JP2010211960A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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博司 梶山
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則之 淡路
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和弘 伊藤
Kazunari Watanabe
一成 渡辺
Setsuo Ito
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Abstract

【課題】放電遅れが少なく、放電開始電圧が低いPDPを提供する。
【解決手段】前面基板10のX電極12XとY電極12Yの表面上に設けられる表面層14に、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子と発光材料の粒子を含有させ、発光材料から放射される紫外光をそのマイエナイト型化合物結晶粒子に照射し、二次電子を放出させる。300nm付近の波長の紫外光を放射する発光材料を用いると、マイエナイト型化合物結晶粒子から高効率で二次電子が放出され、放電遅れや放電開始電圧が改善される。
【選択図】図1

Description

本発明はプラズマディスプレイパネルに関する。
従来技術のプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という。)では、放電空間で希ガスのプラズマを発生させ、蛍光体層を発光させて可視光を生成しており、希ガスのプラズマから電極を保護するために、電極の表面上には保護層が形成されている。
この保護層は、放電ガスイオンの衝突によって二次電子を放出し、放電開始電圧を低下させたり、放電を維持する能力が求められている。
MgOは、スパッタ率が小さく、二次電子放出能力を有する点で優れた保護層の材料であるが、Xeイオンに対する二次電子放出能力が低いため、十分な放電電圧の低減効果や発光効率の改善効果を得ることができない。
そこで従来技術では、マイエナイト型化合物結晶(いわゆる「C12A7」:12CaO・7Al23)がXeイオンの入射によって二次電子を高効率で放出する特性に注目し、マイエナイト型化合物結晶の粒子を保護層に配合する技術が提案されている。
C12A7の単位構造は[Ca24Al28644++2O2-と表記され、12個のケージで構成されている。
C12A7はプラス4価に帯電しており、12個のケージの中に、O2-イオンが2個入って中性になっているため、他の大部分のケージは空の状態である。
このようなC12A7を水素雰囲気中で熱処理すると、水素がケージ内の酸素と置き換わり、ケージ内には、通常では存在し得ないマイナスの電荷をもった水素イオンH-が発生し、ケージ内にH-イオンが取り込まれたC12A7:H-に紫外光を照射すると、H-イオンから電子が放出されるため、放電開始電圧の低下や放電遅れ時間の低下が期待されていたが、十分な効果は得られていない。
特開2008−41438号公報 内田龍男、内池平樹著、「フラットパネルディスプレイ大辞典」工業調査会、2001年12月25日、p.583−585
本発明の課題は、放電開始電圧が低く、放電遅れが発生しないPDPを提供することにある。
図3は、本発明の発明者等が測定した希土類元素が添加されたMgO結晶が放出する紫外光の波長と発光強度(CL強度)の関係を示すグラフである。
励起Xeから放出される紫外光の波長は147nmや173nm程度であるのに対し、マイエナイト型化合物結晶(C12A7:H-)は、図3から分かるように、波長300nm程度と波長450nm程度の紫外線が照射されたときに、二次電子放出能力が高くなり、導電性を得る。従って、図3から分かるように、マイエナイト型化合物結晶と、200nm以上の波長の紫外光を放出する発光材料とを放電空間に配置すればよい。
本発明は上記知見に基づいて創作されたものであり、前面基板と、前記前面基板に対向して配置された背面基板と、前記前面基板と前記背面基板の間に位置する放電空間と、前記前面基板の前記放電空間側の面に形成されたX電極とY電極と、前記X電極と前記Y電極上に配置された表面層と、前記背面基板の前記放電空間側の面に形成されたアドレス電極と、前記放電空間内に配置された放電ガスとを有するプラズマディスプレイパネルであって、前記放電空間にはキセノンが含有され、前記表面層は、紫外線又は電子線が照射されると導電性を得るマイエナイト型化合物結晶粒子と、紫外線と二次電子を放出可能な発光材料とを有するプラズマディスプレイパネルである。
また、本発明は、前記マイエナイト型化合物結晶粒子の粒径は0.1μm以上であって、前記X電極と前記Y電極の間の距離の1/2以下のプラズマディスプレイパネルである。
また、本発明は、前記マイエナイト型化合物結晶粒子の電子密度は、1.0×1015〜2.3×1021cm-3のプラズマディスプレイパネルである。
また、本発明は、前記X電極と前記Y電極上には、少なくも1個以上の前記マイエナイト型化合物結晶粒子が存在するプラズマディスプレイパネルである。
前記発光材料は粒子状であり、前記X電極と前記Y電極上には、少なくも1個以上の前記発光材料の粒子が存在するプラズマディスプレイパネルである。
前記放電ガス空間中のキセノンの含有率が15%超であるプラズマディスプレイパネルである。
前記発光材料は、波長200nm以上に放射強度のピークを有するプラズマディスプレイパネルである。
一般に、仕事関数の低い化合物は、二次電子放出性能が高い。
本発明における紫外線又は電子線が照射されると導電性が発生するマイエナイト型化合物結晶は、その表面が清浄化されたものであることが好ましい。例えば、マイエナイト型化合物結晶が粒子状または粉体状である場合はその粒子または粉体の表面、前記マイエナイト型化合物結晶が薄膜状である場合は、二次電子放出部の表面が清浄化されていることが好ましい。二次電子放出能がより高くなるからである。
例えばマイエナイト型化合物結晶のバルク体(粒子状、粉体状、皮膜状等のもの)を真空中でへき開したり、研削することによって、その表面を清浄化することができる。ここで清浄化とは、表面の変質層や有機物などの不純物を除去することをいう。
マイエナイト型化合物結晶は、超高真空中で約650℃以上に保持することによっても清浄化することができる。一般に、仕事関数の低い化合物は二次電子放出能が高いが、このような清浄化がなされた表面を有するマイエナイト型化合物結晶の仕事関数は約2eVと低い。
一方、マイエナイト型化合物結晶に表面改質処理を施すことで、二次電子放出能をさらに高めることができる。
表面改質処理は、バルク体の表面部分のマイエナイト型化合物結晶のケージ中の電子をH-、H2 -、H2-、O-、O2 -、O2-、OH-、F-、Cl-、Br-、S2-、Au-等で置換する処理である。このような処理をするとマイエナイト型化合物結晶の表面部分にケージ中の電子の一部が消滅した層(以下、「表面改質層」という。)が形成される。
そうすると、二次電子放出能はさらに高くなる。このような表面改質処理を施し表面改質層を有するマイエナイト型化合物結晶は、実効的な仕事関数(表面改質以外の影響を含めた実測上の仕事関数)が1eV以下となる。
