JP2010209679A - 戸体閉鎖装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一時固定手段25は、アーム21の固定部21bに当接して保持し、所定の開放位置と閉鎖位置との間に戸体11が存在するとき、一時固定手段25に固定部21bが保持され、戸体11が閉鎖され、一時固定手段25は、第1の壁25aと、戸体を開放する側に第2の壁25bと、第1の壁25aと第2の壁25bとに挟まれ下方に開口したアーム固定溝25cとを有し、一時固定手段25の下面には、第2の壁25dより戸体を開放する側に、戸体を閉鎖する側に向けて下がる導入斜面25fが形成され、戸体が開放位置から閉鎖位置へ動かされた際、開放位置Oにあるアーム21の固定部21bが、導入斜面25fに当接しつつ、アーム固定溝25cへと導かれる。
【選択図】 図2
Description
また、強すぎる力を緩和して緩やかに扉を閉じるようにした緩衝装置が設けられることがある。これらの緩衝装置は、衝撃を緩和するためのダンパーやばねを戸体や戸枠に取り付けたものであり、このダンパーなどの作用によって、戸体の急激な動作を緩和するものである。
また、特許文献1に示される緩衝装置のように、エアシリンダによって、同様の作用をなすものも存在している。
また、ダッシュポットとは、ばねを内蔵した油圧シリンダーであって、この閉鎖装置の専用品として設計する必要があるという問題も有する。
上記の問題より、この特許文献2に記載の閉鎖装置の構造では、製造コストを低減することが困難であった。
また、本願発明は、戸体に加えられた外力が弱い場合であっても、戸体を完全に閉鎖することができ、逆に外力が強い場合には、緩衝して緩やかに閉めることができる引戸の閉鎖装置を提供することを課題とする。
また、本願発明は、簡易な構造とすることにより、製造コストの低減に貢献できる引戸の閉鎖装置を提供することを課題とする。
なお、本説明において、戸体11が設けられている戸枠12とは、戸体11を左右方向へと移動可能に配位させるためのレールや枠など、戸体11を支持するものを指し、建築物における引戸の場合では、柱や壁も含むものである。
また、本説明における方向の表現は、理解を容易にするためのものであり、これによって、本願発明が制限して理解されるべきではない。
このアーム21は、回動軸21aを中心に左右方向の所定範囲内において回動可能となっている。本例においては、このアーム21の回動範囲の左端が開放位置O(図2に示した状態)、右端が閉鎖位置C(図6に示した状態)となり、それぞれ戸体11の開放位置(本例においては、各図において戸体11が相対的に右側に移動した状態の位置)と閉鎖位置(本例においては、各図において戸体11が相対的に左側に移動した状態の位置)とに対応する。つまり、回動軸21aの位置を基準として、アーム21の先端(図示上端)が図示左方にある場合が開放位置O、同右方にある場合が閉鎖位置Cとなる。
なお、アーム21は、一時固定手段25との位置関係に応じ、図7に示すように、上記の開放位置Oよりもさらに左方にも移動し得るものとされている。
なお、本例における固定部21bは、軸部21b1と、軸部21b1の外側に配位され、この軸部21b1に対して回動可能とされたローラー部21b2とを有するものであって、後述するように、固定部21bが一時固定手段25のアーム固定溝25cに配位された際において、このローラー部21b2が一時固定手段25の左方壁25aや右方壁25bに対して回動できるため、小さな抵抗で固定部21bが上下動できる。
アーム21の形状は本例のものに限定されず、例えば、図9〜図12に示したように、種々の形態での実施が可能である。また、本例においては、アーム21の上端が固定部21bとされているが、アーム21の中間など、上端以外の箇所に固定部21bを形成しても良い。
この板ばね27は、アーム21に向かうように突出して形成された湾曲部27aを有する。本例における具体的な板ばね27の形状は、図2に示すように、アーム21が開放位置Oにある場合において、ケーシング22の図示左下方に対して固定された部分から、まず図示右上方へと延び、その先端側において、一度右方に曲げられた後に、左上方へと折り返されたものであり、この折り返された部分が湾曲部27aとなる。そして、この湾曲部27aは、図2に示すように、上記のアーム21に形成された凹部である係合部26aと係合可能とされている。
板ばね27は、図5に示すように、アーム21と係合していない状態では、ケーシング22に設けられた板ばねストッパー22cと当接した状態となっているが、図2に示すように、アーム21が開放位置Oにある状態では、アーム21により押し上げられて、板ばねストッパー22cから離れた状態に変形する。そしてこの時、アームの係合部26aと板ばね27の湾曲部27aとが係合した状態となる。板ばね27は上記のように変形したことにより付勢力が発生するため、アーム21を開放位置Oで確実に保持することができる。なお、板ばね27の上記の付勢力の方向は、アーム21の回動方向と交差する方向であれば良いが、アーム21の回動方向である円弧の開放方向寄りに付勢がなされる方が、アーム21と板ばね27との係合状態が外れにくいため望ましい。
