JP2010210604A - 指示計器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光源に安定した電力を供給することが可能な指示計器を提供する。
【解決手段】 表示部13aを有する表示部材10と、表示部材10の背後側に配置される駆動装置40と、駆動装置40の回転軸30に装着され、回転軸30の周囲に位置する基部51と表示部13aを指示する指示部52とを有する指示部材50と、指示部52を発光させるべく指示部材50に配設される光源57とを備えた指示計器において、駆動装置40側に設けられる第1のコイル23と、第1のコイル23に対応するように基部51側に設けられる第2のコイル91と、第2のコイル91と光源57とを電気的に接続するための可撓性基板58とを有し、基部51には第2のコイル91を収納する窪み部K1が形成され、第1のコイル23と第2のコイル91との間の電磁誘導作用により、可撓性基板58を介して光源57に給電がなされる構成とした。
【選択図】図2
【解決手段】 表示部13aを有する表示部材10と、表示部材10の背後側に配置される駆動装置40と、駆動装置40の回転軸30に装着され、回転軸30の周囲に位置する基部51と表示部13aを指示する指示部52とを有する指示部材50と、指示部52を発光させるべく指示部材50に配設される光源57とを備えた指示計器において、駆動装置40側に設けられる第1のコイル23と、第1のコイル23に対応するように基部51側に設けられる第2のコイル91と、第2のコイル91と光源57とを電気的に接続するための可撓性基板58とを有し、基部51には第2のコイル91を収納する窪み部K1が形成され、第1のコイル23と第2のコイル91との間の電磁誘導作用により、可撓性基板58を介して光源57に給電がなされる構成とした。
【選択図】図2
Description
本発明は、文字板や液晶表示器等からなる表示部材の前方を回動する指示部を備えた指示計器に関するものである。
従来、この種の指示計器にあっては、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載の指示計器は、表示部を有する文字板(表示部材)と、この文字板の背後側に配置される回路基板と、この回路基板の背後に導通装着される駆動装置と、回路基板に設けた孔部を貫通して文字板側に延びる駆動装置の回転軸に装着され、文字板を迂回する略コの字形の指示部材とを備えてなる。
この場合、指示部材は、前記回転軸に装着され文字板を避けるように文字板と回路基板との間に配設される略棒状の腕片からなる基部と、文字板の側方周囲と文字板の前方側に配設され、前記回転軸の周囲に位置する基部の一端側とは反対側となる基部の他端側に連結される略L字形状の連結体とから構成される。
この連結体は、透光性合成樹脂からなり、前記表示部を指示するように文字板の前方側に位置する指示部と、この指示部と基部との間を繋ぐように文字板の側方周囲に位置する連結部とが一体形成されたもので、この連結部の下端部分に対応する基部箇所には貫通孔が形成され、この貫通孔に連結部の下端部分が嵌め込まれることで、基部と連結体とが連結される。そして、連結部の下端部分の背面に光源を固定(配設)した構成となっている。
かかる光源は、連結部を介して基部と連結されてなる前記指示部を発光させる発光体からなり、光源から発せられる照明光は、光源の真上に位置する連結部を通じて指示部へと導光され、これにより指示部が発光することになる。また、上述した特許文献1に記載の指示計器では、光源に点灯用電力を供給すべく、光源と回路基板とがフレキシブル配線板等の可撓性基板を介して導通接続されている。そして、可撓性基板は、指示部材(指示部)の回動に追従するために、文字板の背後側に配置される駆動装置の回転軸に巻き付くように設けられており、その中間部に所定の弛みを備えたものであった。
