθζと加算される。これにより、γ軸に対する楕円長軸方向θζ’は、γ軸に対する高周波電流ベクトル軌跡の楕円長軸方向θζに補正される。このγ軸に対する高周波電流ベクトル軌跡の楕円長軸方向θζは、PI増幅器15に供給される。
PI増幅器15は、γ軸に対する高周波電流ベクトル軌跡の楕円長軸方向θζをPI増幅することにより回転数推定値ω^を得て、指令値生成部1に出力する。
積分器16は、PI増幅器15から出力された回転数推定値ω^を積分することにより回転子の磁極位置推定値θ^を得て、座標変換部10に出力する。
ここで、回転子の磁極位置推定値θ^、回転数推定値ω^を求める原理について説明する。図4は、電動機9における回転子9aの磁石(S,N)を1極対、固定側のティース(固定子9b)数を、(1)〜(6)の6個とした場合の集中巻IPM型の電動機9を示す。また、図5,6に、この電動機9のインダクタンスLr、Lsの分布を示す。
電動機9の回転子9aに起因するインダクタンスLrは、図4で示す回転子9aの部位(a)、(b)、(c)、(d)に対して、図5のように分布する。一方、固定子9bに起因するインダクタンスLsは、図4で示す固定子9bの部位(1)〜(6)に対して図6のように分布する。
固定子9bが分布巻構造の場合は、図6の点線で示すように、固定子9bに起因するインダクタンスLsは、ほぼ平坦な分布となる。これにより、回転子9aに起因するインダクタンスLrと固定子9bに起因するインダクタンスLsの合成インダクタンスは、回転子9aの部位(a)、(c)、すなわちd軸方向で最小になり、回転子9aの部位(b)、(d)、すなわちq軸方向で最大となる。したがって、γδ軸電流検出値iγ,iδで表される高周波電流ベクトルの軌跡は、図7のように、d軸方向に膨らんだ楕円状になる。したがって、第1楕円解析部14は、第1ディジタルフーリエ変換処理部13から得たγδ軸電流検出値iγ,iδに基づく虚数軸成分iγh1_Re、iγh1_Im、iδh1_Re、iδh1_Imに基づいて、当該高周波電流ベクトル軌跡を楕円で近似し、当該高周波電流ベクトル軌跡の楕円長軸方向を算出することで、γ軸に対する楕円長軸方向(偏差)θζ’を算出し、最終的に回転子9aの磁極位置推定値θ^を推定できる。
しかし、固定子9bが集中巻構造の場合、固定子9bに起因するインダクタンスLsは、固定子9b(ティース)のある位置で最大、固定子9b間で最小となり、固定子9bの位置による差が大きくなる。このため、回転子9aに起因するインダクタンスLrと固定子9bに起因するインダクタンスLsの合成インダクタンスは、必ずしも回転子9aの部位(a)(c)、すなわちd軸方向では最小にならず、d軸から一定の範囲内でずれた点で最小となる。よって、高周波電流ベクトル軌跡は、図8に示すように、d軸の周辺において、インダクタンスが最小の方向に膨らみ、大きさが伸び縮みする楕円状になる。これにより、高周波電流ベクトル軌跡を楕円近似した場合の長軸方向(γ)は、図8中の点線で示す楕円のようなd軸方向からずれた方向となる。
したがって、固定子9bが集中巻構造である電動機9における磁極位置を精度よく推定するためには、回転子9aの磁極位置に応じて変動する真の磁極位置(d軸)と、高周波電流ベクトル軌跡の第1楕円長軸方向(γ)との誤差(偏差)を補正する必要がある。
このために、第1実施形態として示す電動機制御装置は、図8に示したように高周波電流ベクトル軌跡の楕円形状がd軸からずれる高周波電流のひずみ成分と、真の磁極位置と楕円形状における第1楕円長軸方向との誤差は、ともに固定子構造に起因しており、一定の関係性があることに着目して、真の磁極位置と高周波電流ベクトル軌跡における楕円形状の第1楕円長軸方向の誤差とを補正する。この補正について以下に説明する。
上述した図3の磁極位置補正量算出部17には、第1楕円長軸方向(偏差)θζ’及び第2楕円長軸方向(偏差)θζ2が供給される。当該第1楕円長軸方向(偏差)θζ’及び第2楕円長軸方向(偏差)θζ2を用いて、磁極位置補正量算出部17は、磁極位置補正量Δθζを算出する。
