JP2010209365A - 焼結部材の製造方法 - Google Patents

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安彦 田代
Masanori Saito
正典 齊藤
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Abstract

【課題】 複雑形状の焼結部材における巣(気孔、マクロポア)の発生を著しく抑えることができる射出成形を利用した焼結部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 射出成形原料として、超硬合金、サーメットと結合材からなる原料粉末を用い、射出成形によって成形体を成形し、さらに、成形体を焼結する焼結部材の製造方法において、前記原料粉末をバインダとともに、アルコールまたは水の溶液中において同時に湿式粉砕することによって混合物スラリーを生成し、該混合物スラリーを噴霧乾燥することによって均一微細な顆粒を調製し、この均一微細な顆粒を前記射出成形原料として用いる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、射出成形技術を利用して、超硬合金粉末またはサーメット粉末から焼結部材を製造する方法に関し、特に、この発明により複雑な形状の焼結部材を作製した場合には、焼結部材内部に形成されるマクロポア(巣、気孔)の発生が著しく低減された健全な組織を形成することができる焼結部材の製造方法に関する。
焼結部材の製造技術としては、粉末冶金法による製造が一般的であるが、プラスチック等の成形に用いられる射出成形技術を利用した焼結部材の製造方法も知られている。
図2に、射出成形技術を利用した焼結部材の製造方法の一例を示す。
例えば、超硬合金製焼結部材を製造する場合、図2に示すように、
(a)炭化タングステン(WC)粉末、炭化クロム(Cr)粉末、コバルト(Co)粉末等を、アトライタ、ボールミル等により所定配合割合になるように混合・粉砕して、超硬合金原料粉末を用意し、これを乾燥し、
(b)上記の超硬合金原料粉末を、バインダ成分(例えば、ポリプロピレン(PP)、パラフィンワックス(PW)等)とともにニーダとよばれる混練機中に装入し、加熱混練して射出成形原料を調製し、
(c)粉砕またはペレット化した射出成形原料を加熱し、所定圧力、所定温度で射出成形し、所望寸法・形状の成形体を成形し、
(d)該成形体の脱バインダ処理を行った後、所定条件で焼結する、
上記(a)〜(d)の工程により、超硬合金製焼結部材を製造することができる。
特許第2749699号明細書 特開平10−121107号公報 特表2001−507075号公報
上記従来の射出成形技術を利用した焼結部材の製造方法においては、上記工程(b)の射出成形原料の調製は、上記工程(a)で用意した原料粉末を混合槽中に入れた後、混合槽中にバインダ成分を少量ずつ加えてゆき、混練されている材料が餅状になった後、さらに30〜60分間程度混練を継続し、その後、混合槽から取出・冷却し、これを粉砕またはペレット化することにより行われている。
特に、原料粉末として、超硬合金粉末あるいはサーメット粉末を用い、超硬合金製切削工具、サーメット製切削工具等の複雑形状の硬質焼結部材(切削工具)を製造しようとした場合には、該焼結部材(切削工具)に要求される特性(例えば、耐摩耗性、靭性等)を満足するためには、原料粉末としては1.0μm以下程度の微細な粉末粒子を用いることが必要となる。
しかし、原料粉末として、1.0μm以下程度の微細な粉末粒子を用いた場合、射出成形型内に射出成形原料を均一に流し込むためには、射出成形原料の粘度を高くすることが重要であり、そのためには、多量(40体積%以上)のバインダを使用することが必要となるが、その一方、微細な粉末粒子はその比表面積が大きいため、バインダ中に均一に分散することが困難となり原料粉末の不均一分散が生じ、この不均一分散が、その後焼結を行う際の焼結性に悪影響を及ぼし、得られた焼結部材内部には、結果として、多数の巣(気孔、マクロポア)等が観察され、焼結部材組織の健全性が損なわれることになる。