しかしながら、上述した特許文献1に記載の指示計器では、指示部材(指示部)の動きに連動して、可撓性基板の回転軸への巻き付き状態が時々刻々と変化することで、経時変化に伴い可撓性基板が断線する虞がある。可撓性基板が断線した場合には、光源に安定した電力(前記点灯用電力)を供給することができないという問題点があり、この点で更なる改良の余地が残されていた。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、光源に安定した電力を供給することが可能な指示計器の提供を目的とするものである。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、光源に安定した電力を供給することが可能な指示計器の提供を目的とするものである。
本発明は、表示部を有する表示部材と、前記表示部材の背後側に配置される駆動装置と、前記駆動装置の回転軸に装着され、前記回転軸の周囲に位置する基部と前記表示部を指示する指示部とを有する指示部材と、前記指示部を発光させるべく前記指示部材に配設される光源とを備えた指示計器において、前記駆動装置側に設けられる第1のコイルと、前記第1のコイルに対応するように前記基部側に設けられる第2のコイルと、前記第2のコイルと前記光源とを電気的に接続するための配線部材とを有し、前記基部には前記第2のコイルを収納する窪み部が形成され、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の電磁誘導作用により、前記配線部材を介して前記光源に給電がなされる構成としたことを特徴とする。
また本発明は、前記駆動装置は、所定の配線パターンを有する回路基板の背後に導通装着されてなり、前記第1のコイルは前記回路基板に配設された枠体内に収納されるとともに前記第1のコイルと前記枠体との間に前記回路基板側への磁力線の放出を遮断する第1の磁気シールド部材を介在させ、且つ、前記窪み部における前記第2のコイルと前記基部との間に前記第1のコイルから前記第2のコイルへと至る磁力線の前記基部側への放出を遮断する第2の磁気シールド部材を介在させたことを特徴とする。
また本発明は、前記基部が、前記表示部材の背後側において前記回転軸の周囲に位置する第1のアーム部と、前記第1のアーム部と前記表示部材の前方に位置する前記指示部とを連結するように前記表示部材の側方に位置する第2のアーム部とを有し、前記配線部材は、前記第1のアーム部に対応するように配設される第1の配線部と、前記第2のアーム部に対応するように配設される第2の配線部と、前記第1の配線部と前記第2の配線部との境界部分に配設される曲面配線部または傾斜配線部とを備えてなることを特徴とする。
また本発明は、前記配線部材が、前記基部に密着するように配設されてなることを特徴とする。
本発明によれば、初期の目的を達成でき、光源に安定した電力を供給することが可能な指示計器を提供できる。
以下、図1から図3に基づいて、本発明を車両に搭載された速度計からなる指示計器に適用した一実施形態を説明する。
図1、図2において、指示計器Mは、車両の速度を表示する速度計からなり、表示部材10と、この表示部材10の背後側に配置される回路基板20と、この回路基板20に導通装着され回転軸30が表示部材10側に延びる駆動装置40と、表示部材10を迂回するように回転軸30の先端に装着される指示部材50と、回路基板20上に載置されるフレーム体60と、指示計器Mの外装ケースとなる計器ハウジング70と、表示部材10と指示部材50の後述する指示部を露出させるように計器ハウジング70上に配置される見返し部材80とから主に構成されている。
表示部材10は、表示器11と、この表示器11を収納する収納ケース12と、この収納ケース12の前面に設けられた開口窓12aを覆う前面カバー13とを有し、適宜固定手段により回路基板20に固定されている。
表示器11は、車両に関する情報等を表示するものである。車両に関する情報としては、経路誘導、車両に関する警告表示、外気温等の各種情報が挙げられる。
表示器11は、前記各種情報を表示するドットマトリクス型の液晶表示素子14と、この液晶表示素子14をバックライト照明するための複数個の素子用光源15と、液晶表示素子14と素子用光源15との間に配置され、素子用光源15から液晶表示素子14に至る照明光を均一化させるための拡散板等からなる光学部材16と、これら液晶表示素子14と素子用光源15と光学部材16とを収納するケース体17と、液晶表示素子14の図示しない表示エリアを臨ませるべく、ケース体17の周囲及び液晶表示素子14の周縁を覆うカバー18とを有している。