この磁極位置補正量算出部17は、図9に示すように、第2楕円長軸方向(偏差)θζ2から第1楕円長軸方向(偏差)θζ’を減算した値が供給される磁極位置補正量マップ参照部21を有する。この磁極位置補正量マップ参照部21には、高周波電流における基本波成分により描かれるベクトル軌跡を楕円近似した場合の長軸方向である第1楕円長軸方向(偏差)θζ’と高周波電流における高調波成分により描かれるベクトル軌跡を楕円近似した場合の長軸方向である第2楕円長軸方向(偏差)θζ2との差と、励磁方向と第1楕円長軸方向(偏差)θζ’との誤差(磁極位置補正量Δθζ)との関係が、マップデータとして記憶されている。そして、磁極位置補正量マップ参照部21は、第2楕円長軸方向(偏差)θζ2と第1楕円長軸方向(偏差)θζ’との差を入力したことに応じてマップデータを参照して、磁極位置補正量Δθζを算出し、出力する。
また、磁極位置補正量マップ参照部21には、マップデータを、電動機9の動作点ごとに記憶していることが望ましい。この場合、磁極位置補正量マップ参照部21は、電動機9の動作点に基づいてマップデータを選択し、第1楕円長軸方向(偏差)θζ’の誤差を補正する磁極位置補正量Δθζを算出する。また、磁極位置補正量マップ参照部21は、電動機9の動作点に応じて線形補間をして、磁極位置補正量Δθζを算出しても良い。
このマップデータは、例えば図10に示すような、第1楕円長軸方向(偏差)θζ’と第2楕円長軸方向(偏差)θζ2との差(θζ’−θζ2[°])と、磁極位置補正量Δθζ[°]との関係となっている。このようなマップデータに記述される関係を、図11乃至図15を参照して説明する。
図11(a)乃至図15(a)に示すように、図中点線で示す回転子9aが、図11(a)の位置(1)、図13(a)の位置(2)、図15(a)の位置(3)に向けて回転すると考える。この場合、高周波電流の2次成分のベクトル軌跡による第2楕円長軸方向(偏差)θζ2は、図11(b)乃至図15(b)に示すように変化する。すなわち、第2楕円長軸方向(偏差)θζ2は、回転子9aの位置に応じて図11(b)の+90°、図13(b)の0°、図15(b)の−90°というように変化する。このように、第2楕円長軸方向(偏差)θζ2は、回転子9aの回転方向とは逆方向に回転する特性を持っている。また、第1楕円長軸方向(偏差)θζ’と真の磁極位置との誤差θζeは、回転子9aの位置に応じて1周期で変動する。こようなことから、第1楕円長軸方向(偏差)θζ’と第2楕円長軸方向(偏差)θζ2との差と、第1楕円長軸方向(偏差)θζ’の誤差θζeを打ち消す磁極位置補正量Δθζとの関係は、図10のように求めることができる。
「電動機制御装置の動作」
つぎに、上述した電動機制御装置により、回転子9aの磁極位置及び回転数を含む電動機9の位置を推定する処理について、図16を参照して説明する。
電動機制御装置は、トルク指令値T及び直流電圧Vdcに基づいてインバータ7から電動機9に交流電力を供給して当該電動機9を駆動させている時において、所定期間(例えば数msec)ごとにステップS1以降の処理を開始する。
ステップS1において、磁極位置・回転数推定部11は、座標変換部10からγδ軸電流検出値iγ,iδを取得する。このとき、座標変換部10は、電流センサ8u,8vからU相とV相の電流値i,iを取得してγδ軸電流検出値iγ,iδを演算して、磁極位置・回転数推定部11に供給する。
次のステップS2において、磁極位置・回転数推定部11は、第1バンドパスフィルタ12により、ステップS1にて取得したγδ軸電流検出値iγ,iδから、高周波電圧vdh 、vqh と同じ高周波数成分(基本波成分)のγδ軸高周波電流iγh1、iδh1を抽出する。同様に、第2バンドパスフィルタ18は、ステップS1にて取得したγδ軸電流検出値iγ,iδから、高周波電圧vdh 、vqh と同じ高周波数成分に対する2次成分(高調波成分)のγδ軸高周波電流iγh2、iδh2を抽出する。