そして、複雑形状の焼結体切削工具における巣(気孔、マクロポア)等の存在は、切削加工時の工具の欠損の原因となり、焼結体切削工具の寿命を短くすることになるため、巣(気孔、マクロポア)等が存在しない健全な組織を有する焼結部材の製造方法が望まれている。
そこで、本発明者らは、超硬合金粉末あるいはサーメット粉末を原料粉末として用い、射出成形技術を利用して焼結部材を製造するにあたり、焼結部材に、巣(気孔、マクロポア)等の欠陥が存在しない健全な組織を有する焼結部材の製造方法について鋭意研究を行った結果、次のような知見を得た。
図1に、本発明の焼結部材の製造方法の概略を示す。
図1に示すように、炭化タングステン(WC)粉末、炭化クロム(Cr)粉末、コバルト(Co)粉末等の超硬合金原料粉末とバインダ成分(ポリプロピレン(PP)、パラフィンワックス(PW)等)とから射出成形原料を形成するにあたり、前記超硬合金原料粉末とバインダ成分とを、アルコールまたは水の溶液中において同時に湿式粉砕し、この湿式粉砕によって混合物スラリーを生成し、この混合物スラリーを噴霧乾燥(スプレードライ)することによって均一微細な顆粒を調製し、この均一微細な顆粒を射出成形原料として使用した場合には、この均一微細な顆粒には、超硬合金原料粉末とバインダ成分が均一に分散していることから、巣(気孔、マクロポア)等の発生率が著しく低減された健全な組織を有する焼結部材を製造し得ることを、本発明者らは見出したのである。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、
「 超硬合金またはサーメットと結合材からなる原料粉末を、有機化合物、ワックスを含むバインダと混合して射出成形原料を形成する調製工程、前記射出成形原料を射出成形することによって射出成形体を成形する成形工程、前記射出成形体からバインダを除去した後に焼結する焼結工程を含む焼結部材の製造方法において、
前記調製工程では、超硬合金またはサーメットと結合材からなる前記原料粉末と、有機化合物、ワックスを含む前記バインダを、アルコールまたは水の溶液中において同時に湿式粉砕することによって混合物スラリーを生成し、該混合物スラリーを噴霧乾燥することによって均一微細な顆粒を生成し、この均一微細な顆粒を射出成形原料として用いることを特徴とする焼結部材の製造方法。」
を特徴とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
(1)超硬合金またはサーメットと結合材からなる原料粉末
超硬合金と結合材からなる原料粉末しては、代表的には、炭化タングステン(WC)粉末と結合相を形成するコバルト(Co)粉末からなる原料粉末が挙げられるが、焼結部材の使途、要求される特性等に応じて、原料粉末の成分として、炭化クロム(Cr)粉末、炭化チタン(TiC),炭化タンタル(TaC),炭化ニオブ(NbC)等を含有させることは勿論可能であり、これによって、本発明の製造方法において何らの悪影響を及ぼすものではない。
また、サーメットと結合材からなる原料粉末としては、代表的には、炭窒化チタン(TiCN)粉末と、結合相形成成分としてのコバルト(Co)粉末、ニッケル(Ni)粉末、酸化モリブデン(MoO)粉末等からなる原料粉末が挙げられるが、その他の成分を含有させることも、前記超硬合金の場合と同様、勿論可能である。
(2) バインダ
バインダ成分としては、例えば、結合剤としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリスチレン等、滑剤としては、パラフィンワックス(PW)、ステアリン酸等、また、可塑剤としては、フタル酸等を使用することができる。
上記超硬合金またはサーメットと結合材からなる原料粉末と上記バインダの配合割合に特に制限はないが、バインダの配合割合(バインダ/(原料粉末+バインダ))が体積割合で0.7を超えるようになると、脱脂工程でバインダを除去するときにクラックが発生してしまうため、良品の作製が困難である。
一方、バインダの配合割合が体積割合で0.3未満になると、バインダが少なすぎて均一に回りこめず成形が困難になり、成形体に欠陥が生じてしまうため、バインダの配合割合(バインダ/(原料粉末+バインダ))の値(但し、体積割合)は、0.3〜0.7であることが望ましい。
(3)均一微細な顆粒の調製