ケース体17の底面側中央部には、収納ケース12の底壁部12b側に突出するボス部17aが設けられており、このボス部17aが底壁部12bの略中央部に設けられた貫通孔部12cに嵌め込まれることで、表示器11が収納ケース12に固定されるようになっている。
収納ケース12は、遮光性合成樹脂からなり、有底カップ形状にて形成され、前述した開口窓12aと、この開口窓12aに対応する前述した底壁部12bと、この底壁部12bを取り巻く側壁部12dとから主に構成される。かかる収納ケース12には、後述する発光体からの照明光を採り入れるための開口12eが底壁部12bと側壁部12dとの境界部分及びその周囲に開口形成されている。
前面カバー13は、透光性合成樹脂からなり、表示器11や収納ケース12の内部を車両利用者側から視認することが可能な透視部からなる。本例における前面カバー13は、計器文字板の指標の一部を兼ね備えた構成となっており、その周縁には、前記指示部の作動範囲に対応した速度数字からなる表示部13aが形成されてなる。
なお、本例における表示部13aは、詳細図示は省略するが、前面カバー13の背面に設けた微細な凹凸によって形成される。また、前面カバー13の周縁には、駆動装置2側に向けて垂下する壁部13bが設けられている。この壁部13bは、前面カバー13を収納ケース12に固定する役割を果たすとともに、前記発光体からの照明光を採り入れる役割を果たすものでもある。
これにより前面カバー13に設けた表示部13aは、開口12eを通じて収納ケース12内部に導入された照明光と、前面カバー13の壁部13bから導入された照明光とによって照明表示されることになる。
回路基板20は、例えばガラスエポキシ系基材に配線パターン(図示せず)を施した硬質回路基板からなり、この回路基板20上には、発光体21と、第1のコイルユニット22と、フレーム体60とが載置されてなる。
また、回路基板20は、発光体21と、第1のコイルユニット22に備えられる後述する第1のコイルと、駆動装置40の駆動・制御を行う駆動回路(図示せず)と、液晶表示素子14の表示制御を行う素子駆動回路(図示せず)と、素子用光源15の発光制御を行う第1の光源駆動回路(図示せず)と、発光体21の発光制御を行う第2の光源駆動回路(図示せず)と、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品(図示せず)とが前記配線パターンに導通接続されている。
発光体21は、適宜色を発する発光ダイオードからなり、表示器11の周囲及び表示部13aを照明するものである。
第1のコイルユニット22は、図3に示すように第1のコイル23と、枠体24と、第1の磁気シールド部材25とを備えている。
第1のコイル23は、同一平面内で渦巻き状に形成された平面コイル(扁平コイル)で構成されており、回路基板20側に位置する回転軸30の末端部分31を取り巻くように、駆動装置40側となる回路基板20上に設けられている。
枠体24は、回転軸30の末端部分31を取り巻く貫通部24aを有する概略円環形状の板材からなり、その材質は合成樹脂からなる。かかる枠体24は、回路基板20上に配設され、内側環状突出部24bと、外側環状突出部24cと、内側環状突出部24bの下端側と外側環状突出部24cの下端側とを繋ぐ略円環板状の円環板部24dとを備えている。
内側環状突出部24bは、貫通部24aを取り巻くように表示部材10側に突出している。また外側環状突出部24cは、内側環状突出部24bの外側に位置し、且つ内側環状突出部24bと同様に表示部材10側に突出している。なお、円環板部24dとこれに対応する回路基板20箇所とは、両面テープ等(図示せず)により密着固定され、これにより第2のコイルユニット22(枠体24)が回路基板20上に固定(配設)された状態となる。
そして、内側環状突出部24bと外側環状突出部24cと円環板部24dとで囲まれる窪み部分に渦巻き状に形成された平面コイルからなる第1のコイル23が埋設された構成となっている。つまり、このことは、第1のコイル23が、枠体24内に収納された状態であることを意味してなる。
