JP2010211151A - 液晶添加剤及びその使用方法ならびに液晶表示素子 - Google Patents

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Naoki Toshima
直樹 戸嶋
Yukie Shiraishi
幸英 白石
Sumihiro Sugihara
澄洋 杉原
Nobuaki Okamura
伸明 岡村
Naoto Nishida
直人 西田
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Abstract

【課題】十分に低い閾値電圧で液晶を駆動することができる液晶添加剤及びその使用方法ならびにその液晶添加剤を含む液晶表示素子を提供すること。
【解決手段】本発明の液晶添加剤は、液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物が、金属酸化物ナノ粒子に結合した複合体を含み、液晶表示素子の液晶層に添加されることを特徴とする。本発明の方法は、液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物と、金属酸化物ナノ粒子に結合した複合体を液晶表示素子の液晶層に添加することで、液晶表示素子の駆動電圧を低減させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶添加剤及びその使用方法ならびに液晶表示素子に関する。
一般に、液晶表示素子はコンピュータ用モニタ及び携帯電話や携帯ゲーム機等のモバイルといった画像表示装置に広く用いられている。しかし、液晶表示素子を用いた画像表示装置が動画像を表示する速度は、液晶分子の配向変化が印加波形から遅れるために遅くなる。
この遅れを解消し、動画像表示速度を高めるために、液晶分子とシクロデキストリンによる包接化合物を液晶添加剤として用いる技術が開示されている(特許文献1参照)。これによると、液晶分子とシクロデキストリンとが包接化合物を形成することで液晶組成物の分子間の自由体積が増大し、液晶表示素子内の粘性が低下する。そして、その結果として液晶分子の配向変化の遅れが解消し、高速応答が可能となる。
しかしながら、特許文献1に示される液晶分子とシクロデキストリンとの包接化合物を液晶層に添加するといった技術では十分といえる応答速度は得られない。
特開2005−148705号公報
白石幸英、岡村伸明、小林駿介、戸嶋直樹、「シクロデキストリンポリマー保護Rhナノ粒子を添加した液晶表示素子の電気光学特性」、「Polymer Preprint」,Japan,Vol.56,No.1,p.1919(2007)
一方、本件発明者らは、液晶添加剤として、液晶分子に対して包接能を有するホスト化合物と、金属ナノ粒子とが結合した複合体を開発し、報告している(非特許文献1参照)。
かかる液晶添加剤では、金属ナノ粒子によって誘電率が上がり、液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物によって粘度が低減することで、液晶分子の配向変化遅延が解消するため、応答速度を高めることができる。
ところで、液晶材料に求められる性能としては、上記高速応答性のほかに低電圧駆動性が挙げられる。例えば、ノート型パソコン向けのねじれネマティック(TN)モードの液晶パネルでは、高速応答性と低電圧駆動性とを合わせ持つことが望まれている。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、低い閾値電圧での液晶表示素子の駆動が可能であり、かつ応答速度も良好な液晶添加剤及びその使用方法ならびにその液晶添加剤を含む液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、従来の金属ナノ粒子を金属酸化物ナノ粒子に変え、この金属酸化物ナノ粒子と、液晶分子に対して包接能を有するホスト化合物とが結合した複合体を、液晶表示素子の液晶層に添加することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下のようなものを提供する。
(1)液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物が、金属酸化物ナノ粒子に結合した複合体を含み、液晶表示素子の液晶層に添加される液晶添加剤。
(2)該液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物が、シクロデキストリン、アミロペクチン、クラウンエーテル、シクロファン、カリックスアレン、イソグアニン、シクロトリホスファゼン及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種である(1)に記載の液晶添加剤。
(3)該液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物が、シクロデキストリンである(1)に記載の液晶添加剤。