超硬合金と結合材からなる原料粉末、あるいは、サーメットと結合材からなる原料粉末を、所定体積割合になるように配合した上記バインダとともに、アトライタ、ボールミル等に装入し、混合・粉砕を同時に行い、混合スラリー溶液を生成し、この混合スラリー溶液をスプレードライ等により噴霧乾燥し、均一微細な顆粒からなる射出成形原料を調製する。
この均一微細な顆粒の光学顕微鏡写真(倍率:10倍)を図3に示す。
なお、図2に示すような従来方法により調製した射出成形原料(ペレット)の光学顕微鏡写真(倍率:10倍)を図4に示すが、図3と図4との比較から明らかなように、従来方法により得た射出成形原料は、直径×長さが、1.0〜3.0(mm)×3.0〜6.0(mm)のペレットであるのに対して、本発明では均一微細な顆粒を射出成形原料として使用することにより、焼結後の焼結部材には、巣(気孔、マクロポア)の形成が著しく低減される。
(4)射出成形体からのバインダの除去及び焼結工程
射出成形体からバインダを除去する工程及びその後の焼結工程は、従来から行われている射出成形技術を利用した焼結部材の製造方法と同様な条件で行うことができる。
例えば、射出成形体からのバインダ除去は、
雰囲気: 水素雰囲気中、
昇温速度: 5〜20 ℃/hr、
保持温度: 450〜550 ℃、
保持時間: 0.5〜1.5 hr、
の条件で行うことができ、
また、例えば、焼結は、
雰囲気: 真空中、
焼結温度: 1400〜1500 ℃、
焼結時間: 1〜2 hr、
の焼結条件で行うことができる。
本発明では、射出成形技術を利用した焼結部材の製造方法における射出成形原料の調製にあたり、超硬合金原料粉末あるいはサーメット原料粉末とバインダ成分とを同時に混合・粉砕し、得られた混合物スラリーを噴霧乾燥(スプレードライ)することによって均一微細な顆粒を形成し、該均一微細な顆粒を射出成形原料として使用することにより、得られた焼結部材中に、巣(気孔、マクロポア)等の欠陥がほとんど存在しない健全な焼結組織の焼結部材を製造することができる。
本発明の製造方法の概略説明図を示す。 従来の製造方法の概略説明図を示す。 本発明により調製された均一微細な顆粒からなる射出成形原料の光学微鏡写真(倍率:10倍)を示す。 従来法により調製されたペレットからなる射出成形原料の光学顕微鏡写真(倍率:10倍)を示す。 円筒状穴を2個設けた射出成形体の一例を示す。 円筒状穴を1個設けた射出成形体の他の例を示す。
本発明の焼結部材の製造方法について、実施例により具体的に説明する。
[実施例1]
(a)射出成形原料を形成する調製工程
原料粉末として、
平均粒径が0.5〜1.0μmのWC粉末: 166kg、
平均粒径が0.8〜1.2μmのCo粉末: 18kg、
バインダ成分として、
パラフィンワックス(PW): 4kg、
ポリプロピレン(PP) : 6kg、
メタクリル酸メチル : 2kg、
ジブチルフタレート : 4kg、
を使用し、上記原料粉末と上記バインダ成分をアルコール100Lと混合し、30時間にわたって湿式粉砕し、得られた混合スラリー溶液を噴霧乾燥して、また、得られた均一微細な顆粒を射出成形原料として調製した。
なお、得られた均一微細な顆粒の光学顕微鏡写真を図3(倍率:10倍)に示す。
(b)射出成形体を成形する成形工程
上記均一微細な顆粒からなる射出成形原料を、通常の射出成形機にて、
シリンダ温度: 120〜150℃
圧力 : 50MPa
の条件で射出成形し、図5に示される寸法形状(縦:32mm,横:32mm,高さ:15mmの寸法を有する直方体に、直径:5mmの円筒状穴を2個設けたもの)の超硬合金粉末からなる射出成形体を成形した。
(c)バインダ除去工程及び焼結工程
上記寸法形状の超硬合金粉末からなる射出成形体を、
雰囲気: 水素雰囲気中、
昇温速度: 10 ℃/hr、
保持温度: 500 ℃、
保持時間: 1.0 hr、
の条件でバインダ除去(脱脂)を行った後、
雰囲気: 真空中、
焼結温度: 1450 ℃、
焼結時間: 1.0 hr、
の条件で焼結を行うことにより、
本発明焼結部材1を製造した。