第1の磁気シールド部材25は、例えば強磁性体において軟磁性体に分類されるSPC(冷間圧延鋼板)からなり、第1のコイル23と円環板部24dとの間に介在するように枠体24内に収容される。かかる第1の磁気シールド部材25は、後述する第2のコイルの配設位置とは反対側(つまり回路基板20側となる第1のコイルユニット22の背後側)への磁力線の放出を遮断する機能を備えてなる。
なお、第1の磁気シールド部材25を、前記冷間圧延鋼板ではなく、例えば詳細図示は省略するがPETフィルム等の樹脂フィルム上に強磁性金属薄膜からなる強磁性膜を被膜形成した構成を適用することも可能である。この場合、強磁性膜が第1のコイル23側に位置するように、第1の磁気シールド部材25が枠体24内に配置される。
駆動装置40は、可動磁石式計器またはステッピングモータからなり、表示部材10の背後側に配置され、回転軸30が回路基板20を貫通し表示部材10側に延在するように、その主要部が回路基板20の背後に装着され、且つ半田付け等の適宜導通手段により前記配線パターン(前記駆動手段)に導通接続される。
指示部材50は、略コの字形状にて形成され、表示部材10を避けるように配設される略L字形状の腕片としての基部51と、この基部51に連結され、表示部13aを指示するように前面カバー13(表示部材10)の前方に位置する指示部52とを備えてなる(図2参照)。
基部51は、合成樹脂からなり、回路基板20の板面と略平行状態をなし、その一端側が回転軸30に装着された第1のアーム部53と、回転軸30の周囲に位置する第1のアーム部53の前記一端側とは反対側となる第1のアーム部53の他端側から前記板面とは直交するように見返し部材80側に延びる第2のアーム部54とを一体形成したものとなっている。
そして、回転軸30側となる第1のアーム部53箇所には、回転軸30の末端部分31とは反対側に位置する回転軸30の先端部分32を貫通させるための略円形の貫通孔53aが形成されている(図3参照)。なお、本例では、表示部材10の背後側において回転軸30の周囲に位置している第1のアーム部53と、第1のアーム部53と指示部52とを連結するように表示部材10の側方に位置する第2のアーム部54との境界部分に曲面部55を形成した構成となっている。
また、基部51における第1のアーム部53の底面には、貫通孔53aの周囲に貫通孔53aを取り囲むように第2のコイル91と第2の磁気シールド部材92とからなる第2のコイルユニット90を収納するための環状溝部からなる窪み部K1が形成されてなる(図3参照)。かかる窪み部K1は、第2のコイルユニット90(第2のコイル91及び第2の磁気シールド部材92)を埋設するために設けられたものである。
第2のコイル91は、第1のコイル23と同様に同一平面内で渦巻き状に形成された平面コイル(扁平コイル)で構成されており、第1のコイル23と電磁誘導が可能なように窪み部K1に配設され、末端部分31と先端部分32との間に位置する回転軸30箇所を取り巻くように、第1のアーム部53側(基部51側)となる窪み部K1内に設けられてなる。
かかる第2のコイル91は、指示計器Mの厚み方向(換言すれば回路基板20の前記板面とは直交する方向)において、第1のコイル23と向かい合う(第1のコイル23に対応する)ように第1のアーム部53側(基部51側)となる窪み部K1内に設置された構成となっている。
第2の磁気シールド部材92は、例えばSPC(冷間圧延鋼板)からなり、窪み部K1における第2のコイル91と第1のアーム部53(基部51)との間に介在するように窪み部K1内に収容される。かかる第2の磁気シールド部材92は、第1のコイル23から第2のコイル91へと至る磁力線の第1のアーム部53側(基部51側)への放出を遮断する機能を備えてなる。
なお、本例では、貫通孔53a、空所56並びに窪み部K1を備えた合成樹脂からなる基部51を射出成形するにあたって、第2のコイル91及び第2の磁気シールド部材92が周知のインモールド成形加工により窪み部K1に埋設された状態で基部51に一体成形された構成を採用してなる。
一方、指示部52側となる第2のアーム部54箇所には、空所56が設けられ、かかる空所56に光源57が配設されてなる。この光源57は、適宜色を発する発光ダイオードからなり、指示部52に照明光を供給し指示部52を発光させるための発光体であり、その発光面が指示部52側を向くように可撓性基板58(つまり可撓性基板58に備えられる後述する導電体)上に実装されてなる。