また、このような表面改質層は帯電性に優れるので、プラズマディスプレイの駆動時に、壁電荷を保持して、放電開始電圧またはアドレス電圧を低下させることができるほか、二次電子が蓄積されることによって、エキソ電子放出が生じて、放電遅れが改善される。
表面改質層の厚みは1nmを超え100nm以下であることが好ましい。100nm以上であると仕事関数が低下し難いからである。1nm以下であると、仕事関数の低下の効果が顕著でない。前記表面改質層の厚みは、5nm以上50nm以下であることがより好ましい。このような厚みとすることで、バンドベンディングなどによる仕事関数低下の効果が顕著となり、良好な電子放出特性が得られる。
さらに、紫外線照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶は熱処理、イオン注入、プラズマ照射処理等をすることで、前記表面改質層を有し、紫外線照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶を製造することができる。
例えばマイエナイト型化合物結晶のケージ中の電子をO2-で置換する場合は、処理温度をTとした場合に、下記式(A)から算出される酸素分圧PO2(Pa単位)よりも高い酸素分圧下で熱処理して、前記表面改質層を有するバルク体のマイエナイト型化合物を得ることができる。
O2=105×exp[{−7.9×104/(T+273)}+14.4]……式(A)
また、前記の表面改質層に代えて、物理蒸着処理、化学蒸着処理、ウェットコーティングを行い、絶縁体層を紫外線照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶の粒子の表面に形成すると、前記の表面改質層を形成した場合と同様の効果が得られる。
紫外線照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子の表面に形成する絶縁体層は、MgO、SiO2、Al23、CaO、SrO、BaO、Li2O、Na2O、K2O、Ga23、La23、Yb23、Ce23、Gd2O、La23、Y23、ZrO2、Ce23、GeO2、Ga23の群から選ばれる少なくとも一つからなる結晶化合物、混晶化合物または非晶質体であることが好ましい。
また、前記の絶縁体層は、Zn、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYbからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有していてもよい。また、この絶縁体層は窒化物またはフッ化物であってもよい。
ここで蒸着法とは、物理蒸着法(PVD)としては、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、スパッタリング法などである。
スパッタリング法としては、DCスパッタリング法、RFスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、ECRスパッタリング法およびイオンビームスパッタリング法(レーザアブレーション法)などが挙げられる。また、化学蒸着法(CVD)としては熱CVD、プラズマCVD、光CVDなどである。2元蒸着や初めにMgOなどの蒸着を行った後にマイエナイト型化合物の蒸着を行い2層にすることも可能である。このような中でも、スパッタリング法およびイオンプレーティング法は精度良く層厚を制御できる点で好ましい。また、電子ビーム蒸着法およびCVDは透明で高品質の結晶を作る上で好ましい。
放電遅れが少なく、放電開始電圧が低いPDPが得られる。
本発明のPDPの構造を説明するための模式的な斜視図 (a)〜(d):本発明のPDPに用いることができる表面層を説明するための図 紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子の放出紫外光の波長と強度の関係を示すグラフ Xeイオン加速電圧と二次電子放出係数の関係を示すグラフ
本発明において、発光材料とは、Xeイオン(Xe+)が照射されると紫外光を放射する物質であり、特に、波長200nm以上の強度が強く、波長280nm以上にピークを有する材料が望ましい。
また、本発明に用いる発光材料は、Xeイオン(Xe+)が照射されると二次電子を放出する性質を有しているものである。
これらの性質を有する物質としては、約340nmに発光のピークを有する希土類元素が添加されたMgO結晶や、約235nmに発光ピークを有する無添加のMgO結晶等を用いることができる。
本発明においてマイエナイト型化合物とは、12CaO・7Al23(「C12A7」という。)およびC12A7と同等の結晶構造を有する化合物を意味する。
C12A7は、C12A7結晶格子の骨格とこの骨格により形成されるケージ(籠)とを有し、さらにケージの中に酸素イオンを包接している結晶構造を有している。
よって、「C12A7結晶と同等の結晶構造を有する化合物」とは、このような構造が保持される範囲で、骨格またはケージ中のCa、Al、Oの一部または全てが他の原子によって置換された化合物を意味する。
具体的に「C12A7結晶と同等の結晶構造を有する化合物」としては、骨格またはケージ中のCaおよびAlの一部または全てが、Si、Ge、GaおよびBからなる群から選ばれる少なくとも1つで置換された化合物、Li、NaおよびKからなる群から選ばれる少なくとも1つで置換された化合物、MgおよびBaからなる群から選ばれる少なくとも1つで置換された化合物、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYbからなる群から選ばれる少なくとも1つの希土類元素で置換された化合物、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群から選ばれる少なくとも1つの遷移金属元素または典型金属元素で置換された化合物が挙げられる。
より具体的に「C12A7結晶と同等の結晶構造を有する化合物」としては、C12A7化合物の骨格の一部または全てのCaがSrで置換された化合物、すなわち、ストロンチウムアルミネートSr12Al1433や、CaとSrの混合比が任意に変化された混晶であるカルシウムストロンチウムアルミネートCa12-xSrxAl1433(ここでxは0以上12未満である。)が挙げられる。また、シリコン置換型マイエナイトであるCa12Al10Si435が挙げられる。
マイエナイト型化合物としては、ケージ中の酸素イオンがOH-、F-、S2-、Cl-などの陰イオンによって置換された化合物も含まれる。より具体的には、Ca12Al1432:2OH-、Ca12Al1432:2F-が挙げられる。また、AlがSrで置換され、さらに酸素が陰イオンによって置換された化合物、より具体的には、ワダライトCa12Al10Si432:6Cl-が挙げられる。
本発明のPDPでは、このようなマイエナイト型化合物において、ケージ中の酸素イオンまたはこれに置換した陰イオンの一部または全てを電子で置換し、ケージ中に電子を包接させることで、電子密度を1.0×1015〜2.3×1021cm-3とし、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶を表面層に含む。
なお、このように導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶の電子密度は、電子スピン共鳴装置を用いて測定したスピン密度の測定値を意味する。ただし、ここでのスピン密度の測定値が1019cm-3を超えた場合は、マイエナイト型化合物結晶のケージ中の電子による光吸収の強度を分光光度計を用いて測定し、2.8eVでの吸収係数を求めたのち、この吸収係数が電子密度に比例することを利用して、マイエナイト型化合物結晶の電子密度を定量した値とする。
