JP2010212383A - 露光方法、露光システム、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光工程のスループットを高く維持して、アライメントを高精度に行う。
【解決手段】複数のウエハマークが形成されたウエハを露光する露光システムにおいて、計測対象のウエハマークに対応させてウエハW2上に複数の基準パターンを形成する簡易型露光装置4と、ウエハW2上の計測対象の複数のウエハマークとこれに対応する基準パターンとの位置ずれ量を計測するマーク検出装置10と、その位置ずれ量の計測結果に基づいてウエハW2の位置合わせを行って、ウエハW2上の複数のショット領域を露光する露光装置12と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】複数のウエハマークが形成されたウエハを露光する露光システムにおいて、計測対象のウエハマークに対応させてウエハW2上に複数の基準パターンを形成する簡易型露光装置4と、ウエハW2上の計測対象の複数のウエハマークとこれに対応する基準パターンとの位置ずれ量を計測するマーク検出装置10と、その位置ずれ量の計測結果に基づいてウエハW2の位置合わせを行って、ウエハW2上の複数のショット領域を露光する露光装置12と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の位置合わせ用マークが形成された基板を露光する露光方法、その基板を露光する露光システム、及びその露光方法又はその露光システムを用いるデバイス製造技術に関する。
例えば半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)の製造工程の一つであるリソグラフィ工程において、露光装置を用いて、2層目以降の回路パターンをフォトレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に形成するためには、ウエハ上の各ショット領域に形成されている回路パターンとこれから露光するレチクル(又はフォトマスク等)のパターンの像との位置合わせ、即ちレチクル及びウエハのアライメントを高精度に行う必要がある。
従来の効率的でかつ高精度なアライメント方法として、ウエハ上から選択された所定個数のショット領域(サンプルショット)に付設されたウエハマーク(アライメントマーク)の位置をアライメント系によって計測し、この計測結果を統計処理してウエハ上の全部のショット領域の配列座標を算出するEGA(エンハンスド・グローバル・アライメント)方式のアライメント方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。最近はさらに効率的にアライメントを行うために、複数のアライメント系を用いてウエハ上の複数のウエハマークの位置を順次ほぼ同時に計測するようにした露光装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
露光工程のスループット(単位時間当たりに処理されるデバイスの個数)を高めるためにウエハは益々大型化しており、最近では直径が300mmのウエハが使用され、さらに直径が450mmのウエハの使用も開始されつつある。一方、ウエハ上の露光単位である一つのショット領域の大きさは例えば22×22mm2 又は26×33mm2 等とほぼ一定であるため、ウエハの面積にほぼ比例してウエハ上のショット領域の個数は増加する。従って、アライメント精度を高く維持するためには、ウエハの面積にほぼ比例して、計測対象のショット領域であるサンプルショットの個数(ひいては計測対象のウエハマークの個数)を増加することが好ましい。しかしながら、単にサンプルショットの個数を増加すると、ウエハのアライメントに要する時間が長くなり、露光工程のスループットが低下する。
また、複数のアライメント系を使用する場合には、アライメントに要する時間は短縮されるが、複数のアライメント系間のオフセット、及び複数のアライメント系を支持する支持機構の間隔の僅かな変動等に起因する計測誤差が残留する恐れがある。
本発明はこのような事情に鑑み、露光工程のスループットを高く維持して、かつアライメントを高精度に行うことが可能な露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明はこのような事情に鑑み、露光工程のスループットを高く維持して、かつアライメントを高精度に行うことが可能な露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明による露光方法は、複数の位置合わせ用マークが形成された基板を露光する露光方法において、その複数の位置合わせ用マークのうちの所定の複数の位置合わせ用マークに対応させてその基板上に複数の基準パターンを形成する工程と、その所定の複数の位置合わせ用マークとこれに対応するその基準パターンとの位置ずれ量を計測する工程と、その位置ずれ量の計測結果に基づいてその基板の位置合わせを行って、その基板上の複数の領域を露光する工程と、を含むものである。
また、本発明による露光装置は、複数の位置合わせ用マークが形成された基板を露光する露光システムにおいて、その複数の位置合わせ用マークのうちの所定の複数の位置合わせ用マークに対応させてその基板上に複数の基準パターンを形成する第1の露光装置と、その基板上のその所定の複数の位置合わせ用マークとこれに対応するその基準パターンとの位置ずれ量を計測するマーク計測系と、その位置ずれ量の計測結果に基づいてその基板の位置合わせを行って、その基板上の複数の領域を露光する第2の露光装置と、を備えるものである。
また、本発明のデバイス製造方法は、本発明の露光方法又は露光システムを用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理することと、を含むものである。
本発明によれば、或る基板上の計測対象の複数の位置合わせ用マークの位置を計測するために、対応する基準パターンとの位置ずれ量を計測しており、この位置ずれ量の計測は別の基板上の複数の領域の露光と並行して効率的に行うことができるため、複数枚の基板を露光する工程のスループットを高く維持できる。また、その位置ずれ量の計測は、順次高精度に行うことが可能であるため、アライメントを高精度に行うことができる。
以下、本発明の実施形態の一例につき図1〜図8を参照して説明する。
図1は、本実施形態の露光システムを示す。図1において、その露光システムは、不図示のコータ・デベロッパとの間でウエハの搬送を行うウエハローダ系2と、ウエハ(ここではウエハW2)上に後述の複数の基準パターンを形成するための簡易型露光装置4と、ウエハ(ここではウエハW1)上の各ショット領域にレチクルR(マスク)のデバイス用のパターンの像を露光する主となる露光装置12と、簡易型露光装置4から露光装置12にウエハW2を搬送するウエハ搬送系8と、ウエハ搬送系8で保持されているウエハW2上の所定のアライメントマークとしてのウエハマークとこの近傍に形成されている基準パターンとの位置ずれ量を計測するマーク検出装置10とを備えている。ウエハW2,W1(基板)はそれぞれ直径が例えば450mm(又は300mm等でもよい)の円板状の半導体の基材上にフォトレジスト(感光材料)を塗布したものである。
図1は、本実施形態の露光システムを示す。図1において、その露光システムは、不図示のコータ・デベロッパとの間でウエハの搬送を行うウエハローダ系2と、ウエハ(ここではウエハW2)上に後述の複数の基準パターンを形成するための簡易型露光装置4と、ウエハ(ここではウエハW1)上の各ショット領域にレチクルR(マスク)のデバイス用のパターンの像を露光する主となる露光装置12と、簡易型露光装置4から露光装置12にウエハW2を搬送するウエハ搬送系8と、ウエハ搬送系8で保持されているウエハW2上の所定のアライメントマークとしてのウエハマークとこの近傍に形成されている基準パターンとの位置ずれ量を計測するマーク検出装置10とを備えている。ウエハW2,W1(基板)はそれぞれ直径が例えば450mm(又は300mm等でもよい)の円板状の半導体の基材上にフォトレジスト(感光材料)を塗布したものである。