(4)該金属酸化物ナノ粒子が、珪素、チタン及びジルコニアからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素の酸化物からなる(1)から(3)のいずれかに記載の液晶添加剤。
(5)液晶層に(1)から(4)のいずれかに記載の液晶添加剤が分散された液晶表示素子。
(6)液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物と、金属酸化物ナノ粒子に結合した複合体を液晶表示素子の液晶層に添加することで、液晶表示素子の駆動電圧を低減させる方法。
本発明の液晶添加剤によれば、液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物が、金属酸化物ナノ粒子に結合した複合体を含むので、液晶表示素子の液晶層に添加することにより、低電圧での液晶表示素子の駆動と、良好な応答速度とが実現できる。
本発明のホスト化合物と金属酸化物ナノ粒子との複合体及び複合体が添加された液晶表示素子の一例を示す概念図である。 本発明の比較例1に係る印加電圧及び周波数と光透過率との関係を示す概略図である。 本発明の比較例2に係る印加電圧及び周波数と光透過率との関係を示す概略図である。 本発明に係る印加電圧及び周波数と光透過率との関係を示す概略図((A)実施例1,(B)実施例2)である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
[液晶表示素子]
図1は、液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物と金属酸化物ナノ粒子との複合体及び複合体が添加された液晶表示素子の概念図である。
この液晶表示素子は、従来技術による液晶表示素子と同じ構造を有する。即ち、一対の基板を備え、この一対の基板の一方又は両方は透明である。そして、本発明に係る液晶表示素子においては、上記一対の基板の間に介在する液晶層中に、本発明に係る液晶添加剤が分散している。
[複合体]
本発明における複合体とは、図1に示されるように、液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物と少なくとも1種の金属酸化物ナノ粒子から構成されている。金属酸化物ナノ粒子とホスト化合物とは配位結合等により相互作用している。本発明では、このホスト化合物との結合により、金属酸化物ナノ粒子が外部要因による変質から保護されることが好ましい。金属酸化物ナノ粒子の変質を抑制することにより、誘電率の低下が防止できるからである。本発明では、従来の金属ナノ粒子に比して安定性に優れる金属酸化物ナノ粒子を用いたので、誘電率の低下をより防止できると考えられる。
複合体の形成には、金属酸化物ナノ粒子1モルに対し、ホスト化合物0.1モル以上あればよく、好ましくは0.1〜50モルである。なお、ホスト化合物がポリマーである場合には、そのモノマー単位当たりのモル数に換算して使用量を決定すればよい。
液晶層における複合体の含有量は、用途に応じて適宜選択すればよく、通常、ゲスト液晶に対して、0.1質量%以下、好ましくは0.08質量%以下である。
[金属酸化物ナノ粒子]
本発明の金属酸化物ナノ粒子の平均粒子径は、より小さな粒径の微粒子であれば、特に限定されないが、好ましくは50nm以下、より好ましくは20nm以下、さらにより好ましくは10nm以下である。下限はないが、好ましくは1nm以上である。なお、金属酸化物ナノ粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡により測定することができる。
金属酸化物ナノ粒子の金属種は、特に限定されるものではなく、例えば、珪素、チタン、ジルコニア、マグネシウム、バリウム等が挙げられる。これらの中でも、珪素、チタン及びジルコニアが調製容易という点において好ましい。金属酸化物ナノ粒子の金属種を上記元素から選択することによって、広い周波数変調範囲での誘電率向上を実現することができる。なお、これらの金属種は、本発明の目的を損なわない範囲において、単独又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。2種類以上を組み合わせることで用途に応じた周波数変調範囲を自由に選択することができ、汎用性を向上できる。
[ホスト化合物]
本発明においてホスト化合物とは、包接能のある化合物をいう。本発明では、ホスト化合物は、ゲスト液晶の液晶分子にあわせて適宜、選択すればよいが、好ましくはシクロデキストリン、アミロペクチン、クラウンエーテル、シクロファン、カリックスアレン、イソグアニン、シクロトリホスファゼン及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはシクロデキストリンである。シクロデキストリンは、水や他の溶媒に対する溶解性に優れるので、ホスト液晶への分散性が良好となる点において好ましい。なお、シクロデキストリンとしては、例えば、α−、β−、γ−シクロデキストリン等の天然のシクロデキストリン;グルコシル及びマルトシル等の分岐シクロデキストリン等が挙げられる。また、シクロデキストリンは、モノマーであっても、ポリマーであってもよい。