また、マイエナイト型化合物結晶が粉末等であり、光度計によって透過スペクトルを測定し難い場合、積分球を使用して光拡散スペクトルを測定し、クベルカムンク法によって求めた値からマイエナイト型化合物結晶の電子密度を定量した値とする。
本発明おける導電性マイエナイト型化合物結晶としては、マイエナイト型化合物のケージ中のフリー酸素イオンの一部またはすべてが、酸素よりも電子親和力が小さい原子の陰イオンで置換されているものも含まれる。上記陰イオンで置換したマイエナイト型化合物の上記陰イオンの密度は1.0×1015cm-3以上が好ましい。
上記陰イオンの密度が1.0×1015cm-3以上であると2次電子放出係数が大きくなるなど、電子放出特性が向上するからである。本発明においては、酸素の一部が、酸素よりも電子親和力が小さい原子の陰イオンで置換されている。ここで、電子親和力は、原子から陰イオンを生成する際に必要なエネルギーであり、陰イオンから電子を引き離すのに必要な仕事と等しい。一般に、任意の原子Mについて、原子から陰イオンを生成する過程、即ちM→M- のエンタルピー変化が電子親和力として定義される。
本発明における、酸素の電子親和力としては、O→O2-の変化についての値を用いることとする。また、本発明における原子の電子親和力としては、M→M-のほかに、M→M2-の過程のエンタルピー変化も含めることとする。
電子親和力の大小の比較は、マイエナイト型化合物のケージ中での値を用いるとより正確である。しかし、真空中の値を用いると、既存のデータを参照でき、ケージ中の値と真空中の値とでは、大きな差はないと考えられるので、真空中での値を利用することができる。上述のように真空中の電子親和力の値から、酸素よりも電子親和力が小さい原子の陰イオンとしては、H-、H2-、H2 -、O-、O2 -、F-、Cl-、Br-、I-およびS2-などが挙げられる。
これらの陰イオンは、酸素イオンと比較してケージ中に電子を供与し易いので、2次電子放出係数が大きくなるなど、電子放出特性が向上する。
例えば、前記電子の一部が、前記酸素よりも電子親和力が小さい原子の陰イオンであるH-で置換されると、
- → H0+e-
に示すような過程でケージ中に電子が導入される結果、二次電子放出係数が大きくなるなど、電子放出特性が向上するため好ましい。
本発明では、マイエナイト型化合物のケージ中の陰イオンの一部が、酸素よりも電子親和力が小さい原子の陰イオンで置換されることによって耐酸化特性が顕著に向上する。この作用機序について、詳細は不明であるが、以下のような作用機序であると推定される。
マイエナイト型化合物は還元性が高い化合物であるため、高温において、電子はフリー酸素イオンに比較すると、ケージから放出されやすい。このため、電子のみを包接するマイエナイト型化合物が、大気中で500℃のような高温に曝されると、ケージから供与された電子により、大気中の酸素が酸素イオンに変化し、ケージへの酸素イオンの取り込み反応が容易に起こる。これは、マイエナイト型化合物のケージ構造を形成する骨格が正の電荷を持つため、負の電荷を持つ酸素イオンはケージ中に取り込まれるが、電気的に中性の、酸素分子または酸素原子は取り込みにくいためである。
以上のことから、電子のみを包接するマイエナイト型化合物と比較して、大気中の酸素への電子供与性の小さいマイエナイト型化合物であれば、酸素分子から酸素イオンの生成反応を抑制し、酸素イオンのケージ中への取り込み速度を遅くすることが可能となる。
本発明においては、マイエナイト型化合物のケージ中の陰イオンの一部を、前記酸素よりも電子親和力が小さい原子の陰イオンで置換することによって、上述のような電子供与性が小さいマイエナイト型化合物を実現できるために耐酸化特性が顕著に向上していると推定される。
<製造方法>
紫外線又は電子線の照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶の製造方法を例示する。
初めに炭酸カルシウムと酸化アルミニウムとを、CaOおよびAl23の酸化物換算のモル比で12:7程度(例えば11.8:7.2〜12.2:6.8)となるように調合し、常温、常圧の空気中で1200〜1350℃程度の温度で6時間程度保持し、固相反応させた後室温まで冷却する。
そして得られた焼結物をタングステンカーバイド製遊星ミルなどを用いて粉砕した後、加圧成形してペレット状にし、再び1200〜1350℃に加熱してマイエナイト型化合物からなる焼結体を得る。
このようにして得られたマイエナイト型化合物の焼結体を、800〜1415℃のような温度で、水分濃度が100ppm以下の水素を含む雰囲気で熱処理(以下、水素化処理という。)を行うことにより、フリー酸素イオンの一部がH-で置換されたマイエナイト型化合物が得られる。
水素化処理における水素ガスの分圧は1×104〜1.1×105Paであると、十分なH-濃度が得られるために好ましい。例えば、アルミナの炉心管を備えた電気炉に、水素ガスと窒素ガスとの混合ガスを流し、水素ガス濃度を20体積%とすることにより、上記の水素ガス分圧を得ることができる。
このフリー酸素イオンの一部がH-で置換されたマイエナイト型化合物結晶に、140〜380nmの波長の紫外線、特に、300nmの波長の紫外線を照射すると、H-から脱離した電子がケージ中に導入され、導電性を有するマイエナイト型化合物結晶が得られる。
また、フリー酸素イオンの一部がH-で置換されたマイエナイト型化合物結晶に、電子線を照射することにより、H-から脱離した電子がケージ中に導入され、導電性を有するマイエナイト型化合物結晶を得ることもできる。
さらに、水素化処理されたマイエナイト型化合物結晶をプラズマ中に保持することによって、ケージ中に電子が導入され、紫外線又は電子線の照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶を得ることもできる。
上述のように作製したフリー酸素イオンまたはH-が存在するケージと電子が存在するケージとが共存し、紫外線又は電子線の照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶は、2.8eVおよび0.4eVに光吸収を生じる。この光吸収係数を測定することにより電子密度が得られる。試料が粉末体であるときは、拡散反射法を用いると簡便に電子密度が得られる。また、ケージ中の電子はスピン活性があるので、電子スピン共鳴(ESR)を用いてケージ中の電子密度を測定することも可能である。
上記のマイエナイト型化合物結晶の水素イオンH-濃度は、2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて定量することができる。また、このときOH-と区別するために、例えば赤外吸収スペクトル(IR)を測定し、OH-の濃度を定量しておくことが望ましい。SIMSで定量されたH-濃度の総量から、IRより定量されたOH-の濃度を差し引くことによって、H-のみの濃度が正確に定量することができる。
さらに、H-濃度を定量する他の方法としては、H-から電子が脱離(H-→H0+e-)することにより生成した水素原子H0をESRを用いて定量することもできる。この測定を行う場合は、試料温度を200K以下とすることが望ましい。