また、図10(A)に示すように、位置保持部21eをアーム21の左側に突出するようにして設けられた、嵌合凸部21e1を備えた板状のものとし、アーム位置保持手段27を、位置保持部21eの嵌合凸部21e1と接する部分に嵌合凹部27eを設け、アーム21が開放位置Oにある時、アーム21の嵌合凸部21e1とアーム位置保持手段27の嵌合凹部27eとが図10(B)に示すように嵌合することにより、付勢手段23の付勢に抗して、アーム21の位置がそのまま保持されるものとしても良い。他に、アーム位置保持手段27を、磁石を備えたものとし、アーム位置保持手段27に対して磁力でアーム21の一部を吸着させてアーム21を保持するものとしても良い。
本例では、図2に示すように、この付勢手段取付部21cが、アーム21の基端寄りに設けられたものであるが、アーム21に対する付勢手段23の取り付け方については、本例のものに限られるものではない。例えば、図9〜図11に示したものは、付勢手段取付部21cをアーム21の先端寄りに設けたものである。また、図12に示したものは、付勢手段取付部21cを回動軸21aよりも基端(図示下端)側に設けたものであるが、本例とは逆に、付勢手段23をアーム21の図示左側に設けたものである。このように、種々に変更して実施し得る。
また、付勢手段23は本例のようなコイルばねに限られるものではなく、例えば、回動軸21aに取り付けられた渦巻ばねなど、他の種類のばねや、ゴムなどの弾性を有する樹脂を用いても良く、取り付ける場所も限定されるものではない。また、本例とは逆に、ばねの圧縮力を利用するものとしても良い。
また、図8に示すように、付勢手段23の一端側に位置調整手段28を設けることにより、付勢手段23の有する引張力や圧縮力を可変としても良い。図示したものは、プレート28aを介してコイルばね23が取り付けられたものであり、このプレート28aをボルト28bと、これに螺合するナット28cによりケーシング22に対するコイルばね23の変位を調整可能としたものである。こうすることによって、アーム21の移動速度を調整でき、これに応じ、戸体11の閉鎖速度を調整することができる。
また、ダンパー24は、アーム21が左右いずれの方向に動作する場合でも緩衝作用を発揮するものであっても良いし、あるいは、ワンウェイクラッチが内蔵されたものとし、アーム21が閉鎖位置Cへと(右方に)移動する際においては減速がなされ、開放位置Oへと(左方に)移動する際においては減速しないものであっても良い。
また、この一時固定手段25の下面であって、アーム固定溝25cの図示右側に形成された右下方壁25dは、同じくアーム固定溝25cの図示左側の下面である左下方壁25eよりも高い位置に形成されている。これは、図3に示すように、右下方壁25dの下方をアーム21の固定部21bが通過し、アーム固定溝25cへと導入されるためである。なお、右下方壁25dの下方をアーム21の固定部21bが通過する際、固定部21bは、本例では図3に示すように、右下方壁25dに当接するが、これに限らず、隙間を保つようにしても良い。また、本例では、閉鎖装置本体2aと一時固定手段25との上下のずれを吸収し、アーム21の固定部21bをスムーズにアーム固定溝25cへと導入させることができるように、右下方壁25dの図示右方側に、図示右上がりの導入斜面25fが形成されている。図7は、閉鎖装置本体2aと一時固定手段25とが、図2に示したものよりも上下方向に接近して配位された場合を示しており、破線で図示したように、開放位置Oにあるアーム21の固定部21bが、導入斜面25fに当接しつつ、アーム固定溝25cへと導かれる。
また、上記と同様にして、アーム21が通常の閉鎖位置Cよりも図示右方に移動し、ダンパー24が故障することのないように、閉鎖側ストッパー22bが設けられている。本例では、ケーシング22の図示右上方部分が図示左側へと延ばされており、その先端部分が閉鎖側ストッパー22bを兼ねるものとされている。
戸体11が開放位置から閉鎖位置へと移動するに伴い、アーム21は、図2に示された状態から、図3に示されたような、一時固定手段25の右下方壁25dにアーム21の固定部21bが当接した状態を経て、図4に示すように、固定部21bが一時固定手段25のアーム固定溝25cに配位された状態となる。ここで、閉鎖装置本体2aが設けられた戸体11はさらに閉鎖位置(図示左方)に移動しようとするため、アーム21の固定部21bは一時固定手段25の左方壁25aに衝突することとなる。これにより、板ばね27の湾曲部27aとアーム21の係合部26aとの係合が外れる。更に、戸体11の図示左方への移動によって、アーム21が閉鎖位置Cの側(図示右方)に移動する。この状態で、アーム21の回動軸21aよりも付勢手段23の中心を通る仮想の軸が上方に移動するため、付勢手段23の付勢力がアーム21に働き、アーム21が開放位置Oから閉鎖位置Cへ向かい回動を開始する。このアーム21の回動の際、固定部21bは、一時固定手段25の左方壁25aと右方壁25bとに挟まれた状態となって、左右方向には不動で、上下方向にのみ移動が可能となる。これにより、固定部21bが一時固定手段25に保持されたまま、具体的には、右方壁25bに当接したままで、図4から図5に示す状態となるように、アーム21が回動することとなる。つまり、この右方壁25bは、アーム21の固定部21bを支持するための支点部として理解できる。