ホスト化合物とゲストである液晶分子との包接化合物の形成は、液晶分子の官能基とホスト化合物の空孔部との大きさ、形状が適合することが重要である。ゲストである液晶分子がホスト化合物によって包接されることで、液晶組成物の分子間の自由体積が増大し、液晶の粘度が低下するからである。液晶の粘度低下は、ホスト化合物に保護された金属酸化物ナノ粒子の良好な分散や、液晶分子の配向変化遅延の解消を可能とする。上記ホスト化合物は、それぞれが広い範囲の液晶分子種に対する適合性を有するので、2種以上を組み合わせることで、さらに適合性を高めることができる。よって、ホスト化合物を種々の液晶分子に応じて、上記から適宜選択することで、汎用性を向上できる。
[ゲスト液晶]
本発明の液晶層を構成するゲスト液晶としては、既存の液晶に限られるものではなく、
室温で動作できる液晶であればよい。例えば、ネマティック液晶、スメクテック液晶、カイラルネマティック液晶、カイラルスメクテック液晶等である。好ましくは、4−シアノ−4’−ペンチルビフェニル(通常、5CBと呼ばれている)、RDP−94561(TFT用実用化液晶,DIC(株)製)、RDP20706(TFT用実用化液晶,DIC(株)製)、MO26CA021(TFT用実用化液晶,DIC社製)、RDP−98342(TN用実用化液晶,DIC(株)製)、MJ012159(TFT用実用化液晶,メルク(株)社製)等の液晶である。
[複合体の形成方法]
複合体は、例えば、以下の方法により形成することができる。保護剤であるホスト化合物を水に分散してから金属酸化物と混合し、これにテトラエチレングルコールをさらに添加した後、窒素雰囲気中で超音波とマイクロ波とを同時照射する。その後、この溶液中の水とテトラエチレングルコールとを減圧留去し、真空乾燥を行い、複合体を得ることができる。
複合体を形成する際に用いる溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のエチレングリコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
複合体では、金属酸化物ナノ粒子は金属イオンを構成しており、金属イオンとするためには、金属のハロゲン化物等の金属塩を出発原料として用いるとよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(合成例1)PβCyD−Rhナノ粒子複合体
100ml二口フラスコに塩化ロジウム(和光純薬工業(株)製特級試薬)0.0869g(0.33mmol)及びβ−シクロデキストリンポリマー(PβCyD)(純正化学(株)製)0.9364g(0.825mmol)を入れ、これに水/エタノール(和光純薬工業(株)製)500mlを加え、反応器の空気部分を窒素置換し、還元雰囲気とした。
磁気攪拌機を用いて十分に攪拌した後、500W高圧水銀灯にて3時間紫外線照射した。照射により溶液は黄色から黒褐色に変化し、β−シクロデキストリンポリマーがロジウムナノ粒子に結合した複合体(PβCyD−Rhナノ粒子複合体)分散液が得られた。この溶液中の水/エタノールをロータリーエバポレーターにて減圧留去し、真空乾燥機にて一晩真空乾燥を行い、PβCyD−Rhナノ粒子複合体を得た。
得られたPβCyD−Rhナノ粒子複合体分散液を透過型電子顕微鏡用銅グリッド上に滴下後乾燥し、透過型電子顕微鏡により分析した結果、PβCyD−Rhナノ粒子複合体の平均粒径は6.8nmであった。
(合成例2)PβCyD−TiOナノ粒子複合体
攪拌子を入れた300mlの一口ナス型フラスコに、β−シクロデキストリンポリマー(PβCyD)(純正化学(株)製)0.3746g(0.33mmol)を入れ、これに水15mlを加え、80℃のオイルバス中にて磁気攪拌機を用いて30分攪拌する。その後、チタニウムテトライソプロポキシド(和光純薬工業(株)製)0.0375g(0.132mmol)を加え、さらに80℃のオイルバス中にて30分間攪拌する。次いで、テトラエチレングリコール185mlを加え、紫外・可視分光光度計にて紫外・可視吸収スペクトルを測定し、チタンイオンのピークを確認した後、反応器に移し替える。そして、反応器の空気部分を窒素置換し、還元雰囲気とした。
磁気攪拌機を用いて十分に攪拌した後、マイクロ波・超音波照射装置(製品名:マイクロ波反応装置,四国計測工業(株)製)にて、240℃にて30分間、マイクロ波(出力:1.5kW)と超音波(周波数:20kHz,照射強度:150W)とを同時照射した。照射により溶液は無色から黒褐色に変化し、β−シクロデキストリンポリマーが二酸化チタンナノ粒子に結合した複合体(PβCyD−TiOナノ粒子複合体)分散液が得られた。ウルトラフィルター(Ultrafiltration Membranes NMML5000,Millipore社製)を用い、テトラエチレングリコールをエタノールに置換し、余分なイオン等を限外濾過した。この溶液中のエタノールをロータリーエバポレーターにて減圧留去し、真空乾燥機にて一晩真空乾燥を行い、PβCyD−TiOナノ粒子複合体を得た。