このように光源57と電気的に接続される可撓性基板(配線部材)58は、例えばポリイミド等の軟質の絶縁基板上に図示しない導電体(信号伝送ライン)が設けられたフレキシブル配線板からなる。
この可撓性基板58は、その一端側が光源57を保持してなるとともに、その他端側が第2のコイル91の末端部分C付近となる第1のアーム部53の底面箇所に位置するように基部51に固定(配設)された構成となっている。
この際、可撓性基板58は、光源57側となる第2のアーム部54の外周面、曲面部55の外周面並びに第1のアーム部53底面に沿うように配設され、基部51に密着しており、第1のアーム部53底面側に位置する前記導電体箇所と第2のコイル91の末端部分Cとが半田付け等の適宜導通手段により電気的に接続される構成となっている。
すなわち、可撓性基板58は、基部51に密着した状態で光源57と第2のコイル91との間に位置し、第1のアーム部53に対応するように配設される(つまり第1のアーム部53底面に密着している)第1の配線部58aと、第2のアーム部54に対応するように配設される(つまり第2のアーム部54の外周面に密着している)第2の配線部58bと、第1の配線部58aと第2の配線部58aとの境界部分において、曲面部55の外周面に密着するように配設される曲面形状からなる曲面配線部58cとを備え、光源57と第2のコイル91とを電気的に接続する接続部材としての機能を有してなる。
ところで、回路基板20に設けられた電源回路(図示せず)が動作した場合、前記電源回路の動作に伴い、前記電源回路と接続された第1のコイル23に交流電流が供給される。
すると、第2のコイル91には電磁誘導作用によって電力が伝送され、かかる電力は、第2のコイル91、第2のコイル91に導通接続された可撓性基板58(前記導電体)を経て、可撓性基板58(前記導電体)に導通接続された光源57へと伝送される。これにより光源57が点灯し、指示部52が光輝(発光)することになる。つまり、このことは、第1のコイル23に前記交流電流が供給されると、第1のコイル23と第2のコイル91との間の前記電磁誘導作用により、第2のコイル91と電気的に接続された可撓性基板58を介して光源57に給電がなされ、指示部52が光輝することを意味してなる。
ここで、例えば前記境界部分に曲面配線部58cを設けずに可撓性基板58を第1、第2の配線部58a、58bのみで構成し、第2の配線部58bが第1の配線部58aに対し直角に折れ曲がっている場合(換言すれば、図2の状態で曲面配線部58cを廃止し、前記境界部分に角張った形状からなる角部が形成されている場合)、前記信号伝送ラインを伝わる伝送信号(つまり前記交流電流である交流波形信号)が、第1の配線部58aから前記角部を経て第2の配線部58bへと伝送される際に、前記角部にて前記伝送信号の特性インピーダンスの値が不連続となることが知られている。
そして、このような前記伝送信号の特性インピーダンスの不連続点では、前記伝送信号が反射伝送信号として前記角部から第1の配線部58a側へと反射されることにより、例えば第1の配線部58aから前記角部へと向かう前記伝送信号と前記反射伝送信号とが波形歪を有するように強め合うように合成されると、第1の配線部58aにおける信号伝送ラインから不要な電磁波(ノイズ)が輻射される。また、前記伝送信号の反射に伴い第2の配線部58b側(光源57側)に伝送信号が伝わりにくくなる。
ところが、本実施形態では、第1配線部58aにおける前記伝送信号の特性インピーダンスの値と曲面配線部58cにおける前記伝送信号の特性インピーダンスの値とを略一致させるべく、第1配線部58aとこれに直交している第2配線部58bとの境界部分において、前記特性インピーダンスの不連続点となるような前記角部を形成するのではなく曲面配線部58cが形成されている。
これにより第1の配線部58a、曲面配線部58c並びに第2の配線部58bでの三者の特性インピーダンスが略一致することで、前述した輻射ノイズの発生原因となっていた前記反射伝送信号の生成が抑制される。さらに、前記反射伝送信号の生成が抑制されることに伴い、可撓性基板58から光源57へと前記伝送信号が良好に伝送されるので、光源57に安定した電力を供給することが可能となる。