また、簡易型露光装置4は、投影倍率が拡大倍率(例えば2倍等)の投影光学系PL2を備えた一括露光型(静止露光型)の投影露光装置であり、露光装置12は、投影倍率が縮小倍率(例えば1/4,1/5等)の投影光学系PL1を備えたスキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型の投影露光装置である。以下、簡易型露光装置4においては、投影光学系PL2の光軸AX2に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面(ほぼ水平面)内で図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。また、マーク検出装置10及び露光装置12においては、投影光学系PL1の光軸AX1に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面(ほぼ水平面)内で図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。露光装置12における走査露光時のレチクルR及びウエハの走査方向はY軸に平行な方向(Y方向)である。また、X軸、Y軸、Z軸の回りの回転方向をθx、θy、θz方向とも呼ぶ。なお、簡易型露光装置4から露光装置12に搬送されるウエハは後述のように途中で180°回転されるため、簡易型露光装置4と露光装置12とではX軸及びY軸の方向が反転している。
先ず、簡易型露光装置4は、基準パターン形成用のパターンが形成されたレチクルRFをXY平面に平行な面上で吸着保持するステージ22と、露光光源(不図示)と、この露光光源からの露光用の照明光(露光光)IL2でレチクルRFのパターン領域の全面を覆う照明領域を照明する照明光学系21と、投影光学系PL2と、レチクルRFのパターンの投影光学系PL2による像が露光されるウエハW2を吸着保持して、ウエハベース26上のXY平面に平行な面上でウエハW2をX方向、Y方向、θz方向に所定範囲内で移動するXYステージ25と、簡易型露光装置4の動作を統括的に制御する制御装置6と、その他の駆動機構等(不図示)とを備えている。
その露光光源としては、水銀ランプ(i線等)又はKrFエキシマレーザ光源(波長248nm)などが使用できる。照明光IL2の波長は、後述の露光装置12の照明光IL1の波長と異なっていてもよい。照明光IL2としては、ウエハW2上のフォトレジストを感光できる波長域であれば、安価な露光光源から出力される光を使用可能である。照明光学系21は、例えばオプティカルインテグレータ(フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ))等を含む照度均一化光学系、レチクルブラインド、及びコンデンサレンズ等を備えている。投影光学系PL2は、一例として前群PL2a及び後群PL2bを含む屈折系である。さらに、XYステージ25上のウエハW2の近傍に基準マーク27aが形成された第1の基準部材27が設けられ、レチクルステージ22の上方に、レチクルRFのアライメントマークとしてのレチクルマーク54A(図4(B)参照)と基準マーク27aとの位置ずれ量を投影光学系PL2を介して計測する第1のレチクルアライメント系23が配置されている。レチクルアライメント系23は、レチクルRFの上方に移動可能な光路折り曲げ用のミラー24を備えている。
なお、ウエハW2に関して基準部材27と対称なXYステージ25上の位置にも、基準マークが形成された第2の基準部材(不図示)が設けられ、レチクルRFに関してレチクルアライメント系23と対称な位置にも第2のレチクルアライメント系(不図示)が配置されている。この第2のレチクルアライメント系を用いて図4(B)のレチクルRFのレチクルマーク54Bとこれに対応する基準マークとの位置ずれ量が計測される。この計測結果に基づいて、レチクルRFのパターンの像とXYステージ25との位置関係を調整可能である。さらに、XYステージ25上にロードされるウエハの外形(又はサーチアライメント用のマーク)の位置情報を計測するための画像処理型のプリアライメント系28が備えられ、プリアライメント系28の検出結果は制御装置6に供給される。
また、図1において、XYステージ25のX方向、Y方向の位置及びθz方向の回転角を計測するためのレーザ干渉計又はリニアエンコーダ等のウエハ側計測装置(不図示)と、XYステージ25をX方向、Y方向、θz方向に駆動する例えば送りねじ方式等の駆動機構(不図示)とが設けられている。制御装置6は、そのウエハ側計測装置の計測結果に基づいて、その駆動機構を介してXYステージ25の位置及び回転角を制御する。なお、レチクルRF用を保持するステージ22側にも狭い範囲で2次元的な位置を計測する計測装置、及びこの計測結果に基づいてステージ22を駆動する駆動機構を設けてもよい。
また、マーク検出装置10は、一例として落射照明方式の拡大結像光学系とCCD型又はCMOS型等の2次元撮像素子とを備える画像処理型の検出装置であり、マーク検出装置10の下方の被検面上の視野10a内の拡大像がその撮像素子上に形成される。マーク検出装置10は、ウエハW2のフォトレジストに形成された潜像及びフォトレジストの裏面のウエハマークの両方を検出可能である。その撮像素子の検出信号を処理して得られる後述の所定のマークとパターンとのX方向及びY方向の位置ずれ量の情報が制御装置6に供給される。その位置ずれ量の情報は、アライメント情報として制御装置6から露光装置12の主制御装置14及び演算装置15に供給される。
さらに、ウエハ搬送系8は、X軸に平行な第1X軸ガイド33Bと、第1X軸ガイド33Bに沿ってX方向に移動する第1X軸スライダ32Bと、第1X軸スライダ32Bに沿ってY方向に移動するY軸スライダ35と、Y軸スライダ35に対してその上の部材を±180°回転する回転テーブル34と、回転テーブル34上に固定されたX軸に平行な第2X軸ガイド33Aと、第2X軸ガイド33Aに沿ってX方向に移動する第2X軸スライダ32Aと、第2X軸スライダ32Aに終端部が固定されて先端部にウエハ(ここではW2とする)を吸着保持するウエハアーム部31とを備えている。X軸スライダ32A,32B及びY軸スライダ35のX方向及びY方向の移動量は例えばリニアエンコーダ(不図示)で計測され、回転テーブル34の回転角はロータリエンコーダ(不図示)で計測され、これらの計測値が制御装置6に供給されている。制御装置6は、それらの計測値に基づいて、X軸スライダ32A,32B、Y軸スライダ35、及び回転テーブル34を駆動する。
ウエハ搬送系8は、簡易型露光装置4で露光されたウエハW2をウエハアーム部31上に受け取り、ウエハW2を保持するウエハアーム部31をマーク検出装置10の下方に移動した後、回転テーブル34によって第2X軸ガイド33A、第2X軸スライダ32A、ウエハアーム部31、及びウエハW2を一体的に180°回転する。次に、ウエハアーム部31上のウエハW2をマーク検出装置10の下方の計測開始位置Cに移動した後、後述のように第2X軸スライダ32A及びY軸スライダ35を駆動してウエハW2をX方向及びY方向に所定の軌跡に沿って移動しながら、マーク検出装置10を介してウエハW2上の所定の複数対のマークとパターンとの位置ずれ量の計測が行われる。この計測が終了すると、第1X軸スライダ32Bを介してウエハアーム部31を露光装置12側に移動して、ウエハアーム部31から露光装置12側にウエハW2が受け渡される。その後、ウエハアーム部31は簡易型露光装置4側に戻されるとともに、その途中で回転テーブル34によってウエハアーム部31は−180°回転される。
次に、露光装置12は、露光用の照明光(露光光)IL1を発生する露光光源(不図示)と、照明光IL1でレチクルRを照明する照明光学系ILSと、レチクルRを吸着保持して移動するレチクルステージRSTと、投影光学系PL1とを備えている。さらに、露光装置12は、ウエハW1を吸着保持して移動するウエハステージWSTと、露光装置12の動作を統括的に制御する主制御装置14と、アライメント情報の演算を行う演算装置15と、アライメント情報を記憶する磁気ディスク装置等の記憶装置16と、その他の駆動機構等とを備えている。なお、主制御装置14及び演算装置15は、一つのコンピュータのソフトウェア上の異なる機能であってもよい。また、演算装置15は、機能的に異なる後述の第1演算部15a及び第2演算部15bを有する。
その露光光源としてはArFエキシマレーザ(波長193nm)が使用されているが、その他にKrFエキシマレーザ光源(波長248nm)などの紫外パルスレーザ光源、YAGレーザの高調波発生光源、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波発生装置なども使用できる。照明光学系ILSは、例えば特開2001−313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細書)などに開示されるように、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)、回折光学素子など)等を含む照度均一化光学系、レチクルブラインド、及びコンデンサレンズ等から構成されている。照明光学系ILSは、レチクルブラインドで規定されたレチクルR上のX方向に細長いスリット状の照明領域を照明光IL1によりほぼ均一な照度で照明する。