また、フリー酸素イオンを置換した前記陰イオンが、Cl-、または、F-であるマイエナイト型化合物結晶を得るには、以下の方法が例示される。
CaCO3とAl23とを、モル比が11:7となるように調合し混合した原料を、空気中で、1100〜1350℃まで加熱処理して得られた焼成物(以下C11A7と呼ぶ。)と、CaCl2を、CaとAlのモル比が、12:7となるように混合したのち、この混合物C11A7・CaCl2を、900〜1300℃で空気中に保持することにより、ケージ中にCl-が導入されたマイエナイト型化合物結晶Ca12Al1432:2Cl-を得られる。また、C11A7とCaF2を、CaとAlのモル比が、12:7となるように混合したのち、この混合物C11A7・CaF2を、900〜1300℃で空気中に保持することにより、ケージ中にF-が導入されたマイエナイト型化合物結晶Ca12Al1432:2F-が得られる。
また、水和反応により、H2Oとマイエナイト型化合物結晶が反応し、マイエナイト型化合物結晶にOH-を導入することができる。例えば、純粋または水分を含むエタノールなどの溶媒中にマイエナイト型化合物結晶の粉末体を投入したのち、攪拌しながら、室温で1時間保持することによっても、水和反応を行うことができる。あるいは、水蒸気を用いて気相で水和反応させることもできる。
このようにして得られたフリー酸素イオンをCl-、または、F-で置換したマイエナイト型化合物結晶から、フリー酸素イオン、または、Cl-、若しくはF-が存在するケージと電子が存在するケージとが共存し、紫外線又は電子線の照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶を得るためには、マイエナイト型化合物結晶に紫外線の照射、電子線の照射、またはプラズマ中での保持を行えば作製できる。
本発明のH-が存在するケージと電子が存在するケージとが共存し、紫外線又は電子線の照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物は、ケージ内のマイエナイト型化合物を構成する酸素の一部が電子のみで置換されたマイエナイト型化合物結晶に比較して、上述したようなPDPの製造方法において、低融点ガラスの封着後に空気の存在下で250〜380℃の加熱処理を行っても、2次電子放出などの特性劣化が少なく、熱的安定性や耐酸化性に優れている。
また、上述したようなPDPの製造方法においては、前面基板と、予め作製した背面基板とを、低融点ガラスを用い、440〜500℃程度で封着する。その際、ケージ中にH-と電子とが共存し、紫外線又は電子線の照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶は、例えば460℃のような温度で熱処理を行っても、熱的安定性や耐酸化性に優れているため2次電子放出などの特性劣化が少ない。
また、本発明のマイエナイト型化合物は、PDPの保護層の形成に用いられるが、PDP中で、熱処理、放電を維持させてエージングを行うなどの処理を行うことによって、紫外線や電子線が照射される際のマイエナイト型化合物結晶の電子放出特性をさらに向上させることができる。
この処理のための方法は特に限定されないが、たとえば、真空中での300℃以上での熱処理、紫外光照射、電子線照射、イオン照射、X線照射、γ線照射、プラズマへの暴露、または化学的エッチングや、それらの組み合わせが例示される。
以下、フリー酸素の一部または全部がH-により置換され、紫外線又は電子線の照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶を用いた場合について、PDP中での処理の方法について説明する。
紫外線又は電子線の照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶を含有する保護層を形成する場合は、上述したような方法で形成した保護層に、PDP中で紫外光または電子線を1秒以上照射すると、H-から脱離した電子がケージ中に保持される結果、Xe励起による2次電子放出係数が高いなど、電子放出特性に優れた保護層を持つPDPを作製することが可能となる。
また、前記の処理は、前面基板と背面基板を接合した後で行うことが好ましい。その理由は、前面基板と背面基板の接合を、ガラスフリットを用いて空気中で熱処理して封着により行う場合は、水素含有マイエナイト型化合物は耐酸化性が高いので、保護層の劣化が防ぐことができるためである。この場合の処理の方法としては、放電空間に放電ガスを封入し、プラズマ放電を行うことが例示される。
このように水素を含有し、紫外線又は電子線の照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶を有する表面層がプラズマに暴露されると、このマイエナイト型化合物結晶への紫外光、電子線、またはイオン衝突に誘起される効果によって、H-から脱離した電子がケージ中に導入され、電子が存在するケージが生成する結果、Xe励起による2次電子放出係数が高いなど、電子放出特性に優れた保護層を持つPDPを作製することができる。
このとき用いる放電ガスの組成としてはNeとXeの混合ガスが例示される。また、放電後または前に、パネル内を真空に保持しながら加熱すると、吸着ガスを除去するなどして、清浄な表面の保護層が得られて、電子放出特性が向上するため好ましい。
このように、水素を含有し、紫外線又は電子線の照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶を有する表面層が紫外光に暴露されると、このマイエナイト型化合物結晶の二次電子放出効果が高まるが、この目的のため、Xeイオンの照射によって紫外光を発光する発光材料(蛍光体、燐光体、残光体を含む)をこのマイエナイト型化合物結晶とともに保護層上に配置して表面層とすることができる。
紫外線又は電子線の照射により導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶は二次電子放出能が高い。従来、保護層として用いられてきたMgO膜と異なり、Neイオン等だけでなくXeイオンも励起イオンとなるからである。二次電子放出能が高いと放電ガスの紫外線発光効率が向上し、あわせて放電電圧が低下するという効果も奏するので、PDPの省電力化を達成することができる。
なお、本発明において、マイエナイト型化合物結晶が放出する二次電子とは、イオン励起による二次電子を主とするが、これ以外に、熱、電子、イオン、光、機械的刺激による二次電子または一次電子も含まれる。したがって、本発明のPDPで用いるマイエナイト型化合物結晶からの電子放出としては、γ効果による電子放出の他に、電界効果電子放出、熱電子放出、熱刺激電子放出、オージェ電子放出、帯電した表面からの電子放出等が挙げられる。
また、本発明のPDPにおいては、Xeイオンが励起イオンとなるので、放電ガス中のNeイオン等の濃度を低下させ、従来4体積%程度であったXe濃度を高めることができる。
具体的には15体積%以上とすることができ、20体積%以上であることが好ましい。その結果、マイエナイト型化合物結晶からのXeイオン励起の二次電子放出により、放電開始電圧の低下や発光効率の増大の効果をさらに高めることができる。ただし放電ガス中のXe濃度が高すぎると、発生した紫外線をXeが吸収する作用が顕著になり、かえって効果が抑制されてしまう可能性がある。よって、放電ガス中のXe濃度は60体積%以下であることが好ましい。このように放電ガス中のXe濃度を最適化することで、本発明の効果をより顕著にすることができる。