得られたPβCyD−TiOナノ粒子複合体分散液を透過型電子顕微鏡用銅グリッド上に滴下後乾燥し、透過型電子顕微鏡により分析した結果、PβCyD−TiOナノ粒子複合体の平均粒径は16.0nmであった。
(合成例3)PβCyD−SiOナノ粒子複合体
攪拌子を入れた300mlの一口ナス型フラスコに、β−シクロデキストリンポリマー(PβCyD)(純正化学(株)製)0.4540g(0.4mmol)を入れ、これに水15mlを加え、磁気攪拌機を用いて1時間攪拌する。その後、四塩化珪素(和光純薬工業(株)製)0.6796g(4.0mmol)を加え、さらに30分間攪拌する。次いで、テトラエチレングリコール185mlを加え、紫外・可視分光光度計にて紫外・可視吸収スペクトルを測定し、珪素イオンのピーク消失を確認した後、反応器に移し替える。そして、反応器の空気部分を窒素置換し、還元雰囲気とした。
磁気攪拌機を用いて十分に攪拌した後、マイクロ波・超音波照射装置(製品名:マイクロ波反応装置,四国計測工業(株)製)にて、240℃にて30分間、マイクロ波(出力:1.5kW)と超音波(周波数:20kHz,照射強度:150W)とを同時照射した。照射により溶液は無色から黒褐色に変化し、β−シクロデキストリンポリマーが二酸化珪素ナノ粒子に結合した複合体(PβCyD−SiOナノ粒子複合体)分散液が得られた。ウルトラフィルター(Ultrafiltration Membranes NMML5000,Millipore社製)を用い、テトラエチレングリコールをエタノールに置換し、余分なイオンなどを限外濾過した。この溶液中のエタノールをロータリーエバポレーターにて減圧留去し、真空乾燥機にて一晩真空乾燥を行い、PβCyD−SiOナノ粒子複合体を得た。
得られたPβCyD−SiOナノ粒子複合体分散液を透過型電子顕微鏡用銅グリッド上に滴下後乾燥し、透過型電子顕微鏡により分析した結果、PβCyD−SiOナノ粒子複合体の平均粒径は6.2nmであった。
(合成例4)βCyD−SiOナノ粒子複合体
攪拌子を入れた300mlの一口ナス型フラスコに、β−シクロデキストリン(βCyD)(東京化成工業(株)製)0.4540g(0.4mmol)を入れ、これに水15mlを加え、磁気攪拌機を用いて1時間攪拌する。その後、四塩化珪素(和光純薬工業(株)製)0.6786g(4.0mmol)を加え、さらに30分間攪拌する。次いで、テトラエチレングリコール185mlを加え、紫外・可視分光光度計にて紫外・可視吸収スペクトルを測定し、珪素イオンのピーク消失を確認した後、反応器に移し替える。そして、反応器の空気部分を窒素置換し、還元雰囲気とした。
磁気攪拌機を用いて十分に攪拌した後、マイクロ波・超音波照射装置(製品名:マイクロ波反応装置,四国計測工業(株)製)にて、240℃にて30分間、マイクロ波(出力:1.5kW)と超音波(周波数:20kHz,照射強度:150W)とを同時照射した。照射により溶液は無色から黒褐色に変化し、β−シクロデキストリンが二酸化珪素ナノ粒子に結合した複合体(βCyD−SiOナノ粒子複合体)分散液が得られた。ウルトラフィルター(Ultrafiltration Membranes NMML5000,Millipore社製)を用い、テトラエチレングリコールをエタノールに置換し、余分なイオンなどを限外濾過した。この溶液中のエタノールロータリーエバポレーターにて減圧留去し、真空乾燥機にて一晩真空乾燥を行い、βCyD−SiOナノ粒子複合体を得た。
得られたβCyD−SiOナノ粒子複合体分散液を透過型電子顕微鏡用銅グリッド上に滴下後乾燥し、透過型電子顕微鏡により分析した結果、βCyD−SiOナノ粒子複合体の平均粒径は8.4nmであった。
(比較例1)
ゲスト液晶であるRDP−98342(TN用実用化液晶)(DIC(株)製)1gを液晶セルに充填し、液晶表示素子を作成した。さらに、これを用いて作成したねじれネマティック(TN)液晶表示装置に室温(25℃)にて電圧印加(最大10V)し、光透過量を瞬間マルチ測光システムLCD−5200(大塚電子(株))にて測定した。その結果を図2に示す。
(比較例2)
合成例1記載のPβCyD−Rhナノ粒子複合体0.001gを、ゲスト液晶であるRDP−98342(TN用実用化液晶)(DIC(株)製)1gに溶解させて液晶セルに充填し、液晶表示素子を作成した。さらに、これを用いて作成したねじれネマティック(TN)液晶表示装置に室温(25℃)にて電圧印加(最大10V)し、光透過量を瞬間マルチ測光システムLCD−5200(大塚電子(株))にて測定した。その結果を図2に示す。
(実施例1)
合成例2記載のPβCyD−TiOナノ粒子複合体0.001gを、ゲスト液晶であるRDP−98342(TN用実用化液晶)(DIC(株)製)1gに溶解させる。次いで、シリンジフィルター(Millex,Millipore社製,孔径0.45μm)を用いて濾過した後、液晶セルに充填し、液晶表示素子を作成した。さらに、これを用いて作成したねじれネマティック(TN)液晶表示装置に室温(25℃)にて電圧印加(最大10V)し、光透過量を瞬間マルチ測光システムLCD−5200(大塚電子(株))にて測定した。その結果を図4(A)に示す。