レチクルRに形成されたパターン領域のうち、照明領域内のパターンの像は、両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックの投影光学系PL1を介してウエハW1上の一つのショット領域上の露光領域に結像投影される。一例として、投影光学系PL1は前群PL1a及び後群PL1bから構成される屈折系であるが、反射屈折系等も使用可能である。
また、レチクルステージRSTは、不図示のレチクルベースのXY平面に平行な上面にエアベアリングを介して載置され、その上面でY方向に一定速度で移動し、必要に応じてX方向への移動及びθz方向の回転等が可能である。レチクルステージRSTの少なくともX方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む2次元の位置情報は不図示のレーザ干渉計によって計測され、計測された位置情報は主制御装置14に供給される。主制御装置14はその位置情報に基づいてリニアモータ等の駆動機構(不図示)を介してレチクルステージRSTの速度、位置、及び回転角を制御する。
また、レチクルステージRSTは、不図示のレチクルベースのXY平面に平行な上面にエアベアリングを介して載置され、その上面でY方向に一定速度で移動し、必要に応じてX方向への移動及びθz方向の回転等が可能である。レチクルステージRSTの少なくともX方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む2次元の位置情報は不図示のレーザ干渉計によって計測され、計測された位置情報は主制御装置14に供給される。主制御装置14はその位置情報に基づいてリニアモータ等の駆動機構(不図示)を介してレチクルステージRSTの速度、位置、及び回転角を制御する。
一方、ウエハステージWSTは、ウエハベースWBのXY平面に平行な上面にエアベアリングを介して載置され、その上面でX方向、Y方向に移動可能で、かつθz方向に回転可能である。ウエハステージWSTの少なくともX方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む2次元の位置情報は不図示のレーザ干渉計によって計測され、計測された位置情報は主制御装置14に供給される。主制御装置14はその位置情報に基づいてリニアモータ等の駆動機構(不図示)を介してウエハテージWSTの速度、位置、及び回転角を制御する。
また、ウエハステージWSTには、ウエハW1の表面の複数の計測点のZ方向の位置(フォーカス位置)を計測する多点のオートフォーカスセンサ(不図示)の計測結果に基づいて、ウエハW1の表面を投影光学系PL1の像面に合わせ込むZステージ機構が組み込まれている。
さらに、投影光学系PL1の側面に、ウエハW1上の所定のパターン又はマークの位置を計測するオフアクシスで画像処理方式のアライメント系41が不図示のフレームに固定されて配置されている。アライメント系41はウエハW1のフォトレジスト上の潜像も検出可能である。アライメント系41で検出される、アライメント系41の視野内の所定の検出中心からの被検パターン又は被検マークのX方向、Y方向への位置ずれ量の情報が主制御装置14を介して演算装置15の第1演算部15aに供給される。第1演算部15aでは、アライメント系41で計測される位置ずれ量にそのときのウエハステージWSTの座標値を加算して、被検パターン等のウエハステージWSTの座標系(X,Y)における配列座標を求める。第1演算部15aは、さらにその配列座標及び上記のアライメント情報等に基づいてウエハW1のアライメントを行う。
さらに、投影光学系PL1の側面に、ウエハW1上の所定のパターン又はマークの位置を計測するオフアクシスで画像処理方式のアライメント系41が不図示のフレームに固定されて配置されている。アライメント系41はウエハW1のフォトレジスト上の潜像も検出可能である。アライメント系41で検出される、アライメント系41の視野内の所定の検出中心からの被検パターン又は被検マークのX方向、Y方向への位置ずれ量の情報が主制御装置14を介して演算装置15の第1演算部15aに供給される。第1演算部15aでは、アライメント系41で計測される位置ずれ量にそのときのウエハステージWSTの座標値を加算して、被検パターン等のウエハステージWSTの座標系(X,Y)における配列座標を求める。第1演算部15aは、さらにその配列座標及び上記のアライメント情報等に基づいてウエハW1のアライメントを行う。
さらに、ウエハステージWST上には、スリット42a及び基準マーク42bが形成された光透過性の基準部材42が配置され、基準部材42の底面のウエハステージWSTの内部に、スリット42aを通過した光束を集光するレンズ系43aと、その集光された光束を受光する光電センサ43bとを含む空間像計測系43が設置されている。空間像計測系43によってレチクルRのレチクルマーク(不図示)の像の位置を検出することで、レチクルRのアライメントが行われている。さらに、基準マーク42bの位置をアライメント系41で計測することで、レチクルRのパターンの像の中心とアライメント系41の検出中心との位置関係(ベースライン)が求められて、主制御装置14及び演算装置15(第1演算部15a)に記憶されている。
また、露光装置12が液浸型である場合には、投影光学系PL1の下端の光学部材とウエハW1との間の局所的な液浸領域に、不図示の液体供給装置から照明光IL1を透過する液体(不図示)が供給され、その液体は不図示の液体回収装置によって回収される。その液体供給装置及び液体回収装置を含む局所的な液浸機構としては、例えば国際公開第2004/053955号パンフレット、欧州特許出願公開第1420298号明細書、又は国際公開第2005/122218号パンフレット等に開示されている液浸機構等が使用できる。なお、露光装置12がドライ型である場合には、その液浸機構を備える必要はない。
そして、露光装置12の露光時には、後述のようにウエハW1(又はW2等)のアライメントが行われる。その後、レチクルRへの照明光IL1の照射を開始して、レチクルRのパターンの一部の投影光学系PL1を介した像をウエハW1上の一つのショット領域に投影しつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを投影光学系PL1の投影倍率を速度比としてY方向に同期して移動(同期走査)する走査露光動作によって、そのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。その後、照明光IL1の照射を停止して、ウエハステージWSTを介してウエハW1をX方向、Y方向にステップ移動する動作と、上記の走査露光動作とを繰り返すことによって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW1上の全部のショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
以下、図1の露光システムを用いて複数枚のウエハを順次露光する場合の動作の一例につき図3のフローチャートを参照して説明する。この動作は主制御装置14及び制御装置6の制御のもとで行われる。本実施形態で露光対象とするウエハローダ系2によって搬入されるフォトレジストが塗布された直径が450mm等の円板状のウエハ(ここではW2とする)は、その外周部に位置決め用の切り欠き部(不図示)が形成されている。また、ウエハW2の上面は、図2(A)に示すように、X方向及びY方向に所定周期で多数の矩形のショット領域SAj(j=1,2,…,J)に区画され、各ショット領域SAjにはこれまでのデバイス製造工程によって1層又は複数層の回路パターンが形成され、各ショット領域SAjにはそれぞれアライメントマークとしてのウエハマークWMjが付設されている。ウエハマークWMjは、ウエハW2上のフォトレジストの裏面に凹凸パターン(下地パターン)として形成されている。ウエハW2上のショット領域SAj及びウエハマークWMjの配列(ショットマップ)の情報、例えばウエハマークWMjのウエハ上での設計上の配列座標(xwj,ywj)及びウエハマークと対応するショット領域の中心との間隔の情報は、制御装置6、主制御装置14、及び記憶装置16に記憶されている。