このアーム21の回動に伴い、閉鎖装置本体2aが設けられた戸体11が図示左方に移動して戸体11を閉鎖することができる(図6参照)。上記のアーム21の回動は、付勢手段23の付勢力及びダンパー24の緩衝作用を受けつつ、閉鎖位置Cまで自動的になされるため、戸体11を閉鎖するために加えられた外力が弱い場合であっても、アーム21を確実に閉鎖位置Cまで回動させて、戸体11を完全に閉鎖することができる。
そしてアーム21は、図4に示すように左方まで移動した状態で、固定部21bが一時固定手段25の右下方壁25dと当接しつつ(図3の状態)、一時固定手段25の右方に移動し、戸体11が開放される。
ここで、付勢手段23の付勢力よりも板ばね27のアーム21に対する付勢力が勝る場合にあっては、板ばね27の付勢力は、上記の係合片26との位置関係により、図示右方へと働く。よって、図2に示したように、アーム21と一時固定手段25とが当接しなくなった際、アーム21が通常の開放位置Oに戻った状態とされ、板ばね27の湾曲部27aとアーム21の係合部26aとが係合する。この場合、アーム21の固定部21bは、図7に破線で示したように、一時固定手段25の導入斜面25fに沿うように移動して、
アーム21が図示左方に行き過ぎた状態から開放位置Oへと戻る。
なお、上記とは逆に、板ばね27の付勢力よりも付勢手段23の付勢力が勝る場合は、板ばね27の湾曲部27aが、アーム21の係合部26aとの係合が外れた状態のまま維持されてしまうが、この状態であっても、付勢手段23がアーム21を図示左方へと付勢し続けるため、実用上は差し支えない。
本例においては、戸体11に閉鎖装置本体2aを設け、戸枠12に一時固定手段25を設けたものとしたが、これとは逆に、戸体11に一時固定手段25を設け、戸枠12に閉鎖装置本体2aを設けたものとしても良い。
また、戸体11の戸枠12に対する閉鎖位置及び開放位置は、場合により種々に変更して設定が可能である。よって、閉鎖時において、図6に示すような、戸体11が全閉状態となるようにせずに、所定の隙間を保ったまま閉鎖されるように設定しても良い。
また、戸体11は、下部に戸車を有するものであっても良いし、上部に戸車を有するものであり、この戸車で戸体11を吊り下げる形態のものであっても良い。
12 戸枠
2a 閉鎖装置本体
21 アーム
21a 回動軸
21b 固定部
22a 開放側ストッパー
22b 閉鎖側ストッパー
23 付勢手段
24 緩衝手段、ダンパー
25 一時固定手段
26a 係合部
27 アーム位置保持手段
27a 湾曲部
C アームの閉鎖位置
O アームの開放位置
Claims (1)
- 戸枠(12)に対して開閉可能に配位された引戸形式の戸体(11)を、戸体(11)が所定の開放位置から閉鎖位置まで存在する間を自動閉鎖可能な戸体閉鎖装置において、
戸枠(12)には閉鎖装置本体(2a)が設けられ、
戸体(11)には、一時固定手段(25)が設けられ、
上記の閉鎖装置本体(2a)には、回動軸(21a)を中心として、戸体(11)の、
上記自動閉鎖動作が開始する前における開放位置に対応する開放位置(O)と、戸体(11)の閉鎖位置に対応する閉鎖位置(C)との間の範囲内において回動可能なアーム(21)と、
上記の開放位置(O)から閉鎖位置(C)へアーム(21)が回動するように、アーム(21)を付勢するための付勢手段(23)と、
アーム(21)が開放位置(O)から閉鎖位置(C)へと回動する際において、このアーム(21)の回動動作を減速させるための緩衝手段(24)とが設けられ、
上記の一時固定手段(25)は、アーム(21)の一部である固定部(21b)を左右方向に不動とするように保持可能なものであり、
戸体(11)の自動閉鎖が行われる際においては、一時固定手段(25)に上記の固定部(21b)が保持され、その状態で付勢手段(23)の付勢を受けてアーム(21)が回動し、これにより、戸体(11)が閉鎖されるものであり、
一時固定手段(25)は、第1の壁(25a)と、戸体(11)の開閉方向について第1の壁(25a)よりも戸体(11)を開放する側に位置する第2の壁(25b)と、第1の壁(25a)と第2の壁(25b)とに挟まれるようにして下方に開口したアーム固定溝(25c)とを有し、
一時固定手段(25)の下面であって、戸体(11)の開閉方向について第2の壁(25d)より戸体(11)を開放する側に、戸体(11)を閉鎖する側に向けて下がる導入斜面(25f)が形成され、戸体が開放位置から閉鎖位置へ動かされた際、開放位置(O)にあるアーム(21)の固定部(21b)が、導入斜面(25f)に当接しつつ、アーム固定溝(25c)へと導かれることを特徴とする戸体閉鎖装置。
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