なお、本発明のPDPにおいて放電ガスは、実質的にHe、Ne、ArおよびKrの群から一種以上を選択して成る希ガスと、Xeとを含有するものである。不純物ガスは、通常のPDPにおいて用いられる放電ガスと同程度に含んでいてもよい。
紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶の電子密度は1.0×1015〜2.3×1021cm-3である。このような範囲とする理由について説明する。
Xe励起の二次電子放出係数γXeと放電開始電圧との間には負の直線的な相関関係があることが知られている。また、二次電子放出係数γXeの変化幅に対する放電開始電圧の変化幅は、放電ガス中のXe分圧が高いほど大きいことが知られている。これはXe分圧が高まると、その分圧増大分以上に放電空間中でのXeイオン濃度が高くなるからである。
例えば、放電ガスにおけるXe濃度が20%であるPDPの場合、γXeが0.02である場合と0.05の場合と比較すると、γXeが0.05の場合、相対的に放電開始電圧は概略40V低減する。また、同様に、Xe濃度が4%であるPDPの場合、γXeが0.02である場合と比較すると、γXeが0.05の場合、放電開始電圧は概略15V低減する。
すなわち、PDPにおいて放電開始電圧を低減するためには、二次電子放出係数γXeをより高くすることが好ましく、放電ガスにおけるXe濃度が高いほど、その効果が高くなることが知られていた。
しかしながら、具体的に、どのような手段で、どの程度にまで二次電子放出係数γXeを高めることが好ましいのか、さらに、その上限はあるのか、あるならば具体的にはどの程度であるのかについては知られていなかった。
本発明者は、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶の電子密度を調整するという手段によって、Xe励起の二次電子放出係数γXeを調整できることを見出した。また、具体的に、電子密度が1.0×1015cm-3未満ではMgOと同程度のγXe(0.02程度)であるものの、1.0×1015cm-3を境に、それ以上では急激にγXeが高まることを見出した。さらに、その上限が2.3×1021cm-3であることを見出した。
より具体的にはマイエナイト型化合物結晶の電子密度を1015/cm3とすると、0.02を超えるγXeが得られるため、PDPの放電開始電圧を15V以上低減することができる。また、電子密度を1019/cm3とすると、γXeを0.1とすることができ、Xe濃度が20%の放電ガスを含むPDPの放電開始電圧を、MgOのみを備えた場合と比較して、概略40V以上低減させることができるので好ましい。また、電子密度を1021/cm3とするとγXeを0.15とすることができ、Xe濃度が20%の放電ガスを含むPDPの放電開始電圧を、MgOのみを備えた場合と比較して、概略50V以上低減させることができるので好ましい。一方、電子密度が1015/cm3未満、例えば1013/cm3であるときは、0.02を超えるγXeが得られないため、PDPの放電開始電圧の低減効果は小さい。
導電性マイエナイト型化合物結晶の電子密度は1016/cm3以上、1018/cm3以下とすることが好ましい。0.02超の良好な二次電子放出係数γXeとした上で、さらに帯電性を改善することができるからである。また、これに加えて、プラズマの放電効率を改善することができるからである。
また、前述のように放電電圧低減の効果はXe濃度が高いほうが顕著となるため、放電ガスのXe濃度は、15体積%以上とすることが好ましい。
マイエナイト型化合物結晶の電子密度は前述の方法で調整することができる。
なお、前記マイエナイト型化合物結晶の電子密度は、電子スピン共鳴装置を用いて測定したスピン密度の測定値を意味する。ただし、ここでのスピン密度の測定値が1019cm-3を超えた場合は、マイエナイト型化合物結晶のケージ中の電子による光吸収の強度を分光光度計を用いて測定し、2.8eVでの吸収係数を求めたのち、この吸収係数が電子密度に比例することを利用して、マイエナイト型化合物結晶の電子密度を定量した値とする。また、マイエナイト型化合物結晶が粉末等であり、光度計によって透過スペクトルを測定し難い場合、積分球を使用して光拡散スペクトルを測定し、クベルカムンク法によって求めた値からマイエナイト型化合物結晶の電子密度を定量した値とする。
<二次電子放出>
図4は、Xeイオンの加速電圧と、Xeイオンに対する二次電子放出係数γ(Xe+)の関係を示すグラフであり、符号L1は本発明で用いるマイエナイト型化合物結晶のγ(Xe+)、符号L2は、MgOのγ(Xe+)である。
本発明のPDPにおいて二次電子を放出する部分は、X電極とY電極の表面に配置された表面層であり、この表面層は、表面層である薄膜を構成する基材物質中に紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶の粒子と、絶縁性の発光材料とを含む。発光材料は粒子として含有させることができる。
表面層の二次電子放出係数γ(Xe+)は、マイエナイト型化合物結晶の電子密度を調整することで調整することができる。例えば電子密度を1019/cm3とすると、イオンのエネルギーを600eVとしたときに、Xeイオンの二次電子放出係数γを0.15とすることができる。また、例えば電子密度を1021/cm3とすると、二次電子放出係数γを0.18とすることができる。
ここで二次電子放出とは、固体表面に電子などの励起源を衝突させたとき、その表面から別の電子(二次電子)が放出される現象をいう。本発明において二次電子放出とは、主にイオン衝突により放出される電子、すなわちイオン励起二次電子放出をいう。また、二次電子放出係数γは、衝突イオンに対する放出された二次電子の数の割合である。
図1の符号2は、本発明の一例のPDPであり、符号10は前面パネル(前面基板)、符号30は背面パネル(背面基板)を示している。
先ず、前面パネル10から説明すると、前面パネル10はガラスなどの透明基板11を有しており、透明基板11の表面には、X電極12XとY電極12Yが互いに平行に配置されている。
X電極12XとY電極12Yの表面には、誘電体層13が配置され、誘電体層13の表面に、表面層14が配置されている。この表面層14の構造は後述する。
背面パネル30は、ガラス製の背面板31を有しており、背面板31上には、複数のリブ33が平行に配置されており、リブ33とリブ33の間には、アドレス電極32が配置されている。アドレス電極32上には赤、緑、又は青色の蛍光体35R、35G、35Bが配置されている。
前面パネル10と背面パネル30は、表面層14が配置された側の面と蛍光体35R、35G、35Bが配置された側の面が向かい合わせで配置されており、前面パネル10と背面パネル30の間に放電空間36が形成される。
放電空間36に、XeガスとNeガス等の他の希ガスを含む放電ガスが充満されている。
アドレス電極32は、X電極12X及びY電極12Yとは垂直な方向に伸びている。X電極12XとY電極12Y間に電圧を印加して初期放電を発生させた後、アドレス電極32とX電極12X(又はY電極12Y)を選択し、選択した電極間に電圧を印加してアドレス放電を発生させ、X電極12XとY電極12Y間に電圧を印加して、発生した放電を維持すると、放電空間36の所望位置にプラズマが形成され、プラズマ中から放出された紫外光が蛍光体35R、35G、35Bに照射されると、蛍光体35R、35G、35Bで、それぞれ赤色光、緑色光、又は青色光が発生し、前面パネル10を透過して外部に放射される。