また、隣接するショット領域SAj,SA(j+1)等は、図2(B)に示すように、所定幅のスクライブライン領域SLで分離され、一例としてスクライブライン領域SL上にそれぞれ隣接するショット領域SAj,SA(j+1)に対応するウエハマークWMj,WM(j+1)が形成されている。一例として、ショット領域SAjのX方向の幅は26mm、Y方向の長さは33mmであり、スクライブライン領域SLの幅は数10μm程度である。さらに、図2(C)に示すように、一例としてウエハマークWMjは、X方向の位置を示す複数のライン・アンド・スペースパターン(以下、L&Sパターンという)51XとY方向の位置を示す複数のL&Sパターン51Yとから構成されている。なお、ウエハマークWMjは、ショット領域SAj内のデバイスパターンがない領域等に形成されていてもよい。
この場合、ウエハW2の直径が300mmであるときには、ショット領域SAjの個数はほぼ80個(J=80)であり、ウエハW2の直径が450mmであるときには、ショット領域SAjの個数はほぼ180個(J=180)であり、ショット領域SAjの個数はほぼ2.25倍に増加する。即ち、ウエハW2の面積にほぼ比例して(ウエハW2の直径の二乗にほぼ比例して)、ウエハW2上のショット領域SAjの個数は増加するため、EGA方式でアライメントを行う場合に計測対象となるショット領域であるサンプルショットの個数(ひいてはこれに付設された計測対象のウエハマークWMjの個数)も、ショット領域SAjの個数に応じて増加する。
また、図1の簡易型露光装置4のステージ22に保持されたレチクルRFには、図4(B)に示すように、図2(A)のウエハW2上の多数のウエハマークWMjの設計上の配列を、投影光学系PL2の投影倍率(ここでは拡大倍率)の逆数倍で縮小した配列でX方向、Y方向に所定間隔で多数の計測用パターン52Fjが形成されている。計測用パターン52Fjは、遮光膜中に形成された透過パターンである。また、各計測用パターン52Fjの投影光学系PL2による像(以下、基準パターンと呼ぶ)52jは、図4(C)に示すように、図2(C)のウエハマークWMjとほぼ同じ大きさのX方向のL&Sパターン像53XとY方向のL&Sパターン像53Yとから構成されている。
なお、レチクルRFのパターン領域のX方向の両端部にはレチクルマーク(アライメントマーク)54A,54Bが形成されており、上述のようにレチクルマーク54A,54Bを介してレチクルRFのアライメントが行われる。
そして、先ず計測用パターン52Fjの像の配列を計測するために、図3のステップ101において、図1の簡易型露光装置4のXYステージ25上に、図4(A)に示すように、フォトレジストが塗布された未露光の評価用のウエハWTをロードし、このウエハWTの上面に、レチクルRFの多数の計測用パターン52Fjの像(基準パターン52j)を露光して、多数の基準パターン52jを潜像として形成する。次のステップ102において、一例として露光済みのウエハWTをウエハ搬送系8を介して簡易型露光装置4から露光装置12のウエハステージWST上に搬送する。そして、ウエハステージWSTをX方向、Y方向に移動しながら、アライメント系41でウエハWT上の多数の基準パターン52j(ここでは潜像)の位置を計測し、計測値を順次、演算装置15の第1演算部15aに供給する。第1演算部15aでは、各基準パターン52jのX座標、Y座標を求めた後、各基準パターン52jの座標を、図4(A)のほぼY軸に平行な軸上の所定の2つの基準パターン52a及び52bによって規定される直交座標系(XF,YF)上の配列座標(XFj,YFj)に変換する。全部の基準パターン52j(j=1〜J)の配列座標(XFj,YFj)は基準パターンの配列として記憶装置16に記憶される。直交座標系(XF,YF)では一例として、基準パターン52aの中心が原点(0,0)であり、基準パターン52a,52bの中心を通る直線がYF軸、原点を通りYF軸に垂直な軸がXF軸である。
そして、先ず計測用パターン52Fjの像の配列を計測するために、図3のステップ101において、図1の簡易型露光装置4のXYステージ25上に、図4(A)に示すように、フォトレジストが塗布された未露光の評価用のウエハWTをロードし、このウエハWTの上面に、レチクルRFの多数の計測用パターン52Fjの像(基準パターン52j)を露光して、多数の基準パターン52jを潜像として形成する。次のステップ102において、一例として露光済みのウエハWTをウエハ搬送系8を介して簡易型露光装置4から露光装置12のウエハステージWST上に搬送する。そして、ウエハステージWSTをX方向、Y方向に移動しながら、アライメント系41でウエハWT上の多数の基準パターン52j(ここでは潜像)の位置を計測し、計測値を順次、演算装置15の第1演算部15aに供給する。第1演算部15aでは、各基準パターン52jのX座標、Y座標を求めた後、各基準パターン52jの座標を、図4(A)のほぼY軸に平行な軸上の所定の2つの基準パターン52a及び52bによって規定される直交座標系(XF,YF)上の配列座標(XFj,YFj)に変換する。全部の基準パターン52j(j=1〜J)の配列座標(XFj,YFj)は基準パターンの配列として記憶装置16に記憶される。直交座標系(XF,YF)では一例として、基準パターン52aの中心が原点(0,0)であり、基準パターン52a,52bの中心を通る直線がYF軸、原点を通りYF軸に垂直な軸がXF軸である。
この場合、ステップ101とステップ102との間で、ウエハWT上のフォトレジストは現像等の処理を受けておらず、そのフォトレジストには線形伸縮等が生じないため、ステップ102で計測される基準パターンの配列は、ステップ101で形成された基準パターンのほぼ一定な配列とみなすことができる。なお、ステップ101及び102は、例えば定期的に実行するのみでよい。
そして、ウエハローダ系2によって露光対象のフォトレジストが塗布されたウエハ(W2とする)が搬送されてきたときには、ステップ103において、図1の簡易型露光装置4のプリアライメント系28によってウエハW2の外形の位置が例えば3箇所で計測され、この計測後のウエハW2がXYステージ25上にロードされる。そのプリアライメント系28の計測結果を用いて、制御装置6は、図4(B)のレチクルRFの計測用パターン52Fjの像の位置の近傍に、図2(A)のウエハW2の各ショット領域SAjのウエハマークWMjが来るようにXYステージ25(ウエハW2)を位置決めする。
この状態でステップ104において、照明光学系21からレチクルRFに照明光ILを照射して、レチクルRFの多数の計測用パターン52Fjの投影光学系PL2による像をウエハW2上に露光し、図5(A)に示すように、ウエハW2上の多数のウエハマークWMjの近傍にそれぞれ基準パターン52jを潜像として形成する。図5(A)中のB部の拡大図である図5(B)に示すように、基準パターン52j(L&Sパターン像53X,53Y)は、ショット領域SAjに隣接するスクライブライン領域SL上にウエハマークWMjに近接して形成される。なお、この場合の露光量は、基準パターン52j(潜像)がマーク検出装置10及びアライメント系41によって検出可能なレベルであればよく、その露光量はウエハW2上のフォトレジストを感光させるレベルよりもかなり小さい(例えば1/10程度)。従って、ウエハW2の現像後に、基準パターン52jに対応するレジストパターンがウエハW2上に形成されることはない。
また、ウエハマークWMjはフォトレジストの裏面の凹凸パターンであるのに対して、基準パターン52jはフォトレジストの表面のパターンであるため、両者は画像処理によって明確に識別可能である。
次のステップ105において、ウエハ搬送系8のX軸スライダ32A,32Bを駆動してウエハアーム部31の先端部をXYステージ25側に移動して、XYステージ25からウエハアーム部31にウエハW2を受け渡した後、ウエハアーム部31をマーク検出装置10の下方に移動しながら、回転テーブル34によってウエハアーム部31(ウエハW2)を180°回転する。そして、ステップ106において、ウエハ搬送系8によってウエハアーム部31をX方向、Y方向に移動することによって、マーク検出装置10の視野10aを図6(A)の軌跡55に沿ってウエハW2の上面で相対的に移動する。その軌跡55に沿った複数の計測位置Ai(i=1〜I)には、それぞれウエハマークWMj及び基準パターン52jが形成されている。なお、その計測位置Aiの個数Iは、一例として、ウエハW2のアライメントを通常のEGA方式で行う場合のサンプルショット(又は計測対象のショット領域に付設されたウエハマーク)の個数程度以上であり、個数Iは例えば10程度以上である。