次のステップS3において、磁極位置・回転数推定部11は、第1ディジタルフーリエ変換処理部13及び第2ディジタルフーリエ変換処理部19によるディジタルフーリエ変換処理(DFT)により、ステップS2にて抽出したγδ軸高周波電流iγh1、iδh1、γδ軸高周波電流iγh2、iδh2より、実数軸成分及び虚数軸成分に分離する。
次のステップS4において、磁極位置・回転数推定部11は、第1楕円解析部14により、γδ軸高周波電流iγh、iδhの値(大きさ)の変化から、高周波電流(基本波)ベクトル軌跡を楕円近似して求める。そして、第1楕円解析部14は、γ軸に対する高周波電流ベクトル軌跡の第1楕円長軸方向(偏差)θζ’を算出する。
同様に、ステップS5において、第2楕円解析部20は、γδ軸高周波電流iγh、iδhの値(大きさ)の変化から、高周波電流(2次高調波)ベクトル軌跡を楕円近似して求める。そして、第1楕円解析部14は、γ軸に対する高周波電流ベクトル軌跡の第2楕円長軸方向(偏差)θζ2を算出する。
次のステップS6において、磁極位置補正量算出部17は、ステップS4にて算出された第1楕円長軸方向(偏差)θζ’と、ステップS5にて算出された第2楕円長軸方向(偏差)θζ2との差から、磁極位置補正量マップ参照部21に記憶されたマップデータを参照する。これにより、磁極位置補正量マップ参照部21は、当該差に対応した磁極位置補正量Δθζを算出し、出力する。
ここで、磁極位置補正量算出部17は、マップを用いる場合のみならず、第1楕円長軸方向(偏差)θζ’と第2楕円長軸方向(偏差)θζ2との差を用いて磁極位置補正量Δθζを求める所定の演算式に従った処理を行っても良い。
次のステップS7において、磁極位置・回転数推定部11は、ステップS4にて求められたγ軸に対する高周波電流ベクトル軌跡の楕円長軸方向θζ’から、ステップS6にて求められた磁極位置補正量Δθζを減算して、新たなγ軸に対する高周波電流ベクトル軌跡の楕円長軸方向θζを算出する。
次のステップS10において、PI増幅器15は、ステップS9にて算出されたγ軸に対する高周波電流ベクトル軌跡の楕円長軸方向θζをPI増幅することにより、回転数推定値ω^を算出する。
次のステップS11において、PI増幅器15は、ステップS10にて算出された回転数推定値ω^を積分することにより、磁極位置推定値θ^を算出する。
このように、電動機制御装置は、γδ軸電流検出値iγ,iδを用いて、回転数推定値ω^及び磁極位置推定値θ^を得ることができ、この回転数推定値ω^及び磁極位置推定値θ^を用いて電動機9の制御を行うことができる。
「第1実施形態の効果」
以上説明したように、本発明の第1実施形態として示した電動機制御装置によれば、
電動機9を駆動させるときに、電流制御部2により生成したγδ軸電圧指令値vγ 、vδ に対して高周波電圧vdh 、vqh を重畳する。そして、電動機9の状態としての磁極位置推定値θ^及び回転数推定値ω^を求める場合に、γδ軸電流検出値iγ,iδから、高周波電圧vdh 、vqh と同じ周波数のγδ軸高周波電流iγh1、iδh1を、高調波成分のγδ軸高周波電流iγh2、iδh2を抽出する。次に、電動機制御装置は、当該抽出されたγδ軸高周波電流iγh1、iδh1、iγh2、iδh2のベクトル軌跡を楕円で近似する。そして、当該楕円の第1楕円長軸向き(偏差)θζ’と第2楕円長軸向き(偏差)θζ2とを用いて磁極位置補正量Δθζを求めて、第1楕円長軸向き(偏差)θζ’を補正する。次に、補正した第1楕円長軸向き(偏差)θζ’に基づいて、磁極位置推定値θ^を求めることができる。
このような電動機制御装置によれば、回転子9aの位置を検出する位置センサを備えていなく、回転子9aの状態を推定する場合であっても、これにより、高調波成分の電流が回転子の回転と相関があることを利用して、回転子の状態を精度良く推定することができる。