プラズマ中に含まれるXeイオンは表面層14に入射する。
図2(a)に、本発明の第一例のPDP2の表面層14の構造を示す。
この表面層14は、保護層8と、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子5と、発光材料の粒子6を有している。
保護層8は、MgOの薄膜であり、誘電体層13の表面に配置されている。マイエナイト型化合物結晶粒子5と、発光材料の粒子6は、保護層8の表面に配置されている。
保護層8は、Xeに対するスパッタ率が低い物質であり、例えばMgOや他の酸化物薄膜が用いられる。
この保護層8は波長約300nmの紫外光と二次電子を放出する物質であり、発光材料の粒子6に、放電によって生成されたXeイオンが照射されると、その波長の紫外光と二次電子を放出する。
放出された紫外光がマイエナイト型化合物結晶粒子5に照射されると、二次電子が放出される。
その結果、放電開始電圧や維持電圧が低いPDP2が得られる。
本発明の紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子5は、電子密度が1.0×1015〜2.3×1021cm-3であるか、ケージ中フリー酸素を、H-、H2 -、H2-、O-、O2 -、F-、Cl-、Br-、I-およびS2-などの酸素よりも電子親和力が小さい原子の陰イオンで一部または全部のフリー酸素イオンを置換し、ケージ中の電子密度が1.0×1015cm-3以上であるマイエナイト型化合物結晶からなっている。
マイエナイト型化合物結晶粒子5と発光材料の粒子6は、保護層8の表面にスピンコート法などで塗布することができる。
この場合には、マイエナイト型化合物結晶を、金属やセラミックスなどのハンマ、ローラまたはボールなどを用いて、材料に機械的に圧縮力、せん断力および摩擦力を加えて粉砕し、その粉末を形成する。この際、たとえば、タングステンカーバイドのボールを使った遊星ミルを用いると、導電性マイエナイト型化合物結晶の粗粒に異物が混入せず、50μm以下の粒径を持つ粗粒にすることが可能である。
このようにして得られたマイエナイト型化合物結晶は、ボールミルやジェットミルを用いて平均粒径20μm以下の更に細かい粒子に粉砕することが可能である。
これらの20μm以下のマイエナイト型化合物結晶粒子を有機溶媒またはビヒクルと混合してスラリーまたはペーストを作製することも可能であるし、50μm以下に粗粉砕したマイエナイト型化合物結晶粒子を有機溶媒と混合してビーズ粉砕を行うと、より細かい、円換算径が5μm以下のマイエナイト型化合物結晶粒子を分散したスラリー(分散溶液)が得られる。ビーズ粉砕には、例えば酸化ジルコニウムビーズを用いることができる。
上記粉砕時に、使用する溶媒としては、アルコール類、エーテル類を使用ことができる。この場合、炭素原子数が1もしくは2の水酸基を有する化合物では、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子がこれらと反応し、分解してしまうおそれがある。このため、これらの溶媒を使用する場合、炭素原子数3以上のものが好ましい。
炭素原子数が3以上の水酸基を有する化合物、もしくはアミド化合物、または硫黄化合物を溶解した有機溶媒としては、1−プロパノール、または2−プロパノール、または1−ブタノール、または2−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ペンチルアルコール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ペンタノール、tert−ペンチルアルコール、N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが用いられる。これらを用いると粉砕が容易に行えるのでこれらの溶媒を単独または混合して用いる。
また、マイエナイト型化合物結晶粒子5と発光材料の粒子6を保護層8上に配置した後、焼成することができる。
マイエナイト型化合物結晶粒子5と発光材料の粒子6を含むペーストを保護層8の表面に塗布する方法としては、スプレーコート、ダイコート、ロールコート、ディップコート、カーテンコート、スピンコート、グラビアコートなどが挙げられる。
スピンコート、スプレーコートの場合は粒子密度をより簡便かつ的確に操作できる点から特に好ましい。
塗布膜の好ましい焼成条件は、スラリーの成分の有機物が分解し、マイエナイト型化合物が十分に固着される200〜800℃が好ましい。マイエナイト型化合物結晶粒子5を焼結する際には、マイエナイト型化合物結晶粒子5の酸化作用が促進されないような温度が好ましい。その際には、200〜600℃の温度範囲が好ましい。また、焼成時間は10分程度が好ましい。
スラリー作製の他の方法としては、上記低水分含有量の溶媒を脱水した後に、50μm以下の粗粒のマイエナイト型化合物0.01〜50質量%と、溶媒を50〜99.99質量%の範囲で混合し、更に溶媒の2〜5倍の重量の酸化ジルコニアビーズを粉砕用ミルとして混合して、ビーズ粉砕を行い、溶媒中にマイエナイト型化合物結晶粒子5を分散させる方法などが用いられる。この際、酸化ジルコニアビーズは0.01〜0.5mmΦの大きさのものを使用すると平均粒径が5μm以下の導電性マイエナイト型化合物結晶粉末を含有するスラリーが得られるので好ましい。
本発明のPDP2においては、マイエナイト型化合物結晶粒子5の平均粒径は、X電極12XとY電極12Yの間隔の1/2以下である。このような粒径とすると、放電開始電圧の低下の効果を顕著に得ることができる。
また、マイエナイト型化合物結晶粒子5の平均粒径が、X電極12XとY電極12Yの間隔の1/2を超えると、2次電子放出部の帯電性が損なわれるため、放電開始電圧の低下の効果が得られにくくなる。
他方、導電性マイエナイト型化合物結晶粒子5の平均粒径は、0.1μm以上とする。
マイエナイト型化合物結晶粒子のスパッタレートは、MgOのそれの約80%であり、スパッタ耐性に優れている。従って、短絡しない程度に保護層8上に密集させると、PDPの寿命以上の耐久性を得ることができる。
マイエナイト型化合物結晶粒子5の平均粒径はレーザー回折散乱法(光散乱法)を用いた粒径分布測定装置を用いて求めることができる。
本発明のPDP2においては、各セルのX電極12XとY電極12Y上に少なくも1個以上の紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子5が存在することが望ましい。
また、帯電性の観点から、マイエナイト型化合物結晶粒子5の被覆率が25%以下であることが好ましい。このような被覆率とすると、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子5同士が接触することによって電気的に結合(パーコレーション)されることがないので、帯電性が損なわれることがない。
すなわち、被覆率を25%以下とすると、マイエナイト型化合物結晶粒子5を有する保護層8の平均的電気抵抗が、マイエナイト型化合物結晶粒子5を含有しない保護層8の部分電気抵抗よりも低くならないように設定することができる。
ここで被覆率とは、マイエナイト型化合物結晶粒子5および放電開始領域を前面基板の主面へ正投影した場合の面積(正投影面積)(cm2)の比(百分率)を意味するものとする。すなわち、[マイエナイト型化合物結晶粒子の正投影面積/放電開始領域の正投影面積×100]を意味する。