次のステップ105において、ウエハ搬送系8のX軸スライダ32A,32Bを駆動してウエハアーム部31の先端部をXYステージ25側に移動して、XYステージ25からウエハアーム部31にウエハW2を受け渡した後、ウエハアーム部31をマーク検出装置10の下方に移動しながら、回転テーブル34によってウエハアーム部31(ウエハW2)を180°回転する。そして、ステップ106において、ウエハ搬送系8によってウエハアーム部31をX方向、Y方向に移動することによって、マーク検出装置10の視野10aを図6(A)の軌跡55に沿ってウエハW2の上面で相対的に移動する。その軌跡55に沿った複数の計測位置Ai(i=1〜I)には、それぞれウエハマークWMj及び基準パターン52jが形成されている。なお、その計測位置Aiの個数Iは、一例として、ウエハW2のアライメントを通常のEGA方式で行う場合のサンプルショット(又は計測対象のショット領域に付設されたウエハマーク)の個数程度以上であり、個数Iは例えば10程度以上である。
そして、各計測位置AiでウエハW2を静止させて、図6(B)に示すように、マーク検出装置10によって視野10a内の基準パターン52jの中心に対するウエハマークWMjの中心のX方向、Y方向への位置ずれ量(ΔXj,ΔYj)を計測する。この位置ずれ量(ΔXj,ΔYj)を配列ベクトルEVjとも呼ぶ。計測された全部の位置ずれ量(ΔXj,ΔYj)は、制御装置6から主制御装置14を介して演算装置15に供給される。
図7はウエハW2に関してステップ106で計測された位置ずれ量(ΔXj,ΔYj)に対応する配列ベクトルEVjを拡大して示す。図7において、実際には計測位置Ai(i=1〜I)にある配列ベクトルEVjのみが計測されている。次のステップ107において、演算装置15内の第2演算部15bは、記憶装置16から基準パターン52jの配列座標(XFj,YFj)を読み出し、この配列座標に配列ベクトルEVjの位置ずれ量(ΔXj,ΔYj)を加算して、次のように計測位置AiにあるウエハマークWMjの配列座標(XMj,YMj)を求める。この配列座標(XMj,YMj)は、2つの基準パターン52a(座標(0,0))及び52b(座標(0,YFb))を基準とする直交座標系(XF,YF)上の配列座標である。
XMj=XFj+ΔXj …(1X)
YMj=YFj+ΔYj …(1Y)
さらに、第2演算部15bは、記憶装置16からウエハマークWMjの設計上の配列座標(xwj,ywj)を読み出す。この場合、X方向、Y方向のオフセット(Ox1,Oy1)、X方向、Y方向のスケーリング(伸縮)(rx,ry)、ローテーション(回転誤差)θ1、及び直交度誤差ωよりなる6個の誤差パラメータ(EGAパラメータ)を用いて、設計上の配列座標(xwj,ywj)から上記の配列座標の計測値(XMj,YMj)を計算するためのモデル式が、一例として次のように定められている。なお、ローテーションθ1(rad)及び直交度誤差ω(rad)はそれぞれ微少量であると仮定している。
YMj=YFj+ΔYj …(1Y)
さらに、第2演算部15bは、記憶装置16からウエハマークWMjの設計上の配列座標(xwj,ywj)を読み出す。この場合、X方向、Y方向のオフセット(Ox1,Oy1)、X方向、Y方向のスケーリング(伸縮)(rx,ry)、ローテーション(回転誤差)θ1、及び直交度誤差ωよりなる6個の誤差パラメータ(EGAパラメータ)を用いて、設計上の配列座標(xwj,ywj)から上記の配列座標の計測値(XMj,YMj)を計算するためのモデル式が、一例として次のように定められている。なお、ローテーションθ1(rad)及び直交度誤差ω(rad)はそれぞれ微少量であると仮定している。
XMj=rx・xwj−rx(ω+θ1)・ywj+Ox1 …(2X)
YMj=ry・θ1・xwj+ry・ywj+Oy1 …(2Y)
そして、第2演算部15bは、図7のI個の計測位置Aiで計測されたウエハマークWMjの配列座標(XMj,YMj)を用いて、その6個の誤差パラメータ(Ox1,Oy1,rx,ry,θ1,ω)の値を最小自乗法によって決定する。この誤差パラメータを用いることによって、ステップ106でマーク検出装置10によっては計測されなかったウエハマークWMjの配列座標も算出可能となる。この誤差パラメータの値は記憶装置16に記憶される。なお、このステップ107の動作は以下のステップ108の動作等と並行して実行してもよい。
YMj=ry・θ1・xwj+ry・ywj+Oy1 …(2Y)
そして、第2演算部15bは、図7のI個の計測位置Aiで計測されたウエハマークWMjの配列座標(XMj,YMj)を用いて、その6個の誤差パラメータ(Ox1,Oy1,rx,ry,θ1,ω)の値を最小自乗法によって決定する。この誤差パラメータを用いることによって、ステップ106でマーク検出装置10によっては計測されなかったウエハマークWMjの配列座標も算出可能となる。この誤差パラメータの値は記憶装置16に記憶される。なお、このステップ107の動作は以下のステップ108の動作等と並行して実行してもよい。
次のステップ108において、露光装置12からは露光済みのウエハが搬出されているものとして、ウエハ搬送系8によってウエハW2をマーク検出装置10の下方から露光装置12のウエハステージWST上に搬送する。これに対応して露光装置12側では、ステップ111において、ウエハステージWST上にウエハW2をロードする。
この後、簡易型露光装置4の動作はステップ109に移行する。そして、未露光のウエハが残っている場合には動作はステップ103に戻り、次の露光対象のウエハ(W3とする)が図1のウエハローダ系2から簡易型露光装置4のXYステージ25上にロードされて、以下ステップ103から108までのアライメント動作の一部が繰り返される。
この後、簡易型露光装置4の動作はステップ109に移行する。そして、未露光のウエハが残っている場合には動作はステップ103に戻り、次の露光対象のウエハ(W3とする)が図1のウエハローダ系2から簡易型露光装置4のXYステージ25上にロードされて、以下ステップ103から108までのアライメント動作の一部が繰り返される。
一方、露光装置12の動作はステップ111からステップ112に移行する。そして、露光装置12のアライメント系41を用いて図8に示すように、ウエハW2上の2つの基準パターン52a及び52bのウエハステージWSTの座標系(X,Y)上での配列座標(xa,ya)及び(xb,yb)を計測する。次のステップ113で、オフセット(Ox2,Oy2)及び微少量のローテーションθ2を用いて、図7の座標(XF,YF)上の基準パターン52jの座標(XFj,YFj)から、座標系(X,Y)上での基準パターン52jの座標(xfj,yfj)を計算するためのモデル式が、一例として次のように設定されている。
xfj=XFj−θ2・YFj+Ox2 …(3X)
yfj=θ2・XFj+YFj+Oy2 …(3Y)
この場合、演算装置15の第1演算部15aは、ステップ112で計測された準パターン52a,52bの配列座標(xa,ya)及び(xb,yb)と、図7の配列座標(0,0)及び(0,YFb)とを式(3X)、式(3Y)に代入し、最小自乗法によってオフセット(Ox2,Oy2)及びローテーションθ2の値を決定して、記憶装置16に記憶する。
yfj=θ2・XFj+YFj+Oy2 …(3Y)
この場合、演算装置15の第1演算部15aは、ステップ112で計測された準パターン52a,52bの配列座標(xa,ya)及び(xb,yb)と、図7の配列座標(0,0)及び(0,YFb)とを式(3X)、式(3Y)に代入し、最小自乗法によってオフセット(Ox2,Oy2)及びローテーションθ2の値を決定して、記憶装置16に記憶する。
次のステップ114において、第1演算部15aは、ステップ113で求められたオフセット(Ox2,Oy2)及びローテーションθ2を用いて、ステップ107で求められた全部のウエハマークWMjの配列座標(XMj,YMj)から、それぞれ次式によってウエハステージWSTの座標系(X,Y)上での配列座標(xj,yj)を算出する。
xj=XMj−θ2・YMj+Ox2 …(4X)
yj=θ2・XMj+YMj+Oy2 …(4Y)
さらに、第1演算部15aは、各ウエハマークWMjの配列座標(xj,yj)をウエハマークWMjとショット領域SAjの中心との位置ずれ量及び上記のベースラインで補正した配列座標を、各ショット領域SAjの配列座標として主制御装置14に供給する。
xj=XMj−θ2・YMj+Ox2 …(4X)
yj=θ2・XMj+YMj+Oy2 …(4Y)