また、この電動機制御装置によれば、高調波成分を、高周波電圧vdh*、vqh*の周波数に対する2次高調波成分としたので、高精度・高分解能の電流検出器を追加したり、高周波電流の検出間隔を短くすることなく、回転子9aの磁極位置・速度の推定精度を向上することができる。
更に、この電動機制御装置によれば、第1楕円長軸向き(偏差)θζ’と第2楕円長軸向き(偏差)θζ2との差と、磁極位置補正量Δθζとの関係をマップデータとして記憶しておき、当該マップデータに基づいて磁極位置補正量Δθζを求めるので、回転子9aの磁極位置・速度の推定精度を向上させることができる。
更にまた、この電動機制御装置によれば、磁極位置補正量Δθζを求めるマップデータを、電動機9の動作点ごとに記憶しておき、電動機9の動作点に基づいてマップデータを選択するので、電動機9の動作点が変化しても、精度よく第1楕円長軸向き(偏差)θζ’を補正することが出来る。
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態として示す電動機制御装置について説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
この第2実施形態として示す電動機制御装置は、図17に示すように磁極位置補正量算出部17を構成している。この磁極位置補正量算出部17は、第1楕円長軸向き(偏差)θζ’と第2楕円長軸向き(偏差)θζ2との差分を用いて、磁極位置補正量Δθζを演算する補正量演算部22を備える。この補正量演算部22は、第1楕円長軸向き(偏差)θζ’と第2楕円長軸向き(偏差)θζ2との差に基づいた位相成分を有する正弦波を算出し、当該算出された正弦波に基づいて磁極位置補正量Δθζを算出する。
図10に示した第1楕円長軸向き(偏差)θζ’と第2楕円長軸向き(偏差)θζ2との差分に対する磁極位置補正量Δθζの特性が、少ない次数成分の正弦波の合成で近似する。この正弦波は、
ΣKsin{2i(θζ2−θζ’)+ψ
で表される。そして、補正量演算部22は、上記式により三角関数を演算し、当該三角関数を合成して図10に示す特性に従った磁極位置補正量Δθζを演算する。
ここで、補正量演算部22は、予め電動機9の動作点ごとに記憶しておいた正弦波の振幅K及び位相オフセットψを用いて正弦波を算出しても良い。そして、補正量演算部22は、当該算出した正弦波を用いて、磁極位置補正量Δθζを算出する。このとき、K、ψとしては、電動機9の動作点に応じて最適な数値をマップ化し、電動機9の動作点に応じて切り替え又は線形補完により算出しても良い。
また、補正量演算部22は、第1楕円長軸向き(偏差)θζ’と第1楕円長軸向き(偏差)θζ’との差に基づいた位相成分を有する正弦波を、複数の次数(1〜i)について算出して合成し、当該合成された正弦波に基づいて、磁極位置補正量Δθζを求めることができる。
これにより、第2実施形態として示す電動機制御装置によれば、第1実施形態に示した効果に加えて、正弦波を組み合わせて磁極位置補正量Δθζを求めるための演算ができる。これにより、第1楕円長軸向き(偏差)θζ’が大きくても、高い精度で当該第1楕円長軸向き(偏差)θζ’を補正して、磁極位置推定値θ^を求めることができる。また、メモリの使用量を抑制しつつ、回転子の磁極位置・速度の推定精度を向上させることができる。
更に、この電動機制御装置によれば、磁極位置補正量Δθζを求めるための正弦波の振幅及び位相オフセットを、電動機9の動作点毎に最適な値を記憶してことにより、電動機9の動作点が変化しても、精度よく第1楕円長軸向き(偏差)θζ’を補正することができる。
[第3実施形態]
つぎに、第3実施形態として示す電動機制御装置について説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
第3実施形態として示す電動機制御装置おいて、磁極位置補正量算出部17は、図18に示すように、第1バンドパスフィルタ12及び第2バンドパスフィルタ18に代えて、窓関数処理部23を備えている。