本発明においては、X電極12X上とY電極12Y上、または放電開始領域にスクリーン印刷などのパターニングを行ってマイエナイト型化合物結晶粒子5を配置してもよいが、より簡便には、スプレーコート、またはスピンコートなどによって保護層8の表面上に塗布することができる。
保護層8上のマイエナイト型化合物結晶粒子5の単位面積あたりの数密度は、該粒子の断面の円換算径D(μm)に対して0.0002(個/μm2)以上0.04/D2(個/μm2)以下が望ましい。
または1/(放電開始領域Fの面積)以上、(0.25F/(πr2))/F=1/(8πD2)以下である。
なお、円換算径とは、たとえば画像解析を利用した従来公知の方法で測定された断面積(基板と並行な面で粉体を切断した場合の切断面の面積)を円周率πで除した値の平方根を2倍した値として定義されるが、光散乱法による粒径分布測定装置を用いて平均粒径を求め、これを円換算径Dとすることも可能である。
電子放出を担うマイエナイト型化合物結晶粒子の粒径分布の標準偏差σは小さいほど好ましい。粒径分布のσは円換算径Rに対して3D以下が好ましい。より好ましくは2D以下であり、さらに好ましくは1.5D以下である。このような粒径分布とすると、各マイエナイト型化合物結晶粒子からの電子放出特性が均一になるため、PDPの放電特性のばらつきが少なくなるためである。
円換算径Dの単位をμmで表した時、本発明のPDPにおいて、マイエナイト型化合物結晶粒子5の数密度の好ましい範囲は、保護層上の1μm2あたり、0.0002/D2個以上0.04/D2個以下である。
0.0002/D2個未満では、電子放出を担う粒子の密度が低すぎて、スピンコートなどによって保護層上にマイエナイト型化合物結晶粒子5(及び発光材料の粒子6)を含むスラリーを塗布したときに、放電電極上にマイエナイト型化合物結晶粒子5が存在しない場合がある。
一方、0.04/D2個超では、前記二次電子放出部の帯電性が損なわれることがある。より好ましい範囲は0.005/D2個以上0.03/D2個以下であり、さらに好ましい範囲は0.01/D2個以上0.025/D2個以下である。
これは例えば、円換算径Dが0.5μmの粒子を用いてPDPを作製するとすれば、好ましい粒子密度の範囲は0.0004個/μm2以上0.08個/μm2以下である。また、より好ましい範囲は0.01個/μm2以上0.06個/μm2以下であり、最も好ましい範囲は0.02個/μm2以上0.05個/μm2以下であるということを示している。
このような数密度とするには、前記スラリーのマイエナイト型化合物濃度を調整することにより可能である。前記の濃度調整は、溶媒の添加を行うか、または遠心機を用いて遠心濃縮を行うと簡便である。
上述のような数密度とすると、電子密度とマイエナイト型化合物結晶粒子5の粒径とを一定にして、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子5の被覆率を変化させた場合、保護層8がマイエナイト型化合物結晶粒子5を含有しない場合に比べて放電開始電圧が低くなるような範囲内の被覆率とすることができる。
また、マイエナイト型化合物結晶粒子5を保護層8の表面に有する表面層14の電気抵抗が、マイエナイト型化合物結晶粒子5が保護層8の表面に配置されていない部分の電気抵抗よりも低くならないように設定することができる。
また、このような数密度とすると、X電極12XとY電極12Y上に少なくも1個以上の紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子5が存在するPDPを作製できる。
発光材料の粒子6が放出する紫外光の波長は、250nm以上380nm以下であることが好ましく、280nm以上320nm以下であることがより好ましい。このような波長の紫外光が、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子5に照射されると、そのマイエナイト型化合物結晶粒子5の二次電子放出効果を高めることができる。
保護層8表面に配置された紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子5は、各粒子表面に絶縁層が形成されていてもよい。この絶縁層は、マイエナイト型化合物結晶粒子5の表面部分の表面改質層であってもよい。
次に、本発明の表面層14の構造の第二例を説明する。
図2(b)は、本発明の第二例のPDPの表面層14を示している。この表面層14では、MgO等のXeイオンに対するスパッタ率が低い絶縁性物質から成る保護層8に、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子粒子5と発光材料の粒子6とが分散されている。
ここでは、分散されたマイエナイト型化合物結晶粒子5と発光材料の粒子6のうち、一部の粒子は保護層8の内部に位置し、他の一部は表面に露出されているが、保護層8の内部に埋設されていてもよい。
保護層8を形成する物質は、プラズマ耐性を有するものであれば特に限定されない。例えばMgOなどのアルカリ土類金属酸化物や、電子密度が1.0×1015cm-3未満のマイエナイト型化合物が挙げられる。
保護層8の厚さは、例えば0.01〜50μmでよく、0.02〜20μmであることが好ましく、0.05〜5μmであることがより好ましい。
この厚さは、光学干渉式の表面形状計測装置を用いて測定した場合の厚さを意味するものとする。
図2(b)に示した表面層14の製造工程を説明すると、先ず、保護層8を形成する物質(以下、「絶縁性化合物」ともいう。)をタングステンカーバイド製遊星ミル、ボールミル、ビーズミルなどを用いて粉砕し、平均粒径が1〜5μmの粒子を得る。
次に、得られた絶縁性化合物と、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子5と、発光材料の粒子6とを分散媒に添加する。分散媒としては、例えば、BCAを用いることができる。
このような分散媒と増粘剤として、たとえばエチルセルロース、ニトロセルロース、あるいはテルピネオールとを混合したのち、マイエナイト型化合物結晶粒子および絶縁性化合物の粒子を添加して、混合物を混練することにより、マイエナイト型化合物結晶粒子および絶縁性化合物の粒子を含むペーストを得る。
分散媒および増粘剤とマイエナイト型化合物結晶粒子と絶縁性化合物の粒子との混合比(質量比)は、15:80:5とすることが好ましい。
次に、このようにして得たペーストを、誘電体層13の表面に塗布・焼成すると、表面層14が得られる。
ここで、塗布方法としては、スクリーン印刷、スプレー塗布、ダイ塗布、ロール塗布、ディップ塗布、カーテン塗布、スピン塗布、グラビア塗布などが挙げられる。
また、好ましい焼成条件は、分散媒または増粘剤の有機分子が分解し、マイエナイト型化合物結晶粒子5が誘電体層13や保護層8と十分に固着され、かつマイエナイト型化合物結晶粒子5の酸化作用が促進されないような温度が好ましい。一般的には、200℃〜600℃の範囲が好ましい。また、焼成時間は10分程度が好ましい。
また、帯電性の観点から、前記マイエナイト型化合物結晶粒子の体積含有率が25%以下であることが好ましい。
マイエナイト型化合物結晶粒子5と発光材料の粒子6は、X電極12X及びY電極12Yと、アドレス電極32とが交差する領域であって、放電を開始する領域である放電開始領域の内側に配置する。
図2(c)は、本発明の第三例のPDPの表面層14を示している。