さらに、第1演算部15aは、各ウエハマークWMjの配列座標(xj,yj)をウエハマークWMjとショット領域SAjの中心との位置ずれ量及び上記のベースラインで補正した配列座標を、各ショット領域SAjの配列座標として主制御装置14に供給する。
次のステップ115において、主制御装置14は、供給された配列座標を用いて、ウエハW2上の各ショット領域SAjとレチクルRのパターンの投影光学系PL1による像とが重なるように、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期して駆動しながら、ウエハW2上の全部のショット領域SAjに順次レチクルRのパターンの像を走査露光する。一例として、図8において、ウエハW2上のショット領域SAjを含む一列のショット領域を露光する際には、投影光学系PL1の露光領域56がウエハW2に対して相対的に軌跡57に沿って移動する。次のステップ116において、露光済みのウエハW2をアンロードし、不図示のウエハローダ系を介してコータ・デベロッパ(不図示)に搬出する。
ウエハW2の搬出後に、ステップ117において未露光のウエハが残っていない場合には露光工程は終了する。一方、ステップ117で未露光のウエハがある場合には動作はステップ111に戻り、次の露光対象のウエハW3がマーク検出装置10の下方からウエハ搬送系8によって搬入され、搬入されたウエハW3は露光装置12のウエハステージWST上にロードされる。そして、以下、ステップ112から116までのアライメントの一部の動作及び露光動作が繰り返される。この場合、露光装置12がステップ112から115までのウエハW2上の2つの基準パターンの計測及びウエハW2の露光を行っているときに、これと並行して簡易型露光装置4及びマーク検出装置10によってステップ103から107までのウエハW3上の基準パターンを基準としたウエハマークの位置計測が行われる。従って、実質的にウエハのアライメントの大部分の動作とウエハの露光動作とが並行して実行されるため、例えば1ロットのウエハを高いスループットで露光できる。
本実施形態の作用効果等は以下の通りである。
(1)本実施形態の露光システムは、複数のウエハマークWMjが形成されたウエハW2を露光する露光システムにおいて、それらのウエハマークWMjの近傍にそれぞれ基準パターン52jを潜像として形成する簡易型露光装置4と、複数の計測位置Ai(i=1〜I)にあるウエハマークWMjとこの近傍の基準パターン52jとの位置ずれ量を計測するマーク検出装置10と、その位置ずれ量の計測結果に基づいてウエハW2の位置合わせを行って、ウエハW2上の複数のショット領域SAjを露光する露光装置12とを備えている。
(1)本実施形態の露光システムは、複数のウエハマークWMjが形成されたウエハW2を露光する露光システムにおいて、それらのウエハマークWMjの近傍にそれぞれ基準パターン52jを潜像として形成する簡易型露光装置4と、複数の計測位置Ai(i=1〜I)にあるウエハマークWMjとこの近傍の基準パターン52jとの位置ずれ量を計測するマーク検出装置10と、その位置ずれ量の計測結果に基づいてウエハW2の位置合わせを行って、ウエハW2上の複数のショット領域SAjを露光する露光装置12とを備えている。
また、その露光システムによる露光方法は、簡易型露光装置4によってウエハW2上の全部のウエハマークWMjの近傍に基準パターン52jを形成するステップ104と、マーク検出装置10によってウエハマークWMjとこの近傍の基準パターン52jとの位置ずれ量を計測するステップ106と、その位置ずれ量の計測結果に基づいてウエハW2の位置合わせを行って、ウエハW2上の複数のショット領域SAjを露光するステップ112〜115と、を含んでいる。
本実施形態によれば、ウエハW2上の計測位置AiにあるウエハマークWMjの位置を計測するために、この近傍に形成された配列が既知の基準パターン52jとの位置ずれ量を計測しており、この位置ずれ量の計測は別のウエハの各ショット領域の露光と並行して効率的に行うことができるため、露光工程のスループットを高く維持できる。また、その位置ずれ量の計測は、マーク検出装置10の視野10a内で順次高精度に行うことが可能であるため、アライメントを高精度に行うことができる。
また、本実施形態では、ウエハマークWMjはウエハW2上の各ショット領域SAjに付設されているため、上記のステップ106では、ウエハW2から選択された計測対象のショット領域(サンプルショット)SAjについて、それぞれ対応するウエハマークWMjと基準パターン52jとの位置ずれ量を計測している。
また、ステップ115では、ステップ114で算出されたウエハW2上の全部のショット領域SAjの配列座標を用いて、各ショット領域SAjとレチクルRのパターンの像とを高精度に重ね合わせて、各ショット領域SAjにレチクルRのパターンの像を露光している。従って、高い重ね合わせ精度が得られる。
また、ステップ115では、ステップ114で算出されたウエハW2上の全部のショット領域SAjの配列座標を用いて、各ショット領域SAjとレチクルRのパターンの像とを高精度に重ね合わせて、各ショット領域SAjにレチクルRのパターンの像を露光している。従って、高い重ね合わせ精度が得られる。
(2)また、ステップ104ではウエハW2上のフォトレジスト層に基準パターン52jを潜像として形成し、ステップ106ではマーク検出装置10によってウエハマークWMjとこの近傍の基準パターン52jの潜像との位置ずれ量を計測している。この場合、ウエハマークWMjはウエハW2上のフォトレジストの裏面にあり、かつ非対称性を含む恐れもあるのに対して、基準パターン52jの潜像はフォトレジストの上面にあり、非対称性はないため、基準パターン52jの潜像の位置を基準として、ウエハマークWMjの位置を高精度に計測できる。
なお、基準パターン52jは、潜像以外のパターン、例えば凹凸状パターン(ウエハマークと同じように可視化されたパターン)でもよい。
(3)また、本実施形態では、簡易型露光装置4において基準パターン52jが形成されたウエハW2をウエハ搬送系8によって露光装置12に搬送するステップ105,108を含み、その位置ずれ量を計測するステップ106は、そのステップ105,108の途中で行われる。従って、その位置ずれ量の計測を効率的に行うことができる。
(3)また、本実施形態では、簡易型露光装置4において基準パターン52jが形成されたウエハW2をウエハ搬送系8によって露光装置12に搬送するステップ105,108を含み、その位置ずれ量を計測するステップ106は、そのステップ105,108の途中で行われる。従って、その位置ずれ量の計測を効率的に行うことができる。
(4)また、ステップ106の位置ずれ量の計測結果を用いて、ステップ107において、演算装置15(第2演算部15b)が、ウエハW2を露光装置12のウエハステージWST上にロードするときのローディング状態(配置状態)に依存しないショット領域SAj(ウエハマークWMj)の配列情報として、式(2X)、式(2Y)のスケーリング(rx,ry)及び直交度誤差ωを含むEGA方式でアライメントを行う場合の誤差パラメータを求めている。
従って、ウエハW2を露光装置12にロードした後は、ウエハW2上で計測対象とするショット領域(ウエハマーク)の個数を少なくできる。
(5)また、ステップ112では、露光装置12のアライメント系41によってウエハW2上の基準パターン52a,52bの位置を計測し、ステップ113では、その計測結果から演算装置15(第1演算部15a)が、ウエハW2をウエハステージWSTにロードする際のローディング状態(載置状態)に依存するショット領域SAj(ウエハマークWMj)の配列状態として、式(4X)、式(4Y)のオフセット(Ox2,Oy2)及びローテーションθ2を含む誤差パラメータを求めている。従って、露光装置12におけるアライメント系41による計測時間は極めて短いため、高精度にアライメントを行いながら、迅速にウエハW2の露光に移行できる。
(5)また、ステップ112では、露光装置12のアライメント系41によってウエハW2上の基準パターン52a,52bの位置を計測し、ステップ113では、その計測結果から演算装置15(第1演算部15a)が、ウエハW2をウエハステージWSTにロードする際のローディング状態(載置状態)に依存するショット領域SAj(ウエハマークWMj)の配列状態として、式(4X)、式(4Y)のオフセット(Ox2,Oy2)及びローテーションθ2を含む誤差パラメータを求めている。従って、露光装置12におけるアライメント系41による計測時間は極めて短いため、高精度にアライメントを行いながら、迅速にウエハW2の露光に移行できる。