また、駆動装置40の駆動により前面カバー13上を回動する指示部52は、略細長棒状の透光性合成樹脂からなり、基部51(第2のアーム部54)に連結固定され、表示部13a及び後述する目盛部を指示する指標部からなる。
フレーム体60は、白色の合成樹脂からなり、発光体21からの照明光を効率よく表示部材10側に反射するための反射体としての機能を備えてなる。かかるフレーム60は、発光体21から発せられる照明光を外側(外周方向)へ反射するように発光体21と対向配置される傾斜形状からなる第1の反射壁61と、この第1の反射壁61の外側に位置し、前記外周方向に向けて反射された照明光を表示部材10側(開口12e側)へ反射する第2の反射壁62とを備えてなる。
計器ハウジング70は、遮光性合成樹脂からなり、有底カップ形状にて形成され、その内部に表示部材10や回路基板20、回転軸30、駆動装置40、指示部材50、フレーム体60等の指示計器Mの各構成部品を収容するものである。
見返し部材80は、略環状の遮光性合成樹脂からなり、計器ハウジング70の前面開口71の周縁を覆うように計器ハウジング70上に載置されてなる。かかる見返し部材80には、表示部13aに対応する目盛部81が隆起形成されている。なお、本例における個々の目盛部81は、略細長棒状に形成され、見返し部材80の略中央部から前面カバー13周縁に至る領域に設けられている。
以上のように、本実施形態では表示部13aを有する表示部材10と、表示部材10の背後側に配置される駆動装置40と、駆動装置40の回転軸30に装着され、回転軸30の周囲に位置する基部51と表示部13aを指示する指示部52とを有する指示部材50と、指示部52を発光させるべく指示部材50における第2のアーム部54に配設される光源57とを備えた指示計器Mにおいて、回路基板20側(駆動装置40側)に設けられる第1のコイル23と、第1のコイル23に対応するように第1のアーム部53側(基部51側)に設けられる第2のコイル91と、第2のコイル91と光源57とを電気的に接続するための可撓性基板58とを有し、第1のアーム部53(基部51)には第2のコイル91を収納する窪み部K1が形成され、第1のコイル23と第2のコイル91との間の電磁誘導作用により、可撓性基板58を介して光源57に給電がなされる構成である。また、可撓性基板58が、基部51に密着するように固定(配設)されているものである。
従って、従来のように可撓性基板を駆動装置の回転軸に巻き付け、指示部材(指示部)の動き(回動)に連動して、可撓性基板の回転軸への巻き付き状態が時々刻々と変化する構成ではなく、第1のコイル23と第2のコイル91との間の電磁誘導作用を利用し、第2のコイル91と導通接続可能に基部51に固定された可撓性基板58を介して光源57に電力供給を行う構成であるから、可撓性基板58が断線する虞がなくなる。これにより光源57に安定した電力を供給することが可能な指示計器を提供することができる。
特に、本例では、インモールド成形加工を採用して、第2のコイル91が第1のアーム部53(基部51)における窪み部K1内に埋設(収納)される構成となっていることから、第2のコイル91がより一層安定的に窪み部K1内に保持されるというメリットがある。
また本実施形態では、駆動装置40は、前記配線パターンを有する回路基板20の背後に導通装着されてなり、第1のコイル23は回路基板20に配設された枠体24内に収納されるとともに第1のコイル23と枠体24(円環板部24d)との間に回路基板20側への磁力線の放出を遮断する第1の磁気シールド部材25を介在させ、且つ、窪み部K1における第2のコイル91と第1のアーム部53(基部51)との間に第1のコイル23から第2のコイル91へと至る磁力線の基部51側への放出を遮断する第2の磁気シールド部材92を介在させたことにより、第1のコイル23と第2のコイル91とにより生じる磁力線が基部51側あるいは回路基板20側へと拡散するのが抑制され、これにより例えば回路基板20に備えられる各種回路(前記素子駆動回路や前記光源駆動回路等)の誤動作を防止することができる。