上記本発明焼結部材1について、自動研磨装置にて砥石粒度#325で5分間、#1200で10分間、#5000で10分間研磨を行い、鏡面状態にしたのち、焼結組織の観察を行ったところ、CIS規格で気孔レベルがA02以下、B02以下、C02以下であり、マクロポアが1cm当たり0〜2個(但し、5個所測定の平均値)しか存在せず、巣がほとんどない健全な焼結組織を有することがわかった。
[実施例2]
(a)射出成形原料を形成する調製工程
原料粉末として、
平均粒径が0.5〜1.0μmのWC粉末: 21.6kg、
平均粒径が1.0〜1.4μmのCo粉末: 18kg、
平均粒径が1.3〜1.7μmのNi粉末: 9kg、
平均粒径が1.8〜2.2μmのMoO粉末:14.4kg、
平均粒径が1.8〜2.2μmのNbC粉末: 18kg、
平均粒径が1.8〜2.2μmのTiCN粉末: 99kg、
バインダ成分として、
パラフィンワックス(PW): 5kg、
ポリプロピレン(PP) : 7.5kg、
メタクリル酸メチル : 2.5kg、
ジブチルフタレート : 5kg、
を使用し、上記原料粉末と上記バインダ成分をアルコール100Lと混合し、30時間にわたって湿式粉砕し、得られた混合スラリー溶液を噴霧乾燥して、また、得られた均一微細な顆粒を射出成形原料として調製した。
(b)射出成形体を成形する成形工程
上記均一微細な顆粒からなる射出成形原料を、通常の射出成形機にて、
シリンダ温度: 120〜150℃
圧力 : 60MPa
の条件で射出成形し、図6に示される寸法形状(縦:20mm,横:20mm,高さ:10mmの寸法を有する直方体に、直径:10mmの円筒状穴を1個設けたもの)のサーメット粉末からなる射出成形体を成形した。
(c)バインダ除去工程及び焼結工程
上記寸法形状の超硬合金粉末からなる射出成形体を、
雰囲気: 水素雰囲気中、
昇温速度: 8 ℃/hr、
保持温度: 500 ℃、
保持時間: 1.0 hr、
の条件でバインダ除去(脱脂)を行った後、
雰囲気: 真空中、
焼結温度: 1450 ℃、
焼結時間: 1.0 hr、
の条件で焼結を行うことにより、
本発明焼結部材2を製造した。
上記本発明焼結部材2について、実施例1と同様に、焼結組織の観察を行ったところ、CIS規格で気孔レベルがA02以下、B02以下、C02以下であり、マクロポアが1cm当たり0〜2個(但し、5個所測定の平均値)しか存在せず、巣がほとんどない健全な焼結組織を有することがわかった。
[比較例1]
原料粉末として、
平均粒径が0.5〜1.0μmのWC粉末: 166kg、
平均粒径が0.8〜1.2μmのCo粉末: 18kg、
パラフィンワックス(PW): 2kg、
を用い、上記原料粉末をアルコール100Lと混合し、30時間にわたって湿式粉砕した。
得られた混合スラリー溶液を噴霧乾燥して顆粒を形成した。
この顆粒を、
パラフィンワックス(PW): 2kg、
ポリプロピレン(PP) : 6kg、
メタクリル酸メチル : 2kg、
ジブチルフタレート : 4kg、
からなるバインダ成分とともに、加圧式ニーダで150℃×1hr加熱混練し、混練終了後のコンパウンドを、ニーダの混合槽から取出し冷却後、ペレット化した。
なお、得られたペレットの光学顕微鏡写真を図4(倍率:10倍)に示す。
(b)射出成形体を成形する成形工程
上記ペレットからなる射出成形原料を、通常の射出成形機にて、
シリンダ温度: 120〜150℃
圧力 : 50MPa
の条件で射出成形し、図5に示される寸法形状(縦:32mm,横:32mm,高さ:15mmの寸法を有する直方体に、直径:5mmの円筒状穴を2個設けたもの)の超硬合金粉末からなる射出成形体を成形した。
(c)バインダ除去工程及び焼結工程
上記寸法形状の超硬合金粉末からなる射出成形体を、
雰囲気: 水素雰囲気中、
昇温速度: 10 ℃/hr、
保持温度: 500 ℃、
保持時間: 1.0 hr、
の条件でバインダ除去(脱脂)を行った後、
雰囲気: 真空中、
焼結温度: 1450 ℃、
焼結時間: 1.0 hr、
の条件で焼結を行うことにより、
比較例焼結部材1を製造した。
なお、比較例焼結部材1の上記製造工程(a),(b)は、本発明焼結部材1のそれと同じである。
比較例焼結部材1について、自動研磨装置にて砥石粒度#325で5分間、#1200で10分間、#5000で10分間研磨を行い、鏡面状態にしたのち、焼結組織の観察を行ったところ、CIS規格で気孔レベルがA02+B02、C02以下であり、マクロポアが1cm当たり3〜7個(但し、5個所測定の平均値)と多数のマクロポアが存在することがわかった。