また、基準パターン52a,52bは潜像であるため、その位置をアライメント系41によって高精度に検出できる。
なお、ステップ112では、露光工程のスループットにあまり影響しない範囲で、2個以上の基準パターンの位置をアライメント系41で計測してもよい。この計測結果に最小自乗法を適用することで、オフセット(Ox2,Oy2)及びローテーションθ2の計測精度を向上できる。
なお、ステップ112では、露光工程のスループットにあまり影響しない範囲で、2個以上の基準パターンの位置をアライメント系41で計測してもよい。この計測結果に最小自乗法を適用することで、オフセット(Ox2,Oy2)及びローテーションθ2の計測精度を向上できる。
また、ステップ112では、アライメント系41によって、ウエハW2上の少なくとも2個のウエハマークの位置を計測してもよい。この計測結果からも実質的にオフセット(Ox2,Oy2)及びローテーションθ2を求めることができる。
(6)また、マーク検出装置10は、画像処理型の計測系であり、ステップ104では、ウエハW2上の各ウエハマークWMjに対応させて、即ち各ウエハマークWMjとこれに対応する基準パターン52jとをマーク検出装置10の共通の視野10a内に同時に収まる程度に近接させて、それぞれ基準パターン52jを形成している。従って、マーク検出装置10では2つのマーク及びパターンの位置ずれ量のみを計測すればよく、例えばウエハ搬送系8の位置決め誤差は計測誤差とはならないため、基準パターン52jの配列を基準としてウエハマークWMjの位置を高精度に計測できる。
(6)また、マーク検出装置10は、画像処理型の計測系であり、ステップ104では、ウエハW2上の各ウエハマークWMjに対応させて、即ち各ウエハマークWMjとこれに対応する基準パターン52jとをマーク検出装置10の共通の視野10a内に同時に収まる程度に近接させて、それぞれ基準パターン52jを形成している。従って、マーク検出装置10では2つのマーク及びパターンの位置ずれ量のみを計測すればよく、例えばウエハ搬送系8の位置決め誤差は計測誤差とはならないため、基準パターン52jの配列を基準としてウエハマークWMjの位置を高精度に計測できる。
(7)また、ステップ114では、ステップ107で求めた誤差パラメータ及びステップ113で求めた誤差パラメータを用いてウエハW2上の全部のショット領域に付設されたウエハマークの配列座標、ひいてはその全部のショット領域の配列座標を求めている。従って、ウエハW2上のショット配列に線形伸縮等の影響があっても、ウエハW2の各ショット領域とレチクルRのパターンの像とを高精度に重ね合わせて露光できる。
(8)また、本実施形態では、ウエハW2上の各ショット領域SAjにそれぞれ一つのウエハマークWMjが付設され、ウエハW2上の全部のショット領域SAjの個数(ウエハマークWMjの個数)と、ウエハW2上に形成される基準パターン52jの個数とは等しい。しかしながら、一例として、ウエハW2上の計測対象のウエハマークWMjの近傍にのみ基準パターン52jを形成してもよい。即ち、ウエハW2上に形成する基準パターン52jの個数はウエハW2上の全部のショット領域SAjの個数よりも少なくともよい。このように基準パターン52jの個数を少なくすることで、簡易型露光装置4の投影光学系PL2を小型化可能である。
(9)また、ステップ102において、予めウエハWT上の基準パターン52jの配列情報を計測して記憶装置16に記憶し、ステップ107では、その記憶された配列情報と計測された位置ずれ量とからウエハマークWMjの位置を求めている。この場合、基準パターン52jはウエハWTのフォトレジスト上の潜像であり、現像等のプロセスを経ていないため、その位置は安定である。従って、一度、ステップ102で基準パターン52jの配列情報を計測して記憶しておけば、それ以降はその記憶してある配列情報を繰り返して用いることができる。
なお、上記の実施形態については以下のような変形が可能である。
先ず、上記の実施形態では、マーク検出装置10は1台であるが、マーク検出装置は2つのパターン(マーク)の位置ずれ量を計測すればよいだけであるため、マーク検出装置を複数個並列に配置して、並列にウエハ上の基準パターンとウエハマークとの位置ずれ量を計測してもよい。
また、ウエハW2上の各ショット領域にはそれぞれ一つのウエハマークが付設されているが、各ショット領域にそれぞれ2つ以上のウエハマークが付設されていてもよい。また、例えばウエハW2の周辺部のショット領域等で、対応するウエハマークが欠けているか、又は位置計測が困難なウエハマークが付設されているショット領域が存在してもよい。仮に図6(A)の計測位置Ai中で計測が困難なウエハマークWMjが存在した場合には、その近傍のウエハマークと対応する基準パターンとの位置ずれ量を計測してもよい。
先ず、上記の実施形態では、マーク検出装置10は1台であるが、マーク検出装置は2つのパターン(マーク)の位置ずれ量を計測すればよいだけであるため、マーク検出装置を複数個並列に配置して、並列にウエハ上の基準パターンとウエハマークとの位置ずれ量を計測してもよい。
また、ウエハW2上の各ショット領域にはそれぞれ一つのウエハマークが付設されているが、各ショット領域にそれぞれ2つ以上のウエハマークが付設されていてもよい。また、例えばウエハW2の周辺部のショット領域等で、対応するウエハマークが欠けているか、又は位置計測が困難なウエハマークが付設されているショット領域が存在してもよい。仮に図6(A)の計測位置Ai中で計測が困難なウエハマークWMjが存在した場合には、その近傍のウエハマークと対応する基準パターンとの位置ずれ量を計測してもよい。
また、図1の簡易型露光装置4は、ウエハW2の全面を一括で露光しているが、投影光学系PL2を小型化するために、図9(A)〜図9(D)に示すように、ウエハW2上面に複数回に分けてステップ・アンド・リピート方式で基準パターンを形成してもよい。この場合、一例として、図9(A)に示すように、ウエハW2上のほぼ1/4の領域を含む露光領域58Aで、図4(B)のレチクルRFの複数の計測用パターン52Fjの像を露光して、複数のウエハマークWMdの近傍にそれぞれ基準パターン52dを形成する。次に、図9(B)に示すように、XYステージ25を介してウエハW2をX方向に移動して、ウエハW2上のほぼ1/4の領域を含む露光領域58Bで、同様に複数のウエハマークWMeの近傍にそれぞれ基準パターン52eを形成する。この際に、露光領域58A,58Bの境界部に重ねて基準パターン52eを形成する。
次に、図9(C)に示すように、ウエハW2をX方向、Y方向に移動して、露光領域58Aと一部が重ねるように、ウエハW2上のほぼ1/4の領域を含む露光領域58Cで、同様に複数のウエハマークWMfの近傍にそれぞれ基準パターン52fを形成する。さらに、図9(D)に示すように、ウエハW2をX方向に移動して、ウエハW2上の露光領域58B,58Cと一部が重ねるように、ウエハW2上のほぼ1/4の領域を含む露光領域58Dで、同様に複数のウエハマークWMgの近傍にそれぞれ基準パターン52gを形成する。
その後、図3のステップ106に対応して、所定のウエハマークと基準パターンとの位置ずれ量を計測する際には、例えば図9(B)、図9(C)、及び図9(D)の重ねて露光した2つの位置59A,59B,59Cでそれぞれ2つの基準パターンの位置ずれ量を計測する。そして、これらの基準パターンの位置ずれ量を用いて、ウエハW2上の4つの露光領域58A〜58Dの位置関係、ひいてはウエハW2上の全部の基準パターン52d〜52gの配列を正確に求めることができ、この配列を基準としてウエハW2上の計測対象のウエハマークWMd〜WMgの配列座標を高精度に求めることができる。
また、上記の実施形態の露光システム(又は露光方法)を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図10に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ223、前述した実施形態の露光システム(又は露光方法)によりレチクルのパターンを基板(感応基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
従って、このデバイス製造方法は、上記の実施形態の露光システム又は露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理すること(ステップ224)とを含んでいる。その露光システム等によれば、基板の2層目以降の露光時のアライメントを効率的にかつ高精度に行うことができるため、電子デバイスを高いスループットで高精度に製造できる。