また本実施形態では、基部51が、表示部材10の背後側において回転軸30の周囲に位置する第1のアーム部53と、第1のアーム部53と表示部材10の前方に位置する指示部52とを連結するように表示部材10の側方に位置する第2のアーム部54とを有し、配線部材である可撓性基板58は、第1のアーム部53に対応(密着)するように配設される第1の配線部58aと、第2のアーム部54に対応(密着)するように配設される第2の配線部58bと、第1の配線部58aと第2の配線部58bとの前記境界部分に配設される(つまり曲面部55の外周面に密着するように配設される)曲面配線部58cとを備えてなることにより、前記三者の特性インピーダンスが略一致することで、第1の配線部58aにおける信号伝送ラインから不要な電磁波が輻射される虞がなくなる。
また本実施形態では、第2のコイル91及び第2の磁気シールド部材92がインモールド成形加工により窪み部K1に埋設された状態で基部51に一体成形された例について説明したが、例えば第2のコイル91、第2の磁気シールド部材92並びに可撓性基板58をインモールド成形加工により基部51に一体成形する構成を採用してもよい。なお、この場合、基部51に、窪み部K1と隣接するように可撓性基板58を収容するための凹部(溝部)形状からなる基板収容部を設ける必要がある。
また本発明は、第1の配線部58aにおける信号伝送ラインからの不要な電磁波輻射を抑制すべく、第1、第2の配線部58a、58bの境界部分に位置する曲面配線部58cが、両アーム部53、54を繋ぐ曲面部55の外周面に密着している例について説明したが、例えば本発明の変形例として図4に示すように曲面配線部58cを曲面部55と密着させずに曲面配線部58cが曲面部55と離間するように曲面配線部58cを弛ませた弛み配線部とした場合であっても、前記電磁波輻射の発生を抑制することができる。
また本発明は、基部51における第1のアーム部53と第2のアーム部54との境界部分に曲面部55が形成されている例について説明したが、例えば本発明の他の変形例として図5に示すように第1のアーム部53と第2のアーム部54との境界部分を曲面部55に代えて傾斜形状からなる傾斜壁Sとした場合、前記電磁波輻射の発生を抑制すべく、第1の配線部58aと第2の配線部58bとの境界部分を傾斜壁Sに密着させるように傾斜配線部58dとしてもよいし、もしくは前述の図4にて図示した前記弛み配線部としてもよい。
なお本発明は、指示部材50が表示部材10を避ける(迂回する)ように駆動装置40の回転軸30に装着された例について説明したが、例えば詳細図示省略するが、前述の本実施形態にて採用した指示部材50に代えて、表示部材に設けた貫通孔を介して回転軸(回転軸の先端部分)に連結され、表示部材上を直線上に延びるとともに基部が遮光性カバーによって覆われてなる指示部材を採用することも可能である。
10 表示部材
11 表示器
13 前面カバー
13a 表示部
20 回路基板
22 第1のコイルユニット
23 第1のコイル
24 枠体
25 第1の磁気シールド部材
30 回転軸
40 駆動装置
50 指示部材
51 基部
52 指示部
53 第1のアーム部
54 第2のアーム部
57 光源
58 可撓性基板(配線部材)
58a 第1の配線部
58b 第2の配線部
58c 曲面配線部
58d 傾斜配線部
80 見返し部材
81 目盛部
90 第2のコイルユニット
91 第2のコイル
92 第2の磁気シールド部材
K1 窪み部
11 表示器
13 前面カバー
13a 表示部
20 回路基板
22 第1のコイルユニット
23 第1のコイル
24 枠体
25 第1の磁気シールド部材
30 回転軸
40 駆動装置
50 指示部材
51 基部
52 指示部
53 第1のアーム部
54 第2のアーム部
57 光源
58 可撓性基板(配線部材)
58a 第1の配線部
58b 第2の配線部
58c 曲面配線部
58d 傾斜配線部
80 見返し部材
81 目盛部
90 第2のコイルユニット
91 第2のコイル
92 第2の磁気シールド部材
K1 窪み部
Claims (4)
- 表示部を有する表示部材と、
前記表示部材の背後側に配置される駆動装置と、