この表面層14は、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子5と発光材料の粒子6とで構成されている。このマイエナイト型化合物結晶粒子5と発光材料の粒子6は、誘電体層13の表面に密着して配置されており、二次電子放出機能とXeイオンに対する保護層の機能を有している。
紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子5は、その表面に絶縁層が配置されていると、マイエナイト型化合物結晶粒子5を多量に配置し、マイエナイト型化合物結晶粒子5同士が接触した場合でも、短絡の問題は生じない。
また、発光材料が、上記のような紫外光放出と二次電子放出の機能に加え、Xeイオンに対する保護層の機能を有している場合は、図2(d)に示すように、発光材料の薄膜7を誘電体層13の表面に形成し、発光材料の薄膜7の表面に、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子5を配置して表面層14とすることができる。
このマイエナイト型化合物結晶粒子5は、発光材料の薄膜7内部に分散させてもよい。
次に、本発明のPDPの製造方法について説明する。
以下、実施例および比較例によって本発明を説明する。これらは本発明をより明確に示すためのものであり,本発明の内容は実施例に限られない。
<実施例1>
炭酸カルシウムと酸化アルミニウムをモル比で12:7となるように混合して、大気中で1300℃で6時間保持することにより12CaO・7Al23化合物を作製した。この粉末を1軸プレス機を用いて成型体とし、該成型体を、空気中で、1350℃で3時間保持して焼結体を作製した。この焼結体は、白色で、電流電圧計を用いて、導電性を測定したところ、導電性は示さない絶縁体であった。得られた12CaO・7Al23化合物を、水素ガスと窒素ガスとの混合ガス(水素ガス:20体積%、窒素ガス:80体積%)の雰囲気中で1300℃で2時間保持した後、同一雰囲気中で、50℃/分より速い冷却速度で、室温まで急速に冷却して、フリー酸素イオンの一部がH-で置換されたマイエナイト型化合物結晶粒子を作製した。この熱処理物が、フリー酸素イオンの一部がH-で置換されたマイエナイト型化合物結晶粒子であることは、SIMSで定量されたH-濃度の総量から、IRにより定量されたOH-の濃度を差し引くことによって、H-が存在することから確認された。
試料Aの表面をダイヤモンドやすりで研削したのち、セン特殊光源株式会社製(型番HLR1000F)の高圧水銀ランプによる紫外光(波長365nmを中心に、254nmから436nmまでの連続光)を10分間照射することにより、H-から脱離した電子がケージ中に導入された、導電性マイエナイト型化合物結晶粒子が得られた。光吸収スペクトルから、この導電性マイエナイト型化合物結晶粒子の電子密度は約1019/cm3であることがわかった。また、試料Aを電子スピン共鳴装置(JEOL社製、JES−TE300)に供したところ、ESRシグナルは、紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイトに特徴的なg値1.994を有することがわかった。
一方、H-の濃度は、上記と同様にSIMSで定量されたH-濃度の総量から、IRで定量されたOH-の濃度を差し引くことによって約1019/cm3であった。
以上により、試料Aは紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物であることを確認した。
次に、試料Aをボールミルを用いて粉砕して粉末とし、ニトロセルロース及びテルピネオールと混合してペーストとした後、スクリーン印刷機を用いてMgOからなる保護層8の表面に塗布し、350℃で20分間焼成したところ、表面の二次電子放出係数γは、0.05超であった。
試料Aを塗布しなかった保護層8(MgOからなる薄膜)の二次電子放出係数は0.05未満であった。
試料Aのマイエナイト型化合物結晶粒子5を有する表面層14が誘電体層13表面に配置されたPDP2で、放電空間36にXe=20%、残部がNeの組成の放電ガスを圧力500Torrで充填し、放電させたところ、放電開始電圧は約270Vであった。
<比較例1>
試料A(導電性マイエナイト)からなる二次電子放出部を形成しないこと以外は、実施例1と同様のPDPを作製し、同様の方法で放電開始電圧を測定したところ、約300Vであった。
<他の例>
なお、本発明のPDPにおいて前面パネル10や背面パネル30の大きさや、誘電体層13の厚みは特に限定はない。
また、X電極12XとY電極12Yとからなる放電電極対も、従来公知のT字型の突出電極部を有するもの、矩形型の突出電極部を有するもの、またはストライプ型のもの等であれば特に限定はなく、材質、大きさ、それらの配置、製造方法等、通常のPDPと同様であってよい。
2……PDP
5……紫外線又は電子線が照射されると導電性が付与されるマイエナイト型化合物結晶粒子
6……発光材料の粒子
10……前面パネル
12X……X電極
12Y……Y電極
14……表面層
30……背面パネル
32……アドレス電極
36……放電空間

Claims (7)

  1. 前面基板と、
    前記前面基板に対向して配置された背面基板と、
    前記前面基板と前記背面基板の間に位置する放電空間と、
    前記前面基板の前記放電空間側の面に形成されたX電極とY電極と、
    前記X電極と前記Y電極上に配置された表面層と、
    前記背面基板の前記放電空間側の面に形成されたアドレス電極と、
    前記放電空間内に配置された放電ガスとを有するプラズマディスプレイパネルであって、
    前記放電空間にはキセノンが含有され、
    前記表面層は、紫外線又は電子線が照射されると導電性を得るマイエナイト型化合物結晶粒子と、紫外線と二次電子を放出可能な発光材料とを有するプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記マイエナイト型化合物結晶粒子の粒径は0.1μm以上であって、前記X電極と前記Y電極の間の距離の1/2以下である請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記マイエナイト型化合物結晶粒子の電子密度は、1.0×1015〜2.3×1021cm-3である請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記X電極と前記Y電極上には、少なくも1個以上の前記マイエナイト型化合物結晶粒子が存在する請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記発光材料は粒子状であり、
    前記X電極と前記Y電極上には、少なくも1個以上の前記発光材料の粒子が存在する請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記放電ガス空間中のキセノンの含有率が15%超である請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記発光材料は、波長200nm以上に放射強度のピークを有する請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
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