[比較例2]
(a)射出成形原料を形成する調製工程
原料粉末として、
平均粒径が0.5〜1.0μmのWC粉末: 21.6kg、
平均粒径が1.0〜1.4μmのCo粉末: 18kg、
平均粒径が1.3〜1.7μmのNi粉末: 9kg、
平均粒径が1.8〜2.2μmのMoO粉末:14.4kg、
平均粒径が1.8〜2.2μmのNbC粉末: 18kg、
平均粒径が1.8〜2.2μmのTiCN粉末: 99kg、
を使用し、上記原料粉末をアルコール100Lと混合し、30時間にわたって湿式粉砕した。
得られた混合スラリー溶液を噴霧乾燥して、サーメット粉末を得た。
このサーメット粉末を、
パラフィンワックス(PW): 5kg、
ポリプロピレン(PP) : 7.5kg、
メタクリル酸メチル : 2.5kg、
ジブチルフタレート : 5kg、
からなるバインダ成分とともに、加圧式ニーダで150℃×1hr加熱混練し、混練終了後のコンパウンドを、ニーダの混合槽から取出し冷却後、ペレット化した。
(b)射出成形体を成形する成形工程
上記ペレットからなる射出成形原料を、通常の射出成形機にて、
シリンダ温度: 120〜150℃
圧力 : 60MPa
の条件で射出成形し、図6に示される寸法形状(縦:20mm,横:20mm,高さ:10mmの寸法を有する直方体に、直径:10mmの円筒状穴を1個設けたもの)のサーメット粉末からなる射出成形体を成形した。
(c)バインダ除去工程及び焼結工程
上記寸法形状の超硬合金粉末からなる射出成形体を、
雰囲気: 水素雰囲気中、
昇温速度: 8 ℃/hr、
保持温度: 500 ℃、
保持時間: 1.0 hr、
の条件でバインダ除去(脱脂)を行った後、
雰囲気: 真空中、
焼結温度: 1450 ℃、
焼結時間: 1.0 hr、
の条件で焼結を行うことにより、
比較例焼結部材2を製造した。
なお、比較例焼結部材2の上記製造工程(a),(b)は、本発明焼結部材2のそれと同じである。
比較例焼結部材2について、比較例1と同様に、焼結組織の観察を行ったところ、CIS規格で気孔レベルがA04+B02、C02以下であり、マクロポアが1cm当たり10〜15個(但し、5個所測定の平均値)と多数のマクロポアが存在することがわかった。
上記実施例1と比較例1の対比、また、上記実施例2と比較例2の対比から明らかなように、本発明の射出成形技術を利用した焼結部材の製造方法によれば、焼結部材中に巣(気孔、マクロポア)がほとんど存在しない健全な焼結組織の焼結部材が得られる。
これに対し、従来の製造方法によれば、焼結組織中に欠陥の多い焼結部材しか得ることができず、本発明の製造方法が非常に優れたものであることがわかる。
上述のように、この発明の焼結部材の製造方法によると、焼結組織中に欠陥のほとんどない健全な組織を有する焼結部材が得られるので、例えば、これを、硬質かつ複雑形状を有する超硬合金製切削工具あるいはサーメット製切削工具等として用いた場合には、切削時の負荷による工具欠損等の発生の起点となる巣がほとんど存在しないことから、その結果として、長期の使用にわたってすぐれた工具特性(耐欠損性、耐摩耗性等)を発揮するとともに、工具寿命の長い切削工具を提供することができ、産業上の有益性が高い。

Claims (1)

  1. 超硬合金またはサーメットと結合材からなる原料粉末を、有機化合物、ワックスを含むバインダと混合して射出成形原料を形成する調製工程、前記射出成形原料を射出成形することによって射出成形体を成形する成形工程、前記射出成形体からバインダを除去した後に焼結する焼結工程を含む焼結部材の製造方法において、
    前記調製工程では、超硬合金またはサーメットと結合材からなる前記原料粉末と、有機化合物、ワックスを含む前記バインダを、アルコールまたは水の溶液中において同時に湿式粉砕することによって混合物スラリーを生成し、該混合物スラリーを噴霧乾燥することによって均一微細な顆粒を調製し、この均一微細な顆粒を射出成形原料として用いることを特徴とする焼結部材の製造方法。
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