窓関数処理部23は、γδ軸電流検出値iγ,iδを入力して所定の窓関数を用いた処理を行って、所定の周波数区間の信号を「0」にし、その他の周波数区間を有限な値にしたγδ軸高周波電流iγhw、iδhwを算出し、出力する。第1ディジタルフーリエ変換処理部13及び第2ディジタルフーリエ変換処理部19は、窓関数処理部23から供給されたγδ軸高周波電流iγhw、iδhwにより、高周波電圧vdh 、vqh と同じ高調波成分の基本波成分及び高調波成分を抽出する。
これにより、第3実施形態として示す電動機制御装置は、第1実施形態に示した効果に加えて、第1バンドパスフィルタ12及び第2バンドパスフィルタ18を用いる場合に比べて演算処理負荷を低減することができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
1 指令値生成部
2 電流制御部
3 高周波電圧発生部
4 座標変換部
5 PWM変換部
6 直流電源
7 インバータ
8u,8v 電流センサ
9 電動機
9a 回転子
9b 固定子
10 座標変換部
11 磁極位置・回転数推定部
12 第1バンドパスフィルタ
13 第1ディジタルフーリエ変換処理部
14 第1楕円解析部
15 PI増幅器
16 積分器
17 磁極位置補正量算出部
18 第2バンドパスフィルタ
19 第2ディジタルフーリエ変換処理部
20 第2楕円解析部
21 磁極位置補正量マップ参照部
22 補正量演算部
23 窓関数処理部

Claims (8)

  1. 電動機を所望の状態に制御するための電圧指令値として、当該電動機の励磁方向成分の電圧指令値及びトルク方向成分の電圧指令値を演算する電圧指令値演算手段と、
    前記電圧指令値演算手段により演算された電圧指令値に対して電動機の駆動周波数とは異なる周波数の高周波電圧を重畳する高周波電圧発生手段と、
    前記高周波電圧発生手段により高周波電圧が重畳された電圧指令値に基づいてインバータのスイッチング素子を駆動する駆動信号を生成し、当該インバータにより直流電圧を交流電圧に変換させて前記電動機を駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段から前記電動機に供給されている電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段により検出された電流に基づいて、前記電動機における回転子の状態を推定する回転子状態推定手段と、
    前記回転子状態推定手段により推定された回転子位置に基づいて、前記駆動手段を制御して前記電動機を駆動させる制御手段とを備え、
    前記回転子状態推定手段は、
    前記電流検出手段により検出された電流に含まれる前記高周波電圧と同じ周波数の基本波成分の励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を抽出する共に、前記電流検出手段により検出された電流に含まれる前記高周波電圧と同じ周波数に対する高調波成分の励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を抽出し、
    当該抽出された基本波成分の励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を用いて高周波電流ベクトル軌跡を楕円で近似して、前記励磁方向に対する楕円長軸方向の偏差である第1楕円長軸方向を求めると共に、当該抽出された高調波成分の励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を用いて高周波電流ベクトル軌跡を楕円で近似して、前記励磁方向に対する楕円長軸方向の偏差である第2楕円長軸方向を求め、
    前記第1楕円長軸方向と前記第2楕円長軸方向とに基づいて、前記第1楕円長軸方向の補正量を算出し、
    当該補正量に基づいて、前記第1楕円長軸方向を補正し、補正した第1楕円長軸方向に基づいて、前記回転子位置を推定すること
    を特徴とする電動機の制御装置。