(実施例2)
合成例3記載のPβCyD−SiOナノ粒子複合体0.001gを、ゲスト液晶であるRDP−98342(TN用実用化液晶)(DIC(株)製)1gに溶解させる。次いで、シリンジフィルター(Millex,Millipore社製,孔径0.45μm)を用いて濾過した後、液晶セルに充填し、液晶表示素子を作成した。さらに、これを用いて作成したねじれネマティック(TN)液晶表示装置に室温(25℃)にて電圧印加(最大10V)し、光透過量を瞬間マルチ測光システムLCD−5200(大塚電子(株))にて測定した。その結果を図4(B)に示す。
PβCyD−TiOナノ粒子複合体を液晶層に添加すると、何も添加しない場合の閾値電圧と比較して、1.20Vから1.10Vへ8.3%程度低い電圧で駆動した(図4(A))。また、PβCyD−SiOナノ粒子複合体を液晶層に添加すると、何も添加しない場合の閾値電圧と比較して、1.20Vから1.05Vへ12.5%程度低い電圧で駆動した(図4(B))。これらに対して、PβCyD−Rhナノ粒子複合体を液晶層に添加した系では、金属ナノ粒子の添加の有無に関わらず、低電圧駆動を示さなかった(図3)。なお、金属ナノ粒子複合体を添加した液晶層と、金属酸化物ナノ粒子複合体を添加した液晶層とを、目視にて比較したところ、金属酸化物ナノ粒子複合体の方が液晶層に対する分散性が良好であることが確認できた。
(比較例3)
ゲスト液晶である4−シアノ−4’−ペンチルビフェニル(5CB)(東京化成工業(株)製特級試薬)0.001gを液晶セルに充填し、液晶表示素子を作成した。さらに、これを用いて作成したねじれネマティック(TN)液晶表示装置に室温(25℃)にて10Vの電圧を印加し、100Hzの周波数の電流を印加し、液晶表示装置に電圧を印加して立ち上がり始めてから暗表示になるまでの時間(t)及び電圧を切断して液晶が元に戻り始めてから明表示に戻るまでの時間(t)を測定し、tとtとの合計時間(応答時間:光透過率10〜90%間を変化する時間)を算出した。光透過量は、瞬間マルチ測光システムLCD−5200(大塚電子(株))にて測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
合成例4記載のβCyD−SiOナノ粒子複合体0.001gを、ゲスト液晶である4−シアノ−4’−ペンチルビフェニル(5CB)(東京化成工業(株)製特級試薬)1gに溶解させる。次いで、シリンジフィルター(Millex,Millipore社製,孔径0.45μm)を用いて濾過した後、液晶セルに充填し、液晶表示素子を作成した。そして、比較例3と同様の方法により、tとtとを測定し、tとtとの合計時間(応答時間)と、液晶のみ(比較例3)の応答時間を100とした場合の割合とを算出した。結果を表1に示す。
Figure 2010211151
金属酸化物ナノ粒子複合体を液晶層に添加する(実施例3)と、添加しない場合(比較例3)と比較して、応答速度が向上することがわかった。

Claims (6)

  1. 液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物が、金属酸化物ナノ粒子に結合した複合体を含み、液晶表示素子の液晶層に添加される液晶添加剤。
  2. 前記液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物が、シクロデキストリン、アミロペクチン、クラウンエーテル、シクロファン、カリックスアレン、イソグアニン、シクロトリホスファゼン及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の液晶添加剤。
  3. 前記液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物が、シクロデキストリンであることを特徴とする、請求項1に記載の液晶添加剤。
  4. 前記金属酸化物ナノ粒子が、珪素、チタン及びジルコニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子の酸化物からなる、請求項1から3のいずれかに記載の液晶添加剤。
  5. 液晶層に請求項1から4のいずれかに記載の液晶添加剤が分散された液晶表示素子。
  6. 液晶分子に対する包接能を有するホスト化合物と、金属酸化物ナノ粒子に結合した複合体を液晶表示素子の液晶層に添加することで、液晶表示素子の駆動電圧を低減させる方法。
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JP2013541028A (ja) * 2010-08-19 2013-11-07 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 液晶媒体および液晶ディスプレイ

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