なお、図1の露光システムにおいて、露光装置12としては走査露光型の投影露光装置のみならず、一括露光型(ステッパー型)の投影露光装置を用いてもよい。さらに、簡易型露光装置4としては、いわゆるアライナー、又は投影光学系を使用しないプロキシミティ方式やコンタクト方式の露光装置等も使用可能である。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置の製造プロセスや、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスの製造プロセスにも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、製造工程にも適用することができる。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置の製造プロセスや、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスの製造プロセスにも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、製造工程にも適用することができる。
このように、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
R…レチクル、PL1,PL2…投影光学系、W1,W2…ウエハ、SAj…ショット領域、WMj…ウエハマーク、2…ウエハローダ系、4…簡易型露光装置、8…ウエハ搬送系、10…マーク検出装置、12…露光装置、14…制御装置、52j…基準パターン
Claims (21)
- 複数の位置合わせ用マークが形成された基板を露光する露光方法において、
前記複数の位置合わせ用マークのうちの所定の複数の位置合わせ用マークに対応させて前記基板上に複数の基準パターンを形成する工程と、
前記所定の複数の位置合わせ用マークとこれに対応する前記基準パターンとの位置ずれ量を計測する工程と、
前記位置ずれ量の計測結果に基づいて前記基板の位置合わせを行って、前記基板上の複数の領域を露光する工程と、
を含むことを特徴とする露光方法。 - 前記基準パターンを形成する工程は、前記基準パターンを潜像として形成し、
前記位置ずれ量を計測する工程は、前記位置合わせ用マークとこれに対応する前記基準パターンの潜像との位置ずれ量を計測することを特徴とする請求項1に記載の露光方法。 - 複数の前記基準パターンが形成された前記基板を前記基板上の複数の前記領域が露光される位置に搬送する工程を含み、
前記位置ずれ量を計測する工程は、前記基板を搬送する工程の途中で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の露光方法。 - 前記位置ずれ量を計測する工程は、
前記位置ずれ量の計測結果より、前記基板上の複数の前記領域を露光する際の前記基板の配置状態に依存しない複数の前記領域に関する配列情報を求める工程を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の露光方法。 - 前記位置ずれ量の計測結果に基づいて前記基板の位置合わせを行って、前記基板上の複数の領域を露光する工程は、
前記基板を複数の前記領域が露光される位置に配置した後で、前記基板上の少なくとも2つの前記基板パターン又は前記位置合わせ用マークの位置情報を計測し、前記位置情報の計測結果から前記基板の配置状態に依存する複数の前記領域に関する配列情報を求める工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の露光方法。 - 前記位置ずれ量の計測結果に基づいて前記基板の位置合わせを行って、前記基板上の複数の領域を露光する工程は、
複数の前記領域に関する前記基板の配置状態に依存しない配列情報及び前記基板の配置状態に依存する配列情報に基づいて、前記基板の位置合わせを行う工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の露光方法。 - 前記基板上の複数の前記領域の実質的に全部にそれぞれ少なくとも一つの前記位置合わせ用マークが付設されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記基板上に形成される前記基準パターンの個数は、前記基板上の複数の前記領域の個数よりも少ないことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の露光方法。
- 複数の前記基準パターンの配列情報を計測する工程を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記基板上に複数の前記基準パターンを形成する工程は、前記基板上に複数の前記基準パターンを複数回に分けて、かつ一部を重ねて形成する工程を含み、
前記位置ずれ量を計測する工程は、前記複数回に分けて形成された複数の前記基準パターンの位置関係情報を計測する工程を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の露光方法。 - 請求項1から10のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。 - 複数の位置合わせ用マークが形成された基板を露光する露光システムにおいて、
前記複数の位置合わせ用マークのうちの所定の複数の位置合わせ用マークに対応させて前記基板上に複数の基準パターンを形成する第1の露光装置と、
前記基板上の前記所定の複数の位置合わせ用マークとこれに対応する前記基準パターンとの位置ずれ量を計測するマーク計測系と、
前記位置ずれ量の計測結果に基づいて前記基板の位置合わせを行って、前記基板上の複数の領域を露光する第2の露光装置と、
を備えることを特徴とする露光システム。 - 前記第1の露光装置は、前記基板上に前記基準パターンを潜像として形成し、
前記マーク計測系は、前記基板の前記位置合わせ用マークとこれに対応する前記基準パターンの潜像との位置ずれ量を計測することを特徴とする請求項12に記載の露光システム。 - 前記第1の露光装置で露光された前記基板を前記第2の露光装置に搬送する搬送系を備え、
前記マーク計測系は、前記搬送系が保持する前記基板上の前記所定の複数の位置合わせ用マークとこれに対応する前記基準パターンとの位置ずれ量を計測することを特徴とする請求項12または13に記載の露光システム。 - 前記マーク計測系は、少なくとも一つの前記位置合わせ用マークとこれに対応する前記基準パターンとを共通の視野内で検出する画像処理型の計測系であることを特徴とする請求項12から14のいずれか一項に記載の露光システム。
- 前記マーク計測系の計測結果より、前記基板上の複数の前記領域を露光する際の前記基板の配置状態に依存しない複数の前記領域に関する配列情報を求める演算装置を備えることを特徴とする請求項12から15のいずれか一項に記載の露光システム。
- 前記第2の露光装置は、
前記基板上の少なくとも2つの前記基板パターン又は前記位置合わせ用マークの位置情報を計測するアライメント系を備え、
前記演算装置は、前記アライメント系の計測結果から前記基板の配置状態に依存する複数の前記領域に関する配列情報を求めることを特徴とする請求項16に記載の露光システム。 - 前記第2の露光装置は、
前記演算装置で求められる前記基板の配列状態に依存しない配列情報及び配列状態に依存する配列情報に基づいて前記基板の位置合わせを行う制御装置を備えることを特徴とする請求項17に記載の露光システム。 - 前記第1の露光装置によって露光される複数の前記基準パターンの配列情報を記憶する記憶装置を備え、
前記第2の露光装置は、前記位置ずれ量に基づいて前記基板の位置合わせを行う際に、前記記憶装置に記憶されている前記配列情報を用いることを特徴とする請求項12から18のいずれか一項に記載の露光システム。 - 前記第1の露光装置は、前記基板上に複数の前記基準パターンを形成する際に、前記基板上に複数の前記基準パターンを複数回に分けて、かつ一部を重ねて形成し、
前記マーク計測系は、前記複数回に分けて形成された複数の前記基準パターンの位置関係情報を計測することを特徴とする請求項12から19のいずれか一項に記載の露光システム。 - 請求項12から20のいずれか一項に記載の露光システムを用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。
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