  2. 前記回転子状態推定手段は、前記高調波成分を、前記高周波電圧の周波数に対する2次高調波成分とすることを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  3. 前記第1楕円長軸方向と前記第2楕円長軸方向との差と、前記第1楕円長軸方向の補正量との関係をマップデータとして記憶する記憶手段を更に備え、
    前記回転子状態推定手段は、前記第1楕円長軸方向及び前記第2楕円長軸方向の差を演算し、前記記憶手段に記憶されたマップデータに基づいて、前記第1楕円長軸方向と第2楕円長軸方向との差に対応した、前記第1楕円長軸方向の補正量を算出し、当該算出された補正量に基づいて、前記第1楕円長軸方向を補正することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動機の制御装置。
  4. 前記記憶手段は、前記マップデータを、前記電動機の動作点ごとに記憶し、
    前記回転子状態推定手段は、前記電動機の動作点に基づいてマップデータを選択することを特徴とする請求項3に記載の電動機の制御装置。
  5. 前記回転子状態推定手段は、前記第1楕円長軸方向と第2楕円長軸方向との差に基づいた位相成分を有する正弦波を算出し、当該算出された正弦波に基づいて、前記第1楕円長軸方向の補正量を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動機の制御装置。
  6. 前記回転子状態推定手段は、前記第1楕円長軸方向と第2楕円長軸方向との差に基づいた位相成分を有する正弦波を、複数の次数について算出して合成し、当該合成された正弦波に基づいて、前記第1楕円長軸方向の補正量を算出することを特徴とする請求項4に記載の電動機の制御装置。
  7. 前記回転子状態推定手段は、予め前記電動機の動作点ごとに記憶しておいた前記正弦波の振幅及び位相オフセットを用いて正弦波を算出して、当該正弦波を用いて前記第1楕円長軸方向の補正量を算出することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電動機の制御装置。
  8. 電動機を所望の状態に制御するための電圧指令値として、当該電動機の励磁方向成分の電圧指令値及びトルク方向成分の電圧指令値を演算し、当該電圧指令値に対して電動機の駆動周波数とは異なる周波数の高周波電圧を重畳し、当該高周波電圧が重畳された電圧指令値に基づいてインバータのスイッチング素子を駆動して前記電動機を駆動しているときに、
    電動機に供給されている電流に含まれる前記高周波電圧と同じ周波数の基本波成分の励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を抽出する共に、電動機に供給されている電流に含まれる前記高周波電圧と同じ周波数に対する高調波成分の励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を抽出し、
    当該抽出された基本波成分の励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を用いて高周波電流ベクトル軌跡を楕円で近似して、前記励磁方向に対する楕円長軸方向の偏差である第1楕円長軸方向を求めると共に、当該抽出された高調波成分の励磁方向成分電流及びトルク方向成分電流を用いて高周波電流ベクトル軌跡を楕円で近似して、前記励磁方向に対する楕円長軸方向の偏差である第2楕円長軸方向を求め、
    前記第1楕円長軸方向と前記第2楕円長軸方向とに基づいて、前記第1楕円長軸方向の補正量を算出し、
    当該補正量に基づいて、前記第1楕円長軸方向を補正し、補正した第1楕円長軸方向に基づいて、前記回転子位置を推定すること
    を特徴とする電動機状態推定方法。
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