前記駆動装置の回転軸に装着され、前記回転軸の周囲に位置する基部と前記表示部を指示する指示部とを有する指示部材と、
前記指示部を発光させるべく前記指示部材に配設される光源とを備えた指示計器において、
前記駆動装置側に設けられる第1のコイルと、
前記第1のコイルに対応するように前記基部側に設けられる第2のコイルと、
前記第2のコイルと前記光源とを電気的に接続するための配線部材とを有し、
前記基部には前記第2のコイルを収納する窪み部が形成され、
前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の電磁誘導作用により、前記配線部材を介して前記光源に給電がなされる構成としたことを特徴とする指示計器。 - 前記駆動装置は、所定の配線パターンを有する回路基板の背後に導通装着されてなり、
前記第1のコイルは前記回路基板に配設された枠体内に収納されるとともに前記第1のコイルと前記枠体との間に前記回路基板側への磁力線の放出を遮断する第1の磁気シールド部材を介在させ、且つ、前記窪み部における前記第2のコイルと前記基部との間に前記第1のコイルから前記第2のコイルへと至る磁力線の前記基部側への放出を遮断する第2の磁気シールド部材を介在させたことを特徴とする請求項1記載の指示計器。 - 前記基部が、前記表示部材の背後側において前記回転軸の周囲に位置する第1のアーム部と、前記第1のアーム部と前記表示部材の前方に位置する前記指示部とを連結するように前記表示部材の側方に位置する第2のアーム部とを有し、
前記配線部材は、前記第1のアーム部に対応するように配設される第1の配線部と、前記第2のアーム部に対応するように配設される第2の配線部と、前記第1の配線部と前記第2の配線部との境界部分に配設される曲面配線部または傾斜配線部とを備えてなることを特徴とする請求項1記載の指示計器。 - 前記配線部材が、前記基部に密着するように配設されてなることを特徴とする請求項1記載の指示計器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009142025A JP2010210604A (ja) | 2009-02-13 | 2009-06-15 | 指示計器 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009030563 | 2009-02-13 | ||
JP2009142025A JP2010210604A (ja) | 2009-02-13 | 2009-06-15 | 指示計器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010210604A true JP2010210604A (ja) | 2010-09-24 |
Family
ID=42970912
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009142025A Pending JP2010210604A (ja) | 2009-02-13 | 2009-06-15 | 指示計器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010210604A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010276591A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-12-09 | Nippon Seiki Co Ltd | 指針式計器 |
-
2009
- 2009-06-15 JP JP2009142025A patent/JP2010210604A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010276591A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-12-09 | Nippon Seiki Co Ltd | 指針式計器 |
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